説明

遊技機

【課題】各種制御基板に対する不正行為を低減させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】音声ランプ制御基板ボックス265は、通電されることに基づいて第1状態または第2状態に可動自在となるソレノイド429の可動鉄心430を備え、主制御基板ボックス263は、第1状態の可動鉄心430と係合する受け部435を備えるので、可動鉄心430に通電してこの可動鉄心430を第1状態にすることで、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止することができる。つまり、遊技場の関係者以外の者は、可動鉄心430を第1状態または第2状態に可動自在とさせることができず、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことができないので、不正に主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機には、例えば、遊技に関する所定の制御を行う各種制御基板を備えている。これら各種制御基板のうち特に、遊技利益に直接に関係する主制御基板は、不正に遊技利益を得る目的で、不正操作される恐れがあるため、不正に主制御基板を触れることができないように、ケース内に収容され、さらに、このケースは封印機能付きのものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−103006号公報 (第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、主制御基板を封印機能付きの主基板ケースに収容し、さらに、この主基板ケースは遊技機の裏面側に取付けられているが、遊技機の内枠が開けられた場合には、主基板ケースを取り外し易い状況となり、不正な主制御基板が収容された主基板ケースと交換される恐れがある。つまり、主制御基板に取付けられている正規な電子部品を不正な電子部品との交換や正規の主制御基板と不正な主制御基板とに交換するなどの不正操作がされるだけでなく、主制御基板が収容された主基板ケースを類似した不正な主制御基板が収容された主基板ケースとに交換される恐れがある。その結果、不正な行為を行った者による不正な遊技が行われるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、各種制御基板に対する不正行為を低減させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
遊技に関わる制御を行う制御手段と、
前記制御手段を被包する被包部材と、
前記被包部材が取付けられる被取付部材と、
前記被包部材と前記被取付部材とを係止する係止手段と、
を備え、
前記係止手段は、
通電状態において第1状態または第2状態に可動自在となる可動部と、
前記可動部が第1状態である場合に当該可動部と係合する受け部と、
を備えるとともに、前記被包部材または前記被取付部材の一方に前記可動部を備え、かつ、前記被包部材または前記被取付部材の他方に前記受け部を備えることで前記被包部材と前記被取付部材とを係止するものであり、
さらに、前記可動部の非通電状態において当該可動部は非通電状態となる直前の通電状態での第1状態または第2状態を保持するものである、
ことを特徴とするものである。
【0007】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御手段は遊技に関わる制御を行う。被包部材は制御手段を被包する。被取付部材は被包部材が取付けられる。係止手段は、被包部材と被取付部材とを係止する。係止手段は、被包部材または被取付部材の一方に可動部を備え、かつ、被包部材または被取付部材の他方に受け部を備えている。可動部は通電状態において第1状態または第2状態に可動自在となる。受け部は、可動部が第1状態である場合に当該可動部と係合する。可動部は、非通電状態においてこの非通電状態となる直前の通電状態での第1状態または第2状態のうちいずれかの状態を保持している。したがって、係止手段の可動部を通電状態とし、可動部を第1状態にすることで受け部と係合し、被包部材と被取付部材とを係止することができる。つまり、被包部材は、被取付部材に取付ネジなどの機械部品により取付けられているだけでなく、電気的な係止手段により被包部材と被取付部材とを係止することができ、遊技場の関係者以外の者は、係止手段の可動部に通電しなければこの可動部を第2状態に可動自在とすることができず、また、係止手段の可動部を非通電状態にした場合に、当該非通電状態前の状態、例えば、受け部と係合している第1状態で非通電状態にすると、第1状態を保持しているので、被包部材と被取付部材とを取り外すことができないので、遊技場の関係者以外の者が不正に被包部材と被取付部材とを取り外すことを低減することができる。その結果、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る遊技機によれば、遊技に関わる制御を行う制御手段と、制御手段を被包する被包部材と、被包部材が取付けられる被取付部材と、被包部材と被取付部材とを係止する係止手段と、を備え、係止手段は、通電状態において第1状態または第2状態に可動自在となる可動部と、可動部が第2状態である場合に当該可動部と係合する受け部と、を備えるとともに、被包部材または被取付部材の一方に可動部を備え、かつ、被包部材または被取付部材の他方に受け部を備えることで被包部材と被取付部材とを係止するものであり、さらに、前記可動部の非通電状態において当該可動部は非通電状態となる直前の通電状態での第1状態または第2状態を保持するものであるとしているので、係止手段の可動部を通電状態とし、可動部を第2状態にすることで受け部と係合し、被包部材と被取付部材とを係止することができる。つまり、被包部材は、被取付部材に取付ネジなどの機械部品により取付けられているだけでなく、電気的な係止手段により被包部材と被取付部材とを係止することができ、遊技場の関係者以外の者は、係止手段の可動部に通電しなければこの可動部を第1状態に可動自在とすることができず、また、係止手段の可動部を非通電状態にした場合に、当該非通電状態前の状態、例えば、受け部と係合している第2状態で非通電状態にすると、第2状態を保持しているので、被包部材と被取付部材とを取り外すことができないので、遊技場の関係者以外の者が不正に被包部材と被取付部材とを取り外すことを低減することができる。その結果、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図7】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図8】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図9】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図10】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図11】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図12】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】第1図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図14】主制御装置と音声ランプ制御装置の配置関係を示す斜視図である。
【図15】本実施例のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図16】(a)はソレノイドの可動鉄心の位置が後退状態であることを示す説明図であり、(b)はソレノイドの可動鉄心の位置が進出状態であることを示す説明図である。
【図17】主制御装置と音声ランプ制御装置との係止処理を説明するフローチャートである。
【図18】主制御装置と音声ランプ制御装置との係止処理を説明するフローチャートである。
【図19】可動状態記憶部と判定部とを備えた音声ランプ制御基板の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0011】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記係止手段は、前記被包部材と前記被取付部材とが重なり合う箇所に備えられていることを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(1)に記載の発明によれば、係止手段は、被包部材と被取付部材とが重なり合う箇所に備えられている。したがって、係止手段は、被包部材と被取付部材とにより隠されることになり、係止手段に触れることが困難となる。つまり、不正に係止手段に触れることを困難にでき、このように触れることができないので、被包部材と被取付部材とが係止していない状態にすることができないことから、不正に被包部材と被取付部材とを取り外すことを低減することができる。
【0013】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記係止手段は、前記可動部を第1状態または第2状態に駆動させる駆動手段を備え、
前記駆動手段は、前記被取付部材により被包されていることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(2)に記載の発明によれば、係止手段は駆動手段を備え、この駆動手段は可動部を第1状態または第2状態に駆動させる。さらに、駆動手段は、被取付部材により被包されている。したがって、駆動手段は被取付部材により被包されているので、不正に駆動手段に触れることを困難にできる。つまり、駆動手段を不正操作することを低減できる。
【0015】
(3) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記被包部材に備えられた前記受け部の基端部分は、ハーフカット加工が施されていることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(3)に記載の発明によれば、被包部材に備えられた受け部の基端部分は、ハーフカット加工が施されている。したがって、被包部材の受け部の基端部分に力を加えることで被包部材と受け部とを切り離すことができる。つまり、強制的に被包部材と受け部とを切り離すことができる。例えば、このように受け部が切り離された被包部材が被取付部材に取付けられている場合には、その被包部材の切断跡から、被取付部材から強制的に取り外された被包部材であることが分かるし、何らかの不正行為があったのではないかという注意を促すことができ、不正行為の発見に有効である。
【0017】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可動部は棒状体であり、
前記受け部は、前記棒状体が嵌合する嵌合孔を備え、
前記可動部が第1状態にある場合に、当該可動部の棒状体が前記受け部に嵌合されていることを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(4)に記載の発明によれば、可動部は棒状体である。受け部は、棒状体が嵌合する嵌合孔を備えている。可動部が第1状態にある場合に、当該可動部の棒状体が受け部の嵌合穴に嵌合されている。したがって、可動部と受け部とが係合することを好適に実現できる。
【0019】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可動部の第1状態または第2状態を指示するための鍵が差し入れられる鍵穴と、
前記鍵を前記鍵穴に挿入した状態で、当該鍵が所定の施錠操作位置にあることと、当該鍵が所定の解除操作位置にあることとを検出する鍵位置検出手段と、
前記鍵位置検出手段で前記鍵が施錠操作位置にあると検出された場合に、前記可動部を第1状態にさせ、前記鍵位置検出手段で前記鍵が解除操作位置にあると検出された場合に、前記可動部を第2状態にさせる制御を行う可動部制御手段と、
