説明

遊技機

【課題】大当たり処理中における迅速な遊技の消化のための遊技球の発射強度調整を簡便とする。
【解決手段】従来、遊技釘等の障害物を通過した後の遊技領域18Aに配置されていたアタッカー112を発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102における発射口204に近い側に設け、開閉扉116が退避位置とされているときは、そのガイド部116Bが外レール102を代替として機能し、開閉扉116が受入位置とされているときは、所定以上の発射力で発射した遊技球PBを迅速に入賞させることができるため、遊技球が障害物等に当たって減速することがなく、大当たり処理の早期初期が実現できる。また、遊技球PBのとりこぼし(大当たり処理中に、遊技球PBがアタッカー112に入賞しない事象)が少ないため、初心者と熟練者との格差を是正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動入賞口に遊技球が入賞することで実行される抽選の結果に基づいて、通常は閉止されている入賞口が所定の契機に開放する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な遊技機、例えばパチンコ機は、通常遊技状態で予め定められた始動入賞口(特別図柄始動入賞口)に入賞することで特別図柄抽選(特図抽選という場合がある)が実行され、この特別図柄抽選の結果が当選の場合、前記通常遊技中は閉止されている大入賞口(アタッカーという場合がある)を所定期間開放し、短期間で多くの入賞を期待できる大当たり処理が実行される特別遊技状態に移行する。
【0003】
特許文献1には、大当たり発生時における前回のラウンドから次回のラウンドへ切り替わる際に必要な遅延時間(インターバル時間)の短縮を図り、遊技の円滑な進行を図ることを目的として、アタッカー装置に、前床面及び後床面の上方に昇降部材を備える構造が提案されている。この特許文献1において、昇降部材は、大入賞口スイッチが9個の遊技球を検知したとき、後床面と昇降部材の水平部の天井面との間隔を減少させ、後床面に進入してきた遊技球と当接して、遊技球に対し大入賞口スイッチへ向かう方向の押出力を印加する動作を行う。
【0004】
この種の遊技仕様の遊技機を、遊技者の立場で考えると、まず、遊技球の打球力を調整して、特図抽選の権利を得るための始動入賞口に誘導され易くなるように発射グリップの操作により発射強度を調整する。一方、特図抽選の当たりが確定すると、アタッカーに誘導され易くなるように、前記発射強度を再度調整する。さらに、大当たり処理中のラウンドインタバルでは、一旦発射待機状態とし、アタッカーの開放を見計らって発射を再開させる。
【0005】
しかしながら、この発射強度の調整は、熟練者にとっては容易であるが、初心者にとっては、遊技の進行そのものが理解し難いこともあり、熟練者と初心者との間に同じ大当たり処理で、獲得し得る遊技球(総払出数)に差がでる傾向がある。
【0006】
また、アタッカーが遊技盤のアウト口の近傍に配置されていることが多く、大当たり処理中は、遊技釘等との跳ね返り作用も含み、遊技球が発射されてからアタッカーへ到達するまでに、相当の時間を要しており、遊技の冗長を招くことで、遊技意欲を減退させる場合がある。
【0007】
また、参考として、特許文献2には、大当たり中の遊技状態に、発射強度という遊技者介入操作を用いて、遊技者の趣向性を高めることを目的として、遊技盤上に2以上のアタッカーを設け、遊技者に何れかを発射強度の調整によって狙い打ちさせることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−225970号公報
【特許文献2】特開2003−154086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、大当たり処理中における迅速な遊技の消化のための遊技球の発射強度調整を簡便とすることができる遊技機を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、遊技球を所定の発射力で発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技球を前記発射力と遊技球自身の重力とに基づいて目的の方向へ放出する発射口と、当該発射口から放出され前記発射力を喪失した遊技球が自然落下する範囲として設定された遊技領域とを備え、前記遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行する遊技機であって、前記発射口から放出され、前記合成力に基づいて前記目的の方向に向かって移動している間の遊技球の移動軌跡上に配置され、前記遊技球を受け入れることで予め定めた数の賞球払い出しが実行される受入位置及び前記移動軌跡上から退避して、遊技球の受け入れを阻止する退避位置を移動可能な受入部材を有することを特徴としている。
【0011】
第1の発明によれば、発射装置によって発射された遊技球は、所謂初速度を持った運動エネルギーが付与される(発射力)。一方、遊技機は、遊技盤面が立設(平面に対して角度90°に近い傾斜面)しているため、遊技盤に放出される遊技球に対して重力が働く。すなわち、発射力と重力との合成力によって、発射口から送出された遊技球の移動方向が確定する。遊技者は、発射強度を調整して、遊技領域内の目的の方向へ遊技球を放出する。
【0012】
目的の方向へ移動中の遊技球は、発射力が減衰していき、最終的には発射力が喪失し、重力による自然落下となる。この自然落下する範囲が遊技領域であり、遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行する。
【0013】
例えば、遊技領域には、遊技釘等の障害物が所定の規則性を持って打ち込まれており、遊技球はこの遊技釘に当接して跳ね返り、或いは減速しながら落下していく。なお、障害物としては、遊技釘の他、風車、装飾部材等がある。
