遊技機
【課題】保護部材によって演出実行装置が遊技者から視認し難くなることにより演出実行装置による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技者から見て区画板41の後側であって演出表示装置27の周囲には、演出表示装置27とは別に、所定の遊技演出を実行する弾倉型飾り部材107を備えた弾倉型可動体ユニット105が設けられているとともに、区画板41には、弾倉型飾り部材107に対応させて、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能とするための第1切欠部41aが形成されている。
【解決手段】遊技者から見て区画板41の後側であって演出表示装置27の周囲には、演出表示装置27とは別に、所定の遊技演出を実行する弾倉型飾り部材107を備えた弾倉型可動体ユニット105が設けられているとともに、区画板41には、弾倉型飾り部材107に対応させて、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能とするための第1切欠部41aが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に発射された遊技球から表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に配設した表示枠体(所謂センター役物)に表示装置を配設するとともに、この表示装置において図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示することが行われている。このようなパチンコ遊技機の中には、表示装置の周囲に演出用可動体などの演出実行装置を配置するとともに、図柄変動ゲームに関連付けて演出実行装置により所定の遊技演出を実行させることで、遊技者の興趣を向上させているものもある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、「手袋をした手」を模した演出用可動体を表示装置の左右に配置するとともに、この演出用可動体の動作に伴って図柄を停止表示させることにより、あたかも演出用可動体が図柄を叩いて止めたかのように見せている。このような構成により、特許文献1のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲーム中における遊技演出にバリエーションを与え、遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−38005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のパチンコ遊技機では、アクリルやポリカーボネートなどの透明な材料で形成された保護板を表示装置の前面側に配設し、表示装置や、この表示装置の周囲に設けた演出実行装置を遊技球から保護することが行われている。しかしながら、保護板が如何に透明な材料で形成されているとはいっても、このような保護板によって内側に配置された演出実行装置が遊技者から視認し難くなり、遊技者に演出実行装置による遊技演出を印象付けることが困難になる虞がある。
【0006】
この発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、保護部材によって演出実行装置が遊技者から視認し難くなることにより演出実行装置による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技盤に配設した表示装置の前面側に、遊技者が内部を視認可能な材料からなり、前記遊技盤に発射された遊技球から前記表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機において、遊技者から見て前記保護部材の後側であって前記表示装置の周囲には、前記表示装置とは別に所定の遊技演出を実行する演出実行装置が配設されており、前記保護部材には、前記演出実行装置に対応させて、遊技者が前記保護部材を介することなく前記演出実行装置を視認可能とするための視認部が形成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出実行装置には発光演出を実行可能な発光手段が設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記演出実行装置は、前記表示装置の前面側に傾斜するように配設されていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記演出実行装置は、前記遊技演出として所定の運動を伴う可動体演出を実行可能な演出用可動体であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、保護部材によって演出実行装置が遊技者から視認し難くなることにより演出実行装置による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パチンコ遊技機の全体を概略的に示す正面図。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図3】図2に示すA−A線断面図。
【図4】遊技板、及び表示枠体の図示を省略した遊技盤の正面図。
【図5】銃型飾り部材が原位置にある状態における銃型可動体ユニットの斜視図。
【図6】銃型飾り部材が原位置にある状態の銃型可動体ユニットを部分的に拡大した正面図。
【図7】銃型飾り部材が演出位置にある状態の銃型可動体ユニットを部分的に拡大した正面図。
【図8】翼型飾り部材が原位置にある状態において、翼型飾り部材のうち中央部材の図示を省略した翼型可動体ユニットの斜視図。
【図9】翼型飾り部材が原位置にある状態の翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図10】翼型飾り部材が演出位置にある状態の翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図11】翼型飾り部材が演出位置にある状態において、翼型飾り部材のうち中央部材の図示を省略した翼型可動体ユニットの斜視図。
【図12】翼型飾り部材が演出位置にあり、且つ各翼型部材が第2姿勢とされた状態における翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図13】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図14】変動パターンを示す説明図。
【図15】演出振分テーブルを示す説明図。
【図16】(a)〜(d)は、電球型発光装置、銃型可動体ユニット、翼型可動体ユニット、及び弾倉型可動体ユニットによる大当り予告演出(遊技演出)の実行態様を示す模式図。
【図17】演出表示装置における図柄変動ゲームの実行態様、及び大当り予告演出(遊技演出)の実行態様を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図17にしたがって説明する。なお、本明細書において、「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」は、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者から見た場合における「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」とする。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠13は、パチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。
【0014】
前枠13は、中央部に窓口13aを有するとともに、該窓口13aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)14を一体成形した構成とされている。前枠13の裏面側には、機内部に配置された遊技盤15を保護し、かつ窓口13aを覆う大きさの保護ガラス16が配設されているとともに、この保護ガラス16は、前枠13の裏面側に対して着脱及び傾動開放可能に組み付けられた図示しないガラス支持枠によって支持されている。遊技盤15は、中枠12に装着される。
【0015】
また、中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿14から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)17が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿17の右方には、遊技球を遊技盤15に発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される遊技球発射用の発射装置18が装着されている。遊技者が発射装置18の発射ハンドル18aを把持して回動操作すると、上皿14に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤15に向けて発射される。遊技盤15に向けて発射される遊技球は、発射ハンドル18aの回動量に応じて発射の強弱が設定されるようになっている。
【0016】
次に、遊技盤15の構成を、図2にしたがって詳しく説明する。
本実施形態の遊技盤15は、例えばベニヤ合板や透明な樹脂板からなる正面視で略正方形平板状をなす遊技板20を備えている。この遊技板20の前面には、発射ハンドル18aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域20aを形成する誘導レール21が円形渦巻き状に敷設されている。なお、遊技板20の前面であって遊技領域20a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域20bとされている。なお、遊技板20には、遊技領域20aに発射された遊技球を流下案内するとともに、その遊技球の流下方向を変更させる遊技釘23や風車24が植設されている。
【0017】
また、遊技板20(遊技盤15)の遊技領域20aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)25が装着されている。表示枠体25の略中央には、正面視で略横長矩形に開口するセット口25aが形成されており、当該セット口25aに整合して表示枠体25には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置27が装着されている。本実施形態では、演出表示装置27が表示装置となる。
【0018】
この演出表示装置27には、複数列(本実施形態では5列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置27の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では5列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置27の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための演出図柄としての飾り図柄を用いて行われる。以下の説明では、特に演出表示装置27における飾り図柄による図柄変動ゲームを「飾図変動ゲーム」と示す場合がある。
【0019】
演出表示装置27の飾図変動ゲームは、第1図柄列(左列)Z1、及び第2図柄列(中列)Z2、及び第3図柄列(右列)Z3において「1」〜「9」のアラビア数字を模した飾り図柄を順に変動(スクロール表示)させて行われる。また、演出表示装置27の飾図変動ゲームは、第4図柄列Z4、及び第5図柄列Z5において「赤丸」及び「白丸」を模した飾り図柄を順に変動(交互に表示)させて行われる。本実施形態において、図柄列Z1〜Z3は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて略中央に設定された第1図柄領域ZR1に表示される。その一方で、図柄列Z4,Z5は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、第1図柄領域ZR1の右下に位置し、且つ第1図柄領域ZR1より小さい領域(面積)に設定された第2図柄領域ZR2に常には表示されるようになっている。また、本実施形態の図柄列Z4,Z5は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、第1図柄領域ZR1の上方であって左右方向の略中央に設定された第3図柄領域ZR3に表示される場合がある。第3図柄領域ZR3は、第1図柄領域ZR1よりも小さい領域(面積)に設定されている。
【0020】
また、演出表示装置27の右下方には、例えば7セグメント型LED(Light Emitting Diode)からなる特別図柄表示装置(以下「特図表示装置」と示す)28が配設されている。特図表示装置28では、特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、当りか否かの内部抽選(後述する当り抽選としての大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下の説明では、特に特図表示装置28における特別図柄による図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す場合がある。
【0021】
本実施形態では、特図表示装置28において、特別図柄の変動開始により特図変動ゲームが開始されると、演出表示装置27において、同時に飾り図柄の変動が開始され、飾図変動ゲームが開始される。同様に、本実施形態では、特図表示装置28において、特別図柄の確定停止表示により特図変動ゲームが終了されると、演出表示装置27において、同時に飾り図柄の確定停止表示がなされ、飾図変動ゲームが終了される。このように、本実施形態の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)の変動開始から確定停止表示される迄を1回として実行される。なお、本明細書において「同時」または「同一時間」とは、厳密に同一の時間であることのほか、例えば時間差が0.1秒未満である場合など遊技者が同時と視認し得る範囲を含むものとする。
【0022】
そして、演出表示装置27には、特図表示装置28の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図表示装置28に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置27にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特図表示装置28にはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置27にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0023】
本実施形態では、特図表示装置28に確定停止表示される大当り図柄として100種類の特別図柄が設定されているとともに、特図表示装置28に確定停止表示されるはずれ図柄として1種類の特別図柄が設定されている。また、演出表示装置27に確定停止表示される大当り図柄は、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が同一図柄(例えば「222」や「777」など)となり、且つ図柄列Z4,Z5の飾り図柄が同一図柄(赤丸/赤丸)となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置27に確定停止表示されるはずれ図柄は、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、図柄列Z1〜Z3のうち1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせを含んで構成される。また、本実施形態において、演出表示装置27に確定停止表示されるはずれ図柄は、図柄列Z4,Z5の飾り図柄が同一図柄(白丸/白丸)となる図柄組み合わせによって構成される。即ち、本実施形態では、図柄列Z1〜Z3、及び図柄列Z4,Z5によって、それぞれ大当り図柄やはずれ図柄を形成するといえる。
【0024】
また、本実施形態において演出表示装置27は、特図表示装置28と比較して遥かに広い画像表示領域HRで構成されるとともに、図柄列Z1〜Z3に表示される飾り図柄は、特別図柄と比較して遥かに大きく表示される。さらに、本実施形態の演出表示装置27において、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄は、図柄列Z4,Z5用の第2図柄領域ZR2と比較して遥かに大きい第1図柄領域ZR1で表示される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、主に演出表示装置27の図柄列Z1〜Z3に確定停止表示される飾り図柄の図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識し得る。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10において、遊技者は、特に演出表示装置27の第1図柄領域ZR1に表示される図柄列Z1〜Z3に注目して遊技を行うことになる。本実施形態では、図柄列Z1〜Z3に表示される飾り図柄が主図柄となり、図柄列Z4,Z5に表示される飾り図柄が副図柄となる。
【0025】
また、演出表示装置27の第1図柄領域ZR1では、遊技者側から見て第1図柄列Z1→第3図柄列Z3→第2図柄列Z2の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では図柄列Z1,Z3の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチ(リーチ状態)が形成(表示)される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示領域HRにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示領域HRにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、図柄列Z1,Z3がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0026】
また、演出表示装置27では、飾図変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、上記表示演出の1つとしてリーチ演出が表示される。このリーチ演出には、図柄列Z1〜Z3のうち第2図柄列Z2を変動させて行うノーマルリーチ演出(以下、NRリーチ演出と示す)や、図柄列Z1〜Z5のうち図柄列Z1〜Z3を非表示とするとともに、図柄列Z1〜Z3の表示に代えて所定のキャラクタ画像などを表示して行うスーパーリーチ演出(以下、SPリーチ演出と示す)などがある。なお、SPリーチ演出は、NRリーチ演出の終了後に行われる。演出表示装置27の図柄列Z4,Z5では、リーチ演出の有無にかかわらず、飾図変動ゲームが開始されてから終了される迄の間、途中で飾り図柄が一旦停止表示されることなく継続して変動される。このため、本実施形態では、演出表示装置27の図柄列Z4,Z5を視認することによって、図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)が継続中であるのか否かを容易に認識できるようになっている。
【0027】
特図表示装置28の下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部(例えばLEDなど)を備えた特別図柄保留表示装置(以下「特図保留表示装置」と示す)29が配設されている。特図保留表示装置29は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)と同数の特別図柄保留発光部を点灯させることにより、保留記憶数を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤15に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中などに始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行を保留中の図柄変動ゲームの回数となる。
【0028】
特図表示装置28の左方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(例えばLEDなど)をレンズカバーで覆って構成した普通図柄表示装置30が配設されている。普通図柄表示装置30では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄表示装置30では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。即ち、普図当り抽選に当選した場合には、普通図柄変動ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では右側の発光体が点灯)が確定停止表示される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では左側の発光体が点灯)が確定停止表示される。
【0029】
また、表示枠体25には、演出表示装置27の左方、上方、及び右方を一体(連続的)に囲うように装飾部材25bが設けられている。装飾部材25bは、遊技板20の前面よりも保護ガラス16側に突出するように形成されているとともに、その前面が保護ガラス16の後面に近接するように配置されている。このため、本実施形態では、遊技領域20aを流下する遊技球が表示枠体25の左方、上方、及び右方から演出表示装置27(画像表示領域HR)の前面側に流入しないようになっている。また、表示枠体25には、演出表示装置27の下方に位置するように、遊技球を転動させる転動部としてのステージ31が左右方向に延びるように形成されている。ステージ31の左右方向における略中央には、ステージ31を転動する遊技球を下方に誘導する誘導部31aが形成されている。また、表示枠体25には、ステージ31に接続されるワープ路32と、そのワープ路32の入り口となるワープ入球口32aが開口形成されている。
【0030】
演出表示装置27の下方には、ステージ31の誘導部31aの直下に位置するように、遊技球の入球口35aを有する第1始動入賞口35が配設されている。本実施形態の第1始動入賞口35は、遊技球が常時入球可能とされている。また、第1始動入賞口35の下方には、遊技球の入球口36aを有する第2始動入賞口36が配設されている。第2始動入賞口36は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根37を備えている。第2始動入賞口36は、開閉羽根37の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根37の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、第1始動入賞口35の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図13に示す)が配設されているとともに、第2始動入賞口36の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図13に示す)が配設されている。各始動入賞口35,36は、入球した遊技球を各始動口スイッチSW1,SW2で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0031】
また、演出表示装置27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉38aを備えた大入賞口(特別電動役物)38が配設されている。大入賞口38の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図13に示す)が配設されている。大入賞口38は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口38は、大当り遊技中に大入賞口扉38aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。
【0032】
ここで、大当り遊技について説明する。大当り遊技は、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示(導出)されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口38が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(本実施形態では15回)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口38の開閉が1回、行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口38は、予め定めたラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。このラウンド終了条件は、規定個数(入賞上限個数、本実施形態では9個)の遊技球が入賞する第1条件、又はラウンド規定時間(ラウンド遊技時間、本実施形態では25秒)が経過する第2条件が成立することとされている。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定回数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。このように、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0033】
遊技盤15の説明に戻り、演出表示装置27の右方には、普通図柄作動ゲート39が配設されている。普通図柄作動ゲート39の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図13に示す)が配設されている。普通図柄作動ゲート39は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。また、遊技盤15の最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口40が配設されている。
【0034】
そして、表示枠体25において演出表示装置27の前面側には、遊技者が内部を視認可能な材料(例えばガラスやポリカーボネートなど)からなり、遊技盤15の遊技領域20aに発射された遊技球から演出表示装置27を保護する保護部材としての区画板41が設けられている。この区画板41は、演出表示装置27(画像表示領域HR)の前面を、略全面にわたって覆うように形成されている。
【0035】
詳しく説明すると、区画板41は、表示枠体25において、セット口25aの左端から右端の全幅にわたって形成されているとともに、セット口25aの下端から上端の全幅にわたって形成されている。また、図3に示すように、区画板41は、表示枠体25においてステージ31の後端から上方に向けて立設されており、ステージ31の後壁をなしている。また、区画板41は、表示枠体25において、下方から上方に向かうほど演出表示装置27の画像表示領域HRから前方へ離間するように、前側に向かって僅かに傾斜するように設けられている。このため、本実施形態では、ステージ31を転動する遊技球同士が接触するなどして飛び跳ねた際に、該遊技球が上方に向かって移動する事が抑制(防止)される。このように、本実施形態の区画板41は、前枠13に配設された保護ガラス16とともに遊技盤15(遊技板20)の空間を前後方向に区画し、前述した遊技領域(遊技空間)20aを形成している。遊技盤15において、区画板41の後側は、前述した演出表示装置27や、各種の演出実行装置が配設される機構領域(機構空間)20cとなる。
【0036】
また、図2に示すように、区画板41には、右上方から左下方に向かって略円弧状に切欠き形成した第1切欠部41a、及び左上方から右下方に向かって略四角形状に切欠き形成した第2切欠部41bが設けられている。各切欠部41a,41bは、この区画板41の前側空間(遊技領域20a)と後側空間(機構領域20c)とを連通するように形成されている。また、各切欠部41a,41bは、区画板41の上下方向における中央よりも上方に形成されており、各切欠部41a,41bへはステージ31を転動する遊技球が極めて到達し難くなっている。図3及び図4に示すように、遊技板20の後側(裏側)には、正面視で略矩形枠状をなし、演出実行装置を含む各種の機構部品を搭載するための固定枠部材42が組み付けられている。固定枠部材42は、この固定枠部材42の開口部42aが表示枠体25のセット口25aに対して正面視で整合させた状態とされている。また、固定枠部材42の後側には、演出表示装置27が画像表示領域HRを開口部42aに整合させた状態で組み付けられている。
【0037】
そして、本実施形態の遊技盤15には、発光演出や可動体演出などの各種の遊技演出を実行する複数の演出実行装置が演出表示装置27(画像表示領域HR)を囲うように配設されている。なお、発光演出は、所定の発光体を発光(点灯/点滅)させる態様により行われる遊技演出であり、可動体演出は、所定の飾り部材(所謂「役物」)を移動(動作/運動)させる態様により行われる遊技演出である。以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された演出実行装置について個別に詳しく説明する。
【0038】
最初に、発光演出を実行する演出実行装置の一種である電球型発光装置43について説明する。
図2及び図3に示すように、電球型発光装置43は、演出表示装置27の右下方において区画板41の前面側に配設されており、全体として白熱電球を模した形状とされている。電球型発光装置43は、LEDなどの発光体(発光手段)を、透光性(透明性)を有する材料からなり、白熱電球を模した装飾カバー43aで覆った構成とされており、内蔵された発光体を発光(点灯や点滅)させることで所定の発光演出を実行可能に構成されている。なお、電球型発光装置43に内蔵された発光体は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおける輝度よりも高い輝度で発光可能とされている。また、図3に示すように、装飾カバー43aは、白熱電球の前半分のみを模した形状とされている。そして、本実施形態の電球型発光装置43は、内蔵された発光体を画像表示領域HRにおける輝度よりも高い輝度で発光することにより、装飾カバー43aが区画板41の前面に映し込まれ、区画板41の前面に映った装飾カバー43aと、装飾カバー43aとで、恰も完全な白熱電球が発光しているかのように視認可能となっている。
【0039】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である銃型可動体ユニット45について説明する。
図3及び図4に示すように、銃型可動体ユニット45は、演出表示装置27の左上方において区画板41の後側に配設されている。銃型可動体ユニット45は、回転式拳銃(リボルバ)を模した第2部材としての銃型飾り部材46を備えており、この銃型飾り部材46を移動(動作/運動)させることにより可動体演出を実行可能に構成されている。本実施形態の銃型飾り部材46は、左右方向に延びるように形成された長尺状をなしている。
【0040】
図5に示すように、銃型可動体ユニット45は、上下方向に沿って延びる略矩形平板状をなすベース部材48を備えるとともに、ベース部材48は固定枠部材42の左上方の前面に対してネジなどにより固定されている。本実施形態では、固定枠部材42、及びベース部材48が基部材となる。なお、図5では、説明の便宜のため、銃型飾り部材46を二点鎖線(仮想線)で示している。ベース部材48の上端部には、銃用原位置センサSE1が配設されている。ベース部材48の後側(裏側)には、出力軸を前側に配置した状態でステッピングモータなどの駆動装置としての銃用モータM1が組み付けられている。銃用モータM1の出力軸には、歯車49が組み付けられているとともに、歯車49には、銃用モータM1の動力を伝達するための中間歯車50aが噛合され、さらに中間歯車50aにはピニオン歯車50bが噛合されている。歯車49、中間歯車50a、及びピニオン歯車50bは、この順に上方から略一列で上下方向に並ぶように設けられている。
【0041】
各歯車49,50a,50bの下方には、ベース部材48から前方へ向かって垂直に立設した壁部の先端を右方(銃型飾り部材46)側へ向かって直角に折り曲げるようにして形成され、左右方向における断面が略逆L字型をなす銃用ガイド部52が上下方向に沿って延びるように設けられている。銃用ガイド部52において右方(銃型飾り部材46側)に配置される先端部には、上端部から順に、直線状をなす第1ガイド領域52a、左方へ向かって傾斜する第2ガイド領域52b、及び下端側に近接するほど右方に向かう略円弧状の第3ガイド領域52cが設けられている。即ち、第2ガイド領域52bは第1ガイド領域52aに連設され、第3ガイド領域52cは第2ガイド領域52bに連設されるとともに、第2ガイド領域52bは、第1ガイド領域52a及び第3ガイド領域52cの間に設けられている。また、本実施形態の第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cは、第1ガイド領域52aの延長線よりも左方に位置するように形成されている。
【0042】
また、ベース部材48において、銃用モータM1及び歯車49,50a,50bの右方には、上下方向に沿って延びる金属棒からなる2本のシャフト部材51a,51bが相互に平行となるように固定されている。この各シャフト部材51a,51bは、銃用ガイド部52の第1ガイド領域52aと平行に配置されている。またベース部材48において、シャフト部材51a,51bの間には、前方に向かって突出するように形成された略角柱状の突起部53が設けられている。また、ベース部材48において、シャフト部材51a,51bの上端部には、前方へ突出するように壁状をなす上側制止部54aが設けられている一方で、下端部には、前方へ突出するように壁状をなす下側制止部54bが設けられている。
【0043】
また、シャフト部材51a,51bには、このシャフト部材51a,51bに沿って上下方向にスライド移動可能となるように、第1部材としての銃用移動部材55が組み付けられている。この銃用移動部材55には、前述した銃型飾り部材46が組み付けられる。銃用移動部材55は、シャフト部材51a,51bの配設範囲内(各制止部54a,54bの間)においてのみ移動可能であるとともに、ベース部材48に設けた突起部53とは接触しないようにベース部材48から離間するように配置されている。また、銃用移動部材55は、全体として上下方向に沿って延びる略長方形平板状をなしているとともに、その左側縁部には、その上下方向の略全幅にわたって、前述したピニオン歯車50bと噛合するラック歯車56が形成されている。また、銃用移動部材55の上端部において左側縁部には、左方に向かって突出する略四角平板状をなす検出片58が設けられている。なお、前述した銃用原位置センサSE1は、銃用移動部材55がスライド移動可能な範囲のうち上端部に位置している状態において、この検出片58を検出可能な位置に配置されている。また、銃用原位置センサSE1は、検出片58を検出すると所定の検出信号を出力するようになっている。
【0044】
また、銃用移動部材55の上端部には、前方に向かって突出するように形成された略円柱状をなす一対の第1銃用ガイドピン59a,59bが左右方向に並ぶように設けられている。また、銃用移動部材55において、上下方向における略中央部分には、右方(銃型飾り部材46の先端側)に向かって延びるように形成された略平板状の延出部60が設けられているとともに、この延出部60には、左右方向に沿って延びる第1銃用ガイド長孔60aが形成されている。さらに、銃用移動部材55において延出部60よりも下端側には、シャフト部材51a,51bと平行をなすように延びる係合部としての第2銃用ガイド長孔61が形成されている。
【0045】
