遊技用システム
【課題】省電力モードを搭載していない遊技機でも省電力営業ができるようにする遊技用システムを提供する。
【解決手段】複数の遊技機の各々に対応して設けられる台端末と通信可能なホールコンピュータにおいて、非稼働中で電源ONの遊技機の台番号をクリックすると、該遊技機に対応する台端末に設けられるリレースイッチがOFFとなり、該遊技機が電源OFFとなる。
【解決手段】複数の遊技機の各々に対応して設けられる台端末と通信可能なホールコンピュータにおいて、非稼働中で電源ONの遊技機の台番号をクリックすると、該遊技機に対応する台端末に設けられるリレースイッチがOFFとなり、該遊技機が電源OFFとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の管理装置を備える遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技場の店員や遊技者の操作により、デモ演出状態(即ち省電力状態)となる遊技機が知られている。また特許文献2に示すように、遊技機の省電力モードへの切替を、管理装置からの指示により行う遊技システムも知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−206835号公報
【特許文献2】特開2005−152391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献に示す発明では、遊技機が省電力モードを搭載していないと省電力営業ができず、該省電力モードを搭載していない遊技機では省電力営業ができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、省電力モードを搭載していない遊技機でも省電力営業ができるようにする遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず手段1に係る発明は、
一の遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、電源(電力供給部10)から該一の遊技機に対して電力が供給される通電状態(電源ON)と該電力が供給されない非通電状態(電源OFF)とに切替可能な切替手段(台端末4又は呼出ランプ装置200)と、
複数の前記切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したこと(電力管理画面におけるON操作又は呼出ランプ装置200の入力ボタン262a〜262dの操作)に基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理を行う一方、所定の非通電条件が成立したこと(電力管理画面におけるOFF操作)に基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理を行う切替制御手段(CPU112)を有する管理装置(ホールコンピュータ110)と、
を備えることを特徴とする遊技用システム(1,1’)である。
【0008】
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した遊技用システム(1,1’)であって、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
複数の前記遊技機の各々が稼働状態であるか非稼働状態であるかを示す稼働情報(打込信号)を受信する稼働情報受信手段(通信部119)と、
該稼働情報受信手段により受信した稼働情報に基づき、前記複数の遊技機の各々について、稼働状態であるか非稼働状態であるかを管理する稼働状態管理手段(記憶装置の電力管理テーブル)と、
前記複数の遊技機のうち、前記非稼働状態である遊技機を特定可能に報知する報知手段(表示装置117)と、をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0009】
また手段3に係る発明は、
手段1又は2に記載した遊技用システム(1’)であって、
複数の前記遊技機の各々に対応して設けられ、遊技情報を表示する表示手段(LCD263)と、装飾用の演出を行う演出手段(LEDモジュール267)とを含む遊技用装置(呼出ランプ装置200)をさらに備え、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
前記通電処理の実行に伴って、該通電処理により通電状態となった遊技機に対応する前記遊技用装置の前記表示手段による表示と前記演出手段による演出を実行可能とする一方、前記非通電処理の実行に伴って、該非通電処理により非通電状態となった遊技機に対応する前記遊技用装置の前記表示手段による表示は実行可能とすると共に前記演出手段による演出を実行不能とする遊技用装置制御手段(CPU112)をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
さらに手段4に係る発明は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システム(1,1’)であって、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
複数の前記遊技機の各々について、通電状態であるか非通電状態であるかを管理する通電状態管理手段(記憶装置の電力管理テーブル)と、
前記遊技機の一又は複数に対応する店内設備(空調1〜6)の各々について、前記通電状態管理手段における管理状況に基づいて、動作を制御する処理を行う店内設備制御手段(CPU112)と、をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【発明の効果】
【0011】
まず手段1に係る発明によれば、遊技機に設けられる電源スイッチをON/OFFしなくても、管理装置の処理により当該遊技機を通電状態と非通電状態とに切り替えることができるので、該非通電状態に切り替えることにより、省電力モードを搭載していない遊技機でも省電力営業ができる。
【0012】
また手段2に係る発明によれば、管理装置において、非稼働状態の遊技機が報知されるので、該遊技機に電力が供給された状態で放置されることを防止して、遊技場の運営に支障をきたさずに消費電力を削減することができる。
【0013】
また手段3に係る発明によれば、遊技機が非通電状態である場合には、該遊技機に対応して設けられる遊技用装置の演出手段による演出も実行不能とされるので、さらに消費電力を削減することができる。
【0014】
さらに手段4に係る発明によれば、遊技機が通電状態であるか非通電状態であるかに応じて、当該遊技機に対応する店内設備の動作が制御されるので、さらに消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は第1実施形態に係る遊技用システムの一例を表すシステム図である。
【図2】図2は第1実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図3】図3(a)は第1実施形態に係る台端末が記憶している台データテーブルの一例を表す図であり、図3(b)は第1実施形態に係る台端末が記憶している電力データテーブルの一例を表す図である。
【図4】図4は第1実施形態に係る省エネモジュールが行う電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図5】図5(a)はホールコンピュータが記憶している台情報テーブルの一例を表す図であり、図5(b)はホールコンピュータが記憶している遊技情報テーブルの一例を表す図である。
【図6】図6(c)は第1実施形態におけるホールコンピュータ、第2実施形態ではホールコンピュータ及び呼出ランプ装置が記憶している電力管理テーブルの一例を表す図である。第2実施形態において呼出ランプ装置が記憶しているのは当該台番号のデータのみである。
【図7】図7はホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図である。
【図8】図8はホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図であり、画面上で電源OFFの操作が行われる際の表示画面の例である。
【図9】図9はホールコンピュータに表示される電力管理画面の他の例を表す図である。
【図10】図10はホールコンピュータに表示される電力管理グラフの一例を表す図である。
【図11】図11はホールコンピュータに表示される電力推移グラフの一例を表す図である。
【図12】図12はホールコンピュータに表示される比較グラフの一例を表す図である。
【図13】図13は第2実施形態に係る遊技用システムの一例を表すシステム図である。
【図14】図14は第2実施形態に係る呼出ランプ装置の一例を表す正面図である。
【図15】図15は第2実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図16】図16(a)は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が記憶している台データテーブルの一例を表す図であり、図16(b)は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が記憶している電力データテーブルの一例を表す図である。
【図17】図17は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が行う電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図18】図18は第2実施形態に係るホールコンピュータが行う状態切替時処理の一例を表すフローチャートである。
【図19】図19は呼出ランプ装置が省エネモード中のときの入力ボタン操作時の処理の一例を表す図である。
【図20】図20は省電力状態となる遊技機を対象として、第1実施形態におけるホールコンピュータ、第2実施形態ではホールコンピュータ及び呼出ランプ装置が記憶している電力管理テーブルの一例を表す図である。第2実施形態において呼出ランプ装置が記憶しているのは当該台番号のデータのみである。
【図21】図21は省電力状態となる遊技機を対象として管理するホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図である。
【図22】図22は、島内部の略式断面図であり、図22(a)は送風機の風量が強であるときの送風経路、図22(b)は送風機の風量が中であるときの送風経路を表す図である。
【図23】図23は、島内部の略式断面図であり、図23(c)は送風機の風量が弱であるときの送風経路、図23(d)は送風機の風量が無、即ち送風機の電源をOFFとした状態の図である。
【図24】図24は、島内部に送風機が設置されているときの、各送風機の風量を把握するための画面の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
本発明に係る遊技用システムは、一の遊技機(パチンコ機2)に対して電力が供給される通電状態(電源ON状態)と、該電力が供給されない非通電状態(電源ON状態)とに切替可能な切替手段(台端末4又は呼出ランプ装置200のリレースイッチ462)と、複数の切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したこと(ホールコンピュータ110の電力管理画面におけるON操作又は呼出ランプ装置200の入力ボタン262a〜262dの操作)に基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理(電源ON指令)を行う一方、所定の非通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理(電源OFF指令)を行う切替制御手段を有する管理装置(110)を含むものである。以下の実施形態では、切替手段が台端末4である第1実施形態に係る遊技用システム1と、切替手段が呼出ランプ装置200である第2実施形態に係る遊技用システム1’について説明する。
【0018】
[1:第1実施形態に係る遊技用システム1]
図1は、本実施形態における遊技用システム1の構成を示す図であり、この遊技用システム1は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのパチンコ機2に対応して設置されて、対応するパチンコ機2から出力される各種信号を受信して遊技データを収集すると共に、対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御する台端末4と、遊技場内の所定箇所に各台端末4と相互にデータ通信可能に接続されて設けられ、当該遊技場に設置されている各パチンコ機2における遊技にて発生した遊技データを管理すると共に、各パチンコ機2の稼働状態及び電源状態を管理し、台端末4を介して当該台端末4に対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御するホールコンピュータ110とを含む。
【0019】
(台端末)
本実施形態における切替手段である台端末4は、図2に示すように、その内部に、パチンコ機2に設けられている情報出力基板(図示せず)や、パチンコ機2へ供給されるパチンコ玉数(供給玉数)を計数するための供給玉検出スイッチ6や、パチンコ機2から排出されたパチンコ玉数(打込玉数)を計数するためのアウト玉検出スイッチ7に接続されて、当該パチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される入力手段としての入力ポート45と、現在時刻の時刻情報を出力するリアルタイムクロック43と、接続されているパチンコ機2に関する遊技データを記憶する台データテーブル、当該パチンコ機2の電源状態及び電力状態を記憶する電力データテーブル等が記憶される不揮発性メモリ42と、ホールコンピュータ110とのデータ通信を行うための送信手段としての通信部44と、台端末4において実施される各種処理を、図示しない内部ROM に記憶されている処理プログラムに基づいて実施するマイクロプロセッシングユニット(MPU)41とを有している。
【0020】
さらに本実施形態における切替手段としての台端末4は、図2に示すように、パチンコ機2の電源ON/OFFの切替及び切替制御、並びに電力モニタリングを行う省エネモジュール46を搭載している。通常は、遊技場内の電源に変圧器が接続され、この変圧器の負荷側(パチンコ機側)に電源タップが付設されている。この電源タップの差込口に負荷(パチンコ機)の電源ラインに連なる電源プラグを直接差し込むことで、負荷(パチンコ機)に適した電圧(変圧器によって変圧された電圧)が供給されるようになっている。そしてパチンコ機の電源のON/OFF制御は、パチンコ機の筐体に設けられたスイッチ(本体スイッチと称する)を店員が直接操作することによって行われる。これに対して、本実施形態では、台端末4に搭載した省エネモジュール46によっても、対応するパチンコ機2の電源のON/OFFを制御することを可能としている。本第1実施形態及び後述する第2実施形態においては、本体スイッチは常にONと仮定し、切替手段(省エネモジュール46を搭載した台端末4)側でパチンコ機2の電源のON/OFFを制御する例について説明する。省エネモジュール46は、電源制御部461、リレースイッチ462、及び電力計464等を含み、これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、台端末4側から供給されている。また、台端末4はリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でも台端末4には電源が供給される。
【0021】
図2に示すように、省エネモジュール46は、遊技場の電力供給部10からの電源ライン10aが接続される差込口46aと、対応するパチンコ機2からの電源ライン2bが接続される差込口46bとを有している。この電力供給部10からはパチンコ機2に適した電圧が供給されている。差込口46aと差込口46bとの間には、リレースイッチ462が接続されており、リレースイッチ462をONとすることで、電力供給部10の電源ライン10aとパチンコ機2の電源ライン2bが電気的に接続され、パチンコ機2に所定電圧が供給される。リレースイッチ462をOFFとすることで、電力供給部10の電源ライン10aとパチンコ機2の電源ライン2bが電気的な非接続状態となる。
【0022】
電力計464は、省エネモジュール46内のパチンコ機2の電源ラインに供給される電力を監視するものであり、パチンコ機2における消費電力及び当日所定時刻(例えば遊技場の開店時刻である10:00)からのパチンコ機2における消費電力量を計測している。また、電力計464はRS485やRS232C等の通信インターフェイスを備えており、計測値は逐次通信インターフェイスを介してMPU41に入力される。
【0023】
電源制御部461は、MPU41から入力されたデータ列に基づいて、リレースイッチ462のON/OFFを制御する回路基板等からなる。電源OFF指令を認識したときは、リレースイッチ462をOFFとし、MPU41に対して電源OFF通知を出力する。電源ON指令を認識したときは、リレースイッチ462をONとし、MPU41に対して電源ON通知を出力する。
【0024】
ここで、MPU41はホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したときは、これを電源制御部461用のデータ列として電源制御部461に出力し、電源制御部461は入力された電源ON指令に基づいて、リレースイッチ462をONとする。以下、「台端末4又はMPU41がリレースイッチ462をONとする」とは、これらの処理を行うことをいうものとする。また、MPU41が電源制御部461から電源ON通知を受信したときは、MPU41はホールコンピュータ110に対して、対応するパチンコ機2の電源がONとなった旨を示す電源ON通知を送信するものとする。また、MPU41はホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したときは、これを電源制御部461用のデータ列として電源制御部461に出力し、電源制御部461は入力された電源OFF指令に基づいて、リレースイッチ462をOFFとする。以下、「台端末4又はMPU41がリレースイッチ462をOFFとする」とは、これらの処理を行うことをいうものとする。また、MPU41が電源制御部461から電源OFF通知を受信したときは、MPU41はホールコンピュータ110に対して、対応するパチンコ機2の電源がOFFとなった旨を示す電源OFF通知を送信するものとする。
【0025】
前記不揮発性メモリ42内には、図3(a)に示すように、当該台端末4に接続されているパチンコ機2の遊技機識別情報である台番号に対応付けて、遊技データとなる供給玉検出スイッチ6から出力される供給信号に基づく供給玉数の項目と、アウト玉検出スイッチ7から出力される打込信号に基づく打込玉数の項目と、該打込玉数から供給玉数を差し引いた値である差玉数の項目と、パチンコ機2に設けられた可変表示装置(図示せず)の可変表示が終了したときにパチンコ機2から出力される始動信号が加算記憶される始動信号数の項目と、パチンコ機2において大当りの発生中において当該パチンコ機2から出力される大当り中信号に基づく大当り回数の項目と、パチンコ機2において確率変動大当りの発生中において当該パチンコ機2から出力される確変中信号に基づく確変回数の項目と、その時点での大当り中信号の出力状態を示す大当り中信号状態の項目と、その時点での確変中信号の出力状態を示す確変中信号状態の項目と、が記憶されている台データテーブルが記憶されている。
【0026】
これら台データテーブルにおける各遊技データが更新される流れについて具体的に説明すると、本実施形態の前記供給玉検出スイッチ6からは、パチンコ機2に供給されたパチンコ玉数が10球となる毎に1パルスの供給信号が出力されることから、1パルスの供給信号の入力毎に、供給玉数の値に10を加算更新する。また、同様に本実施形態のアウト玉検出スイッチ7からは、パチンコ機2から排出されたパチンコ玉数が10球となる毎に1パルスの打込信号が出力されることから、1パルスの打込信号の入力毎に、打込玉数の値に10を加算更新する。
【0027】
また、始動信号は可変表示の終了時にパチンコ機2から1パルス出力されることから、1パルスの始動信号入力毎に始動信号数に1を加算し、大当り回数は、大当り中信号が新たに出力中状態となったことに基づいて1が加算更新され、確変回数は、確変中信号が新たに出力中状態となったことに基づいて1が加算更新される。
【0028】
また、不揮発性メモリ42内には、図3(b)に示すように、当該台端末4に搭載された省エネモジュール46のリレースイッチ462がON状態であるかOFF状態であるかを示す電源状態と、当該省エネモジュール46の電力計で計測された消費電力及び消費電力量と、が記憶されている電力データテーブルが記憶されている。電力データテーブルの「電源状態」は、MPU41が電源制御部461から電源ON通知を受信することによって「ON」に更新され、電源OFF通知を受信することによって「OFF」に更新される。「消費電力」及び「消費電力量」は、電力計464で計測された消費電力及び消費電力量が通信インターフェイスを介してMPU41に入力される毎に、該入力された消費電力及び消費電力量に更新される。
【0029】
ここで本実施形態の台端末4のMPU41は、遊技場内に設置されているパチンコ機2の台数に基づいて決定される所定時間毎、例えば10秒毎に、前記台データテーブルに記憶している情報である遊技データと、前記電力データテーブルに記憶している情報である電力データを、当該パチンコ機2の台番号に対応付けてホールコンピュータ110に送信する送信処理を実施する。図1に示すように、台番号に対応付けられた遊技データ及び電力データは、台端末4からハブ及び通信ケーブルを介してホールコンピュータ110に送信される。