【0014】
また、遊技領域には、役物装置が配設され、例えば、遊技球の入賞口又は通過口が設けられている。入賞口と通過口との違いは、入賞口が遊技球を受け入れたことを検出した後、入賞球として遊技機に回収するとともに、この入賞に対する賞球が払い出されるのに対し、通過口が遊技球を受け入れたことを検出した後、再度遊技領域へ戻す構成であり、何れも遊技球の受け入れを検出する点において同質の役目を有する。
【0015】
上記構成の第1の発明において、発射口から放出され、発射力と重力との合成力に基づいて目的の方向に向かって移動している間の遊技球の移動軌跡上を受入位置とする受入部材を配置した。
【0016】
この受入部材は、遊技球の受け入れ条件が成立すると受入位置で遊技球を受け入れ、この受け入れによって予め定めた数の賞球払い出しが実行される。また、遊技球の受け入れ条件が成立していないとき、受入部材は遊技球の移動軌跡上から退避される(退避位置)。
【0017】
このように受入部材を、合成力に基づいて目的の方向に向かって移動している間の遊技球の移動軌跡上に配置することで、遊技球の迅速な受け入れが可能となる。言い換えれば、受入部材が受入位置に位置決めされると、遊技球を、遊技領域における障害物との当接、並びに役物装置に到達する以前に、受入部材に受け入れることができるため、例えば、障害物に当接して跳ね返る、或いは減速するといった遊技球の移動に対する負荷による遅延がなく、迅速な受け入れが容易になり、その後の賞球払い出しが可能となる。
【0018】
第1の発明において、前記発射口から発射した遊技球が、前記発射力と重力のバランスに基づいて、前記遊技領域を仕切るために予め輪状に形成された縦壁面に沿って遠心力で転動され、前記受入部材が前記受入位置に位置決めされたとき、前記遠心力で転動中の遊技球を受け入れることを特徴としている。
【0019】
発射力を備えた遊技球は初速度に近似しているほど移動速度が速く、この移動速度が速い期間中に受入部材で遊技球を受け入れることで、早期に賞球払い出しが可能となる。
【0020】
また、前記受入部材が、前記役物装置への入賞又は通過により権利を得る抽選の結果が当選した場合に、所定期間、前記受入位置に位置決めされることを特徴としている。
【0021】
例えば、遊技仕様として、役物装置へ入賞又は通過があると、抽選の権利を得るものとする。抽選の結果が当選の場合、遊技者に有利な状態を構築する。この遊技者に有利な状態として、本発明では、受入部材を所定期間、受入位置へ位置決めする。所定期間とは、受入位置の位置決め時間の合計を言い、例えば、受入位置と退避位置の移動を複数回繰り返した場合は、1回の受入位置の時間×繰り返し回数となる。
【0022】
より具体的には、ラウンド単位で動作を確定しておき、遊技状態によってラウンド回数を設定する。
【0023】
1ラウンドの動作は、例えば、受入位置に移動してから所定時間(例えば、30秒)経過したら退避位置へ戻すことと、受入位置となっている間の遊技球の受入数が所定数(例えば、10個)となったら退避位置へ戻すことを条件として、何れか一方が先に成立した時点で退避位置とする。
【0024】
第2の発明は、遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技球を目的の方向へ放出する発射口と、遊技実行時は縦壁状態とされ前記発射口から放出された遊技球が自然落下する範囲として設定された遊技領域とを備え、前記遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行され、前記遊技領域に設けられた一の役物装置への入賞又は通過を検出することで抽選の権利を得、当該抽選の結果が当選の場合に、前記遊技領域に設けられた他の一の役物装置の入賞口を、通常時の閉止状態から所定期間開放することで、遊技球の入賞を前記閉止状態よりも容易とする大当たり処理を実行する遊技機であって、前記大当たり処理制御手段により大当たり処理の実行中に有効とされ、前記障害物を回避して前記他の一の役物装置へ誘導する誘導路を設けたことを特徴としている。
【0025】
第2の発明によれば、発射装置によって発射された遊技球は、遊技盤面が縦壁状(平面に対して角度90°に近い傾斜面)しているため、重力による自然落下となる。この自然落下する範囲が遊技領域であり、遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行する。
【0026】
例えば、遊技領域には、遊技釘等の障害物が所定の規則性を持って打ち込まれており、遊技球はこの遊技釘に当接して跳ね返り、或いは減速しながら落下していく。なお、障害物としては、遊技釘の他、風車、装飾部材等がある。
【0027】
また、遊技領域には、役物装置が配設され、例えば、遊技球の入賞口又は通過口が設けられている。入賞口と通過口との違いは、入賞口が遊技球を受け入れたことを検出した後回収するのに対し、通過口が遊技球を受け入れたことを検出した後、再度遊技領域へ戻す構成であり、何れも遊技球の受け入れを検出する点において同質の役目を有する。
【0028】
第2の発明では、遊技領域に設けられた一の役物装置への入賞又は通過を検出することで抽選の権利を得、当該抽選の結果が当選の場合に、遊技領域に設けられた他の一の役物装置の入賞口を、通常時の閉止状態から所定期間開放することで、遊技球の入賞を前記閉止状態よりも容易とする大当たり処理を実行する。
【0029】
また、第2の発明では、障害物を回避して前記他の一の役物装置へ誘導する誘導路が設けられ、大当たり実行中は、誘導路を有効とする。
【0030】