そして、この第2銃用ガイド長孔61には、銃型飾り部材46の左下方の後側において、後方に向かって突出するように形成された略円柱状をなす軸部としての第2銃用ガイドピン63が、第2銃用ガイド長孔61に沿って摺動可能に係合されている。第2銃用ガイドピン63の前後方向に沿った長さは、第2銃用ガイドピン63を第2銃用ガイド長孔61に挿入した状態において、ベース部材48の突起部53に係合可能な長さに設定されている。したがって、銃用移動部材55とともに銃型飾り部材46が下方へ移動された際には、第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合(接触)するようになっている。また、第2銃用ガイドピン63は、銃型飾り部材46における左下方の端部(銃のグリップ部分の下端部)からの上下方向に沿った離間距離が、突起部53の上面からシャフト部材51a,51bの下端(下側制止部54bの上面)までの離間距離より短くなる位置に形成されている。したがって、第2銃用ガイドピン63がベース部材48の突起部53に係合した際には、銃型飾り部材46の左下方端部がシャフト部材51a,51bの下端部より下方へ突出しないようになっている。
【0046】
また、銃型飾り部材46の後側(裏側)において第2銃用ガイドピン63の右上方には、後方に向かって突出するように形成された略円柱状の第3銃用ガイドピン64が形成されているとともに、この第3銃用ガイドピン64は、第1銃用ガイド長孔60aに対して、第1銃用ガイド長孔60aに沿って摺動可能に係合されている。銃型飾り部材46の左上方の端部には、左右方向に沿って延びるように略円弧状の第3銃用ガイド長孔66が設けられているとともに、この第3銃用ガイド長孔66には、銃用移動部材55の各第1銃用ガイドピン59a,59bが第3銃用ガイド長孔66に沿って摺動可能に係合されている。本実施形態の銃型飾り部材46は、各銃用ガイドピン59a,59bが第3銃用ガイド長孔66に、第2銃用ガイドピン63が第2銃用ガイド長孔61に、第3銃用ガイドピン64が第1銃用ガイド長孔60aに係合されることにより、銃用移動部材55に対して前方へ傾動しないように組み付けられている。また、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55に対して第2銃用ガイドピン63の軸線周りで回動可能に組み付けられている。
【0047】
そして、銃型飾り部材46の左下方の端部(グリップ部分の下端部)には、ベース部材48の銃用ガイド部52に係合されるローラ部材67が、銃型飾り部材46から左方(側方)へ突出するように設けられている。このローラ部材67は、円盤状の鍔部を有する一対の円筒部材67aにローラ軸部67bを挿通させ、各円筒部材67aをローラ軸部67bの軸線まわりで自由に回転(回動)可能に軸支した構成とされている。そして、ローラ部材67は、一対の円筒部材67aの鍔部間に銃用ガイド部52を挟みこむように係合されるとともに、銃用移動部材55及び銃型飾り部材46が上下方向に移動することに伴って、銃用ガイド部52上を摺動するようになっている。本実施形態では、ローラ部材67が特定部となる。なお、本実施形態の銃型飾り部材46は、LEDなどの発光体(発光手段)が内蔵されておらず、自ら発光することのない非自発光式の演出実行装置とされている。
【0048】
次に、上記のように構成した銃型可動体ユニット45の動作態様について詳しく説明する。
最初に、銃型飾り部材46が原位置Pa1にある状態について説明する。
【0049】
図5は、銃用移動部材55が上側制止部54aに接するように、シャフト部材51a,51bの上端側に位置していることにより、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置し、且つ銃型飾り部材46が略水平に保持された(僅かに右斜め上方に傾いた)第1姿勢PS1とされている状態を示す。図2に示すように、この銃型飾り部材46の原位置Pa1は、第1姿勢PS1とされた銃型飾り部材46の大部分が表示枠体25における装飾部材25bの後側に収容され、その全体の殆どが遊技者から視認不能となる位置に設定されている。銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置している場合には、銃型飾り部材46の一部(本実施形態では「引き金」部分)のみがセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能となっている。そして、前述した区画板41の第2切欠部41bは、正面視においてセット口25aから突出する銃型飾り部材46の「引き金」部分に整合(対応)した形状に形成されており、遊技者がこの第2切欠部41bから区画板41を介することなく銃型飾り部材46を視認可能に構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、区画板41に第2切欠部41bを設けない構成と比較して、原位置Pa1にある銃型飾り部材46の「引き金」部分をより明瞭に視認させることができる。
【0050】
前述のように、本実施形態の銃型飾り部材46は、非自発光式の演出実行装置とされているため、可動体演出の非実行時には自発光式の演出実行装置と比較して遊技者の目に留まり難いのが一般的である。また、本実施形態の区画板41は、遊技者が内部を視認可能な材料により形成されているものの、区画板41が有するごく僅かな遮光性や、演出表示装置27における表示内容の裏映りなどに起因して、区画板41の後側にある演出実行装置を視認し難くなる虞がある。しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、第2切欠部41bを設けたことで、区画板41によって銃型飾り部材46の「引き金」部分が視認し難くなることを抑制できる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、原位置Pa1にある銃型飾り部材46の「引き金」部分を明瞭に視認させることで、銃型飾り部材46を遊技者に印象付け、銃型飾り部材46による可動体演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。本実施形態では、第2切欠部41bが、遊技者が区画板41を介することなく銃型飾り部材46(演出実行装置)を視認可能とするための視認部となる。
【0051】
続けて、銃用モータM1を駆動させた場合における銃型可動体ユニット45の動作について説明する。
図5に示すように、原位置Pa1に銃型飾り部材46が位置している状態において、銃用モータM1が駆動して歯車49(出力軸)が正面視右回りに回転されると、銃用モータM1の駆動力(回転運動)は、歯車49から、中間歯車50aを介してピニオン歯車50bに伝達される。そして、図6において矢印Y1で示すように、銃用移動部材55は、ピニオン歯車50bとラック歯車56で噛合するため、正面視右回りのピニオン歯車50bの回転によってシャフト部材51a,51bにガイドされた状態で下方に移動される。これにより、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55と共に下方へ向かって移動される。本実施形態では、シャフト部材51a,51bに沿った矢印Y1に示す方向が第1方向となり、銃型飾り部材46及び銃用移動部材55が演出用可動体となる。図6に示すように、銃型飾り部材46のローラ部材67が銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aに接している間、長尺状をなす銃型飾り部材46は、自重により第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心として正面視右回りで回動してしまうことが規制される。即ち、本実施形態では、銃型飾り部材46が第1姿勢PS1に維持された状態で下方に移動されるようになっている。したがって、本実施形態では、第1ガイド領域52aが、銃型飾り部材46が配設されるベース部材48においてシャフト部材51a,51bの延びる方向に沿って延びるように形成され、銃型飾り部材46に設けたローラ部材67と接触することにより、銃型飾り部材46における第2銃用ガイドピン63の軸線周りの運動(移動)を規制する規制部となる。
【0052】
そして、銃型飾り部材46は、下方への移動に伴って第2銃用ガイドピン63がベース部材48の突起部53に接触(当接)されると、下方への移動が規制される。本実施形態では、二点鎖線で示すように、銃型飾り部材46の第2銃用ガイドピン63が突起部53に接触されている位置が銃型飾り部材46の演出位置Pa2となる。したがって、本実施形態の突起部53は、銃型飾り部材46が演出位置Pa2に到達してから、さらに銃型飾り部材46の原位置Pa1から離間する方向(本実施形態では下方)へ移動することを規制する軸規制部となる。なお、銃型飾り部材46の第2銃用ガイドピン63は、原位置Pa1から演出位置Pa2に到達する迄の間には第2銃用ガイド長孔61の下端部に位置している。
【0053】
また、銃型飾り部材46のローラ部材67は、銃型飾り部材46が演出位置Pa2に位置している状態(第2銃用ガイドピン63が突起部53に接触した状態)において、銃用ガイド部52における第3ガイド領域52cの下端部に位置する。前述のように、本実施形態の第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cは、第1ガイド領域52aの延長線よりも左方に位置するように形成されている。このため、第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合された状態では、ローラ部材67の左方への移動が許容された状態、即ち銃型飾り部材46の第2姿勢PS2への回動が許容された状態となる。なお、銃型飾り部材46の第2姿勢PS2は、銃型飾り部材46の右先端(銃口)が前述した電球型発光装置43を指し示すように、右下に傾いた状態とされている。
【0054】
そして、図7に示すように、さらに銃用モータM1によりピニオン歯車50bが正面視右回りに回転されると、銃型飾り部材46の下方への移動が規制された(第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合された)状態のまま、銃用移動部材55のみが下側制止部54bに接触(当接)するまで下方(原位置Pa1から離間する方向)へ移動される。このとき、銃型飾り部材46は、第3銃用ガイド長孔66を摺動する銃用移動部材55の第1銃用ガイドピン59a,59bにより押し下げられる。このため、矢印Y2で示すように、銃型飾り部材46は、第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心とし、この第2銃用ガイドピン63の軸線周りにおいて正面視右回りで第2姿勢PS2となるように回動運動される。本実施形態では、第2銃用ガイドピン63の軸線周りに沿った矢印Y2に示す方向が、シャフト部材51a,51bに沿った方向とは異なる第2方向となる。したがって、銃型飾り部材46は、第2銃用ガイド長孔61に係合されるとともに、第2銃用ガイド長孔61に沿って移動可能な第2銃用ガイドピン63の軸線周りで移動(回動)可能に構成されている。
【0055】
このとき、矢印Y3に示すように、ローラ部材67は、第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心とし、この第2銃用ガイドピン63の軸線周りにおいて正面視右回りで第3ガイド領域52cに沿って上方へ移動される。そして、ローラ部材67は、銃用移動部材55が下側制止部54bに接触した状態となったときに、第2ガイド領域52bに接触するようになっている。本実施形態では、銃用移動部材55が下側制止部54bに接触した状態のときに、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2とされる。なお、このとき、第3銃用ガイドピン64は、第1銃用ガイド長孔60aに沿って摺動される(図5に示す)。このように、銃用ガイド部52の第3ガイド領域52cは、銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合にローラ部材67の移動を妨げないことにより銃型飾り部材46の回動運動を許容する許容部となる。
【0056】
また、銃型飾り部材46が演出位置Pa2において第2姿勢PS2とされている状態において、銃用モータM1が駆動してピニオン歯車50bが正面視左回りに回転されると、銃用移動部材55は、シャフト部材51a,51bに沿って上方へ移動される。この場合には、銃型飾り部材46のローラ部材67が第2ガイド領域52bに接触(当接)するため、銃型飾り部材46の上方への移動が規制された状態のまま銃用移動部材55のみが上方へ移動される。したがって、銃用ガイド部52の第2ガイド領域52bは、演出位置Pa2にある銃型飾り部材46が原位置Pa1へ近接する方向へ移動されるときに、第2姿勢PS2にある銃型飾り部材46のローラ部材67と接触することにより銃型飾り部材46が原位置Pa1に近接する方向へ移動することを規制する特定規制部となる。
【0057】
そして、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55が原位置Pa1へ近接する方向(上方)へさらに移動されることに伴って、第3銃用ガイド長孔66を摺動する銃用移動部材55の第1銃用ガイドピン59a,59bによって上方へ引き上げられる。このため、銃型飾り部材46は、ローラ部材67(円筒部材67a)の軸線を回動中心とし、このローラ部材67の軸線周りにおいて正面視左回りで回動運動されることにより、第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へと回動される。なお、銃型飾り部材46は、第1銃用ガイドピン59bが第3銃用ガイド長孔66の右端部に接したときに第1姿勢PS1とされる。また、ローラ部材67と第2ガイド領域52bとの係合は、銃型飾り部材46が第1姿勢PS1とされた時点で、第1ガイド領域52aよりも右側に引き上げられて解除される。また、このとき、第2銃用ガイド長孔61の下端部に第2銃用ガイドピン63が接触される。そして、銃型飾り部材46は、銃用モータM1の駆動によって、銃用移動部材55と共にシャフト部材51a,51bに沿って原位置Pa1へ移動される。
【0058】
このように、本実施形態では、銃用移動部材55、第2銃用ガイドピン63、及び突起部53により、シャフト部材51a,51bに沿った銃用移動部材55(銃型飾り部材46)の直線運動を、さらに銃型飾り部材46に設けた第2銃用ガイドピン63の軸線周りとなる方向への回動運動に変換する変換機構HKを構成する。そして、銃型飾り部材46は、この変換機構HKを介して銃用モータM1により第2銃用ガイドピン63の軸線周りとなる方向に沿って運動される。このように、本実施形態の銃型可動体ユニット45では、単一の銃用モータM1によりシャフト部材51a,51bに沿った方向への運動と、第2銃用ガイドピン63の軸線周りに沿った方向への運動を銃型飾り部材46にさせることができる。なお、銃型飾り部材46(銃型可動体ユニット45)用いた可動体演出の具体的な実行態様については、後に詳細に説明する。
【0059】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である翼型可動体ユニット70について説明する。
図3及び図4に示すように、翼型可動体ユニット70は、演出表示装置27の下方において区画板41の後側に配設されている。翼型可動体ユニット70は、鳥の翼を模した特別演出用可動体としての翼型飾り部材71を備えており、この翼型飾り部材71を移動(動作)させることにより可動体演出(特別可動体演出)を実行可能に構成されている。本実施形態の翼型飾り部材71は、略円盤状をなし左右方向における略中央に配置される中央部材71a、全体として長尺状をなし、中央部材71aを挟むように左右対称に配置された一対の上翼型部材71b、及び一対の下翼型部材71cから構成されている。なお、本実施形態の中央部材71a、上翼型部材71b、及び下翼型部材71cは、その一部又は全部が透光性を有する材料により形成され、図示しないLEDなどの発光体(発光手段)を内蔵した構成とされている。そして、翼型飾り部材71は、内蔵された発光体を発光(点灯/点滅)させることにより、所定の発光演出を実行可能に構成されている。
【0060】
図8では、説明の便宜のため、中央部材71aを二点鎖線で示している。図8に示すように、翼型可動体ユニット70は、所定形状に打ち抜いた鋼板を折り曲げて形成した横倒し略コ字状をなす一体型の鋼板フレーム73を備えている。この鋼板フレーム73は、固定枠部材42に対してネジなどにより固定されている。
【0061】
鋼板フレーム73において左右下端部の内側には、ステッピングモータなどの第1駆動装置としての昇降用モータM2が、その出力軸をそれぞれ左右の外側に配置した状態で組み付けられている。各昇降用モータM2の出力軸には、歯車74が組み付けられているとともに、この歯車74には、昇降用モータM2の動力を伝達するための中間歯車75a,75bが順次噛合されており、さらに中間歯車75bには、ピニオン歯車76が噛合されている。歯車74、各中間歯車75a,75b、及びピニオン歯車76は、この順に下方から略一列で上下方向に並ぶように設けられている。
【0062】
また、鋼板フレーム73において、歯車74,75a,75b,76の各前方には、歯車74,75a,75b,76に沿うように、上下方向(垂直方向)に沿って延びる金属棒からなるシャフト部材77がそれぞれ固定されている。各シャフト部材77の上端部には、シャフト部材77を囲う壁状をなす上側制止部77aが設けられている一方で、下端部には、シャフト部材77を囲う壁状をなす下側制止部77bが設けられている。
【0063】
また、シャフト部材77には、このシャフト部材77に沿って上下方向にスライド移動可能となるように、昇降部材78が組み付けられている。昇降部材78は、シャフト部材77の配設範囲内(各制止部77a,77bの間)においてのみ移動可能とされている。また、昇降部材78は、全体として上下方向に沿って延びる略長方形平板状をなしているとともに、その後面には、上下方向の略全幅にわたって前述したピニオン歯車76と噛合するラック歯車78aが形成されている。また、昇降部材78の後面には、上下方向の略全幅にわたって壁状をなす検出壁78bが設けられている。一方、鋼板フレーム73には、昇降部材78がシャフト部材77の下端部に位置している状態(下側制止部77bに接している状態)で、検出壁78bにおける上端部の直ぐ上方に対応させて、検出壁78bを検出する昇降用原位置センサSE2が配設されている。昇降用原位置センサSE2は、検出壁78bを検出すると、所定の検出信号を出力するようになっている。なお、鋼板フレーム73の左側に配置された昇降部材78について説明したが、鋼板フレーム73の右側についても同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0064】
そして、翼型可動体ユニット70では、鋼板フレーム73の左右両側に設けられた昇降部材78を掛け渡すように、所定の形状に打ち抜いた鋼板を折り曲げて形成した昇降フレーム80が組み付けられている。したがって、この昇降フレーム80は、鋼板フレーム73の左右に配置された各昇降用モータM2の駆動によって鋼板フレーム73(固定枠部材42)に対して上下方向に移動(昇降)可能に構成されている。昇降フレーム80の前面側であって、左右方向の中央部には、前述した中央部材71aが組み付けられている。また、昇降フレーム80の前面側であって、中央部材71aの左右両側には、昇降フレーム80の前面を覆う装飾部材80aが組み付けられている(二点鎖線で示す)。本実施形態では、昇降フレーム80、中央部材71aが所定の方向へ移動可能な第1可動部材となる。
【0065】
また、鋼板フレーム73の下部前面側において、中央部材71aの左側には、ステッピングモータなどからなる左翼移動用モータM3aが、中央部材71aの右側には、同じくステッピングモータなどからなる右翼移動用モータM3bがその出力軸を後方(裏方)に配置した状態でそれぞれ組み付けられている。本実施形態では、各翼移動用モータM3a,M3bが第2駆動装置となり、昇降用モータM2及び翼移動用モータM3a,M3bを配置した鋼板フレーム73を固定する固定枠部材42が基礎部材となる。各翼移動用モータM3a,M3bの出力軸には、歯車81が組み付けられているとともに、この歯車81には、翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達するための中間歯車82aが噛合されており、さらに中間歯車82aには、ピニオン歯車82bが噛合されている。歯車81、中間歯車82a、及びピニオン歯車82bは、この順に左方から略一列で略左右方向に並ぶように設けられている。
【0066】
また、鋼板フレーム73において中央部材71aの左側には、平面視で左右方向に延びる略矩形平板状をなすベース部材87aと、このベース部材87aにおいて左端部の上面から上方に向かって延びる正面視で略矩形平板状をなす伝達部87bとからなり、全体として正面視略L字型をなす連結部材87が配設されている。この連結部材87は、鋼板フレーム73に対して左右方向へスライド移動可能に支持されている。また、ベース部材87aの下面には、前述したピニオン歯車82bに噛合するラックが形成されている。ベース部材87aの右端部には、舌片状をなす検出片87dが設けられているとともに、鋼板フレーム73には、連結部材87がスライド移動可能な範囲のうち右端に位置した状態における検出片87dに対応させて翼用原位置センサSE3が配設されている。この翼用原位置センサSE3は、検出片87dを検出することにより、所定の検出信号を出力するようになっている。また、連結部材87の伝達部87bには、上下方向(垂直方向)に延びる長孔状の第1翼用ガイド孔87cが設けられている。
【0067】
本実施形態では、鋼板フレーム73において中央部材71aの右側にも連結部材87及び翼用原位置センサSE3が配設されている。中央部材71aの右側に配設された連結部材87は、中央部材71aの左側に配置された連結部材87と略左右対称に構成されているため、その詳細な説明を省略する。なお、右側の連結部材87では、検出片87dがベース部材87aの右端部において下方に突出するように設けられている。また、右側の翼用原位置センサSE3は、右側の連結部材87がスライド移動可能な範囲のうち左端に位置した状態における検出片87dに対応させて配設されている。本実施形態では、各連結部材87の伝達部87bに形成された第1翼用ガイド孔87cが第1係合部となる。
【0068】
そして、各第1翼用ガイド孔87cには、左右方向(水平方向)に延びる四角棒状をなす翼用スライド部材89において左右方向の外側端から前方へ向かって延びる軸状の突起部89aが、第1翼用ガイド孔87cに沿って摺動可能にそれぞれ挿入(係合)されている。本実施形態では、各突起部89aが第2係合部となる。各翼用スライド部材89は、昇降フレーム80において左右方向に延びるように形成された四角筒状のガイド部90に収容されており、このガイド部90内を左右方向に沿ってスライド移動可能に支持されている。各ガイド部90の前面には、左右方向に沿って延びる長孔状のスライド窓部90aが形成されており、このスライド窓部90aから前述した翼用スライド部材89の突起部89aが前方に突出され、第1翼用ガイド孔87cに係合されている。
【0069】
また、各翼用スライド部材89の左右方向における内側端には、略四角棒状をなす第1リンク部材92の一端が、ピン部材Pにより該ピン部材Pの軸線周りで回動可能にそれぞれ接続されているとともに、各第1リンク部材92の他端は上方に向かってそれぞれ屈曲されている。各第1リンク部材92は、中央部材71aの左側に配置された翼用スライド部材89に接続されている第1リンク部材92を前側にして、正面視で交差するように、前後方向に重ね合わせて配置されている。また、各第1リンク部材92の他端側において屈曲された部分には、第2リンク部材94の一端が、ピン部材Pにより該ピン部材Pの軸線周りで回動可能にそれぞれ接続されている。各第2リンク部材94の他端側には、下方に向かって屈曲させるように部材固定部94aがそれぞれ形成されているとともに、各部材固定部94aには、上翼型部材71bが左右方向の外側に向かって延びるようにそれぞれ固定されている。
【0070】
各第2リンク部材94は、第1リンク部材92との接続部(ピン部材P)と部材固定部94aとの間の中央部において、中央部材71aの左側に配置された翼用スライド部材89に接続されている第2リンク部材94を前側にして重ね合わせた状態で、中央ピン部材Pcによって該中央ピン部材Pcの軸線周りで回動可能となるように、昇降フレーム80に対してそれぞれ固定(軸着)されている。中央ピン部材Pcは、左右方向において、中央部材71aや鋼板フレーム73(固定枠部材42)の中央に配置されている。
【0071】
各第2リンク部材94において部材固定部94aの下端部には、前方へ向かって延びる軸状の突起部94bがそれぞれ形成されている。各突起部94bは、左右方向に延びる略平板状の下側固定部材96において中央部材71aから左右方向の外側に向かって上方に傾くように形成された長孔状をなす第2翼用ガイド孔96aに対し、該第2翼用ガイド孔96aに沿って摺動可能に挿入(係合)されている。各下側固定部材96は、昇降フレーム80の後面に対して下側ピン部材Puの軸線周りで回動可能に組み付けられている。また、各下側固定部材96には、下翼型部材71cが左右方向の外側に向かって延びるようにそれぞれ固定されている。本実施形態では、翼用スライド部材89、各リンク部材92,94、及び各翼型部材71b,71cが第2可動部材としての翼可動部材99を構成するとともに、翼可動部材99、昇降フレーム80、及び中央部材71aが演出用可動体となる。
【0072】
次に、上記のように構成した翼型可動体ユニット70の動作態様について詳しく説明する。
最初に、翼型飾り部材71が原位置Pb1にある状態について説明する。
【0073】
図8及び図9は、各昇降部材78が下側制止部77bに接するようにシャフト部材77の下端に位置していることにより、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置し、且つ各連結部材87が左右方向の内側端にそれぞれ位置していることにより各翼型部材71b,71cが略水平に保持された第1姿勢PP1とされている状態を示す。この翼型飾り部材71の原位置Pb1は、図2に示すように、翼型飾り部材71の大部分が表示枠体25における装飾部材25bの後側に収容され、その全体の殆どが遊技者から視認不能となる位置に設定されている。翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している場合には、翼型飾り部材71のうち、中央部材71a及び上翼型部材71bの上部(一部)のみがセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能となっている。
【0074】
続けて、各昇降用モータM2を駆動させた場合における翼型可動体ユニット70の動作について説明する。
図8に示すように、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している状態において、各昇降用モータM2が駆動して歯車74が左側面視右回りで回転されると、昇降用モータM2の駆動力(回転運動)は、歯車74から、中間歯車75a,75bを介してピニオン歯車76に伝達される。そして、矢印Y4に示すように、各昇降部材78は、ピニオン歯車76とラック歯車78aで噛合するため、それぞれピニオン歯車76の左側面視左回りの回転によって上方に移動される。これにより、昇降フレーム80及び翼型飾り部材71は、鋼板フレーム73(固定枠部材42)に対して上方に移動される。したがって、本実施形態では、矢印Y4に示す上下方向(垂直方向)が所定の方向となり、昇降フレーム80及び中央部材71aが第1可動部材となる。また、本実施形態では、左右方向(水平方向)が前記所定の方向と直交する方向となる。なお、本実施形態の昇降フレーム80は、翼可動部材99を搭載するとともに、この翼可動部材99を原位置Pb1から演出位置Pb2へ移動するための運搬部材と把握することもできる。
【0075】
そして、図10に示すように、各昇降部材78がシャフト部材77における上側制止部77aにそれぞれ接触されると、各昇降部材78(昇降フレーム80)の上方への移動が規制される。本実施形態では、各昇降部材78がシャフト部材77における上側制止部77aに接触されている位置が翼型飾り部材71の演出位置Pb2となる。なお、本実施形態では、鋼板フレーム73(固定枠部材42)において左側に配置された昇降用モータM2と、右側に配置された昇降用モータM2とは、同期して駆動される。このため、各昇降部材78は、高さ位置が同一高さ(下側制止部77bからの離間距離が同一距離)となるように移動されるとともに、昇降フレーム80は、水平を維持したまま翼型飾り部材71と共に演出位置Pb2へ移動される。
【0076】
一方、翼型飾り部材71が演出位置Pb2に位置している状態において、各昇降用モータM2が駆動して図8に示すピニオン歯車76が左側面視右回りで回転されると、昇降フレーム80及び翼型飾り部材71は、各昇降部材78が下方に移動されることにより原位置Pb1へ移動される。なお、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、ピニオン歯車76が左側面視左回り、及び右回りで交互に回転されるように昇降用モータM2を駆動させることで、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)を小刻みに上下動(昇降)させることもできる。
【0077】
そして、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)が上下方向へ移動される場合、昇降フレーム80に設けられた翼用スライド部材89における突起部89aは、連結部材87の第1翼用ガイド孔87cに係合された状態のまま、該第1翼用ガイド孔87cに沿って上下方向に摺動される。前述のように、第1翼用ガイド孔87cは、上下方向(昇降フレーム80の移動方向)に沿って延びるように形成されているため、突起部89a(翼用スライド部材89)の移動方向は、第1翼用ガイド孔87cの延びる方向(昇降フレーム80の移動方向)と平行に設定される。このため、連結部材87は、第1翼用ガイド孔87cを突起部89aが摺動する際に、この突起部89aによって左右方向(水平方向)への力が付与されないように、即ち左右方向へ移動されないようになっている。即ち、連結部材87の第1翼用ガイド孔87cは、昇降フレーム80の移動と共に翼型部材71b,71cを含む翼可動部材99が上下方向(所定の方向)に沿って移動される際に、連結部材87を左右方向(直交する方向)へ移動させることなく、翼用スライド部材89に設けられた突起部89aが第1翼用ガイド孔87cに対して相対移動されるように構成されている。
【0078】
次に、翼移動用モータM3a,M3bを駆動した場合における翼型可動体ユニット70の動作について説明する。
図11及び図12に示すように、各翼型部材71b,71cが第1姿勢PP1とされた状態において、左翼移動用モータM3aの駆動により左側の歯車81が正面視左回りで回転される一方で、右翼移動用モータM3bの駆動により右側の歯車81が正面視右回りで回転されると、各ピニオン歯車82bは、左右方向の外側に向かってそれぞれ回転される。そして、矢印Y5に示すように、各連結部材87は、それぞれ各ピニオン歯車82bの回転に伴って左右方向(水平方向)の外側に向かって移動されるとともに、連結部材87における第1翼用ガイド孔87cに対して突起部89aで係合する各翼用スライド部材89は、同様に左右方向の外側に向かって移動される。そして、各第1リンク部材92は、各翼用スライド部材89が左右方向の外側に向かって移動されることに伴って、左右方向の外側に向かって移動される(引っ張られる)。本実施形態では、矢印Y5に示す方向が所定の方向に直交する方向となる。
【0079】
このため、各第1リンク部材92に接続された各第2リンク部材94は、中央ピン部材Pcの軸線周りで各部材固定部94aが相互に近接するように回動され、上方に移動される。また、各部材固定部94aの上方への移動に伴って、突起部94bに対して第2翼用ガイド孔96aで係合する下側固定部材96は、下側ピン部材Puの軸線周りで回動され上方に移動される。これにより、本実施形態では、矢印Y6に示すように、部材固定部94aに固定された上翼型部材71b、及び下側固定部材96に固定された下翼型部材71cがそれぞれ上方に移動され、各翼型部材71b,71cが中央部材71aを中心に放射状に配置された第2姿勢PP2とされる。本実施形態では、矢印Y6に示す方向が、上下方向(所定の方向)とは異なる方向となる。
【0080】
一方、各翼型部材71b,71cが第2姿勢PP2とされた状態において、左翼移動用モータM3aの駆動により左側の歯車81が正面視右回りで回転される一方で、右翼移動用モータM3bの駆動により右側の歯車81が正面視左回りで回転されると、各ピニオン歯車82bは、左右方向の内側に向かってそれぞれ回転される。この場合、各連結部材87は、それぞれ各ピニオン歯車82bの回転に伴って左右方向(水平方向)の内側に向かって移動されるとともに、各翼用スライド部材89は、同様に左右方向の内側に向かって移動される。このため、各第1リンク部材92は、それぞれ左右方向の内側に向かって移動されるとともに、各第2リンク部材94は、中央ピン部材Pcの軸線周りで各部材固定部94aが相互に離間するように下方へ回動される。そして、各部材固定部94aの下方への移動に伴って、下側固定部材96は下側ピン部材Puの軸線周りで回動され下方に移動される。これにより、部材固定部94aに固定された上翼型部材71b、及び下側固定部材96に固定された下翼型部材71cは、それぞれ下方に移動され、第1姿勢PP1とされる。なお、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、翼移動用モータM3a,M3bの出力軸の回転方向を交互に切り替えることにより、各翼型部材71b,71cを小刻みに開いたり閉じたりさせることができる。
【0081】
そして、各翼型部材71b,71cが第1姿勢PP1と第2姿勢PP2の間で移動される場合、各翼用スライド部材89の突起部89aは、スライド窓部90aの外側端と内側端の間でそれぞれ摺動する。前述のように、ガイド部90(スライド窓部90a)は、左右方向に沿って延びるように形成されているため、突起部89a(翼用スライド部材89)の移動方向は、第1翼用ガイド孔87cの延びる方向(昇降フレーム80の移動方向)と直交する方向に設定される。このため、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)は、各連結部材87のスライド移動に伴って各翼用スライド部材89がガイド部90を摺動する際に、上下方向(垂直方向)への力が付与されないように、即ち上下方向へ移動されないようになっている。
【0082】
本実施形態では、翼用スライド部材89、第1リンク部材92、及び第2リンク部材94により、連結部材87の左右方向への運動を中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りとなる方向への運動に変換する運動変換機構としてのリンク機構101を構成する。また、翼移動用モータM3a,M3bは、連結部材87を上下方向(垂直方向)と直交する左右方向(水平歩行)に移動させることにより動力(駆動力)を伝達し、翼可動部材99のうち各翼型部材71b,71cを中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りとなる方向へ運動させる。また、連結部材87と、翼可動部材99のうち翼用スライド部材89とは、第1翼用ガイド孔87cと突起部89aとの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力(駆動力)を伝達可能に構成されている。また、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bの動力(駆動力)は、リンク機構101を介して翼可動部材99のうち各翼型部材71b,71cに伝達される。
【0083】
本実施形態の翼型可動体ユニット70では、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している状態において、翼移動用モータM3a,M3bを駆動することで各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させることができる。この場合における翼型可動体ユニット70の動作は、既に説明したように、翼型飾り部材71が演出位置Pb2に位置している場合における翼型可動体ユニット70の動作と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0084】