前記可動部制御手段に電源電圧を供給する電源手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(5)に記載の発明によれば、鍵穴は、可動部の第1状態または第2状態を指示するための鍵が差し入れられるものである。鍵位置検出手段は、鍵を鍵穴に挿入した状態で、当該鍵が所定の施錠操作位置にあることと、当該鍵が所定の解除操作位置にあることとを検出する。可動部制御手段は、鍵位置検出手段で鍵が施錠操作位置にあると検出された場合に、可動部を第1状態にさせ、鍵位置検出手段で鍵が解除操作位置にあると検出された場合に、可動部を第2状態にさせる制御を行う。したがって、鍵を鍵穴に挿入して施錠操作位置に操作することで、可動部を第1状態にさせることができ、可動部を受け部に係合した状態とすることができ、被包部材と被取付部材とを係止することができる。また、鍵を鍵穴に挿入して解除操作位置に操作することで、可動部を第2状態にさせることができ、可動部の受け部への係合を解除した状態とすることができ、被包部材と被取付部材との係止を解除することができる。つまり、鍵がない場合は、可動部を第1状態または第2状態にさせることができない。つまり、不正に可動部を第1状態または第2状態にさせる場合は、鍵穴に嵌合する鍵を用意する必要があるが、遊技場の関係者以外の者がこの鍵の詳細な形状などを知ることができず、この鍵を用意することは困難である。その結果、不正に可動部を第1状態または第2状態にさせることを低減させることができる。
【0021】
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記可動部の第1状態または第2状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段での前記可動部の第2状態の検出に基づいて、報知を行う報知手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(6)に記載の発明によれば、状態検出手段は、可動部の第1状態または第2状態を検出する。報知手段は、状態検出手段での可動部の第2状態の検出に基づいて、報知を行う。したがって、可動部が第2状態になると報知を行うことができる。つまり、可動部が第2状態になると、可動部と受け部の係合が解除されることになり、被包部材の被取付部材からの取り外しが可能状態となるため、必ず報知を行うことで、不正行為を低減することができる。
【0023】
(7) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記可動部の第1状態または第2状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段で検出された前記可動部の第1状態または第2状態を記憶する可動状態記憶手段と、
前記可動状態記憶手段で記憶された前記可動部の第1状態または第2状態と、前記状態検出手段で検出される現在の前記可動部の第1状態または第2状態との一致を判定する判定手段と、
前記判定手段で不一致と判定した場合に、報知を行う報知手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(7)に記載の発明によれば、状態検出手段は、可動部の第1状態または第2状態を検出する。可動状態記憶手段は、状態検出手段で検出された可動部の第1状態または第2状態を記憶する。判定手段は、状態検出記憶手段で記憶された可動部の第1状態または第2状態と、状態検出手段で検出される現在の可動部の第1状態または第2状態との一致を判定する。報知手段は、判定手段で不一致と判定した場合に報知を行う。したがって、可動状態記憶手段に記憶しておいた可動部の第1状態または第2状態と、現在の可動部の第1状態または第2状態とが不一致の場合に報知することができる。つまり、可動部を不正に第1状態または第2状態に変えた場合には、可動状態記憶手段の記憶内容たる可動部の第1状態または第2状態と現在の可動部の第1状態または第2状態とが一致しないので、報知でもってその不正を知らせることができる。
【0025】
(8) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記可動部の第1状態または第2状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段で前記可動部の第1状態が検出され、かつ、前記鍵位置検出手段で前記鍵の施錠操作位置が検出された場合、または、前記状態検出手段で前記可動部の第2状態が検出され、かつ、前記鍵位置検出手段で前記鍵の解除操作位置が検出された場合を正常状態とし、それ以外を異常状態として監視する監視手段と、
前記監視手段で異常状態が検出されると、報知を行う報知手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(8)に記載の発明によれば、状態検出手段は、可動部の第1状態または第2状態とを検出する。監視手段は、状態検出手段で可動部の第1状態が検出され、かつ、鍵位置検出手段で鍵の施錠操作位置が検出された場合、または、状態検出手段で可動部の第2状態が検出され、かつ、鍵位置検出手段で鍵の解除操作位置が検出された場合を正常状態とし、それ以外を異常状態として監視する。報知手段は、監視手段で異常状態が検出されると、報知を行う。したがって、鍵の操作位置と可動部の第1状態または第2状態とが不正状態である場合に報知を行うことができる。
【0027】
(9) 前記(5)から(8)に記載の遊技機において、
前記可動部制御手段が制御可能状態であることを報知する制御可能報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(9)に記載の発明によれば、制御可能報知手段は、可動部制御手段が制御可能状態であることを報知する。したがって、操作手段を操作して可動部を制御可能状態にしようとすると、制御可能報知手段により報知されるので、遊技場に関係する者以外の者が可動部を制御可能とさせた場合には、不正な行為を行っていることを遊技場の関係者に知られることになり、主制御手段を取り外すことが容易ではなくなる。その結果、不正行為を低減することができる遊技機を提供することができる。
【0029】
(10) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
発射手段により打ち込まれる遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤に配設され、遊技球が入球または通過可能な入球手段と、前記入球手段での遊技球の入球または通過を検出する遊技球検出手段と、特定状態の場合に遊技球が入球可能な特定入球手段とを含む遊技機本体とを備え、
前記制御手段は、前記遊技機本体を主として制御する主制御基板であり、
前記被包部材は、前記主制御基板を被包するものであり、
前記被取付部材は、前記主制御基板からの制御を受ける副制御基板を被包するものである
ことを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(10)に記載の発明によれば、遊技盤は、発射手段により打ち込まれる遊技球が転動可能な遊技領域を有する。入球手段は、遊技盤に配設され、遊技球が入球または通過可能なものである。遊技球検出手段は、入球手段での遊技球の入球または通過を検出する。特定入球手段は、遊技盤に配設され、特定状態の場合に遊技球が入球可能となる。遊技機本体は、遊技盤と入球手段と遊技球検出手段と特定入球手段とを含むものである。主制御基板は、遊技機本体を主として制御するものであり、被包手段により被包される。被取付部材は、主制御基板からの制御を受ける副制御基板を被包している。したがって、制御手段として主制御手段を採用し、被取付部材として副制御手段を被包するものを採用した場合であっても、上述した請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0031】
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記係止手段は、前記可動部を第1状態または第2状態に駆動させる駆動手段を備え、
前記副制御基板と前記駆動手段とを電気的に接続する接続手段と、
前記副制御基板は、前記接続手段を介して、前記可動部を第1状態または第2状態に駆動させるための電源電圧を前記駆動手段に出力し、
前記被取付部材は、前記駆動手段と前記接続手段とを被包するものである
ことを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(11)に記載の発明によれば、係止手段は駆動手段を備え、この駆動手段は可動部を第1状態または第2状態に駆動させる。接続手段は、副制御基板と駆動手段とを電気的に接続する。副制御基板は、接続手段を介して、可動部を第1状態または第2状態に駆動させるための電源電圧を駆動手段に出力する。被取付部材は、駆動手段と接続手段とを被包する。したがって、遊技場の関係者以外の者が不正に接続手段を触れることができない。つまり、接続手段を介してまたは接続手段を取り外し、駆動手段に電源電圧を供給するなどして、可動部を第1状態または第2状態に可動させることはできない。したがって、不正に被包部材と被取付部材とを取り外すことを低減することができる。その結果、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができる。
【0033】
(12) 前記(10)または(11)に記載の遊技機において、
前記主制御基板と前記副制御基板とに電源電圧を供給する電源手段と、
操作可能な操作手段と、
を備え、
前記主制御基板は、情報を記憶する記憶手段を備え、
前記主制御基板は、前記操作手段の操作がされている状態で、前記電源手段からの電源電圧が入力されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶された情報が消去され、さらに電源投入信号を生成し、かつ、この電源投入信号を前記副制御基板に出力し、
前記副制御基板は、前記電源手段からの電源電圧が入力されている状態で電源投入信号の入力に基づいて前記可動部を制御可能な状態としている
ことを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(12)に記載の発明によれば、電源手段は、主制御基板と副制御基板とに電源電圧を供給する。制御基板は記憶手段を備え、この記憶手段は情報を記憶する。主制御基板は、操作手段の操作がされている状態で、電源手段からの電源電圧が入力されたことに基づいて、記憶手段に記憶された情報が消去され、さらに電源投入信号を生成し、かつ、この電源投入信号を副制御基板に出力する。副制御基板は、電源手段からの電源電圧が入力されている状態で電源投入信号の入力に基づいて可動部を制御可能な状態となる。したがって、主制御基板に電源電圧が供給されているが、操作手段での操作が行われない場合は、電源投入信号が生成されないため可動部を制御可能状態とすることができず、また、副制御基板に電源電圧が供給されていない場合は、主制御基板からの電源投入信号が入力されないために可動部を制御可能状態とすることができない。つまり、主制御基板と副制御基板とに電源電圧が供給されている状態で、さらに主制御基板から出力された電源投入信号が副制御基板に入力されていないと可動部を制御可能とすることができない。したがって、通常は可動部を直接制御する副制御基板にのみ電源電圧を供給し、可動部を動作させようとするが、その他主制御基板に電源電圧を供給し、電源投入信号を副制御基板に入力させる必要があり、遊技場に関係する者以外の者が可動部を制御可能とさせ主制御手段を取り外すことが容易ではなくなる。その結果、不正行為を低減することができる遊技機を提供することができる。
【0035】
(13) 前記(12)に記載の遊技機において、
前記電源手段から供給された電源電圧を中継する電源中継手段を備え、
前記電源中継手段は、
前記副制御基板に電源電圧を供給し、
前記副制御基板を被包している前記被取付部材により被包されている
