説明

運動学的ウエルプレート取付け方法

1枚のマイクロプレートを所定位置に拘束するための機構が開示されている。この機構は、マイクロプレートを基板内に挿入するためのリセプタクルを備えた少なくとも一つの表面を有する1枚の基板によって画成されている。基板の表面上の支持および/または位置決め構造は、反復可能な光学的検出測定のためにマイクロプレートの動きを安定な位置に拘束する点接点を有する。上記支持および/または位置決め構造は、最初の測定のためのマイクロプレートの挿入と、分析的操作のためのマイクロプレートの取外しと、光学的読取り器による精密な比較測定の分析を許容するようなマイクロプレートの再挿入とを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、「運動学的ウエルプレート取付け方法」と題して2005年7月20日付けで提出された米国特許出願第60/701,452号の優先権を主張した出願であり、その内容は引例として本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概してマイクロプレートを固定位置に拘束するための機構に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在において、化学的および生物学的サンプルが付されたマイクロプレートの表面上の特定の場所の色彩、吸収、強度、および光ルミネセンスのような光度特性を測定する種々の機器を利用した技術が存在する。例えば光学的読取り器は、遺伝子研究、薬剤発見、または診断目的に通常的に用いられて、一般に基板(例えばガラススライド)上にアレー状に堆積された数百または数千の成分(例えば、DNA、オリゴニクレオチド、蛋白質等)を検出する。多くの光度測定を行なうためには、サンプルを保持するマイクロプレートと光学装置の光ビームとの正しい位置合わせが必要なことは、当業者に周知されている。
【0004】
同様に、画像分析を行なうために、光学スキャナー/読取り器および顕微鏡のような装置は、マイクロプレートの不変かつ正確な位置決めを提供するサンプル台を必要とする。さらに、基板のサンプル表面上で、センサー、導波路格子またはその他のマイクロデバイスを利用する画像化装置に関しては、光学素子と相関関係を有する表面の位置合わせが、一貫した測定のために重要である。
【0005】
多くの光度測定機器は、マルチサイト・マイクロプレートを用いて多数のサンプルを用意する。一般にマイクロプレートは、ガラスまたはプラスチックからなる四角形の構造を有し、それぞれサンプル材料を保持するための複数のウエルを有する。プレート自体は安価、安全、頑丈でかつ扱い易い。これらは使い捨てであるが、洗浄が容易で、必要に応じて再利用も可能である。
【0006】
アレー表面の化学的および生物学的サンプルのサイズが小さくなり、かつサンプル数が増大するのにつれて、測定機器に対するサンプルの位置合わせが益々重要になってきた。現在および未来の薬剤の発見は、一つのアレー内における複数の試験に左右される。例えば、或るタイプのレセプターとの結合事象に関する特定の蛋白質配列を同定するためには、レセプターをできるだけ多くの異なる蛋白質の順列に曝す必要があるために、高密度のサンプルを必要とする。したがって、分析されるべきサンプルは、各場所が単一のサンプルを有している複数の独立した場所の表面に配置される。標準的なマイクロプレートは、一般に長さ約127.76mm×幅85.48mmで、384個まで、もしくは1536個までの分析物を収容する。分析サンプルの微小サイズおよび接近した間隔により、マイクロプレートのサンプル表面は、測定機器に対して精密かつ再現可能に位置合わせされなければならず、これによって、測定機器によるエラーのないサンプル測定が可能になる。
【0007】
現在、標識を付さずに分子種類の結合を検出するためのシステムが開発されてきている。これらのシステムは、使い捨てのマイクロプレートを利用しており、これらマイクロプレートは、特定の場所に埋め込まれたセンサーおよびマイクロプレートの正確な位置を呼び出すための読取り器を有する。このようなシステム内で行なわれる分析の有用性は、分析ステップ間で作用し合う連続的な分析的観察を行なうことに左右される。このように、生物学的および化学的分子の相互作用の存在(または非存在)を明らかにする真の「分析前分析後」が達成される。したがって、これらの新しく開発されたシステムに関しては、取付け台の内外に組み込まれるマイクロプレートの分析的な呼出しのための反復可能なかつ一貫した位置合わせおよび/または位置決めが重要かつ必要である。
【0008】
現在の測定手順は、四つの基本的ステップを必要とする。すなわち、(1)最初の/背景測定、(2)プレートの取外し(さらなる分析のため)、(3)読取り器内へのプレートの再挿入、(4)2回目の測定、および(5)最初と2回目の測定の比較である。マイクロプレートを正しい場所に配置した後、最初の測定結果が光度的/光学的機器によって読み取られる。マイクロプレートが一旦取り外され、かつその中身の操作が完了すると、マイクロプレートの試験は読取り器へのマイクロプレートの正確な再位置決めに左右される。したがって、2回目/最終的の測定結果は、最初と2回目/最終的の測定ステップとの間のマイクロプレートの位置の僅かな変化、回転および/または移動によって悪影響を受ける可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
