説明

遊技用システム

【課題】遊技機の台移動や台入替が行われた場合にもそれらに対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能な遊技用システムを提供する。
【解決手段】管理装置40において、場内コンピュータ30から送信されてきたチップIDと台番号との対応付けが既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けが変更される(S05)。また場内コンピュータから送信されてきた遊技関連情報をチップIDと対応付けて記憶すると共に(S14)、該遊技関連情報に基づく演算を各チップID毎に行い(S23)、該演算結果を示す演算結果情報を各チップIDに対応する台番号と共に場内コンピュータに対して送信する(S24)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機での遊技に関連して発生する遊技関連情報を複数の遊技場について管理すると共に該遊技関連情報に基づく演算結果情報を各遊技場に対して提供するための遊技用システムに係り、特に遊技機の台移動や台入替(新規導入)が行われた場合にもそれらに対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能な遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、パチンコ機等の遊技機での遊技に関連して発生する遊技関連情報を複数の遊技場について管理する遊技用システムとして、複数の遊技場の各々に設けられたホールコンピュータにおいて遊技関連情報の収集・集計・演算等の処理を行い、該処理が行われた遊技関連情報を遊技場外に設けられた管理サーバにおいて管理するものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−263331号公報(第4頁,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記遊技用システムにおいては、遊技関連情報の演算処理を行うためのホールコンピュータを各遊技場に設ける必要があるので、該ホールコンピュータを導入するための各遊技場の費用負担が大きくなるという問題がある。また前記演算処理を行うための計算式は各遊技場毎にカスタマイズする必要があるが、該カスタマイズの作業を遊技場関係者が行うことは困難であることから、遊技用システムの導入時あるいは導入後における遊技場からの要請により、当該遊技用システムを販売する販売メーカの作業員が各遊技場まで出向いて設定作業を行う必要があるため、手間がかかると共に、販売メーカに該作業員の人件費負担が生じ、結果として遊技場が遊技用システムを導入・運営する費用負担が大きくなるという問題がある。さらに台移動を行った遊技機の遊技関連情報を移動の前後で継続して管理したり、台入替(新規導入)を行った遊技機の遊技関連情報を入替前の遊技機の遊技関連情報と区別して管理するためには、遊技場からの連絡等に基づいて管理サーバ側で台移動や台入替に対応する設定を人手により行う必要があるので、手間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技用システムを導入する費用負担を低減できると共に、遊技機の台移動や台入替が行われた場合にも、人手による設定等の手間をかけることなく、それらに対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能な遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず請求項1に係る発明は、複数の遊技場の各々に設けられ、各遊技場に配置される複数の遊技機(パチンコ機10)から出力される当該遊技機での遊技に関連して発生する遊技関連情報を収集する遊技関連情報収集手段(制御部32)と、前記遊技機から出力される当該遊技機を個々に識別可能な識別情報(チップID)を収集する識別情報収集手段(制御部32)と、該識別情報収集手段により収集された各遊技機の識別情報と当該遊技機の遊技場における配置位置を特定可能な配置位置情報(台番号)との対応付けを示す配置情報を遊技場外に送信する配置情報送信手段(場外通信部33)と、各遊技機の識別情報及び当該識別情報に対応する配置位置情報の少なくとも一方と対応付けて、前記遊技関連情報収集手段により収集した当該遊技機の遊技関連情報を遊技場外に送信する遊技関連情報送信手段(場外通信部33)と、を備える場内端末(場内コンピュータ30)と、遊技場外に設けられ、前記複数の遊技場の各々に設けられた各場内端末の配置情報送信手段から送信されてきた配置情報を各遊技場毎に記憶する配置情報記憶手段(台番号DB)と、前記複数の遊技場の各々に設けられた各場内端末の遊技関連情報送信手段から送信されてきた遊技関連情報を、該遊技関連情報と共に送信されてきた識別情報又は配置位置情報に対応する識別情報と対応付けて、各遊技場毎に記憶する遊技関連情報記憶手段(遊技関連情報DB)と、該遊技関連情報記憶手段に記憶されている遊技関連情報に基づく演算を各識別情報毎に、各遊技場について行う演算手段(制御部42)と、該演算手段により各遊技場について演算された各識別情報毎の演算結果を示す演算結果情報を、当該識別情報と対応付けて前記配置情報記憶手段で記憶されている配置位置情報と共に各遊技場に送信する演算結果情報送信手段(通信部41)と、を備える管理装置(40)と、前記複数の遊技場の各々に設けられ、前記演算結果情報送信手段から送信されてきた演算結果情報を表示する表示手段(ディスプレイ35)を備える情報表示端末(場内コンピュータ30)と、からなり、前記配置情報記憶手段は、前記配置情報送信手段から送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けが既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けを当該送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けに変更することを特徴とする遊技用システム(1)である。
【0008】
また請求項2に係る発明は、請求項1に記載した遊技用システム(1)であって、前記場内端末(場内コンピュータ30)は、前記遊技機(パチンコ機10)から出力される当該遊技機の機種を特定可能な機種情報(チップID)を収集する機種情報収集手段(制御部32)と、各遊技機の識別情報(チップID)及び当該識別情報に対応する配置位置情報(台番号)の少なくとも一方と、前記機種情報収集手段により収集した当該遊技機の機種情報とを前記管理装置(40)に対して送信する機種情報送信手段(場外通信部33)と、をさらに備え、前記管理装置は、各機種情報毎に当該機種情報から特定される機種に属する遊技機に対する遊技関連情報の演算方法を記憶する機種別演算方法記憶手段(演算方法DB)をさらに備え、前記演算手段(制御部42)は、前記機種情報送信手段から送信されてきた機種情報から特定される機種について前記機種別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記各識別情報の遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システムである。
【0009】
また請求項3に係る発明は、請求項2に記載した遊技用システム(1)であって、前記機種情報は、前記識別情報(チップID)とされ、前記管理装置(40)は、前記識別情報と当該識別情報の遊技機が属する機種を示す情報とを含む機種対応情報を受信する機種対応情報受信手段(通信部41)と、該機種対応情報受信手段により受信した機種対応情報を記憶する機種対応情報記憶手段(台番号DB)と、該機種対応情報記憶手段の記憶情報に基づいて、前記各識別情報の遊技機が属する機種を特定する機種特定手段(制御部42)と、をさらに備え、前記演算手段(制御部42)は、該機種特定手段により特定された機種について前記機種別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記各識別情報の遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
また請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システム(1)であって、前記遊技関連情報記憶手段(遊技関連情報DB)は、前記配置情報記憶手段(台番号DB)により識別情報(チップID)と配置位置情報(台番号)との対応付けの記憶を変更する前後で区別して前記遊技関連情報を記憶し、前記演算手段(制御部42)は、前記配置情報記憶手段により識別情報と配置位置情報との対応付けの記憶を変更する前後で区別して前記遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システムである。
【0011】
