運動検出装置
【課題】簡素な構成で、身体を動かす特定の運動を手軽に検出することができる運動検出装置を提供する。
【解決手段】載置面1を有する運動検出装置100を提供する。運動検出装置100は、載置面1への荷重を測定する全体測定処理を行う全体測定部114と、腕立て伏せ等の身体を動かす特定の運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部112と、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部115と、検出部119とを備える。検出部119は、全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、この差分値と適正範囲とを比較して特定の運動の検出を行う。
【解決手段】載置面1を有する運動検出装置100を提供する。運動検出装置100は、載置面1への荷重を測定する全体測定処理を行う全体測定部114と、腕立て伏せ等の身体を動かす特定の運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部112と、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部115と、検出部119とを備える。検出部119は、全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、この差分値と適正範囲とを比較して特定の運動の検出を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体を動かす特定の運動を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、身体を動かす特定の運動を検出する装置が記載されている。この装置では、身体の各部に当接する多数の部材の各々に、歪ゲージを貼り付けたロードセル(起歪体)が設けられている。この装置は、例えば、人がこの装置に座って足関節の底屈運動をする場合には、足先で押される踏み板への荷重が頂点に達したときの大腿部の上側に当接する部材への荷重が許容範囲内にあることをもって、足関節の底屈運動を検出する。
【特許文献1】特開2006−149792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の装置は、身体の各部に当接する多数の部材を必要とするから、大掛かりな装置となってしまう。また、上記の装置では、身体の各部に部材を当接させる作業が発生するから、使用に手間がかかるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、身体を動かす特定の運動を手軽に検出することができる運動検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、身体を動かす特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、前記載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、前記全体測定部に前記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記範囲データで示される適正範囲とを比較し、算出した差分値が前記適正範囲内にある場合に前記特定の運動を検出する検出部とを備える運動検出装置を提供する。
「身体を動かす特定の運動」は、腕立て伏せや、腕立て伏せの往運動、腕立て伏せの復運動、スクワット、スクワットの往運動、スクワットの復運動のように、身体の姿勢が変化する運動であり、心拍や呼吸のように、身体の姿勢が変化しない動きを含まない。「特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲」は、特定の運動の開始から終了までの期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が高く、特定の運動が行われていない期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が低い範囲である。ここで、「適正範囲」が意味するところを、より具体的に説明する。まず、特定の運動として腕立て伏せを想定する。人が腕立て伏せを行うと、その上体には、ある程度以上の負荷がかかる。つまり、ある程度以上の負荷がかかったことをもって、腕立て伏せが行われたと判断することができる。ここで、1回の腕立て伏せが、載置面に手を載せて足を載せずに行われたとする。この場合、載置面への荷重は、1回の腕立て伏せの開始から終了までの期間において変化し、この期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値(荷重差)は、その期間における上体への負荷に応じたものとなる。したがって、載置面への荷重の最大値と最小値との差分値がある程度以上の大きさであることをもって、腕立て伏せが行われたと判断すること(腕立て伏せの検出)が可能となる。