以上のように、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、昇降フレーム80が原位置Pb1及び演出位置Pb2の何れに位置している場合であっても、翼移動用モータM3a,M3bを駆動することにより、昇降フレーム80を上下方向に移動させることなく各翼型部材71b,71cの姿勢を変化させることができるようになっている。同様に、翼型可動体ユニット70では、各翼型部材71b,71cの姿勢が第1姿勢PP1及び第2姿勢PP2の何れである場合であっても、各昇降用モータM2を駆動することにより各翼型部材71b,71cの姿勢を変化させることなく昇降フレーム80を上下方向に移動させることができるようになっている。なお、翼型可動体ユニット70を用いた可動体演出の具体的な実行態様については、後に詳細に説明する。
【0085】
次に、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71の動作範囲と、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46の動作範囲との関係について詳しく説明する。
図4において、矢印Y4,Y6に示すように、翼型飾り部材71が、原位置Pb1において第1姿勢PP1とされた状態から、演出位置Pb2において第2姿勢PP2とされる迄の間の動作範囲(動作軌跡)は、第2姿勢PP2とされた一対の上翼型部材71bで挟まれる略V字型の非動作範囲を除いて、演出表示装置27の画像表示領域HRの略全面を覆うように設定される。即ち、本実施形態において翼型飾り部材71の動作範囲は、遊技者からみて画像表示領域HRの一部と重なるように設定されている。
【0086】
また、矢印Y1,Y2に示すように、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2に移動して第2姿勢PS2とされる迄の間の動作範囲(動作軌跡)は、演出表示装置27における画像表示領域HRの上側の略半分を覆うように設定される。即ち、銃型飾り部材46の動作範囲は、遊技者から見て翼型飾り部材71の動作範囲と画像表示領域HRとが重なっていない領域を含む画像表示領域HRの一部と重なるように設定されている。また、本実施形態では、銃型飾り部材46が翼型飾り部材71とは異なる動作範囲で動作して特定可動体演出を実行する特定可動体となる。翼型飾り部材71の動作範囲と銃型飾り部材46の動作範囲とは、一部の範囲で重複しているとともに、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71の何れの動作範囲も設定されていない非動作範囲HDは、画像表示領域HRにおいて中央部に僅かな面積にのみ設定されている(図4において薄墨で示す)。
【0087】
そして、前述した図柄列Z4,Z5を表示するための第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRにおいて翼型飾り部材71の動作範囲内に設定されている一方で、第3図柄領域ZR3は、画像表示領域HRの上部中央において翼型飾り部材71の非動作範囲に設定されている。また、第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっていない領域に設定されている一方で、第3図柄領域ZR3は、画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっている領域に設定されている。
【0088】
したがって、第2図柄領域ZR2は、銃型可動体ユニット45を用いた可動体演出の実行中に遊技者から視認可能である一方で、翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させて第2姿勢PP2とする場合には遊技者から視認不能(視認困難)な位置に設定されている。一方、第3図柄領域ZR3は、翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させて第2姿勢PP2とする場合には遊技者から視認可能な位置に設定されている一方で、銃型可動体ユニット45を用いた可動体演出の実行中に遊技者から視認不能(視認困難)な位置に設定されている。また、図柄列Z1〜Z3を表示するための第1図柄領域ZR1は、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71の何れの動作範囲にも一部が重なるように設定されており、何れかの飾り部材による可動体演出の実行中に、遊技者から視認困難な位置に設定されている。
【0089】
本実施形態では、第1図柄領域ZR1、及び第2図柄領域ZR2が大当り判定の判定結果に基づき複数の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する第1表示領域となり、第3図柄領域ZR3が翼型飾り部材71による可動体演出中に遊技者から視認可能な位置に設けた第2表示領域となる。また、翼型可動体ユニット70の翼型飾り部材71は、第2図柄領域ZR2に表示される図柄列Z4,Z5を視認不能となるように動作して行う可動体演出を実行する可動体となる。
【0090】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である弾倉型可動体ユニット105について説明する。
図2及び図3に示すように、弾倉型可動体ユニット105は、演出表示装置27の右上方に配設されるとともに、その略全体が区画板41の後方に配設されている。図4に示すように、弾倉型可動体ユニット105は、略四角形平板状をなす取付台部材106を備えているとともに、この取付台部材106は、固定枠部材42の右上部に対して、右外側から左内側(演出表示装置27側)に向かって後方(演出表示装置27側)に傾斜するように固定されている。取付台部材106の後面には、出力軸を前方に向けて配置した状態でステッピングモータなどの回転用モータM4が配設されている。また、取付台部材106の前面には、回転式拳銃(リボルバ)の弾倉(シリンダ)を模した略円盤状の弾倉型飾り部材107が、中心軸Lの軸線周りで回転可能に組み付けられているとともに、弾倉型飾り部材107の図示しない回転軸は、回転用モータM4の出力軸に図示しない歯車を介して接続されている。また、弾倉型飾り部材107は、取付台部材106と同様に、固定枠部材42の右外側から左内側(演出表示装置27側)に向かって後方(演出表示装置27側)に傾斜するように配置されている。また、弾倉型飾り部材107には、LEDなどの発光手段としての発光体109が内蔵されており、この発光体109を発光(点灯や点滅)させることで所定の発光演出を実行可能に構成されている。
【0091】
また、図2に示すように、弾倉型飾り部材107は、右上の一部が表示枠体25におけるセット口25aの後側に配置される一方で、左下の大部分がセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能とされている。そして、前述した区画板41の第1切欠部41aは、正面視においてセット口25aの内側に配置される弾倉型飾り部材107に整合(対応)した形状に形成されており、遊技者が第1切欠部41aから区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能に構成されている。本実施形態では、第1切欠部41aが、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107(演出実行装置)を視認可能とするための視認部となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、区画板41に第1切欠部41aを設けない構成と比較して、弾倉型飾り部材107をより明瞭に視認させることができるようになっている。また、図3に示すように、本実施形態の弾倉型飾り部材107は、左端部側よりも前方に突出する右端部側において、第1切欠部41aから区画板41よりも前方に僅かに突出するように配設されている。なお、前述のように、第1切欠部41aへは遊技球が極めて到達し難いため、遊技球が弾倉型飾り部材107に接触する可能性は極めて低くなっている。
【0092】
次に、上記のように構成した弾倉型可動体ユニット105の動作態様について説明する。図4に示すように、弾倉型可動体ユニット105では、回転用モータM4が駆動してその出力軸が回転されると、回転用モータM4の駆動力(回転運動)は図示しない歯車を介して弾倉型飾り部材107の回転軸に伝達され、弾倉型飾り部材107が矢印Y7に示すように平面視右回りで回転されるようになっている。本実施形態の弾倉型可動体ユニット105では、弾倉型飾り部材107が演出表示装置27側に傾くように配置されていることから、パチンコ遊技機10の左右方向における略中央で遊技を行う遊技者から、弾倉型飾り部材107を視認し易くできる。また、本実施形態では、第1切欠部41aを設けるとともに、この第1切欠部41aから弾倉型飾り部材107の一部を区画板41の前方に突出させることで、弾倉型飾り部材107の演出表示装置27側への傾きを確保している。即ち、本実施形態では、第1切欠部41aを設けない構成と比較して、弾倉型可動体ユニット105などの演出実行装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0093】
また、本実施形態では、遊技者が区画板41を介することなく第1切欠部41aから弾倉型飾り部材107を視認可能とされている。このため、本実施形態では、弾倉型可動体ユニット105により可動体演出が実行されていない状態や、発光体109による発光演出が実行されていない状態であっても、弾倉型飾り部材107を明瞭に視認させ、弾倉型飾り部材107を好適に印象付けることができる。さらに、本実施形態では、第1切欠部41aを設けることにより、演出表示装置27側へ傾くように配置された弾倉型飾り部材107が区画板41の後面に映り込み、演出表示装置27の表示内容が視認し難くなることを抑制できる。
【0094】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成(制御構成)を図13にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10の機全体を制御する主制御基板130が装着されている。主制御基板130は、パチンコ遊技機10の機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板131が装着されている。演出制御基板131は、主制御基板130が出力した制御指令(制御コマンド)に基づき、各種の演出装置(演出実行装置)の動作を制御する。
【0095】
以下、主制御基板130及び演出制御基板131の具体的構成を説明する。
主制御基板130には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU130aと、主制御用CPU130aの制御プログラムを格納する主制御用ROM130bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM130cが設けられている。主制御用CPU130aには、主制御用ROM130b及び主制御用RAM130cが接続されている。そして、主制御用CPU130aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU130aには、特図表示装置28、特図保留表示装置29、及び普通図柄表示装置30が接続されている。
【0096】
また、主制御用CPU130aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数(以下「特図振分用乱数」と示す)などの各種の乱数値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、即ちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。また、主制御用RAM130cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0097】
主制御用ROM130bには、メイン制御プログラム、及び各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から205個の値が定められている。このような設定によれば、大当り抽選に当選する確率は65536分の205となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0098】
また、主制御用ROM130bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出など)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)及び演出時間(変動時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターン、はずれリーチ演出用の変動パターン、はずれ演出用の変動パターンに分類できる。
【0099】
大当り演出は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。なお、特図表示装置28では、特図変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、演出時間の経過時まで特別図柄の変動(変動表示)が継続される。
【0100】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンについて図14にしたがって説明する。なお、図14では、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンの一部のみを示している。
【0101】
本実施形態では、図14に示すように、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1が、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2a,P3aが用意されている。また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP2b,P3bが用意されている。変動パターンP2a,P2bは、図柄変動ゲーム中に演出表示装置27においてNRリーチ演出を表示する演出内容を特定している。変動パターンP3a、P3bは、図柄変動ゲーム中に演出表示装置27においてSPリーチ演出を表示する演出内容を特定している。
【0102】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、NRリーチ演出<SPリーチ演出の順に、大当りとなる可能性の高低を示す大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるようになっている。なお、特定のリーチ演出の大当り期待度を高くするには、大当りの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合と、はずれの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合の合算割合に占める大当りの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合が高くなるようにすればよい。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、遊技者は、NRリーチ演出に続けてSPリーチ演出が実行されることに期待感を抱きつつ遊技を行っている。
【0103】
次に、演出制御基板131について説明する。
図13に示すように、演出制御基板131には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU131aと、演出制御用CPU131aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM131bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM131cが設けられている。演出制御用CPU131aには、演出制御用ROM131b及び演出制御用RAM131cが接続されている。演出制御用CPU131aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、演出振分用乱数は、各種の遊技演出の実行可否や演出内容を決定するための乱数である。演出制御用RAM131cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用ROM131bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラなどの画像データ)、発光演出における各発光体の発光パターンを特定する発光演出用データ、及び各モータM1〜M4の駆動パターンを特定する可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM131bには、制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。
【0104】
また、演出制御用CPU131aには、演出表示装置27が接続されているとともに、演出制御用CPU131aは演出表示装置27に映し出される表示内容を制御可能に構成されている。また、演出制御用CPU131aには、電球型発光装置43、翼型可動体ユニット70の中央部材71a及び各翼型部材71b,71cに内蔵された各発光体(不図示)や、弾倉型可動体ユニット105の発光体109が接続されている。演出制御用CPU131aは、各発光体を発光/消灯させる制御を可能に構成されている。また、演出制御用CPU131aには、銃型可動体ユニット45の銃用モータM1、翼型可動体ユニット70の昇降用モータM2、翼型可動体ユニット70の翼移動用モータM3a,M3b、及び弾倉型可動体ユニット105の回転用モータM4が接続されている。演出制御用CPU131aは、各モータを各別に駆動/停止させる制御を可能に構成されている。演出制御用CPU131aには、銃型可動体ユニット45の銃用原位置センサSE1、翼型可動体ユニット70の昇降用原位置センサSE2、及び翼型可動体ユニット70の翼用原位置センサSE3が接続されており、各センサが出力する検出信号を入力可能に構成されている。
【0105】
以下、主制御基板130の主制御用CPU130aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理(以下「特図入力処理」と示す)や特別図柄開始処理(以下「特図開始処理」と示す)などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU130aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特図入力処理や特図開始処理などの各種処理を実行する。なお、特図開始処理は、特図入力処理の終了後に実行される。
【0106】
最初に、特図入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU130aは、第1始動口スイッチSW1、又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づき、第1始動入賞口35、又は第2始動入賞口36に遊技球が入球したか否かの入球判定を実行する。この入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。一方、上記入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、主制御用RAM130cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を実行する。この保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。一方、上記保留判定の判定結果が肯定(保留記憶数が4未満)である場合、主制御用CPU130aは、保留記憶数を+1(1加算)する。即ち、主制御用CPU130aは、始動入賞口35,36で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM130cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU130aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置29の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU130aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値)を主制御用RAM130cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM130cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。
【0107】
次に、特図開始処理について説明する。
特図開始処理において、主制御用CPU130aは、最初に図柄変動ゲームの実行条件が成立しているか否かの実行条件判定を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU130aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中の場合、実行条件判定で否定判定する。実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0108】
一方、実行条件判定の判定結果が肯定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU130aは、主制御用RAM130cに記憶されている保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かの記憶数判定を実行する。この記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数が0)、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。一方、記憶数判定の判定結果が肯定(保留記憶数が1以上)の場合、主制御用CPU130aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU130aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置29の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU130aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM130cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数)の値を読み出す。
【0109】
続いて、主制御用CPU130aは、読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行する。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、大当りを決定し、大当り演出となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り演出処理を実行する。大当り演出処理において、主制御用CPU130aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM130cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU130aは、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄(大当り図柄)を決定する。また、主制御用CPU130aは、大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
【0110】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU130aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ演出となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU130aは、特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0111】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ演出となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ演出処理を実行する。はずれ演出処理において主制御用CPU130aは、特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0112】
そして、特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU130aは、特図開始処理とは別の処理において、特図開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板131に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU130aは、変動パターンを指示するとともに演出表示装置27の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU130aは、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンド(以下「特図指定コマンド」と示す)を変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU130aは、指示した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。主制御用CPU130aは、変動パターン指定コマンドの出力とともに、特図表示装置28で特別図柄の変動を開始させるとともに、全図柄停止コマンドの出力とともに特別図柄を確定停止表示させる。
【0113】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU130aが実行する処理について説明する。
主制御用CPU130aは、大当り演出の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU130aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを出力する。また、主制御用CPU130aは、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉38aを開動作させて大入賞口38を開放させるとともに、ラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉38aを閉動作させて大入賞口38を閉鎖させる。そして、主制御用CPU130aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
【0114】
次に、演出制御基板131の演出制御用CPU131aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
最初に、図柄変動ゲームを実行させるための制御について説明する。
【0115】
演出制御用CPU131aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3の飾り図柄の変動(変動表示)を開始させるとともに、第2図柄領域ZR2において図柄列Z4,Z5の飾り図柄の変動を開始させ、飾図変動ゲームが開始されるように演出表示装置27を制御する。また、演出制御用CPU131aは、変動パターン指定コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU131aは、選択した画像表示用データをもとに飾図変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置27の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU131aは、飾図変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに演出表示装置27に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0116】
また、演出制御用CPU131aは、特図指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置27に確定停止表示させる飾り図柄の組み合わせを生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU131aは、特別図柄の大当り図柄が指定されている場合には、飾り図柄の大当り図柄(例えば「777」及び「赤丸+赤丸」)を生成する。また、演出制御用CPU131aは、はずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄(例えば「625」及び「白丸+白丸」)を生成する。このとき、演出制御用CPU131aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0117】
また、演出制御用CPU131aは、SPリーチ演出を特定する変動パターンP3a,P3bが指定されている場合、演出表示装置27にSPリーチ演出を表示させている間、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3を非表示とさせる。そして、演出制御用CPU131aは、入力した変動パターンに示される演出時間(変動時間)の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄のうち、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄を第1図柄領域ZR1において一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機として図柄列Z1〜Z5の飾り図柄を確定停止表示させる。本実施形態では、演出制御用CPU131aが第1図柄領域ZR1、第2図柄領域ZR2、及び第3図柄領域ZR3の表示内容を制御して図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)を表示させる表示制御手段となる。
【0118】
次に、大当り遊技中における制御について説明する。
演出制御用CPU131aは、主制御用CPU130aからオープニングコマンドを入力した場合にはオープニング演出用の画像表示用データを、各ラウンド開始コマンドを入力した場合にはラウンド演出用の画像表示用データを、エンディングコマンドを入力した場合にはエンディング演出用の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU131aは、選択した画像表示用データをもとに各大当り遊技用の遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出)を画像表示させるように演出表示装置27の表示内容を制御する。
【0119】
次に、図柄変動ゲーム中に電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105による各種の遊技演出を実行させる制御について、詳しく説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10において、これらの演出実行装置による遊技演出は、今回の図柄変動ゲームで大当り図柄が導出される可能性(大当り期待度)の高低を遊技者に報知(示唆)する大当り予告演出として実行される。
【0120】
演出制御用CPU131aは、主制御用CPU130aから変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM131cから演出振分用乱数の値を取得するとともに、取得した演出振分用乱数の値、及びコマンドで指定された変動パターンをもとに、図15に示す演出振分テーブルTAを参照して大当り予告演出の演出内容を特定する演出パターンを決定する。演出振分テーブルTAは、演出制御用ROM131bに記憶されている。
【0121】
図15に示すように、演出振分テーブルTAには、演出パターンEP1〜EP6が各変動パターンに対応付けられている。演出パターンEP1には、大当り予告演出を行わない演出内容が特定されており、演出パターンEP2には、電球型発光装置43を発光させる演出内容が特定されている。演出パターンEP2に基づく大当り予告演出の演出時間は、1.5秒に設定されている。演出パターンEP3には、図16(a)において矢印Y7に示すように、弾倉型可動体ユニット105の弾倉型飾り部材107(発光体109)を発光させつつ回転させる演出内容が特定されている。演出パターンEP3に基づく大当り予告演出の演出時間は、2秒に設定されている。演出パターンEP4には、図16(b)において矢印Y1,Y2に示すように、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46を演出位置Pa2へ移動させる共に第2姿勢PS2とし、さらに電球型発光装置43を発光させる演出内容が特定されている。また、演出パターンEP3には、演出表示装置27において、銃型飾り部材46により電球型発光装置43を射撃した様子を模した効果画像Geを表示させる演出内容が特定されている。演出パターンEP4に基づく大当り予告演出の演出時間は、3.5秒に設定されている。
【0122】
演出パターンEP5には、図16(c)において矢印Y8で示すように、翼型可動体ユニット70における各翼型部材71b,71cを点滅させつつ小刻みに上下動させる演出内容が特定されている。演出パターンEP5に基づく大当り予告演出の演出時間は、3秒に設定されている。また、演出パターンEP6には、図16(d)において矢印Y4で示すように、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させた後、矢印Y6に示すように各翼型部材71b,71cを発光させつつ第1姿勢PP1から第2姿勢PP2とする演出内容が特定されている。なお、演出パターンEP6には、演出パターンEP6に基づく可動体演出(大当り予告演出)を終了させる際に、翼型飾り部材71を演出位置Pb2から原位置Pb1へ下降させつつ、同時に各翼型部材71b,71cを第2姿勢PP2から第1姿勢PP1へ移動させることが特定されている。これにより、本実施形態では、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出を終了する際に、速やかに翼型飾り部材71を原位置Pb1へ戻すとともに第1姿勢PP1とすることができるようになっている。また、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出の演出時間は、銃型飾り部材46を動作させる演出パターンEP4に基づく大当り予告演出より長い5秒に設定されている。
【0123】
図15に示すように、演出振分テーブルTAには、変動パターン毎に区分して演出パターンEP1〜EP6に対して、演出振分用乱数の値がこの乱数の取り得る値(0〜99の全100通りの整数値)のうちから所定個数ずつ振り分けられている。演出振分テーブルTAによれば、例えば変動パターンP1が指定されている場合には、100分の90の確率で演出パターンEP1が、100分の5の確率で演出パターンEP2又は演出パターンEP3が決定され得る。
【0124】