ことを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(13)に記載の発明によれば、電源中継手段は、電源手段から供給された電源電圧を中継する。電源中継手段は、副制御基板に電源電圧を供給し、副制御基板を被包している被取付部材により被包される。したがって、電源中継手段は、被取付部材により被包されているので、容易に電源中継手段に触れることができず、不正に副制御基板に電源電圧を供給させることを困難とする。その結果、不正行為により副制御基板を動作させることを低減することができる。
【0037】
(14) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記係止手段は、前記可動部を第1状態または第2状態に駆動させる駆動手段を備え、
前記駆動手段は、前記被包部材により被包されていることを特徴とする遊技機。
【0038】
前記(14)に記載の発明によれば、係止手段は駆動手段を備え、この駆動手段は可動部を第1状態または第2状態に駆動させる。さらに、駆動手段は、被包部材により被包されている。したがって、駆動手段は被包部材により被包されているので、不正に駆動手段に触れることを困難にできる。つまり、駆動手段を不正操作することを低減できる。
【0039】
(15) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0040】
前記(15)に記載の遊技機によれば、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0041】
(16)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0042】
前記(16)に記載の遊技機によれば、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0043】
(17) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0044】
前記(17)に記載の遊技機によれば、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0045】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
【0046】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。
【0047】
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。
【0048】
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
【0049】
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。
【0050】
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18とセットハンドルと発射モータなどで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
【0051】
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。
【0052】
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。
【0053】
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。また、窓穴21には、2枚のガラス137(図2参照)が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
【0054】
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ(図示省略)、カウントスイッチ(図示省略)、作動口スイッチ224等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
【0055】
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41とを備えている。
【0056】
第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
【0057】
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
【0058】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
【0059】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
【0060】
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
【0061】
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0062】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0063】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2の始動口34は、該第2の始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1の始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、第2の始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、第2の始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0064】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0065】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されており、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0066】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0067】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0068】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0069】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0070】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0071】
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0072】
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
【0073】
前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
【0074】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0075】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ(図示省略)とカウントスイッチ(図示省略)とが設けられている。特定領域スイッチ(図示省略)は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ(図示省略)は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ(図示省略)が設けられている。なお、上述した作動口スイッチ224が本発明における入賞検出手段に相当する。
【0076】
入賞口スイッチ(図示省略)及びゲートスイッチ(図示省略)は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面中継基板(図示省略)が後述する主制御基板400(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ(図示省略)及びカウントスイッチ(図示省略)は大入賞口中継基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継基板(図示省略)がやはり主制御基板400に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御基板400に接続されている。
【0077】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1の始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
【0078】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板400に取り込まれ、該主制御基板400よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0079】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【0080】
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板400と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0081】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0082】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0083】
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0084】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0085】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0086】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0087】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0088】
次に、第1制御基板ユニット201を、図8〜図11を用いて説明する。図8は第1制御基板ユニット201の正面図、図9は同ユニット201の斜視図、図10は同ユニット201の分解斜視図、図11は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0089】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板400を具備しており、この主制御基板400が透明樹脂材料等よりなる主制御基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、主制御基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより主制御基板ボックス263が封印されている。
【0090】