【0030】
次に図4を用いて台端末4が実行する電源制御処理について説明する。台端末4は、S100及びS101に示すように、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令及び電源ON指令を待機している。S100でホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したと認識したときは(S100でYES)、S110でリレースイッチ462をOFFとし、S111でホールコンピュータ110に電源OFFを通知して、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。一方、S101でホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したと認識したときは(S101でYES)、S103でリレースイッチ462をONとし、S104でホールコンピュータ110に電源ONを通知して、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。このようにして、電源ON/OFFの制御を行った台端末4(電源制御部461から電源OFF又は電源ON通知を受信したMPU41)は、電力データテーブルの電源状態を更新する。
【0031】
(ホールコンピュータ)
次いで、本実施例に用いたホールコンピュータ110の構成を図2に基づいて説明する。本実施例のホールコンピュータ110は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス111に、当該ホールコンピュータ110が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU112、ワークメモリ等として使用されるRAM113、その時点の時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック114、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置115、キーボードやマウス等の入力装置116、各種画面等を表示出力するための表示装置117や、該表示装置117に表示される各種の情報を印刷出力するためのプリンタ118、台端末4や後述する空調制御装置20等とのデータ通信を行う受信手段としての通信部119が接続された通常のコンピュータである。
【0032】
前記記憶装置115には、該ホールコンピュータ110が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図5(a)に示す台情報テーブルと、図5(b)に示す遊技情報テーブルと、図6(c)に示す電力管理テーブルとが記憶されている。この台情報テーブルには、図5(a)に示すように、該遊技場に設置されている各パチンコ機2の台番号に対応付けて、当該パチンコ機2の機種名、当該パチンコ機2が設置されている遊技島の島番号、及び当該パチンコ機2の設置箇所に最も近い空調を識別可能な空調番号が記憶されている。
【0033】
また、遊技情報テーブルには、図5(b)に示すように、各パチンコ機2の台番号に対応付けて、遊技データが記憶できるようになっていて、台端末4における台データテーブルに記憶されている遊技データと同様に、供給玉数の項目と、打込玉数の項目と、差玉数の項目と、始動信号数の項目と、大当り回数の各項目とともに、始動信号数と大当り回数とから算出される大当り確率の項目と、各大当りが発生するまでの間の始動信号数である大当り間始動回数1,2・・・の項目と、台端末4から送信される遊技データに含まれる大当り中信号状態や確変中信号状態から判定される遊技状態(通常、大当り中、確変中)が記憶される遊技状態の項目とが設けられており、これら遊技情報テーブルにて各パチンコ機2における遊技にて発生した遊技データが記憶、管理されるようになっている。この遊技情報テーブルには、前日、前々日、前々々日・・・の過去1ヶ月間の遊技データが記憶、管理されている。
【0034】
本実施形態のホールコンピュータ110のCPU112は、前記台端末4から送信される遊技データに基づいて、遊技情報テーブルにおいて受信した台番号に対応付けられている各項目のデータを更新する処理を実施する。この処理によって、供給玉数、打込玉数、始動信号数等のパチンコ機の稼働状態を判定するための項目は、遅滞なく台端末4から受信したデータに更新されることになる。また、本実施形態のホールコンピュータ110のCPU112は、遊技情報テーブルに記憶されている遊技データや、後述する電力管理テーブルのデータをプリンタ118に出力したり、表示装置117に表示することが可能である。
【0035】
電力管理テーブルには、図6(c)に示すように、各パチンコ機2の台番号に対応付けて、稼働状態の項目と、電源状態の項目と、消費電力の項目と、消費電力量の項目と、稼働時間の項目と、稼働率の項目と、電源OFF時間の項目と、非稼働中電源OFF率の項目と、非稼働中消費電力量の項目とが記憶されている。「稼働状態」は、パチンコ機2の現在の稼働状態を示す項目であり、台端末4から受信した遊技データの打込玉数に基づいて決定される。本例では、CPU112は、受信した打込玉数が遊技情報テーブルで記憶していた数から増加したときは、稼働状態を「稼働中」とする。一方、前回打込玉数が増加した時点から10分間打込玉数が増加しなければ稼働状態を「非稼働中」とする。
【0036】
また、CPU112は電力データを受信したときに、電力管理テーブル中の対応する台番号の「電源状態」、「消費電力」、及び「消費電力量」を、受信した電力データに含まれる電源状態、消費電力、及び消費電力量の値に更新する。ここで本例では、当該更新のときに、電源状態がOFFからONに切り替わったときは、稼働状態を前述した打込玉数に基づく決定にかかわらず「稼働中」とし、電源状態がONからOFFに切り替わったときは、稼働状態を前述した打込玉数に基づく決定にかかわらず「非稼働中」とするものとする。
【0037】
電力管理テーブル中の「稼働時間」は、当該パチンコ機で遊技が行われた時間の指標となる項目であり、電力管理テーブルの本日「稼働状態」が「稼働中」であった時間を示している。なお遊技場の営業時間から該稼働時間を差し引くことにより非稼働時間が算出されるので、該非稼働時間も管理されていることになる。また「稼働率」は、営業時間中の当該パチンコ機で遊技が行われた時間の割合を示す指標となる項目であり、本日「稼働状態」が「稼働中」であった時間÷開店時刻からの経過時間×100(%)で算出される。例えば開店時刻が10:00であり、現在20:00であり、稼働時間が8時間である場合、稼働率は8÷10×100=80%となる。なお、この開店時刻からの経過時間の最大値は、遊技場の営業時間であり、例えば開店時刻が10:00で閉店時刻が22:00の遊技場では12時間である。
【0038】
電力管理テーブル中の「電源OFF時間」は、電力管理テーブルにおいて本日「電源状態」が「OFF」であった時間を示している。本例では1時間である。また、「非稼働中電源OFF率」は、本日「電源状態」が「OFF」であった時間÷本日「稼働状態」が「非稼働中」であった時間×100(%)で算出される。また、「非稼働中消費電力量」は、本日「稼働状態」が「非稼働中」であった時間の消費電力量であり、「非稼働中」における「消費電力量」の増加分を測定することによって得られる。これら電力管理テーブルのデータとして、当日分は10分毎のデータが記憶されており、過去1週間分は1時間毎のデータが記憶されており、過去1月分は1日毎のデータが記憶されているものとする。
【0039】
また、ホールコンピュータ110には、図1及び図2に示すように、通信部44を介して遊技場内の空調の設定温度及び風量を制御する空調制御装置100が接続されている。ここで本実施形態においては、図1及び図7に示すように、遊技場内に空調1〜6の6つの空調が設けられており、これらは全て空調制御装置100に接続されている。空調1〜6は図7に示すように、各遊技島に挟まれた領域の中央位置にあたる天井部に設置され、熱交換した空調空気を吐出供給可能な天井空調ユニットである。この天井空調ユニットは、正方形状とされた下面の中央部に空気の取り入れ部と、外周の4つの各辺に沿って4つのスリット状の空気吹き出し部とを有するとともに、その内部に送風装置を含む熱交換装置を有し、空気の取り入れ部から取り入れた空気を、熱交換装置を通過させることで熱交換した空調空気とした後、4つの空気吹き出し部から4方向に向けて吐出供給する。
【0040】
また、遊技場屋外には、空調1〜6各々に接続される室外機(図示せず)が設けられている。空調1〜6及び室外機は、図1及び図2に示すように、空調制御装置100に接続ケーブル等を介して電気的に接続されており、空調制御装置100によって温度及び風量が制御される。なお、空調1〜6及び室外機への電力供給は、空調機器専用の電力供給装置から供給されている。空調制御装置100は、ホールコンピュータ110と通信可能であり、ホールコンピュータ110からの情報に応じて各空調1〜6及び室外機の動作を制御する。従ってホールコンピュータ110から各空調の設定温度及び風量をコントロールすることができる。
【0041】
ここでホールコンピュータ110は、図5(a)に示す台情報テーブルによって、各空調が担当するパチンコ機2の台番号及び数を把握している。そして電力管理テーブルによって各パチンコ機2の電源情報も把握している。従って、各空調が担当する台数のうち、所定の台数が電源OFFとなれば、その空調の風量を低下させるという制御を行うことも可能となる。この制御については後述する。
【0042】
(ホールコンピュータによる管理)
図7には、ホールコンピュータの表示装置117に表示される電力管理画面の一例を表す図である。この電力管理画面は、遊技場内を俯瞰した図となっており、管理者は遊技島01〜04の配置、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号(本例では001〜060)、各遊技島に挟まれた領域の中央位置の天井部に設置された空調の空調番号、及び各空調と各パチンコ機2の位置関係を把握することができるようになっている。また、この画面においては、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号が表示された正方形状のアイコンの柄によって、当該台番号の台の稼働状態及び電源状態を把握することができるようになっている。この電力管理画面の表示は、前述した電力管理テーブルの「稼働状態」及び「電源状態」が反映されたものである。
【0043】
例えば、台番号001のように当該アイコンの柄が無地のものは、当該台番号の「稼働状態」が稼働中であることを示している。また台番号002のように当該アイコンの柄が斜線柄のものは、当該台番号の「稼働状態」が非稼働中であって、且つ「電源状態」でONであることを示している。また台番号002のように当該アイコンの柄が斜線柄のものは、当該台番号の「稼働状態」が非稼働中であって、且つ「電源状態」でONであることを示している。さらに台番号006のように、当該アイコンの隅が黒で塗りつぶされているものは、当該台番号の「電源状態」がOFFであることを示している。
【0044】
遊技場の管理者は、この電力管理画面を見ることによって、稼働中のパチンコ機2、非稼働中で電源ON状態のパチンコ機2、及び電源OFF中のパチンコ機を一見して把握することができる。また、非稼働中で電源ON状態のパチンコ機2の台番号が斜線柄で報知されているため、管理者は一見して非稼働中で電源ON状態の台を把握して、当該画面上で電源OFF操作を行うことにより、当該台の電源をOFFとするための制御信号である電源OFF指令が当該台に対応する台端末4に送信され、これを受信した台端末4は当該台の電源をOFFとする。これにより、非稼働中のパチンコ機2に電力が供給された状態で放置されることを防止し、遊技場の運営に支障をきたさずに消費電力を削減することができる。
【0045】
図8を用いて電力管理画面における電源OFF操作について説明する。図8(a)に示すように、管理者が電力管理画面上の、非稼働中電力ON状態が報知されている台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてクリックすると、図8(b)に示すように、当該台が非稼働中電力ON状態である旨と、電源をOFFする場合には、アイコンをダブルクリックする旨が表示される。管理者が当該台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてダブルクリックすると、電源OFF指令が当該台に対応する台端末4に送信されて、台端末4が電源をOFFとする。これに伴い、台端末4から電源OFF通知が返信され、これを受信したホールコンピュータ110は、図8(c)に示すように、当該台のアイコンをOFF表示とする。
【0046】
なお、各台のOFFからONへの切り替えも、これと同様にして電力管理画面上で可能である。図示しないが、管理者が電力管理画面上の、OFF状態が報知されている台(例えば006番台)のアイコンにカーソルを合わせてクリックすると、当該台がOFF状態である旨と、電源をONする場合には、アイコンをダブルクリックする旨が表示される。管理者が当該台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてダブルクリックすると、電源ON指令が当該台に対応する台端末4に送信されて、台端末4が電源をONとする。これに伴い、台端末4から電源ON通知が返信され、これを受信したホールコンピュータ110は、当該台のアイコンを稼働中表示とする。
【0047】
また、この電力管理画面には、空調1〜6が設置されている位置に相当する箇所に点線のアイコンが表示されており、そのアイコンには当該空調の現在の風量が表示されている。例えば空調1の風量は「強」であり、空調4の風量は「中」であり、空調6の風量は「弱」となっている。各空調の風量は、各空調が担当する台のうち電源OFF状態の台の数によって調整されるようになっている。この調整は以下の例のように行われる。
【0048】
ホールコンピュータ110は、台情報テーブルを参照して、空調1が担当する台001〜005、及び011〜015を特定する。次いで、これらの台について電力管理テーブルを参照し、各台の電源状態を取得し、電源OFF状態の台数を算出する。このとき、電源OFF状態の台数が0〜2であれば風量を強、3〜5であれば風量を中、6〜8であれば風量を弱とするものとする。空調1が担当する台のうち電源OFF状態の台数は0であるから、風量は強となる。ホールコンピュータ110は空調制御装置20に対して、空調1の風量を強とする旨を指示し、これを受信した空調制御装置20では、空調1及び対応する室外機を制御して空調1の風量を強とする。同様にして、空調4が担当する台のうち電源OFF状態の台数は5であるから、風量4の風量は中となる。同様にして、空調6が担当する台のうち電源OFF状態の台数は6であるから、空調6の風量は弱となる。このようにして、電源OFF状態が多いエリアについては風量を低下させ、消費電力の削減を図ることができる。
【0049】
図9は、ホールコンピュータ110の表示装置117に表示される電力管理画面の他の例を表す図である。この電力管理画面は、遊技場内を俯瞰した図となっており、管理者は遊技島01〜04の配置、及び各遊技島に属するパチンコ機2の台番号(本例では001〜060)を把握することができるようになっている。また、この画面においては、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号が表示された正方形状のアイコンの柄によって、非稼働中電源OFF率が所定割合(ここでは50%)以下の台を把握することができるようになっている。具体的には、前述した電力管理テーブルの「非稼働中電源OFF率」が50%以下の台のアイコンは斜線柄で表示されることにより、報知が行われる。これにより、非稼働中電源OFF率が所定割合以下の台を把握して、当該台の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0050】
次にホールコンピュータ110が提供する消費電力に関するグラフについて説明する。これらのグラフは全てホールコンピュータ110の表示装置117に表示可能である。図10は、各パチンコ機2の1日(開店時刻〜閉店時刻まで)の消費電力推移を示すグラフである。本例では、10:00〜12:00は稼働中であり、消費電力が高く推移している。12:00〜14:00は非稼働中で電源ONの時間帯である。この時間帯は消費電力が低下しているものの、依然として一定の電力は消費されている(例えばパチンコ機2が省エネルギーモードになっている期間である)。また、14:00〜16:00は電源OFFの状態となり、電力は消費されていない。そして、20:00〜22:00は、非稼働中で電源ONの時間帯であり、一定の電力は消費されている。
【0051】
ここで非稼働中電源ONの期間とは、本来パチンコ機2の電源をOFFとすべきであったにもかかわらず、放置されて電力消費状態が継続してしまった期間である。この期間で消費された電力である非稼働中消費電力量が斜線で示された面積に相当する。また、その値もグラフ下方に示されている。このようにして削減すべき電力(非稼働中消費電力)を一見して把握することができる。さらに、非稼働中電源OFF率も表示されており、本例では、その値が33%であることによって、削減の余地が大きいことを確認することができる。この非稼働中電源OFF率を100%に近づけることが消費電力の削減に有効である。遊技場の管理者は、電力管理画面を逐次確認して、非稼働中で電源ONの台(斜線柄によって報知が行われている台)を見つけ次第、電源OFF操作等の措置を採ることによって、非稼働中電源OFF率を向上させ、非稼働中消費電力量を低下させることができる。なお、本例では、005番台の1日の消費電力の推移が表示されているが、各島、各機種毎の消費電力の推移を同様にして確認することができる。また、期間も1日に限らず任意に定められる。後述する図11及び図12のグラフも同様である。
【0052】
図11は島01の月間の消費電力量、非稼働率中電源OFF率、及び非稼働中消費電力量の推移を示す電力推移グラフである。この例から、島01の消費電力量が徐々に低下しており、非稼働率電源OFF率が徐々に向上しており、非稼働中消費電力量が徐々に低下している様子を把握することができる。この結果からは、非稼働中の台の電源がこまめにOFFされる頻度が高まり、それに伴って非稼働中消費電力量が低下することで、島全体の消費電力量も低下したという傾向を確認することができる。
【0053】
図12は週間の各島(01〜04)の非稼働中電源OFF率の推移を示すグラフである。このように、島間のデータを比較することも可能である。
【0054】
[2:第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に第2実施形態に係る遊技用システム1’について、第1実施形態と異なる点のみを説明する。先ず図13は、本発明の切替手段となる呼出ランプ装置200が適用された第2実施形態の遊技用システム1’を示すシステム構成図である。図13に示すように、第2実施形態の遊技用システム1’は、遊技機であるパチンコ機2に1対1に対応して設けられ、対応するパチンコ機2の本発明における遊技データを収集して表示すると共に、対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御する呼出ランプ装置200と、これら各呼出ランプ装置200にて収集された各パチンコ機2の遊技データを受信し、各パチンコ機2における各種の遊技データを管理すると共に、各パチンコ機2の稼働状態及び電源状態を管理し、呼出ランプ装置200を介して当該呼出ランプ装置200に対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御するホールコンピュータ110とを含む。
【0055】
ここで第1実施形態では、ホールコンピュータ110が非稼働中電源ON状態のパチンコ機2を特定し、電力管理画面上で当該台の台番号を報知する(斜線柄で表示する)ことによって、管理者が当該台を把握し、その後電力管理画面上で店員による電源OFF操作が行われる例について説明した。これに対して第2実施形態では、電力管理画面上で当該台の台番号が報知された後、所定時間(例えば)5分経過しても電源OFFの措置が採られない場合には、呼出ランプ装置200に対して電源OFF指令を送信する。即ち、報知後の一定時間内に電力管理画面上で電源OFF操作が行われない台は、強制的に電源がOFFとされる。さらに第2実施形態においては、対応するパチンコ機2が電源OFFの状態で呼出ランプ装置200の操作(入力ボタン262a〜262dの操作)が行われたときは、当該呼出ランプ装置200は、リレースイッチ462をONとする。即ち対応するパチンコ機2で遊技を開始する可能性があるときには、自動的に電源をONとする措置を採る。
【0056】
なお、本実施形態において、呼出ランプ装置200は、対応するパチンコ機2の電源状態がONであるときには通常モードとなり、後述する遊技データの表示処理及びランニング点灯処理のいずれもが実行可能であるが、対応するパチンコ機2の電源状態がOFFであるときには省エネモードとなり、ランニング点灯処理は実行されず、後述する遊技データの表示処理のみ可能となる。
【0057】
(呼出ランプ装置)
本実施形態における切替手段である呼出ランプ装置200は、図13に示すように、遊技場内に設置されている各パチンコ機2に1対1に対応して、該対応するパチンコ機2の上方位置に該パチンコ機2と信号ケーブルに接続されて設けられている。呼出ランプ装置200は、第1実施形態における切替手段である台端末4の入力ポート45と同様に、当該パチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される入力手段としての入力ポート278を備えている。