演出振分テーブルTAにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、演出パターンEP1<EP2<EP3<EP4<EP5<EP6の順で、大当りの変動パターンが指定された場合の決定割合と、はずれの変動パターンが指定された場合の決定割合との合算割合に占める大当りの変動パターンが指定された場合の決定割合が高くなる。したがって、本実施形態では、演出パターンEP1<EP2<EP3<EP4<EP5<EP6の順で、演出パターンに特定される大当り予告演出に設定される大当り期待度が高くなる。特に、演出パターンEP6は、大当り演出用の変動パターンP3bが指定された場合にのみ決定可能であることから、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動され、第2姿勢とされる大当り予告演出(可動体演出)は、大当り確定の遊技演出として位置付けられる。
【0125】
また、演出振分テーブルTAによれば、大当りの変動パターンを指定された場合の決定割合と、はずれの変動パターンを指定された場合の決定割合との合算割合(所謂、出現率)は、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46を移動させる演出パターンEP4と比較して、上記演出パターンEP6のほうが低くなっている。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、銃型飾り部材46による大当り予告演出の出現率よりも、翼型可動体ユニット70を第2姿勢PP2とする大当り予告演出の出現率のほうが低く設定される。
【0126】
そして、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP1を決定すると、大当り予告演出の非実行を決定する。一方、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP2〜EP6の何れかを決定すると大当り予告演出の実行可を決定すると共に、決定した演出パターンに特定される大当り予告演出用のデータ(画像表示用データ、発光演出用データ、及び可動体演出用データ)を選択する。そして、演出制御用CPU131aは、図柄変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)から所定期間(本実施形態では5秒)が経過すると、選択した大当り予告演出用のデータをもとに、各演出実行装置を制御して大当り予告演出を実行させる。
【0127】
また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP4〜EP6の何れかを決定している場合、大当り予告演出を開始させる直前に、銃型飾り部材46が原位置Pa1にあり、且つ翼型飾り部材71が原位置Pb1において第1姿勢PP1とされているか否かの原位置判定(原位置チェック)を実行する。詳しく説明すると、演出制御用CPU131aは、銃用原位置センサSE1から検出信号を入力している場合、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置していると判定する一方で、検出信号を入力していない場合、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置していないと判定する。また、演出制御用CPU131aは、各昇降用原位置センサSE2から検出信号を入力していない場合、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置していると判定する一方で、検出信号を入力している場合、原位置Pb1に位置していないと判定する。
【0128】
また、演出制御用CPU131aは、各翼用原位置センサSE3から検出信号を入力している場合、翼型飾り部材71(各翼型部材71b,71c)が第1姿勢PP1とされていると判定する一方で、検出信号を入力していない場合、第1姿勢PP1とされていないと判定する。そして、演出制御用CPU131aは、上記原位置判定で肯定判定した場合、決定した演出パターンEP4〜EP6に基づき可動体演出を含む大当り予告演出を実行させる一方で、上記原位置判定で否定判定した場合、決定した演出パターンEP4〜EP6に基づく大当り予告演出の実行をキャンセルする。
【0129】
また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6を決定した場合には、翼型飾り部材71が原位置Pb1を離れてから再び原位置Pb1へ戻る迄の間、第2図柄列Z2における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5を第3図柄列Z3に表示させる制御を実行する。即ち、本実施形態の演出制御用CPU131aは、翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動して第2姿勢PP2とされる可動体演出が実行される場合に、図柄列Z4,Z5の表示領域を第2図柄領域ZR2から第3図柄領域ZR3へ移動させる制御を実行すると把握することもできる。
【0130】
次に、上記のように構成したパチンコ遊技機10における大当り予告演出の実行態様の一例について、図16及び図17にしたがって説明する。なお、図17では、変動パターンP3b、及び演出パターンEP6が決定されている場合を示している。
【0131】
図17に示すように、演出表示装置27では、図柄列Z1〜Z5の飾り図柄の変動表示が開始されることにより、図柄変動ゲームが開始される(時点t1)。演出表示装置27では、図柄変動ゲームの開始から所定期間が経過する迄の間、第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3が表示されるとともに、第2図柄領域ZR2に図柄列Z4,Z5が表示される(時点t1〜t2の期間、本実施形態では5秒)。
【0132】
そして、図柄変動ゲームが開始してから所定期間(時点t1〜t2の期間)が経過すると、図16(d)に示すように、翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動されるとともに、その後に各翼型部材71b,71cが移動されて第2姿勢PP2とされ、翼型可動体ユニット70による大当り予告演出が実行される(時点t2〜t3の期間)。演出パターンEP6に基づく大当り予告演出(可動体演出)が実行されている間、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3が非表示とされるとともに、第2図柄領域ZR2における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5が第3図柄領域ZR3に表示される。このため、本実施形態では、図柄列Z1〜Z3を非表示とすることで翼型可動体ユニット70による大当り予告演出(可動体演出)に対して遊技者に注目させることができる。また、演出表示装置27では、翼型飾り部材71の動作範囲外に設定された第3図柄領域ZR3において図柄列Z4,Z5が継続して表示されることから、図柄変動ゲームが継続されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
【0133】
そして、翼型飾り部材71が原位置Pb1に戻ることで演出パターンEP6に基づく大当り予告演出(可動体演出)が終了すると、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3が表示されるとともに、第3図柄領域ZR3における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5が第2図柄領域ZR2に表示される(時点t3)。続けて、演出表示装置27では、リーチが形成される(時点t4、本実施形態では図柄変動ゲームの開始から12秒後)とともに、NRリーチ演出が表示される(時点t4〜t5の期間)。次に、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3が非表示とされるとともに、SPリーチ演出が表示される(時点t5〜t6の期間)。そして、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において大当り図柄のうち図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が一旦停止表示される(時点t6)とともに、全列(図柄列Z1〜Z5)の飾り図柄が確定停止表示され(時点t7)、図柄変動ゲームが終了される。なお、演出表示装置27では、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出が終了してから、図柄変動ゲームが終了される迄の間、NRリーチ演出やSPリーチ演出であるか否かにかかわらず第2図柄領域ZR2において図柄列Z4,Z5が継続して変動表示されるようになっている(時点t3〜t7の期間)。
【0134】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出パターンEP6に基づき翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を移動させる可動体演出が実行される場合には、可動体演出の実行に伴って遊技者から視認不能とされる図柄列Z4,Z5が、可動体演出の実行中に遊技者から視認可能な位置に設けた第3図柄領域ZR3に表示される。このため、本実施形態では、演出パターンEP6に基づく可動体演出の実行中であっても、少なくとも一部の飾り図柄が第3図柄領域ZR3に表示されることにより、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることを抑制できる。したがって、図柄変動ゲームが継続中であることを遊技者が認識し難くなることにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0135】
(2)演出表示装置27には、図柄列Z1〜Z5が表示されるとともに、図柄列Z1〜Z3と、図柄列Z4,Z5とでそれぞれ大当りを認識可能な大当り図柄を形成するようになっている。そして、演出パターンEP6に基づく翼型可動体ユニット70の可動体演出が実行される場合には図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示させる。したがって、図柄変動ゲームが継続中であることを遊技者に明確に理解させることができる。
【0136】
(3)第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRのうち遊技者から見て銃型飾り部材46の動作範囲と重なっていない領域において、図柄列Z4,Z5を表示可能に設定されている。したがって、銃型飾り部材46を移動させる可動体演出が実行される場合には、図柄列Z1〜Z5の全ての飾り図柄が視認不能となることがなく、さらに演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を移動させる可動体演出が実行される場合には、可動体演出の実行に伴って遊技者から視認不能となる図柄列Z4,Z5が第3図柄列Z3に表示される。したがって、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71を用いて複数種類の遊技演出(可動体演出)を実行可能なパチンコ遊技機10であっても、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることをより確実に回避できる。
【0137】
(4)第3図柄領域ZR3は、翼型飾り部材71の動作範囲と重ならない位置に設けられている。したがって、演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を移動させる可動体演出によって、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることをより確実に回避できる。
【0138】
(5)図柄変動ゲームにおける演出パターンEP6に基づく翼型飾り部材71による可動体演出の出現率は、銃型飾り部材46を動作させる可動体演出の出現率より低い。このため、本実施形態では、第2図柄領域ZR2を画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっている領域内に設定する場合と比較して、図柄列Z4,Z5を第2図柄領域ZR2とは別の表示領域に表示させる頻度を低く抑えることができる。
【0139】
(6)区画板41には、演出実行装置である弾倉型飾り部材107に対応させて、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能とするための切欠部41aが形成されている。したがって、区画板41によって弾倉型飾り部材107が遊技者から視認し難くなることを抑制し、弾倉型飾り部材107による遊技演出を印象付けることができる。即ち、区画板41によって弾倉型飾り部材107が遊技者から視認し難くなることにより弾倉型飾り部材107による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる。
【0140】
(7)また、区画板41により発光体109の発する光が遮られることにより、弾倉型飾り部材107による発光演出を視認し難くなることを抑制し、発光演出をより遊技者に印象付けることができる。
【0141】
(8)弾倉型飾り部材107が演出表示装置27の前面(画像表示領域HR)側に傾斜するように配設されており、演出表示装置27とともに弾倉型飾り部材107による遊技演出を見易くすることができる。そして、このような場合でも、区画板41の後面(裏面)に弾倉型飾り部材107が映り込むことで演出表示装置27の表示内容を視認し難くなることを抑制できる。
【0142】
(9)さらに弾倉型飾り部材107は、遊技演出として所定の運動(本実施形態では回転運動)を伴う可動体演出を実行可能に構成されている。したがって、弾倉型飾り部材107による遊技演出を遊技者により印象付けることができる。
【0143】
(10)区画板41は、特図表示装置28の下側に設けられるステージ31の後端に立設するように設けた。このため、ステージ31よりも更に後側に区画板41を立設する構成と比較して、機構領域(機構空間)20cを広く確保することができる。
【0144】
(11)翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を演出表示装置27の前面側に移動して可動体演出を実行可能に構成したため、可動体演出の実行により遊技者の興趣を高め得る。
【0145】
(12)弾倉型飾り部材107は、その一部が第1切欠部41aから区画板41よりも前面側(遊技者側)に突出するように配設されている。したがって、区画板41の後側空間における弾倉型飾り部材107の配設位置に自由度を与えることができる。
【0146】
(13)電球型発光装置43は、内蔵されたLEDを演出表示装置27よりも高い輝度で発光させるようにした。このため、本実施形態では、区画板41の前面側に積極的に電球型発光装置43の映り込みを生じさせ、奥行きのある発光演出を実現できる。
【0147】
(14)銃型可動体ユニット45において、銃用ガイド部52の第1ガイド領域52aにより、銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2へ移動する迄の間において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2へ運動(回動)することが規制される。このため、銃型飾り部材46を下方へ移動させるとともに第1姿勢PS1から第2姿勢PS2へ運動させることにより、可動体演出に変化を与えることができるとともに、銃型飾り部材46が予定されていない動作を行うことで遊技者の興趣が低下してしまうことを抑制できる。
【0148】
(15)銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aは、シャフト部材51a,51bに平行な方向に沿って延びるように形成され且つ銃型飾り部材46のローラ部材67と接触されるようになっている。このため、予定されていない位置において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2となることをより確実に規制することができる。
【0149】
(16)銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合に、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2へ回動することを許容する第3ガイド領域52cを設けた。したがって、銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合には、第2姿勢PS2への運動が許容され、可動体演出を支障なく行うことができる。
【0150】
(17)銃型飾り部材46は、変換機構HKを介して銃用モータM1により第2銃用ガイドピン63の軸線周りの方向に沿って運動される。このため、銃用モータM1によって銃型飾り部材46をシャフト部材51a,51bに沿った方向、及び第2銃用ガイドピン63の軸線周りの方向へ運動させることが可能となり、銃型飾り部材46を運動させる方向毎に異なるモータを設ける場合と比較して、その構成を簡略化することができる。
【0151】
(18)第2銃用ガイドピン63の下方への移動が突起部53により規制された状態において、銃用移動部材55が原位置Pa1から離間する方向へさらに移動されることにより、銃型飾り部材46が第2銃用ガイドピン63の軸線周りに運動される。このため、銃用移動部材55のシャフト部材51a,51bに沿った方向への運動を継続させることで、銃型飾り部材46の原位置Pa1から演出位置Pa2への移動だけでなく、回動運動をも実現できる。
【0152】
(19)銃型可動体ユニット45では、第2姿勢PS2にある銃型飾り部材46のローラ部材67が第2ガイド領域52bに接触することで、銃型飾り部材46の原位置Pa1に近接する方向への移動が規制される。この状態において、銃用移動部材55が原位置Pa1に近接する方向へさらに移動されることにより、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へ回動される。このため、銃用移動部材55の運動を銃型飾り部材46の第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へ復帰する運動に変換することができる。
【0153】
(20)銃用モータM1を用いてピニオン歯車50bを回転させ、ラック歯車56を設けた銃用移動部材55をシャフト部材51a,51bに沿って移動させるようにしている。したがって、簡便な構造により銃用モータM1の回転運動を銃用移動部材55の直線運動に変換できる。
【0154】
(21)翼型可動体ユニット70において、連結部材87には第1翼用ガイド孔87cを設ける一方で、翼用スライド部材89には第1翼用ガイド孔87cに係合可能な突起部89aを設けた。そして、第1翼用ガイド孔87cは、昇降フレーム80(中央部材71a)と共に翼可動部材99が上下方向に移動される際に、連結部材87を左右方向へ移動させることなく突起部89aが第1翼用ガイド孔87cに対して相対移動されるように構成されている。そして、連結部材87と翼可動部材99は、第1翼用ガイド孔87cと突起部89aの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達可能に連結(接続)されている。このような構成によれば、昇降フレーム80の移動に伴って、連結部材87が水平方向に移動されることにより、翼可動部材99(翼用スライド部材89)が運動してしまうことを抑制できる。その一方で、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bにより翼可動部材99の各翼型部材71b,71cを移動させ、可動体演出を実行することができる。このように、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bを昇降フレーム80に搭載しない場合であっても、昇降フレーム80の移動と独立させた状態で、各翼型部材71b,71cを運動させることが可能となる。したがって、演出用可動体の重量が増加することを抑制しつつ、可動体演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
【0155】
(22)連結部材87と翼可動部材99は、連結部材87における第1翼用ガイド孔87c、及び翼用スライド部材89における突起部89aの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達可能に連結されている。したがって、翼移動用モータM3a,M3bの動力をより確実に伝達することができる。
【0156】
(23)上下方向に沿って延びる第1翼用ガイド孔87cが連結部材87に設けられている。このため、昇降フレーム80とともに移動する翼用スライド部材89に対して、上下方向に沿って延びる壁部などを設ける構成と比較して、翼用スライド部材89の移動範囲(移動軌跡の面積)を小さくすることができる。したがって、翼型可動体ユニット70の配設領域(スペース)を小さくすることができる。
【0157】
(24)連結部材87の運動を、中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りの運動に変換するリンク機構101を介して、翼移動用モータM3a,M3bの動力が各翼型部材71b,71cに伝達される。したがって、特に各翼型部材71b,71cの動作に意外性を持たせ、遊技者の興趣をさらに向上できる。
【0158】
(25)昇降用モータM2を鋼板フレーム73に配設した。このため、鋼板フレーム73に設けた昇降用モータM2により昇降フレーム80を移動させることができる。したがって、昇降フレーム80に昇降用モータM2、及び翼移動用モータM3a,M3bの何れをも搭載することなく可動体演出を実行させることができる。したがって、昇降フレーム80の重量が増加することを抑制できる。
【0159】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 演出表示装置27において、大当り遊技の終了後に確率変動状態又は非確率変動状態の何れかが付与されることを認識可能な非特定図柄を図柄列Z1〜Z3による仮の大当り図柄として導出させ、導出させた仮の大当り図柄を再変動させて非特定図柄、又は大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与されることを認識可能な特定図柄を図柄列Z1〜Z3による最終的な大当り図柄として導出させる再抽選演出を実行可能に構成してもよい。ここで、確変状態(以下、確変状態と示す)は、大当り抽選で大当りに当選する確率を低確率から高確率に変動させた状態であり、非確変状態(以下、非確変状態と示す)は、大当り抽選で大当りに当選する確率が低確率とされている状態である。この場合、演出制御用CPU131aは、再抽選演出の開始に伴って図柄列Z1〜Z5を第3図柄領域ZR3に表示する。そして、演出制御用CPU131aは、再抽選演出を経て特定図柄を導出させる場合、翼型飾り部材71を演出位置Pb2に移動させて第2姿勢PP2とする可動体演出を実行させ、該可動体演出の終了後に最終的な大当り図柄として特定図柄を第1図柄領域ZR1に表示させる。その一方で、演出制御用CPU131aは、再抽選演出を経て非特定図柄を導出させる場合、上記可動体演出を実行させることなく最終的な大当り図柄として非特定図柄を第1図柄領域ZR1に表示させる。本別例では、再抽選演出が特別演出となる。これによれば、再抽選演出において翼型飾り部材71による可動体演出が実行される場合には、図柄列Z1〜Z3が図柄列Z4,Z5と共に第3図柄領域ZR3に表示される。したがって、再抽選演出において遊技者に注目させるべき図柄列Z1〜Z3を第3図柄領域ZR3に表示させることにより、再抽選演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。なお、大当り遊技の終了後に確変状態を付与するか否かは、主制御用CPU130aが決定する特別図柄の大当り図柄が、確変状態を付与することを定めた確変図柄(特定図柄)であるか、非確変状態を付与することを定めた非確変図柄(非特定図柄)であるかに応じて決定するようにするとよい。この場合、特別図柄の大当り図柄の種類は、大当りの種類として把握することもできる。
【0160】
・ 第1図柄領域ZR1、第2図柄領域ZR2、及び第3図柄領域ZR3は、演出表示装置27において異なる位置、大きさに設定してもよい。例えば、第1図柄領域ZR1や第3図柄領域ZR3を、銃型飾り部材46の動作範囲と重ならない領域に設定してもよい。また、各図柄領域ZR1〜ZR3は、それぞれ演出表示装置27とは異なる表示装置で表示してもよい。ただし、第3図柄領域ZR3は、遊技者から見て翼型飾り部材71の動作範囲に重ならない位置に設定する。
【0161】
・ 演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6に基づく翼型飾り部材71による可動体演出の実行中にも第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3を表示させるように制御してもよい。また、演出制御用CPU131aは、第2図柄領域ZR2及び第3図柄領域ZR3の両方に図柄列Z4,Z5を表示させるように制御してもよい。
【0162】
・ 演出表示装置27に表示する飾り図柄の図柄列数を変更してもよい。例えば、第1図柄領域ZR1に表示する図柄列数を1列、2列、又は4列以上としてもよく、図柄領域ZR2,ZR3に表示する図柄列数を1列、又は3列以上としてもよい。
【0163】
・ 演出パターンEP4に基づき銃型飾り部材46を動作させる可動体演出の出現率は、演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させるとともに第2姿勢PP2とする可動体演出の出現率よりも低く設定してもよい。また、演出パターンEP6に基づく可動体演出は、大当り確定演出として位置付けなくてもよい。
【0164】
・ 演出パターンEP2〜EP6に基づく大当り予告演出(発光演出及び可動体演出)の演出時間を変更してもよい。また、各大当り予告演出の実行タイミング(開始タイミング)を変更してもよい。
【0165】
・ 電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45,翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105による遊技演出を大当り予告演出として実行しなくてもよい。例えば、NRリーチ演出からSPリーチ演出へ発展するタイミング(時点t5の直前期間)において、SPリーチ演出が開始されることを報知する報知演出として実行してもよい。
【0166】
・ 第1切欠部41a及び第2切欠部41bの形状を変更してもよい。例えば、銃型飾り部材46の引き金部分や、弾倉型飾り部材107に対応させて複数の貫通孔を設けて視認部を形成してもよい。
【0167】
・ 弾倉型飾り部材107は、LEDなどの発光手段を備えていなくてもよい。また、弾倉型飾り部材107は、区画板41の後側において演出表示装置27の画像表示領域HRと平行に配置されていてもよく、区画板41より前方に突出していなくてもよい。また、弾倉型飾り部材107は、銃用モータM1を省略して所定の運動を行わない演出実行装置として構成してもよい。
【0168】
・ 区画板41は、ステージ31の後端に限られず、さらに後側に立設されていてもよい。また、区画板41は、演出表示装置27の画像表示領域HRと平行に配置されていてもよい。
【0169】
・ 電球型発光装置43に内蔵された発光体や、弾倉型飾り部材107に内蔵された発光体109は、演出表示装置27の輝度より高い輝度で発光しなくてもよい。
・ 銃型可動体ユニット45において、銃用移動部材55(銃型飾り部材46)を移動(運動)させる方向を変更してもよい。例えば、銃型飾り部材46及び銃用移動部材55を左右方向(水平方向)や、円弧状に移動させてもよい。また、銃型飾り部材46の第1姿勢PS1から第2姿勢PS2への移動は、回動運動のほか、所定方向への直線運動などにより行ってもよい。
【0170】
・ 銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aを下方に延長して第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cを省略してもよい。即ち、銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2へ移動する迄の間の全部において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2となることを規制してもよい。この場合、銃型飾り部材46は、演出位置Pa2でのみ第2姿勢PS2への回動が許容されるようにすればよい。
【0171】
・ 銃型可動体ユニット45は、銃型飾り部材46がシャフト部材51a,51bに沿って移動可能な範囲のうち、原位置Pa1から最も離間した位置に到達する以前から第1姿勢PS1から第2姿勢PS2への回動運動を開始するように構成してもよい。この場合には、第2姿勢PS2への回動運動が開始される位置から、原位置Pa1から最も離間した位置の範囲が演出位置Pa2となる。
【0172】
・ 銃型飾り部材46は、LEDなどの発光体を内蔵した構成とし、可動体演出とともに発光演出を実行可能に構成してもよい。
・ 翼型可動体ユニット70において、昇降フレーム80(中央部材71a)は左右方向(水平方向)や、固定枠部材42の対角線方向など異なる方向へ移動するように構成してもよい。この場合、連結部材87は、昇降フレーム80(中央部材71a)の移動方向と直交する方向へ移動可能に構成する。
【0173】
・ 各翼型部材71b,71cは、左右方向や上下方向に沿った直線運動や、円弧状に運動させて第2姿勢PP2としてもよい。
・ 翼型飾り部材71は、LEDなどの発光体を省略し、可動体演出とともに発光演出を実行しないように構成してもよい。
【0174】
・ 各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させることなく、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)を小刻みに上下動させる演出内容を特定可能な演出パターンを設けてもよい。また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6が決定された場合に、翼型飾り部材71を上昇させつつ各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させてもよい。この場合には、原位置Pb1以外の移動範囲が演出位置Pb2となる。
【0175】
・ 昇降用モータM2を昇降フレーム80に搭載してもよい。
・ 連結部材87及び翼用スライド部材89(翼可動部材99)のうち、一方の部材には、上下方向に沿って延びる第1係合部が設けられている一方で、他方の部材には、第1係合部に係合可能な第2係合部が設けられておればよい。例えば、翼型可動体ユニット70において、翼用スライド部材89の突起部89aを上下方向に沿って延びる壁状に形成するとともに、壁状をなす突起部89aに係合する平面視コの字状の係合部を連結部材87に設けてもよい。
【0176】
・ 電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、弾倉型可動体ユニット105の配設位置を変更してもよい。
・ 銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105を構成する各飾り部材は、それぞれ異なる物品や人物、あるいは動物を模した形状に形成してもよい。また、電球型発光装置43の装飾カバー43aを異なる形状に形成してもよい。
【0177】
・ 演出表示装置27は、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしてもよく、これらを組み合わせた表示装置としてもよい。
・ 演出表示装置27を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板群を設けるとともに、サブ制御基板群を統括的に制御する統括制御基板を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、統括制御基板は、変動パターンに基づき大当り予告演出の演出パターンを決定するとともに、決定した演出パターンに基づき電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105を制御する。また、統括制御基板は、第2図柄領域ZR2及び第3図柄領域ZR3のうち、図柄列Z4,Z5を表示させる図柄領域を指定する表示位置指定コマンドを表示制御基板に出力するようにしてもよい。この場合、統括制御基板は、図17に示す時点t2において、図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示させることを指示する表示位置指定コマンドを、時点t3において、図柄列Z4,Z5を第2図柄領域ZR2に表示させることを指示する表示位置指定コマンドを表示制御基板に出力する。そして、表示制御基板は、入力した表示位置指定コマンドで指定される図柄領域に図柄列Z4,Z5を表示する制御を実行すればよい。本別例では、統括制御基板が図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示することを指示する表示位置指定コマンドを出力するコマンド出力手段として機能する。
【0178】
・ 主制御基板130及び演出制御基板131の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
・ 第1始動入賞口35への入球検知に基づく第1図柄変動ゲームと、第2始動入賞口36への入球検知に基づく第2図柄変動ゲームとを別に行うようにしてもよい。
【0179】
・ 特図表示装置28は、演出表示装置27に特別図柄を表示させることで演出表示装置27と兼用させてもよい。また、演出表示装置27を省略し、飾り図柄による図柄変動ゲームを表示しない構成としてもよい。
【0180】
以下、上述した実施形態、及び別例(変形例)から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記保護部材は、前記表示装置の下側に設けられ遊技球が転動する転動部の後端に立設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0181】