また請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用システム(1)であって、前記管理装置(40)は、遊技関連情報の演算方法を各遊技場毎に記憶する遊技場別演算方法記憶手段(演算方法DB)をさらに備え、前記演算手段(制御部42)は、各遊技場について該遊技場別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システムである。
【0012】
さらに請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載した遊技用システム(1)であって、前記情報表示端末(場内コンピュータ30)は、前記演算結果情報送信手段(通信部41)から送信されてきた演算結果情報を所定の表示データに加工する表示データ加工手段(制御部32)をさらに備え、前記表示手段(ディスプレイ35)は、該表示データ加工手段により加工された表示データを表示することを特徴とする遊技用システムである。
【発明の効果】
【0013】
まず請求項1に係る遊技用システムによれば、管理装置において、演算手段により各遊技場の場内端末から送信されてきた遊技関連情報が演算されることによって、遊技関連情報の演算処理を行うためのホールコンピュータを各遊技場に設ける必要がないと共に、該演算処理を行うための演算方法の設定作業を各遊技場まで出向いて行う必要がないので、遊技用システムを導入する費用負担を低減できる。また管理装置において、場内端末から送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けが配置情報記憶手段で既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けが変更されることによって、台移動や台入替が行われた場合にも、管理装置側で人手による設定の手間をかけることなく台移動や台入替が認識されるので、台移動や台入替に対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能となる。
【0014】
また請求項2に係る遊技用システムによれば、場内端末において、機種情報送信手段により識別情報又は配置位置情報の少なくとも一方と機種情報収集手段により収集された機種情報とが管理装置に対して送信され、管理装置において、該送信されてきた機種情報から特定される機種について機種別演算方法記憶手段で各機種情報毎に記憶されている演算方法により各識別情報の遊技関連情報が演算されるので、各遊技機の機種を管理装置側で人手により設定する手間をかけることなく、各機種に対応した適切な演算方法による演算結果を提供できる。
【0015】
また請求項3に係る遊技用システムによれば、管理装置において、機種対応情報受信手段により受信した機種対応情報が示す識別情報と機種との対応付けが機種対応情報記憶手段で記憶されるので、機種情報が識別情報である場合にも、識別情報と機種との対応付けを管理装置側で人手により設定する手間が省ける。
【0016】
また請求項4に係る遊技用システムによれば、管理装置において、遊技関連情報記憶手段で台入替や台移動の前後で区別して遊技関連情報が記憶されると共に、演算手段により台入替や台移動の前後で区別して遊技関連情報が演算されるので、台入替や台移動の前後で区別して演算結果情報を遊技場に提供でき、遊技場側では台入替や台移動の効果を検討できる。
【0017】
また請求項5に係る遊技用システムによれば、管理装置において、遊技場別演算方法記憶手段で各遊技場毎に記憶されている演算方法により遊技関連情報が演算されるので、各遊技場毎にカスタマイズされた、各遊技場にとって有用性の高い情報を提供できる。
【0018】
さらに請求項6に係る遊技用システムによれば、情報表示端末において、表示データ加工手段により演算結果情報の加工が行われるので、管理装置から情報表示端末に対して送信する演算結果情報のデータ量を減らして通信コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用システム1は、遊技機(ここではパチンコ機10)での遊技に関連して発生する遊技関連情報を複数の遊技場について管理すると共に該遊技関連情報に基づく演算結果情報を各遊技場に対して提供するためのものであり、具体的には、図1に示すように、複数の遊技場の各々に設けられた場内端末(ここでは場内コンピュータ30)において、各遊技機の遊技関連情報を収集すると共に、各遊技機を個々に識別可能な識別情報(ここではチップID)を収集し、各遊技機の識別情報及び当該遊技機の遊技場における配置位置を特定可能な配置位置情報(ここでは台番号)の少なくとも一方と対応付けて前記収集した当該遊技機の遊技関連情報を遊技場外に送信し、遊技場外に設けられた管理装置40において、該遊技関連情報を識別情報と対応付けて各遊技場毎に記憶すると共に、該遊技関連情報に基づく演算を各識別情報毎に各遊技場について行い、該演算結果を示す演算結果情報を各識別情報に対応する配置位置情報と共に遊技場に送信し、複数の遊技場の各々に設けられた情報表示端末である場内コンピュータ30において、該演算結果情報を表示するものである。
【0020】
また遊技用システム1は、場内端末において、識別情報と配置位置情報との対応付けを示す配置情報を前記管理装置40に対して送信し、管理装置40において、該配置情報を各遊技場について記憶するものであるが、特に場内端末から送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けが既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けが変更されることによって、遊技機の台移動や台入替(新規導入)が行われた場合にも、管理装置側で人手による設定の手間をかけることなく台移動や台入替が認識されるので、台移動や台入替に対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能となるものである。
【0021】
ここで遊技用システム1には、後述する図8に示すように、前記配置情報を遊技場の営業開始前に送信する(S03)第1実施形態と、後述する図10に示すように、前記配置情報を演算結果情報の送信要求と共に送信する(S22’)第2実施形態とが含まれる。以下においては、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。また、以下においては、データベースを「DB」と略記する。
【0022】
[1.第1実施形態に係る遊技用システム1]
まず、図1〜図7を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の構成について説明する。遊技用システム1は、図1に示すように、複数の遊技場(ここでは遊技場A〜Z)の各々に設けられる場内コンピュータ30と、遊技場外(ここでは後述するCR玉貸ユニットで使用されるプリペイドカードの発行及び管理を行うカード会社)に設けられる管理装置40と、からなる。なお各遊技場内の構成は略同様であるため、以下においては、遊技場A内の構成についてのみ図示及び説明し、遊技場B〜Z内の構成については図示及び説明を省略する。
【0023】
ここで管理装置40は、パチンコ機10の製造を行う複数の遊技機メーカー2(ここでは遊技機メーカーAA〜ZZ)と通信可能に接続されている。この各遊技機メーカー2は、図1に示すように、各遊技場に納入したパチンコ機10のチップIDと当該チップIDのパチンコ機10が属する機種を示す情報とを含む機種対応情報を、管理装置40に対して送信する。なお機種対応情報には、当該チップIDのパチンコ機10が属する機種名も含まれる。ここでチップIDは、各パチンコ機10を個々に識別可能な識別情報の一例であって、各パチンコ機10の遊技制御基板11に備えられたワンチップマイコンである基本回路12に実装されているROM12bに記憶されており、ここでは遊技機メーカー1を表す2桁のアルファベットとユニークな8桁の数字からなる。また機種は、第1種(いわゆるデジパチ),第2種(いわゆる羽根もの),又は第3種(いわゆる権利もの)のいずれかの種別であり、該第1種には、対応するCR玉貸ユニットとの間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われることによってパチンコ機から払い出されるパチンコ玉を使用して遊技を行うCR機と、対応する現金玉貸ユニットから払い出されるパチンコ玉を使用して遊技を行う現金機がある。
【0024】
また場内コンピュータ30は、複数の台端末20を介して、複数のパチンコ機10と通信可能に接続されている。パチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、前述した第1種のCR機,第1種の現金機,第2種,又は第3種のいずれかの機種である。このパチンコ機10は、前記チップIDによって該パチンコ機10を個々に識別可能とされている。またパチンコ機10は、遊技場に設けられた遊技島(図示外)において機種等に従って所定の位置に配置されており、台番号によって該配置位置を特定可能とされている。ここで台番号は、パチンコ機10の遊技場における配置位置を特定可能な配置位置情報の一例である。このパチンコ機10の内部には、遊技制御基板11が設けられており、該遊技制御基板11は、当該パチンコ機10の遊技に関する制御を実行する基本回路12と、各種の情報を出力する情報出力回路13とを備えている。