【0058】
また、各呼出ランプ装置200は、他の呼出ランプ装置200並びにホールコンピュータ110と、ハブ及び通信ケーブルを介して接続されており、各呼出ランプ装置200同士並びに各呼出ランプ装置200とホールコンピュータ110とが、データ通信可能とされている。また、各呼出ランプ装置200は、第1実施形態における台端末4と同様の省エネモジュール46を搭載している。
【0059】
図15に示すように、この省エネモジュール46、電力供給部10からの電源ライン、及びパチンコ機2の電源ラインの接続態様は、図2に示した第1実施形態における省エネモジュール46、電力供給部10からの電源ライン、及びパチンコ機2の電源ラインの接続態様と同様であり、説明を省略する。これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、遊技用装置(本例では呼出ランプ装置200)側から供給されている。また、呼出ランプ装置200はリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でも呼出ランプ装置200には電源が供給される。
【0060】
次に呼出ランプ装置200の、省エネモジュール46を除いた部分の構成について説明する。本実施型形態の呼出ランプ装置200は、遊技島の側面上部位置に開閉可能に設けられているランプ板に取付けられるものであり、図14及び図15に示すように、MPU279、接続ポート272、RTC273、通信部274、RAM275、EEPROM276等が実装された制御基板270と、この制御基板270と接続ポート272及び接続ケーブル271を介して接続された表示基板260とから構成される。
【0061】
図14に示すように、呼出ランプ装置200の中央部には、各種遊技データを表示可能な液晶(LCD)パネル263が配置されて表示画面が形成されている。この表示画面には、該呼出ランプ装置200が接続されているパチンコ機2の大当り回数や、確変回数や、大当り間始動回数1、大当り間始動回数2、・・・の各種の遊技データが表示される。表示画面の外周における下方近傍には遊技者が操作可能とされた入力ボタン262a〜262dが配置される。該表示画面の遊技者側となる下方表示領域には、入力ボタン262a〜262dにそれぞれ対応する入力メニューが、各入力ボタン262a〜262dの上方位置に表示されるようになっている。また、表示画面の外周には、店員が操作するリモコンからの赤外線信号を受信する受信ユニット(IR)265が配置されている。これら入力ボタン262a〜262d、及び受信ユニット265は、図15に示すように表示基板260に実装されている。
【0062】
また、図14に示すように、表示画面の左右両側には、各色の発光が可能なLEDモジュール267が左右対称に装着されており、これらは透明樹脂材にて形成された報知ランプカバー部によって覆われている。これらLEDモジュール267が所定の態様で発行することによって、店員に各種の報知を行う。
【0063】
この本例に用いたLCDパネル263は、フルカラー表示が可能なドットマトリックスLCDパネルを用いており、各種の文字や数字やグラフ等を、多種の表示色にて表示できるようになっている。このように本例では、表示画面を形成する表示パネルとしてドットマトリックスLCDパネルを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ELパネルや、LEDパネルや、蛍光管表示装置や、セグメント表示器としても良い。
【0064】
また、図15に示すように、該LCDパネル263の下部には、ELバックライト295が配置され、該ELバックライト295に所定の高周波電源を供給するドライバ回路294を接続することにより面発光し、前記LCDパネル263を下方より照光するようになっており、前記LCDパネル263及びELバックライト295とは、表示基板260に設置される基台上に配置されいる。尚、ドライバ回路294は接続ポート272を介してMPU279に接続され、MPU279によりELバックライト295の点灯が制御される。
【0065】
このLCDパネル263は、表示基板260に実装されたLCDドライバ264並びに接続ポート272を介してMPU279に接続され、該MPU279より出力される遊技データに基づく表示がLCDパネル263に表示されるようになっている。
【0066】
また、該MPU279には前記入力ボタン262a〜262dが接続ポート272を介して接続されており、入力ボタン262a〜262dが操作されることにより生じたオン信号が入力されると、前記制御マイコン279において、各画面での各入力ボタン262a〜262dに該当する処理が実施される。また、入力ボタン262a〜262dのいずれか1つは、店員を呼ぶための呼出ボタンに設定されており、当該呼出ボタンを操作することによって、所定態様でLEDモジュール267が点灯して、店員に遊技者からの呼出を報知する。
【0067】
また、受信ユニット265は、店員等により操作されるリモコン(図示せず)より送信される赤外線信号、例えば遊技者が休憩中である旨を表示するための指令信号等が入力される。
【0068】
また、表示基板260には、LEDモジュール267の点灯や消灯や点灯色等の点灯制御を行う点灯制御回路268が実装されており、該点灯制御回路268も接続ポート272(図15参照)を介してMPU279に接続されていて、該MPU279の指示データに基づいて点灯制御回路268が各LEDモジュール267を個別に点灯制御することで、MPU279が左右各色の点灯や点灯色や消灯を制御することができる。尚、本実施例では、MPU279は、各LEDモジュール267の点灯や消灯、並びに繰り返しタイミング等の状態を示す所定フォーマットの点灯制御データを点灯制御回路268に出力することで、点灯制御回路268が該点灯制御データに合致した点灯色の点灯や消灯を実施する。
【0069】
これら表示基板260に設けられている、LCDドライバ264、点灯制御回路268、ドライバ回路294、入力ボタン262a〜262dと、受信ユニット265とは、図15に示すように、表示基板260より導出され、外部に引き出された接続ケーブル271により前記制御基板270に接続されている。
【0070】
そして、この制御基板270には、図15に示すように、表示基板260に設けられている各種のデバイスや回路との各種信号の授受を実施するための接続ポート272や、当該遊技場のホールコンピュータ110や他の呼出ランプ装置200との双方向のデータ通信を実施する通信部274と、呼出ランプ装置200の表示動作や後述する各種の制御を行うためのプログラムが記憶され、該プログラムにより各種の制御を行うMPU279と、対応するパチンコ機2における各種の遊技データが記憶される遊技情報テーブルや電力データテーブル等を記憶するための不揮発性のEEPROM276と、MPU279が実施する各種の制御処理における記憶に使用されるRAM275と、各処理の時点に時刻情報やカレンダ情報や計時情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)273とが設けられている。
【0071】
尚、制御基板270は、電源から入力される交流電源を直流の動作電源に変換して当該制御基板270や表示基板260に供給する電源回路や、279に動作クロックを供給する動作クロック発生回路や、MPU279をリセットするためのリセット回路等を含む。省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、前記電源回路側から供給されている。
【0072】
更に制御基板270には、図15に示すように、供給信号、大当り中信号、確変中信号、始動信号、及び打込信号の各信号線に対応する入力端子を有する入力ポート278と、2つの信号入出力ポート278e、278fとを有する信号入出力部が設けられている。各信号線が対応する入力端子に接続されることで、これら各信号の各端子への入力が検出されて信号検出に応じた検出出力がMPU279に出力され、MPU279が、これらの信号の出力状態を識別できるようになっている。
【0073】
また、EEPROM276には、図16(a)に示すように、対応するパチンコ機2の遊技によって入力ポート278に入力された各種信号に基づく遊技データが、台データテーブルによって記憶、管理されている。各項目は、第1実施形態のホールコンピュータ110に記憶されている遊技情報テーブルと同一である。
【0074】
この第2実施形態の台データテーブルにおいて、入力ポート278に大当り中信号が入力されているときは「遊技状態」が「大当り中」となり、大当り中信号が入力されていない状態で「確変中信号」が入力されているときは「確変中」となり、いずれの信号も入力されていないときは「通常」となる。「供給玉数」、「打込玉数」、「差玉数」、「始動信号数」、「大当り回数」、及び「確変回数」の更新方法は、第1実施形態における台データテーブルと同様である。即ちパチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される毎に更新される。また、始動信号数と大当り回数とから算出される大当り確率の項目と、各大当りが発生するまでの間の始動信号数(大当り中信号が非入力の期間に増加した始動信号数)である大当り間始動回数1,2・・・の項目とが記憶される。ここで記憶されているのは、当日、前日、前々日、・・の過去1週間のデータである。これら台データテーブルに記憶、管理されている各種遊技データは、入力ボタン262a〜262dの操作によってLCD263に表示可能である。ここで、通常モード中は、当日の大当り回数、当日の確変回数、現在スタート回数(大当り間始動回数1)、当日の総スタート数(始動信号数)、前日の大当り回数及び確変回数、並びに前々日の大当り回数及び確変回数がLCD263に表示される。なお、これら以外の台データテーブルに記憶されているデータは入力ボタン262a〜262dの操作によってLCD263に表示可能である。一方、省エネモード中は、当日の大当り回数、当日の確変回数、及び現在スタート回数(大当り間始動回数1)のみが、LCD263に表示される。
【0075】
また、EEPROM276には、図16(b)に示すように、当該呼出ランプ装置200に搭載された省エネモジュール46のリレースイッチ462がON状態であるかOFF状態であるかを示す「電源状態」と、当該省エネモジュール46の電力計で計測された「消費電力」及び「消費電力量」が記憶されている電力データテーブルが記憶されており、これらの各項目は、第1実施形態の電力データテーブルと同一である。第2実施形態における電力データテーブルでは、これらの項目に加えて「稼働状態」を記憶、管理している。入力ポート278に打込信号が入力されたときは「稼働状態」が「稼働中」となり、打込信号が非入力の状態が10分間に達すると「非稼働中」となる。ここで、「電源状態」をOFFからONへ切り替えるときは稼働状態を「稼働中」とし、ONからOFFへ切り替えるときは稼働状態を「非稼働中」にするものとする。
【0076】
図15に戻り、制御基板270には入力ポート278の他、更に2つの信号入出力ポート278f、278gが設けられている。信号入出力ポート278f、278gには、隣接する呼出ランプ装置200の各信号入出力ポート278f、278gが接続されて、遊技島の一面に設置されている全呼出ランプ装置200が接続されており、これら信号入出力ポート278f、278gからは、大当りの発生時において、互いに接続されている遊技島の一面の呼出ランプ装置200が連携して順次点灯状態となるランニング点灯が実施されるように、ランニング信号出力処理においてランニング信号が、信号入出力ポート278f、278gの双方(つまり左右両方)から出力されるとともに、隣接する呼び出しランプ装置200からランニング信号の入力があったときには、該ランニング信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力がMPU279に出力されることで、MPU279が割込実施するランニング点灯処理において、全LEDモジュール267が1回点灯されるとともに、ランニング信号の入力側と反対側(終端設定が有るときは入力側)の信号入出力ポート278f、278gにランニング信号が出力される。
【0077】
このランニング点灯処理は、当該呼出ランプ装置200が通常モード中(対応するパチンコ機2の電源状態がONであるとき)にのみ実行され、省エネモード中(対応するパチンコ機2の電源状態がOFFであるとき)には実行されないようになっている。即ち、省エネモード中は、ランニング信号が入力されても、これに基づくLEDモジュール267の点灯は行わない。但し、入力側と反対側の信号入出力ポートにランニング信号を出力する処理は行われるため、当該呼出ランプ装置200を除いた呼出ランプ装置によってランニング点灯が行われることになる。
【0078】
次に図17を用いて、第2実施形態におけるパチンコ機2の電源ON/OFF制御について説明する。呼出ランプ装置200は、S100及びS101に示すように、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令及び電源ON指令を待機している。S100でホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したと認識したとき、即ち電力管理画面上で電源OFF操作がされたとき、又は非稼働中電源ONの報知開始から所定時間経過したときは、S110でリレースイッチ462をOFFとし、S111でホールコンピュータ110に電源OFFを通知して、S112’で省エネモードに移行し、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。一方、S101でホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したと認識したとき、即ち電力管理画面上で電源ON操作がされたとき、又は入力ボタン262a〜262dのいずれかが操作されたときは、S103でリレースイッチ462をONとし、S104でホールコンピュータ110に電源ONを通知して、S105’で通常モードへ復帰し、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。このようにして、電源ON/OFFの制御を行った呼出ランプ装置200(電源制御部461から電源OFF又は電源ON通知を受信したMPU279)は、電力データテーブルの電源状態を更新する。
【0079】
次に図18を用いて、ホールコンピュータ110が行う状態切替時処理について説明する。この状態切替時処理は、電力管理テーブルの「稼働状態」又は「電源状態」の一方又は両方が切り替わったときにCPU112で実行される処理である。S300では稼働状態が稼働中から非稼働中に切り替わったか否かを判定する。S300で非稼働中に切り替わっていないと判定されたとき(NO)はS301にすすみ、稼働状態が非稼働中から稼働中に切り替わったか否かを判定する。S301で稼働中に切り替ったと判定されたときは(YES)、S302にすすみ、電力管理画面において当該台番号のアイコンを稼働中表示とする。S302の実行後はS300に戻る。上記S301で稼働中に切り替わっていないと判定されたときは(NO)、S300に戻る。
【0080】
上記S300で非稼働中に切り替わったと判定されたとき(YES)は、S311にすすみ、電源状態がONからOFFに切り替わったか否かを判定する。S311でOFFに切り替わっていないと判定されたとき(NO,即ちONからONであるとき)は、S312で、電力管理画面上で当該台番号のアイコンを非稼働中電源ON状態として報知する。次いでS313にすすみ、電力管理画面上で電源OFF操作が受け付けられたか否かを判定する。S313で電源OFF操作が受け付けられていない(NO)と判定されたときは、S314にすすみ、上記報知開始から、所定時間(例えば5分)を経過した否かを判定する。S314で経過したと判定されたとき(YES,即ち店員が報知に気づかなかった場合等)は、S315で呼出ランプ装置200に電源OFF指令を送信し、さらにS316で呼出ランプ装置200からの電源OFF通知を待機する。
【0081】
このS315の電源OFF指令を受信した呼出ランプ装置200は、リレースイッチ462をOFFにして、パチンコ機2の電源をOFFとする。これにより、呼出ランプ装置200も省エネモードとなって、ランニング点灯処理が行われなくなる。即ちホールコンピュータ110のCPUは、悲通電処理の実行に伴って、該非通電処理により非通電状態となったパチンコ機10に対応する呼出ランプ装置200の表示手段による表示は実行可能とするが演出手段による演出の実行を不能とする遊技用装置制御手段として機能するものである。
【0082】
S316で電源OFF通知を受信したと判定されたときは(YES)、S317で電力管理画面上での上記報知を停止し、S318で電力管理画面上での当該台番号のアイコンを電源OFF表示とする。S318の実行後はS300に戻る。
【0083】
上記S311でOFFに切り替わったと判定されたときは(YES)、S318で電力管理画面上での当該台番号のアイコンを電源OFF表示とする。また、上記S313で電力管理画面上で電源OFF操作が受け付けられたと判定されたときは(YES)、S315以下の処理を行う。即ち、呼出ランプ装置200に電源OFF指令を送信し、電源をOFFとする制御を行う。
【0084】
このようにホールコンピュータ110は、非稼働中電源ONを検知したときに(S311でNO)、その旨を報知し(S312)、報知開始から所定時間経過しても電源OFFの措置が採られないときには(S314でYES)、強制的に電源OFF制御を行う(S315)。従って、遊技場の管理者等が非稼働中電源ONのパチンコ機2に気づかなかった場合等にも、当該台の電源が自動的にOFFとなる。これにより、非稼働中電源OFF率を向上させ、非稼働中消費電力量を削減することが可能である。
【0085】
次に図19を用いてパチンコ機2の電源状態がOFFの状態、呼出ランプ装置200が省エネモードの状態であるときの処理について説明する。この状態においてMPU279が、入力ボタン262a〜262dの操作を待機している(S400)。MPU279が入力ボタン262a〜262dのいずれかの操作を検出すると(S400でYES)、S401で電源ONのための所定の操作を受け付けた旨を示す操作通知がホールコンピュータ110に送信され、これを受信したホールコンピュータ110は、S402で電源ON指令を返信する。これを受信したホールコンピュータ110は、S410でリレースイッチ462をONとする。これによりパチンコ機2の電源ラインが電源供給部10に接続され、電力が供給されることとなる。このリレースイッチ462のONに伴い、S411で呼出ランプ装置200はホールコンピュータ110に電源ON通知を送信し、S412で呼出ランプ装置200を通常モードに復帰させる。このように電源状態がOFFのパチンコ機2に対応する呼出ランプ200が操作されたときは、遊技が開始される可能性が高いために電源をONとし、呼出ランプ装置200のランニング点灯を可とする。
【0086】
[3.変形例]
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
【0087】
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機である例について説明したが、これに限らず遊技機はスロットマシンであっても良い。スロットマシンからは、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号が出力されるが、稼働状態の判定は、メダルIN信号を受信したときに稼働中とし、所定時間(例えば15分以上)メダルIN信号を受信しなければ非稼働中とすると良い。
【0088】
上記の実施形態では、電源制御部461から電源ON/OFF通知が出力されることにより、切替手段(台端末4及び呼出ランプ装置200)のMPUが電源状態がONであるかOFFであるかを認識する例について説明したが、これに限らず切替手段のMPUは、電力計464によって計測された消費電力によって電源状態を判断するようにしても良い。例えば消費電力が所定値以上(例えば遊技機の通常消費電力の30%以上)であれば電源状態をONと判断し、所定値以下であれば電源状態をOFFと判断するようにしても良い。
【0089】
上記の実施形態では、稼働状態が稼働中であるか非稼働中であるかを打込信号に基づいて判定する例について説明したが、これに限らず、稼働状態は始動信号に基づいて判定するようにしても良く、例えば始動信号を受信したときは稼働中とし、20分以上始動信号を受信しなければ非稼働中とするようにしても良い。また、稼働状態の判定は、遊技データに限らない。例えば、対応するパチンコ機2の下方に人間の所在を検知するための人感センサを設置しておき、当該センサによって人間の所在が検知されているときは稼働中、検知されていないときは非稼働中と判断するようにしても良い。
【0090】
上記の実施形態では、切替手段(台端末4及び呼出ランプ装置200)に電力計464が搭載されている例について説明したが、本発明の切替手段は、電力計を備えるものには限定されない。
【0091】
上記の実施形態では切替手段が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、切替手段は遊技機の側方に遊技機と1対1に対応して設けられるカードユニットであっても良く、これに上記実施形態の省エネモジュール46を搭載するようにしても良い。カードユニットに上記人感センサを設置することで遊技機の稼働状態の把握が可能となる。また、対応する遊技機の電源がOFFのときに、カードユニットに対して入金又はカードが挿入されたときは、その旨がホールコンピュータ110に送信され、これを受信したホールコンピュータ110から当該遊技機の電源をONとする制御を行うようにすると良い。