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図9等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板400の不具合などにより主制御基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。主制御基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該主制御基板ボックス263に残しておけば、主制御基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0091】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主制御基板400)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる音声ランプ制御基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0092】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0093】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主制御基板400)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図9等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0094】
図10及び図11に示すように、主制御基板400用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の主制御基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203を軸線Cを軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線Aを軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主制御基板400用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0095】
取付台251には、図9等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を(図示省略)被締結孔にはめ込むと共に、長孔(図示省略)に係止爪片(図示省略)を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0096】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0097】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図12を用いて説明する。図12は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
【0098】
主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板400を具備している。
【0099】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主制御基板400)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備している。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0100】
払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ(図示省略)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
【0101】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ(図示省略)が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入することとしている。
【0102】
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0103】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0104】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0105】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路643、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0106】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0107】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0108】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0109】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0110】
発射制御装置312は、発射モータ(図示省略)による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータが駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0111】
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
【0112】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0113】
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
【0114】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ(図示省略)に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0115】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMl端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流5ボルトの電圧を監視し、この電圧が5ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0116】
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0117】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ(図示省略)のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチの状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチが押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチが押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,613のデータがクリアされる。
【0118】
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図13に示すように、左・中・右の3つの図柄列L,M,Rが設定されており、図柄列L,M,R毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄が配されて一連の図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
【0119】
かかる場合、左図柄列Lにおいては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示され、中図柄列M及び右図柄列Rにおいては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示される。そして、左図柄列L→右図柄列R→中図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第1図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0120】
次に、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について、図10および図14を用いて説明する。図14は主制御装置261と音声ランプ制御装置262の配置関係を示す斜視図である。なお、図14に示す主制御装置261の主制御基板ボックス263に備わった封印ユニット264の位置が、図8から図10に示す封印ユニット264の位置の反対側(図中右)に配備されているが、それ以外の構成については同じである。
【0121】
図4に示すように、パチンコ機10は、遊技球発射装置38(図1参照)により打ち込まれる遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤30を備えている。この遊技盤30には、遊技球が入球または通過可能な第1の始動口33と、この第1の始動口33での遊技球の入球または通過を検出する作動口スイッチ224と、特定状態の場合に遊技球が入球可能な可変入賞装置32とが配設されている。また、パチンコ機10は、遊技盤30に配設された第1の始動口33と作動口スイッチ224と可変入賞装置32およびその他の構成を含むパチンコ機本体399(図1参照)により構成されている。
【0122】
図10に示すように、主制御装置261は、パチンコ機本体399に含まれる制御可能な装置を主として制御する主制御基板400と、この主制御基板400を被包する主制御基板ボックス263とを備えている。また、音声ランプ制御装置262は、主制御基板400からの制御を受ける音声ランプ制御基板401と、この音声ランプ制御基板401を被包する音声ランプ制御基板ボックス265とを備えている。
【0123】
なお、上述した遊技球発射装置38は、本発明における発射手段に相当する。上述した第1の始動口33は、本発明における入球手段に相当する。上述した作動口スイッチ224は、本発明における遊技球検出手段に相当する。上述した可変入賞装置32は、本発明における特定入球手段に相当する。上述したパチンコ機本体399は、本発明における遊技機本体に相当する。上述した主制御基板400は、本発明における制御手段に相当する。上述した主制御基板ボックス263は、本発明における被包部材に相当する。上述した音声ランプ制御基板ボックス265は、本発明における被取付部材に相当する。なお、制御手段を主制御基板400として説明したが、その他遊技に関わる制御を行うものであってもよい。
【0124】
また、図14に示すように、主制御装置261と音声ランプ制御装置262とは、取付台251に取付けられ、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とが係止部428により係止されている。
【0125】
係止部428は、図14に示すように、通電状態において、第1状態である進出状態または第2状態である後退状態に可動自在となる棒状体であるソレノイド429の可動鉄心430(図16参照)と、この可動鉄心430を進出状態または後退状態に駆動させるソレノイド429の駆動部431と、可動鉄心430が進出状態である場合に、この可動鉄心430と係合する受け部435とにより構成され、さらに、係止部428は、非通電状態において、可動部はこの非通電状態となる直前の通電状態での進出状態または後退状態を保持している。
【0126】
さらに、係止部428は、図14に示すように、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とが重なり合う箇所である主制御装置261(主制御基板ボックス263)の裏面側および音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)の表面側に備えられている。具体的には、音声ランプ制御装置262を構成する音声ランプ制御基板ボックス265を正面視したとき、音声ランプ制御基板ボックス265の右側の部分が、図14中に示すように鉛直方向に沿って段差が形成されており、当該段差が他の部分よりも低い低背部分433となっている。この低背部分433に係止部428が備えられている。