マイクロプレートの積極的な再位置決めには、動きの範囲を小さくする取付け方が必要である。さらに、X、YおよびZ平面に拘束されながらマイクロプレートの動きの自由を制限し得る機構を有することが望ましい。この機構はまた、連続した取付け台上の場所におけるマイクロプレートの一貫したかつ再現性のある位置決めを提供する筈である。分析および検出機器を前提にすると、マイクロプレートの連続した位置決めには、取付け台内における1μmを超える移動および20マイクロラジアンを超える回転によって位置が変化しないことが必要であろう。さらに、ロボットによるマイクロプレートの操作を可能にする取付け方が将来の高能率分析に対して便利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの様相は、1枚のマイクロプレートのための入れ子状に収容するリセプタクルを画成する少なくとも一つの表面を有する基板と、この基板の表面から突出してマイクロプレートを支持することができる少なくとも3個の支持体とを備えた、マイクロプレートを所定位置に拘束するための機構に関する。この機構の入れ子状に収容するリセプタクルは、隅部で交差して四角形を形成する少なくとも二つの側壁および少なくとも二つの端壁を有し、これらの壁は、マイクロプレートの少なくとも一つの表面に対する検出開口部を通じた光学的アクセスを可能にする検出開口部を画成している。この機構の支持体は、金属、炭化物、ダイアモンドまたはルビーのような剛体組成、非反応性材料からなることが好ましい。
【0011】
本発明の別の実施の形態において、この機構は、精密なアセンブリを備えており、基板は、上記入れ子状に収容するリセプタクルを光学的読取り器の視野の内外へ移動させることが可能なアセンブリに固定されている。本発明の好ましい実施の形態は位置合わせシステムを備えており、マイクロプレートを保持して入れ子状に収容するリセプタクルは、光学的読取り機/検出器の上方の場所に正確に位置決めされ、その結果、マイクロプレートのサンプル表面は入れ子状に収容するリセプタクル内の相似の第1および第2の場所へ反復可能に挿入されることができ、各場所は他方の場所に対して約1μm未満の移動および約20マイクロラジアン未満の回転範囲内に置かれる。位置決めされたマイクロプレートの上記第2の位置が、上記第1の位置に対して約15マイクロラジアン未満の回転範囲内であればなお好ましい。
【0012】
本発明の別の実施の形態は、それの複数の支持体が一つまたは複数の嵌合部が、対応するマイクロプレート嵌合部と相互作用を行なうことが可能なマイクロプレート拘束機構である。この機構は、入れ子状に収容するリセプタクルの周縁部または外縁部に配置された1本または複数本のガイドピンをさらに備えている。これらのガイドピンは、マイクロプレートを上記支持体に対し好ましい位置に位置合わせすることができる。このようにして、本発明の拘束機構の好ましい実施の形態は、複数のガイドピンがマイクロプレートの少なくとも一つの側部または隅部において位置合わせをすることが可能なように、入れ子状に収容するリセプタクルの複数の隅部または側部に配置された一対または複数対またはセットになったガイドピンを有する。ガイドピンは、マイクロプレートを人でまたはロボットによって移動させて正確なマイクロプレート位置に位置決めするのに有利である。ガイドピンは、マイクロプレートの急激な動きが回避され、さらにマイクロプレートのサンプル表面上のサンプルがこぼれるのを防止するように、マイクロプレートの緩やかな位置決めを助ける形状を有することが好ましい。如何なる形状または形状の組合せであってもよいが、好ましい実施の形態は、入れ子状に収容するリセプタクルの周縁部上の取付け点において円柱形状の根元部を備えたガイドピンを有する。この円柱形状は上方へ向かって先細になり、マイクロプレートが最初に受けることができる円錐形となっている。
【0013】
別の様相において、本発明は、多数のサンプルウエルからなるアレーのために少なくとも一つの底面または複数の底面を有するほぼ平坦な1枚の透明な下板を備えている。一体の上板は多数のサンプルウエルの側壁を形成している。マイクロプレートのフレームは多数のサンプルウエルからなるアレーを取り囲んでいる。好ましいフレームは、下側に配置された一つまたは複数のマイクロプレート嵌合部を有し、これらマイクロプレート嵌合部は、マイクロプレート拘束機構の基板から突出する1個または複数個の支持体と相互作用を行なうことができる。
【0014】
別の様相において、本発明はマイクロプレート・アセンブリを包含し、このマイクロプレート・アセンブリは、1枚のマイクロプレートのための入れ子状に収容するリセプタクルを画成する少なくとも一つの表面を備えた1枚の基板と、この基板から突出してマイクロプレートを支持する少なくとも3個の支持体と、上記入れ子状に収容するリセプタクル内に配置されて上記支持体に接触する1枚のマイクロプレートとを有する。本発明の一実施の形態においては、X,YおよびZ平面におけるマイクロプレートの位置的な安定性を維持するために少なくとも6箇所拘束が利用されており、すなわち、3個のマイクロプレート嵌合部が支持体の3個の嵌合部に接触/係合し、マイクロプレートと拘束機構の基板との間に6点接触が生じている。このアセンブリのマイクロプレートはさらに、ウエルの底面内に配置された少なくとも1個のセンサーを有する少なくとも1個のウエルを備えることができる。
【0015】
本発明の別の実施の形態においては、特定の嵌合部が無い場合の拘束機構の一つまたは複数の二次的表面から支持体が突出している。この二次的表面は、入れ子状に収容するリセプタクルの検出開口部の周縁にさらに棚を形成している端壁および側壁上に嵌めこまれているのが好ましい。これに加えて、支持体は、マイクロプレートの少なくとも一つの下面に接触することができる一つまたは複数の点接点を備えている。この実施の形態においては、3個の支持体が上記二次的表面上で用いられ、かつ複数の位置決め構造が端壁および側壁上に配置されてマイクロプレートを固定された場所に拘束する。6個の自由度を拘束するためには、最少限の6個の点接点が設けられなければならない。設けられている接点に予め負荷を与えるためには、それ以上の接点が必要である。このような実施の形態は、少なくとも1個のX方向接点および少なくとも1個のY方向接点をそれぞれ端壁および側壁上に備え、すなわち、X方向接点を有する端壁は、Y方向接点を有する側壁に対し直角である。この拘束機構は、上記端壁および側壁上にそれぞれ少なくとも2個のX方向接点および少なくとも1個のY方向接点を備え、これに加えて、上記X方向接点に対向する上記端壁上に少なくとも1個のバネ付勢された接点を、上記Y方向接点に対向する上記側壁上に少なくとも1個のバネ付勢された接点を備えていることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の一実施の形態は、マイクロプレート取付け台の領域に対するロボットによるアクセスが可能なように構成され、その場合、マイクロプレートは、厄介なロボットアームの操作を必要とせずに基板内に位置決めされる。