このときの「ある程度以上の大きさ」と認められる範囲が、腕立て伏せにおける載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である。なお、この適正範囲の下限が低すぎると、腕立て伏せが行われていないにも関わらず、腕立て伏せが行われたと判断されることになり、高すぎると、腕立て伏せが行われたにも関わらず、腕立て伏せが行われていないと判断されることになる。したがって、腕立て伏せにおける載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲は、腕立て伏せの開始から終了までの期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が高く、腕立て伏せが行われていない期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が低い範囲であるべきである。
上記運動検出装置は、身体の各部に当接する多数の部材を必要とせず、特定の運動が適正な範囲の荷重差(負荷)をともなって行われると、すなわち特定の運動が検出されると、特定の運動が検出された旨の情報を出力する。つまり、この運動検出装置は、簡素な構成で、身体を動かす特定の運動を手軽に検出することができる。
【0005】
上記運動検出装置において、前記特定の運動は、身体の姿勢を第1姿勢から第2姿勢へ変化させる特定の往運動と身体の姿勢を前記第2姿勢から前記第1姿勢へ変化させる特定の復運動とを交互に行う特定の往復運動であり、前記記憶部は、前記範囲データとして、前記特定の往運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である往範囲を示す往範囲データと、前記特定の復運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である復範囲を示す復範囲データとを記憶し、順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と前記往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、前記検出部は、前記複数の往復運動検出期間の各々において、前記往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記往範囲とを比較し、算出した差分値が前記往範囲内にある場合に前記特定の往運動を検出し、前記復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に前記特定の復運動を検出し、前記特定の往運動および前記特定の復運動が検出された場合に前記特定の往復運動を検出する、ようにしてもよい。
この態様の運動検出装置では、特定の往運動が往範囲に基づいて検出され、特定の復運動が復範囲に基づいて検出されるから、特定の往運動および特定の復運動を両者に共通の範囲に基づいて検出する形態に比較して、特定の往運動および特定の復運動ひいては特定の往復運動を正確に検出することができる。
なお、この態様の運動検出装置の具体的な形態としては、各運動検出期間の長さが予め定められる形態や、特定の往運動が検出されると往運動検出期間が終了し、特定の復運動が検出されると復運動検出期間(往復運動検出期間)が終了する形態を例示可能である。
【0006】
この態様の運動検出装置において、前記特定の往復運動は、前記載置面に身体の一部を載せて行われる往復運動であり、前記第1姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最小となる姿勢であり、前記第2姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最大となる姿勢であり、前記検出部は、情報を出力する情報出力装置に前記第1姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理と、前記情報出力装置に前記第2姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理と、前記最小静止荷重と前記最大静止荷重とに基づいて前記往範囲データおよび前記復範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる往復範囲設定処理とを行う、ようにしてもよい。「情報を出力する情報出力装置」としては、外部のテレビジョン受像機や、内部の液晶ディスプレイ、内部のスピーカ、内部のLEDを例示可能である。
この態様の運動検出装置によれば、特定の往運動および特定の復運動ひいては特定の往復運動の検出精度の個人差によるバラツキを抑えることができる。
【0007】
この態様の運動検出装置を除き、上記各運動検出装置において、前記検出部は、前記載置面に身体の全部を載せて静止することを人に促す情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させてから前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて体重を測定し、測定した体重に基づいて前記範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる、ようにしてもよい。「情報を出力する情報出力装置」としては、液晶ディスプレイやスピーカを例示可能である。