【0025】
基本回路12は、CPU12a,ROM12b,RAM12c,及びI/O12d等を備えており、ROM12bに記録されている処理プログラムがRAM12cを作業領域としてCPU12aで実行されることにより、当該パチンコ機10の遊技に関する制御を実行するものである。即ち基本回路12は、CPU12a,ROM12b,RAM12c,及びI/O12dを一つのチップに集約して実装したワンチップマイコンである。ここでROM12bには、前記チップIDが記憶されている。
【0026】
情報出力回路13は、基本回路12のI/O12d及び台端末20と通信可能に接続されている。この情報出力回路13は、場内コンピュータ30から送信されてくるチップID送信要求に応じて、基本回路12のROM12bに記憶されているチップIDを、台端末20を介して場内コンピュータ30に対して送信するものである。また情報出力回路13は、基本回路12から出力される遊技関連情報を、台端末20を介して場内コンピュータ30に対して送信するものである。ここで遊技関連情報としては、以下に説明する各種の信号が出力される。
【0027】
まず第1種のCR機においては、遊技領域に打ち込まれて遊技に使用されたパチンコ玉(以下「打込玉」という。)が始動入賞口に入賞した場合には、複数種類の識別情報である図柄を可変表示可能な可変表示装置の可変表示が開始されて所定時間の経過後に該可変表示が停止すると共に、該可変表示の停止を特定可能な情報として、1パルスのスタート信号が出力される。
【0028】
また可変表示装置の表示結果が予め定められた所定態様となった場合には、遊技者にとって有利な遊技状態(いわゆる特賞=大当り)が発生して、閉成されていた大入賞口が開成されて前記打込玉が大入賞口に入賞可能になると共に、該特賞の発生を特定可能な情報として、該特賞の発生から終了までの間において継続的な特賞信号が出力される。
【0029】
また可変表示装置の表示結果が予め定められた特別の所定態様となった場合には、前記特賞の発生確率が通常確率から高確率に変動する確率変動状態(以下単に「確変」という。)が発生して、該確変の発生を特定可能な情報として、該確変の発生から終了までの間において継続的な確変信号が出力される。
【0030】
また遊技領域に打ち込まれた打込玉が各入賞口に入賞した場合には、各入賞口に応じた所定数のパチンコ玉が賞球として払い出されると共に、該賞球数を特定可能な情報として、10個の賞球が払い出される毎に1パルスの賞球信号が出力される。
【0031】
なお各入賞口に入賞した打込玉及びいずれの入賞口にも入賞しなかった打込玉は、パチンコ機10の背後における遊技島に設けられたアウトタンク(図示外)に導かれ、該アウトタンクに付設された打込玉カウンタ(図示外)にて打込玉数が計数されると共に、該打込玉数を特定可能な情報として、10個のパチンコ玉が計数される毎に1パルスの打込玉信号が該打込玉カウンタから出力される。
【0032】
なお第1種の現金機においては、遊技関連情報として、前述したスタート信号,特賞信号,賞球信号,及び打込玉信号が出力されるが、確変は発生しないので前記確変信号は出力されない。また第2種においては、遊技関連情報として、1始動入賞口への入賞を示す1始動入賞信号,2始動入賞口への入賞を示す2始動入賞信号,及び前記特賞信号等が出力される。また第3種においては、前記スタート信号,権利発生を示す権利発生信号,及び図柄が揃った旨を示す図柄揃い信号等が出力される。
【0033】
台端末20は、遊技島に設けられ、パチンコ機10(及び打込玉カウンタ)から出力されるチップIDや各種遊技関連情報を、場内コンピュータ30に対して出力するものである。この台端末20は、複数の接続端子(例えばA〜Dの4つの接続端子)を備え、各接続端子に各パチンコ機10を接続することにより、該接続された機器との間で通信可能なものである。ここで台端末20は、パチンコ機10から収集したチップIDや各種遊技関連情報と共に、当該台端末20の台端末番号と、該パチンコ機10が接続されている接続端子名とを、場内コンピュータ30に対して出力する。そして場内コンピュータ30は、各パチンコ機10の台番号と、当該パチンコ機10が接続されている台端末20の台端末番号及び接続端子名とを対応付けて記憶しているので、チップIDや各種遊技関連情報と共に台端末番号及び接続端子名が送信されてきたときに、該送信されてきたチップIDや各種遊技関連情報がいずれの台番号のパチンコ機10から出力されたものであるかを特定できる。
【0034】
場内コンピュータ30は場内端末の一例であって、後述する識別情報収集手段,機種情報収集手段,及び遊技関連情報収集手段(制御部32)や、配置情報送信手段,遊技関連情報送信手段,及び機種情報送信手段(場外通信部33)を備えるものである。また場内コンピュータ30は情報表示端末の一例であって、後述する表示データ加工手段(制御部32)や、表示手段(ディスプレイ35)を備えるものである。この場内コンピュータ30は、図1に示すように接続される場内通信部31,制御部32,場外通信部33,入力装置34,及びディスプレイ35等を備えている。
【0035】
場内通信部31は、台端末20と通信可能に接続され、パチンコ機10から出力されるチップIDや各種遊技関連情報を、当該パチンコ機10が接続されている台端末20の台端末番号及び接続端子名と共に、該台端末20を介して受信するものである。
【0036】
制御部32は、CPU,RAM,ROM等を備え、ハードディスク35に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、場内コンピュータ30に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
【0037】
この制御部32は識別情報収集手段の一例であって、パチンコ機10から出力される当該パチンコ機10を個々に識別可能な識別情報である前記チップIDを収集するものである。また制御部32は機種情報収集手段の一例であって、パチンコ機10から出力される当該パチンコ機10の機種を特定可能な機種情報を収集するものであり、ここでは該機種情報として、前記識別情報であるチップIDを収集する。具体的には、遊技場の営業開始前に、各パチンコ機10に対してチップID送信要求を送信する処理を行い、該チップID送信要求に応じて各パチンコ機10から台端末20を介して台端末番号及び接続端子名と共に送信されてくるチップIDを収集し、図2に示すように、該収集した台端末番号及び接続端子名から特定される台番号と該収集したチップIDとを対応付けた配置情報を作成する。
【0038】
また制御部32は遊技関連情報収集手段の一例であって、パチンコ機10から出力される当該パチンコ機10での遊技に関連して発生する遊技関連情報を収集するものである。具体的には、遊技場の営業中に、各パチンコ機10から台端末20を介して台端末番号及び接続端子名と共に送信されてくる遊技関連情報を収集し、図3に示すように、該収集した台端末番号及び接続端子名から特定される台番号と対応付けて、該収集した遊技関連情報を集計する。
【0039】
ここで第1種のCR機については、図3(a)に示すように、打込玉信号の受信数に信号比(ここでは打込玉10個で1パルスの打込玉信号が出力されるので、信号比は10)を乗じた「打込玉数」,賞球信号の受信数に信号比(ここでは賞球10個で1パルスの賞球信号が出力されるので、信号比は10)を乗じた「払出玉数」,スタート信号の受信数である「スタート回数」,特賞信号の受信数である「特賞回数」,及び確変信号の受信数である「確変回数」が、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計されると共に、図示しないが、特賞信号の受信中における打込玉数である「特賞中打込玉数」,確変信号の受信中における打込玉数である「確変中打込玉数」,特賞信号の受信中における払出玉数である「特賞中払出玉数」,確変信号の受信中における払出玉数である「確変中払出玉数」,及び確変信号の受信中におけるスタート回数である「確変中スタート回数」も、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計される。
【0040】