これにより、大当たり処理中における、他の一の役物装置への遊技球の迅速な入賞が可能となる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明した如く本発明では、大当たり処理中における迅速な遊技の消化のための遊技球の発射強度調整を簡便とすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る遊技盤の正面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るアタッカーの斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係る制御系のハード構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態に係るアタッカー構造を示す遊技盤の正面図である。
【図6】第3の実施の形態に係るアタッカー構造を示す遊技盤の正面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るアタッカーの斜視図であり、(A)が退避位置(閉止状態)、(B)が受入位置(開放状態)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[第1の実施の形態]
(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
【0034】
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
【0035】
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すと一体皿24が開放する。
【0036】
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
【0037】
上皿部28の周縁壁32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
【0038】
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
【0039】
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
【0040】
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
【0041】
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結されている。
【0042】
この結果、上演出部52と下演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
【0043】
この演出部56は、上演出部52及び下演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
【0044】
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。また、ガラス枠の上部角部には、それぞれ三連表示62が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知等を含む)に適用される。
【0045】
また、前記上演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
【0046】
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
【0047】
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板やアクリル板が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(図4参照)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域18Aとされている。
【0048】
前記外レール102及び内レール104との間は、所定の間隔を持って球案内流路202が形成されている。球案内流路202は、発射装置165(図4参照)から発射された遊技球PBを遊技盤18の円形状の領域(遊技領域18A)へ案内する役目を有している。なお、この球案内流路202の終端(内レール104の先端部)は遊技球PBの発射口204とされている。この発射口204には、球逆流防止弁206が取り付けられている。球逆流防止弁206は、その基部が内レール104の先端部に取り付けられ、外レール102方向に延長され、通常は、発射口204を閉止している。ここで、遊技球PBが球案内流路202を通って移動してくると、前記発射装置165による発射力(遊技者によるグリップユニット26の操作量に依存する力)によって、球逆流防止弁206が変形し、遊技球PBが遊技領域18Aに放出される構成となっている。
【0049】
前記発射口204から放出される遊技球PBは、発射装置165による発射力と、重力との合成力によって放出方向が決まる。
【0050】
例えば、発射力のベクトルは、球案内流路202に沿った方向、すなわち、外レール102の接線方向であり、重力は垂下方向(図2の下向きの方向)であり、これらの合成ベクトルが遊技球PBの放出方向となる。従って、発射力が弱いと、発射口204から放出された遊技球PBは、例えば直ぐに下向きに移動する。一方、発射力が強いと、発射口204から放出された遊技球PBは、例えば、遠心力(向心力とは正反対の向きの同じ力)で外レールに沿って転動する。
【0051】
通常遊技盤18は、外レール102が遊技領域18Aの天井面となっており、図2の左端部が前記発射口204であり、右端部には、緩衝ゴム208が取り付けられている。遊技球PBは、この発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102に沿って摺動すると共に、発射力の強さによって、発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102の途中で落下し始めることになる。
【0052】