この態様の運動検出装置によれば、第1姿勢と第2姿勢とでそれぞれ荷重を測定して範囲データを生成する態様に比較して、使用者にかかる手間を低減することができる。また、測定された体重に基づいて消費熱量(カロリー)を推定することも可能となる。
【0008】
上記各運動検出装置において、前記載置面を複数の比較単位領域に分割したとき、前記複数の比較単位領域の各々への荷重を測定し、測定した荷重を示す部分測定データを前記記憶部に記憶させる部分測定処理を行う部分測定部とを備える、ようにしてもよい。この態様の運動検出装置によれば、左右や前後等の荷重のバランスを測定することができる。
【0009】
この態様の運動検出装置において、前記載置面を複数の測定単位領域に分割したとき、前記複数の測定単位領域にそれぞれ対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器を備え、前記複数の比較単位領域の各々は、一または複数の前記測定単位領域を含み、前記部分測定部は、測定する荷重に係る前記比較単位領域に含まれる前記測定単位領域に対応する前記荷重変換器に係る電気信号を前記部分測定処理に用い、前記全体測定部は、前記複数の荷重変換器に係る電気信号を前記全体測定処理に用いる、ようにしてもよいし、前記部分測定部に前記部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部と、前記記憶部に記憶された前記部分測定データを用いて、前記部分測定部に測定された荷重の統計値を前記比較単位領域毎に算出する統計部とを備えるようにしてもよい。
前者の態様の運動検出装置では、各荷重変換器が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるから、処理毎に別々の荷重変換器を用意する形態に比較して、荷重変換器の利用効率が高くなる。後者の態様の運動検出装置では、左右や前後等の筋力のバランスを推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る運動検出装置100の外観を示す斜視図である。運動検出装置100は、身体を動かす特定の往復運動として腕立て伏せを検出するものであり、具体的には、特定の往運動および特定の復運動を検出して腕立て伏せを検出し、腕立て伏せを検出した旨の情報として腕立て伏せの検出回数を出力する。
【0011】
特定の往運動は、使用者が、その身体の姿勢を、腕を伸ばし切った最小静止荷重姿勢(図2参照)から腕を最も深く曲げた最大静止荷重姿勢(図3参照)へ変化させる運動である。特定の復運動は、使用者が、その身体の姿勢を、最大静止荷重姿勢から最小静止荷重姿勢へ変化させる運動である。腕立て伏せは、特定の往運動と特定の復運動とを交互に行う往復運動である。
【0012】
運動検出装置100は、本体110と、本体110に取り付けられた表示部120とを備える。本体110は、身体の一部または全部を載せる載置面1を有し、全体測定処理を行う。つまり、本体110は、載置部として機能する。全体測定処理は、載置面1への荷重を測定する処理である。使用者は、腕立て伏せを行うときに、載置面1に両手をつくことになる。
【0013】
腕立て伏せにおける身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で載置面1への荷重が最小となる姿勢が最小静止荷重姿勢であり、そのときの荷重が最小静止荷重である。また、腕立て伏せにおける身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で載置面1への荷重が最大となる姿勢が最大静止荷重姿勢であり、そのときの荷重が最大静止荷重である。
【0014】
載置面1は、荷重測定の単位に着目すると、複数の測定単位領域、具体的には2行2列の測定単位領域に分割されている。以降、第1行第1列の測定単位領域を測定単位領域1LF、第2行第1列の測定単位領域を測定単位領域1LB、第1行第2列の測定単位領域を測定単位領域1RF、第2行第2列の測定単位領域を測定単位領域1RBと記す。但し、これらの測定単位領域は、構造的に分離していてもよいし、あるいは、構造的に分離しておらず一体として形成されていてもよい。要は、後述する荷重変換器2LF,2LB,2RF,2RBが各測定単位領域に配置されていて、これらによって、各測定単位領域における荷重を検出できればよい。
【0015】
また、載置面1は、複数の比較単位領域、具体的には、腕立て伏せにおいて使用者が左手をつく比較単位領域1Lと、右手をつく比較単位領域1Rに分割されている。比較単位領域1Lは、複数の測定単位領域1LFおよび1LBを含み、比較単位領域1Rは、複数の測定単位領域1RFおよび1RBを含む。
【0016】