また第1種の現金機については、図3(b)に示すように、第1種のCR機と同様の「打込玉数」,「払出玉数」,「スタート回数」,及び「特賞回数」が、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計されると共に、図示しないが、第1種のCR機と同様の「特賞中打込玉数」,及び「特賞中払出玉数」も、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計される。また第2種については、図3(c)に示すように、第1種のCR機と同様の「打込玉数」,及び「払出玉数」と、1始動入賞信号の受信数である「1始動入賞数」,2始動入賞信号の受信数である「2始動入賞数」,及び特賞信号の受信数である「特賞回数」が、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計される。さらに第3種については、図3(d)に示すように、第1種のCR機と同様の「打込玉数」,「払出玉数」,及び「スタート回数」と、権利発生信号の受信数である「権利発生回数」,及び図柄揃い信号の受信数である「図柄揃い回数」が、遊技関連情報として各パチンコ機10毎に集計される。
【0041】
さらに制御部32は表示データ加工手段の一例であって、後述する演算結果情報送信手段(通信部41)から送信されてきた演算結果情報を所定の表示データに加工するものであるが、その作用の詳細については、図9のD3及びD6を参照して後述する。
【0042】
場外通信部33は、管理装置40の後述する通信部41と通信可能に接続され、場内コンピュータ30と管理装置40との間における通信を司るものである。この場外通信部33は配置情報送信手段の一例であって、前記識別情報収集手段により収集された各パチンコ機10のチップIDと台番号との対応付けを示す前記配置情報を遊技場外の管理装置40に対して送信するものである。この配置情報送信手段として機能する場外通信部33は、遊技用システム1の導入時における配置情報を、管理装置40に対して送信する。また第1実施形態では、配置情報送信手段として機能する場外通信部33は、前述の如く制御部32により作成された配置情報(図2を参照)を、遊技場の営業開始前において、管理装置40に対して送信する。
【0043】
また場外通信部33は遊技関連情報送信手段の一例であって、各パチンコ機10のチップID及び当該チップIDに対応する台番号の少なくとも一方と対応付けて、前記遊技関連情報収集手段により収集した当該パチンコ機10の遊技関連情報を遊技場外の管理装置40に対して送信するものである。この第1実施形態では、遊技関連情報送信手段として機能する場外通信部33は、前述の如く制御部32により集計された遊技関連情報(図3を参照)を、各パチンコ機10のチップIDと対応付けて、遊技場の営業中において所定のタイミング(例えば1時間毎)で、管理装置40に対して送信する。
【0044】
さらに場外通信部33は機種情報送信手段の一例であって、各パチンコ機10のチップID及び当該チップIDに対応する台番号の少なくとも一方と、前記機種情報収集手段により収集した当該パチンコ機10の機種情報とを遊技場外の管理装置40に対して送信するものである。ここで機種情報は、前述の如くチップIDであるため、前記遊技関連情報送信手段により遊技関連情報と共に送信されるチップID(図3を参照)が機種情報に相当し、該遊技関連情報送信手段が機種情報送信手段に相当する。
【0045】
入力装置34は各種の入力を受け付けるためのものであり、例えばキーボード及びマウスである。ディスプレイ35は各種の情報を表示するためのものであり、例えば液晶表示器である。このディスプレイ35は表示手段の一例であって、後述する演算結果情報送信手段(通信部41)から送信されてきた演算結果情報を表示するものであると共に、前記表示データ加工手段により加工された表示データを表示するものであるが、その作用の詳細については、図9のD2〜D3及びD5〜D6を参照して後述する。
【0046】
管理装置40は、後述する機種対応情報受信手段(通信部41)や、機種別演算方法記憶手段,及び遊技場別演算方法記憶手段(ハードディスク43の演算方法DB)や、配置情報記憶手段,及び機種対応情報記憶手段(ハードディスク43の台番号DB)や、遊技関連情報記憶手段(ハードディスク43の遊技関連情報DB)や、機種特定手段,及び演算手段(制御部42)や、演算結果情報送信手段(通信部41)を備えるものである。この管理装置40は、図1に示すように接続される通信部41,制御部42,及びハードディスク43等を備えている。
【0047】
通信部41は、前述の如く、遊技機メーカー2と通信可能に接続されている。この通信部41は機種対応情報受信手段の一例であって、チップIDと当該チップIDのパチンコ機10が属する機種を示す情報とを含む機種対応情報を受信するものであり、具体的には、遊技機メーカー2から送信されてくる機種対応情報(図1の表を参照)を受信する。
【0048】
また通信部41は、前述の如く、場内コンピュータ30の場外通信部33と通信可能に接続されている。この通信部41は、場内コンピュータ30から送信されてくる配置情報(図2を参照),遊技関連情報(図3を参照),及び機種情報であるチップID(図3を参照)を受信する。また通信部41は、演算結果情報送信手段として機能するものであるが、その詳細については後述する。
【0049】
制御部42は、CPU,RAM,ROM等を備え、ハードディスク43に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、管理装置40に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部42は、機種特定手段,及び演算手段として機能するものであるが、その詳細については後述する。
【0050】
記憶装置であるハードディスク43は、図4に示す演算方法DB,図5に示す台番号DB,及び図6に示す遊技関連情報DBを記憶している。
【0051】
演算方法DBは機種別演算方法記憶手段の一例であって、図4に示すように、各機種情報毎に当該機種情報から特定される機種に属するパチンコ機10に対する遊技関連情報の演算方法を記憶するものである。また演算方法DBは遊技場別演算方法記憶手段の一例であって、図4に示すように、遊技関連情報の演算方法を各遊技場毎に記憶するものである。
【0052】
具体的には、演算方法DBでは、前記機種情報である各機種毎に、当該機種に属するパチンコ機10に対する遊技関連情報の演算方法として演算項目及び演算式が記憶されることにより、当該機種について演算を行う演算方法が記憶されている。ここでは各機種について共通に打込玉数,払出玉数,差玉数,及び出玉率の各演算方法が記憶され、第1種のCR機についてベース,高確ベース,スタート回数,スタート%,高確スタート%,特賞回数,及び確変回数の各演算方法が記憶され、第1種の現金機についてベース,スタート回数,スタート%,及び特賞回数の各演算方法が記憶され、第2種について1始動入賞数,2始動入賞数,及び特賞回数の各演算方法が記憶され、第3種についてスタート回数,権利発生回数,及び図柄揃い回数の各演算方法が記憶されている。
【0053】
また演算方法DBでは、各遊技場毎に、遊技関連情報の各演算方法について○印が記憶されることにより、当該遊技場について演算を行う遊技関連情報の演算方法が記憶されている。ここでは遊技場Aについて、各機種に対して共通に差玉数,及び出玉率の演算を行う旨が記憶され、第1種のCR機に対してベース,高確ベース,スタート回数,スタート%,高確スタート%,特賞回数,及び確変回数の演算を行う旨が記憶され、第1種の現金機に対してベース,スタート回数,スタート%,及び特賞回数の演算を行う旨が記憶され、第2種に対して1始動入賞数,2始動入賞数,及び特賞回数の演算を行う旨が記憶され、第3種に対してスタート回数,権利発生回数,及び図柄揃い回数の演算を行う旨が記憶されており、同様に遊技場B,C…についても、いずれの遊技関連情報の演算を行うかが記憶されている。
【0054】
台番号DBは配置情報記憶手段の一例であって、図5(a)に示すように、複数の遊技場の各々に設けられた各場内コンピュータ30の配置情報送信手段(場外通信部33)から送信されてきた配置情報(即ちチップIDと台番号との対応付け)を各遊技場毎に記憶するものである。また台番号DBは機種対応情報記憶手段の一例であって、図5(a)に示すように、機種対応情報受信手段(通信部41)により受信した機種対応情報(即ちチップIDと当該チップIDのパチンコ機10が属する機種を示す情報)を記憶するものであり、ここでは当該チップIDのパチンコ機10が属する機種名も記憶している。
【0055】
具体的には、台番号DBでは、各遊技場毎にデータテーブルが設けられており、各データテーブルでは、各場内コンピュータ30から送信されてきた図2に示す配置情報に基づいて、各台番号と対応付けて各チップIDが記憶されていると共に、各遊技機メーカー2から送信されてきた図1に示す機種対応情報に基づいて、各チップIDと対応付けて各機種及び各機種名が記憶されている。このように、管理装置40において、通信部41により受信した機種対応情報が示すチップIDと機種との対応付けが台番号DBで記憶されるので、機種情報がチップIDである場合にも、チップIDと機種との対応付けを管理装置40側で人手により設定する手間が省ける。ここで本実施例における機種とは、各パチンコ機10が第1種,第2種,又は第3種のうちのいずれであるかを示すと共に、玉貸ユニットと接続されているCR機か接続されていない現金機かを示す、つまり各パチンコ機10のタイプを示す情報とされ、機種名とは、各タイプ(機種)に属するパチンコ機10に個別に付与されている名称を示すものである。