ここで、第1の実施の形態では、この発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102に、アタッカー112を受入部材として設けている。
【0053】
アタッカー112は、通常遊技状態ではその入賞開口部が閉止され、大当たり処理中に限定されて当該入賞開口部が所定期間、開放される役物装置である。第1の実施の形態では、アタッカー112は、発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102の間であり、前記発射口204に近い側に設けられており、外レール102の一部として、開閉扉116が配置されている(退避位置、図2及び図3の想像線参照)。この開閉扉116が、前記大当たり処理中に、アタッカーソレノイド148(図4参照)への励磁制御によって、リンク機構(図示省略)を介して、回転軸210を中心に図2及び図3の反時計方向回りに回転させ、図2及び図3の実線に示す受入位置とされるようになっている。なお、このアタッカー112についての詳細な構造については、後述する。
【0054】
遊技盤18の遊技領域18Aには、釘(図示省略)及び風車21等の障害物が点在して打ち込まれている。また、遊技領域18Aにおけるほぼ中央には、センター役物105が配置されている。センター役物105は、各種演出等の映像を表示する液晶表示部(LCD表示部)106を備えている。
【0055】
LCD表示部106では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合を、「リーチ演出」という。
【0056】
センター役物105の下辺部は、ステージ105Sが形成されている。ステージ105Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、或いは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。
【0057】
ステージ105Sは、傾斜面や突起部等が形成され、前記遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化し、最終的に下辺手前から遊技盤18へ戻されるようになっている。
【0058】
図2に示される如く、センター役物105の図2に向かって左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート118が配置されている。
【0059】
また、センター役物105の下部には、特別図柄始動入賞口(A)129と特別図柄始動入賞口(B)134とが縦列に配置されている。
【0060】
特別図柄始動入賞口(A)129が常時入賞可能に上部が開口しており、一方、特別図柄始動入賞口(B)134の上部開口は、特別図柄始動入賞口(A)129によって通常は閉塞されている。
【0061】
この特別図柄始動入賞口(B)134には、電動チューリップ136が取り付けられている。電動チューリップ136は、遊技盤18の裏面側に配設された電チューソレノイド138(図4参照)の通電・非通電によって開閉する構成となっている。
【0062】
電動チューリップ136は、前記普通図柄抽選に当選したときに開放するようになっている。
【0063】
ここで、電動チューリップ136が開放状態になると、特別図柄始動入賞口(B)134の入賞開口部へのパチンコ球PBの受け入れが可能となり、パチンコ球PBの入賞が可能となる。
【0064】
また、遊技領域18Aの最下位置には、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
【0065】
さらに、センター役物105よりも下、かつ特別図柄始動入賞口(A)129と特別図柄始動入賞口(B)134の左右には、複数の一般入賞口120(第1の実施の形態では、図2に向かって左側に2個の一般入賞口120A、120B、右側に1個の一般入賞口120Cとする。)が設けられている。なお、一般入賞口120は、3個に限られるものではなく、例えば、ベース値や入賞率等の設計上の演算によってその数を決めればよい。
【0066】
遊技盤18の裏面側におけるセンター役物105の下部には、球案内パネル200が取り付けられている。この球案内パネル200は、図2に鎖線で示されるように、センター役物105の下部に集中している入賞口(特別図柄始動入賞口(A)129、特別図柄始動入賞口(B)134、一般入賞口120A、120B、120C)に対応するように取り付けられている。
【0067】
また、この遊技領域18Aに設けられたセンター役物105や盤面周縁には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子137(図4参照)が多数設けられている。
【0068】
ここで、特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、前記アタッカー112の開閉扉116が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
【0069】
なお、前記特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部106の図柄変動表示演出において報知され(遊技演出画像)、この図柄変動表示演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった、視覚的な演出をすることがあり、その場合は効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
【0070】
なお、第1の実施の形態では、1個の特別図柄始動入賞口に対して最大4個(第1の実施の形態では、特別図柄始動入賞口(A)129及び特別図柄始動入賞口(B)134の2個の特別図柄始動入賞口なので、8個となる。)の保留が可能となっている。なお、この保留球数に限定されるものではない。
【0071】