【0017】
本発明はまた、マイクロプレートを光学的検出システム内の固定された場所に対し位置的に拘束する方法をも含む。この方法は、光学的検出器または光学的検出システムのような分析システムと連繋する前述したような拘束機構を最初に提供することを含む。マイクロプレートの操作または分析のみでなく、その他の機械システム(すなわち分配ユニット)と連繋してもよい。最初にマイクロプレートは挿入されて、入れ子状に収容するリセプタクルの第1の規定された場所を占め、これによって検出システムが最初の第1の測定結果を記録することができる。次にマイクロプレートは入れ子状に収容するリセプタクルから取り外される。入れ子状に収容するリセプタクル内へのマイクロプレートの再挿入により、分析システムに対する第2の規定された場所が、第1の場所と第2の場所との間の位置の差が横移動で約1μm未満、回転で約4度未満(3度未満に限定されるのが好ましい)または20マイクロラジアン未満(約15マイクロラジアン未満が好ましい)となるように確定される。光学的検出システムは次に、第1の規定された場所における最初の読みと比較分析をするように、この第2の規定された場所におけるマイクロプレートのサンプル表面の第2の測定結果を記録することができる。
【0018】
したがって、マイクロプレートの積極的な再位置決めに要求される移動範囲を縮減する機構を提供することが望ましい。さらに、一連の取付け台上に規定された位置のX,YおよびZ平面に拘束されながらマイクロプレートの動きを制限する機構を所有することが望ましい。マイクロプレート拘束機構が一貫性および再現性を有することがさらに有利である。分析および検出機器に応じて、移動距離で1μmを超え、または回転角度で20マイクロラジアンを超える程には変化しない取付け台内のマイクロプレートの連続的な位置決めが望ましいであろう。さらに、マイクロプレートのロボットによる操作を可能にする取付け台の構成は将来の高能率分析に有利である。本発明のさらなる利点は、下記の説明および添付図面を検討した後に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、添付図面とともに読んだときの下記の詳細な説明から最も良く理解される。種々の特徴部分は必ずしも同じ倍率で描かれてはいないことは強調されるべきである。実際に、説明を明瞭にするために、寸法は任意に拡大または縮小されている。
【0020】
説明のためであって限定を目的としない下記の詳細な記載内容においては、本発明の完全な理解を提供するために、特定の詳細構成を開示する実施の形態が説明されている。しかしながら本発明は、ここに開示された特定の実施の形態から離れた別の実施の形態の実施が可能であることは、当業者には明らかであろう。その他の場合において、本発明の説明を不明瞭にしないために、周知の装置および方法についての詳細な説明は省略されている。
【0021】
本発明の一実施の形態による拘束機構100が図1に示されている。この機構100は、表面110を備えた基板101を備え、この基板101からは1枚のマイクロプレートを支持することができる3個の支持体150が突出している。両側壁112および両端壁114は四隅部116で交差して、一つの開口部すなわち検出開口部125を有する四角形の周縁部を形成している。検出開口部125は、拘束機構100の下方に配置された光学的検出器が、機構内に配置されかつ留め置かれたマイクロプレートのウエルに直接アクセスするのを可能にしている。機構100は、基板101の表面110上に、好ましくは検出開口部125に近接した複数組のガイドピン130をさらに備えている。各隅部116に一対のガイドピン130が存在することは、マイクロプレートが徐々に機構100内の所定位置に位置決めされて、支持体150に整合されることを可能にしている。
【0022】
本発明の一つの様相は、複数の支持体150を備えた拘束機構100に関し、これら支持体150は、V字形(図1Aに拡大されているように)の嵌合部155を備えている。この好ましい実施の形態においては、嵌合部155は支持体150に付随した嵌合面155である。嵌合面155を備えた3個の支持体150は基板101に取り付けられ、かつ表面110上に配置されて、1枚のマイクロプレートを支持する。支持体150は、セラミック、金属または炭化物材料を含む材料組成のような硬い、剛直な特性を有するように構成されている。上記嵌合部は、マイクロプレート上の対向する嵌合部に対し安定した態様で相互作用をするように構成されている。支持体150のうちの2個は、検出開口部125の中心に向かって斜めに隅部116上に配置され、1個の支持体150は対向する端壁114上に(かつ2個の支持体150間と検出開口部125の中心とを通る中心軸と平行に)配置されている。支持体150は、マイクロプレートが限定された移動範囲内に拘束されるように、特にX方向またはY方向への移動が約1μm未満で、Z軸周りの回転が4秒未満(数が少ない方がより限定したことになる)、あるいは約20マイクロラジアン未満(約15マイクロラジアン未満が好ましい)となるように、それぞれ基板101に取り付けられている。
【0023】