【0127】
さらに、図14に示すように、ソレノイド429の可動鉄心430と駆動部431および駆動部431と音声ランプ制御基板401とを電気的に接続する接続ケーブル432(図15参照)、電源中継基板266(図15参照)が音声ランプ制御基板ボックス265に備えられ、受け部435は、主制御基板ボックス263に備えられている。なお、主制御装置261および音声ランプ制御装置262が取付台251に取付けられる面を、主制御装置261および音声ランプ制御装置262の裏面とする。なお、接続ケーブル432は、本発明の接続手段に相当する。
【0128】
ここで、この実施例でのソレノイド429について説明する。ソレノイド429は、キープソレノイドとよばれる自己保持型のソレノイドである。このキープソレノイドは、金属製の保持枠内に電磁コイル、永久磁石などからなる駆動部431などが内装され、さらに、この電磁コイル内に保持枠の側面から自在に進退動(第1状態である進出状態または第2状態である後退状態に可動)する可動鉄心(プランジャ)430が挿通されている構成となっている。
【0129】
また、ソレノイド429は、電磁コイルを一つだけ備えており、例えば、電磁コイルに正電圧を印加することで可動鉄心430を進出状態とさせ、永久磁石によりこの進出状態が保持される。さらに、電磁コイルに負電圧(進出状態とさせた場合と逆の電圧)を印加することで可動鉄心430を後退状態とさせ、永久磁石によりこの後退状態が保持される。
【0130】
ソレノイド429の駆動部431は、接続ケーブル432を介し音声ランプ制御基板401からの電圧印加に基づいて、可動鉄心430を進出状態または後退状態に駆動するものである。
【0131】
受け部435は、棒状体であるソレノイド429の可動鉄心430が嵌合する嵌合孔436(図16参照)を備え、可動鉄心430が進出状態にある場合に、当該可動鉄心430が嵌合孔436に嵌合される構成になっている。また、主制御基板ボックス263に備えられた受け部435の基端部分は、ハーフカット加工が施されている。このハーフカット加工により被包部材の受け部435の基端部分に力を加えることで受け部435とを切り離すことができる構成となっている。
【0132】
なお、上述した係止部428は、本発明における係止手段に相当する。上述した電源装置313は、本発明における電源手段に相当する。上述した可動鉄心430は、本発明における可動部に相当する。上述した駆動部431は、本発明における駆動手段に相当する。
【0133】
また、図14に示すように、音声ランプ制御装置262は、音声ランプ制御基板ボックス265にソレノイド429の可動鉄心430の進退を指示するための鍵装置440(図15参照)が備えられ、この鍵装置440には、鍵が差し入れられる鍵穴441を備えている。さらに、この鍵穴441に鍵を挿入し、鍵を所定の位置に回転させることで、鍵穴441は、鍵の回転に伴って回転され、施錠操作位置または解除操作位置のいずれかの位置に回転される構成になっている。また、上述した鍵は一般的な鍵が用いられているが、例えば、不正に複製することが困難な特別な鍵を用いるようにしてもよい。なお、鍵装置440は、音声ランプ制御装置262に電源供給がされず、鍵装置440に電源供給がされていない場合には、鍵穴441に鍵を挿入しても回転できない構成となっており、また、鍵が施錠操作位置または解除操作位置のいずれかの位置にない場合は、鍵が鍵穴441から抜くことができないようになっている。
【0134】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図15を用いて説明する。図15は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。当該パチンコ機10は、主制御装置261と、音声ランプ制御装置262と、電源装置313などを備えている。以下、これらの装置を詳細に説明する。
【0135】
主制御装置261の主制御基板400は、パチンコ機10の主たる制御を司るものであって、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、いわゆる大当たり状態)の発生の有無を判断する機能を有するものである。つまり、主制御装置261は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の発生の有無についての抽選をする抽選部(図示省略)を備えており、この抽選部で当選した場合に、第1図柄表示装置42(図4参照)での第1図柄の変動表示結果を予め設定した特定の図柄の組合せ(大当り図柄)で表示して特別遊技状態を発生させる機能を有する。要するに、主制御装置261は、始動入賞(第1の始動口33への遊技球の入球)の際に取得した、0〜676までの値をとり得る大当たり乱数カウンタC1(特別遊技状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)に基づいて、特別遊技状態を発生させているのである。
【0136】
具体的には、主制御装置261のCPU501の一機能である抽選部は、大当たり乱数カウンタC1を発生させる乱数発生部(第1乱数群発生機能)を有している。また、主制御装置261は、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、RAM503の保留球格納エリアのうちの大当たり乱数カウンタC1の値を記憶するエリア(乱数記憶部)を備えている。さらに、主制御装置261のCPU501は、この保留球格納エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であるか否かを決定する決定部も有している。
【0137】
なお、第1の始動口33に設けられた作動口スイッチ224での遊技球の入賞検出のタイミングで、乱数発生部での大当り乱数カウンタC1の値(乱数)がRAM503の保留球格納エリア(乱数記憶部)に記憶されるようになっている。また、低確率時においては、決定部は、乱数記憶部に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(乱数)が2個の値「337,673」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時においては、決定部は、乱数記憶部に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(乱数)が10個の値「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の乱数発生部,決定部は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
【0138】
図15に示すように、主制御基板400は、情報を記憶するRAM503が備えられている。さらに、主制御基板400のCPU501は、電源装置313に備えられたRAM消去スイッチ323を押す操作がされている状態で、電源装置313からの電源電圧が入力されたことに基づいて、RAM503に記憶された情報を消去する処理を行い、さらに、電源投入コマンド(電源投入信号)S3を生成し、この電源投入コマンドS3を音声ランプ制御基板401に出力する機能を備えている。つまり、従来から用いられているRAM503に記憶された情報を消去するためのRAM消去スイッチ323から送信(出力)されるRAM消去信号S2を利用して、電源投入コマンドS3を生成するものであり、この電源投入コマンドS3を生成するための特別な構成を備えるものとはなっていない。なお、上述したRAM503は、本発明における記憶手段に相当する。
【0139】
次に、音声ランプ制御装置262について説明する。音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主制御基板400)からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板401を具備している。また、音声ランプ制御装置262には電源中継基板266が搭載されており、電源装置313より供給される電源電圧がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262内の音声ランプ制御基板401、鍵装置440などに出力されるようになっている。なお、音声ランプ制御基板401は、本発明の副制御基板に相当する。電源中継基板266は、本発明の電源中継手段に相当する。
【0140】
音声ランプ制御基板401は、電源装置313から電源中継基板266を介して電源電圧が入力されている状態で電源投入コマンドS3の入力に基づいて、ソレノイド429の可動鉄心430を制御可能な状態となる。したがって、主制御基板400に電源電圧が供給されているが、RAM消去スイッチ323での操作が行われない場合は、電源投入コマンドS3が生成されないため可動鉄心430を制御可能状態とすることができず、また、音声ランプ制御基板401に電源電圧が供給されていない場合は、主制御基板400からの電源投入コマンドS3が入力されないために可動鉄心430を制御可能状態とすることができない。つまり、主制御基板400と音声ランプ制御基板401とに電源電圧が供給されている状態で、さらに主制御基板400から出力された電源投入コマンドS3が音声ランプ制御基板401に入力されていないと可動鉄心430を制御可能とすることができない。したがって、パチンコ機10が正常動作可能な状態である場合において、ソレノイド429の可動鉄心430を制御可能な状態となり、それ以外の異常な状態においては、ソレノイド429の可動鉄心430を制御することは不可能な状態となる構成となっている。
【0141】
また、図15に示すように、音声ランプ制御装置262は、音声ランプ制御基板401、状態検出部462などを備えている。さらに、なお、鍵位置検出部460、可動部制御部461、監視部463は、CPU402の一機能を示すものである。以下、各部の構成について具体的に説明する。
【0142】
鍵位置検出部460は、鍵を鍵穴441に挿入した状態で、当該鍵が所定の施錠操作位置にあること、または当該鍵が所定の解除操作位置にあることを検出する。さらに、鍵を回転させることで、鍵の位置が変化した場合においても、鍵の位置が施錠操作位置または解除操作位置にあるかを検出する。この鍵位置検出部460は、施錠操作位置および解除操作位置のそれぞれの位置に備えられた部材が押されることで、接点信号が出力され、施錠操作位置および解除操作位置を特定できる構成となっている。つまり、この接点信号には、施錠操作位置信号と解除操作位置信号とがあり、鍵位置検出部460は、施錠操作位置信号と解除操作位置信号とを可動部制御部461と監視部463とに出力する。なお、鍵位置検出部460は、施錠操作位置および解除操作位置のそれぞれの位置に備えられた部材が押されることで検出していたが、鍵位置検出部460は、これ以外の構成により鍵の位置を検出するようにしてもよい。
【0143】
可動部制御部461は、電源装置313からの電源電圧が入力されている状態で主制御装置261からの電源投入コマンドS3の入力に基づいて可動鉄心430を制御可能な状態となる。また、この可動鉄心430を制御可能な状態であることをスピーカ471による音声およびランプ470による発光により報知する。例えば、この可動鉄心430を制御可能な状態は、主制御装置261からの電源投入コマンドS3の入力がされてから30秒間に行われるものとし、報知も同様に30秒間を行う。つまり、この報知は、一方では、遊技場内において可動部が制御可能な状態であることを遊技場の関係者が認識することができるものとなり、他方では、遊技場の関係者以外の者にとっては、不正な行為を行っていることを遊技場の関係者に知られることになるものである。なお、報知を30秒間行うようにしていたが、30秒間以外の時間に設定するようにしてもよい。なお、スピーカ471、ランプ470は、本発明の制御可能報知手段に相当する。