【0056】
ここで配置情報記憶手段として機能する台番号DBは、図5(b)に示すように、配置情報送信手段(場外通信部33)から送信されてきた配置情報が示すチップIDと台番号との対応付けが既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けを当該送信されてきた配置情報が示すチップIDと台番号との対応付けに変更するものである。
【0057】
具体的には、制御部42により、図5(a)に示す台番号DBと前記送信されてきた図2に示す配置情報との照合が行われて、該台番号DBで既に記憶している対応付けと該送信されてきた配置情報が示す対応付けとが異なっているか否かが各台番号毎に判定され、前者と後者の対応付けが異なっていると判定された台番号について、台番号DBで既に記憶されているチップIDが、前記送信されてきたチップIDに変更される。ここでは台番号0001〜0003,0101〜0103,及び0201〜0203について、前者と後者の対応付けが異なっていると判定されるので、図5(a)に示すように台番号DBで既に記憶されているチップIDが、図5(b)に示すように前記送信されてきたチップIDに変更される。そして該変更されたチップIDに対応する機種の記憶も、各遊技機メーカー2から送信されてきた図1に示す機種対応情報に基づいて変更される。
【0058】
なお第1実施形態では、台番号DBにおけるチップIDの変更が台移動によるものか台入替(新規導入)によるものかも判定される。具体的には、制御部42により、変更されたチップIDについて、図5(a)に示す変更前の台番号DBにも記憶されているか否かが各チップID毎に判断され、記憶されていると判断されたチップIDについては、該チップIDの変更が台移動によるものと判定され、記憶されていないと判断されたチップIDについては、該チップIDの変更が台入替(新規導入)によるものと判定される。ここでは変更されたBB74812364,BB49813654,BB17483698,AA33471155,AA44985164,及びAA74125896の各チップIDについては、図5(a)にも記憶されているので、該チップIDの変更が台移動によるものと判定され、また変更されたAA36547189,AA08397841,及びAA14785236の各チップIDについては、図5(a)には記憶されていないので、該チップIDの変更が台入替(新規導入)によるものと判定される。
【0059】
遊技関連情報DBは遊技関連情報記憶手段の一例であって、図6に示すように、複数の遊技場の各々に設けられた各場内コンピュータ30の配置情報送信手段(場外通信部33)から送信されてきた遊技関連情報を、該遊技関連情報と共に送信されてきたチップID又は台番号に対応するチップIDと対応付けて、各遊技場毎に記憶するものであり、また配置情報記憶手段(台番号DB)によりチップIDと台番号との対応付けの記憶を変更する前後で区別して遊技関連情報を記憶するものである。
【0060】
具体的には、遊技関連情報DBでは、各遊技場毎に各チップIDについてのデータテーブルが設けられており、各チップIDについてのデータテーブルでは、遊技関連情報が送信されてきた日付と対応付けて、該送信されてきた遊技関連情報(即ち当該チップIDのパチンコ機10が属する機種について集計される遊技関連情報)が記憶(ここでは加算更新)される。また各チップIDについてのデータテーブルでは、遊技関連情報が送信されてきた日付と対応付けて、配置情報記憶手段(台番号DB)の記憶情報に基づいて、当該日付における当該チップIDに対応する台番号が記憶される。従って、チップIDがBB74812364であるパチンコ機10のように台移動されたパチンコ機10については、該台移動の前後で異なる台番号が記憶されるので、該台移動の前後で区別して遊技関連情報が記憶されることになる。
【0061】
ここで前記制御部42は機種特定手段の一例であって、機種対応情報記憶手段(台番号DB)の記憶情報に基づいて、各チップIDのパチンコ機10が属する機種を特定するものである。具体的には、遊技関連情報DBで記憶されている各チップIDについて、台番号DBの記憶情報に基づいて、各チップIDのパチンコ機10が属する機種が特定される。ここで特定された機種は、遊技関連情報DBで各チップIDのデータテーブルに記憶される。
【0062】
また前記制御部42は演算手段の一例であって、遊技関連情報記憶手段(遊技関連情報DB)に記憶されている遊技関連情報に基づく演算を各チップID毎に各遊技場について行うものである。また演算手段として機能する制御部42は、各遊技場について遊技場別演算方法記憶手段(演算方法DB)で記憶されている演算方法により遊技関連情報の演算を行うものである。さらに演算手段として機能する制御部42は、機種情報送信手段(場外通信部33)から送信されてきた機種情報から特定される機種について機種別演算方法記憶手段(演算方法DB)で記憶されている演算方法により各チップIDの遊技関連情報の演算を行うものであり、ここでは機種特定手段により特定された機種について機種別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により各チップIDの遊技関連情報の演算を行う。
【0063】
具体的には、まず後述する図9のD1に示すように、演算結果情報として本日データの送信を要求する旨の演算結果情報送信要求を各遊技場(例えば遊技場A)の場内コンピュータ30から受信すると、遊技関連情報DBで該遊技場について各チップID毎に記憶されている本日分の遊技関連情報を抽出する。次に演算方法DBで各チップIDに対応する機種について記憶されている演算方法及び当該遊技場について記憶されている演算方法で、前記抽出した本日分の遊技関連情報に基づく演算を、各チップID毎に行う。そして各チップID毎の演算結果を示す演算結果情報を、該各チップIDと対応付けて台番号DBで記憶されている台番号及び機種名と対応付けて、図7(a)に示す本日データを作成する。
【0064】
また演算手段として機能する制御部42は、配置情報記憶手段(台番号DB)によりチップIDと台番号との対応付けの記憶を変更する前後で区別して遊技関連情報の演算を行うものである。
【0065】
具体的には、まず後述する図9のD1及びD2に示すように、演算結果情報として指定されたパチンコ機10の台移動前後平均データの送信を要求する旨の演算結果情報送信要求を各遊技場(例えば遊技場A)の場内コンピュータ30から受信すると、遊技関連情報DBで該遊技場について各チップID毎に記憶されている遊技関連情報から、前記指定されたパチンコ機10のチップIDについて記憶されている全日分の遊技関連情報を、台移動の前後で区別して抽出する。次に演算方法DBで前記指定されたパチンコ機10のチップIDに対応する機種について記憶されている演算方法及び当該遊技場について記憶されている演算方法で、前記区別して抽出した台移動の前の遊技関連情報に基づく平均データの演算と、前記区別して抽出した台移動の後の遊技関連情報に基づく平均データの演算を、各チップID毎に行う。そして各チップID毎の台移動の前後で区別した演算結果を示す演算結果情報を、遊技関連情報DBで台移動の前後で区別して記憶されている台番号及び機種名と対応付けて、図7(b)に示す台移動前後平均データを作成する。
【0066】
なお図示しないが、複数回の台移動が行われている場合には、各回の台移動の前後で区別して遊技関連情報の演算を行う。具体的には、2回の台移動が行われている場合には、台入替(新規導入)時から1回目の台移動前までの遊技関連情報に基づく平均データの演算と、1回目の台移動後から2回目の台移動前までの遊技関連情報に基づく平均データの演算と、2回目の台移動後の遊技関連情報に基づく平均データの演算を行って、台移動前後平均データを作成する。
【0067】
また前記通信部41は演算結果情報送信手段の一例であって、演算手段により各遊技場について演算された各チップID毎の演算結果を示す演算結果情報を、当該チップIDと対応付けて配置情報記憶手段(台番号DB)で記憶されている台番号(及びここでは機種名)と共に各遊技場に送信するものであり、具体的には、図7(a)に示す本日データ又は図7(b)に示す台移動前後平均データを、各遊技場の場内コンピュータ30に対して送信する。
【0068】
次に、図8を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の作用について説明する。まず遊技場の営業開始前において、場内コンピュータ30は、各パチンコ機10に対してチップID送信要求を送信し、該チップID送信要求に応じて各パチンコ機10から台端末20を介して台端末番号及び接続端子名と共に送信されてくるチップIDを収集し(S01)、図2に示すように、該収集した台端末番号及び接続端子名から特定される台番号と該収集したチップIDとを対応付けた配置情報を作成し(S02)、該作成した配置情報を管理装置40に対して送信する(S03)。