これに加えて、本発明の別の様相は、基板101に取り付けられた、マイクロプレートを徐々に位置決めするのを助長することが可能な形状を有することが好ましいガイドピン130に関する。如何なる形状あるいは如何なる形状の組合せも適合するが、この好ましい実施の形態は、基板101の表面110上の取付け点133において円柱状の根元132をそれぞれ有する1組のガイドピン130を備えている。この実施の形態においては、円柱状の根元132は、上方へ向かって先細の円錐形134となって、四角形のマイクロプレートの一つの隅部が最初に受けられることが可能になっている(図1B参照)。しかしながら、ガイドピン130は、もし利用される場合には必ずしも隅部に配置されている必要はなく、基板101上の何処に配置されていてもよい。支持体150およびガイドピン130は、基板と一体の成形工程によって、あるいは化学的接着剤(例えばエポキシ)を用いた接着によって、または機械的工程(すなわち溶接)によって構成することが可能である。この拘束機構内におけるマイクロプレートがしっかりと支持される場所は、マイクロプレートを入れ子状に収容するリセプタクルを画成している。この実施の形態においては、検出開口部の周囲を画成する頂面の一部が、ガイドピンおよび支持体と連繋して上記入れ子状に収容するリセプタクルを構成している。(図3Aを参照すると、入れ子状に収容するリセプタクル303をマイクロプレートが完全に占有している。)さらに、機構100の支持体150およびガイドピン130は、硬く、非反応性材料(炭化物、金属、ダイアモンド等)が好ましいが、何れの剛体組成を有するものでもよい。
【0024】
拘束機構100内に位置決めされるマイクロプレート200(例えばマルチウエルプレート)が図2に示されている。多数のウエル210からなるアレーを備えたマイクロプレート200は、一般に上板202および下板203を備えた二部構造を有する。上板202は、周縁フレーム204、頂面206、およびウエル210のアレーを描く多数の側壁208を備え、各ウエル210は、分析されるべきサンプルのアリコートを収容することができる。下板203は、マイクロプレート200の下方に配置された光学的検出器が多数のウエル210からなるアレーに直接にアクセスするように、各サンプルウエル210のための、好ましくはほぼ平坦かつ透明な底壁/底面213(図2A参照)を形成している。センサーは、ウエル内で、またはウエルの底壁上で生じている活動を検出する。一実施の形態においては、マイクロプレートが、少なくとも一部のウエルの底に配置された生物学的センサーまたは光学的格子/導波路を有する。
【0025】
これに加えて、マイクロプレート200は、底面214(図2B)から突出して、拘束機構の3個の嵌合部と整合可能な3個のマイクロプレート嵌合部265を有することが好ましい。これらマイクロプレート嵌合部265は、マイクロプレート200をしっかりと支持するように配置されており、特に、2個の嵌合部265は一方の端壁の両隅部246近傍に配置され、かつ1個の嵌合部265は対向する端壁の近傍に配置されているのが好ましい。この修正されたマイクロプレート200の好ましい実施の形態におけるマイクロプレート嵌合部265においては、全体で6点接触のために、拘束機構の各嵌合部との点接触を可能にする球状嵌合部268を有する円柱体266(図2C)である。
【0026】
マイクロプレート200は、マイクロプレートに関する工業標準に従うのが好ましく、すなわち、マイクロプレート200は、周縁スカート204によって区切られ、好ましくは96個(8行12列)、384個(16行24列)、そして1536個(32行48列)までのサンプルウエル210が配置されている。さらに、マイクロプレート200の高さ、長さおよび幅は、工業標準に従うのが好ましい。しかしながら本発明は、如何なる数のウエルを有するマイクロプレートも実施可能であり、特定の寸法および形状に限定されるものではない。その他の周知および市販のマイクロプレートも、不透明および/または一体の成形面を有するものも同様に使用可能である。
【0027】
図3は、拘束機構302の上方に配置されたマイクロプレート301を示す本発明の一実施の形態300を示す。本発明の拘束機構302は、各隅部(または各側)に4対/組のガイドピン330を、各組のガイドピン330がマイクロプレートの四隅部313のそれぞれに整合することが可能なように備えている。ガイドピン330は、マイクロプレート301の手操作またはロボットによる移動および操作において、マイクロプレート301の拘束をアシストするのに有利である。四隅部313は、V字形の嵌合部355を有する3個の支持体350に対し、マイクロプレート301の対応する3個の球状点接点マイクロプレート嵌合部365を整合させて位置決めされている(図3Aに、拘束機構302と係合されたマイクロプレート301の透明な平面図が示されているように)。図3Aの3B−3B線に沿った断面図である図3Bはさらに、拘束機構302の3個の嵌合部355のうちの2個に係合する、3個のマイクロプレート嵌合部365のうちの2個の詳細を示す。円柱状のマイクロプレート嵌合部365は、拘束機構302のV字形の嵌合部355に係合している。特に、図3Cは、拘束機構302のV字形の嵌合部355内の3個の点接点358と相互作用するマイクロプレート嵌合部365の球状点接点368を示す。かくして、3個のマイクロプレート嵌合部365が3個の嵌合部355と係合したとき、全体で6個の点接点がマイクロプレート301の動きを拘束する。良く知られた原理によれば、完全に空間に固定される剛体に関し、分解および再組立てに拘わらず、全体で6箇所の自由度が拘束に必要である。換言すれば、任意の固定された座標系に関しては、3方向の直線移動と3方向の回転が拘束されなければならない。6個の自由度がすべて拘束された場合に、取付け台は運動学的と呼ばれる。それ故に、運動学的取付けは、少なくとも6個の独立した拘束部または接触点を有する。したがって、本発明の拘束機構は動的取付けが可能であることが好ましい。しかしながら、如何なる数の嵌合構造355およびマイクロプレート嵌合構造365もマイクロプレート301を拘束するために安定した配位を提供することができる。したがって、接触点の数は、嵌合構造355およびマイクロプレート嵌合構造365の全体の数に左右される。
【0028】