【0092】
上記の実施形態では切替手段が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、切替手段は遊技機の側方に遊技機と1対1に対応して設けられ、遊技用価値の大きさを特定可能なカードを受け付けて貸与処理を行うカードユニットであっても良く、これに上記実施形態の省エネモジュール46を搭載するようにしても良い。この場合にも、これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、カードユニット側から供給されている。また、カードユニットはリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でもカードユニットには電源が供給される。
【0093】
また、上記の実施形態では、遊技用装置が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、遊技用装置は上記カードユニットであっても良い。このカードユニットに上記人感センサを設置することで遊技機の稼働状態の把握が可能となる。また、対応する遊技機の電源がOFFのときに、カードユニットに対して入金又はカードが挿入されたときは、ホールコンピュータ110からの電源ON指令によって自動的に当該遊技機の電源をONとする制御を行うようにすると良い。
【0094】
また、遊技用装置がカードユニットである場合には、カードが排出されてから稼働無し(例えば打込無し)で所定時間が経過(例えば3分間経過)したら、遊技者が離れたとみなして、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令によって自動的にパチンコ機2の電源をOFFとするようにしても良い。またカードユニットが遊技データを表示する表示装置を備える場合には、パチンコ機の電源がOFFの状態で、該表示装置に遊技データを表示させる操作や表示されている遊技データを切り替える操作が行われたことに基づいて、ホールコンピュータ110からの電源ON指令によって自動的にパチンコ機2の電源をONとするようにしても良い。
【0095】
また、遊技用装置が、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数(持玉数)の範囲内のパチンコ玉の払出し(返却)を行う、各台計数機能を備えたカードユニットである場合には、非稼働中電源ONの報知開始から所定時間が経過したときでも、ホールコンピュータ110で当該持玉数が0でなければ電源をOFFとしない処理を行うようにすると良い。また各台計数機能を備えたカードユニットにおいて、計数玉数を特定可能な計数カードを発行する離席モード操作が行われた場合にはホールコンピュータ110からの電源OFF指令によってパチンコ機2の電源をOFFとし、該計数カードが挿入されて離席モードが解除された場合にはホールコンピュータ110からの電源ON指令によってパチンコ機の電源をONとする処理を行うようにしても良い。
【0096】
上記の実施形態では切替手段が、遊技データの収集等を行う台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、本発明の切替手段は、対応する遊技機の電源のON/OFFをホールピュータ110からの指令に応じて制御可能なものであれば良い。従って、ホールコンピュータ110からの指令に応じてリレースイッチ462のON/OFFを制御する機能を有するスイッチモジュール単体であっても良い。即ち、ホールコンピュータ110は、稼働状態を把握可能な信号を台端末4又は呼出ランプ装置200から得る一方、電源ON/OFFの指令は上記スイッチモジュールに送信するようにしても良い。このように稼働状態を把握するための情報取得経路と、遊技機の電源ON/OFF指令を送信するための電源制御経路を異ならせるようにしてもよい。
【0097】
さらに前述したように、通常は、遊技場内の電源に変圧器が接続され、この変圧器の負荷側(パチンコ機側)に電源タップが付設されている。上記スイッチモジュールをこの電源タップの差込口付近に設置して、このスイッチモジュールによって遊技機の電源のスイッチングを行うようにしても良い。即ち、パチンコ機の電源のスイッチングを行う箇所はパチンコ機の近辺に限定されるものではない。
【0098】
上記の実施形態では、台端末4や呼出ランプ装置200で、対応する遊技機の稼働状態及び電源状態が記憶されている例について説明したが、これに限らず、台端末4や呼出ランプ装置200では、稼働状態及び電源状態を一切記憶せず、稼働状態を把握可能とする信号(例えば打込信号)をホールコンピュータ110に送信するものであれば良い。ここで、本実施形態のホールコンピュータ110は各台の電源ON/OFFを制御するものであるため、各台の電源状態を把握可能である。また、打込信号を遊技機から直接又は間接に受信することで稼働状態の把握も可能となる。従って、ホールコンピュータ110は、少なくとも稼働状態を把握することが可能な情報を遊技機や遊技用装置から取得可能であれば良い。
【0099】
上記の第2実施形態においては、呼出ランプ装置200が、対応するパチンコ機2の電源がOFFとなったときに、演出としてランニング点灯を停止する例について説明したが、これに限らず、LEDモジュール267の点灯動作全て(例えば所定時間毎に行われる装飾用の点灯等)を停止するようにしても良い。
【0100】
上記の第2実施形態においては、呼出ランプ装置200のLCD263で、省エネモード中は通常モード中と異なる表示が行われる例について説明したが、これに限らず、省エネモード中も通常モード中と同じ表示が行われるようにしても良い。即ち、呼出ランプ装置200のLCD263は、省エネモード中も何らかの表示(遊技者の遊技機選択に資する表示が好ましい)を行うものであれば良く、その表示内容は特に限定されない。
【0101】
上記の実施形態では、空調1〜6が全て天井空調ユニットである例について説明したが、これに限らず、島の両端に送風機能を有する島端ユニットを配置し、島内部の送風ダクトに向けて熱交換された空調空気を送り込むようにしておき、その空調空気が島内部の送風ダクトを通過して各遊技機の下方に設けられた供給口から遊技者側に供給されるようにしても良い。例えば図7の画面に示される島02において、島02の画面上の上下両端に島端ユニットを設置し、島の内部中央を縦断するような送風ダクトを設けるようにしても良い。011番台〜030番台の遊技機の下方には、空調空気の供給口が設けられているものとする。両端の島端ユニットから送風されることで、各台の下方から空調空気が供給され、各台で遊技を行っている遊技者に直接空調空気があたり、快適に遊技を行うことができる。
【0102】
このような構成としたときに、例えば島02の画面上の下端に近い遊技機016〜020番台及び026〜030番台の電源OFF数が6〜8であるような場合、下端側の島端ユニットの送風を停止するようにすると良い。これにより遊技者の快適性を低下させずに、遊技場の消費電力を低下させることができる。
【0103】
上記の実施形態では、空調1〜6の風量が担当台の電源OFF数によって制御される例について説明したが、空調1〜6の設定温度が担当台の電源OFF数によって制御されるようにしても良い。電源OFF数が少ないときには低温に設定し、電源OFF数が多いときには高温に設定するようにすると良い。
【0104】
上記の実施形態では、本体スイッチは常にONと仮定して説明したが、例えば、非稼働中電源ON状態の台が報知されており、この状態の台を発見した店員がリモコンを使用せずに本体スイッチをOFFとした場合を検討する。このとき、実際には電源がOFFとなって電力が殆ど消費されていない状態であるにもかかわらず、リレースイッチ462がONのままであるため管理情報としての電源状態はONである。従って、非稼働中電源ON状態の報知が引き続き行われてしまうという問題がある。これに対しては、以下のような措置を採ることができる。本体スイッチのOFFは遊技用装置の電力計464と電源状態によって判断することができる。電源状態がONであるにもかかわらず(リレースイッチ462がONであるとき)、電力計により計測される消費電力が通常の遊技機の消費電力より極端に小さくなったとき(例えば通常の消費電力の10%以下となったとき)は、本体スイッチがOFFになったと判定することができる。このときにはリレースイッチ462をOFFとし、電源状態をOFFとすると良い。これにより、誤報知を防止することができる。
【0105】
上記の第2実施形態では、ホールコンピュータ110が非稼働中電源ONである旨を報知してから所定時間経過すると、自動的にリレースイッチ462をOFFとする制御を行う例について説明したが、これに限らず、当該報知のみを行い、電源の自動OFF制御は行わないようにしても良い。第1実施形態のホールコンピュータ110と同様に、当該報知後に、電力管理画面で電源OFF操作を受け付けるまでは非稼働中電源ONの状態を継続させるようにしても良い。
【0106】
上記の第2実施形態では、呼出ランプ装置200が切替手段と遊技用装置を兼ねている例について説明したが、切替手段と遊技用装置とは別体であっても良い。例えば、遊技用装置が呼出ランプ装置200であって、切替手段が前述したスイッチモジュールであっても良い。
【0107】
上記の実施形態では、リレースイッチ462が、台端末4又は呼出ランプ装置200の内部に設けられている例について説明したが、これに限らず、該リレースイッチ462は、台端末4又は呼出ランプ装置200の外部において、電力供給部10とパチンコ機2の電源基板との間に設けられていても良い。
【0108】
上記の実施形態では、図6に示すように、ホールコンピュータ110の電力テーブルで、非稼働中電源OFF率が管理され、該非稼働中電源OFF率が所定割合(例えば50%)以下の遊技機が、図9に示すように報知される例について説明したが、これに限らず、ホールコンピュータ110の電力テーブルで、非稼働中電源ON率(即ち非稼働時間に対する電源ON時間の割合)を管理し、該非稼働中電源ON率が所定割合(例えば50%)以上の遊技機を、図9に示すように報知するようにしても良く、いずれの態様でも、当該遊技機の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0109】
上記の実施形態では、ホールコンピュータ110が、図6に示すように、遊技機の電源状態のON/OFFを管理する例について説明したが、遊技機が所定条件の成立(例えば店員によるリモコン操作や稼働の低下等)で電力消費を抑制した省電力状態(省エネ)となるものである場合には、該遊技機が省電力状態であるか否かを示す省電力情報を遊技機又は遊技用装置から受信して、図20に示すように、各遊技機の状態が通常であるか省エネであるかを管理し、図21に示すように、図7と略同様の電力管理画面において、稼働中の台と、非稼働中で通常モードの台(即ち省エネ中でない台)と、非稼働中で省エネモードの台(即ち省エネ中である台)とを区別して表示するようにしても良い。
【0110】
また図20に示すように、各遊技機について、省エネであった省電力時間(省エネ時間),又は省エネでなかった非省電力時間(非省エネ時間:図示外)を管理し、非稼働中省エネ時間率(即ち非稼働時間に対する省エネ時間の割合)が所定割合以下の遊技機,又は非稼働中非省エネ時間率(即ち非稼働時間に対する非省エネ時間の割合:図示外)が所定割合以上の遊技機を、図9に示すように報知するようにしても良い。この場合にも、当該遊技機の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0111】
上記の実施形態では空調1〜6が天井空調ユニットであり、各空調が担当する遊技機の電源OFF数によって風量又は温度が自動調整される例について説明したが、このような制御に加えて、さらに以下のような構成を採り、以下のような制御を行うようにしても良い。図22(a)に示すように、遊技島501の上面長手方向に亘って開口するように吸入部501aを設けておき、遊技場の店舗の天井に設置されている天井空調ユニット500から供給される空調済みの空気(空調空気)を取り込むことができるようにする。また、パチンコ機2が設置されている遊技島501の側面下方位置には、空気の供給口511L及び511Rを、各パチンコ機2の下方位置に設けておく。
【0112】
これら吸入部501aと供給口511L及びRとの間に形成される送風経路内には、送風ファンを内在し、吸入部501aから吸入されてきた空調空気を下方に付勢して吐出する送風機502が配置されており、この送風機502から吐出された空調空気が供給口511L及びRから遊技者に提供されるようになっている。本例では、送風機502は、島を挟んで向かい合う遊技機2台に対して1台設置されている。また、送付機502の出口近傍の送風経路は頂部510から2股に分かれており、分岐した一方の経路は、遊技島左に位置する供給口511L、他方は遊技島右に位置する供給口511Rに各々通じている。従って、1台の送風機502によって、遊技島の左右の遊技者に空調空気を提供するようになっている。なお、送風機502は熱交換器を備えた室内機であっても良く、これによって空調された空気を遊技者に提供するようにしても良い。
【0113】
また、送風機502の出口近傍には上記2つの経路に対応する風向板503L,503Rが設けられており、この風向板503L,503Rの開閉によって一方の経路を封鎖して、他方の経路に空調空気を集中して供給することができる。また、送風機502の風量は、強、中、弱、及び無(電源OFF)の4段階調節することができるものとする。この送風機502は、空調制御装置20によって個別に制御可能であり、空調制御装置20から送信されるコマンドに応じて、風量を、強、中、弱、及び無(電源OFF)の4段階切り替え、風向板503L,503Rの開閉を各々制御可能である。また、各送風機502には、当該送風機502を識別可能とする送風機識別情報が付されており、送風機識別情報は、各々が設置される遊技島の島番号(1つ)及び各々が担当する遊技機の台番号(2台)と対応づけてホールコンピュータ110の台情報テーブルに登録されているものとする。また、当該台番号と対応づけて当該台番号の遊技機に対応する風向板(遊技島左側の風向板(503L)であるか遊技島右側の風向板(503R)であるか)を識別可能な風向板識別情報も登録されているものとする。なお、空調制御装置20においても送風機識別情報及び風向板識別情報を識別可能である。
【0114】
ここで、図22(a)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の稼働状態が稼働中である場合(例えば図24に示す遊技島02の台番号011及び021がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両台の稼働状態が稼働中であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を強、風向板503L及び503Rをいずれも開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を強、風向板503L及び503Rをいずれも開とする制御を行う。その結果、図22(a)に示すように、風量は強で、風向板503L及び503Rは何れも開となり、遊技島501の左右で遊技を行っている各々の遊技者に空調空気が供給されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「強」が表示されることとなる。
【0115】
また、図22(b)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の一方(L)の稼働状態が稼働中であり、他方(R)の電源状態がOFFの場合(例えば図24に示す遊技島02の台番号012及び台番号022がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で一方の台(L)の稼働状態が稼働中であること、及び他方の台(R)の電源状態がOFFであることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を中、風向板503Lを開、風向板503Rを閉とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を中、風向板503Lを開、503Rを閉とする制御を行う。その結果、図22(b)に示すように、風量は中で、風向板503Lは開、503Rは閉となり、遊技島501の左で遊技を行っている遊技者にのみ空調空気が供給されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンの左側(即ち空調空気を供給している側)に、当該風量である「中」が表示され、右側(即ち空調空気の供給が停止されている側)には、「無」が表示されることとなる。
【0116】
ここで送風機502の風量設定は「中」であるが、供給口511Rへの経路は、風向板503Rにより遮断されているため、供給される空調空気は供給口511Lに集中する。これにより、風量設定「中」であっても、遊技島左の遊技者に十分な風量の空調空気を提供することができるようになり、送風機502の消費電力を低減させることができるようになっている。
【0117】
また、図23(c)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の両方が非稼働中電源ONの状態である場合(例えば図24に示す遊技島03の台番号037及び台番号047がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両方の台が非稼働中電源ONの状態であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を弱、風向板503L及び503Rを開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を弱、風向板503L及び503Rを開とする制御を行う。その結果、図23(c)に示すように、風量は弱で、風向板503L及び503Rは開となり、遊技島501の左右に弱の空調空気が提供されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「弱」が表示されることとなる。
【0118】
また、図23(d)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の両方が電源OFFの状態である場合(例えば図24に示す遊技島03の台番号035及び台番号046がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両方の台が電源OFFの状態であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を無、風向板503L及び503Rを開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を無、風向板503L及び503Rを開とする制御を行う。その結果、図23(d)に示すように、送付機502は停止し、風向板503L及び503Rは開となり、遊技島501の左右に空調空気は提供されない。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「無」が表示されることとなる。
【0119】
このように遊技島の左右の遊技機が電源OFFの状態であるときには、送風機502を停止させるため、送風機502の消費電力を低減させることができるようになっている。なお、遊技島の左右の遊技機のうち、いずれか一方が稼働状態であり、他方が非稼働中電源ON状態の場合には、風量は「強」とし、風向板503L及び503Rはいずれも開とする制御を行うものとする。
【0120】
一般的に遊技場の天井は高く設計されており、天井空調ユニット500の空調空気が効率よく遊技者に提供されることが困難であるという問題がある。これに対して天井空調ユニット500の出力を向上させると遊技場全体の温度調整が容易となるが消費電力が向上してしまう。一方、上記実施形態のように、天井空調ユニット500が担当する台の電源OFF数に応じて風量を調整することで、可能な限り遊技者に快適な遊技環境を提供しつつ遊技場全体の消費電力量を低減させることができる。しかし、この場合でも、一般的には多数の担当台(本例では8台)が存在することにより、当該担当エリアで少人数でも遊技者が遊技を行っている場合等は、設定温度を極端に高くしたり、あるいは風量を低下させたりすることが困難であるという事情もある。これに対して上記のような構成を採り、上記のような制御を行うことで、台単位で遊技者に空調空気を提供することが可能となる。そのため、天井空調ユニット500の担当エリアで遊技を行っている遊技者が少人数である場合に、当該天井空調ユニット500の設定温度を高くしたり、風量を低下させても、これら少人数の遊技者に空調空気を提供することができ、快適な遊技環境を維持しつつ、遊技場全体としての消費電力の削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0121】
1…遊技用システム
2…パチンコ機
4…台端末
41…台端末のMPU
42…メモリ
44…台端末の通信部
46…省エネモジュール
200…呼出ランプ装置
276…EEPROM
279…呼出ランプ装置のMPU
274…呼出ランプ装置の通信部
461…電源制御部
462…リレースイッチ
110…ホールコンピュータ
112…CPU
115…記憶装置
117…表示装置