HK…変換機構、HR…画像表示領域、M1…銃用モータ(駆動装置、回転モータ)、M2…昇降用モータ(第1駆動装置)、M3a…左翼移動用モータ(第2駆動装置)、M3b…右翼移動用モータ(第2駆動装置)、Pa1…原位置(初期位置)、Pa2…演出位置、PS1…第1姿勢、PS2…第2姿勢、Y1…矢印(第1方向)、Y2…矢印(第2方向)、Y4…矢印(所定の方向)、Y5…矢印(直交する方向)、Y6…矢印(異なる方向)、ZR1…第1図柄領域(第1表示領域)、ZR2…第2図柄領域(第1表示領域)、ZR3…第3図柄領域(第2表示領域)、10…パチンコ遊技機、15…遊技盤、27…演出表示装置(表示装置)、31…ステージ(転動部)、41…区画板(保護部材)、41a…第1切欠部(視認部)、41b…第2切欠部(視認部)、43…電球型発光装置(演出実行装置)、45…銃型可動体ユニット(演出実行装置、演出用可動体)、46…銃型飾り部材(第2部材)、50b…ピニオン歯車(歯車)、52…銃用ガイド部、52a…第1ガイド領域(規制部)、52b…第2ガイド領域(特定規制部)、52c…第3ガイド領域(許容部)、55…銃用移動部材(演出用可動体、第1部材、ラック)、42…固定枠部材(基部材、基礎部材)、48…ベース部材(基部材)、46…銃型飾り部材(特定可動体)、53…突起部(軸規制部)、61…第2銃用ガイド長孔(係合部)、63…第2銃用ガイドピン(軸部)、67…ローラ部材(特定部)、70…翼型可動体ユニット(演出実行装置)、71…翼型飾り部材(可動体、特別演出用可動体、第1可動部材)、71a…中央部材(可動体、演出用可動体)、71b…上翼型部材(可動体)、71c…下翼型部材(可動体)、80…昇降フレーム(演出用可動体、第1可動部材)、87…連結部材、87c…第1翼用ガイド孔(第1係合部、長孔)、89a…突起部(第2係合部)、99…翼可動機構(演出用可動体、第2可動部材)、101…リンク機構(運動変換機構)、105…弾倉型可動体ユニット(演出実行装置、演出用可動体)、109…発光体(発光手段)、131…演出制御基板、131a…演出制御用CPU(表示制御手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に発射された遊技球から表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に配設した表示枠体(所謂センター役物)に表示装置を配設するとともに、この表示装置において図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示することが行われている。このようなパチンコ遊技機の中には、表示装置の周囲に演出用可動体などの演出実行装置を配置するとともに、図柄変動ゲームに関連付けて演出実行装置により所定の遊技演出を実行させることで、遊技者の興趣を向上させているものもある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機では、「手袋をした手」を模した演出用可動体を表示装置の左右に配置するとともに、この演出用可動体の動作に伴って図柄を停止表示させることにより、あたかも演出用可動体が図柄を叩いて止めたかのように見せている。このような構成により、特許文献1のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲーム中における遊技演出にバリエーションを与え、遊技者の興趣を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−38005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のパチンコ遊技機では、アクリルやポリカーボネートなどの透明な材料で形成された保護板を表示装置の前面側に配設し、表示装置や、この表示装置の周囲に設けた演出実行装置を遊技球から保護することが行われている。しかしながら、保護板が如何に透明な材料で形成されているとはいっても、このような保護板によって内側に配置された演出実行装置が遊技者から視認し難くなり、遊技者に演出実行装置による遊技演出を印象付けることが困難になる虞がある。
【0006】
この発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、保護部材によって演出実行装置が遊技者から視認し難くなることにより演出実行装置による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技盤に配設した表示装置の前面側に、遊技者が内部を視認可能な材料からなり、前記遊技盤に発射された遊技球から前記表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機において、遊技者から見て前記保護部材の後側であって前記表示装置の周囲には、前記表示装置とは別に所定の遊技演出を実行する演出実行装置が配設されており、前記保護部材には、前記演出実行装置に対応させて、遊技者が前記保護部材を介することなく前記演出実行装置を視認可能とするための視認部が形成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記演出実行装置には発光演出を実行可能な発光手段が設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記演出実行装置は、前記表示装置の前面側に傾斜するように配設されていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記演出実行装置は、前記遊技演出として所定の運動を伴う可動体演出を実行可能な演出用可動体であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、保護部材によって演出実行装置が遊技者から視認し難くなることにより演出実行装置による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】パチンコ遊技機の全体を概略的に示す正面図。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
【図3】図2に示すA−A線断面図。
【図4】遊技板、及び表示枠体の図示を省略した遊技盤の正面図。
【図5】銃型飾り部材が原位置にある状態における銃型可動体ユニットの斜視図。
【図6】銃型飾り部材が原位置にある状態の銃型可動体ユニットを部分的に拡大した正面図。
【図7】銃型飾り部材が演出位置にある状態の銃型可動体ユニットを部分的に拡大した正面図。
【図8】翼型飾り部材が原位置にある状態において、翼型飾り部材のうち中央部材の図示を省略した翼型可動体ユニットの斜視図。
【図9】翼型飾り部材が原位置にある状態の翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図10】翼型飾り部材が演出位置にある状態の翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図11】翼型飾り部材が演出位置にある状態において、翼型飾り部材のうち中央部材の図示を省略した翼型可動体ユニットの斜視図。
【図12】翼型飾り部材が演出位置にあり、且つ各翼型部材が第2姿勢とされた状態における翼型可動体ユニットを示す正面図。
【図13】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図14】変動パターンを示す説明図。
【図15】演出振分テーブルを示す説明図。
【図16】(a)〜(d)は、電球型発光装置、銃型可動体ユニット、翼型可動体ユニット、及び弾倉型可動体ユニットによる大当り予告演出(遊技演出)の実行態様を示す模式図。
【図17】演出表示装置における図柄変動ゲームの実行態様、及び大当り予告演出(遊技演出)の実行態様を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化したパチンコ遊技機について図1〜図17にしたがって説明する。なお、本明細書において、「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」は、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者から見た場合における「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」とする。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠13は、パチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。
【0014】
前枠13は、中央部に窓口13aを有するとともに、該窓口13aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)14を一体成形した構成とされている。前枠13の裏面側には、機内部に配置された遊技盤15を保護し、かつ窓口13aを覆う大きさの保護ガラス16が配設されているとともに、この保護ガラス16は、前枠13の裏面側に対して着脱及び傾動開放可能に組み付けられた図示しないガラス支持枠によって支持されている。遊技盤15は、中枠12に装着される。
【0015】
また、中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿14から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)17が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿17の右方には、遊技球を遊技盤15に発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される遊技球発射用の発射装置18が装着されている。遊技者が発射装置18の発射ハンドル18aを把持して回動操作すると、上皿14に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤15に向けて発射される。遊技盤15に向けて発射される遊技球は、発射ハンドル18aの回動量に応じて発射の強弱が設定されるようになっている。
【0016】
次に、遊技盤15の構成を、図2にしたがって詳しく説明する。
本実施形態の遊技盤15は、例えばベニヤ合板や透明な樹脂板からなる正面視で略正方形平板状をなす遊技板20を備えている。この遊技板20の前面には、発射ハンドル18aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域20aを形成する誘導レール21が円形渦巻き状に敷設されている。なお、遊技板20の前面であって遊技領域20a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域20bとされている。なお、遊技板20には、遊技領域20aに発射された遊技球を流下案内するとともに、その遊技球の流下方向を変更させる遊技釘23や風車24が植設されている。
【0017】
また、遊技板20(遊技盤15)の遊技領域20aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)25が装着されている。表示枠体25の略中央には、正面視で略横長矩形に開口するセット口25aが形成されており、当該セット口25aに整合して表示枠体25には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置27が装着されている。本実施形態では、演出表示装置27が表示装置となる。
【0018】
この演出表示装置27には、複数列(本実施形態では5列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置27の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では5列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置27の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための演出図柄としての飾り図柄を用いて行われる。以下の説明では、特に演出表示装置27における飾り図柄による図柄変動ゲームを「飾図変動ゲーム」と示す場合がある。
【0019】
演出表示装置27の飾図変動ゲームは、第1図柄列(左列)Z1、及び第2図柄列(中列)Z2、及び第3図柄列(右列)Z3において「1」〜「9」のアラビア数字を模した飾り図柄を順に変動(スクロール表示)させて行われる。また、演出表示装置27の飾図変動ゲームは、第4図柄列Z4、及び第5図柄列Z5において「赤丸」及び「白丸」を模した飾り図柄を順に変動(交互に表示)させて行われる。本実施形態において、図柄列Z1〜Z3は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて略中央に設定された第1図柄領域ZR1に表示される。その一方で、図柄列Z4,Z5は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、第1図柄領域ZR1の右下に位置し、且つ第1図柄領域ZR1より小さい領域(面積)に設定された第2図柄領域ZR2に常には表示されるようになっている。また、本実施形態の図柄列Z4,Z5は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、第1図柄領域ZR1の上方であって左右方向の略中央に設定された第3図柄領域ZR3に表示される場合がある。第3図柄領域ZR3は、第1図柄領域ZR1よりも小さい領域(面積)に設定されている。
【0020】
また、演出表示装置27の右下方には、例えば7セグメント型LED(Light Emitting Diode)からなる特別図柄表示装置(以下「特図表示装置」と示す)28が配設されている。特図表示装置28では、特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、当りか否かの内部抽選(後述する当り抽選としての大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下の説明では、特に特図表示装置28における特別図柄による図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す場合がある。
【0021】
本実施形態では、特図表示装置28において、特別図柄の変動開始により特図変動ゲームが開始されると、演出表示装置27において、同時に飾り図柄の変動が開始され、飾図変動ゲームが開始される。同様に、本実施形態では、特図表示装置28において、特別図柄の確定停止表示により特図変動ゲームが終了されると、演出表示装置27において、同時に飾り図柄の確定停止表示がなされ、飾図変動ゲームが終了される。このように、本実施形態の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)の変動開始から確定停止表示される迄を1回として実行される。なお、本明細書において「同時」または「同一時間」とは、厳密に同一の時間であることのほか、例えば時間差が0.1秒未満である場合など遊技者が同時と視認し得る範囲を含むものとする。
【0022】
そして、演出表示装置27には、特図表示装置28の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図表示装置28に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置27にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特図表示装置28にはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置27にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
【0023】
本実施形態では、特図表示装置28に確定停止表示される大当り図柄として100種類の特別図柄が設定されているとともに、特図表示装置28に確定停止表示されるはずれ図柄として1種類の特別図柄が設定されている。また、演出表示装置27に確定停止表示される大当り図柄は、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が同一図柄(例えば「222」や「777」など)となり、且つ図柄列Z4,Z5の飾り図柄が同一図柄(赤丸/赤丸)となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置27に確定停止表示されるはずれ図柄は、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、図柄列Z1〜Z3のうち1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせを含んで構成される。また、本実施形態において、演出表示装置27に確定停止表示されるはずれ図柄は、図柄列Z4,Z5の飾り図柄が同一図柄(白丸/白丸)となる図柄組み合わせによって構成される。即ち、本実施形態では、図柄列Z1〜Z3、及び図柄列Z4,Z5によって、それぞれ大当り図柄やはずれ図柄を形成するといえる。
【0024】
また、本実施形態において演出表示装置27は、特図表示装置28と比較して遥かに広い画像表示領域HRで構成されるとともに、図柄列Z1〜Z3に表示される飾り図柄は、特別図柄と比較して遥かに大きく表示される。さらに、本実施形態の演出表示装置27において、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄は、図柄列Z4,Z5用の第2図柄領域ZR2と比較して遥かに大きい第1図柄領域ZR1で表示される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、主に演出表示装置27の図柄列Z1〜Z3に確定停止表示される飾り図柄の図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識し得る。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10において、遊技者は、特に演出表示装置27の第1図柄領域ZR1に表示される図柄列Z1〜Z3に注目して遊技を行うことになる。本実施形態では、図柄列Z1〜Z3に表示される飾り図柄が主図柄となり、図柄列Z4,Z5に表示される飾り図柄が副図柄となる。
【0025】
また、演出表示装置27の第1図柄領域ZR1では、遊技者側から見て第1図柄列Z1→第3図柄列Z3→第2図柄列Z2の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では図柄列Z1,Z3の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示された場合、リーチ(リーチ状態)が形成(表示)される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示領域HRにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示領域HRにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、図柄列Z1,Z3がリーチを形成するリーチ形成列となる。
【0026】
また、演出表示装置27では、飾図変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、上記表示演出の1つとしてリーチ演出が表示される。このリーチ演出には、図柄列Z1〜Z3のうち第2図柄列Z2を変動させて行うノーマルリーチ演出(以下、NRリーチ演出と示す)や、図柄列Z1〜Z5のうち図柄列Z1〜Z3を非表示とするとともに、図柄列Z1〜Z3の表示に代えて所定のキャラクタ画像などを表示して行うスーパーリーチ演出(以下、SPリーチ演出と示す)などがある。なお、SPリーチ演出は、NRリーチ演出の終了後に行われる。演出表示装置27の図柄列Z4,Z5では、リーチ演出の有無にかかわらず、飾図変動ゲームが開始されてから終了される迄の間、途中で飾り図柄が一旦停止表示されることなく継続して変動される。このため、本実施形態では、演出表示装置27の図柄列Z4,Z5を視認することによって、図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)が継続中であるのか否かを容易に認識できるようになっている。
【0027】
特図表示装置28の下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部(例えばLEDなど)を備えた特別図柄保留表示装置(以下「特図保留表示装置」と示す)29が配設されている。特図保留表示装置29は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)と同数の特別図柄保留発光部を点灯させることにより、保留記憶数を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤15に配設した後述の始動入賞口に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中などに始動入賞口へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。保留記憶数は、実行を保留中の図柄変動ゲームの回数となる。
【0028】
特図表示装置28の左方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(例えばLEDなど)をレンズカバーで覆って構成した普通図柄表示装置30が配設されている。普通図柄表示装置30では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄表示装置30では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。即ち、普図当り抽選に当選した場合には、普通図柄変動ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では右側の発光体が点灯)が確定停止表示される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では左側の発光体が点灯)が確定停止表示される。
【0029】
また、表示枠体25には、演出表示装置27の左方、上方、及び右方を一体(連続的)に囲うように装飾部材25bが設けられている。装飾部材25bは、遊技板20の前面よりも保護ガラス16側に突出するように形成されているとともに、その前面が保護ガラス16の後面に近接するように配置されている。このため、本実施形態では、遊技領域20aを流下する遊技球が表示枠体25の左方、上方、及び右方から演出表示装置27(画像表示領域HR)の前面側に流入しないようになっている。また、表示枠体25には、演出表示装置27の下方に位置するように、遊技球を転動させる転動部としてのステージ31が左右方向に延びるように形成されている。ステージ31の左右方向における略中央には、ステージ31を転動する遊技球を下方に誘導する誘導部31aが形成されている。また、表示枠体25には、ステージ31に接続されるワープ路32と、そのワープ路32の入り口となるワープ入球口32aが開口形成されている。
【0030】
演出表示装置27の下方には、ステージ31の誘導部31aの直下に位置するように、遊技球の入球口35aを有する第1始動入賞口35が配設されている。本実施形態の第1始動入賞口35は、遊技球が常時入球可能とされている。また、第1始動入賞口35の下方には、遊技球の入球口36aを有する第2始動入賞口36が配設されている。第2始動入賞口36は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根37を備えている。第2始動入賞口36は、開閉羽根37の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根37の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、第1始動入賞口35の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図13に示す)が配設されているとともに、第2始動入賞口36の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図13に示す)が配設されている。各始動入賞口35,36は、入球した遊技球を各始動口スイッチSW1,SW2で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0031】
また、演出表示装置27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉38aを備えた大入賞口(特別電動役物)38が配設されている。大入賞口38の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図13に示す)が配設されている。大入賞口38は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口38は、大当り遊技中に大入賞口扉38aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。
【0032】
ここで、大当り遊技について説明する。大当り遊技は、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示(導出)されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口38が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(本実施形態では15回)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口38の開閉が1回、行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口38は、予め定めたラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。このラウンド終了条件は、規定個数(入賞上限個数、本実施形態では9個)の遊技球が入賞する第1条件、又はラウンド規定時間(ラウンド遊技時間、本実施形態では25秒)が経過する第2条件が成立することとされている。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定回数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。このように、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0033】
遊技盤15の説明に戻り、演出表示装置27の右方には、普通図柄作動ゲート39が配設されている。普通図柄作動ゲート39の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図13に示す)が配設されている。普通図柄作動ゲート39は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。また、遊技盤15の最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口40が配設されている。
【0034】
そして、表示枠体25において演出表示装置27の前面側には、遊技者が内部を視認可能な材料(例えばガラスやポリカーボネートなど)からなり、遊技盤15の遊技領域20aに発射された遊技球から演出表示装置27を保護する保護部材としての区画板41が設けられている。この区画板41は、演出表示装置27(画像表示領域HR)の前面を、略全面にわたって覆うように形成されている。
【0035】
詳しく説明すると、区画板41は、表示枠体25において、セット口25aの左端から右端の全幅にわたって形成されているとともに、セット口25aの下端から上端の全幅にわたって形成されている。また、図3に示すように、区画板41は、表示枠体25においてステージ31の後端から上方に向けて立設されており、ステージ31の後壁をなしている。また、区画板41は、表示枠体25において、下方から上方に向かうほど演出表示装置27の画像表示領域HRから前方へ離間するように、前側に向かって僅かに傾斜するように設けられている。このため、本実施形態では、ステージ31を転動する遊技球同士が接触するなどして飛び跳ねた際に、該遊技球が上方に向かって移動する事が抑制(防止)される。このように、本実施形態の区画板41は、前枠13に配設された保護ガラス16とともに遊技盤15(遊技板20)の空間を前後方向に区画し、前述した遊技領域(遊技空間)20aを形成している。遊技盤15において、区画板41の後側は、前述した演出表示装置27や、各種の演出実行装置が配設される機構領域(機構空間)20cとなる。
【0036】
また、図2に示すように、区画板41には、右上方から左下方に向かって略円弧状に切欠き形成した第1切欠部41a、及び左上方から右下方に向かって略四角形状に切欠き形成した第2切欠部41bが設けられている。各切欠部41a,41bは、この区画板41の前側空間(遊技領域20a)と後側空間(機構領域20c)とを連通するように形成されている。また、各切欠部41a,41bは、区画板41の上下方向における中央よりも上方に形成されており、各切欠部41a,41bへはステージ31を転動する遊技球が極めて到達し難くなっている。図3及び図4に示すように、遊技板20の後側(裏側)には、正面視で略矩形枠状をなし、演出実行装置を含む各種の機構部品を搭載するための固定枠部材42が組み付けられている。固定枠部材42は、この固定枠部材42の開口部42aが表示枠体25のセット口25aに対して正面視で整合させた状態とされている。また、固定枠部材42の後側には、演出表示装置27が画像表示領域HRを開口部42aに整合させた状態で組み付けられている。
【0037】
そして、本実施形態の遊技盤15には、発光演出や可動体演出などの各種の遊技演出を実行する複数の演出実行装置が演出表示装置27(画像表示領域HR)を囲うように配設されている。なお、発光演出は、所定の発光体を発光(点灯/点滅)させる態様により行われる遊技演出であり、可動体演出は、所定の飾り部材(所謂「役物」)を移動(動作/運動)させる態様により行われる遊技演出である。以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された演出実行装置について個別に詳しく説明する。
【0038】
最初に、発光演出を実行する演出実行装置の一種である電球型発光装置43について説明する。
図2及び図3に示すように、電球型発光装置43は、演出表示装置27の右下方において区画板41の前面側に配設されており、全体として白熱電球を模した形状とされている。電球型発光装置43は、LEDなどの発光体(発光手段)を、透光性(透明性)を有する材料からなり、白熱電球を模した装飾カバー43aで覆った構成とされており、内蔵された発光体を発光(点灯や点滅)させることで所定の発光演出を実行可能に構成されている。なお、電球型発光装置43に内蔵された発光体は、演出表示装置27の画像表示領域HRにおける輝度よりも高い輝度で発光可能とされている。また、図3に示すように、装飾カバー43aは、白熱電球の前半分のみを模した形状とされている。そして、本実施形態の電球型発光装置43は、内蔵された発光体を画像表示領域HRにおける輝度よりも高い輝度で発光することにより、装飾カバー43aが区画板41の前面に映し込まれ、区画板41の前面に映った装飾カバー43aと、装飾カバー43aとで、恰も完全な白熱電球が発光しているかのように視認可能となっている。
【0039】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である銃型可動体ユニット45について説明する。
図3及び図4に示すように、銃型可動体ユニット45は、演出表示装置27の左上方において区画板41の後側に配設されている。銃型可動体ユニット45は、回転式拳銃(リボルバ)を模した第2部材としての銃型飾り部材46を備えており、この銃型飾り部材46を移動(動作/運動)させることにより可動体演出を実行可能に構成されている。本実施形態の銃型飾り部材46は、左右方向に延びるように形成された長尺状をなしている。
【0040】
図5に示すように、銃型可動体ユニット45は、上下方向に沿って延びる略矩形平板状をなすベース部材48を備えるとともに、ベース部材48は固定枠部材42の左上方の前面に対してネジなどにより固定されている。本実施形態では、固定枠部材42、及びベース部材48が基部材となる。なお、図5では、説明の便宜のため、銃型飾り部材46を二点鎖線(仮想線)で示している。ベース部材48の上端部には、銃用原位置センサSE1が配設されている。ベース部材48の後側(裏側)には、出力軸を前側に配置した状態でステッピングモータなどの駆動装置としての銃用モータM1が組み付けられている。銃用モータM1の出力軸には、歯車49が組み付けられているとともに、歯車49には、銃用モータM1の動力を伝達するための中間歯車50aが噛合され、さらに中間歯車50aにはピニオン歯車50bが噛合されている。歯車49、中間歯車50a、及びピニオン歯車50bは、この順に上方から略一列で上下方向に並ぶように設けられている。
【0041】
各歯車49,50a,50bの下方には、ベース部材48から前方へ向かって垂直に立設した壁部の先端を右方(銃型飾り部材46)側へ向かって直角に折り曲げるようにして形成され、左右方向における断面が略逆L字型をなす銃用ガイド部52が上下方向に沿って延びるように設けられている。銃用ガイド部52において右方(銃型飾り部材46側)に配置される先端部には、上端部から順に、直線状をなす第1ガイド領域52a、左方へ向かって傾斜する第2ガイド領域52b、及び下端側に近接するほど右方に向かう略円弧状の第3ガイド領域52cが設けられている。即ち、第2ガイド領域52bは第1ガイド領域52aに連設され、第3ガイド領域52cは第2ガイド領域52bに連設されるとともに、第2ガイド領域52bは、第1ガイド領域52a及び第3ガイド領域52cの間に設けられている。また、本実施形態の第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cは、第1ガイド領域52aの延長線よりも左方に位置するように形成されている。
【0042】
また、ベース部材48において、銃用モータM1及び歯車49,50a,50bの右方には、上下方向に沿って延びる金属棒からなる2本のシャフト部材51a,51bが相互に平行となるように固定されている。この各シャフト部材51a,51bは、銃用ガイド部52の第1ガイド領域52aと平行に配置されている。またベース部材48において、シャフト部材51a,51bの間には、前方に向かって突出するように形成された略角柱状の突起部53が設けられている。また、ベース部材48において、シャフト部材51a,51bの上端部には、前方へ突出するように壁状をなす上側制止部54aが設けられている一方で、下端部には、前方へ突出するように壁状をなす下側制止部54bが設けられている。
【0043】
また、シャフト部材51a,51bには、このシャフト部材51a,51bに沿って上下方向にスライド移動可能となるように、第1部材としての銃用移動部材55が組み付けられている。この銃用移動部材55には、前述した銃型飾り部材46が組み付けられる。銃用移動部材55は、シャフト部材51a,51bの配設範囲内(各制止部54a,54bの間)においてのみ移動可能であるとともに、ベース部材48に設けた突起部53とは接触しないようにベース部材48から離間するように配置されている。また、銃用移動部材55は、全体として上下方向に沿って延びる略長方形平板状をなしているとともに、その左側縁部には、その上下方向の略全幅にわたって、前述したピニオン歯車50bと噛合するラック歯車56が形成されている。また、銃用移動部材55の上端部において左側縁部には、左方に向かって突出する略四角平板状をなす検出片58が設けられている。なお、前述した銃用原位置センサSE1は、銃用移動部材55がスライド移動可能な範囲のうち上端部に位置している状態において、この検出片58を検出可能な位置に配置されている。また、銃用原位置センサSE1は、検出片58を検出すると所定の検出信号を出力するようになっている。
【0044】
また、銃用移動部材55の上端部には、前方に向かって突出するように形成された略円柱状をなす一対の第1銃用ガイドピン59a,59bが左右方向に並ぶように設けられている。また、銃用移動部材55において、上下方向における略中央部分には、右方(銃型飾り部材46の先端側)に向かって延びるように形成された略平板状の延出部60が設けられているとともに、この延出部60には、左右方向に沿って延びる第1銃用ガイド長孔60aが形成されている。さらに、銃用移動部材55において延出部60よりも下端側には、シャフト部材51a,51bと平行をなすように延びる係合部としての第2銃用ガイド長孔61が形成されている。
【0045】
そして、この第2銃用ガイド長孔61には、銃型飾り部材46の左下方の後側において、後方に向かって突出するように形成された略円柱状をなす軸部としての第2銃用ガイドピン63が、第2銃用ガイド長孔61に沿って摺動可能に係合されている。第2銃用ガイドピン63の前後方向に沿った長さは、第2銃用ガイドピン63を第2銃用ガイド長孔61に挿入した状態において、ベース部材48の突起部53に係合可能な長さに設定されている。したがって、銃用移動部材55とともに銃型飾り部材46が下方へ移動された際には、第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合(接触)するようになっている。また、第2銃用ガイドピン63は、銃型飾り部材46における左下方の端部(銃のグリップ部分の下端部)からの上下方向に沿った離間距離が、突起部53の上面からシャフト部材51a,51bの下端(下側制止部54bの上面)までの離間距離より短くなる位置に形成されている。したがって、第2銃用ガイドピン63がベース部材48の突起部53に係合した際には、銃型飾り部材46の左下方端部がシャフト部材51a,51bの下端部より下方へ突出しないようになっている。