【0069】
管理装置40は、図5(a)に示す台番号DBと前記送信されてきた図2に示す配置情報との照合を行い(S04)、該台番号DBで既に記憶しているチップIDと台番号との対応付けと該送信されてきた配置情報が示すチップIDと台番号との対応付けとが異なっているか否かを各台番号毎に判定する。ここで対応付けが異なると判定した台番号については、台番号DBで既に記憶されているチップIDを送信されてきたチップIDに変更する(S05)。また変更されたチップIDについては、図6に示す遊技関連情報DBで、前述の如く該チップIDの変更が台移動によるものと判定されたチップIDのデータテーブルに移動後の台番号を記憶すると共に、前述の如く該チップIDの変更が台入替(新規導入)によるものと判定されたチップIDのデータテーブルを新たに作成する(S06)。
【0070】
次に遊技場の営業中において、場内コンピュータ30は、遊技関連情報の発生に応じて各パチンコ機10から台端末20を介して台端末番号及び接続端子名と共に送信されてくる遊技関連情報を収集し(S11)、図3に示すように、該収集した台端末番号及び接続端子名から特定される台番号と対応付けて遊技関連情報を集計し(S12)、該集計した遊技関連情報を、各パチンコ機10のチップIDと対応付けて、所定のタイミング(例えば1時間毎)で、管理装置40に対して送信する(S13)。管理装置40は、図6に示す遊技関連情報DBで、前記送信されてきたチップIDのデータテーブルに前記送信されてきた遊技関連情報を記憶(加算更新)する(S14)。
【0071】
次に遊技場の営業中又は営業終了後において、場内コンピュータ30は、後述する図9のD1に示すように、演算結果情報送信要求を受け付け(S21)、該受け付けた演算結果情報送信要求を管理装置40に対して送信する(S22)。管理装置40は、前記図7に示すように、遊技場別及び機種別の演算方法に従って各チップIDに対応する遊技関連情報を演算し(S23)、該演算結果を示す演算結果情報を当該遊技場の場内コンピュータ30に対して送信する(S24)。場内コンピュータ30は、後述する図9のD2又はD5に示すように、該送信されてきた演算結果情報をディスプレイ35に表示する(S25)。
【0072】
次に、図9を参照して、場内コンピュータ30のディスプレイ35に表示される画面について説明する。場内コンピュータ30において、遊技場の係員の操作により演算結果情報送信要求モードが実行されると、D1に示す演算結果情報送信要求画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、送信を要求する演算結果情報の選択を促す旨が表示されると共に、該演算結果情報を選択するためのボタンとして、「本日データ」ボタン及び「台移動前後平均データ」ボタンが表示される。
【0073】
このD1で、遊技場の係員の操作により「本日データ」ボタンが操作されると、演算結果情報として本日データの送信を要求する旨の演算結果情報送信要求が管理装置40に対して送信され、該演算結果情報送信要求に応じて管理装置40から送信されてくる本日データ(図7(a)を参照)を受信すると、本日データ表示モードが実行されて、D2に示す本日データ表示画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、該受信した本日データが表示される。
【0074】
このD2で、遊技場の係員の操作により、本日データとして表示されている各演算結果情報のうちのある演算項目(例えば特賞回数)がクリックされると、D3に示す本日データ画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、表示データ加工手段である制御部32によって、前記クリックされた演算結果情報がグラフ形式(ここでは横軸に台番号,縦軸に特賞回数を表した棒グラフ)に加工されて表示される。
【0075】
一方、D1で、遊技場の係員の操作により「台移動前後平均データ」ボタンが操作されると、D4に示す演算結果情報送信要求画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、台移動前後平均データを要求する台番号の指定を促す旨が表示されると共に、該台番号を指定するための入力欄が表示される。このD4で、遊技場の係員の操作により、入力欄に所望の台番号が入力されて「指定」ボタンが操作されると、該指定されたパチンコ機10の台移動前後平均データの送信を要求する旨の演算結果情報送信要求が管理装置40に対して送信され、該演算結果情報送信要求に応じて管理装置40から送信されてくる台移動前後平均データ(図7(b)を参照)を受信すると、台移動前後平均データ表示モードが実行されて、D5に示す台移動前後平均データ表示画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、該受信した台移動前後平均データが表示される。
【0076】
このD5で、遊技場の係員の操作により、台移動前後平均データとして表示されている各演算結果情報のうちのある演算項目(例えば特賞回数)がクリックされると、D6に示す台移動前後平均データ画面がディスプレイ35に表示される。この画面では、表示データ加工手段である制御部32によって、前記クリックされた演算結果情報がグラフ形式(ここでは横軸に台番号,縦軸に特賞回数を表した棒グラフ)に加工され、台移動の前後で区別(ここでは網掛け無しが台移動後,網掛け有りが台移動前)されて表示される。
【0077】
ここでD2で表示される本日データ及びD5で表示される台移動前後平均データは、各遊技場について記憶されている演算方法により演算された演算結果情報である。このように、管理装置40において、演算方法DBで各遊技場毎に記憶されている演算方法により遊技関連情報が演算されるので、各遊技場毎にカスタマイズされた、各遊技場にとって有用性の高い情報を提供できる。
【0078】
またD2で表示される本日データ及びD5で表示される台移動前後平均データは、各機種について記憶されている演算方法により演算された演算結果情報である。このように、場内コンピュータ30において、制御部32により収集されたチップIDが管理装置40に対して送信され、管理装置40において、該送信されてきたチップIDから特定される機種について演算方法DBで各機種毎に記憶されている演算方法により各チップIDの遊技関連情報が演算されるので、各パチンコ機10の機種を管理装置40側で人手により設定する手間をかけることなく、各機種に対応した適切な演算方法による演算結果を提供できる。
【0079】
またD5で表示される台移動前後平均データは、台移動の前後で区別して演算された演算結果情報である。このように、管理装置40において、遊技関連情報DBで台入替や台移動の前後で区別して遊技関連情報が記憶されると共に、演算手段により台入替や台移動の前後で区別して遊技関連情報が演算されるので、台入替や台移動の前後で区別して演算結果情報を遊技場に提供でき、遊技場側では台入替や台移動の効果を検討できる。
【0080】
さらにD3で表示される本日データ及びD6で表示される台移動前後平均データは、場内コンピュータ30において所定の表示データに加工された演算結果情報である。このように、場内コンピュータ30において、表示データ加工手段により演算結果情報の加工が行われるので、管理装置40から場内コンピュータ30に対して送信する演算結果情報のデータ量を減らして通信コストを低減できる。
【0081】
以上に説明したように、本発明に係る遊技用システム1によれば、管理装置40において、演算手段により各遊技場の場内コンピュータ30から送信されてきた遊技関連情報が演算されることによって、遊技関連情報の演算処理を行うためのホールコンピュータを各遊技場に設ける必要がないと共に、該演算処理を行うための演算方法の設定作業を各遊技場まで出向いて行う必要がないので、遊技用システム1を導入する費用負担を低減できる。また管理装置40において、場内コンピュータ30から送信されてきた配置情報が示すチップIDと台番号との対応付けが台番号DBで既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けが変更されることによって、台移動や台入替が行われた場合にも、管理装置40側で人手による設定の手間をかけることなく台移動や台入替が認識されるので、台移動や台入替に対応した遊技関連情報の管理及び演算結果情報の提供が可能となる。
【0082】
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1]