119…ホールコンピュータの通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の管理装置を備える遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技場の店員や遊技者の操作により、デモ演出状態(即ち省電力状態)となる遊技機が知られている。また特許文献2に示すように、遊技機の省電力モードへの切替を、管理装置からの指示により行う遊技システムも知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−206835号公報
【特許文献2】特開2005−152391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献に示す発明では、遊技機が省電力モードを搭載していないと省電力営業ができず、該省電力モードを搭載していない遊技機では省電力営業ができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、省電力モードを搭載していない遊技機でも省電力営業ができるようにする遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず手段1に係る発明は、
一の遊技機(パチンコ機2)に対応して設けられ、電源(電力供給部10)から該一の遊技機に対して電力が供給される通電状態(電源ON)と該電力が供給されない非通電状態(電源OFF)とに切替可能な切替手段(台端末4又は呼出ランプ装置200)と、
複数の前記切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したこと(電力管理画面におけるON操作又は呼出ランプ装置200の入力ボタン262a〜262dの操作)に基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理を行う一方、所定の非通電条件が成立したこと(電力管理画面におけるOFF操作)に基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理を行う切替制御手段(CPU112)を有する管理装置(ホールコンピュータ110)と、
を備えることを特徴とする遊技用システム(1,1’)である。
【0008】
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した遊技用システム(1,1’)であって、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
複数の前記遊技機の各々が稼働状態であるか非稼働状態であるかを示す稼働情報(打込信号)を受信する稼働情報受信手段(通信部119)と、
該稼働情報受信手段により受信した稼働情報に基づき、前記複数の遊技機の各々について、稼働状態であるか非稼働状態であるかを管理する稼働状態管理手段(記憶装置の電力管理テーブル)と、
前記複数の遊技機のうち、前記非稼働状態である遊技機を特定可能に報知する報知手段(表示装置117)と、をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0009】
また手段3に係る発明は、
手段1又は2に記載した遊技用システム(1’)であって、
複数の前記遊技機の各々に対応して設けられ、遊技情報を表示する表示手段(LCD263)と、装飾用の演出を行う演出手段(LEDモジュール267)とを含む遊技用装置(呼出ランプ装置200)をさらに備え、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
前記通電処理の実行に伴って、該通電処理により通電状態となった遊技機に対応する前記遊技用装置の前記表示手段による表示と前記演出手段による演出を実行可能とする一方、前記非通電処理の実行に伴って、該非通電処理により非通電状態となった遊技機に対応する前記遊技用装置の前記表示手段による表示は実行可能とすると共に前記演出手段による演出を実行不能とする遊技用装置制御手段(CPU112)をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【0010】
さらに手段4に係る発明は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した遊技用システム(1,1’)であって、
前記管理装置(ホールコンピュータ110)は、
複数の前記遊技機の各々について、通電状態であるか非通電状態であるかを管理する通電状態管理手段(記憶装置の電力管理テーブル)と、
前記遊技機の一又は複数に対応する店内設備(空調1〜6)の各々について、前記通電状態管理手段における管理状況に基づいて、動作を制御する処理を行う店内設備制御手段(CPU112)と、をさらに有することを特徴とする遊技用システムである。
【発明の効果】
【0011】
まず手段1に係る発明によれば、遊技機に設けられる電源スイッチをON/OFFしなくても、管理装置の処理により当該遊技機を通電状態と非通電状態とに切り替えることができるので、該非通電状態に切り替えることにより、省電力モードを搭載していない遊技機でも省電力営業ができる。
【0012】
また手段2に係る発明によれば、管理装置において、非稼働状態の遊技機が報知されるので、該遊技機に電力が供給された状態で放置されることを防止して、遊技場の運営に支障をきたさずに消費電力を削減することができる。
【0013】
また手段3に係る発明によれば、遊技機が非通電状態である場合には、該遊技機に対応して設けられる遊技用装置の演出手段による演出も実行不能とされるので、さらに消費電力を削減することができる。
【0014】
さらに手段4に係る発明によれば、遊技機が通電状態であるか非通電状態であるかに応じて、当該遊技機に対応する店内設備の動作が制御されるので、さらに消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は第1実施形態に係る遊技用システムの一例を表すシステム図である。
【図2】図2は第1実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図3】図3(a)は第1実施形態に係る台端末が記憶している台データテーブルの一例を表す図であり、図3(b)は第1実施形態に係る台端末が記憶している電力データテーブルの一例を表す図である。
【図4】図4は第1実施形態に係る省エネモジュールが行う電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図5】図5(a)はホールコンピュータが記憶している台情報テーブルの一例を表す図であり、図5(b)はホールコンピュータが記憶している遊技情報テーブルの一例を表す図である。
【図6】図6(c)は第1実施形態におけるホールコンピュータ、第2実施形態ではホールコンピュータ及び呼出ランプ装置が記憶している電力管理テーブルの一例を表す図である。第2実施形態において呼出ランプ装置が記憶しているのは当該台番号のデータのみである。
【図7】図7はホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図である。
【図8】図8はホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図であり、画面上で電源OFFの操作が行われる際の表示画面の例である。
【図9】図9はホールコンピュータに表示される電力管理画面の他の例を表す図である。
【図10】図10はホールコンピュータに表示される電力管理グラフの一例を表す図である。
【図11】図11はホールコンピュータに表示される電力推移グラフの一例を表す図である。
【図12】図12はホールコンピュータに表示される比較グラフの一例を表す図である。
【図13】図13は第2実施形態に係る遊技用システムの一例を表すシステム図である。
【図14】図14は第2実施形態に係る呼出ランプ装置の一例を表す正面図である。
【図15】図15は第2実施形態に係る遊技用システムの一例を表す機能ブロック図である。
【図16】図16(a)は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が記憶している台データテーブルの一例を表す図であり、図16(b)は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が記憶している電力データテーブルの一例を表す図である。
【図17】図17は第2実施形態に係る呼出ランプ装置が行う電源制御処理の一例を表すフローチャートである。
【図18】図18は第2実施形態に係るホールコンピュータが行う状態切替時処理の一例を表すフローチャートである。
【図19】図19は呼出ランプ装置が省エネモード中のときの入力ボタン操作時の処理の一例を表す図である。
【図20】図20は省電力状態となる遊技機を対象として、第1実施形態におけるホールコンピュータ、第2実施形態ではホールコンピュータ及び呼出ランプ装置が記憶している電力管理テーブルの一例を表す図である。第2実施形態において呼出ランプ装置が記憶しているのは当該台番号のデータのみである。
【図21】図21は省電力状態となる遊技機を対象として管理するホールコンピュータに表示される電力管理画面の一例を表す図である。
【図22】図22は、島内部の略式断面図であり、図22(a)は送風機の風量が強であるときの送風経路、図22(b)は送風機の風量が中であるときの送風経路を表す図である。
【図23】図23は、島内部の略式断面図であり、図23(c)は送風機の風量が弱であるときの送風経路、図23(d)は送風機の風量が無、即ち送風機の電源をOFFとした状態の図である。
【図24】図24は、島内部に送風機が設置されているときの、各送風機の風量を把握するための画面の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
本発明に係る遊技用システムは、一の遊技機(パチンコ機2)に対して電力が供給される通電状態(電源ON状態)と、該電力が供給されない非通電状態(電源ON状態)とに切替可能な切替手段(台端末4又は呼出ランプ装置200のリレースイッチ462)と、複数の切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したこと(ホールコンピュータ110の電力管理画面におけるON操作又は呼出ランプ装置200の入力ボタン262a〜262dの操作)に基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理(電源ON指令)を行う一方、所定の非通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理(電源OFF指令)を行う切替制御手段を有する管理装置(110)を含むものである。以下の実施形態では、切替手段が台端末4である第1実施形態に係る遊技用システム1と、切替手段が呼出ランプ装置200である第2実施形態に係る遊技用システム1’について説明する。
【0018】
[1:第1実施形態に係る遊技用システム1]
図1は、本実施形態における遊技用システム1の構成を示す図であり、この遊技用システム1は、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機としてのパチンコ機2に対応して設置されて、対応するパチンコ機2から出力される各種信号を受信して遊技データを収集すると共に、対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御する台端末4と、遊技場内の所定箇所に各台端末4と相互にデータ通信可能に接続されて設けられ、当該遊技場に設置されている各パチンコ機2における遊技にて発生した遊技データを管理すると共に、各パチンコ機2の稼働状態及び電源状態を管理し、台端末4を介して当該台端末4に対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御するホールコンピュータ110とを含む。
【0019】
(台端末)
本実施形態における切替手段である台端末4は、図2に示すように、その内部に、パチンコ機2に設けられている情報出力基板(図示せず)や、パチンコ機2へ供給されるパチンコ玉数(供給玉数)を計数するための供給玉検出スイッチ6や、パチンコ機2から排出されたパチンコ玉数(打込玉数)を計数するためのアウト玉検出スイッチ7に接続されて、当該パチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される入力手段としての入力ポート45と、現在時刻の時刻情報を出力するリアルタイムクロック43と、接続されているパチンコ機2に関する遊技データを記憶する台データテーブル、当該パチンコ機2の電源状態及び電力状態を記憶する電力データテーブル等が記憶される不揮発性メモリ42と、ホールコンピュータ110とのデータ通信を行うための送信手段としての通信部44と、台端末4において実施される各種処理を、図示しない内部ROM に記憶されている処理プログラムに基づいて実施するマイクロプロセッシングユニット(MPU)41とを有している。
【0020】
さらに本実施形態における切替手段としての台端末4は、図2に示すように、パチンコ機2の電源ON/OFFの切替及び切替制御、並びに電力モニタリングを行う省エネモジュール46を搭載している。通常は、遊技場内の電源に変圧器が接続され、この変圧器の負荷側(パチンコ機側)に電源タップが付設されている。この電源タップの差込口に負荷(パチンコ機)の電源ラインに連なる電源プラグを直接差し込むことで、負荷(パチンコ機)に適した電圧(変圧器によって変圧された電圧)が供給されるようになっている。そしてパチンコ機の電源のON/OFF制御は、パチンコ機の筐体に設けられたスイッチ(本体スイッチと称する)を店員が直接操作することによって行われる。これに対して、本実施形態では、台端末4に搭載した省エネモジュール46によっても、対応するパチンコ機2の電源のON/OFFを制御することを可能としている。本第1実施形態及び後述する第2実施形態においては、本体スイッチは常にONと仮定し、切替手段(省エネモジュール46を搭載した台端末4)側でパチンコ機2の電源のON/OFFを制御する例について説明する。省エネモジュール46は、電源制御部461、リレースイッチ462、及び電力計464等を含み、これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、台端末4側から供給されている。また、台端末4はリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でも台端末4には電源が供給される。
【0021】
図2に示すように、省エネモジュール46は、遊技場の電力供給部10からの電源ライン10aが接続される差込口46aと、対応するパチンコ機2からの電源ライン2bが接続される差込口46bとを有している。この電力供給部10からはパチンコ機2に適した電圧が供給されている。差込口46aと差込口46bとの間には、リレースイッチ462が接続されており、リレースイッチ462をONとすることで、電力供給部10の電源ライン10aとパチンコ機2の電源ライン2bが電気的に接続され、パチンコ機2に所定電圧が供給される。リレースイッチ462をOFFとすることで、電力供給部10の電源ライン10aとパチンコ機2の電源ライン2bが電気的な非接続状態となる。
【0022】
電力計464は、省エネモジュール46内のパチンコ機2の電源ラインに供給される電力を監視するものであり、パチンコ機2における消費電力及び当日所定時刻(例えば遊技場の開店時刻である10:00)からのパチンコ機2における消費電力量を計測している。また、電力計464はRS485やRS232C等の通信インターフェイスを備えており、計測値は逐次通信インターフェイスを介してMPU41に入力される。
【0023】
電源制御部461は、MPU41から入力されたデータ列に基づいて、リレースイッチ462のON/OFFを制御する回路基板等からなる。電源OFF指令を認識したときは、リレースイッチ462をOFFとし、MPU41に対して電源OFF通知を出力する。電源ON指令を認識したときは、リレースイッチ462をONとし、MPU41に対して電源ON通知を出力する。
【0024】
ここで、MPU41はホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したときは、これを電源制御部461用のデータ列として電源制御部461に出力し、電源制御部461は入力された電源ON指令に基づいて、リレースイッチ462をONとする。以下、「台端末4又はMPU41がリレースイッチ462をONとする」とは、これらの処理を行うことをいうものとする。また、MPU41が電源制御部461から電源ON通知を受信したときは、MPU41はホールコンピュータ110に対して、対応するパチンコ機2の電源がONとなった旨を示す電源ON通知を送信するものとする。また、MPU41はホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したときは、これを電源制御部461用のデータ列として電源制御部461に出力し、電源制御部461は入力された電源OFF指令に基づいて、リレースイッチ462をOFFとする。以下、「台端末4又はMPU41がリレースイッチ462をOFFとする」とは、これらの処理を行うことをいうものとする。また、MPU41が電源制御部461から電源OFF通知を受信したときは、MPU41はホールコンピュータ110に対して、対応するパチンコ機2の電源がOFFとなった旨を示す電源OFF通知を送信するものとする。
【0025】
前記不揮発性メモリ42内には、図3(a)に示すように、当該台端末4に接続されているパチンコ機2の遊技機識別情報である台番号に対応付けて、遊技データとなる供給玉検出スイッチ6から出力される供給信号に基づく供給玉数の項目と、アウト玉検出スイッチ7から出力される打込信号に基づく打込玉数の項目と、該打込玉数から供給玉数を差し引いた値である差玉数の項目と、パチンコ機2に設けられた可変表示装置(図示せず)の可変表示が終了したときにパチンコ機2から出力される始動信号が加算記憶される始動信号数の項目と、パチンコ機2において大当りの発生中において当該パチンコ機2から出力される大当り中信号に基づく大当り回数の項目と、パチンコ機2において確率変動大当りの発生中において当該パチンコ機2から出力される確変中信号に基づく確変回数の項目と、その時点での大当り中信号の出力状態を示す大当り中信号状態の項目と、その時点での確変中信号の出力状態を示す確変中信号状態の項目と、が記憶されている台データテーブルが記憶されている。
【0026】
これら台データテーブルにおける各遊技データが更新される流れについて具体的に説明すると、本実施形態の前記供給玉検出スイッチ6からは、パチンコ機2に供給されたパチンコ玉数が10球となる毎に1パルスの供給信号が出力されることから、1パルスの供給信号の入力毎に、供給玉数の値に10を加算更新する。また、同様に本実施形態のアウト玉検出スイッチ7からは、パチンコ機2から排出されたパチンコ玉数が10球となる毎に1パルスの打込信号が出力されることから、1パルスの打込信号の入力毎に、打込玉数の値に10を加算更新する。
【0027】
また、始動信号は可変表示の終了時にパチンコ機2から1パルス出力されることから、1パルスの始動信号入力毎に始動信号数に1を加算し、大当り回数は、大当り中信号が新たに出力中状態となったことに基づいて1が加算更新され、確変回数は、確変中信号が新たに出力中状態となったことに基づいて1が加算更新される。
【0028】
また、不揮発性メモリ42内には、図3(b)に示すように、当該台端末4に搭載された省エネモジュール46のリレースイッチ462がON状態であるかOFF状態であるかを示す電源状態と、当該省エネモジュール46の電力計で計測された消費電力及び消費電力量と、が記憶されている電力データテーブルが記憶されている。電力データテーブルの「電源状態」は、MPU41が電源制御部461から電源ON通知を受信することによって「ON」に更新され、電源OFF通知を受信することによって「OFF」に更新される。「消費電力」及び「消費電力量」は、電力計464で計測された消費電力及び消費電力量が通信インターフェイスを介してMPU41に入力される毎に、該入力された消費電力及び消費電力量に更新される。
【0029】
ここで本実施形態の台端末4のMPU41は、遊技場内に設置されているパチンコ機2の台数に基づいて決定される所定時間毎、例えば10秒毎に、前記台データテーブルに記憶している情報である遊技データと、前記電力データテーブルに記憶している情報である電力データを、当該パチンコ機2の台番号に対応付けてホールコンピュータ110に送信する送信処理を実施する。図1に示すように、台番号に対応付けられた遊技データ及び電力データは、台端末4からハブ及び通信ケーブルを介してホールコンピュータ110に送信される。
【0030】
次に図4を用いて台端末4が実行する電源制御処理について説明する。台端末4は、S100及びS101に示すように、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令及び電源ON指令を待機している。S100でホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したと認識したときは(S100でYES)、S110でリレースイッチ462をOFFとし、S111でホールコンピュータ110に電源OFFを通知して、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。一方、S101でホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したと認識したときは(S101でYES)、S103でリレースイッチ462をONとし、S104でホールコンピュータ110に電源ONを通知して、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。このようにして、電源ON/OFFの制御を行った台端末4(電源制御部461から電源OFF又は電源ON通知を受信したMPU41)は、電力データテーブルの電源状態を更新する。