また、載置面1は、比較単位領域1Lおよび1Rとは異なる種類の複数の比較単位領域、具体的には、腕立て伏せを行う使用者の頭側に位置する比較単位領域1Fと、使用者の足側に位置する比較単位領域1Bに分割されている。比較単位領域1Fは、複数の測定単位領域1LFおよび1RFを含み、比較単位領域1Bは、複数の測定単位領域1LBおよび1RBを含む。なお、比較単位領域1RFおよび1RB、または比較単位領域1Fおよび比較単位領域1Bは、測定単位領域と同様に、荷重測定の単位である。これらの比較単位領域は、構造的に分離していてもよいし、あるいは、構造的に分離しておらず一体として形成されていてもよい。
【0017】
比較単位領域1Lには、左手の位置および向きを示す図柄G1が、測定単位領域1LFと測定単位領域1LBとに跨って描かれている。比較単位領域1Rには、右手の位置および向きを示す図柄G2が、測定単位領域1RFと測定単位領域1RBとに跨って描かれている。本体110は、測定単位領域1LF,1LB,1RF,1RBへの荷重を個別に測定することにより、全体測定処理と二種類の部分測定処理とを行う。一方の種類の部分測定処理は、二つの比較単位領域1L,1Rの各々への荷重を測定する列間測定処理である。他方の種類の部分測定処理は行間測定処理であり、二つの比較単位領域1F,1Bの各々への荷重を測定する処理である。
【0018】
図4は、運動検出装置100の電気的構成を示すブロック図である。運動検出装置100は、電気的には、表示部120の他に、本体110内の、複数の測定単位領域1LF,1LB,1RF,1RBにそれぞれ対応する複数の荷重変換器2LF,2LB,2RF,2RBと、発音部111と、記憶部112と、制御部113とを備える。
【0019】
荷重変換器2は、対応する測定単位領域1の鉛直下方に設けられており、対応する測定単位領域1への荷重を電気信号に変換して出力する。つまり、荷重変換器2の出力信号は、対応する測定単位領域1への荷重の測定値(測定値)を示す。荷重変換器2の構成は任意であり、起歪体に歪ゲージを貼り付けた構成であっても、他の構成であってもよい。
【0020】
表示部120は、情報を視覚的に出力する情報出力装置であり、図1に示す表示面121を有し、表示面121に画像を表示する。表示部120としては、液晶ディスプレイを例示可能である。発音部111は、情報を聴覚的に出力する情報出力装置であり、図示しないスピーカを有する。記憶部112は、書き込まれたデータを保持するものであり、書き換え可能な記憶領域と、不揮発性の記憶領域とを有する。記憶部112の具体的な構成は任意であるが、本実施形態では、EEPROMを記憶部112として用いている。このため、記憶部112の記憶領域の全域は、書き換え可能な不揮発性の記憶領域となっている。制御部113は、例えばCPUであり、タイマとしても機能する。
【0021】
記憶部112には、基準往範囲データd1および基準復範囲データd2が記憶されている。基準往範囲データd1は、標準的な人が特定の往運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲(基準往範囲)を示し、基準復範囲データd2は、標準的な人が特定の復運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲(基準復範囲)を示す。これらの適正範囲は、例えば、複数人を対象とした測定結果に基づいて統計的に算出される。
【0022】
記憶部112には、腕立て伏せの検出回数を示す検出回数データd3が記憶されている。検出回数データd3が示す検出回数は、計数期間において腕立て伏せが検出された回数であり、その初期値は0である。計数期間は、腕立て伏せの検出回数を計数する期間であり、図5に示すように、複数の往復運動検出期間に分かれる。つまり、計数期間では、複数の往復運動検出期間が順次訪れる。最初の往復運動検出期間は計数期間とともに開始し、各往復運動検出期間は腕立て伏せが検出されると終了する。各往復運動検出期間は前の往運動検出期間と後の復運動検出期間とに分かれる。各往運動検出期間は対応する往復運動検出期間とともに開始し、特定の往運動が検出されると終了する。各復運動検出期間は直前の往運動検出期間が終了すると開始し、特定の復運動が検出されると終了する。
【0023】
再び図4を参照して説明する。記憶部112には、制御プログラムd4が記憶されている。制御プログラムd4は、制御部113に実行されるコンピュータプログラムである。制御部113は、制御プログラムd4を実行することにより、全体測定部114、全体測定制御部115、部分測定部116、部分測定制御部117、統計部118および検出部119として機能する。
【0024】
全体測定部114は、荷重変換器2LF,2LB,2RFおよび2RBから出力された電気信号を用いて前述の全体測定処理を行い、載置面1への荷重の測定値を示す全体測定データd5を記憶部112に記憶させる。全体測定制御部115は、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる。
【0025】