保留球数は、主として特別図柄表示部を備えた遊技進行ガイドランプユニット109(図2に示すセンター役物105を正面視したときの右下に配置)の一部である特別図柄記憶表示部によって報知される他、LCD表示部106の一部を用いて、遊技者に見易く表示するようになっている。
【0072】
(アタッカー112の構造)
前記大当たり処理の遊技仕様は、一の役物装置で抽選の権利を得て、当該抽選に当選すると他の一の役物装置により大当たり処理を実行するという概念の下で構築される。当該概念において、特別図柄始動入賞口(A)129及び特別図柄始動入賞口(B)134が一の役物装置であるのに対し、第1の実施の形態に係るアタッカー112は、他の一の役物装置として機能する。
【0073】
図2及び図3に示される如く、アタッカー112を構成する開閉扉116は、発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102の一部が切除され、開口した部分に取り付けられている。
【0074】
開閉扉116は、回転軸210が設けられた基部116Aが外レール102よりも外側に配置され、当該基部116Aから半径方向に延長された板状のガイド部116Bが形成されている。このガイド部116Bが、前記外レール102の代替部材とされ、通常遊技状態では、図2及び図3の想像線に示すように、残存する外レール102に沿って配置されるようになっている。このため、所定以上の発射力で発射口204から放出された遊技球PBは、遠心力で外レール102及びガイド部116Bを摺動しながら転動する。
【0075】
ここで、前記特別図柄始動入賞口(A)129及び特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞し、特図抽選の権利を得て、当該特図抽選に当選して大当たり処理が開始されると、前記開閉扉116が回転軸210を中心に図2及び図3の反時計方向に回転し、ガイド部116Bを図2及び図3の実線位置(受入位置)へ移動させる。このため、前記所定以上の発射力で発射口204から放出された遊技球PBは、ガイド部116Bによって、外レール102よりも奥側(遊技盤18側)へ案内されることになる。なお、ガイド部116Bに遊技球PBを外レール102の奥側へ案内し易くするリブを形成したり、傾斜面とすることが好ましい。
【0076】
外レール102よりも奥側における、遊技球PBが案内される領域には、入賞案内路212の開口部212Aが設けられている。このため、ガイド部116Bに案内された遊技球PBは、開口部212Aから入賞案内路212へ入賞し、当該入賞案内路212の途中に設けられたアタッカーセンサ112Sによって入賞を電気的に検出することができる。
【0077】
アタッカーセンサ112Sによる検出情報は、賞球払い出しのための契機、並びに、開閉扉116の開閉契機として適用される。
(制御系の構成)
次に、図4を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
【0078】
第1の実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、図4に示されるように、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0079】
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
【0080】
主制御部150には、入力系として、通過ゲート118(図2参照)を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ118S、特別図柄始動入賞口(A)129(図2参照)への入賞球を検出する特図A始動口センサ129S、特図B始動入賞口134(図2参照)への入賞球を検出する特図B始動口センサ134S、特別遊技状態の際に開放するアタッカー112(図2参照)への入賞球を検出するアタッカーセンサ112S、一般入賞口120A、120B、120C(図2参照)への入賞球を検出する一般入賞センサ120AS、120BS、120CSが接続されている。
【0081】
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報や遊技状態をランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット109、電動チューリップ136(図2参照)を開閉する電チューソレノイド138、アタッカー112(図2参照)の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド148が接続されている。
【0082】
演出制御部152には、入力系として、前記操作ボタン50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子137、スピーカ60(60L、60C、60R、60U)が接続されている。
【0083】
さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。
【0084】
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
【0085】
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
【0086】
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
【0087】
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、一球ずつ発射装置165によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域18Aに打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域18A内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域18Aの下端部に至った遊技球PBはアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