嵌合部355およびマイクロプレート嵌合部365は、マイクロプレート301のサンプル表面に対する化学的および生物学的分析の追加または除去のような操作に続く位置決めおよび再位置決めを可能にする。マイクロプレート301は、マイクロプレート301が光学的検出システムによって最初に読み出される精密な第1の位置に位置決めされる。最初の位置決めは、第1の規定された場所が第2の規定された場所から約1μm未満かつ約4秒未満(3〜4秒が実際的で、3〜4秒が好ましく、0〜3秒がもっと好ましい)または約20マイクロラジアン未満(約15マイクロラジアン未満がもっと好ましい)だけしか異ならないように、拘束機構302からのマイクロプレート301の手操作またはロボットによる取外し(サンプル表面304の操作ために)が拘束機構302内の第2の場所へのマイクロプレート301の再位置決めを可能にするように反復可能であるべきである。次に、最初の第1回目の測定との分析的な比較のために、光学的検出システムが、第2の規定された場所におけるマイクロプレート301の表面(およびその中身)の第2回目の測定結果を記録する。拘束機構302に対するこのマイクロプレート301の反復可能な位置決めは、化学的または生物学的サンプルの計測器によるより正確な問合せを可能にする。
【0029】
例えば薬剤の発見においては、種々の形式の生物学的および化学的材料がマイクロプレート301のサンプル表面(すなわちウエル)上の正確な位置に添加される。マイクロプレート301は、拘束機構302の下方に位置する光学的読取り器によって問合せを受けて、最小の読み/結果を発生させることが可能である。マイクロプレート301が最初の場所から取り除かれるとき、サンプル表面304が操作される(あるいは特定の候補薬剤の添加によって)。追加的測定は比較的精密に行なわれることが可能である。すなわち、好ましい実施の形態においては、サンプル表面304が最初に読み取られたので、拘束機構302の第2の場所へのマイクロプレート301の再挿入が必然的に重要になる。特に、サンプル表面304上の各サンプルに関する測定結果は正確に比較されて、表面304の各特定場所における特定の生物学的または化学的分子に対する薬剤の可能な結合または非結合を決定する。より小さい分子の微小規模での操作により、マイクロプレート301の(再)位置決めにおける正確性は益々重要になる。底面に付随するセンサー/格子を有するサンプルウエルの分析的問合せを含む好ましい実施の形態においては、光学的検出器に対して同じ正確な場所への位置決めが反復可能な最初の場所に位置決めされたマイクロプレートを有することが重要である。
【0030】
さらに、マイクロプレート301が拘束機構302上に静止する剛性を有する安定な構造をこの取付け構造が提供する限り、嵌合部355およびマイクロプレート嵌合部365は、成形(または射出成形)、機械加工、接着、または他の種々の取付け方法が拘束機構302および/またはイクロプレート301に対してそれぞれ施されることが可能である。さらに、嵌合部355はマイクロプレート301の下部から突出して窪んだ嵌合部355に係合するマイクロプレート嵌合部365と整合するように、基板303に対して窪んでいてもよい。このようにすると、拘束機構302の嵌合部355とマイクロプレート嵌合部365とが、一旦係合すると、単一の幾何学的形状のみまたは複合幾何学的形状の組合せを構成して、マイクロプレート301は安定な位置に保持される。このような幾何学的形状は、円錐形、V字形、球形、八角形、四角形、円筒形、三角形、またはその他の幾何学的形状を含む。嵌合部355およびマイクロプレート嵌合部365の形状および/または構造は例示のためにのみ紹介したのであってこれらに限定されるものではない。3個の嵌合部355が3個のマイクロプレート嵌合部365と相互作用を行なう場合(全体で6接点)、下記の何れかの組合せまたは差し替え部分、すなわち、a)3個のV字形構造に対し3個の突出する球体が接する、b)1個の円錐面、1個のV字形構造、および1個の平坦面に対し、3個の突出する球体が接触する、c)2個のV字形構造および1個の平坦面に対し、3個の突出する球体が接する、d)3個のV字形構造に対し3個の突出する円筒面が接する、あるいは、嵌合の相手方に対し別の幾何学的に突出する表面が接し、嵌合の相手方は単一表面または複数の器楽的表面の組合せを有する構成のうちの何れかを含む多様性のある幾何学的配置が可能である。
【0031】
本発明の別の実施の形態(図4)は、拘束機構402内に位置決めされたマイクロプレート401を備えたマイクロプレート・アセンブリ400を含む。拘束機構402の入れ子にするリセプタクルは、マイクロプレート401と係合することが可能な複数の嵌合部/構造455を有する。嵌合部455は、拘束機構402の表面410から突出する円筒形構造455である。図4Aに示されているように、マイクロプレート401の下側には、マイクロプレートV字形凹部465としてのマイクロプレート嵌合部465が形成されている。凹部465は、マイクロプレートの成形に伴って、機械加工により、またはマイクロプレートの下側への接着により形成される。この好ましい実施の形態においては、エポキシまたは他の接着剤が窪んだマイクロプレート嵌合部465の作成を可能にする。しかしながら、ここで説明する実施の形態は、マイクロプレートV字形凹部465に限定されるものではなく、上記した種々の形状のものが可能である。さらに、本発明の拘束機構402は、2箇所の隅部446および一つの端壁448のみに配置された拘束機構402の嵌合部455(および対応するマイクロプレート401のマイクロプレート嵌合部465)に限定されず、マイクロプレート401の対応するマイクロプレート嵌合部465が拘束機構402と係合することが可能なように、如何なる数の嵌合部455が拘束機構402上の何処に位置決めされていてもよい。このアセンブリ400のマイクロプレート401はさらに、前述したような多数のウエルからなるアレーを備えることができ、各ウエルは、各ウエルの底面内に配置されたセンサーまたは格子を有する。各ウエルのセンサーまたは格子は、1本またはそれ以上の光ビームとの位置合わせが可能であることが好ましい。この実施の形態に対しては、下側からのマイクロプレートの分析のために、入れ子状に収容するリセプタクルの一部として備えられた1個の開口部が寄与しているが、マイクロプレートの下方からの光学的観察/分析に依存しないその他の種々の分析技術および方法は必ずしも開口部を必要としない。この拘束機構は、マイクロプレートの拘束が必要なときには何時でも係合することができる。