部分測定部116は、前述の列間測定処理および行間測定処理を行い、各比較単位領域への荷重の測定値を示す部分測定データd6を記憶部112に記憶させる。部分測定データd6には、比較単位領域1Lに係る部分測定データd6L、比較単位領域1Rに係る部分測定データd6R、比較単位領域1Fに係る部分測定データd6F、比較単位領域1Bに係る部分測定データd6Bがある。なお、部分測定部116は、列間測定処理および行間測定処理の各々において、測定する荷重に係る比較単位領域に含まれる測定単位領域に対応する荷重変換器2から出力された電気信号を用いる。部分測定制御部117は、部分測定部116に列間測定処理および行間測定処理をそれぞれ繰り返し行わせる。
【0026】
検出部119は、腕立て伏せを検出する検出処理を行う。図6は、検出処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、検出処理では、検出部119は、まず、腕立て伏せの準備を使用者に促す準備促進処理を行う(S1)。具体的には、検出部119は、最小静止荷重姿勢をとることを使用者に促す情報を、表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。これにより、使用者は、図2に示すように、図柄G1及びG2に合わせて載置面1に両手をついて最小静止荷重姿勢(第1姿勢)をとることになる。準備促進処理は、一定の時間(例えば5秒間)だけ継続する。
【0027】
次に検出部119は、使用者の姿勢の調整を支援する姿勢調整支援処理を行う(S2)。具体的には、検出部119は、部分測定部115に、列間測定処理と行間測定処理とをそれぞれ繰り返し行わせ、各比較単位領域への荷重の測定値を表示部120に出力させる。これにより、表示面121には、図7に例示するような画像が表示される。使用者は、表示面121を見ながら、総ての測定値が互いに等しくなるように姿勢を調整することになる。姿勢調整支援処理は、一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。
【0028】
次に検出部119は、最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理を行う(S3)。最大静止荷重測定処理は一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。最大静止荷重測定処理では、検出部119は、一定の時間(例えば3秒)後に最大静止荷重姿勢で静止していることを使用者に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせ、これによって順次測定される荷重に基づいて、最大静止荷重を測定する。この情報出力により、使用者は、身体の姿勢を最小静止荷重姿勢から最大静止荷重姿勢へ変化させ、最大静止荷重姿勢で静止しようとする。このときの載置面1への荷重の変化の一例を図8に示す。
【0029】
図8に示すように、最大静止荷重測定処理における載置面1への荷重は、この処理の開始時点から使用者が身体の姿勢を変化させ始める時点までの期間T1では、略一定(SLmin)となり、使用者が身体の姿勢を変化させている最中の期間T2では、まず小さくなって特定の往運動に係る最小値(GLmin)となり、次に大きくなって特定の往運動に係る最大値(GLmax)となり、最後に小さくなり、使用者が最大静止荷重姿勢を保ち始めてから当該処理の終了時点までの期間T3では、略一定(SLmax)となる。GLmin<SLmin<SLmax<GLmaxである。
【0030】
最大静止荷重測定処理において全体測定部114に順次測定される荷重も、図8と同様に変化する。したがって、期間T3において全体測定部114に測定された荷重に基づいて、最大静止荷重を測定することができる。一方、使用者は、一定の時間(例えば3秒)後に最大静止荷重姿勢で静止していようとするから、一定の時間の経過時点は期間T3内となる。よって、検出部119は、最大静止荷重測定処理において最後に測定された荷重(SLmax)を最大静止荷重とし、これを示す最大静止荷重データd7を記憶部112に記憶させる。
【0031】
次に検出部119は、最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理を行う(S4)。最小静止荷重測定処理は一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。最小静止荷重測定処理では、検出部119は、一定の時間(例えば3秒)後に最小静止荷重姿勢で静止していることを使用者に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせ、これによって順次測定される荷重に基づいて、最小静止荷重を測定する。この情報出力により、使用者は、身体の姿勢を最大静止荷重姿勢から最小静止荷重姿勢へ変化させ、最小静止荷重姿勢で静止しようとする。このときの載置面1への荷重の変化の一例を図9に示す。
【0032】