【0031】
(ホールコンピュータ)
次いで、本実施例に用いたホールコンピュータ110の構成を図2に基づいて説明する。本実施例のホールコンピュータ110は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス111に、当該ホールコンピュータ110が実施する各種処理を実施する記憶制御手段としてのCPU112、ワークメモリ等として使用されるRAM113、その時点の時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック114、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置115、キーボードやマウス等の入力装置116、各種画面等を表示出力するための表示装置117や、該表示装置117に表示される各種の情報を印刷出力するためのプリンタ118、台端末4や後述する空調制御装置20等とのデータ通信を行う受信手段としての通信部119が接続された通常のコンピュータである。
【0032】
前記記憶装置115には、該ホールコンピュータ110が実施する各種処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図5(a)に示す台情報テーブルと、図5(b)に示す遊技情報テーブルと、図6(c)に示す電力管理テーブルとが記憶されている。この台情報テーブルには、図5(a)に示すように、該遊技場に設置されている各パチンコ機2の台番号に対応付けて、当該パチンコ機2の機種名、当該パチンコ機2が設置されている遊技島の島番号、及び当該パチンコ機2の設置箇所に最も近い空調を識別可能な空調番号が記憶されている。
【0033】
また、遊技情報テーブルには、図5(b)に示すように、各パチンコ機2の台番号に対応付けて、遊技データが記憶できるようになっていて、台端末4における台データテーブルに記憶されている遊技データと同様に、供給玉数の項目と、打込玉数の項目と、差玉数の項目と、始動信号数の項目と、大当り回数の各項目とともに、始動信号数と大当り回数とから算出される大当り確率の項目と、各大当りが発生するまでの間の始動信号数である大当り間始動回数1,2・・・の項目と、台端末4から送信される遊技データに含まれる大当り中信号状態や確変中信号状態から判定される遊技状態(通常、大当り中、確変中)が記憶される遊技状態の項目とが設けられており、これら遊技情報テーブルにて各パチンコ機2における遊技にて発生した遊技データが記憶、管理されるようになっている。この遊技情報テーブルには、前日、前々日、前々々日・・・の過去1ヶ月間の遊技データが記憶、管理されている。
【0034】
本実施形態のホールコンピュータ110のCPU112は、前記台端末4から送信される遊技データに基づいて、遊技情報テーブルにおいて受信した台番号に対応付けられている各項目のデータを更新する処理を実施する。この処理によって、供給玉数、打込玉数、始動信号数等のパチンコ機の稼働状態を判定するための項目は、遅滞なく台端末4から受信したデータに更新されることになる。また、本実施形態のホールコンピュータ110のCPU112は、遊技情報テーブルに記憶されている遊技データや、後述する電力管理テーブルのデータをプリンタ118に出力したり、表示装置117に表示することが可能である。
【0035】
電力管理テーブルには、図6(c)に示すように、各パチンコ機2の台番号に対応付けて、稼働状態の項目と、電源状態の項目と、消費電力の項目と、消費電力量の項目と、稼働時間の項目と、稼働率の項目と、電源OFF時間の項目と、非稼働中電源OFF率の項目と、非稼働中消費電力量の項目とが記憶されている。「稼働状態」は、パチンコ機2の現在の稼働状態を示す項目であり、台端末4から受信した遊技データの打込玉数に基づいて決定される。本例では、CPU112は、受信した打込玉数が遊技情報テーブルで記憶していた数から増加したときは、稼働状態を「稼働中」とする。一方、前回打込玉数が増加した時点から10分間打込玉数が増加しなければ稼働状態を「非稼働中」とする。
【0036】
また、CPU112は電力データを受信したときに、電力管理テーブル中の対応する台番号の「電源状態」、「消費電力」、及び「消費電力量」を、受信した電力データに含まれる電源状態、消費電力、及び消費電力量の値に更新する。ここで本例では、当該更新のときに、電源状態がOFFからONに切り替わったときは、稼働状態を前述した打込玉数に基づく決定にかかわらず「稼働中」とし、電源状態がONからOFFに切り替わったときは、稼働状態を前述した打込玉数に基づく決定にかかわらず「非稼働中」とするものとする。
【0037】
電力管理テーブル中の「稼働時間」は、当該パチンコ機で遊技が行われた時間の指標となる項目であり、電力管理テーブルの本日「稼働状態」が「稼働中」であった時間を示している。なお遊技場の営業時間から該稼働時間を差し引くことにより非稼働時間が算出されるので、該非稼働時間も管理されていることになる。また「稼働率」は、営業時間中の当該パチンコ機で遊技が行われた時間の割合を示す指標となる項目であり、本日「稼働状態」が「稼働中」であった時間÷開店時刻からの経過時間×100(%)で算出される。例えば開店時刻が10:00であり、現在20:00であり、稼働時間が8時間である場合、稼働率は8÷10×100=80%となる。なお、この開店時刻からの経過時間の最大値は、遊技場の営業時間であり、例えば開店時刻が10:00で閉店時刻が22:00の遊技場では12時間である。
【0038】
電力管理テーブル中の「電源OFF時間」は、電力管理テーブルにおいて本日「電源状態」が「OFF」であった時間を示している。本例では1時間である。また、「非稼働中電源OFF率」は、本日「電源状態」が「OFF」であった時間÷本日「稼働状態」が「非稼働中」であった時間×100(%)で算出される。また、「非稼働中消費電力量」は、本日「稼働状態」が「非稼働中」であった時間の消費電力量であり、「非稼働中」における「消費電力量」の増加分を測定することによって得られる。これら電力管理テーブルのデータとして、当日分は10分毎のデータが記憶されており、過去1週間分は1時間毎のデータが記憶されており、過去1月分は1日毎のデータが記憶されているものとする。
【0039】
また、ホールコンピュータ110には、図1及び図2に示すように、通信部44を介して遊技場内の空調の設定温度及び風量を制御する空調制御装置100が接続されている。ここで本実施形態においては、図1及び図7に示すように、遊技場内に空調1〜6の6つの空調が設けられており、これらは全て空調制御装置100に接続されている。空調1〜6は図7に示すように、各遊技島に挟まれた領域の中央位置にあたる天井部に設置され、熱交換した空調空気を吐出供給可能な天井空調ユニットである。この天井空調ユニットは、正方形状とされた下面の中央部に空気の取り入れ部と、外周の4つの各辺に沿って4つのスリット状の空気吹き出し部とを有するとともに、その内部に送風装置を含む熱交換装置を有し、空気の取り入れ部から取り入れた空気を、熱交換装置を通過させることで熱交換した空調空気とした後、4つの空気吹き出し部から4方向に向けて吐出供給する。
【0040】
また、遊技場屋外には、空調1〜6各々に接続される室外機(図示せず)が設けられている。空調1〜6及び室外機は、図1及び図2に示すように、空調制御装置100に接続ケーブル等を介して電気的に接続されており、空調制御装置100によって温度及び風量が制御される。なお、空調1〜6及び室外機への電力供給は、空調機器専用の電力供給装置から供給されている。空調制御装置100は、ホールコンピュータ110と通信可能であり、ホールコンピュータ110からの情報に応じて各空調1〜6及び室外機の動作を制御する。従ってホールコンピュータ110から各空調の設定温度及び風量をコントロールすることができる。
【0041】
ここでホールコンピュータ110は、図5(a)に示す台情報テーブルによって、各空調が担当するパチンコ機2の台番号及び数を把握している。そして電力管理テーブルによって各パチンコ機2の電源情報も把握している。従って、各空調が担当する台数のうち、所定の台数が電源OFFとなれば、その空調の風量を低下させるという制御を行うことも可能となる。この制御については後述する。
【0042】
(ホールコンピュータによる管理)
図7には、ホールコンピュータの表示装置117に表示される電力管理画面の一例を表す図である。この電力管理画面は、遊技場内を俯瞰した図となっており、管理者は遊技島01〜04の配置、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号(本例では001〜060)、各遊技島に挟まれた領域の中央位置の天井部に設置された空調の空調番号、及び各空調と各パチンコ機2の位置関係を把握することができるようになっている。また、この画面においては、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号が表示された正方形状のアイコンの柄によって、当該台番号の台の稼働状態及び電源状態を把握することができるようになっている。この電力管理画面の表示は、前述した電力管理テーブルの「稼働状態」及び「電源状態」が反映されたものである。
【0043】
例えば、台番号001のように当該アイコンの柄が無地のものは、当該台番号の「稼働状態」が稼働中であることを示している。また台番号002のように当該アイコンの柄が斜線柄のものは、当該台番号の「稼働状態」が非稼働中であって、且つ「電源状態」でONであることを示している。また台番号002のように当該アイコンの柄が斜線柄のものは、当該台番号の「稼働状態」が非稼働中であって、且つ「電源状態」でONであることを示している。さらに台番号006のように、当該アイコンの隅が黒で塗りつぶされているものは、当該台番号の「電源状態」がOFFであることを示している。
【0044】
遊技場の管理者は、この電力管理画面を見ることによって、稼働中のパチンコ機2、非稼働中で電源ON状態のパチンコ機2、及び電源OFF中のパチンコ機を一見して把握することができる。また、非稼働中で電源ON状態のパチンコ機2の台番号が斜線柄で報知されているため、管理者は一見して非稼働中で電源ON状態の台を把握して、当該画面上で電源OFF操作を行うことにより、当該台の電源をOFFとするための制御信号である電源OFF指令が当該台に対応する台端末4に送信され、これを受信した台端末4は当該台の電源をOFFとする。これにより、非稼働中のパチンコ機2に電力が供給された状態で放置されることを防止し、遊技場の運営に支障をきたさずに消費電力を削減することができる。
【0045】
図8を用いて電力管理画面における電源OFF操作について説明する。図8(a)に示すように、管理者が電力管理画面上の、非稼働中電力ON状態が報知されている台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてクリックすると、図8(b)に示すように、当該台が非稼働中電力ON状態である旨と、電源をOFFする場合には、アイコンをダブルクリックする旨が表示される。管理者が当該台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてダブルクリックすると、電源OFF指令が当該台に対応する台端末4に送信されて、台端末4が電源をOFFとする。これに伴い、台端末4から電源OFF通知が返信され、これを受信したホールコンピュータ110は、図8(c)に示すように、当該台のアイコンをOFF表示とする。
【0046】
なお、各台のOFFからONへの切り替えも、これと同様にして電力管理画面上で可能である。図示しないが、管理者が電力管理画面上の、OFF状態が報知されている台(例えば006番台)のアイコンにカーソルを合わせてクリックすると、当該台がOFF状態である旨と、電源をONする場合には、アイコンをダブルクリックする旨が表示される。管理者が当該台(本例では002番台)のアイコンにカーソルを合わせてダブルクリックすると、電源ON指令が当該台に対応する台端末4に送信されて、台端末4が電源をONとする。これに伴い、台端末4から電源ON通知が返信され、これを受信したホールコンピュータ110は、当該台のアイコンを稼働中表示とする。
【0047】
また、この電力管理画面には、空調1〜6が設置されている位置に相当する箇所に点線のアイコンが表示されており、そのアイコンには当該空調の現在の風量が表示されている。例えば空調1の風量は「強」であり、空調4の風量は「中」であり、空調6の風量は「弱」となっている。各空調の風量は、各空調が担当する台のうち電源OFF状態の台の数によって調整されるようになっている。この調整は以下の例のように行われる。
【0048】
ホールコンピュータ110は、台情報テーブルを参照して、空調1が担当する台001〜005、及び011〜015を特定する。次いで、これらの台について電力管理テーブルを参照し、各台の電源状態を取得し、電源OFF状態の台数を算出する。このとき、電源OFF状態の台数が0〜2であれば風量を強、3〜5であれば風量を中、6〜8であれば風量を弱とするものとする。空調1が担当する台のうち電源OFF状態の台数は0であるから、風量は強となる。ホールコンピュータ110は空調制御装置20に対して、空調1の風量を強とする旨を指示し、これを受信した空調制御装置20では、空調1及び対応する室外機を制御して空調1の風量を強とする。同様にして、空調4が担当する台のうち電源OFF状態の台数は5であるから、風量4の風量は中となる。同様にして、空調6が担当する台のうち電源OFF状態の台数は6であるから、空調6の風量は弱となる。このようにして、電源OFF状態が多いエリアについては風量を低下させ、消費電力の削減を図ることができる。
【0049】
図9は、ホールコンピュータ110の表示装置117に表示される電力管理画面の他の例を表す図である。この電力管理画面は、遊技場内を俯瞰した図となっており、管理者は遊技島01〜04の配置、及び各遊技島に属するパチンコ機2の台番号(本例では001〜060)を把握することができるようになっている。また、この画面においては、各遊技島に属するパチンコ機2の台番号が表示された正方形状のアイコンの柄によって、非稼働中電源OFF率が所定割合(ここでは50%)以下の台を把握することができるようになっている。具体的には、前述した電力管理テーブルの「非稼働中電源OFF率」が50%以下の台のアイコンは斜線柄で表示されることにより、報知が行われる。これにより、非稼働中電源OFF率が所定割合以下の台を把握して、当該台の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0050】
次にホールコンピュータ110が提供する消費電力に関するグラフについて説明する。これらのグラフは全てホールコンピュータ110の表示装置117に表示可能である。図10は、各パチンコ機2の1日(開店時刻〜閉店時刻まで)の消費電力推移を示すグラフである。本例では、10:00〜12:00は稼働中であり、消費電力が高く推移している。12:00〜14:00は非稼働中で電源ONの時間帯である。この時間帯は消費電力が低下しているものの、依然として一定の電力は消費されている(例えばパチンコ機2が省エネルギーモードになっている期間である)。また、14:00〜16:00は電源OFFの状態となり、電力は消費されていない。そして、20:00〜22:00は、非稼働中で電源ONの時間帯であり、一定の電力は消費されている。
【0051】
ここで非稼働中電源ONの期間とは、本来パチンコ機2の電源をOFFとすべきであったにもかかわらず、放置されて電力消費状態が継続してしまった期間である。この期間で消費された電力である非稼働中消費電力量が斜線で示された面積に相当する。また、その値もグラフ下方に示されている。このようにして削減すべき電力(非稼働中消費電力)を一見して把握することができる。さらに、非稼働中電源OFF率も表示されており、本例では、その値が33%であることによって、削減の余地が大きいことを確認することができる。この非稼働中電源OFF率を100%に近づけることが消費電力の削減に有効である。遊技場の管理者は、電力管理画面を逐次確認して、非稼働中で電源ONの台(斜線柄によって報知が行われている台)を見つけ次第、電源OFF操作等の措置を採ることによって、非稼働中電源OFF率を向上させ、非稼働中消費電力量を低下させることができる。なお、本例では、005番台の1日の消費電力の推移が表示されているが、各島、各機種毎の消費電力の推移を同様にして確認することができる。また、期間も1日に限らず任意に定められる。後述する図11及び図12のグラフも同様である。
【0052】
図11は島01の月間の消費電力量、非稼働率中電源OFF率、及び非稼働中消費電力量の推移を示す電力推移グラフである。この例から、島01の消費電力量が徐々に低下しており、非稼働率電源OFF率が徐々に向上しており、非稼働中消費電力量が徐々に低下している様子を把握することができる。この結果からは、非稼働中の台の電源がこまめにOFFされる頻度が高まり、それに伴って非稼働中消費電力量が低下することで、島全体の消費電力量も低下したという傾向を確認することができる。
【0053】
図12は週間の各島(01〜04)の非稼働中電源OFF率の推移を示すグラフである。このように、島間のデータを比較することも可能である。
【0054】
[2:第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に第2実施形態に係る遊技用システム1’について、第1実施形態と異なる点のみを説明する。先ず図13は、本発明の切替手段となる呼出ランプ装置200が適用された第2実施形態の遊技用システム1’を示すシステム構成図である。図13に示すように、第2実施形態の遊技用システム1’は、遊技機であるパチンコ機2に1対1に対応して設けられ、対応するパチンコ機2の本発明における遊技データを収集して表示すると共に、対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御する呼出ランプ装置200と、これら各呼出ランプ装置200にて収集された各パチンコ機2の遊技データを受信し、各パチンコ機2における各種の遊技データを管理すると共に、各パチンコ機2の稼働状態及び電源状態を管理し、呼出ランプ装置200を介して当該呼出ランプ装置200に対応するパチンコ機2の電源ON/OFFを制御するホールコンピュータ110とを含む。
【0055】
ここで第1実施形態では、ホールコンピュータ110が非稼働中電源ON状態のパチンコ機2を特定し、電力管理画面上で当該台の台番号を報知する(斜線柄で表示する)ことによって、管理者が当該台を把握し、その後電力管理画面上で店員による電源OFF操作が行われる例について説明した。これに対して第2実施形態では、電力管理画面上で当該台の台番号が報知された後、所定時間(例えば)5分経過しても電源OFFの措置が採られない場合には、呼出ランプ装置200に対して電源OFF指令を送信する。即ち、報知後の一定時間内に電力管理画面上で電源OFF操作が行われない台は、強制的に電源がOFFとされる。さらに第2実施形態においては、対応するパチンコ機2が電源OFFの状態で呼出ランプ装置200の操作(入力ボタン262a〜262dの操作)が行われたときは、当該呼出ランプ装置200は、リレースイッチ462をONとする。即ち対応するパチンコ機2で遊技を開始する可能性があるときには、自動的に電源をONとする措置を採る。
【0056】
なお、本実施形態において、呼出ランプ装置200は、対応するパチンコ機2の電源状態がONであるときには通常モードとなり、後述する遊技データの表示処理及びランニング点灯処理のいずれもが実行可能であるが、対応するパチンコ機2の電源状態がOFFであるときには省エネモードとなり、ランニング点灯処理は実行されず、後述する遊技データの表示処理のみ可能となる。
【0057】
(呼出ランプ装置)
本実施形態における切替手段である呼出ランプ装置200は、図13に示すように、遊技場内に設置されている各パチンコ機2に1対1に対応して、該対応するパチンコ機2の上方位置に該パチンコ機2と信号ケーブルに接続されて設けられている。呼出ランプ装置200は、第1実施形態における切替手段である台端末4の入力ポート45と同様に、当該パチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される入力手段としての入力ポート278を備えている。
【0058】
また、各呼出ランプ装置200は、他の呼出ランプ装置200並びにホールコンピュータ110と、ハブ及び通信ケーブルを介して接続されており、各呼出ランプ装置200同士並びに各呼出ランプ装置200とホールコンピュータ110とが、データ通信可能とされている。また、各呼出ランプ装置200は、第1実施形態における台端末4と同様の省エネモジュール46を搭載している。
【0059】
図15に示すように、この省エネモジュール46、電力供給部10からの電源ライン、及びパチンコ機2の電源ラインの接続態様は、図2に示した第1実施形態における省エネモジュール46、電力供給部10からの電源ライン、及びパチンコ機2の電源ラインの接続態様と同様であり、説明を省略する。これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、遊技用装置(本例では呼出ランプ装置200)側から供給されている。また、呼出ランプ装置200はリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でも呼出ランプ装置200には電源が供給される。
【0060】