【0032】
ここで説明されている運動学的取付け/拘束機構は一般的に四角形のマイクロプレートとともに用いることを意図するものであるが、他の形状(楕円形、円形、多角形等)のマイクロプレートを同様に拘束するのに用いることを意図するものである。さらに、正確な運動学的拘束手段を用いて取付けられた修正されたマイクロプレートは、側壁または隅部を必要としないであろう。
【0033】
本発明のさらに別の実施の形態が図5〜図5Eに示されている。この実施の形態においては、拘束機構500が、一次的表面510および二次的表面512の二つの表面を備えた基板502を備えている。二次的表面512は、基板502内に開口部/検出開口部506を形成する両端壁514および両側壁516上に嵌めこまれている。二次的表面512は、検出開口部506の周囲に棚512を形成し、かつ入れ子状に収容するリセプタクル520を画成する。前述の実施の形態と同様に、拘束されるマイクロプレート501によって占められる領域は、入れ子状に収容するリセプタクル520を画成する(図5Aにおける拘束機構500の透明な平面図に示されているように)。入れ子状に収容するリセプタクル520は、その上にマイクロプレート501がしっかりと保持される拘束機構500内の場所によって画成されている。入れ子状に収容するリセプタクル520はさらに、マイクロプレート501をZ方向の面において支持しかつ接することができる3個の支持体530を有する二次的表面512によって画成されている。しかしながら、本実施の形態における拘束機構500が8個の接触点を有して、図5Bにおける好ましい実施の形態の平面図に示されているように、X,YおよびZ面方向にマイクロプレートの位置を確定することが好ましい。好ましい拘束機構500における8個の接触点は、入れ子状に収容するリセプタクル520内部の三角形に配置されかつ表面512から突出する3個の支持体530と、5個の付加的位置決め構造とを含み、これら5個の付加的位置決め構造は、一方の端壁514上に配置された2個のX方向接点540xと、一方の側壁516上に配置された1個のY方向接点540yと、対向する端壁514および側壁516上に配置された、それぞれX方向接点およびY方向接点の反対側から力を加えるそれぞれバネ付勢された2個の接点550xおよび550yである。本実施の形態においては、入れ子状に収容するリセプタクル520は、上記のように5個の付加的位置決め構造を備えている。これらの位置決め接点540x/yのそれぞれに対する調整手段517が拘束機構500の外面521に配置されている。板バネ調整手段519は印加するバネ付勢力を調整するのに用いられる。このような調整手段517または板バネ調整手段519は、マイクロプレートに加える力を調整するためにねじまたはその他の手段を用いている。さらなる調整手段が、寸法の異なるマイクロプレートに対応するために用いられる(すなわち、支持体530の高さ調整のため)。
【0034】
拘束機構500内に拘束されたマイクロプレート501を透明にした平面図が図5Bに示されている。マイクロプレート501は下記の8個の接点によって拘束されている。すなわち、Z方向におけるマイクロプレート・センサー面を画成するための3個の支持体530と、マイクロプレート501の一箇所の隅部507のX方向およびY方向の位置を規定するための3個の接点540x/540yと、X方向接点540xおよびY方向接点540yの場所に対して予め付加される力をそれぞれ調整するためのバネ付勢された2個の接点550xおよび550yである。拘束機構500内に拘束されたマイクロプレート501の(図5Aの)5C−5C線に沿った断面図が図5Cに示されている。球形支持体530、球形X方向接点540x、およびバネ付勢された接点550xが拘束されたマイクロプレート501に接触している。支持体530は、拘束機構500の入れ子状に収容するリセプタクル520内においてマイクロプレート501を安定化しかつ支持している。一般に、支持体530および位置決め手段540x,540y,550xおよび550yは、炭化物のような硬い、剛体の、非反応性材料で構成される。さらに、球形支持体530および球形位置決め構造540x/yおよび550x/yはマイクロプレート501と点接触することが可能である。球形炭化物ボール551が板バネ550xおよび550y上に設けられている。拡大された隅部509が図5Dに示されて、マイクロプレート501の下側511に接触する支持体530の接触点531をさらに明示している。これに加えて、位置決め構造540xの接触点541はマイクロプレートのフレーム/フランジ521の外側壁513(またはフランジ)に接触している。さらに、外側壁513は一般に約2度の抜き勾配を有する。この抜き勾配は、上述のように位置決め構造540x/yおよび550x/yの適切な力に、特に拡大図におけるY方向接点540yによって示された力に適応させられる。しかしながら、これらの適切な力は、種々の側壁抜き勾配を有するマイクロプレートの取付けをアシストするために調整されることが可能である。接点540x/y、550x/yおよび551の縮小された表面積は高い負荷/面積を生み、さらにマイクロプレート501を拘束するための法線力(透明な平面図5E参照)を生じさせる。接点540x/y、550x/yおよび551の表面積はそれらの球形によって本質的に縮小されるものの、如何なる形状のものを採用してもよい。
【0035】