【0046】
また、銃型飾り部材46の後側(裏側)において第2銃用ガイドピン63の右上方には、後方に向かって突出するように形成された略円柱状の第3銃用ガイドピン64が形成されているとともに、この第3銃用ガイドピン64は、第1銃用ガイド長孔60aに対して、第1銃用ガイド長孔60aに沿って摺動可能に係合されている。銃型飾り部材46の左上方の端部には、左右方向に沿って延びるように略円弧状の第3銃用ガイド長孔66が設けられているとともに、この第3銃用ガイド長孔66には、銃用移動部材55の各第1銃用ガイドピン59a,59bが第3銃用ガイド長孔66に沿って摺動可能に係合されている。本実施形態の銃型飾り部材46は、各銃用ガイドピン59a,59bが第3銃用ガイド長孔66に、第2銃用ガイドピン63が第2銃用ガイド長孔61に、第3銃用ガイドピン64が第1銃用ガイド長孔60aに係合されることにより、銃用移動部材55に対して前方へ傾動しないように組み付けられている。また、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55に対して第2銃用ガイドピン63の軸線周りで回動可能に組み付けられている。
【0047】
そして、銃型飾り部材46の左下方の端部(グリップ部分の下端部)には、ベース部材48の銃用ガイド部52に係合されるローラ部材67が、銃型飾り部材46から左方(側方)へ突出するように設けられている。このローラ部材67は、円盤状の鍔部を有する一対の円筒部材67aにローラ軸部67bを挿通させ、各円筒部材67aをローラ軸部67bの軸線まわりで自由に回転(回動)可能に軸支した構成とされている。そして、ローラ部材67は、一対の円筒部材67aの鍔部間に銃用ガイド部52を挟みこむように係合されるとともに、銃用移動部材55及び銃型飾り部材46が上下方向に移動することに伴って、銃用ガイド部52上を摺動するようになっている。本実施形態では、ローラ部材67が特定部となる。なお、本実施形態の銃型飾り部材46は、LEDなどの発光体(発光手段)が内蔵されておらず、自ら発光することのない非自発光式の演出実行装置とされている。
【0048】
次に、上記のように構成した銃型可動体ユニット45の動作態様について詳しく説明する。
最初に、銃型飾り部材46が原位置Pa1にある状態について説明する。
【0049】
図5は、銃用移動部材55が上側制止部54aに接するように、シャフト部材51a,51bの上端側に位置していることにより、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置し、且つ銃型飾り部材46が略水平に保持された(僅かに右斜め上方に傾いた)第1姿勢PS1とされている状態を示す。図2に示すように、この銃型飾り部材46の原位置Pa1は、第1姿勢PS1とされた銃型飾り部材46の大部分が表示枠体25における装飾部材25bの後側に収容され、その全体の殆どが遊技者から視認不能となる位置に設定されている。銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置している場合には、銃型飾り部材46の一部(本実施形態では「引き金」部分)のみがセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能となっている。そして、前述した区画板41の第2切欠部41bは、正面視においてセット口25aから突出する銃型飾り部材46の「引き金」部分に整合(対応)した形状に形成されており、遊技者がこの第2切欠部41bから区画板41を介することなく銃型飾り部材46を視認可能に構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、区画板41に第2切欠部41bを設けない構成と比較して、原位置Pa1にある銃型飾り部材46の「引き金」部分をより明瞭に視認させることができる。
【0050】
前述のように、本実施形態の銃型飾り部材46は、非自発光式の演出実行装置とされているため、可動体演出の非実行時には自発光式の演出実行装置と比較して遊技者の目に留まり難いのが一般的である。また、本実施形態の区画板41は、遊技者が内部を視認可能な材料により形成されているものの、区画板41が有するごく僅かな遮光性や、演出表示装置27における表示内容の裏映りなどに起因して、区画板41の後側にある演出実行装置を視認し難くなる虞がある。しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、第2切欠部41bを設けたことで、区画板41によって銃型飾り部材46の「引き金」部分が視認し難くなることを抑制できる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、原位置Pa1にある銃型飾り部材46の「引き金」部分を明瞭に視認させることで、銃型飾り部材46を遊技者に印象付け、銃型飾り部材46による可動体演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。本実施形態では、第2切欠部41bが、遊技者が区画板41を介することなく銃型飾り部材46(演出実行装置)を視認可能とするための視認部となる。
【0051】
続けて、銃用モータM1を駆動させた場合における銃型可動体ユニット45の動作について説明する。
図5に示すように、原位置Pa1に銃型飾り部材46が位置している状態において、銃用モータM1が駆動して歯車49(出力軸)が正面視右回りに回転されると、銃用モータM1の駆動力(回転運動)は、歯車49から、中間歯車50aを介してピニオン歯車50bに伝達される。そして、図6において矢印Y1で示すように、銃用移動部材55は、ピニオン歯車50bとラック歯車56で噛合するため、正面視右回りのピニオン歯車50bの回転によってシャフト部材51a,51bにガイドされた状態で下方に移動される。これにより、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55と共に下方へ向かって移動される。本実施形態では、シャフト部材51a,51bに沿った矢印Y1に示す方向が第1方向となり、銃型飾り部材46及び銃用移動部材55が演出用可動体となる。図6に示すように、銃型飾り部材46のローラ部材67が銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aに接している間、長尺状をなす銃型飾り部材46は、自重により第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心として正面視右回りで回動してしまうことが規制される。即ち、本実施形態では、銃型飾り部材46が第1姿勢PS1に維持された状態で下方に移動されるようになっている。したがって、本実施形態では、第1ガイド領域52aが、銃型飾り部材46が配設されるベース部材48においてシャフト部材51a,51bの延びる方向に沿って延びるように形成され、銃型飾り部材46に設けたローラ部材67と接触することにより、銃型飾り部材46における第2銃用ガイドピン63の軸線周りの運動(移動)を規制する規制部となる。
【0052】
そして、銃型飾り部材46は、下方への移動に伴って第2銃用ガイドピン63がベース部材48の突起部53に接触(当接)されると、下方への移動が規制される。本実施形態では、二点鎖線で示すように、銃型飾り部材46の第2銃用ガイドピン63が突起部53に接触されている位置が銃型飾り部材46の演出位置Pa2となる。したがって、本実施形態の突起部53は、銃型飾り部材46が演出位置Pa2に到達してから、さらに銃型飾り部材46の原位置Pa1から離間する方向(本実施形態では下方)へ移動することを規制する軸規制部となる。なお、銃型飾り部材46の第2銃用ガイドピン63は、原位置Pa1から演出位置Pa2に到達する迄の間には第2銃用ガイド長孔61の下端部に位置している。
【0053】
また、銃型飾り部材46のローラ部材67は、銃型飾り部材46が演出位置Pa2に位置している状態(第2銃用ガイドピン63が突起部53に接触した状態)において、銃用ガイド部52における第3ガイド領域52cの下端部に位置する。前述のように、本実施形態の第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cは、第1ガイド領域52aの延長線よりも左方に位置するように形成されている。このため、第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合された状態では、ローラ部材67の左方への移動が許容された状態、即ち銃型飾り部材46の第2姿勢PS2への回動が許容された状態となる。なお、銃型飾り部材46の第2姿勢PS2は、銃型飾り部材46の右先端(銃口)が前述した電球型発光装置43を指し示すように、右下に傾いた状態とされている。
【0054】
そして、図7に示すように、さらに銃用モータM1によりピニオン歯車50bが正面視右回りに回転されると、銃型飾り部材46の下方への移動が規制された(第2銃用ガイドピン63が突起部53に係合された)状態のまま、銃用移動部材55のみが下側制止部54bに接触(当接)するまで下方(原位置Pa1から離間する方向)へ移動される。このとき、銃型飾り部材46は、第3銃用ガイド長孔66を摺動する銃用移動部材55の第1銃用ガイドピン59a,59bにより押し下げられる。このため、矢印Y2で示すように、銃型飾り部材46は、第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心とし、この第2銃用ガイドピン63の軸線周りにおいて正面視右回りで第2姿勢PS2となるように回動運動される。本実施形態では、第2銃用ガイドピン63の軸線周りに沿った矢印Y2に示す方向が、シャフト部材51a,51bに沿った方向とは異なる第2方向となる。したがって、銃型飾り部材46は、第2銃用ガイド長孔61に係合されるとともに、第2銃用ガイド長孔61に沿って移動可能な第2銃用ガイドピン63の軸線周りで移動(回動)可能に構成されている。
【0055】
このとき、矢印Y3に示すように、ローラ部材67は、第2銃用ガイドピン63の軸線を回動中心とし、この第2銃用ガイドピン63の軸線周りにおいて正面視右回りで第3ガイド領域52cに沿って上方へ移動される。そして、ローラ部材67は、銃用移動部材55が下側制止部54bに接触した状態となったときに、第2ガイド領域52bに接触するようになっている。本実施形態では、銃用移動部材55が下側制止部54bに接触した状態のときに、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2とされる。なお、このとき、第3銃用ガイドピン64は、第1銃用ガイド長孔60aに沿って摺動される(図5に示す)。このように、銃用ガイド部52の第3ガイド領域52cは、銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合にローラ部材67の移動を妨げないことにより銃型飾り部材46の回動運動を許容する許容部となる。
【0056】
また、銃型飾り部材46が演出位置Pa2において第2姿勢PS2とされている状態において、銃用モータM1が駆動してピニオン歯車50bが正面視左回りに回転されると、銃用移動部材55は、シャフト部材51a,51bに沿って上方へ移動される。この場合には、銃型飾り部材46のローラ部材67が第2ガイド領域52bに接触(当接)するため、銃型飾り部材46の上方への移動が規制された状態のまま銃用移動部材55のみが上方へ移動される。したがって、銃用ガイド部52の第2ガイド領域52bは、演出位置Pa2にある銃型飾り部材46が原位置Pa1へ近接する方向へ移動されるときに、第2姿勢PS2にある銃型飾り部材46のローラ部材67と接触することにより銃型飾り部材46が原位置Pa1に近接する方向へ移動することを規制する特定規制部となる。
【0057】
そして、銃型飾り部材46は、銃用移動部材55が原位置Pa1へ近接する方向(上方)へさらに移動されることに伴って、第3銃用ガイド長孔66を摺動する銃用移動部材55の第1銃用ガイドピン59a,59bによって上方へ引き上げられる。このため、銃型飾り部材46は、ローラ部材67(円筒部材67a)の軸線を回動中心とし、このローラ部材67の軸線周りにおいて正面視左回りで回動運動されることにより、第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へと回動される。なお、銃型飾り部材46は、第1銃用ガイドピン59bが第3銃用ガイド長孔66の右端部に接したときに第1姿勢PS1とされる。また、ローラ部材67と第2ガイド領域52bとの係合は、銃型飾り部材46が第1姿勢PS1とされた時点で、第1ガイド領域52aよりも右側に引き上げられて解除される。また、このとき、第2銃用ガイド長孔61の下端部に第2銃用ガイドピン63が接触される。そして、銃型飾り部材46は、銃用モータM1の駆動によって、銃用移動部材55と共にシャフト部材51a,51bに沿って原位置Pa1へ移動される。
【0058】
このように、本実施形態では、銃用移動部材55、第2銃用ガイドピン63、及び突起部53により、シャフト部材51a,51bに沿った銃用移動部材55(銃型飾り部材46)の直線運動を、さらに銃型飾り部材46に設けた第2銃用ガイドピン63の軸線周りとなる方向への回動運動に変換する変換機構HKを構成する。そして、銃型飾り部材46は、この変換機構HKを介して銃用モータM1により第2銃用ガイドピン63の軸線周りとなる方向に沿って運動される。このように、本実施形態の銃型可動体ユニット45では、単一の銃用モータM1によりシャフト部材51a,51bに沿った方向への運動と、第2銃用ガイドピン63の軸線周りに沿った方向への運動を銃型飾り部材46にさせることができる。なお、銃型飾り部材46(銃型可動体ユニット45)用いた可動体演出の具体的な実行態様については、後に詳細に説明する。
【0059】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である翼型可動体ユニット70について説明する。
図3及び図4に示すように、翼型可動体ユニット70は、演出表示装置27の下方において区画板41の後側に配設されている。翼型可動体ユニット70は、鳥の翼を模した特別演出用可動体としての翼型飾り部材71を備えており、この翼型飾り部材71を移動(動作)させることにより可動体演出(特別可動体演出)を実行可能に構成されている。本実施形態の翼型飾り部材71は、略円盤状をなし左右方向における略中央に配置される中央部材71a、全体として長尺状をなし、中央部材71aを挟むように左右対称に配置された一対の上翼型部材71b、及び一対の下翼型部材71cから構成されている。なお、本実施形態の中央部材71a、上翼型部材71b、及び下翼型部材71cは、その一部又は全部が透光性を有する材料により形成され、図示しないLEDなどの発光体(発光手段)を内蔵した構成とされている。そして、翼型飾り部材71は、内蔵された発光体を発光(点灯/点滅)させることにより、所定の発光演出を実行可能に構成されている。
【0060】
図8では、説明の便宜のため、中央部材71aを二点鎖線で示している。図8に示すように、翼型可動体ユニット70は、所定形状に打ち抜いた鋼板を折り曲げて形成した横倒し略コ字状をなす一体型の鋼板フレーム73を備えている。この鋼板フレーム73は、固定枠部材42に対してネジなどにより固定されている。
【0061】
鋼板フレーム73において左右下端部の内側には、ステッピングモータなどの第1駆動装置としての昇降用モータM2が、その出力軸をそれぞれ左右の外側に配置した状態で組み付けられている。各昇降用モータM2の出力軸には、歯車74が組み付けられているとともに、この歯車74には、昇降用モータM2の動力を伝達するための中間歯車75a,75bが順次噛合されており、さらに中間歯車75bには、ピニオン歯車76が噛合されている。歯車74、各中間歯車75a,75b、及びピニオン歯車76は、この順に下方から略一列で上下方向に並ぶように設けられている。
【0062】
また、鋼板フレーム73において、歯車74,75a,75b,76の各前方には、歯車74,75a,75b,76に沿うように、上下方向(垂直方向)に沿って延びる金属棒からなるシャフト部材77がそれぞれ固定されている。各シャフト部材77の上端部には、シャフト部材77を囲う壁状をなす上側制止部77aが設けられている一方で、下端部には、シャフト部材77を囲う壁状をなす下側制止部77bが設けられている。
【0063】
また、シャフト部材77には、このシャフト部材77に沿って上下方向にスライド移動可能となるように、昇降部材78が組み付けられている。昇降部材78は、シャフト部材77の配設範囲内(各制止部77a,77bの間)においてのみ移動可能とされている。また、昇降部材78は、全体として上下方向に沿って延びる略長方形平板状をなしているとともに、その後面には、上下方向の略全幅にわたって前述したピニオン歯車76と噛合するラック歯車78aが形成されている。また、昇降部材78の後面には、上下方向の略全幅にわたって壁状をなす検出壁78bが設けられている。一方、鋼板フレーム73には、昇降部材78がシャフト部材77の下端部に位置している状態(下側制止部77bに接している状態)で、検出壁78bにおける上端部の直ぐ上方に対応させて、検出壁78bを検出する昇降用原位置センサSE2が配設されている。昇降用原位置センサSE2は、検出壁78bを検出すると、所定の検出信号を出力するようになっている。なお、鋼板フレーム73の左側に配置された昇降部材78について説明したが、鋼板フレーム73の右側についても同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0064】
そして、翼型可動体ユニット70では、鋼板フレーム73の左右両側に設けられた昇降部材78を掛け渡すように、所定の形状に打ち抜いた鋼板を折り曲げて形成した昇降フレーム80が組み付けられている。したがって、この昇降フレーム80は、鋼板フレーム73の左右に配置された各昇降用モータM2の駆動によって鋼板フレーム73(固定枠部材42)に対して上下方向に移動(昇降)可能に構成されている。昇降フレーム80の前面側であって、左右方向の中央部には、前述した中央部材71aが組み付けられている。また、昇降フレーム80の前面側であって、中央部材71aの左右両側には、昇降フレーム80の前面を覆う装飾部材80aが組み付けられている(二点鎖線で示す)。本実施形態では、昇降フレーム80、中央部材71aが所定の方向へ移動可能な第1可動部材となる。
【0065】
また、鋼板フレーム73の下部前面側において、中央部材71aの左側には、ステッピングモータなどからなる左翼移動用モータM3aが、中央部材71aの右側には、同じくステッピングモータなどからなる右翼移動用モータM3bがその出力軸を後方(裏方)に配置した状態でそれぞれ組み付けられている。本実施形態では、各翼移動用モータM3a,M3bが第2駆動装置となり、昇降用モータM2及び翼移動用モータM3a,M3bを配置した鋼板フレーム73を固定する固定枠部材42が基礎部材となる。各翼移動用モータM3a,M3bの出力軸には、歯車81が組み付けられているとともに、この歯車81には、翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達するための中間歯車82aが噛合されており、さらに中間歯車82aには、ピニオン歯車82bが噛合されている。歯車81、中間歯車82a、及びピニオン歯車82bは、この順に左方から略一列で略左右方向に並ぶように設けられている。
【0066】
また、鋼板フレーム73において中央部材71aの左側には、平面視で左右方向に延びる略矩形平板状をなすベース部材87aと、このベース部材87aにおいて左端部の上面から上方に向かって延びる正面視で略矩形平板状をなす伝達部87bとからなり、全体として正面視略L字型をなす連結部材87が配設されている。この連結部材87は、鋼板フレーム73に対して左右方向へスライド移動可能に支持されている。また、ベース部材87aの下面には、前述したピニオン歯車82bに噛合するラックが形成されている。ベース部材87aの右端部には、舌片状をなす検出片87dが設けられているとともに、鋼板フレーム73には、連結部材87がスライド移動可能な範囲のうち右端に位置した状態における検出片87dに対応させて翼用原位置センサSE3が配設されている。この翼用原位置センサSE3は、検出片87dを検出することにより、所定の検出信号を出力するようになっている。また、連結部材87の伝達部87bには、上下方向(垂直方向)に延びる長孔状の第1翼用ガイド孔87cが設けられている。
【0067】
本実施形態では、鋼板フレーム73において中央部材71aの右側にも連結部材87及び翼用原位置センサSE3が配設されている。中央部材71aの右側に配設された連結部材87は、中央部材71aの左側に配置された連結部材87と略左右対称に構成されているため、その詳細な説明を省略する。なお、右側の連結部材87では、検出片87dがベース部材87aの右端部において下方に突出するように設けられている。また、右側の翼用原位置センサSE3は、右側の連結部材87がスライド移動可能な範囲のうち左端に位置した状態における検出片87dに対応させて配設されている。本実施形態では、各連結部材87の伝達部87bに形成された第1翼用ガイド孔87cが第1係合部となる。
【0068】
そして、各第1翼用ガイド孔87cには、左右方向(水平方向)に延びる四角棒状をなす翼用スライド部材89において左右方向の外側端から前方へ向かって延びる軸状の突起部89aが、第1翼用ガイド孔87cに沿って摺動可能にそれぞれ挿入(係合)されている。本実施形態では、各突起部89aが第2係合部となる。各翼用スライド部材89は、昇降フレーム80において左右方向に延びるように形成された四角筒状のガイド部90に収容されており、このガイド部90内を左右方向に沿ってスライド移動可能に支持されている。各ガイド部90の前面には、左右方向に沿って延びる長孔状のスライド窓部90aが形成されており、このスライド窓部90aから前述した翼用スライド部材89の突起部89aが前方に突出され、第1翼用ガイド孔87cに係合されている。
【0069】
また、各翼用スライド部材89の左右方向における内側端には、略四角棒状をなす第1リンク部材92の一端が、ピン部材Pにより該ピン部材Pの軸線周りで回動可能にそれぞれ接続されているとともに、各第1リンク部材92の他端は上方に向かってそれぞれ屈曲されている。各第1リンク部材92は、中央部材71aの左側に配置された翼用スライド部材89に接続されている第1リンク部材92を前側にして、正面視で交差するように、前後方向に重ね合わせて配置されている。また、各第1リンク部材92の他端側において屈曲された部分には、第2リンク部材94の一端が、ピン部材Pにより該ピン部材Pの軸線周りで回動可能にそれぞれ接続されている。各第2リンク部材94の他端側には、下方に向かって屈曲させるように部材固定部94aがそれぞれ形成されているとともに、各部材固定部94aには、上翼型部材71bが左右方向の外側に向かって延びるようにそれぞれ固定されている。
【0070】
各第2リンク部材94は、第1リンク部材92との接続部(ピン部材P)と部材固定部94aとの間の中央部において、中央部材71aの左側に配置された翼用スライド部材89に接続されている第2リンク部材94を前側にして重ね合わせた状態で、中央ピン部材Pcによって該中央ピン部材Pcの軸線周りで回動可能となるように、昇降フレーム80に対してそれぞれ固定(軸着)されている。中央ピン部材Pcは、左右方向において、中央部材71aや鋼板フレーム73(固定枠部材42)の中央に配置されている。
【0071】
各第2リンク部材94において部材固定部94aの下端部には、前方へ向かって延びる軸状の突起部94bがそれぞれ形成されている。各突起部94bは、左右方向に延びる略平板状の下側固定部材96において中央部材71aから左右方向の外側に向かって上方に傾くように形成された長孔状をなす第2翼用ガイド孔96aに対し、該第2翼用ガイド孔96aに沿って摺動可能に挿入(係合)されている。各下側固定部材96は、昇降フレーム80の後面に対して下側ピン部材Puの軸線周りで回動可能に組み付けられている。また、各下側固定部材96には、下翼型部材71cが左右方向の外側に向かって延びるようにそれぞれ固定されている。本実施形態では、翼用スライド部材89、各リンク部材92,94、及び各翼型部材71b,71cが第2可動部材としての翼可動部材99を構成するとともに、翼可動部材99、昇降フレーム80、及び中央部材71aが演出用可動体となる。
【0072】
次に、上記のように構成した翼型可動体ユニット70の動作態様について詳しく説明する。
最初に、翼型飾り部材71が原位置Pb1にある状態について説明する。
【0073】
図8及び図9は、各昇降部材78が下側制止部77bに接するようにシャフト部材77の下端に位置していることにより、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置し、且つ各連結部材87が左右方向の内側端にそれぞれ位置していることにより各翼型部材71b,71cが略水平に保持された第1姿勢PP1とされている状態を示す。この翼型飾り部材71の原位置Pb1は、図2に示すように、翼型飾り部材71の大部分が表示枠体25における装飾部材25bの後側に収容され、その全体の殆どが遊技者から視認不能となる位置に設定されている。翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している場合には、翼型飾り部材71のうち、中央部材71a及び上翼型部材71bの上部(一部)のみがセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能となっている。
【0074】
続けて、各昇降用モータM2を駆動させた場合における翼型可動体ユニット70の動作について説明する。
図8に示すように、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している状態において、各昇降用モータM2が駆動して歯車74が左側面視右回りで回転されると、昇降用モータM2の駆動力(回転運動)は、歯車74から、中間歯車75a,75bを介してピニオン歯車76に伝達される。そして、矢印Y4に示すように、各昇降部材78は、ピニオン歯車76とラック歯車78aで噛合するため、それぞれピニオン歯車76の左側面視左回りの回転によって上方に移動される。これにより、昇降フレーム80及び翼型飾り部材71は、鋼板フレーム73(固定枠部材42)に対して上方に移動される。したがって、本実施形態では、矢印Y4に示す上下方向(垂直方向)が所定の方向となり、昇降フレーム80及び中央部材71aが第1可動部材となる。また、本実施形態では、左右方向(水平方向)が前記所定の方向と直交する方向となる。なお、本実施形態の昇降フレーム80は、翼可動部材99を搭載するとともに、この翼可動部材99を原位置Pb1から演出位置Pb2へ移動するための運搬部材と把握することもできる。
【0075】
そして、図10に示すように、各昇降部材78がシャフト部材77における上側制止部77aにそれぞれ接触されると、各昇降部材78(昇降フレーム80)の上方への移動が規制される。本実施形態では、各昇降部材78がシャフト部材77における上側制止部77aに接触されている位置が翼型飾り部材71の演出位置Pb2となる。なお、本実施形態では、鋼板フレーム73(固定枠部材42)において左側に配置された昇降用モータM2と、右側に配置された昇降用モータM2とは、同期して駆動される。このため、各昇降部材78は、高さ位置が同一高さ(下側制止部77bからの離間距離が同一距離)となるように移動されるとともに、昇降フレーム80は、水平を維持したまま翼型飾り部材71と共に演出位置Pb2へ移動される。
【0076】
一方、翼型飾り部材71が演出位置Pb2に位置している状態において、各昇降用モータM2が駆動して図8に示すピニオン歯車76が左側面視右回りで回転されると、昇降フレーム80及び翼型飾り部材71は、各昇降部材78が下方に移動されることにより原位置Pb1へ移動される。なお、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、ピニオン歯車76が左側面視左回り、及び右回りで交互に回転されるように昇降用モータM2を駆動させることで、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)を小刻みに上下動(昇降)させることもできる。
【0077】
そして、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)が上下方向へ移動される場合、昇降フレーム80に設けられた翼用スライド部材89における突起部89aは、連結部材87の第1翼用ガイド孔87cに係合された状態のまま、該第1翼用ガイド孔87cに沿って上下方向に摺動される。前述のように、第1翼用ガイド孔87cは、上下方向(昇降フレーム80の移動方向)に沿って延びるように形成されているため、突起部89a(翼用スライド部材89)の移動方向は、第1翼用ガイド孔87cの延びる方向(昇降フレーム80の移動方向)と平行に設定される。このため、連結部材87は、第1翼用ガイド孔87cを突起部89aが摺動する際に、この突起部89aによって左右方向(水平方向)への力が付与されないように、即ち左右方向へ移動されないようになっている。即ち、連結部材87の第1翼用ガイド孔87cは、昇降フレーム80の移動と共に翼型部材71b,71cを含む翼可動部材99が上下方向(所定の方向)に沿って移動される際に、連結部材87を左右方向(直交する方向)へ移動させることなく、翼用スライド部材89に設けられた突起部89aが第1翼用ガイド孔87cに対して相対移動されるように構成されている。
【0078】
次に、翼移動用モータM3a,M3bを駆動した場合における翼型可動体ユニット70の動作について説明する。
図11及び図12に示すように、各翼型部材71b,71cが第1姿勢PP1とされた状態において、左翼移動用モータM3aの駆動により左側の歯車81が正面視左回りで回転される一方で、右翼移動用モータM3bの駆動により右側の歯車81が正面視右回りで回転されると、各ピニオン歯車82bは、左右方向の外側に向かってそれぞれ回転される。そして、矢印Y5に示すように、各連結部材87は、それぞれ各ピニオン歯車82bの回転に伴って左右方向(水平方向)の外側に向かって移動されるとともに、連結部材87における第1翼用ガイド孔87cに対して突起部89aで係合する各翼用スライド部材89は、同様に左右方向の外側に向かって移動される。そして、各第1リンク部材92は、各翼用スライド部材89が左右方向の外側に向かって移動されることに伴って、左右方向の外側に向かって移動される(引っ張られる)。本実施形態では、矢印Y5に示す方向が所定の方向に直交する方向となる。
【0079】
このため、各第1リンク部材92に接続された各第2リンク部材94は、中央ピン部材Pcの軸線周りで各部材固定部94aが相互に近接するように回動され、上方に移動される。また、各部材固定部94aの上方への移動に伴って、突起部94bに対して第2翼用ガイド孔96aで係合する下側固定部材96は、下側ピン部材Puの軸線周りで回動され上方に移動される。これにより、本実施形態では、矢印Y6に示すように、部材固定部94aに固定された上翼型部材71b、及び下側固定部材96に固定された下翼型部材71cがそれぞれ上方に移動され、各翼型部材71b,71cが中央部材71aを中心に放射状に配置された第2姿勢PP2とされる。本実施形態では、矢印Y6に示す方向が、上下方向(所定の方向)とは異なる方向となる。
【0080】
一方、各翼型部材71b,71cが第2姿勢PP2とされた状態において、左翼移動用モータM3aの駆動により左側の歯車81が正面視右回りで回転される一方で、右翼移動用モータM3bの駆動により右側の歯車81が正面視左回りで回転されると、各ピニオン歯車82bは、左右方向の内側に向かってそれぞれ回転される。この場合、各連結部材87は、それぞれ各ピニオン歯車82bの回転に伴って左右方向(水平方向)の内側に向かって移動されるとともに、各翼用スライド部材89は、同様に左右方向の内側に向かって移動される。このため、各第1リンク部材92は、それぞれ左右方向の内側に向かって移動されるとともに、各第2リンク部材94は、中央ピン部材Pcの軸線周りで各部材固定部94aが相互に離間するように下方へ回動される。そして、各部材固定部94aの下方への移動に伴って、下側固定部材96は下側ピン部材Puの軸線周りで回動され下方に移動される。これにより、部材固定部94aに固定された上翼型部材71b、及び下側固定部材96に固定された下翼型部材71cは、それぞれ下方に移動され、第1姿勢PP1とされる。なお、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、翼移動用モータM3a,M3bの出力軸の回転方向を交互に切り替えることにより、各翼型部材71b,71cを小刻みに開いたり閉じたりさせることができる。
【0081】
そして、各翼型部材71b,71cが第1姿勢PP1と第2姿勢PP2の間で移動される場合、各翼用スライド部材89の突起部89aは、スライド窓部90aの外側端と内側端の間でそれぞれ摺動する。前述のように、ガイド部90(スライド窓部90a)は、左右方向に沿って延びるように形成されているため、突起部89a(翼用スライド部材89)の移動方向は、第1翼用ガイド孔87cの延びる方向(昇降フレーム80の移動方向)と直交する方向に設定される。このため、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)は、各連結部材87のスライド移動に伴って各翼用スライド部材89がガイド部90を摺動する際に、上下方向(垂直方向)への力が付与されないように、即ち上下方向へ移動されないようになっている。
【0082】
本実施形態では、翼用スライド部材89、第1リンク部材92、及び第2リンク部材94により、連結部材87の左右方向への運動を中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りとなる方向への運動に変換する運動変換機構としてのリンク機構101を構成する。また、翼移動用モータM3a,M3bは、連結部材87を上下方向(垂直方向)と直交する左右方向(水平歩行)に移動させることにより動力(駆動力)を伝達し、翼可動部材99のうち各翼型部材71b,71cを中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りとなる方向へ運動させる。また、連結部材87と、翼可動部材99のうち翼用スライド部材89とは、第1翼用ガイド孔87cと突起部89aとの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力(駆動力)を伝達可能に構成されている。また、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bの動力(駆動力)は、リンク機構101を介して翼可動部材99のうち各翼型部材71b,71cに伝達される。
【0083】
本実施形態の翼型可動体ユニット70では、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置している状態において、翼移動用モータM3a,M3bを駆動することで各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させることができる。この場合における翼型可動体ユニット70の動作は、既に説明したように、翼型飾り部材71が演出位置Pb2に位置している場合における翼型可動体ユニット70の動作と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0084】
以上のように、本実施形態の翼型可動体ユニット70では、昇降フレーム80が原位置Pb1及び演出位置Pb2の何れに位置している場合であっても、翼移動用モータM3a,M3bを駆動することにより、昇降フレーム80を上下方向に移動させることなく各翼型部材71b,71cの姿勢を変化させることができるようになっている。同様に、翼型可動体ユニット70では、各翼型部材71b,71cの姿勢が第1姿勢PP1及び第2姿勢PP2の何れである場合であっても、各昇降用モータM2を駆動することにより各翼型部材71b,71cの姿勢を変化させることなく昇降フレーム80を上下方向に移動させることができるようになっている。なお、翼型可動体ユニット70を用いた可動体演出の具体的な実行態様については、後に詳細に説明する。
【0085】