次に呼出ランプ装置200の、省エネモジュール46を除いた部分の構成について説明する。本実施型形態の呼出ランプ装置200は、遊技島の側面上部位置に開閉可能に設けられているランプ板に取付けられるものであり、図14及び図15に示すように、MPU279、接続ポート272、RTC273、通信部274、RAM275、EEPROM276等が実装された制御基板270と、この制御基板270と接続ポート272及び接続ケーブル271を介して接続された表示基板260とから構成される。
【0061】
図14に示すように、呼出ランプ装置200の中央部には、各種遊技データを表示可能な液晶(LCD)パネル263が配置されて表示画面が形成されている。この表示画面には、該呼出ランプ装置200が接続されているパチンコ機2の大当り回数や、確変回数や、大当り間始動回数1、大当り間始動回数2、・・・の各種の遊技データが表示される。表示画面の外周における下方近傍には遊技者が操作可能とされた入力ボタン262a〜262dが配置される。該表示画面の遊技者側となる下方表示領域には、入力ボタン262a〜262dにそれぞれ対応する入力メニューが、各入力ボタン262a〜262dの上方位置に表示されるようになっている。また、表示画面の外周には、店員が操作するリモコンからの赤外線信号を受信する受信ユニット(IR)265が配置されている。これら入力ボタン262a〜262d、及び受信ユニット265は、図15に示すように表示基板260に実装されている。
【0062】
また、図14に示すように、表示画面の左右両側には、各色の発光が可能なLEDモジュール267が左右対称に装着されており、これらは透明樹脂材にて形成された報知ランプカバー部によって覆われている。これらLEDモジュール267が所定の態様で発行することによって、店員に各種の報知を行う。
【0063】
この本例に用いたLCDパネル263は、フルカラー表示が可能なドットマトリックスLCDパネルを用いており、各種の文字や数字やグラフ等を、多種の表示色にて表示できるようになっている。このように本例では、表示画面を形成する表示パネルとしてドットマトリックスLCDパネルを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ELパネルや、LEDパネルや、蛍光管表示装置や、セグメント表示器としても良い。
【0064】
また、図15に示すように、該LCDパネル263の下部には、ELバックライト295が配置され、該ELバックライト295に所定の高周波電源を供給するドライバ回路294を接続することにより面発光し、前記LCDパネル263を下方より照光するようになっており、前記LCDパネル263及びELバックライト295とは、表示基板260に設置される基台上に配置されいる。尚、ドライバ回路294は接続ポート272を介してMPU279に接続され、MPU279によりELバックライト295の点灯が制御される。
【0065】
このLCDパネル263は、表示基板260に実装されたLCDドライバ264並びに接続ポート272を介してMPU279に接続され、該MPU279より出力される遊技データに基づく表示がLCDパネル263に表示されるようになっている。
【0066】
また、該MPU279には前記入力ボタン262a〜262dが接続ポート272を介して接続されており、入力ボタン262a〜262dが操作されることにより生じたオン信号が入力されると、前記制御マイコン279において、各画面での各入力ボタン262a〜262dに該当する処理が実施される。また、入力ボタン262a〜262dのいずれか1つは、店員を呼ぶための呼出ボタンに設定されており、当該呼出ボタンを操作することによって、所定態様でLEDモジュール267が点灯して、店員に遊技者からの呼出を報知する。
【0067】
また、受信ユニット265は、店員等により操作されるリモコン(図示せず)より送信される赤外線信号、例えば遊技者が休憩中である旨を表示するための指令信号等が入力される。
【0068】
また、表示基板260には、LEDモジュール267の点灯や消灯や点灯色等の点灯制御を行う点灯制御回路268が実装されており、該点灯制御回路268も接続ポート272(図15参照)を介してMPU279に接続されていて、該MPU279の指示データに基づいて点灯制御回路268が各LEDモジュール267を個別に点灯制御することで、MPU279が左右各色の点灯や点灯色や消灯を制御することができる。尚、本実施例では、MPU279は、各LEDモジュール267の点灯や消灯、並びに繰り返しタイミング等の状態を示す所定フォーマットの点灯制御データを点灯制御回路268に出力することで、点灯制御回路268が該点灯制御データに合致した点灯色の点灯や消灯を実施する。
【0069】
これら表示基板260に設けられている、LCDドライバ264、点灯制御回路268、ドライバ回路294、入力ボタン262a〜262dと、受信ユニット265とは、図15に示すように、表示基板260より導出され、外部に引き出された接続ケーブル271により前記制御基板270に接続されている。
【0070】
そして、この制御基板270には、図15に示すように、表示基板260に設けられている各種のデバイスや回路との各種信号の授受を実施するための接続ポート272や、当該遊技場のホールコンピュータ110や他の呼出ランプ装置200との双方向のデータ通信を実施する通信部274と、呼出ランプ装置200の表示動作や後述する各種の制御を行うためのプログラムが記憶され、該プログラムにより各種の制御を行うMPU279と、対応するパチンコ機2における各種の遊技データが記憶される遊技情報テーブルや電力データテーブル等を記憶するための不揮発性のEEPROM276と、MPU279が実施する各種の制御処理における記憶に使用されるRAM275と、各処理の時点に時刻情報やカレンダ情報や計時情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)273とが設けられている。
【0071】
尚、制御基板270は、電源から入力される交流電源を直流の動作電源に変換して当該制御基板270や表示基板260に供給する電源回路や、279に動作クロックを供給する動作クロック発生回路や、MPU279をリセットするためのリセット回路等を含む。省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、前記電源回路側から供給されている。
【0072】
更に制御基板270には、図15に示すように、供給信号、大当り中信号、確変中信号、始動信号、及び打込信号の各信号線に対応する入力端子を有する入力ポート278と、2つの信号入出力ポート278e、278fとを有する信号入出力部が設けられている。各信号線が対応する入力端子に接続されることで、これら各信号の各端子への入力が検出されて信号検出に応じた検出出力がMPU279に出力され、MPU279が、これらの信号の出力状態を識別できるようになっている。
【0073】
また、EEPROM276には、図16(a)に示すように、対応するパチンコ機2の遊技によって入力ポート278に入力された各種信号に基づく遊技データが、台データテーブルによって記憶、管理されている。各項目は、第1実施形態のホールコンピュータ110に記憶されている遊技情報テーブルと同一である。
【0074】
この第2実施形態の台データテーブルにおいて、入力ポート278に大当り中信号が入力されているときは「遊技状態」が「大当り中」となり、大当り中信号が入力されていない状態で「確変中信号」が入力されているときは「確変中」となり、いずれの信号も入力されていないときは「通常」となる。「供給玉数」、「打込玉数」、「差玉数」、「始動信号数」、「大当り回数」、及び「確変回数」の更新方法は、第1実施形態における台データテーブルと同様である。即ちパチンコ機2や供給玉検出スイッチ6やアウト玉検出スイッチ7から出力される各種信号が入力される毎に更新される。また、始動信号数と大当り回数とから算出される大当り確率の項目と、各大当りが発生するまでの間の始動信号数(大当り中信号が非入力の期間に増加した始動信号数)である大当り間始動回数1,2・・・の項目とが記憶される。ここで記憶されているのは、当日、前日、前々日、・・の過去1週間のデータである。これら台データテーブルに記憶、管理されている各種遊技データは、入力ボタン262a〜262dの操作によってLCD263に表示可能である。ここで、通常モード中は、当日の大当り回数、当日の確変回数、現在スタート回数(大当り間始動回数1)、当日の総スタート数(始動信号数)、前日の大当り回数及び確変回数、並びに前々日の大当り回数及び確変回数がLCD263に表示される。なお、これら以外の台データテーブルに記憶されているデータは入力ボタン262a〜262dの操作によってLCD263に表示可能である。一方、省エネモード中は、当日の大当り回数、当日の確変回数、及び現在スタート回数(大当り間始動回数1)のみが、LCD263に表示される。
【0075】
また、EEPROM276には、図16(b)に示すように、当該呼出ランプ装置200に搭載された省エネモジュール46のリレースイッチ462がON状態であるかOFF状態であるかを示す「電源状態」と、当該省エネモジュール46の電力計で計測された「消費電力」及び「消費電力量」が記憶されている電力データテーブルが記憶されており、これらの各項目は、第1実施形態の電力データテーブルと同一である。第2実施形態における電力データテーブルでは、これらの項目に加えて「稼働状態」を記憶、管理している。入力ポート278に打込信号が入力されたときは「稼働状態」が「稼働中」となり、打込信号が非入力の状態が10分間に達すると「非稼働中」となる。ここで、「電源状態」をOFFからONへ切り替えるときは稼働状態を「稼働中」とし、ONからOFFへ切り替えるときは稼働状態を「非稼働中」にするものとする。
【0076】
図15に戻り、制御基板270には入力ポート278の他、更に2つの信号入出力ポート278f、278gが設けられている。信号入出力ポート278f、278gには、隣接する呼出ランプ装置200の各信号入出力ポート278f、278gが接続されて、遊技島の一面に設置されている全呼出ランプ装置200が接続されており、これら信号入出力ポート278f、278gからは、大当りの発生時において、互いに接続されている遊技島の一面の呼出ランプ装置200が連携して順次点灯状態となるランニング点灯が実施されるように、ランニング信号出力処理においてランニング信号が、信号入出力ポート278f、278gの双方(つまり左右両方)から出力されるとともに、隣接する呼び出しランプ装置200からランニング信号の入力があったときには、該ランニング信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力がMPU279に出力されることで、MPU279が割込実施するランニング点灯処理において、全LEDモジュール267が1回点灯されるとともに、ランニング信号の入力側と反対側(終端設定が有るときは入力側)の信号入出力ポート278f、278gにランニング信号が出力される。
【0077】
このランニング点灯処理は、当該呼出ランプ装置200が通常モード中(対応するパチンコ機2の電源状態がONであるとき)にのみ実行され、省エネモード中(対応するパチンコ機2の電源状態がOFFであるとき)には実行されないようになっている。即ち、省エネモード中は、ランニング信号が入力されても、これに基づくLEDモジュール267の点灯は行わない。但し、入力側と反対側の信号入出力ポートにランニング信号を出力する処理は行われるため、当該呼出ランプ装置200を除いた呼出ランプ装置によってランニング点灯が行われることになる。
【0078】
次に図17を用いて、第2実施形態におけるパチンコ機2の電源ON/OFF制御について説明する。呼出ランプ装置200は、S100及びS101に示すように、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令及び電源ON指令を待機している。S100でホールコンピュータ110から電源OFF指令を受信したと認識したとき、即ち電力管理画面上で電源OFF操作がされたとき、又は非稼働中電源ONの報知開始から所定時間経過したときは、S110でリレースイッチ462をOFFとし、S111でホールコンピュータ110に電源OFFを通知して、S112’で省エネモードに移行し、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。一方、S101でホールコンピュータ110から電源ON指令を受信したと認識したとき、即ち電力管理画面上で電源ON操作がされたとき、又は入力ボタン262a〜262dのいずれかが操作されたときは、S103でリレースイッチ462をONとし、S104でホールコンピュータ110に電源ONを通知して、S105’で通常モードへ復帰し、待機状態に戻る(S100及びS101のループ)。このようにして、電源ON/OFFの制御を行った呼出ランプ装置200(電源制御部461から電源OFF又は電源ON通知を受信したMPU279)は、電力データテーブルの電源状態を更新する。
【0079】
次に図18を用いて、ホールコンピュータ110が行う状態切替時処理について説明する。この状態切替時処理は、電力管理テーブルの「稼働状態」又は「電源状態」の一方又は両方が切り替わったときにCPU112で実行される処理である。S300では稼働状態が稼働中から非稼働中に切り替わったか否かを判定する。S300で非稼働中に切り替わっていないと判定されたとき(NO)はS301にすすみ、稼働状態が非稼働中から稼働中に切り替わったか否かを判定する。S301で稼働中に切り替ったと判定されたときは(YES)、S302にすすみ、電力管理画面において当該台番号のアイコンを稼働中表示とする。S302の実行後はS300に戻る。上記S301で稼働中に切り替わっていないと判定されたときは(NO)、S300に戻る。
【0080】
上記S300で非稼働中に切り替わったと判定されたとき(YES)は、S311にすすみ、電源状態がONからOFFに切り替わったか否かを判定する。S311でOFFに切り替わっていないと判定されたとき(NO,即ちONからONであるとき)は、S312で、電力管理画面上で当該台番号のアイコンを非稼働中電源ON状態として報知する。次いでS313にすすみ、電力管理画面上で電源OFF操作が受け付けられたか否かを判定する。S313で電源OFF操作が受け付けられていない(NO)と判定されたときは、S314にすすみ、上記報知開始から、所定時間(例えば5分)を経過した否かを判定する。S314で経過したと判定されたとき(YES,即ち店員が報知に気づかなかった場合等)は、S315で呼出ランプ装置200に電源OFF指令を送信し、さらにS316で呼出ランプ装置200からの電源OFF通知を待機する。
【0081】
このS315の電源OFF指令を受信した呼出ランプ装置200は、リレースイッチ462をOFFにして、パチンコ機2の電源をOFFとする。これにより、呼出ランプ装置200も省エネモードとなって、ランニング点灯処理が行われなくなる。即ちホールコンピュータ110のCPUは、悲通電処理の実行に伴って、該非通電処理により非通電状態となったパチンコ機10に対応する呼出ランプ装置200の表示手段による表示は実行可能とするが演出手段による演出の実行を不能とする遊技用装置制御手段として機能するものである。
【0082】
S316で電源OFF通知を受信したと判定されたときは(YES)、S317で電力管理画面上での上記報知を停止し、S318で電力管理画面上での当該台番号のアイコンを電源OFF表示とする。S318の実行後はS300に戻る。
【0083】
上記S311でOFFに切り替わったと判定されたときは(YES)、S318で電力管理画面上での当該台番号のアイコンを電源OFF表示とする。また、上記S313で電力管理画面上で電源OFF操作が受け付けられたと判定されたときは(YES)、S315以下の処理を行う。即ち、呼出ランプ装置200に電源OFF指令を送信し、電源をOFFとする制御を行う。
【0084】
このようにホールコンピュータ110は、非稼働中電源ONを検知したときに(S311でNO)、その旨を報知し(S312)、報知開始から所定時間経過しても電源OFFの措置が採られないときには(S314でYES)、強制的に電源OFF制御を行う(S315)。従って、遊技場の管理者等が非稼働中電源ONのパチンコ機2に気づかなかった場合等にも、当該台の電源が自動的にOFFとなる。これにより、非稼働中電源OFF率を向上させ、非稼働中消費電力量を削減することが可能である。
【0085】
次に図19を用いてパチンコ機2の電源状態がOFFの状態、呼出ランプ装置200が省エネモードの状態であるときの処理について説明する。この状態においてMPU279が、入力ボタン262a〜262dの操作を待機している(S400)。MPU279が入力ボタン262a〜262dのいずれかの操作を検出すると(S400でYES)、S401で電源ONのための所定の操作を受け付けた旨を示す操作通知がホールコンピュータ110に送信され、これを受信したホールコンピュータ110は、S402で電源ON指令を返信する。これを受信したホールコンピュータ110は、S410でリレースイッチ462をONとする。これによりパチンコ機2の電源ラインが電源供給部10に接続され、電力が供給されることとなる。このリレースイッチ462のONに伴い、S411で呼出ランプ装置200はホールコンピュータ110に電源ON通知を送信し、S412で呼出ランプ装置200を通常モードに復帰させる。このように電源状態がOFFのパチンコ機2に対応する呼出ランプ200が操作されたときは、遊技が開始される可能性が高いために電源をONとし、呼出ランプ装置200のランニング点灯を可とする。
【0086】
[3.変形例]
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
【0087】
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機である例について説明したが、これに限らず遊技機はスロットマシンであっても良い。スロットマシンからは、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号が出力されるが、稼働状態の判定は、メダルIN信号を受信したときに稼働中とし、所定時間(例えば15分以上)メダルIN信号を受信しなければ非稼働中とすると良い。
【0088】
上記の実施形態では、電源制御部461から電源ON/OFF通知が出力されることにより、切替手段(台端末4及び呼出ランプ装置200)のMPUが電源状態がONであるかOFFであるかを認識する例について説明したが、これに限らず切替手段のMPUは、電力計464によって計測された消費電力によって電源状態を判断するようにしても良い。例えば消費電力が所定値以上(例えば遊技機の通常消費電力の30%以上)であれば電源状態をONと判断し、所定値以下であれば電源状態をOFFと判断するようにしても良い。
【0089】
上記の実施形態では、稼働状態が稼働中であるか非稼働中であるかを打込信号に基づいて判定する例について説明したが、これに限らず、稼働状態は始動信号に基づいて判定するようにしても良く、例えば始動信号を受信したときは稼働中とし、20分以上始動信号を受信しなければ非稼働中とするようにしても良い。また、稼働状態の判定は、遊技データに限らない。例えば、対応するパチンコ機2の下方に人間の所在を検知するための人感センサを設置しておき、当該センサによって人間の所在が検知されているときは稼働中、検知されていないときは非稼働中と判断するようにしても良い。
【0090】
上記の実施形態では、切替手段(台端末4及び呼出ランプ装置200)に電力計464が搭載されている例について説明したが、本発明の切替手段は、電力計を備えるものには限定されない。
【0091】
上記の実施形態では切替手段が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、切替手段は遊技機の側方に遊技機と1対1に対応して設けられるカードユニットであっても良く、これに上記実施形態の省エネモジュール46を搭載するようにしても良い。カードユニットに上記人感センサを設置することで遊技機の稼働状態の把握が可能となる。また、対応する遊技機の電源がOFFのときに、カードユニットに対して入金又はカードが挿入されたときは、その旨がホールコンピュータ110に送信され、これを受信したホールコンピュータ110から当該遊技機の電源をONとする制御を行うようにすると良い。
【0092】
上記の実施形態では切替手段が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、切替手段は遊技機の側方に遊技機と1対1に対応して設けられ、遊技用価値の大きさを特定可能なカードを受け付けて貸与処理を行うカードユニットであっても良く、これに上記実施形態の省エネモジュール46を搭載するようにしても良い。この場合にも、これら省エネモジュール46に含まれる各部の動作に必要な電源は、カードユニット側から供給されている。また、カードユニットはリレースイッチ462を介さない別経路から電源が供給されており、パチンコ機2の電源がOFFとなった状態でもカードユニットには電源が供給される。
【0093】
また、上記の実施形態では、遊技用装置が台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、これに限らず、遊技用装置は上記カードユニットであっても良い。このカードユニットに上記人感センサを設置することで遊技機の稼働状態の把握が可能となる。また、対応する遊技機の電源がOFFのときに、カードユニットに対して入金又はカードが挿入されたときは、ホールコンピュータ110からの電源ON指令によって自動的に当該遊技機の電源をONとする制御を行うようにすると良い。
【0094】