図9に示すように、最小静止荷重測定処理における載置面1への荷重は、この処理の開始時点から使用者が身体の姿勢を変化させ始める時点までの期間T4では、略一定(SLmax)となり、使用者が身体の姿勢を変化させている最中の期間T5では、まず大きくなって復運動に係る最大値(BLmax)となり、次に小さくなって復運動に係る最小値(BLmin)となり、最後に大きくなり、使用者が最小静止荷重姿勢を保ち始めてから当該処理の終了時点までの期間T6では、略一定(SLmin)となる。BLmin<SLmin<SLmax<BLmaxである。
【0033】
最小静止荷重測定処理において全体測定部114に順次測定される荷重も、図9と同様に変化する。したがって、期間T6において測定された荷重に基づいて、最小静止荷重を測定することができる。一方、使用者は、一定の時間(例えば3秒)後に最小静止荷重姿勢で静止していようとするから、一定の時間の経過時点は期間T6内となる。よって、検出部119は、最小静止荷重測定処理において最後に測定された荷重(SLmin)を最小静止荷重とし、これを示す最小静止荷重データd8を記憶部112に記憶させる。なお、本実施形態を変形し、最小静止荷重測定処理の後に最大静止荷重測定処理が行われるようにしてもよい。
【0034】
なお、図8および図9において、通常、GLmin<BLminであり、GLmax<BLmaxである。また、BLmin−GLminとGLmax−BLmaxとが等しくなるとは限らない。これが、本実施形態において、一つの範囲ではなく、往範囲および復範囲を採用している理由である。
【0035】
図6に示すように、次に検出部119は、使用者に応じた往範囲および復範囲を設定する往復範囲設定処理を行う(S5)。往復範囲設定処理では、検出部119は、基準往範囲データd1、基準復範囲データd2、最大静止荷重データd7および最小静止荷重データd8に基づいて、演算により往範囲および復範囲を決定し、決定した往範囲を示す往範囲データd9と決定した復範囲を示す復範囲データd10を記憶部112に記憶させる。
【0036】
往範囲および復範囲の決定方法は任意である。例えば、基準往範囲データd1と最小静止荷重データd8とに基づいて往範囲を決定する一方、基準復範囲データd2と最大静止荷重データd7とに基づいて復範囲を決定するようにしてもよいし、基準往範囲データd1と最大静止荷重データd7と最小静止荷重データd8とに基づいて往範囲を決定する一方、基準復範囲データd2と最大静止荷重データd7と最小静止荷重データd8とに基づいて復範囲を決定するようにしてもよい。
【0037】
往範囲データd9および復範囲データd10は、それぞれ、使用者が特定の往運動または特定の復運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示すデータであり、往範囲データd9は特定の往運動における適正範囲(往範囲)を、復範囲データd10は特定の復運動における適正範囲(復範囲)を示す。往範囲データd9および復範囲データd10が基準往範囲データd1および基準復範囲データd2と異なる点は、標準的な人に応じたデータではなく、使用者に応じたデータである点である。
【0038】
次に検出部119は、初期化を行うともに、腕立て伏せの検出の開始を通知する情報を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる(S6)。この初期化では、検出部119は、検出回数データd3を更新して腕立て伏せの検出回数を0にするとともに、記憶部112に記憶されている総ての全体測定データd5および部分測定データd6を削除する。
【0039】
以降、検出部119は、腕立て伏せを検出する往復運動検出処理(S7)を繰り返し行う。最初の往復運動検出処理の開始時点が、前述の計数期間(図5参照)の開始時点である。1回の往復運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の往復運動検出期間(図5参照)である。
【0040】
図10は、往復運動検出処理の流れを示すフローチャートである。往復運動検出処理では、検出部119は、まず、特定の往運動を検出する往運動検出処理(S71)を行う。往運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の往運動検出期間(図5参照)である。往運動検出処理では、検出部119は、まず、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(往差分値)を算出する往差分値算出処理を行う(S711)。
【0041】
往差分値算出処理では、検出部119は、現在の往運動検出期間の開始時点から現時点までに全体測定部114に測定された荷重を示す全体測定データd5を用いて往差分値を算出する。次に検出部119は、算出された往差分値と往範囲データd9で示される往範囲とを比較し、算出された往差分値が往範囲内にあるか否かを判定する(S712)。この判定結果が否定的であれば、処理はステップS711に戻る。つまり、検出部119は、ステップS712の判定結果が肯定的となるまで、往差分値算出処理を繰り返し行う。
【0042】