次に、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71の動作範囲と、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46の動作範囲との関係について詳しく説明する。
図4において、矢印Y4,Y6に示すように、翼型飾り部材71が、原位置Pb1において第1姿勢PP1とされた状態から、演出位置Pb2において第2姿勢PP2とされる迄の間の動作範囲(動作軌跡)は、第2姿勢PP2とされた一対の上翼型部材71bで挟まれる略V字型の非動作範囲を除いて、演出表示装置27の画像表示領域HRの略全面を覆うように設定される。即ち、本実施形態において翼型飾り部材71の動作範囲は、遊技者からみて画像表示領域HRの一部と重なるように設定されている。
【0086】
また、矢印Y1,Y2に示すように、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2に移動して第2姿勢PS2とされる迄の間の動作範囲(動作軌跡)は、演出表示装置27における画像表示領域HRの上側の略半分を覆うように設定される。即ち、銃型飾り部材46の動作範囲は、遊技者から見て翼型飾り部材71の動作範囲と画像表示領域HRとが重なっていない領域を含む画像表示領域HRの一部と重なるように設定されている。また、本実施形態では、銃型飾り部材46が翼型飾り部材71とは異なる動作範囲で動作して特定可動体演出を実行する特定可動体となる。翼型飾り部材71の動作範囲と銃型飾り部材46の動作範囲とは、一部の範囲で重複しているとともに、演出表示装置27の画像表示領域HRにおいて、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71の何れの動作範囲も設定されていない非動作範囲HDは、画像表示領域HRにおいて中央部に僅かな面積にのみ設定されている(図4において薄墨で示す)。
【0087】
そして、前述した図柄列Z4,Z5を表示するための第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRにおいて翼型飾り部材71の動作範囲内に設定されている一方で、第3図柄領域ZR3は、画像表示領域HRの上部中央において翼型飾り部材71の非動作範囲に設定されている。また、第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっていない領域に設定されている一方で、第3図柄領域ZR3は、画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっている領域に設定されている。
【0088】
したがって、第2図柄領域ZR2は、銃型可動体ユニット45を用いた可動体演出の実行中に遊技者から視認可能である一方で、翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させて第2姿勢PP2とする場合には遊技者から視認不能(視認困難)な位置に設定されている。一方、第3図柄領域ZR3は、翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させて第2姿勢PP2とする場合には遊技者から視認可能な位置に設定されている一方で、銃型可動体ユニット45を用いた可動体演出の実行中に遊技者から視認不能(視認困難)な位置に設定されている。また、図柄列Z1〜Z3を表示するための第1図柄領域ZR1は、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71の何れの動作範囲にも一部が重なるように設定されており、何れかの飾り部材による可動体演出の実行中に、遊技者から視認困難な位置に設定されている。
【0089】
本実施形態では、第1図柄領域ZR1、及び第2図柄領域ZR2が大当り判定の判定結果に基づき複数の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する第1表示領域となり、第3図柄領域ZR3が翼型飾り部材71による可動体演出中に遊技者から視認可能な位置に設けた第2表示領域となる。また、翼型可動体ユニット70の翼型飾り部材71は、第2図柄領域ZR2に表示される図柄列Z4,Z5を視認不能となるように動作して行う可動体演出を実行する可動体となる。
【0090】
次に、可動体演出を実行する演出実行装置の一種である弾倉型可動体ユニット105について説明する。
図2及び図3に示すように、弾倉型可動体ユニット105は、演出表示装置27の右上方に配設されるとともに、その略全体が区画板41の後方に配設されている。図4に示すように、弾倉型可動体ユニット105は、略四角形平板状をなす取付台部材106を備えているとともに、この取付台部材106は、固定枠部材42の右上部に対して、右外側から左内側(演出表示装置27側)に向かって後方(演出表示装置27側)に傾斜するように固定されている。取付台部材106の後面には、出力軸を前方に向けて配置した状態でステッピングモータなどの回転用モータM4が配設されている。また、取付台部材106の前面には、回転式拳銃(リボルバ)の弾倉(シリンダ)を模した略円盤状の弾倉型飾り部材107が、中心軸Lの軸線周りで回転可能に組み付けられているとともに、弾倉型飾り部材107の図示しない回転軸は、回転用モータM4の出力軸に図示しない歯車を介して接続されている。また、弾倉型飾り部材107は、取付台部材106と同様に、固定枠部材42の右外側から左内側(演出表示装置27側)に向かって後方(演出表示装置27側)に傾斜するように配置されている。また、弾倉型飾り部材107には、LEDなどの発光手段としての発光体109が内蔵されており、この発光体109を発光(点灯や点滅)させることで所定の発光演出を実行可能に構成されている。
【0091】
また、図2に示すように、弾倉型飾り部材107は、右上の一部が表示枠体25におけるセット口25aの後側に配置される一方で、左下の大部分がセット口25aの内側に配置され、遊技者から視認可能とされている。そして、前述した区画板41の第1切欠部41aは、正面視においてセット口25aの内側に配置される弾倉型飾り部材107に整合(対応)した形状に形成されており、遊技者が第1切欠部41aから区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能に構成されている。本実施形態では、第1切欠部41aが、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107(演出実行装置)を視認可能とするための視認部となる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、区画板41に第1切欠部41aを設けない構成と比較して、弾倉型飾り部材107をより明瞭に視認させることができるようになっている。また、図3に示すように、本実施形態の弾倉型飾り部材107は、左端部側よりも前方に突出する右端部側において、第1切欠部41aから区画板41よりも前方に僅かに突出するように配設されている。なお、前述のように、第1切欠部41aへは遊技球が極めて到達し難いため、遊技球が弾倉型飾り部材107に接触する可能性は極めて低くなっている。
【0092】
次に、上記のように構成した弾倉型可動体ユニット105の動作態様について説明する。図4に示すように、弾倉型可動体ユニット105では、回転用モータM4が駆動してその出力軸が回転されると、回転用モータM4の駆動力(回転運動)は図示しない歯車を介して弾倉型飾り部材107の回転軸に伝達され、弾倉型飾り部材107が矢印Y7に示すように平面視右回りで回転されるようになっている。本実施形態の弾倉型可動体ユニット105では、弾倉型飾り部材107が演出表示装置27側に傾くように配置されていることから、パチンコ遊技機10の左右方向における略中央で遊技を行う遊技者から、弾倉型飾り部材107を視認し易くできる。また、本実施形態では、第1切欠部41aを設けるとともに、この第1切欠部41aから弾倉型飾り部材107の一部を区画板41の前方に突出させることで、弾倉型飾り部材107の演出表示装置27側への傾きを確保している。即ち、本実施形態では、第1切欠部41aを設けない構成と比較して、弾倉型可動体ユニット105などの演出実行装置のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0093】
また、本実施形態では、遊技者が区画板41を介することなく第1切欠部41aから弾倉型飾り部材107を視認可能とされている。このため、本実施形態では、弾倉型可動体ユニット105により可動体演出が実行されていない状態や、発光体109による発光演出が実行されていない状態であっても、弾倉型飾り部材107を明瞭に視認させ、弾倉型飾り部材107を好適に印象付けることができる。さらに、本実施形態では、第1切欠部41aを設けることにより、演出表示装置27側へ傾くように配置された弾倉型飾り部材107が区画板41の後面に映り込み、演出表示装置27の表示内容が視認し難くなることを抑制できる。
【0094】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成(制御構成)を図13にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10の機全体を制御する主制御基板130が装着されている。主制御基板130は、パチンコ遊技機10の機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板131が装着されている。演出制御基板131は、主制御基板130が出力した制御指令(制御コマンド)に基づき、各種の演出装置(演出実行装置)の動作を制御する。
【0095】
以下、主制御基板130及び演出制御基板131の具体的構成を説明する。
主制御基板130には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU130aと、主制御用CPU130aの制御プログラムを格納する主制御用ROM130bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM130cが設けられている。主制御用CPU130aには、主制御用ROM130b及び主制御用RAM130cが接続されている。そして、主制御用CPU130aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU130aには、特図表示装置28、特図保留表示装置29、及び普通図柄表示装置30が接続されている。
【0096】
また、主制御用CPU130aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び特別図柄振分用乱数(以下「特図振分用乱数」と示す)などの各種の乱数値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、即ちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。また、主制御用RAM130cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0097】
主制御用ROM130bには、メイン制御プログラム、及び各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から205個の値が定められている。このような設定によれば、大当り抽選に当選する確率は65536分の205となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定値として2個の値が設定されており、このような設定によればリーチ判定で肯定判定される確率は241分の2となる。
【0098】
また、主制御用ROM130bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了する迄の間の演出(表示演出、発光演出、音声演出など)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)及び演出時間(変動時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターン、はずれリーチ演出用の変動パターン、はずれ演出用の変動パターンに分類できる。
【0099】
大当り演出は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、リーチ演出を経て、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、リーチ演出を経ないで、図柄変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。なお、特図表示装置28では、特図変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、演出時間の経過時まで特別図柄の変動(変動表示)が継続される。
【0100】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンについて図14にしたがって説明する。なお、図14では、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンの一部のみを示している。
【0101】
本実施形態では、図14に示すように、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1が、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2a,P3aが用意されている。また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP2b,P3bが用意されている。変動パターンP2a,P2bは、図柄変動ゲーム中に演出表示装置27においてNRリーチ演出を表示する演出内容を特定している。変動パターンP3a、P3bは、図柄変動ゲーム中に演出表示装置27においてSPリーチ演出を表示する演出内容を特定している。
【0102】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、NRリーチ演出<SPリーチ演出の順に、大当りとなる可能性の高低を示す大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるようになっている。なお、特定のリーチ演出の大当り期待度を高くするには、大当りの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合と、はずれの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合の合算割合に占める大当りの場合に特定のリーチ演出を含む変動パターンを選択する割合が高くなるようにすればよい。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、遊技者は、NRリーチ演出に続けてSPリーチ演出が実行されることに期待感を抱きつつ遊技を行っている。
【0103】
次に、演出制御基板131について説明する。
図13に示すように、演出制御基板131には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU131aと、演出制御用CPU131aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM131bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM131cが設けられている。演出制御用CPU131aには、演出制御用ROM131b及び演出制御用RAM131cが接続されている。演出制御用CPU131aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、演出振分用乱数は、各種の遊技演出の実行可否や演出内容を決定するための乱数である。演出制御用RAM131cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。演出制御用ROM131bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラなどの画像データ)、発光演出における各発光体の発光パターンを特定する発光演出用データ、及び各モータM1〜M4の駆動パターンを特定する可動体演出用データが記憶されている。また、演出制御用ROM131bには、制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。
【0104】
また、演出制御用CPU131aには、演出表示装置27が接続されているとともに、演出制御用CPU131aは演出表示装置27に映し出される表示内容を制御可能に構成されている。また、演出制御用CPU131aには、電球型発光装置43、翼型可動体ユニット70の中央部材71a及び各翼型部材71b,71cに内蔵された各発光体(不図示)や、弾倉型可動体ユニット105の発光体109が接続されている。演出制御用CPU131aは、各発光体を発光/消灯させる制御を可能に構成されている。また、演出制御用CPU131aには、銃型可動体ユニット45の銃用モータM1、翼型可動体ユニット70の昇降用モータM2、翼型可動体ユニット70の翼移動用モータM3a,M3b、及び弾倉型可動体ユニット105の回転用モータM4が接続されている。演出制御用CPU131aは、各モータを各別に駆動/停止させる制御を可能に構成されている。演出制御用CPU131aには、銃型可動体ユニット45の銃用原位置センサSE1、翼型可動体ユニット70の昇降用原位置センサSE2、及び翼型可動体ユニット70の翼用原位置センサSE3が接続されており、各センサが出力する検出信号を入力可能に構成されている。
【0105】
以下、主制御基板130の主制御用CPU130aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理(以下「特図入力処理」と示す)や特別図柄開始処理(以下「特図開始処理」と示す)などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU130aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特図入力処理や特図開始処理などの各種処理を実行する。なお、特図開始処理は、特図入力処理の終了後に実行される。
【0106】
最初に、特図入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU130aは、第1始動口スイッチSW1、又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づき、第1始動入賞口35、又は第2始動入賞口36に遊技球が入球したか否かの入球判定を実行する。この入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。一方、上記入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、主制御用RAM130cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を実行する。この保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。一方、上記保留判定の判定結果が肯定(保留記憶数が4未満)である場合、主制御用CPU130aは、保留記憶数を+1(1加算)する。即ち、主制御用CPU130aは、始動入賞口35,36で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM130cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU130aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置29の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU130aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値)を主制御用RAM130cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM130cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU130aは、特図入力処理を終了する。
【0107】
次に、特図開始処理について説明する。
特図開始処理において、主制御用CPU130aは、最初に図柄変動ゲームの実行条件が成立しているか否かの実行条件判定を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU130aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中の場合、実行条件判定で否定判定する。実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0108】
一方、実行条件判定の判定結果が肯定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU130aは、主制御用RAM130cに記憶されている保留記憶数が0(零)よりも大きいか否かの記憶数判定を実行する。この記憶数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数が0)、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。一方、記憶数判定の判定結果が肯定(保留記憶数が1以上)の場合、主制御用CPU130aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。また、保留記憶数を更新(1減算)した主制御用CPU130aは、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特図保留表示装置29の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU130aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM130cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数)の値を読み出す。
【0109】
続いて、主制御用CPU130aは、読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)を実行する。大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、大当りを決定し、大当り演出となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り演出処理を実行する。大当り演出処理において、主制御用CPU130aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM130cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU130aは、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄(大当り図柄)を決定する。また、主制御用CPU130aは、大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
【0110】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。このため、主制御用CPU130aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU130aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、はずれリーチ演出となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU130aは、特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0111】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU130aは、リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから、はずれ演出となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ演出処理を実行する。はずれ演出処理において主制御用CPU130aは、特図表示装置28に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU130aは、特図開始処理を終了する。
【0112】
そして、特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU130aは、特図開始処理とは別の処理において、特図開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板131に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU130aは、変動パターンを指示するとともに演出表示装置27の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU130aは、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンド(以下「特図指定コマンド」と示す)を変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU130aは、指示した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。主制御用CPU130aは、変動パターン指定コマンドの出力とともに、特図表示装置28で特別図柄の変動を開始させるとともに、全図柄停止コマンドの出力とともに特別図柄を確定停止表示させる。
【0113】
次に、大当り遊技に関して主制御用CPU130aが実行する処理について説明する。
主制御用CPU130aは、大当り演出の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU130aは、オープニング時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンド開始コマンドを出力する。また、主制御用CPU130aは、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉38aを開動作させて大入賞口38を開放させるとともに、ラウンド終了条件の成立を契機に大入賞口扉38aを閉動作させて大入賞口38を閉鎖させる。そして、主制御用CPU130aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
【0114】
次に、演出制御基板131の演出制御用CPU131aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
最初に、図柄変動ゲームを実行させるための制御について説明する。
【0115】
演出制御用CPU131aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3の飾り図柄の変動(変動表示)を開始させるとともに、第2図柄領域ZR2において図柄列Z4,Z5の飾り図柄の変動を開始させ、飾図変動ゲームが開始されるように演出表示装置27を制御する。また、演出制御用CPU131aは、変動パターン指定コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU131aは、選択した画像表示用データをもとに飾図変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置27の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU131aは、飾図変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに演出表示装置27に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0116】
また、演出制御用CPU131aは、特図指定コマンドを入力すると、該コマンドにしたがって演出表示装置27に確定停止表示させる飾り図柄の組み合わせを生成する。具体的に言えば、演出制御用CPU131aは、特別図柄の大当り図柄が指定されている場合には、飾り図柄の大当り図柄(例えば「777」及び「赤丸+赤丸」)を生成する。また、演出制御用CPU131aは、はずれ図柄が指定されている場合、飾り図柄としてはずれ図柄(例えば「625」及び「白丸+白丸」)を生成する。このとき、演出制御用CPU131aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定されている場合、図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾り図柄としてリーチ図柄を含むはずれ図柄を生成する。
【0117】
また、演出制御用CPU131aは、SPリーチ演出を特定する変動パターンP3a,P3bが指定されている場合、演出表示装置27にSPリーチ演出を表示させている間、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3を非表示とさせる。そして、演出制御用CPU131aは、入力した変動パターンに示される演出時間(変動時間)の終了時に、生成した大当り図柄又ははずれ図柄のうち、図柄列Z1〜Z3の飾り図柄を第1図柄領域ZR1において一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機として図柄列Z1〜Z5の飾り図柄を確定停止表示させる。本実施形態では、演出制御用CPU131aが第1図柄領域ZR1、第2図柄領域ZR2、及び第3図柄領域ZR3の表示内容を制御して図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)を表示させる表示制御手段となる。
【0118】
次に、大当り遊技中における制御について説明する。
演出制御用CPU131aは、主制御用CPU130aからオープニングコマンドを入力した場合にはオープニング演出用の画像表示用データを、各ラウンド開始コマンドを入力した場合にはラウンド演出用の画像表示用データを、エンディングコマンドを入力した場合にはエンディング演出用の画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU131aは、選択した画像表示用データをもとに各大当り遊技用の遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出)を画像表示させるように演出表示装置27の表示内容を制御する。
【0119】
次に、図柄変動ゲーム中に電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105による各種の遊技演出を実行させる制御について、詳しく説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10において、これらの演出実行装置による遊技演出は、今回の図柄変動ゲームで大当り図柄が導出される可能性(大当り期待度)の高低を遊技者に報知(示唆)する大当り予告演出として実行される。
【0120】
演出制御用CPU131aは、主制御用CPU130aから変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM131cから演出振分用乱数の値を取得するとともに、取得した演出振分用乱数の値、及びコマンドで指定された変動パターンをもとに、図15に示す演出振分テーブルTAを参照して大当り予告演出の演出内容を特定する演出パターンを決定する。演出振分テーブルTAは、演出制御用ROM131bに記憶されている。
【0121】
図15に示すように、演出振分テーブルTAには、演出パターンEP1〜EP6が各変動パターンに対応付けられている。演出パターンEP1には、大当り予告演出を行わない演出内容が特定されており、演出パターンEP2には、電球型発光装置43を発光させる演出内容が特定されている。演出パターンEP2に基づく大当り予告演出の演出時間は、1.5秒に設定されている。演出パターンEP3には、図16(a)において矢印Y7に示すように、弾倉型可動体ユニット105の弾倉型飾り部材107(発光体109)を発光させつつ回転させる演出内容が特定されている。演出パターンEP3に基づく大当り予告演出の演出時間は、2秒に設定されている。演出パターンEP4には、図16(b)において矢印Y1,Y2に示すように、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46を演出位置Pa2へ移動させる共に第2姿勢PS2とし、さらに電球型発光装置43を発光させる演出内容が特定されている。また、演出パターンEP3には、演出表示装置27において、銃型飾り部材46により電球型発光装置43を射撃した様子を模した効果画像Geを表示させる演出内容が特定されている。演出パターンEP4に基づく大当り予告演出の演出時間は、3.5秒に設定されている。
【0122】
演出パターンEP5には、図16(c)において矢印Y8で示すように、翼型可動体ユニット70における各翼型部材71b,71cを点滅させつつ小刻みに上下動させる演出内容が特定されている。演出パターンEP5に基づく大当り予告演出の演出時間は、3秒に設定されている。また、演出パターンEP6には、図16(d)において矢印Y4で示すように、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させた後、矢印Y6に示すように各翼型部材71b,71cを発光させつつ第1姿勢PP1から第2姿勢PP2とする演出内容が特定されている。なお、演出パターンEP6には、演出パターンEP6に基づく可動体演出(大当り予告演出)を終了させる際に、翼型飾り部材71を演出位置Pb2から原位置Pb1へ下降させつつ、同時に各翼型部材71b,71cを第2姿勢PP2から第1姿勢PP1へ移動させることが特定されている。これにより、本実施形態では、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出を終了する際に、速やかに翼型飾り部材71を原位置Pb1へ戻すとともに第1姿勢PP1とすることができるようになっている。また、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出の演出時間は、銃型飾り部材46を動作させる演出パターンEP4に基づく大当り予告演出より長い5秒に設定されている。
【0123】
図15に示すように、演出振分テーブルTAには、変動パターン毎に区分して演出パターンEP1〜EP6に対して、演出振分用乱数の値がこの乱数の取り得る値(0〜99の全100通りの整数値)のうちから所定個数ずつ振り分けられている。演出振分テーブルTAによれば、例えば変動パターンP1が指定されている場合には、100分の90の確率で演出パターンEP1が、100分の5の確率で演出パターンEP2又は演出パターンEP3が決定され得る。
【0124】
演出振分テーブルTAにおける演出振分用乱数の値の振分態様によれば、演出パターンEP1<EP2<EP3<EP4<EP5<EP6の順で、大当りの変動パターンが指定された場合の決定割合と、はずれの変動パターンが指定された場合の決定割合との合算割合に占める大当りの変動パターンが指定された場合の決定割合が高くなる。したがって、本実施形態では、演出パターンEP1<EP2<EP3<EP4<EP5<EP6の順で、演出パターンに特定される大当り予告演出に設定される大当り期待度が高くなる。特に、演出パターンEP6は、大当り演出用の変動パターンP3bが指定された場合にのみ決定可能であることから、翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動され、第2姿勢とされる大当り予告演出(可動体演出)は、大当り確定の遊技演出として位置付けられる。