また、遊技用装置がカードユニットである場合には、カードが排出されてから稼働無し(例えば打込無し)で所定時間が経過(例えば3分間経過)したら、遊技者が離れたとみなして、ホールコンピュータ110からの電源OFF指令によって自動的にパチンコ機2の電源をOFFとするようにしても良い。またカードユニットが遊技データを表示する表示装置を備える場合には、パチンコ機の電源がOFFの状態で、該表示装置に遊技データを表示させる操作や表示されている遊技データを切り替える操作が行われたことに基づいて、ホールコンピュータ110からの電源ON指令によって自動的にパチンコ機2の電源をONとするようにしても良い。
【0095】
また、遊技用装置が、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得されたパチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数(持玉数)の範囲内のパチンコ玉の払出し(返却)を行う、各台計数機能を備えたカードユニットである場合には、非稼働中電源ONの報知開始から所定時間が経過したときでも、ホールコンピュータ110で当該持玉数が0でなければ電源をOFFとしない処理を行うようにすると良い。また各台計数機能を備えたカードユニットにおいて、計数玉数を特定可能な計数カードを発行する離席モード操作が行われた場合にはホールコンピュータ110からの電源OFF指令によってパチンコ機2の電源をOFFとし、該計数カードが挿入されて離席モードが解除された場合にはホールコンピュータ110からの電源ON指令によってパチンコ機の電源をONとする処理を行うようにしても良い。
【0096】
上記の実施形態では切替手段が、遊技データの収集等を行う台端末4又は呼出ランプ装置200である例について説明したが、本発明の切替手段は、対応する遊技機の電源のON/OFFをホールピュータ110からの指令に応じて制御可能なものであれば良い。従って、ホールコンピュータ110からの指令に応じてリレースイッチ462のON/OFFを制御する機能を有するスイッチモジュール単体であっても良い。即ち、ホールコンピュータ110は、稼働状態を把握可能な信号を台端末4又は呼出ランプ装置200から得る一方、電源ON/OFFの指令は上記スイッチモジュールに送信するようにしても良い。このように稼働状態を把握するための情報取得経路と、遊技機の電源ON/OFF指令を送信するための電源制御経路を異ならせるようにしてもよい。
【0097】
さらに前述したように、通常は、遊技場内の電源に変圧器が接続され、この変圧器の負荷側(パチンコ機側)に電源タップが付設されている。上記スイッチモジュールをこの電源タップの差込口付近に設置して、このスイッチモジュールによって遊技機の電源のスイッチングを行うようにしても良い。即ち、パチンコ機の電源のスイッチングを行う箇所はパチンコ機の近辺に限定されるものではない。
【0098】
上記の実施形態では、台端末4や呼出ランプ装置200で、対応する遊技機の稼働状態及び電源状態が記憶されている例について説明したが、これに限らず、台端末4や呼出ランプ装置200では、稼働状態及び電源状態を一切記憶せず、稼働状態を把握可能とする信号(例えば打込信号)をホールコンピュータ110に送信するものであれば良い。ここで、本実施形態のホールコンピュータ110は各台の電源ON/OFFを制御するものであるため、各台の電源状態を把握可能である。また、打込信号を遊技機から直接又は間接に受信することで稼働状態の把握も可能となる。従って、ホールコンピュータ110は、少なくとも稼働状態を把握することが可能な情報を遊技機や遊技用装置から取得可能であれば良い。
【0099】
上記の第2実施形態においては、呼出ランプ装置200が、対応するパチンコ機2の電源がOFFとなったときに、演出としてランニング点灯を停止する例について説明したが、これに限らず、LEDモジュール267の点灯動作全て(例えば所定時間毎に行われる装飾用の点灯等)を停止するようにしても良い。
【0100】
上記の第2実施形態においては、呼出ランプ装置200のLCD263で、省エネモード中は通常モード中と異なる表示が行われる例について説明したが、これに限らず、省エネモード中も通常モード中と同じ表示が行われるようにしても良い。即ち、呼出ランプ装置200のLCD263は、省エネモード中も何らかの表示(遊技者の遊技機選択に資する表示が好ましい)を行うものであれば良く、その表示内容は特に限定されない。
【0101】
上記の実施形態では、空調1〜6が全て天井空調ユニットである例について説明したが、これに限らず、島の両端に送風機能を有する島端ユニットを配置し、島内部の送風ダクトに向けて熱交換された空調空気を送り込むようにしておき、その空調空気が島内部の送風ダクトを通過して各遊技機の下方に設けられた供給口から遊技者側に供給されるようにしても良い。例えば図7の画面に示される島02において、島02の画面上の上下両端に島端ユニットを設置し、島の内部中央を縦断するような送風ダクトを設けるようにしても良い。011番台〜030番台の遊技機の下方には、空調空気の供給口が設けられているものとする。両端の島端ユニットから送風されることで、各台の下方から空調空気が供給され、各台で遊技を行っている遊技者に直接空調空気があたり、快適に遊技を行うことができる。
【0102】
このような構成としたときに、例えば島02の画面上の下端に近い遊技機016〜020番台及び026〜030番台の電源OFF数が6〜8であるような場合、下端側の島端ユニットの送風を停止するようにすると良い。これにより遊技者の快適性を低下させずに、遊技場の消費電力を低下させることができる。
【0103】
上記の実施形態では、空調1〜6の風量が担当台の電源OFF数によって制御される例について説明したが、空調1〜6の設定温度が担当台の電源OFF数によって制御されるようにしても良い。電源OFF数が少ないときには低温に設定し、電源OFF数が多いときには高温に設定するようにすると良い。
【0104】
上記の実施形態では、本体スイッチは常にONと仮定して説明したが、例えば、非稼働中電源ON状態の台が報知されており、この状態の台を発見した店員がリモコンを使用せずに本体スイッチをOFFとした場合を検討する。このとき、実際には電源がOFFとなって電力が殆ど消費されていない状態であるにもかかわらず、リレースイッチ462がONのままであるため管理情報としての電源状態はONである。従って、非稼働中電源ON状態の報知が引き続き行われてしまうという問題がある。これに対しては、以下のような措置を採ることができる。本体スイッチのOFFは遊技用装置の電力計464と電源状態によって判断することができる。電源状態がONであるにもかかわらず(リレースイッチ462がONであるとき)、電力計により計測される消費電力が通常の遊技機の消費電力より極端に小さくなったとき(例えば通常の消費電力の10%以下となったとき)は、本体スイッチがOFFになったと判定することができる。このときにはリレースイッチ462をOFFとし、電源状態をOFFとすると良い。これにより、誤報知を防止することができる。
【0105】
上記の第2実施形態では、ホールコンピュータ110が非稼働中電源ONである旨を報知してから所定時間経過すると、自動的にリレースイッチ462をOFFとする制御を行う例について説明したが、これに限らず、当該報知のみを行い、電源の自動OFF制御は行わないようにしても良い。第1実施形態のホールコンピュータ110と同様に、当該報知後に、電力管理画面で電源OFF操作を受け付けるまでは非稼働中電源ONの状態を継続させるようにしても良い。
【0106】
上記の第2実施形態では、呼出ランプ装置200が切替手段と遊技用装置を兼ねている例について説明したが、切替手段と遊技用装置とは別体であっても良い。例えば、遊技用装置が呼出ランプ装置200であって、切替手段が前述したスイッチモジュールであっても良い。
【0107】
上記の実施形態では、リレースイッチ462が、台端末4又は呼出ランプ装置200の内部に設けられている例について説明したが、これに限らず、該リレースイッチ462は、台端末4又は呼出ランプ装置200の外部において、電力供給部10とパチンコ機2の電源基板との間に設けられていても良い。
【0108】
上記の実施形態では、図6に示すように、ホールコンピュータ110の電力テーブルで、非稼働中電源OFF率が管理され、該非稼働中電源OFF率が所定割合(例えば50%)以下の遊技機が、図9に示すように報知される例について説明したが、これに限らず、ホールコンピュータ110の電力テーブルで、非稼働中電源ON率(即ち非稼働時間に対する電源ON時間の割合)を管理し、該非稼働中電源ON率が所定割合(例えば50%)以上の遊技機を、図9に示すように報知するようにしても良く、いずれの態様でも、当該遊技機の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0109】
上記の実施形態では、ホールコンピュータ110が、図6に示すように、遊技機の電源状態のON/OFFを管理する例について説明したが、遊技機が所定条件の成立(例えば店員によるリモコン操作や稼働の低下等)で電力消費を抑制した省電力状態(省エネ)となるものである場合には、該遊技機が省電力状態であるか否かを示す省電力情報を遊技機又は遊技用装置から受信して、図20に示すように、各遊技機の状態が通常であるか省エネであるかを管理し、図21に示すように、図7と略同様の電力管理画面において、稼働中の台と、非稼働中で通常モードの台(即ち省エネ中でない台)と、非稼働中で省エネモードの台(即ち省エネ中である台)とを区別して表示するようにしても良い。
【0110】
また図20に示すように、各遊技機について、省エネであった省電力時間(省エネ時間),又は省エネでなかった非省電力時間(非省エネ時間:図示外)を管理し、非稼働中省エネ時間率(即ち非稼働時間に対する省エネ時間の割合)が所定割合以下の遊技機,又は非稼働中非省エネ時間率(即ち非稼働時間に対する非省エネ時間の割合:図示外)が所定割合以上の遊技機を、図9に示すように報知するようにしても良い。この場合にも、当該遊技機の電源をOFFにする頻度を高める運用(例えば店員の教育や店内巡回の強化等)を行うことにより、一層の消費電力の削減を図ることができる。
【0111】
上記の実施形態では空調1〜6が天井空調ユニットであり、各空調が担当する遊技機の電源OFF数によって風量又は温度が自動調整される例について説明したが、このような制御に加えて、さらに以下のような構成を採り、以下のような制御を行うようにしても良い。図22(a)に示すように、遊技島501の上面長手方向に亘って開口するように吸入部501aを設けておき、遊技場の店舗の天井に設置されている天井空調ユニット500から供給される空調済みの空気(空調空気)を取り込むことができるようにする。また、パチンコ機2が設置されている遊技島501の側面下方位置には、空気の供給口511L及び511Rを、各パチンコ機2の下方位置に設けておく。
【0112】
これら吸入部501aと供給口511L及びRとの間に形成される送風経路内には、送風ファンを内在し、吸入部501aから吸入されてきた空調空気を下方に付勢して吐出する送風機502が配置されており、この送風機502から吐出された空調空気が供給口511L及びRから遊技者に提供されるようになっている。本例では、送風機502は、島を挟んで向かい合う遊技機2台に対して1台設置されている。また、送付機502の出口近傍の送風経路は頂部510から2股に分かれており、分岐した一方の経路は、遊技島左に位置する供給口511L、他方は遊技島右に位置する供給口511Rに各々通じている。従って、1台の送風機502によって、遊技島の左右の遊技者に空調空気を提供するようになっている。なお、送風機502は熱交換器を備えた室内機であっても良く、これによって空調された空気を遊技者に提供するようにしても良い。
【0113】
また、送風機502の出口近傍には上記2つの経路に対応する風向板503L,503Rが設けられており、この風向板503L,503Rの開閉によって一方の経路を封鎖して、他方の経路に空調空気を集中して供給することができる。また、送風機502の風量は、強、中、弱、及び無(電源OFF)の4段階調節することができるものとする。この送風機502は、空調制御装置20によって個別に制御可能であり、空調制御装置20から送信されるコマンドに応じて、風量を、強、中、弱、及び無(電源OFF)の4段階切り替え、風向板503L,503Rの開閉を各々制御可能である。また、各送風機502には、当該送風機502を識別可能とする送風機識別情報が付されており、送風機識別情報は、各々が設置される遊技島の島番号(1つ)及び各々が担当する遊技機の台番号(2台)と対応づけてホールコンピュータ110の台情報テーブルに登録されているものとする。また、当該台番号と対応づけて当該台番号の遊技機に対応する風向板(遊技島左側の風向板(503L)であるか遊技島右側の風向板(503R)であるか)を識別可能な風向板識別情報も登録されているものとする。なお、空調制御装置20においても送風機識別情報及び風向板識別情報を識別可能である。
【0114】
ここで、図22(a)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の稼働状態が稼働中である場合(例えば図24に示す遊技島02の台番号011及び021がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両台の稼働状態が稼働中であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を強、風向板503L及び503Rをいずれも開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を強、風向板503L及び503Rをいずれも開とする制御を行う。その結果、図22(a)に示すように、風量は強で、風向板503L及び503Rは何れも開となり、遊技島501の左右で遊技を行っている各々の遊技者に空調空気が供給されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「強」が表示されることとなる。
【0115】
また、図22(b)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の一方(L)の稼働状態が稼働中であり、他方(R)の電源状態がOFFの場合(例えば図24に示す遊技島02の台番号012及び台番号022がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で一方の台(L)の稼働状態が稼働中であること、及び他方の台(R)の電源状態がOFFであることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を中、風向板503Lを開、風向板503Rを閉とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を中、風向板503Lを開、503Rを閉とする制御を行う。その結果、図22(b)に示すように、風量は中で、風向板503Lは開、503Rは閉となり、遊技島501の左で遊技を行っている遊技者にのみ空調空気が供給されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンの左側(即ち空調空気を供給している側)に、当該風量である「中」が表示され、右側(即ち空調空気の供給が停止されている側)には、「無」が表示されることとなる。
【0116】
ここで送風機502の風量設定は「中」であるが、供給口511Rへの経路は、風向板503Rにより遮断されているため、供給される空調空気は供給口511Lに集中する。これにより、風量設定「中」であっても、遊技島左の遊技者に十分な風量の空調空気を提供することができるようになり、送風機502の消費電力を低減させることができるようになっている。
【0117】
また、図23(c)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の両方が非稼働中電源ONの状態である場合(例えば図24に示す遊技島03の台番号037及び台番号047がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両方の台が非稼働中電源ONの状態であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を弱、風向板503L及び503Rを開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を弱、風向板503L及び503Rを開とする制御を行う。その結果、図23(c)に示すように、風量は弱で、風向板503L及び503Rは開となり、遊技島501の左右に弱の空調空気が提供されることになる。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「弱」が表示されることとなる。
【0118】
また、図23(d)に示すように、遊技島の左右両台に位置するパチンコ機2の両方が電源OFFの状態である場合(例えば図24に示す遊技島03の台番号035及び台番号046がこれに該当する)、ホールコンピュータ110は、当該電力管理テーブル上で両方の台が電源OFFの状態であることを把握可能である。この場合にホールコンピュータ110は、両台を担当する送風機502の送風機識別情報と、風量を無、風向板503L及び503Rを開とする旨の命令を空調制御装置20に送信する。これを受信した空調制御装置20は、受信した送風機識別情報の送風機502に対して風量を無、風向板503L及び503Rを開とする制御を行う。その結果、図23(d)に示すように、送付機502は停止し、風向板503L及び503Rは開となり、遊技島501の左右に空調空気は提供されない。このとき図24に示すように、電力管理画面上には、両台の間(送風機502の設置箇所に該当する箇所)のアイコンに、当該風量である「無」が表示されることとなる。
【0119】
このように遊技島の左右の遊技機が電源OFFの状態であるときには、送風機502を停止させるため、送風機502の消費電力を低減させることができるようになっている。なお、遊技島の左右の遊技機のうち、いずれか一方が稼働状態であり、他方が非稼働中電源ON状態の場合には、風量は「強」とし、風向板503L及び503Rはいずれも開とする制御を行うものとする。
【0120】
一般的に遊技場の天井は高く設計されており、天井空調ユニット500の空調空気が効率よく遊技者に提供されることが困難であるという問題がある。これに対して天井空調ユニット500の出力を向上させると遊技場全体の温度調整が容易となるが消費電力が向上してしまう。一方、上記実施形態のように、天井空調ユニット500が担当する台の電源OFF数に応じて風量を調整することで、可能な限り遊技者に快適な遊技環境を提供しつつ遊技場全体の消費電力量を低減させることができる。しかし、この場合でも、一般的には多数の担当台(本例では8台)が存在することにより、当該担当エリアで少人数でも遊技者が遊技を行っている場合等は、設定温度を極端に高くしたり、あるいは風量を低下させたりすることが困難であるという事情もある。これに対して上記のような構成を採り、上記のような制御を行うことで、台単位で遊技者に空調空気を提供することが可能となる。そのため、天井空調ユニット500の担当エリアで遊技を行っている遊技者が少人数である場合に、当該天井空調ユニット500の設定温度を高くしたり、風量を低下させても、これら少人数の遊技者に空調空気を提供することができ、快適な遊技環境を維持しつつ、遊技場全体としての消費電力の削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0121】
1…遊技用システム
2…パチンコ機
4…台端末
41…台端末のMPU
42…メモリ
44…台端末の通信部
46…省エネモジュール
200…呼出ランプ装置
276…EEPROM
279…呼出ランプ装置のMPU
274…呼出ランプ装置の通信部
461…電源制御部
462…リレースイッチ
110…ホールコンピュータ
112…CPU
115…記憶装置
117…表示装置
119…ホールコンピュータの通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の遊技機に対応して設けられ、電源から該一の遊技機に対して電力が供給される通電状態と該電力が供給されない非通電状態とに切替可能な切替手段と、
複数の前記切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理を行う一方、所定の非通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理を行う切替制御手段を有する管理装置と、
を備えることを特徴とする遊技用システム。
【請求項1】
一の遊技機に対応して設けられ、電源から該一の遊技機に対して電力が供給される通電状態と該電力が供給されない非通電状態とに切替可能な切替手段と、
複数の前記切替手段を制御可能であり、該複数の切替手段の各々に対応する遊技機の各々について、所定の通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を通電状態に切り替える通電処理を行う一方、所定の非通電条件が成立したことに基づいて、当該切替手段を非通電状態に切り替える非通電処理を行う切替制御手段を有する管理装置と、
を備えることを特徴とする遊技用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−231952(P2012−231952A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102467(P2011−102467)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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