【0088】
また、遊技球PBが遊技領域18A内に設けた特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に入賞したり、通過ゲート118を通過すると、それぞれの遊技仕様に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。また、一般入賞口120に入賞すると、予め定めた数の賞球(払い出し)が実行される。
【0089】
(遊技仕様の概要)
まず、主制御部150における抽選処理を中心とした遊技制御について説明する。なお、第1の実施の形態における遊技仕様は、所謂ST機と称され、大当たり処理後に付与される特典の有効期間を遊技回数で制限している(詳細後述)。
【0090】
特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが判断される。この有効始動入賞とは、保留球が満杯(例えば、1個の始動口に対して4個)ではなく、かつ特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134へ遊技球PBが入賞したことを言い、これによって有効始動入賞時に遊技球が特図A始動口センサ129S又は特図B始動口センサ134Sによって検出されたタイミングに応じ、抽選権利を得ることになる。なお、無効始動入賞時は、抽選の権利は与えられないが、所定数(3〜5個程度)の賞球払出しがなされる場合もある。
【0091】
上記始動入賞が有効始動入賞であった場合に主制御部150は、乱数を取得し、予め記憶されている当り値を読み出し、双方を比較して、抽選が当りか外れかを判定する。
【0092】
なお、現在の遊技状態が大当たり処理中、或いは図柄変動パターン演出中の場合、主制御部150は、抽選の権利を保留にするべく、保留数を1つ加算(+1)し、現在の遊技状態が大当たり処理中ではなく、或いは図柄変動パターン演出中でもなくなったときに、保留数を1つ減算して抽選処理が実行される。
【0093】
この抽選の当り/外れに基づいて、主制御部150は図柄変動パターン演出時間を設定し、抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを演出制御部152へ送出する。
【0094】
演出制御部152では、抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する。
【0095】
この報知後、抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。通常遊技状態では常に閉止状態のアタッカー112を所定のラウンド数(5R,10R,15R)だけ開閉する。なお、アタッカー112の開放時間は最大30秒であり、アタッカー112が開放中に所定数(例えば、8〜10個)の遊技球の入賞があった時点で閉止し、所定の閉止時間をおいて、次のラウンド(開放)に移行する。これにより、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる。なお、大当たり処理後は、予め定めた特典が付与される場合がある。
【0096】
ここで、第1の実施の形態では、前記アタッカー112を、発射口204と緩衝ゴム208との間に配設され、遊技領域18Aの天井面とされる外レール102の一部として配設した。
【0097】
すなわち、発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102の一部を切除し、この切除して開口された部分に、アタッカー112を構成する開閉扉116を取り付ける。
【0098】
通常遊技状態では、ガイド部116Bが、残存する外レール102に沿って配置される(図2及び図3の想像線参照)。このようなガイド部116Bの退避位置状態では、所定以上の発射力で発射口204から放出された遊技球PBは、遠心力で外レール102及びガイド部116Bを摺動しながら転動し、遊技の進行に何ら支障はない。
【0099】
一方、特図抽選に当選して大当たり処理が開始されると、開閉扉116を回転軸210を中心に図2及び図3の反時計方向に回転させる(図2及び図3の実線位置(受入位置)参照)。 ガイド部116Bガ受入位置に位置決めされると、所定以上の発射力で発射口204から放出された遊技球PBは、当該ガイド部116Bによって、外レール102よりも奥側(遊技盤18側)へ案内される。
【0100】
なお、所定以上の発射力とは、発射装置の発射強度、すなわち、遊技者のグリップユニット26の操作に依存するものであり、第1の実施の形態では、アタッカー112を発射口204に近い位置(発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102の発射口204寄り)に配置したため、比較的弱い発射力であっても、入賞案内路212の開口部212Aへの入賞が可能である。言い換えれば、遊技者の操作介入により、迅速な大当たり処理となるか否かが決まるといった遊技性を持たせることができる。
【0101】
入賞案内路212に入賞した遊技球PBは、アタッカーセンサ112Sによって入賞を電気的に検出し、賞球払い出しのための契機、並びに、開閉扉116の開閉契機として適用される。
【0102】