【0144】
さらに、この制御可能状態において、鍵位置検出部460からの施錠操作位置信号が入力された場合に、ソレノイド429の可動鉄心430を進出させ、解除操作位置信号が入力された場合に、可動鉄心430を後退させる制御を行う。
【0145】
状態検出部462は、ソレノイド429の可動鉄心430の進出状態と後退状態とを検出する。例えば、状態検出部462は、光検出センサであり、光検出センサで光が検出されたことに基づいて、可動鉄心430が進出状態であるとし、光検出センサで光が検出されない(遮断されている)ことに基づいて、可動鉄心430が後退状態であるとする構成になっている。さらに、状態検出部462は、検出された結果が可動鉄心430が進出状態であることを示す進出状態信号、または検出された結果がソレノイド429の可動鉄心430が後退状態であることを示す後退状態信号を監視部463に出力する。
【0146】
監視部463は、進出状態信号が入力され、かつ、施錠操作位置信号が入力された場合、または、後退状態信号が入力され、かつ、解除操作位置信号が入力された場合を正常状態とし、それ以外を異常状態として監視する。また、この監視部463で異常状態が検出されると、ランプ470の点灯およびスピーカ471から出力される音声により異常であることが報知される。
【0147】
なお、鍵位置検出部460は、本発明の鍵位置検出手段に相当する。可動部制御部461は、可動部制御手段に相当する。状態検出部462は、状態検出手段に相当する。監視部463は、監視手段に相当する。ランプ470、スピーカ471は、報知手段に相当する。
【0148】
次に、電源装置313について説明する。電源装置313は、主制御基板400、音声ランプ制御基板401、鍵装置440、状態検出部462などに電源電圧を供給する。なお、音声ランプ制御基板401、鍵装置440へは、電源中継基板266を介して電源電圧が供給される。また、本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも音声ランプ制御基板401、状態検出部462などに電源供給を行うことができ、停電時においても、音声ランプ制御装置262の監視部463での監視が行われ、異常であることが報知されるようになっている。
【0149】
また、電源装置313には、RAM消去スイッチ323が備えられている。このRAM消去スイッチ323は押しボタンスイッチとなっており、この押しボタンスイッチを押すことでRAM消去信号S2が主制御装置261に送信(出力)される。なお、RAM消去スイッチ323は押しボタンスイッチ以外のスイッチを用いるようにしてもよい。なお、RAM消去スイッチ323は、本発明の操作手段に相当する。
【0150】
次に、上記のように構成されたパチンコ機10の主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)とを係止する動作について、図16(a),図16(b)を用いて説明する。図16(a)は、ソレノイド429の可動鉄心430の位置が後退状態であることを示す説明図である。図16(b)は、ソレノイド429の可動鉄心430の位置が進出状態であることを示す説明図である。
【0151】
音声ランプ制御装置262の鍵装置440に備えられた鍵穴441の位置が解除操作位置である場合は、図16(a)に示すように、ソレノイド429の可動鉄心430は、音声ランプ制御基板ボックス265から少し出た状態であるが、主制御基板ボックス263内にある受け部435の嵌合孔436には、挿入されていない状態(後退状態)である。
【0152】
この図16(a)に示す状態において、鍵を鍵穴441に挿入し、この鍵が施錠操作位置に位置するように回転させることで、図16(b)に示すように、ソレノイド429の可動鉄心430は、主制御基板ボックス263内にある受け部435の嵌合孔436に挿入(嵌合)され、さらに、ソレノイド429の可動鉄心430は、音声ランプ制御基板ボックス265に設けられた終端穴437に挿入(嵌合)される。このように、通常(故障などの特別な状態以外)、パチンコ機10において、主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)とが係止され、容易に主制御装置261を取り外すことができない状態となっている。
【0153】
また、この終端穴437にソレノイド429の可動鉄心430が挿入されている状態において、状態検出部462でソレノイド429の可動鉄心430が進出状態であることを検出する。なお、終端穴437にソレノイド429の可動鉄心430が挿入されていない状態では、可動鉄心430が後退状態であることを検出する。
【0154】
ここで、このソレノイド429の可動鉄心430が進出状態である場合に、不正に可動鉄心430をパチンコ機10から主制御装置261を取り外すことが可能な位置まで動かした場合は、状態検出部462により、ソレノイド429の可動鉄心430が後退状態であることが検出され、後退状態信号を監視部463に出力する。また鍵の位置は、施錠操作位置であるから鍵位置検出部460は、施錠操作位置信号が監視部463に出力されている。これら、後退状態信号と施錠操作位置信号とが監視部463が入力されている状態では、監視部463は、異常状態であるとし、ランプ470およびスピーカ471に異常であることがわかるように報知する。例えば、スピーカ471からは、「不正取り外し中」と音声で報知する。
【0155】
さらに、ソレノイド429は、電源供給がされていない状態において進退状態を保持でき、具体的には遊技場の営業が終了し、電源装置313が電源断状態において、図16(b)に示すような可動鉄心430を進出状態に保持することができる。つまり、主制御基板ボックス263は、可動鉄心430により音声ランプ制御基板ボックス265に係止された状態となり、不正に主制御基板ボックス263をパチンコ機10から取り外すことを低減された状態となっている。
【0156】
また、この電源装置313が電源断状態から電源投入状態となった場合に、主制御装置261の主制御基板400は、電源投入コマンドS3を生成し、この電源投入コマンドS3を音声ランプ制御装置262の音声ランプ制御基板401に送信する。また、音声ランプ制御基板401は、この電源投入コマンドS3を受信し、さらに、検出部462からの進出状態信号または後退状態信号の入力に基づいて、進出状態信号と後退状態信号とでは異なる報知を行う。例えば、この報知はランプ470およびスピーカ471により行われ、進出状態信号が入力されている場合は、電源装置313が電源投入状態となった場合に、正常状態であることを示す、ランプ470が点灯状態になり、スピーカ471が「正常状態です」と音声で報知する。後退状態信号が入力されている場合は、主制御装置261の主制御基板400を取り外すことが可能な状態である異常状態であることを示す、ランプ470が高速点灯状態になり、スピーカ471が「異常状態です」と音声で報知する。
【0157】
このように、音声ランプ制御装置262が電源装置313が電源投入状態である場合のソレノイド429の可動鉄心430の状態を検出し、この状態を示す報知を行うように制御するので、遊技場の関係者は、電源装置313の電源投入状態において、主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)を取り外せる状態であるか否かを容易に認識することができる。つまり、遊技場の関係者は、報知により取り外し可能状態であることを認識した場合、ソレノイド429の可動鉄心430を進出状態にさせ、遊技場での営業時間中および営業時間後において確実に取り外し不可能な状態にすることができる。したがって、不正に主制御基板ボックス263、音声ランプ制御装置262などをパチンコ機10から取り外すことを低減された状態となっている。
【0158】
次に、上記のように構成されたパチンコ機10の主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)との係止処理について、図17、図18を用いて説明する。図17、図18は主制御装置261と音声ランプ制御装置262との係止処理を説明するフローチャートである。また、図17は、ステップS101〜ステップS105までを示し、図18は、ステップS106〜ステップS119までを示している。また、ステップS101〜ステップS102では主制御装置261での処理、ステップS103〜ステップS119では音声ランプ制御装置262での処理を説明するものである。
【0159】
先ず、主制御装置261での処理について説明する。図17に示すように、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、例えばパチンコ機10の電源投入の際にRAM消去スイッチ323が押されている状態であるRAM消去スイッチON状態であるか否かを判別する。ここでRAM消去スイッチON状態である場合には、ステップS102に進む。またRAM消去スイッチ323が押されていない状態であるRAM消去スイッチOFF状態である場合には、係止動作は実行することはできず、本処理を終了する。
【0160】
また、具体的には、主制御装置261のCPU501は、RAM消去スイッチが押されると、図12に示す電源装置313に備えられたRAM消去スイッチ回路543により、RAM消去スイッチ323が押されていることを示すRAM消去信号S2を主制御装置261に送信する。さらに、主制御装置261のCPU501は、このRAM消去信号S2の入力を検出し、この検出によりRAM消去スイッチON状態であると判別する。
【0161】
なお、上述したように、ステップS101で示されるRAM消去スイッチON状態である場合には、主制御基板400のCPU501に内蔵されている、この主制御基板400に関わる情報を記憶するRAM503の初期化処理がされる。つまり、RAM503に記憶された情報が消去される。例えば、RAM503の使用領域を0にクリアされる。
【0162】
また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、RAM消去信号S2の入力検出に基づいて、電源投入コマンド(電源投入信号)S3を音声ランプ制御装置262の音声ランプ制御基板401に送信(出力)する。なお、この電源投入コマンドS3は、RAM消去スイッチ323の操作がされている状態で、電源装置313からの電源電圧が入力されたことに基づいて、主制御装置261の主制御基板400で生成されるコマンドとする。
【0163】
次に、音声ランプ制御装置262での処理について説明する。ステップS103では、音声ランプ制御装置262のCPU402が主制御装置261からの電源投入コマンドS3を受信したか否かを判別する。電源投入コマンドS3が受信(入力)された場合にはステップS104に進み、電源投入コマンドS3が受信されていない場合には係止動作は実行されず、本処理を終了する。
【0164】
次に、ステップS104では、音声ランプ制御基板401に電源投入コマンドS3が受信されたことに基づいて、ソレノイド429の可動鉄心430を制御可能な状態とする。さらに、ステップS105に進み、このステップS105では、このソレノイド429の可動鉄心430が制御可能な状態であることをスピーカ471による音声およびランプ470による発光により報知する。例えば、スピーカ471からは、遊技場内で認識することができる程度の音量のである連続音が出力され、また、備えられた全てのランプ470が点灯している状態となる。その後、ステップS106に進む。
【0165】
次に、図18に示すように、ステップS106では、音声ランプ制御装置262のCPU402は、音声ランプ制御装置262に備えられた鍵装置440の鍵穴441に鍵が挿入されているか否かを判別する。ここで、鍵穴441に鍵が挿入されている場合には、ステップS107に進む。また、鍵穴441に鍵が挿入されていない場合には、ソレノイド429の可動鉄心430の進出動作または後退動作は行われずステップS117に進む。
【0166】