次に、第2実施形態に係る遊技用システム1について説明する。この第2実施形態は、前記第1実施形態と比較して、配置情報送信手段(場外通信部33)による配置情報の送信タイミングが異なると共に、該送信タイミングの相違に基づく処理が異なるのみであり、その他の点は同様である。具体的には、第1実施形態において配置情報送信手段として機能する場外通信部33は、図2に示す配置情報を、遊技場の営業開始前において、管理装置40に対して送信するのに対し(図8のS03を参照)、第2実施形態において配置情報送信手段として機能する場外通信部33は、図2に示す配置情報を、遊技場の営業中又は営業終了後において、演算結果情報送信要求と共に、管理装置40に対して送信する(図10のS22’を参照)。
【0083】
ここで図10を参照して、第2実施形態に係る遊技用システム1の作用について説明する。まず遊技場の営業開始前において、場内コンピュータ30は、第1実施形態におけるS01〜S02と同様の処理を行う。
【0084】
次に遊技場の営業中において、場内コンピュータ30は、第1実施形態におけるS11〜S13と同様の処理を行う。管理装置40は、図6に示す遊技関連情報DBにおいて、前記S13で送信されてきたチップIDのデータテーブルが記憶されているか否かを判定する(S14’)。ここで記憶されていると判定された場合には、該遊技関連情報DBで、前記送信されてきたチップIDのデータテーブルに前記送信されてきた遊技関連情報を記憶(加算更新)する(S15’)。一方、記憶されていないと判定された場合には、該遊技関連情報DBで、前記送信されてきたチップIDのデータテーブルを作成し、該データテーブルに前記送信されてきた遊技関連情報を記憶(加算更新)する(S16’)。この時点では、遊技関連情報DBにおける各チップIDのデータテーブルには、当該チップIDに対応する本日の台番号は記憶されていない。
【0085】
次に遊技場の営業中又は営業終了後において、場内コンピュータ30は、前記図9のD1に示すように、演算結果情報送信要求を受け付け(S21)、前記S02で作成した配置情報と該受け付けた演算結果情報送信要求を管理装置40に対して送信する(S22’)。
【0086】
管理装置40は、図5(a)に示す台番号DBと前記送信されてきた図2に示す配置情報との照合を行い(S23’)、該台番号DBで既に記憶しているチップIDと台番号との対応付けと該送信されてきた配置情報が示すチップIDと台番号との対応付けとが異なっているか否かを各台番号毎に判定する。ここで対応付けが異なると判定した台番号については、台番号DBで既に記憶されているチップIDを送信されてきたチップIDに変更する(S24’)。また図6に示す遊技関連情報DBにおける各チップIDのデータテーブルに、当該チップIDに対応する本日の台番号を記憶する(S25’)。ここで本日の台番号として前日の台番号と異なる台番号が記憶されたチップIDのデータテーブルにおいては、台移動の前後で区別して遊技関連情報が記憶されたことになる。
【0087】
そして管理装置40は、前記図7に示すように、遊技場別及び機種別の演算方法に従って各チップIDに対応する遊技関連情報を演算し(S26’)、該演算結果を示す演算結果情報を当該遊技場の場内コンピュータ30に対して送信する(S27’)。場内コンピュータ30は、前記図9のD2又はD5に示すように、該送信されてきた演算結果情報をディスプレイ35に表示する(S28’)。
【0088】
なお第2実施形態においても、図9に示す場内コンピュータ30のディスプレイ35に表示される画面,及び効果は第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0089】
[3.変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0090】
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、遊技媒体であるメダルを賭数として使用することにより遊技を行うスロットマシンであっても良く、この場合には、レバーの操作に基づいて前記スタート信号及び前記打込信号(メダル1枚=1パルス)が出力され、メダルの払出に基づいて前記賞球信号(メダル1枚=1パルス)が出力され、BIGボーナスの発生に基づいて該BIGボーナスの発生を示す前記特賞信号が出力される。
【0091】
上記の実施形態では、場内端末と情報表示端末とが同一の装置(場内コンピュータ30)である例について説明したが、これに限らず、該場内端末と情報表示端末とはそれぞれ別個の装置であっても良い。また上記の実施形態では、管理装置40がカード会社に設けられる例について説明したが、これに限らず、該管理装置40はカード会社以外の機関に設けられるものであっても良い。
【0092】
上記の実施形態において、場内端末(場内コンピュータ30)で収集される遊技関連情報の種類は、図3に示すものには限らず、例えば玉貸ユニットから出力される売上情報等が含まれるようにしても良い。また管理装置40で演算される演算方法は、図4に示すものには限らず、例えば売上情報の受信数×信号比の演算式で算出される「売上金額」,売上金額÷貸出単価の演算式で算出される「貸出玉数」,(貸出玉数+払出玉数−打込玉数)÷貸出玉数×100の演算式で算出される「機械割数」,売上金額−{(貸出玉数+払出玉数−打込玉数)×交換単価}の演算式で算出される「粗利益」,及び粗利益÷売上金額×100の演算式で算出される「粗利率」等が含まれるようにしても良い。
【0093】
上記の実施形態では、識別情報がチップIDである例について説明したが、これに限らず、該識別情報は、例えば製造番号であっても良い。即ち識別情報は、遊技機(パチンコ機10)を個々に識別可能な情報であれば良い。
【0094】
上記の実施形態では、識別情報(チップID)が、場内コンピュータ30からのチップID送信要求に応じて遊技機(パチンコ機10)から出力されて、場内端末(場内コンピュータ30)により収集される例について説明したが、これに限らず、該識別情報は、遊技機の電源投入時に自動的に遊技機から出力されて、場内端末により収集されるようにしても良い。
【0095】
上記の実施形態では、遊技機(パチンコ機10)から出力されるチップIDや各種遊技関連情報が、台端末20を介して場内コンピュータ30に対して送信される例について説明したが、これに限らず、該チップIDや各種遊技関連情報は、当該パチンコ機10に対応して設けられる玉貸ユニット又は呼出ランプ装置(図示外)を介して場内コンピュータ30に対して送信されるようにしても良く、この場合には、チップIDや各種遊技関連情報と共に、該玉貸ユニットを個々に識別可能なユニットID又は呼出ランプ装置を個々に識別可能な装置IDを、場内コンピュータ30に対して送信する。そして場内コンピュータ30は、各パチンコ機10の台番号と、当該パチンコ機10に対応する玉貸ユニットのユニットID又は呼出ランプ装置の装置IDとを対応付けて記憶しているので、チップIDや各種遊技関連情報と共にユニットID又は装置IDが送信されてきたときに、該送信されてきたチップIDや各種遊技関連情報がいずれの台番号のパチンコ機10から出力されたものであるかを特定できる。
【0096】
上記の第1実施形態では、図3に示す遊技関連情報が、識別情報(チップID)と対応付けて送信される例について説明したが、これに限らず、該遊技関連情報は、当該識別情報に対応する配置位置情報(台番号)と対応付けて送信されるようにしても良く、この場合には、図5に示す台番号DBの記憶情報に基づいて、該送信されてきた台番号に対応するチップIDが特定され、図6に示す遊技関連情報DBで該特定されたチップIDのデータテーブルに該送信されてきた遊技関連情報が記憶される。即ち第1実施形態では、遊技関連情報は、各遊技機(パチンコ機10)の識別情報または当該識別情報に対応する配置位置情報の少なくとも一方と対応付けて送信されれば良い。
【0097】
上記の実施形態では、図3に示す遊技関連情報が、所定のタイミング(例えば1時間毎)で管理装置40に対して送信される例について説明したが、該所定のタイミングは任意に(例えば10分毎等)設定可能である。また該遊技関連情報は、リアルタイムで送信されるようにしても良く、遊技場の営業終了後に送信されるようにしても良く、管理装置40からの要求に応じて送信されるようにしても良い。
【0098】
上記の実施形態では、図1に示す機種対応情報が、遊技機メーカー2から管理装置40に対して送信される例について説明したが、これに限らず、該機種対応情報は、遊技機メーカー2を取りまとめる組合から管理装置40に対して送信されるものであっても良い。また機種対応情報は、遊技機メーカー2から管理装置40に対して通信回線を介して送信されるものには限られず、記録媒体(例えば磁気ディスク等)に記録されて遊技機メーカーから管理装置40に対して郵送されるものであっても良く、この場合には、管理装置40に設けられて該記録媒体に記録された機種対応情報を読み取る記録媒体読取手段が、前記機種対応情報受信手段に相当する。
【0099】
上記の実施形態では、機種のタイプが同じであれば通常は演算する内容も同じであることから、図4に示すように、遊技機(パチンコ機10)の機種(タイプ)毎に演算方法を設定・記憶する例について説明したが、これに限らず、遊技機の機種名毎に演算方法を設定・記憶し、該機種名毎の演算方法により各チップIDに対応する遊技関連情報の演算を行うようにしても良い。