以上説明したように第1の実施の形態では、従来、遊技釘等の障害物を通過した後の遊技領域18Aに配置されていたアタッカー112を発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102における発射口204に近い側に設け、開閉扉116が退避位置(図2及び図3の想像線参照)とされているときは、そのガイド部116Bが外レール102を代替として機能し、開閉扉116が受入位置(図2及び図3の実線位置参照)とされているときは、所定以上の発射力で発射した遊技球PBを迅速に入賞させることができるため、遊技球が障害物等に当たって減速することがなく、大当たり処理の早期初期が実現できる。また、遊技球PBのとりこぼし(大当たり処理中に、遊技球PBがアタッカー112に入賞しない事象)が少ないため、初心者と熟練者との格差を是正することができる。
【0103】
[第2の実施の形態]
なお、第1の実施の形態では、アタッカー112を、発射口204と緩衝ゴム208との間の外レール102における発射口204に近い側に配置した構成を説明したが、図5に示される如く、アタッカー112を、外レール102における、図2に示す緩衝ゴム208の取り付け位置に配置した構成であってよい。アタッカー112自体の構造は、前述した第1の実施の形態と同一であるため、同一の符号を付して構成の説明は省略する。なお、緩衝ゴム208は、アタッカー112の開閉扉116よりも右側(発射口204から発射された遊技球PBの移動方向下流側)に設けることが好ましい。
【0104】
この第2の実施の形態の場合、通常遊技中に発射強度とは異なり、大当たり処理中は、所謂右打ちを指示する等、遊技性の多様化を図ることができる。また、右打ちを指示することで、遊技者は、グリップユニット26を最大に操作(通常は、右回転の最大回転位置)する。このとき、遊技球PBは、必ず図2に示す緩衝ゴム208へ到達する発射力を得ることができるため、開閉扉116が受入位置にあれば、確実にガイド部116Bによって入賞案内路212の開口部212Aへ案内することができ、初心者と熟練者との操作上の格差を是正することができる。
【0105】
[第3の実施の形態]
以下に本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態(第1の実施の形態を含む)と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0106】
第3の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態とは異なり、アタッカー112を、外レール102から離脱してセンター役物105側に配置した点にある。
【0107】
図6に示される如く、センター役物105の屋根部は、遊技領域18Aの左右方向中心位置で、段差部105Aが形成されている。この段差部105Aの図6の左側が低位屋根部105Bとされ、段差部105Aの図6の右側が高位屋根部105Cとされる。
【0108】
段差部105Aは、前記グリップユニット26(図1参照)の操作量に依存する遊技球PBの発射力を「強」と「弱」とに2分割する境界線としての役目を有している。すなわち、発射力が「弱」の場合はセンター役物105よりも左側の遊技領域18Aを落下させ、発射力が「強」の場合はセンター役物105よりも右側の遊技領域18Aを落下させる。
【0109】
図6及び図7に示される如く、高位屋根部105Cは、その下流側に略L字型の凹陥部214が形成され、当該凹陥部214に緊密に収容されるようにアタッカー112の一部を構成する開閉扉116が配置されている。
【0110】
この開閉扉116の上面部は、高位屋根部105Cの一部として機能し、前記「強」で発射された遊技球PBをセンター役物105の右側の遊技領域18Aへ案内するようになっている。なお、第3の実施の形態において、センター役物105の右側の遊技領域18Aへ案内された遊技球PBは、基本的にはアウト口124から排出される。
【0111】
前記開閉扉116は、遊技盤18の奥行き方向に移動可能となっている。この動作は、図示は省略したが、アタッカーソレノイド148の励磁制御によるプランジャーの往復動作を、リンク機構等を介して伝達すればよい。
【0112】
ここで、開閉扉116が、高位屋根部105Cの一部として機能している状態、すなわち遊技盤18から突出している状態を、本発明の「退避位置」と同義と考えることができ、遊技球PBの動向に影響を与えない位置である(図7(A)の状態参照)。
【0113】
一方、この開閉扉116が、遊技盤18の奥行き方向へ引き込んだ位置が、本発明の「受入位置」と同義となる。開閉扉116が引き込んでいる状態では、前記凹陥部214よりも下部に上面が開口された箱体216が形成されている(図7(B)の状態参照)。
【0114】
このため、「強」の発射強度で発射された遊技球PBは、上記屋根部105Cに案内され、或いは、直接箱体216へ案内されることになる。
【0115】
また、開閉扉116の上部は、緩衝ゴム208が配置されている。このため、所定の発射強度以上で、遠心力で外レール102に沿って転動してくる遊技球PBが緩衝ゴム208に当接すると、当該遊技球PBは、当接後に跳ね返って箱体216へ落下する。
【0116】
箱体216の底面の一部には、入賞案内路218に連通しており、箱体216から受け入れた遊技球PBは、入賞案内路218へ案内され、アタッカーセンサ112Sによって入賞を電気的に検出する。
【0117】
(変形例)
なお、上記実施の形態(第1〜第3の実施の形態)では、アタッカー112の位置を従来の汎用的の構成である特別図柄始動入賞口(A)129及び特別図柄始動入賞口(B)134の下部等、遊技領域18Aの上下方向の中間位置よりも下側(以下、「従前位置」という)に配置する構成が主流であったのに対し、遊技領域18Aの上下方向の中間位置よりも上側とし、発射口204から距離的に近い位置に配置する構成としたが、アタッカーを従前位置とし、当該従前位置のアタッカーまでの道程において、遊技釘等の緩衝が少ない誘導路を予め形成しておき、大当たり処理中に当該誘導路を有効とする構成であってもよい。
【0118】
誘導路は、例えば、センター役物105に、受入開口と排出開口が設けられたワープ路を形成し、排出開口は従前位置のアタッカーの近傍に配置し、受入開口は遊技領域18Aの上部に配置しておく。この構成において、通常は受入開口を閉塞しておき、大当たり処理中に受入開口を開放すればよい。