また、ステップS107では、音声ランプ制御装置262の鍵位置検出部460は、鍵が施錠操作位置にあるか否かを判別する。鍵が施錠操作位置にある場合は、ステップS111に進み、鍵が施錠操作位置でない場合は、ステップS115に進む。
【0167】
次のステップS108〜ステップS111では、ソレノイド429の可動鉄心430を後退させ、主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)とが係止されていない状態にし、主制御装置261を取り外し可能な状態にすることを説明する。
【0168】
ステップS108では、遊技場の関係者が鍵を施錠操作位置から解除操作位置に回転させる。続いて、ステップS109では、ステップS108で鍵が解除操作位置になったことに基づいて、音声ランプ制御基板401の鍵位置検出部460で鍵が解除操作位置であることを検出し、可動部制御部461に解除操作位置信号を出力する。さらに、ステップS110に進み、このステップS110では、解除操作位置信号が入力された可動部制御部461は、ソレノイド429の可動鉄心430が進出状態から後退状態になるように制御する。したがって、この後退状態において、主制御装置261が取り外し可能な状態となる。
【0169】
また、このステップS111では、このソレノイド429の可動鉄心430が進出している状態から後退している状態に移行する間、スピーカ471による音声およびランプ470による発光により報知する。ここで、上述したステップS105からこのステップS111までは、ステップS105で示す報知が続いている状態であるので、このステップS111での報知は、ステップS105での報知とは異なるものとし、例えば、スピーカ471のさらに音量を大きくし、ランプ470を高速点滅状態などとし、ソレノイド429の可動鉄心430が動作状態であることが認識できるようになっている。その後、ステップS117に進む。
【0170】
ここで、ステップS107で鍵が施錠操作位置でない場合に進むステップS112について説明する。このステップS112では、音声ランプ制御装置262の鍵位置検出部460は、鍵が解除操作位置にあるか否かを判別する。鍵が解除操作位置にある場合は、ステップS113に進み、鍵が施錠操作位置でない場合は、ステップS117に進む。ここで、ステップS117に進む場合とは、鍵が施錠操作位置でも解除操作位置でもないと判別されている状態であり、例えば、鍵位置検出部460が故障等により検出動作を正常に行われていない場合や鍵装置440の鍵穴441が施錠操作位置でも解除操作位置でもない位置で停止しているような場合である。
【0171】
次のステップS113〜ステップS116では、ソレノイド429の可動鉄心430を進出させ、主制御装置261(主制御基板ボックス263)と音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板ボックス265)とが係止される状態にし、主制御装置261を取り外し不可能な状態にすることについて説明する。
【0172】
ステップS113では、遊技場の関係者が鍵を解除操作位置から施錠操作位置に回転させる。続いて、ステップS114では、ステップS113で鍵が施錠操作位置になったことに基づいて、音声ランプ制御基板401の鍵位置検出部460で鍵が施錠操作位置であることを検出し、可動部制御部461に施錠操作位置信号を出力する。さらに、ステップS115に進み、このステップS115では、施錠操作位置信号が入力された可動部制御部461は、ソレノイド429の可動鉄心430が後退状態から進出状態になるように制御する。したがって、この進出状態において、主制御装置261が取り外し不可能な状態となる。その後、ステップS117に進む。
【0173】
次に、ステップS117では、音声ランプ制御装置262のCPU402は、ソレノイド429の可動鉄心430が制御可能な状態となってから30秒経過したか否かを判別する。30秒経過している場合にはステップS118に進み、30秒経過していない場合にはステップS106に戻る。したがって、ソレノイド429の可動鉄心430が制御可能な状態となってから30秒経過するまでの時間において、可動鉄心430を施錠操作位置または解除操作位置に動作させる制御が可能である。つまり、この30秒経過するまでの時間に主制御装置261を取り外し、または取り付けを行うことができる。
【0174】
次に、ステップS118では、ステップS105から継続されているスピーカ471とランプ470とでの報知を停止させる。続いて、ステップS119に進み、ソレノイド429の可動鉄心430を制御不可能な状態とし、本処理を終了する。
【0175】
上述したようにパチンコ機10によれば、遊技に関わる制御を行う主制御基板400と、主制御基板400を被包する主制御基板ボックス263と、主制御基板ボックス263が取付けられる音声ランプ制御基板ボックス265と、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止する係止部428と、を備え、係止部428は、通電されることに基づいて、進出状態(第1状態)または後退状態(第2状態)に可動自在となるソレノイド429の可動鉄心430と、可動鉄心430が進出状態である場合に、当該可動鉄心430と係合する受け部435と、を備えるとともに、音声ランプ制御基板ボックス265に可動鉄心430を備え、かつ、主制御基板ボックス263に受け部435を備えることで主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止するものであり、可動鉄心430の非通電状態において当該可動鉄心430は非通電状態となる直前の通電状態での進出状態または後退状態を保持するものであり、係止部428の可動鉄心430を通電状態とし、可動鉄心430を進出状態にすることで受け部435と係合し、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止することができる。つまり、主制御基板ボックス263は、音声ランプ制御基板ボックス265に取付ネジなどの機械部品により取付けられているだけでなく、電気的な係止部428により主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止することができるので、遊技場の関係者以外の者は、係止部428の可動鉄心430に通電しなければこの可動鉄心430を後退状態に可動自在とすることができず、また、係止部428の可動鉄心430を非通電状態にした場合に、当該非通電状態前の状態、例えば、受け部435と係合している進出状態で非通電状態にすると、進出状態を保持しているので、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことができないので、遊技場の関係者以外の者が不正に主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことを低減することができる。その結果、主制御基板400に対する不正行為を低減させることができる。
【0176】
係止部428は、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とが重なり合う箇所に備えられているので、係止部428は、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とにより隠されることになり、係止部428に触れることが困難となる。つまり、不正に係止部428に触れることを困難にでき、このように触れることができないので、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とが係止していない状態にすることができないことから、不正に主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことを低減することができる。
【0177】
係止部428は、可動鉄心430を進退駆動させる駆動部431を備え、駆動部431は、音声ランプ制御基板ボックス265により被包されているので、不正に駆動部431に触れることを困難にできる。つまり、駆動部431を不正操作することを低減できる。
【0178】
例えば、主制御装置261の動作に問題が発生し、この主制御装置261を取り外す必要が生じた場合に、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とが係止され、主制御装置261と音声ランプ制御装置262とに電源装置313からの電源電圧が供給することができない状態では、通常の電気的動作による係止解除することができず、主制御基板ボックス263をパチンコ機10から取り外すことができないが、主制御基板ボックス263に備えられた受け部435の基端部分は、ハーフカット加工が施されているので、主制御基板ボックス263の受け部435の基端部分に力を加えることで主制御基板ボックス263と受け部435とを切り離すことができる。つまり、強制的に主制御基板ボックス263と受け部435とを切り離すことで主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265との係止解除を行い、パチンコ機10から主制御基板ボックス263取り外すことができる。また、このように受け部435が切り離された主制御基板ボックス263が音声ランプ制御基板ボックス265に取付けられている場合には、その主制御基板ボックス263の切断跡から、音声ランプ制御基板ボックス265から強制的に取り外された主制御基板ボックス263であることが分かるし、何らかの不正行為があったのではないかという注意を促すことができ、不正行為の発見に有効である。
【0179】
ソレノイド429の可動鉄心430は棒状体であり、受け部435は、棒状体が嵌合する嵌合孔436を備え、可動鉄心430が進んだ状態にある場合に、当該可動鉄心430の棒状体が受け部435に嵌合されているので、可動鉄心430と受け部435とが係合することを好適に実現できる。
【0180】
可動鉄心430の進退を指示するための鍵が差し入れられる鍵穴441と、鍵を鍵穴441に挿入した状態で、当該鍵が所定の施錠操作位置にあることと、当該鍵が所定の解除操作位置にあることとを検出する鍵位置検出部460と、鍵位置検出部460で鍵が施錠操作位置にあると検出された場合に、可動鉄心430を進出させ、鍵位置検出部460で鍵が解除操作位置にあると検出された場合に、可動鉄心430を後退させる制御を行う可動部制御部461と、可動鉄心430と可動部制御部461とに電源電圧を供給する電源装置313と、を備えているので、鍵を鍵穴441に挿入して施錠操作位置に操作することで、可動鉄心430を進出させることができ、可動鉄心430を受け部435に係合した状態とすることができ、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止することができる。また、鍵を鍵穴441に挿入して解除操作位置に操作することで、可動鉄心430を後退させることができ、可動鉄心430の受け部435への係合を解除した状態とすることができ、主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265との係止を解除することができる。つまり、鍵がない場合は、可動鉄心430を進退させることができない。つまり、不正に可動鉄心430を進退させる場合は、鍵穴441に嵌合する鍵を用意する必要があるが、遊技場の関係者以外の者がこの鍵の詳細な形状などを知ることができず、この鍵を用意することは困難である。その結果、不正に可動鉄心430を進退させることを低減させることができる。
【0181】
可動鉄心430の進出状態と後退状態とを検出する状態検出部462と、状態検出部462で可動鉄心430の進出状態が検出され、かつ、鍵位置検出部460で鍵の施錠操作位置が検出された場合、または、状態検出部462で可動鉄心430の後退状態が検出され、かつ、鍵位置検出部460で鍵の解除操作位置が検出された場合を正常状態とし、それ以外を異常状態として監視する監視部463と、監視部463で異常状態が検出されると、報知を行うランプ470、スピーカ471と、を備えているので、鍵の操作位置と可動鉄心430の進退状態とが不正状態である場合に報知を行うことができる。