【0100】
上記の実施形態では、図5に示す配置情報記憶手段(台番号DB)において、識別情報(チップID)と配置位置情報(台番号)との対応付けが異なっていると判定された台番号についてのみチップIDが変更される例について説明したが、これに限らず、全台番号についてのチップIDが変更されるようにしても良く、また第1実施形態においては、毎日営業開始前に、前記対応付けが異なっているか否かに拘わらず全台番号についてのチップIDの記憶が更新されるようにしても良い。
【0101】
上記の実施形態では、図7(b)に示す台移動前後平均データを作成する際に、複数回の台移動が行われている場合には、各回の台移動の前後で区別して遊技関連情報の演算を行う例について説明したが、これに限らず、直近の台移動の前後で区別して遊技関連情報の演算を行うようにしても良い。具体的には、2回の台移動が行われている場合には、台入替(新規導入)時から2回目の台移動前までの遊技関連情報に基づく平均データの演算と、2回目の台移動後の遊技関連情報に基づく平均データの演算を行って、台移動前後平均データを作成するようにしても良い。
【0102】
上記の実施形態において、図9のD2に示す本日データの表示で、表示する遊技機(パチンコ機10)の台番号を指定できるようにしても良く、また本日データに限らずに過去1週間分データや過去1ヶ月分データ等も表示されるようにしても良い。
【0103】
上記の実施形態では、図9のD3又はD6に示す表示データの加工が、情報表示端末(場内コンピュータ30)において行われる例について説明したが、これに限らず、該表示データの加工が管理装置40において行われ、該加工された表示データが情報表示端末に対して送信されるようにしても良く、この場合には、情報表示端末に表示データ加工手段を設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は本発明に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図2】図2は場内コンピュータで収集されて管理装置に対して送信される配置情報の一例を表す図である。
【図3】図3は場内コンピュータで収集されて管理装置に対して送信される遊技関連情報の一例を表す図である。
【図4】図4は管理装置のハードディスクで記憶されている演算方法DBの一例を表す図である。
【図5】図5は管理装置のハードディスクで記憶されている台番号DBの一例を表す図であり、(a)は台移動及び台入替の前,(b)は台移動及び台入替の後である。
【図6】図6は管理装置のハードディスクで記憶されている遊技関連情報DBの一例を表す図である。
【図7】図7は管理装置で演算された演算結果情報の一例を表す図であり、(a)は本日データ,(b)は台移動前後平均データである。
【図8】図8は第1実施形態に係る遊技用システムの作用の一例を表す図である。
【図9】図9は場内コンピュータのディスプレイに表示される画面の一例を表す図である。
【図10】図10は第2実施形態に係る遊技用システムの作用の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0105】
1…遊技用システム
10…パチンコ機
30…場内コンピュータ
32…制御部
33…場外通信部
35…ディスプレイ
40…管理装置
41…通信部
42…制御部
43…ハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技場の各々に設けられ、
各遊技場に配置される複数の遊技機から出力される当該遊技機での遊技に関連して発生する遊技関連情報を収集する遊技関連情報収集手段と、
前記遊技機から出力される当該遊技機を個々に識別可能な識別情報を収集する識別情報収集手段と、
該識別情報収集手段により収集された各遊技機の識別情報と当該遊技機の遊技場における配置位置を特定可能な配置位置情報との対応付けを示す配置情報を遊技場外に送信する配置情報送信手段と、
各遊技機の識別情報及び当該識別情報に対応する配置位置情報の少なくとも一方と対応付けて、前記遊技関連情報収集手段により収集した当該遊技機の遊技関連情報を遊技場外に送信する遊技関連情報送信手段と、を備える場内端末と、
遊技場外に設けられ、
前記複数の遊技場の各々に設けられた各場内端末の配置情報送信手段から送信されてきた配置情報を各遊技場毎に記憶する配置情報記憶手段と、
前記複数の遊技場の各々に設けられた各場内端末の遊技関連情報送信手段から送信されてきた遊技関連情報を、該遊技関連情報と共に送信されてきた識別情報又は配置位置情報に対応する識別情報と対応付けて、各遊技場毎に記憶する遊技関連情報記憶手段と、
該遊技関連情報記憶手段に記憶されている遊技関連情報に基づく演算を各識別情報毎に、各遊技場について行う演算手段と、
該演算手段により各遊技場について演算された各識別情報毎の演算結果を示す演算結果情報を、当該識別情報と対応付けて前記配置情報記憶手段で記憶されている配置位置情報と共に各遊技場に送信する演算結果情報送信手段と、を備える管理装置と、
前記複数の遊技場の各々に設けられ、前記演算結果情報送信手段から送信されてきた演算結果情報を表示する表示手段を備える情報表示端末と、
からなり、
前記配置情報記憶手段は、前記配置情報送信手段から送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けが既に記憶している対応付けと異なっているときには、該記憶している対応付けを当該送信されてきた配置情報が示す識別情報と配置位置情報との対応付けに変更することを特徴とする遊技用システム。
【請求項2】
請求項1に記載した遊技用システムであって、
前記場内端末は、
前記遊技機から出力される当該遊技機の機種を特定可能な機種情報を収集する機種情報収集手段と、
各遊技機の識別情報及び当該識別情報に対応する配置位置情報の少なくとも一方と、前記機種情報収集手段により収集した当該遊技機の機種情報とを前記管理装置に対して送信する機種情報送信手段と、をさらに備え、
前記管理装置は、各機種情報毎に当該機種情報から特定される機種に属する遊技機に対する遊技関連情報の演算方法を記憶する機種別演算方法記憶手段をさらに備え、
前記演算手段は、前記機種情報送信手段から送信されてきた機種情報から特定される機種について前記機種別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記各識別情報の遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システム。
【請求項3】
請求項2に記載した遊技用システムであって、
前記機種情報は、前記識別情報とされ、
前記管理装置は、
前記識別情報と当該識別情報の遊技機が属する機種を示す情報とを含む機種対応情報を受信する機種対応情報受信手段と、
該機種対応情報受信手段により受信した機種対応情報を記憶する機種対応情報記憶手段と、
該機種対応情報記憶手段の記憶情報に基づいて、前記各識別情報の遊技機が属する機種を特定する機種特定手段と、をさらに備え、
前記演算手段は、該機種特定手段により特定された機種について前記機種別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記各識別情報の遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記遊技関連情報記憶手段は、前記配置情報記憶手段により識別情報と配置位置情報との対応付けの記憶を変更する前後で区別して前記遊技関連情報を記憶し、
前記演算手段は、前記配置情報記憶手段により識別情報と配置位置情報との対応付けの記憶を変更する前後で区別して前記遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記管理装置は、遊技関連情報の演算方法を各遊技場毎に記憶する遊技場別演算方法記憶手段をさらに備え、
前記演算手段は、各遊技場について該遊技場別演算方法記憶手段で記憶されている演算方法により前記遊技関連情報の演算を行うことを特徴とする遊技用システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載した遊技用システムであって、
前記情報表示端末は、前記演算結果情報送信手段から送信されてきた演算結果情報を所定の表示データに加工する表示データ加工手段をさらに備え、
前記表示手段は、該表示データ加工手段により加工された表示データを表示することを特徴とする遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−6418(P2006−6418A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184254(P2004−184254)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】