マイクロプレート501の位置決めおよび拘束は、図5Eに示された適切な力によってさらに詳細に説明される。マイクロプレート501が説明のためにのみ透明になっている平面図は、平面接点531上のマイクロプレート501の初期位置を示している。マイクロプレートのフレーム521は、入れ子状に収容するリセプタクル520内に挿入されて、バネ付勢された接点550x/550yに最初に接触し、続いてマイクロプレート501を取り外すことにより、固定の2個のX方向接点540xおよび1個のY方向接点540yに穏やかに接触し、マイクロプレート501が正確な分析場所に反復的に位置決めされ、かつ再位置決めされるように力が分布される[マイクロプレートの第1の場所と第2の場所とでは、約1μm未満の変位と約20マイクロラジアン未満(好ましくは約15マイクロラジアン未満)の回転だけしか異ならない]。このようにして、Y方向接点540yからの力Fcyは、スプリング550yからの力Fsyと釣り合う。X方向接点540xからの力Fc1xc2xは、プリング550xからの力Fsxと釣り合う。さらにバネ接点550x/550yは突出する球形接点面551を有してマイクロプレート・フレーム521との接触を最小にする。本発明の一実施の形態においては、板バネ550x/550yを用いているが、これに代わり、圧縮/コイルバネまたは他のバネ系を用いて、印加される力を受けることができる。しかしながら、バネ付勢された接点550xおよび550yからのより弱いバネ力は、マイクロプレート501のもっと反復可能な位置決めを立証し、これによりもっと反復可能な光学的測定を生じさせる。
【0036】
本発明の一実施の形態(図6)は精密なアセンブリまたは移動台に取り付けられた拘束機構600を有する。この拘束機構600の基板602は、運動学的取付け台600として利用され、これにより、マイクロプレート601が挿入されたときに、6個の自由度全てが、予想された6個を超える接点によって拘束され、「運動学的」とは、光学的読取り器の視野内へのマイクロプレート601の出し入れの積極的な過程を言う。このようにして、運動学的取付け台600は、光学的検出器の上方の正確な場所に容易に移動せしめられかつ再配置される。拘束機構すなわち運動学的取付け台600は、ねじその他の取付け手段のために割り当てられた取付け空間607を介して精密なアセンブリまたは移動台((不図示)に取付けられる。精密なアセンブリは、拘束機構600の支持および安定化のための構造的アセンブリとして動作し、さらにマイクロプレート601を入れ子状に収容するリセプタクル620の拘束された位置に拘束することを可能にする。移動台は、それに代わる機器システムを同様に組み込む(拘束機構の上方または下方に)ことも可能であるが、マイクロプレート601を保持する拘束機構600が、光学的検出器または分配システムの上方または下方においてXY平面方向にそれぞれ移動するのを可能にする。さらに、移動台は、拘束機構600の三次元的動きを含むZ平面方向に適応するように改造することもできる。例示のみを目的とするもので、限定するものではないが、拘束機構600の入れ子状に収容するリセプタクル620を光学的読取り器に対して数十分の一度以内の整合性をもって配置するのには、エアベアリングのような精密なアセンブリが用いられる。本発明の好ましい実施の形態は、マイクロプレート601を保持した入れ子状に収容するリセプタクル620が光学的読取り器/検出器の上方の位置に正確に位置決めされる光学的検出システムを横切る拘束機構600の前後の移動を制御するエアベアリング(加圧エアを用いる)を備えている。その後、マイクロプレート601は、第1の場所に反復的に挿入され、取り外され、そして入れ子状に収容するリセプタクル620の類似の第2の場所に再挿入され、各場所は、互いに約1μm未満の変位および角度/ピッチ/ロールにおいて約20マイクロラジアン未満の回転以内である。
【0037】
さらに、この実施の形態は特に修正されたマイクロプレートを必要とせずに、現在使用されている標準的な既製のマイクロプレートを利用することができる。つまり、この実施の形態における余分な接点(前述の実施の形態における6個の接点に比較して8個)は、標準的なマイクロプレートを利用するための実例である。さらに、本発明の拘束機構600の好ましい実施の形態は、拘束機構600の基板602にロボットを用いてアクセスすることが可能な形状と構成を有しているが、マイクロプレート601は、扱いにくいロボットアームの操作を必要とせずに、基板602の入れ子状に収容するリセプタクル620内に位置決めされる。
【0038】
あるいは、光学的部品が拘束機構の上方または下方で移動性を有しながら拘束機構600が固定されていてもよい。したがって、本発明は、マイクロプレートの下方の光学的検出システムに利用することに限定されず、マイクロプレート拘束または固定化を必要とする如何なるシステムにも利用することができる。以上説明した本発明は、本明細書の恩恵を受けた当業者であれば、多くの変形、変更が可能なことは明らかであろう。このような変形は、本発明の精神および範囲から逸脱しないと見做され、添付の請求項およびそれらの法的な均等物の範囲内に含まれることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1−1】図1は本発明の拘束機構の一実施の形態の斜視図
【図1−2】図1Aは本発明のV字形嵌合部の拡大図
【図1−3】図2Bは本発明の拘束機構のガイドピンの拡大図
【図2−1】図2は多数のウエルからなるアレーを備えたマイクロプレートのサンプル表面の一実施の形態を示す斜視図
【図2−2】図2Aは図2のウエルアレーの部分的切断図
【図2−3】図2Bは本発明のマイクロプレートの下側から見た斜視図
【図2−4】図2Cは本発明のマイクロプレート嵌合部の拡大図
【図3−1】図3は本発明のマイクロプレート・アセンブリの斜視図
【図3−2】図3Aは図3のマイクロプレート・アセンブリの透明化平面図
【図3−3】図3Bは図3Aの3B−3B線に沿った断面図
【図3−4】図3Cは図3Bの隅部の嵌合部の拡大図
【図4−1】図4は本発明の別の実施の形態のマイクロプレート・アセンブリの斜視図
【図4−2】図4Aは図4のマイクロプレートの下側から見た斜視図