【0125】
また、演出振分テーブルTAによれば、大当りの変動パターンを指定された場合の決定割合と、はずれの変動パターンを指定された場合の決定割合との合算割合(所謂、出現率)は、銃型可動体ユニット45における銃型飾り部材46を移動させる演出パターンEP4と比較して、上記演出パターンEP6のほうが低くなっている。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、銃型飾り部材46による大当り予告演出の出現率よりも、翼型可動体ユニット70を第2姿勢PP2とする大当り予告演出の出現率のほうが低く設定される。
【0126】
そして、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP1を決定すると、大当り予告演出の非実行を決定する。一方、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP2〜EP6の何れかを決定すると大当り予告演出の実行可を決定すると共に、決定した演出パターンに特定される大当り予告演出用のデータ(画像表示用データ、発光演出用データ、及び可動体演出用データ)を選択する。そして、演出制御用CPU131aは、図柄変動ゲームの開始(変動パターン指定コマンドの入力)から所定期間(本実施形態では5秒)が経過すると、選択した大当り予告演出用のデータをもとに、各演出実行装置を制御して大当り予告演出を実行させる。
【0127】
また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP4〜EP6の何れかを決定している場合、大当り予告演出を開始させる直前に、銃型飾り部材46が原位置Pa1にあり、且つ翼型飾り部材71が原位置Pb1において第1姿勢PP1とされているか否かの原位置判定(原位置チェック)を実行する。詳しく説明すると、演出制御用CPU131aは、銃用原位置センサSE1から検出信号を入力している場合、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置していると判定する一方で、検出信号を入力していない場合、銃型飾り部材46が原位置Pa1に位置していないと判定する。また、演出制御用CPU131aは、各昇降用原位置センサSE2から検出信号を入力していない場合、翼型飾り部材71が原位置Pb1に位置していると判定する一方で、検出信号を入力している場合、原位置Pb1に位置していないと判定する。
【0128】
また、演出制御用CPU131aは、各翼用原位置センサSE3から検出信号を入力している場合、翼型飾り部材71(各翼型部材71b,71c)が第1姿勢PP1とされていると判定する一方で、検出信号を入力していない場合、第1姿勢PP1とされていないと判定する。そして、演出制御用CPU131aは、上記原位置判定で肯定判定した場合、決定した演出パターンEP4〜EP6に基づき可動体演出を含む大当り予告演出を実行させる一方で、上記原位置判定で否定判定した場合、決定した演出パターンEP4〜EP6に基づく大当り予告演出の実行をキャンセルする。
【0129】
また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6を決定した場合には、翼型飾り部材71が原位置Pb1を離れてから再び原位置Pb1へ戻る迄の間、第2図柄列Z2における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5を第3図柄列Z3に表示させる制御を実行する。即ち、本実施形態の演出制御用CPU131aは、翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動して第2姿勢PP2とされる可動体演出が実行される場合に、図柄列Z4,Z5の表示領域を第2図柄領域ZR2から第3図柄領域ZR3へ移動させる制御を実行すると把握することもできる。
【0130】
次に、上記のように構成したパチンコ遊技機10における大当り予告演出の実行態様の一例について、図16及び図17にしたがって説明する。なお、図17では、変動パターンP3b、及び演出パターンEP6が決定されている場合を示している。
【0131】
図17に示すように、演出表示装置27では、図柄列Z1〜Z5の飾り図柄の変動表示が開始されることにより、図柄変動ゲームが開始される(時点t1)。演出表示装置27では、図柄変動ゲームの開始から所定期間が経過する迄の間、第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3が表示されるとともに、第2図柄領域ZR2に図柄列Z4,Z5が表示される(時点t1〜t2の期間、本実施形態では5秒)。
【0132】
そして、図柄変動ゲームが開始してから所定期間(時点t1〜t2の期間)が経過すると、図16(d)に示すように、翼型飾り部材71が演出位置Pb2へ移動されるとともに、その後に各翼型部材71b,71cが移動されて第2姿勢PP2とされ、翼型可動体ユニット70による大当り予告演出が実行される(時点t2〜t3の期間)。演出パターンEP6に基づく大当り予告演出(可動体演出)が実行されている間、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3が非表示とされるとともに、第2図柄領域ZR2における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5が第3図柄領域ZR3に表示される。このため、本実施形態では、図柄列Z1〜Z3を非表示とすることで翼型可動体ユニット70による大当り予告演出(可動体演出)に対して遊技者に注目させることができる。また、演出表示装置27では、翼型飾り部材71の動作範囲外に設定された第3図柄領域ZR3において図柄列Z4,Z5が継続して表示されることから、図柄変動ゲームが継続されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
【0133】
そして、翼型飾り部材71が原位置Pb1に戻ることで演出パターンEP6に基づく大当り予告演出(可動体演出)が終了すると、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3が表示されるとともに、第3図柄領域ZR3における図柄列Z4,Z5の表示に代えて、図柄列Z4,Z5が第2図柄領域ZR2に表示される(時点t3)。続けて、演出表示装置27では、リーチが形成される(時点t4、本実施形態では図柄変動ゲームの開始から12秒後)とともに、NRリーチ演出が表示される(時点t4〜t5の期間)。次に、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において図柄列Z1〜Z3が非表示とされるとともに、SPリーチ演出が表示される(時点t5〜t6の期間)。そして、演出表示装置27では、第1図柄領域ZR1において大当り図柄のうち図柄列Z1〜Z3の飾り図柄が一旦停止表示される(時点t6)とともに、全列(図柄列Z1〜Z5)の飾り図柄が確定停止表示され(時点t7)、図柄変動ゲームが終了される。なお、演出表示装置27では、演出パターンEP6に基づく大当り予告演出が終了してから、図柄変動ゲームが終了される迄の間、NRリーチ演出やSPリーチ演出であるか否かにかかわらず第2図柄領域ZR2において図柄列Z4,Z5が継続して変動表示されるようになっている(時点t3〜t7の期間)。
【0134】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出パターンEP6に基づき翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を移動させる可動体演出が実行される場合には、可動体演出の実行に伴って遊技者から視認不能とされる図柄列Z4,Z5が、可動体演出の実行中に遊技者から視認可能な位置に設けた第3図柄領域ZR3に表示される。このため、本実施形態では、演出パターンEP6に基づく可動体演出の実行中であっても、少なくとも一部の飾り図柄が第3図柄領域ZR3に表示されることにより、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることを抑制できる。したがって、図柄変動ゲームが継続中であることを遊技者が認識し難くなることにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0135】
(2)演出表示装置27には、図柄列Z1〜Z5が表示されるとともに、図柄列Z1〜Z3と、図柄列Z4,Z5とでそれぞれ大当りを認識可能な大当り図柄を形成するようになっている。そして、演出パターンEP6に基づく翼型可動体ユニット70の可動体演出が実行される場合には図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示させる。したがって、図柄変動ゲームが継続中であることを遊技者に明確に理解させることができる。
【0136】
(3)第2図柄領域ZR2は、画像表示領域HRのうち遊技者から見て銃型飾り部材46の動作範囲と重なっていない領域において、図柄列Z4,Z5を表示可能に設定されている。したがって、銃型飾り部材46を移動させる可動体演出が実行される場合には、図柄列Z1〜Z5の全ての飾り図柄が視認不能となることがなく、さらに演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を移動させる可動体演出が実行される場合には、可動体演出の実行に伴って遊技者から視認不能となる図柄列Z4,Z5が第3図柄列Z3に表示される。したがって、銃型飾り部材46及び翼型飾り部材71を用いて複数種類の遊技演出(可動体演出)を実行可能なパチンコ遊技機10であっても、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることをより確実に回避できる。
【0137】
(4)第3図柄領域ZR3は、翼型飾り部材71の動作範囲と重ならない位置に設けられている。したがって、演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を移動させる可動体演出によって、全ての飾り図柄を遊技者が視認し得なくなることをより確実に回避できる。
【0138】
(5)図柄変動ゲームにおける演出パターンEP6に基づく翼型飾り部材71による可動体演出の出現率は、銃型飾り部材46を動作させる可動体演出の出現率より低い。このため、本実施形態では、第2図柄領域ZR2を画像表示領域HRのうち銃型飾り部材46の動作範囲と重なっている領域内に設定する場合と比較して、図柄列Z4,Z5を第2図柄領域ZR2とは別の表示領域に表示させる頻度を低く抑えることができる。
【0139】
(6)区画板41には、演出実行装置である弾倉型飾り部材107に対応させて、遊技者が区画板41を介することなく弾倉型飾り部材107を視認可能とするための切欠部41aが形成されている。したがって、区画板41によって弾倉型飾り部材107が遊技者から視認し難くなることを抑制し、弾倉型飾り部材107による遊技演出を印象付けることができる。即ち、区画板41によって弾倉型飾り部材107が遊技者から視認し難くなることにより弾倉型飾り部材107による遊技演出に対する興趣が低下することを抑制できる。
【0140】
(7)また、区画板41により発光体109の発する光が遮られることにより、弾倉型飾り部材107による発光演出を視認し難くなることを抑制し、発光演出をより遊技者に印象付けることができる。
【0141】
(8)弾倉型飾り部材107が演出表示装置27の前面(画像表示領域HR)側に傾斜するように配設されており、演出表示装置27とともに弾倉型飾り部材107による遊技演出を見易くすることができる。そして、このような場合でも、区画板41の後面(裏面)に弾倉型飾り部材107が映り込むことで演出表示装置27の表示内容を視認し難くなることを抑制できる。
【0142】
(9)さらに弾倉型飾り部材107は、遊技演出として所定の運動(本実施形態では回転運動)を伴う可動体演出を実行可能に構成されている。したがって、弾倉型飾り部材107による遊技演出を遊技者により印象付けることができる。
【0143】
(10)区画板41は、特図表示装置28の下側に設けられるステージ31の後端に立設するように設けた。このため、ステージ31よりも更に後側に区画板41を立設する構成と比較して、機構領域(機構空間)20cを広く確保することができる。
【0144】
(11)翼型可動体ユニット70における翼型飾り部材71を演出表示装置27の前面側に移動して可動体演出を実行可能に構成したため、可動体演出の実行により遊技者の興趣を高め得る。
【0145】
(12)弾倉型飾り部材107は、その一部が第1切欠部41aから区画板41よりも前面側(遊技者側)に突出するように配設されている。したがって、区画板41の後側空間における弾倉型飾り部材107の配設位置に自由度を与えることができる。
【0146】
(13)電球型発光装置43は、内蔵されたLEDを演出表示装置27よりも高い輝度で発光させるようにした。このため、本実施形態では、区画板41の前面側に積極的に電球型発光装置43の映り込みを生じさせ、奥行きのある発光演出を実現できる。
【0147】
(14)銃型可動体ユニット45において、銃用ガイド部52の第1ガイド領域52aにより、銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2へ移動する迄の間において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2へ運動(回動)することが規制される。このため、銃型飾り部材46を下方へ移動させるとともに第1姿勢PS1から第2姿勢PS2へ運動させることにより、可動体演出に変化を与えることができるとともに、銃型飾り部材46が予定されていない動作を行うことで遊技者の興趣が低下してしまうことを抑制できる。
【0148】
(15)銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aは、シャフト部材51a,51bに平行な方向に沿って延びるように形成され且つ銃型飾り部材46のローラ部材67と接触されるようになっている。このため、予定されていない位置において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2となることをより確実に規制することができる。
【0149】
(16)銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合に、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2へ回動することを許容する第3ガイド領域52cを設けた。したがって、銃型飾り部材46が演出位置Pa2にある場合には、第2姿勢PS2への運動が許容され、可動体演出を支障なく行うことができる。
【0150】
(17)銃型飾り部材46は、変換機構HKを介して銃用モータM1により第2銃用ガイドピン63の軸線周りの方向に沿って運動される。このため、銃用モータM1によって銃型飾り部材46をシャフト部材51a,51bに沿った方向、及び第2銃用ガイドピン63の軸線周りの方向へ運動させることが可能となり、銃型飾り部材46を運動させる方向毎に異なるモータを設ける場合と比較して、その構成を簡略化することができる。
【0151】
(18)第2銃用ガイドピン63の下方への移動が突起部53により規制された状態において、銃用移動部材55が原位置Pa1から離間する方向へさらに移動されることにより、銃型飾り部材46が第2銃用ガイドピン63の軸線周りに運動される。このため、銃用移動部材55のシャフト部材51a,51bに沿った方向への運動を継続させることで、銃型飾り部材46の原位置Pa1から演出位置Pa2への移動だけでなく、回動運動をも実現できる。
【0152】
(19)銃型可動体ユニット45では、第2姿勢PS2にある銃型飾り部材46のローラ部材67が第2ガイド領域52bに接触することで、銃型飾り部材46の原位置Pa1に近接する方向への移動が規制される。この状態において、銃用移動部材55が原位置Pa1に近接する方向へさらに移動されることにより、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へ回動される。このため、銃用移動部材55の運動を銃型飾り部材46の第2姿勢PS2から第1姿勢PS1へ復帰する運動に変換することができる。
【0153】
(20)銃用モータM1を用いてピニオン歯車50bを回転させ、ラック歯車56を設けた銃用移動部材55をシャフト部材51a,51bに沿って移動させるようにしている。したがって、簡便な構造により銃用モータM1の回転運動を銃用移動部材55の直線運動に変換できる。
【0154】
(21)翼型可動体ユニット70において、連結部材87には第1翼用ガイド孔87cを設ける一方で、翼用スライド部材89には第1翼用ガイド孔87cに係合可能な突起部89aを設けた。そして、第1翼用ガイド孔87cは、昇降フレーム80(中央部材71a)と共に翼可動部材99が上下方向に移動される際に、連結部材87を左右方向へ移動させることなく突起部89aが第1翼用ガイド孔87cに対して相対移動されるように構成されている。そして、連結部材87と翼可動部材99は、第1翼用ガイド孔87cと突起部89aの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達可能に連結(接続)されている。このような構成によれば、昇降フレーム80の移動に伴って、連結部材87が水平方向に移動されることにより、翼可動部材99(翼用スライド部材89)が運動してしまうことを抑制できる。その一方で、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bにより翼可動部材99の各翼型部材71b,71cを移動させ、可動体演出を実行することができる。このように、本実施形態では、翼移動用モータM3a,M3bを昇降フレーム80に搭載しない場合であっても、昇降フレーム80の移動と独立させた状態で、各翼型部材71b,71cを運動させることが可能となる。したがって、演出用可動体の重量が増加することを抑制しつつ、可動体演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
【0155】
(22)連結部材87と翼可動部材99は、連結部材87における第1翼用ガイド孔87c、及び翼用スライド部材89における突起部89aの係合により翼移動用モータM3a,M3bの動力を伝達可能に連結されている。したがって、翼移動用モータM3a,M3bの動力をより確実に伝達することができる。
【0156】
(23)上下方向に沿って延びる第1翼用ガイド孔87cが連結部材87に設けられている。このため、昇降フレーム80とともに移動する翼用スライド部材89に対して、上下方向に沿って延びる壁部などを設ける構成と比較して、翼用スライド部材89の移動範囲(移動軌跡の面積)を小さくすることができる。したがって、翼型可動体ユニット70の配設領域(スペース)を小さくすることができる。
【0157】
(24)連結部材87の運動を、中央ピン部材Pcや下側ピン部材Puの軸線周りの運動に変換するリンク機構101を介して、翼移動用モータM3a,M3bの動力が各翼型部材71b,71cに伝達される。したがって、特に各翼型部材71b,71cの動作に意外性を持たせ、遊技者の興趣をさらに向上できる。
【0158】
(25)昇降用モータM2を鋼板フレーム73に配設した。このため、鋼板フレーム73に設けた昇降用モータM2により昇降フレーム80を移動させることができる。したがって、昇降フレーム80に昇降用モータM2、及び翼移動用モータM3a,M3bの何れをも搭載することなく可動体演出を実行させることができる。したがって、昇降フレーム80の重量が増加することを抑制できる。
【0159】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 演出表示装置27において、大当り遊技の終了後に確率変動状態又は非確率変動状態の何れかが付与されることを認識可能な非特定図柄を図柄列Z1〜Z3による仮の大当り図柄として導出させ、導出させた仮の大当り図柄を再変動させて非特定図柄、又は大当り遊技の終了後に確率変動状態が付与されることを認識可能な特定図柄を図柄列Z1〜Z3による最終的な大当り図柄として導出させる再抽選演出を実行可能に構成してもよい。ここで、確変状態(以下、確変状態と示す)は、大当り抽選で大当りに当選する確率を低確率から高確率に変動させた状態であり、非確変状態(以下、非確変状態と示す)は、大当り抽選で大当りに当選する確率が低確率とされている状態である。この場合、演出制御用CPU131aは、再抽選演出の開始に伴って図柄列Z1〜Z5を第3図柄領域ZR3に表示する。そして、演出制御用CPU131aは、再抽選演出を経て特定図柄を導出させる場合、翼型飾り部材71を演出位置Pb2に移動させて第2姿勢PP2とする可動体演出を実行させ、該可動体演出の終了後に最終的な大当り図柄として特定図柄を第1図柄領域ZR1に表示させる。その一方で、演出制御用CPU131aは、再抽選演出を経て非特定図柄を導出させる場合、上記可動体演出を実行させることなく最終的な大当り図柄として非特定図柄を第1図柄領域ZR1に表示させる。本別例では、再抽選演出が特別演出となる。これによれば、再抽選演出において翼型飾り部材71による可動体演出が実行される場合には、図柄列Z1〜Z3が図柄列Z4,Z5と共に第3図柄領域ZR3に表示される。したがって、再抽選演出において遊技者に注目させるべき図柄列Z1〜Z3を第3図柄領域ZR3に表示させることにより、再抽選演出に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。なお、大当り遊技の終了後に確変状態を付与するか否かは、主制御用CPU130aが決定する特別図柄の大当り図柄が、確変状態を付与することを定めた確変図柄(特定図柄)であるか、非確変状態を付与することを定めた非確変図柄(非特定図柄)であるかに応じて決定するようにするとよい。この場合、特別図柄の大当り図柄の種類は、大当りの種類として把握することもできる。
【0160】
・ 第1図柄領域ZR1、第2図柄領域ZR2、及び第3図柄領域ZR3は、演出表示装置27において異なる位置、大きさに設定してもよい。例えば、第1図柄領域ZR1や第3図柄領域ZR3を、銃型飾り部材46の動作範囲と重ならない領域に設定してもよい。また、各図柄領域ZR1〜ZR3は、それぞれ演出表示装置27とは異なる表示装置で表示してもよい。ただし、第3図柄領域ZR3は、遊技者から見て翼型飾り部材71の動作範囲に重ならない位置に設定する。
【0161】
・ 演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6に基づく翼型飾り部材71による可動体演出の実行中にも第1図柄領域ZR1に図柄列Z1〜Z3を表示させるように制御してもよい。また、演出制御用CPU131aは、第2図柄領域ZR2及び第3図柄領域ZR3の両方に図柄列Z4,Z5を表示させるように制御してもよい。
【0162】
・ 演出表示装置27に表示する飾り図柄の図柄列数を変更してもよい。例えば、第1図柄領域ZR1に表示する図柄列数を1列、2列、又は4列以上としてもよく、図柄領域ZR2,ZR3に表示する図柄列数を1列、又は3列以上としてもよい。
【0163】
・ 演出パターンEP4に基づき銃型飾り部材46を動作させる可動体演出の出現率は、演出パターンEP6に基づき翼型飾り部材71を演出位置Pb2へ移動させるとともに第2姿勢PP2とする可動体演出の出現率よりも低く設定してもよい。また、演出パターンEP6に基づく可動体演出は、大当り確定演出として位置付けなくてもよい。
【0164】
・ 演出パターンEP2〜EP6に基づく大当り予告演出(発光演出及び可動体演出)の演出時間を変更してもよい。また、各大当り予告演出の実行タイミング(開始タイミング)を変更してもよい。
【0165】
・ 電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45,翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105による遊技演出を大当り予告演出として実行しなくてもよい。例えば、NRリーチ演出からSPリーチ演出へ発展するタイミング(時点t5の直前期間)において、SPリーチ演出が開始されることを報知する報知演出として実行してもよい。
【0166】
・ 第1切欠部41a及び第2切欠部41bの形状を変更してもよい。例えば、銃型飾り部材46の引き金部分や、弾倉型飾り部材107に対応させて複数の貫通孔を設けて視認部を形成してもよい。
【0167】
・ 弾倉型飾り部材107は、LEDなどの発光手段を備えていなくてもよい。また、弾倉型飾り部材107は、区画板41の後側において演出表示装置27の画像表示領域HRと平行に配置されていてもよく、区画板41より前方に突出していなくてもよい。また、弾倉型飾り部材107は、銃用モータM1を省略して所定の運動を行わない演出実行装置として構成してもよい。
【0168】
・ 区画板41は、ステージ31の後端に限られず、さらに後側に立設されていてもよい。また、区画板41は、演出表示装置27の画像表示領域HRと平行に配置されていてもよい。
【0169】
・ 電球型発光装置43に内蔵された発光体や、弾倉型飾り部材107に内蔵された発光体109は、演出表示装置27の輝度より高い輝度で発光しなくてもよい。
・ 銃型可動体ユニット45において、銃用移動部材55(銃型飾り部材46)を移動(運動)させる方向を変更してもよい。例えば、銃型飾り部材46及び銃用移動部材55を左右方向(水平方向)や、円弧状に移動させてもよい。また、銃型飾り部材46の第1姿勢PS1から第2姿勢PS2への移動は、回動運動のほか、所定方向への直線運動などにより行ってもよい。
【0170】
・ 銃用ガイド部52における第1ガイド領域52aを下方に延長して第2ガイド領域52b及び第3ガイド領域52cを省略してもよい。即ち、銃型飾り部材46が原位置Pa1から演出位置Pa2へ移動する迄の間の全部において、銃型飾り部材46が第2姿勢PS2となることを規制してもよい。この場合、銃型飾り部材46は、演出位置Pa2でのみ第2姿勢PS2への回動が許容されるようにすればよい。
【0171】
・ 銃型可動体ユニット45は、銃型飾り部材46がシャフト部材51a,51bに沿って移動可能な範囲のうち、原位置Pa1から最も離間した位置に到達する以前から第1姿勢PS1から第2姿勢PS2への回動運動を開始するように構成してもよい。この場合には、第2姿勢PS2への回動運動が開始される位置から、原位置Pa1から最も離間した位置の範囲が演出位置Pa2となる。
【0172】
・ 銃型飾り部材46は、LEDなどの発光体を内蔵した構成とし、可動体演出とともに発光演出を実行可能に構成してもよい。
・ 翼型可動体ユニット70において、昇降フレーム80(中央部材71a)は左右方向(水平方向)や、固定枠部材42の対角線方向など異なる方向へ移動するように構成してもよい。この場合、連結部材87は、昇降フレーム80(中央部材71a)の移動方向と直交する方向へ移動可能に構成する。
【0173】
・ 各翼型部材71b,71cは、左右方向や上下方向に沿った直線運動や、円弧状に運動させて第2姿勢PP2としてもよい。
・ 翼型飾り部材71は、LEDなどの発光体を省略し、可動体演出とともに発光演出を実行しないように構成してもよい。
【0174】
・ 各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させることなく、昇降フレーム80(翼型飾り部材71)を小刻みに上下動させる演出内容を特定可能な演出パターンを設けてもよい。また、演出制御用CPU131aは、演出パターンEP6が決定された場合に、翼型飾り部材71を上昇させつつ各翼型部材71b,71cを第1姿勢PP1から第2姿勢PP2へ移動させてもよい。この場合には、原位置Pb1以外の移動範囲が演出位置Pb2となる。
【0175】
・ 昇降用モータM2を昇降フレーム80に搭載してもよい。
・ 連結部材87及び翼用スライド部材89(翼可動部材99)のうち、一方の部材には、上下方向に沿って延びる第1係合部が設けられている一方で、他方の部材には、第1係合部に係合可能な第2係合部が設けられておればよい。例えば、翼型可動体ユニット70において、翼用スライド部材89の突起部89aを上下方向に沿って延びる壁状に形成するとともに、壁状をなす突起部89aに係合する平面視コの字状の係合部を連結部材87に設けてもよい。
【0176】
・ 電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、弾倉型可動体ユニット105の配設位置を変更してもよい。
・ 銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105を構成する各飾り部材は、それぞれ異なる物品や人物、あるいは動物を模した形状に形成してもよい。また、電球型発光装置43の装飾カバー43aを異なる形状に形成してもよい。
【0177】
・ 演出表示装置27は、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしてもよく、これらを組み合わせた表示装置としてもよい。
・ 演出表示装置27を制御する表示制御基板、スピーカを制御する音声制御基板などのサブ制御基板群を設けるとともに、サブ制御基板群を統括的に制御する統括制御基板を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、統括制御基板は、変動パターンに基づき大当り予告演出の演出パターンを決定するとともに、決定した演出パターンに基づき電球型発光装置43、銃型可動体ユニット45、翼型可動体ユニット70、及び弾倉型可動体ユニット105を制御する。また、統括制御基板は、第2図柄領域ZR2及び第3図柄領域ZR3のうち、図柄列Z4,Z5を表示させる図柄領域を指定する表示位置指定コマンドを表示制御基板に出力するようにしてもよい。この場合、統括制御基板は、図17に示す時点t2において、図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示させることを指示する表示位置指定コマンドを、時点t3において、図柄列Z4,Z5を第2図柄領域ZR2に表示させることを指示する表示位置指定コマンドを表示制御基板に出力する。そして、表示制御基板は、入力した表示位置指定コマンドで指定される図柄領域に図柄列Z4,Z5を表示する制御を実行すればよい。本別例では、統括制御基板が図柄列Z4,Z5を第3図柄領域ZR3に表示することを指示する表示位置指定コマンドを出力するコマンド出力手段として機能する。
【0178】
・ 主制御基板130及び演出制御基板131の機能を一体に備えた単一の制御基板を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
・ 第1始動入賞口35への入球検知に基づく第1図柄変動ゲームと、第2始動入賞口36への入球検知に基づく第2図柄変動ゲームとを別に行うようにしてもよい。
【0179】
・ 特図表示装置28は、演出表示装置27に特別図柄を表示させることで演出表示装置27と兼用させてもよい。また、演出表示装置27を省略し、飾り図柄による図柄変動ゲームを表示しない構成としてもよい。
【0180】
以下、上述した実施形態、及び別例(変形例)から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記保護部材は、前記表示装置の下側に設けられ遊技球が転動する転動部の後端に立設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0181】
HK…変換機構、HR…画像表示領域、M1…銃用モータ(駆動装置、回転モータ)、M2…昇降用モータ(第1駆動装置)、M3a…左翼移動用モータ(第2駆動装置)、M3b…右翼移動用モータ(第2駆動装置)、Pa1…原位置(初期位置)、Pa2…演出位置、PS1…第1姿勢、PS2…第2姿勢、Y1…矢印(第1方向)、Y2…矢印(第2方向)、Y4…矢印(所定の方向)、Y5…矢印(直交する方向)、Y6…矢印(異なる方向)、ZR1…第1図柄領域(第1表示領域)、ZR2…第2図柄領域(第1表示領域)、ZR3…第3図柄領域(第2表示領域)、10…パチンコ遊技機、15…遊技盤、27…演出表示装置(表示装置)、31…ステージ(転動部)、41…区画板(保護部材)、41a…第1切欠部(視認部)、41b…第2切欠部(視認部)、43…電球型発光装置(演出実行装置)、45…銃型可動体ユニット(演出実行装置、演出用可動体)、46…銃型飾り部材(第2部材)、50b…ピニオン歯車(歯車)、52…銃用ガイド部、52a…第1ガイド領域(規制部)、52b…第2ガイド領域(特定規制部)、52c…第3ガイド領域(許容部)、55…銃用移動部材(演出用可動体、第1部材、ラック)、42…固定枠部材(基部材、基礎部材)、48…ベース部材(基部材)、46…銃型飾り部材(特定可動体)、53…突起部(軸規制部)、61…第2銃用ガイド長孔(係合部)、63…第2銃用ガイドピン(軸部)、67…ローラ部材(特定部)、70…翼型可動体ユニット(演出実行装置)、71…翼型飾り部材(可動体、特別演出用可動体、第1可動部材)、71a…中央部材(可動体、演出用可動体)、71b…上翼型部材(可動体)、71c…下翼型部材(可動体)、80…昇降フレーム(演出用可動体、第1可動部材)、87…連結部材、87c…第1翼用ガイド孔(第1係合部、長孔)、89a…突起部(第2係合部)、99…翼可動機構(演出用可動体、第2可動部材)、101…リンク機構(運動変換機構)、105…弾倉型可動体ユニット(演出実行装置、演出用可動体)、109…発光体(発光手段)、131…演出制御基板、131a…演出制御用CPU(表示制御手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に配設した表示装置の前面側に、遊技者が内部を視認可能な材料からなり、前記遊技盤に発射された遊技球から前記表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機において、
遊技者から見て前記保護部材の後側であって前記表示装置の周囲には、前記表示装置とは別に所定の遊技演出を実行する演出実行装置が配設されており、
前記保護部材には、前記演出実行装置に対応させて、遊技者が前記保護部材を介することなく前記演出実行装置を視認可能とするための視認部が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出実行装置には発光演出を実行可能な発光手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行装置は、前記表示装置の前面側に傾斜するように配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出実行装置は、前記遊技演出として所定の運動を伴う可動体演出を実行可能な演出用可動体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技盤に配設した表示装置の前面側に、遊技者が内部を視認可能な材料からなり、前記遊技盤に発射された遊技球から前記表示装置を保護する保護部材を設けた遊技機において、
遊技者から見て前記保護部材の後側であって前記表示装置の周囲には、前記表示装置とは別に所定の遊技演出を実行する演出実行装置が配設されており、
前記保護部材には、前記演出実行装置に対応させて、遊技者が前記保護部材を介することなく前記演出実行装置を視認可能とするための視認部が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出実行装置には発光演出を実行可能な発光手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行装置は、前記表示装置の前面側に傾斜するように配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出実行装置は、前記遊技演出として所定の運動を伴う可動体演出を実行可能な演出用可動体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−102942(P2013−102942A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248509(P2011−248509)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]