【0119】
また、遊技釘の配列によって誘導路を形成し、発射強度の調整によって、当該誘導路へ到達するように遊技球PBの放出先を変更するようにしてもよい。
【0120】
この変形例では、発射口204からアタッカーまでの距離に変化はないが、遊技球PBの移動時間を短縮することができるため、第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0121】
なお、上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態(変形例を含む)では、アタッカー11の開閉扉116の開放時に入賞した遊技球PBを、一旦M入賞案内路212を通して、アタッカーセンサ112Sへ1個ずつ通すようにしたが、例えば、開閉扉116に隣接してアタッカーセンサ112Sを設けてもよい。また、この場合のアタッカーセンサ112Sとして、一度に複数の遊技球PBの通過(並びに独立した検出)を可能とする幅広の開口を持つセンサを配置し、入賞した複数の遊技球PBを一度に検出するようにしてもよい。
【0122】
さらに、通常遊技中にアタッカー112へ入賞させる遊技球PBを貯めておく、或いは、誘導路内を移動する遊技球の流動に抵抗力を付与する流動抵抗機構等を用いてを意図的に渋滞(速度低下)させ、大当たり処理中はこの渋滞を解消する(速度復帰)構成としてもよい。
【0123】
最も単純な構造は、必要数の遊技球PBを貯めておき、大当たり開始後一気に入賞させることであるが、遊技球PBの対流が不可能な場合は、遊技球PBの減速(止まらずに流動している)させることが好ましい(流動抵抗機構)。
【0124】
流動抵抗機構としては、流動路の内壁を拡縮して摩擦力を調整する、流動路の傾斜を変化させる、通常は流動路の全長を通過する道程に対して大当たり処理中はショートカットさせる等といった構成が考えられる。
【符号の説明】
【0125】
PB 遊技球
10 パチンコ機(遊技機)
18 遊技盤
18A 遊技領域
21 風車
26 グリップユニット
102 外レール
104 内レール
112 アタッカー(受入部材)
112S アタッカーセンサ
105 センター役物
105S ステージ
106 LCD表示部
116 開閉扉
116A 基部
116B ガイド部
118 通過ゲート
118S 通過ゲートセンサ
124 アウト口
129 特別図柄始動入賞口(A)
129S 特図A始動口センサ
134 特別図柄始動入賞口(B)
134S 特図B始動口センサ
136 電動チューリップ
138 電チューソレノイド
148 アタッカーソレノイド
150 主制御部
152 演出制御部
154 払出制御部
156 図柄制御部
160 払出装置
164 発射制御部
165 発射装置
202 球案内流路
204 発射口
206 球逆流防止弁
208 緩衝ゴム
210 回転軸
212 入賞案内路
212A 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を所定の発射力で発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技球を前記発射力と遊技球自身の重力とに基づいて目的の方向へ放出する発射口と、当該発射口から放出され前記発射力を喪失した遊技球が自然落下する範囲として設定された遊技領域とを備え、前記遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行する遊技機であって、
前記発射口から放出され、前記合成力に基づいて前記目的の方向に向かって移動している間の遊技球の移動軌跡上に配置され、前記遊技球を受け入れることで予め定めた数の賞球払い出しが実行される受入位置及び前記移動軌跡上から退避して、遊技球の受け入れを阻止する退避位置を移動可能な受入部材を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記発射口から発射した遊技球が、前記発射力と重力のバランスに基づいて、前記遊技領域を仕切るために予め輪状に形成された縦壁面に沿って遠心力で転動され、
前記受入部材が前記受入位置に位置決めされたとき、前記遠心力で転動中の遊技球を受け入れることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記受入部材が、前記役物装置への入賞又は通過により権利を得る抽選の結果が当選した場合に、所定期間、前記受入位置に位置決めされることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置により発射された遊技球を目的の方向へ放出する発射口と、遊技実行時は縦壁状態とされ前記発射口から放出された遊技球が自然落下する範囲として設定された遊技領域とを備え、前記遊技領域における障害物との当接、役物装置への入賞又は通過を含む遊技球の動向によって遊技が進行され、前記遊技領域に設けられた一の役物装置への入賞又は通過を検出することで抽選の権利を得、当該抽選の結果が当選の場合に、前記遊技領域に設けられた他の一の役物装置の入賞口を、通常時の閉止状態から所定期間開放することで、遊技球の入賞を前記閉止状態よりも容易とする大当たり処理を実行する遊技機であって、
前記大当たり処理制御手段により大当たり処理の実行中に有効とされ、前記障害物を回避して前記他の一の役物装置へ誘導する誘導路を設けたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−235931(P2012−235931A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107527(P2011−107527)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】