【図5−1】図5は本発明の別の好ましい実施の形態の二次的表面を利用する拘束機構の斜視図
【図5−2】図5Aは図5の入れ子状に収容するリセプタクルの拡大平面図
【図5−3】図5Bは拘束機構内に入れ子状に収容されたマイクロプレートの平面図
【図5−4】図5Cは図5Aの5C−5C線に沿った断面図
【図5−5】図5Dは図5Cの隅部の拡大部分断面図
【図5−6】図5Eは拘束機構内に入れ子状に収容されたマイクロプレートに加わる力を示す平面図
【図6】図6は精密な移動台に取り付ける手段を備えた拘束機構の斜視図
【符号の説明】
【0040】
100,302,402,500,600 拘束機構
101,303,502,602 基板
125 検出開口部
130,330,330 ガイドピン
150,350,550 支持体
200,301,401,501,601 マイクロプレート
210 サンプルウエル
【図1】

【図1A】

【図1B】

【図2】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図3】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図4】

【図4A】

【図5】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図5D】

【図5E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のマイクロプレートを位置的に拘束するための機構であって、前記マイクロプレートを入れ子状に収容するリセプタクルを画成する少なくとも一つの表面を有する1枚の基板と、前記基板から突出した、前記マイクロプレートを支持することが可能な少なくとも3個の支持体とを備えた機構。
【請求項2】
前記入れ子状に収容するリセプタクルは、隅部で交差して四角形を形成する少なくとも二つの側壁および少なくとも二つの端壁を有し、前記側壁および端壁はさらに検出開口部を画成し、これにより、前記マイクロプレートの少なくとも一つの表面に対する前記検出開口部を通じた光学的アクセスを可能にしていることを特徴とする請求項1記載の機構。
【請求項3】
前記支持体は、1個または複数個のマイクロプレート嵌合部との相互作用が可能な1個または複数個の嵌合部をさらに備えていることを特徴とする請求項2記載の機構。
【請求項4】
前記マイクロプレートを前記支持体に位置合わせすることが可能な少なくとも1本のガイドピンが、前記入れ子状に収容するリセプタクルの周縁部に配置されていることを特徴とする請求項3記載の機構。
【請求項5】
下記の差し替え部分:
3個のV字形構造に対し、3個の突出する球体が接する、
1個の円錐面、1個のV字形構造、および1個の平坦面に対し、3個の突出する球体が接する、
2個のV字形構造および1個の平坦面に対し、3個の突出する球体が接する、
3個のV字形構造に対し、3個の突出する円筒面が接する、
構成のうちの何れかを含む多様な幾何学的配置において、3個の前記嵌合部が3個の前記マイクロプレート嵌合部と相互に作用することを特徴とする請求項3記載の機構。
【請求項6】
前記入れ子状に収容するリセプタクルは、一つまたは複数の二次的表面を有し、前記支持体が該二次的表面から突出していることを特徴とする請求項2記載の機構。
【請求項7】
前記二次的表面は、前記検出開口部の周縁上に棚を形成する前記端壁および側壁上に嵌めこまれ、前記支持体は1個または複数個の点接点を備えていることを特徴とする請求項6記載の機構。
【請求項8】
前記端壁および側壁上に配置された、少なくとも1個のX方向接点および少なくとも1個のY方向接点を含む複数の位置決め構造をさらに備えていることを特徴とする請求項7記載の機構。
【請求項9】
1枚のマイクロプレートを入れ子状に収容するリセプタクルを画成する少なくとも一つの表面を有する1枚の基板と、前記基板から突出する少なくとも3個の支持体とを有する拘束機構、および
前記入れ子状に収容するリセプタクル内に配置された1枚のマイクロプレートであって、複数のサンプルウエルからなるアレーのための少なくとも一つの底面を有するほぼ平坦な透明な下板と、フレームによって囲まれた前記複数のサンプルウエルのための複数の側壁を形成する単一の上板とを有するマイクロプレート、
を備えたマイクロプレート・アセンブリ。
【請求項10】
1枚のマイクロプレートを位置的に拘束する方法において、
前記マイクロプレートを入れ子状に収容するリセプタクルを画成する少なくとも一つの表面を有する1枚の基板と、前記基板から突出する少なくとも3個の支持体とを提供する工程、
複数のサンプルウエルからなるアレーのための少なくとも一つの底面を有するほぼ平坦な透明な下板と、前記複数のサンプルウエルのための複数の側壁を形成する単一の上板とを備えた1枚のマイクロプレートを提供する工程であって、前記複数のサンプルウエルはフレームによって囲まれている工程、
光学的検出システムを提供する工程、および
前記入れ子状に収容するリセプタクル内に前記マイクロプレートを挿入する工程であって、該マイクロプレートが第1の規定された場所を占めている工程、
を有してなる方法。

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−503446(P2009−503446A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522803(P2008−522803)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/026357
【国際公開番号】WO2007/018855
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【復代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
【復代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
【Fターム(参考)】