【0182】
可動部制御部461が制御可能状態であることを報知するランプ470とスピーカ471とを備えているので、RAM消去スイッチ323を操作して可動鉄心430を制御可能状態にしようとすると、ランプ470とスピーカ471により報知されるので、遊技場に関係する者以外の者が可動鉄心430を制御可能とさせた場合には、不正な行為を行っていることを遊技場の関係者に知られることになり、主制御装置261を取り外すことが容易ではなくなる。その結果、不正行為を低減することができる。
【0183】
遊技盤30は、遊技球発射装置38により打ち込まれる遊技球が転動可能な遊技領域を有し、第1の始動口33は、遊技盤30に配設され、遊技球が入球または通過可能なものであり、作動口スイッチ224は、第1の始動口33での遊技球の入球または通過を検出し、可変入賞装置32は、遊技盤30に配設され、特定状態の場合に遊技球が入球可能となり、パチンコ機本体399は、遊技盤30と第1の始動口33と作動口スイッチ224と可変入賞装置32とを含み、制御手段は、遊技機本体399を主として制御する主制御基板400であり、主制御基板ボックス263は、主制御基板400を被包するものであり、音声ランプ制御基板ボックス265は、主制御基板400からの制御を受ける音声ランプ制御基板401を被包するものであり、係止部428は、可動鉄心430を第1状態または第2状態に駆動させる駆動部431を備え、音声ランプ制御基板401と駆動部431とを電気的に接続する接続ケーブル432と、音声ランプ制御基板401は、接続ケーブル432を介して、可動鉄心430を第1状態または第2状態に駆動させるための電源電圧を駆動部431に出力し、音声ランプ制御基板ボックス265は、駆動部431と接続ケーブル432とを被包するものであるので、遊技場の関係者以外の者が不正に接続ケーブル432を触れることができない。つまり、接続ケーブル432を介してまたは接続ケーブル432を取り外し、駆動部431に不正な信号を入力するなどして、可動鉄心430を進出状態または第2状態に可動させることはできない。したがって、不正に主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを取り外すことを低減することができる。その結果、制御手段(例えば各種制御基板)に対する不正行為を低減させることができる。
【0184】
主制御基板400と音声ランプ制御基板401とに電源電圧を供給する電源装置313と、操作可能なRAM消去スイッチ323と、を備え、主制御基板400は、情報を記憶するRAM503を備え、主制御基板400は、RAM消去スイッチ323の操作がされている状態で、電源装置313からの電源電圧が入力されたことに基づいて、RAM503に記憶された情報が消去され、さらに電源投入コマンドS3を生成し、かつ、この電源投入コマンドS3を音声ランプ制御基板401に出力し、音声ランプ制御基板401は、電源装置313からの電源電圧が入力されている状態で電源投入コマンドS3の入力に基づいて可動鉄心430を制御可能な状態としているので、主制御基板400に電源電圧が供給されているが、RAM消去スイッチ323での操作が行われない場合は、電源投入コマンドS3が生成されないため可動鉄心430を制御可能状態とすることができず、また、音声ランプ制御基板401に電源電圧が供給されていない場合は、主制御基板400からの電源投入コマンドS3が入力されないために可動鉄心430を制御可能状態とすることができない。つまり、主制御基板400と音声ランプ制御基板401とに電源電圧が供給されている状態で、さらに主制御基板400から出力された電源投入コマンドS3が音声ランプ制御基板401に入力されていないと可動鉄心430を制御可能とすることができない。したがって、通常は可動鉄心430を直接制御する音声ランプ制御基板401にのみ電源電圧を供給し、可動鉄心430を動作させようとするが、その他主制御基板400に電源電圧を供給し、電源投入コマンドS3を音声ランプ制御基板401に入力させる必要があり、遊技場に関係する者以外の者が可動鉄心430を制御可能とさせ主制御装置261を取り外すことが容易ではなくなる。その結果、不正行為を低減することができる。
【0185】
電源装置313から供給された電源電圧を中継する電源中継基板266を備え、電源中継基板266は、音声ランプ制御基板401に電源電圧を供給し、音声ランプ制御基板401を被包している音声ランプ制御基板ボックス265により被包されているので、電源中継基板266は、音声ランプ制御基板ボックス265により被包されているので、容易に電源中継基板266に触れることができず、不正に音声ランプ制御基板401に電源電圧を供給させることを困難とする。その結果、不正行為により音声ランプ制御基板401を動作させることを低減することができる。
【0186】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0187】
(1)上述した実施例では、音声ランプ制御基板ボックス265にソレノイド429(可動鉄心430)を備え、かつ、主制御基板ボックス263に受け部435を備え、これらソレノイド429と受け部435により主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止するものであったが、主制御基板ボックス263に可動鉄心430を備え、音声ランプ制御基板ボックス265を受け部435を備えることで主制御基板ボックス263と音声ランプ制御基板ボックス265とを係止するようにしてもよい。
【0188】
(2)上述した実施例では、係止部428は、ソレノイド429の可動鉄心430を進退駆動させる駆動部431を備え、駆動部431は、音声ランプ制御基板ボックス265により被包されているようにしていたが、受け部435を音声ランプ制御基板ボックス265に設けるとともに、駆動部431を主制御基板ボックス263に設け、かつ、この駆動部431は主制御基板ボックス263により被包されているようにしてもよい。したがって、駆動部431は主制御基板ボックス263により被包されているので、不正に駆動部431に触れることを困難にできる。つまり、駆動部431を不正操作することを低減できる。
【0189】
(3)上述した実施例では、ランプ470、スピーカ471は、監視部463で異常状態が検出されると、報知を行うようにしていたが、ランプ470、スピーカ471は、可動鉄心430の進出状態と後退状態とを検出する状態検出部462での可動鉄心430の後退状態の検出に基づいて報知を行うようにしてもよい。したがって、可動鉄心430が後退されると報知を行うことができる。つまり、可動鉄心430が後退されると、可動鉄心430と受け部435の係合が解除されることになり、主制御基板ボックス263の音声ランプ制御基板ボックス265からの取り外しが可能状態となるため、必ず報知を行うことで、不正行為を低減することができる。
【0190】
(4)上述した実施例では、ランプ470、スピーカ471は、監視部463で異常状態が検出されると、報知を行うようにしていたが、可動状態記憶部464と判定部465とを備えた音声ランプ制御基板の構成を示すブロック図である図19に示すように、可動鉄心430の進退状態を検出する状態検出部462と、状態検出部462で検出された可動鉄心430の進退状態を記憶する可動状態記憶部464と、この可動状態記憶部464で記憶された可動鉄心430の進退状態と、状態検出部462で検出される現在の可動鉄心430の進退状態との一致を判定する判定部465とが備えられ、判定部465で不一致と判定した場合に、報知を行うランプ470、スピーカ471とするようにしてもよい。したがって、可動状態記憶部464に記憶しておいた可動鉄心430の進退状態と、現在の可動鉄心430の進退状態とが不一致の場合に報知することができる。つまり、可動鉄心430を不正に進退状態を変えた場合には、可動状態記憶部464の記憶内容たる可動鉄心430の進退状態と現在の可動鉄心430の進退状態とが一致しないので、報知でもってその不正を知らせることができる。
【0191】
なお、可動状態記憶部464は、本発明の可動状態記憶手段に相当する。判定部465は、判定手段に相当する。
【0192】
(5)上述した実施例では、ソレノイド429は、キープソレノイドとして電磁コイルを共用として一つだけ備えるものとして説明したが、電磁コイルをそれぞれ別の電磁コイルとして備えるキープソレノイドを採用するようにしてもよい。この構成のように電磁コイルをそれぞれ別の電磁コイル(進出用コイル,後退用コイル)として備えている場合、可動部制御部261は、進出用コイルに電圧を印加することで可動鉄心430を進出状態とさせ、永久磁石によりこの進出状態が保持される。さらに、可動部制御部261は、後退用コイルに電圧を印加することで可動鉄心430を後退状態とさせ、永久磁石によりこの後退状態が保持される。
【0193】
(6)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0194】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0195】
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
【符号の説明】
【0196】
30 … 遊技盤
32 … 可変入賞装置(特定入球手段)
33 … 第1の始動口(入球手段)
38 … 遊技球発射装置(発射手段)
224 … 作動口スイッチ(遊技球検出手段)
263 … 主制御基板ボックス(被包部材)
265 … 音声ランプ制御基板ボックス(被取付部材)
266 … 電源中継基板(電源中継手段)
313 … 電源装置(電源手段)
323 … RAM消去スイッチ(操作手段)
399 … パチンコ機本体(遊技機本体)
400 … 主制御基板(制御手段)
401 … 音声ランプ制御基板(副制御基板)
428 … 係止部(係止手段)
430 … 可動鉄心(可動部)
431 … 駆動部(駆動手段)
432 … 接続ケーブル(接続手段)
435 … 受け部
436 … 嵌合孔
441 … 鍵穴
460 … 鍵位置検出部(鍵位置検出手段)
461 … 可動部制御部(可動部制御手段)
462 … 状態検出部(状態検出手段)
463 … 監視部(監視手段)
464 … 可動状態記憶部(可動状態記憶手段)
465 … 判定部(判定手段)
470 … ランプ(報知手段、制御可能報知手段)
471 … スピーカ(報知手段、制御可能報知手段)
503 … RAM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関わる制御を行う制御手段と、
前記制御手段を被包する被包部材と、
前記被包部材が取付けられる被取付部材と、
前記被包部材と前記被取付部材とを係止する係止手段と、
を備え、
前記係止手段は、
通電状態において第1状態または第2状態に可動自在となる可動部と、
前記可動部が第1状態である場合に当該可動部と係合する受け部と、
を備えるとともに、前記被包部材または前記被取付部材の一方に前記可動部を備え、かつ、前記被包部材または前記被取付部材の他方に前記受け部を備えることで前記被包部材と前記被取付部材とを係止するものであり、
さらに、前記可動部の非通電状態において当該可動部は非通電状態となる直前の通電状態での第1状態または第2状態を保持するものである、
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−56218(P2013−56218A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−281032(P2012−281032)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2011−47454(P2011−47454)の分割
【原出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】