ステップS712の判定結果が肯定的となると、すなわち特定の往運動が検出されると、検出部119は、往運動検出処理を終了し、特定の復運動を検出する復運動検出処理(S72)を行う。復運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の復運動検出期間(図5参照)である。復運動検出処理では、検出部119は、まず、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(復差分値)を算出する復差分値算出処理を行う(S721)。
【0043】
復差分値算出処理では、検出部119は、現在の復運動検出期間の開始時点から現時点までに全体測定部114に測定された荷重を示す全体測定データd5を用いて復差分値を算出する。次に検出部119は、算出された復差分値と復範囲データd10で示される往範囲とを比較し、復差分値算出処理で算出された復差分値が復範囲内にあるか否かを判定する(S722)。この判定結果が否定的であれば、処理はステップS721に戻る。つまり、検出部119は、ステップS722の判定結果が肯定的となるまで、復差分値算出処理を繰り返し行う。
【0044】
ステップS722の判定結果が肯定的となると、すなわち特定の復運動が検出されると、検出部119は、復運動検出処理を終了し、計数期間における腕立て伏せの検出回数を出力する情報出力処理を行う(S73)。具体的には、検出部119は、腕立て伏せの検出回数が1だけ増すように検出回数データd3を更新し、更新後の検出回数データd3で示される値(腕立て伏せの検出回数)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。つまり、検出部119は、ステップS722で肯定的な判定結果が得られた場合には情報出力処理を行い、他の場合には、情報出力処理を行わない。こうして、往復運動検出処理が終了する。
【0045】
なお、ステップS73で腕立て伏せの検出回数に1を加算してよいのは、ステップS722の判定結果が肯定的となることが、ステップS712およびS722で共に肯定的な判定結果が得られたことと等価であり、換言すれば往運動検出処理(S71)で特定の往運動が検出されてから復運動検出処理(S72)で特定の復運動が検出されたことと等価であり、すなわち腕立て伏せが検出されたことと等価だからである。
【0046】
再び図4に戻って説明を続ける。統計部118は、計数期間において、予め定められた一定の時間間隔で、比較単位領域毎に、その比較単位領域への荷重の統計値を算出する統計処理を行い、これらの統計処理で算出された統計値を表示部120に出力させる。このときに表示面121に表示される画像の一例を図11に示す。この図に示すように、使用者には、腕立て伏せの検出回数とともに左右の筋力バランスが通知される。
【0047】
統計部118は、統計処理において、各比較単位領域について記憶部112に記憶されている部分測定データd6を用いて、その比較単位領域への荷重の統計値を算出する。例えば、比較単位領域1Lについて記憶部112に記憶されている部分測定データd6Lを用いて、比較単位領域1Lへの荷重の統計値を算出する。なお、本実施形態では統計値として平均値が採用されているが、これに限るものではなく、合計値などの筋力の評価に適した任意の統計値を採用可能である。
【0048】
運動検出装置100の構成および動作は以上の通りであるから、計数期間では、腕立て伏せが適正な範囲の荷重差をともなって繰り返し行われるにつれて腕立て伏せの検出回数が1ずつ増えていく様子が使用者に通知されるとともに、各比較単位領域への荷重の統計値が一定の時間間隔で算出されて表示部120に表示される。
【0049】
以上説明したように、運動検出装置100は、載置面1を有する載置部と、身体の姿勢を最小静止荷重姿勢(第1姿勢)から最大静止荷重姿勢(第2姿勢)へ変化させる特定の往運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(往差分値)の適正範囲を示す往範囲データd9と、身体の姿勢を最大静止荷重姿勢(第2姿勢)から最小静止荷重姿勢(第1姿勢)へ変化させる特定の復運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(復差分値)の適正範囲を示す復範囲データd10とを記憶する記憶部112と、載置面1への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データd5を記憶部112に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部114と、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部115と、順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、複数の往復運動検出期間の各々において、往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と往範囲とを比較し、算出した差分値が往範囲内にある場合に特定の往運動を検出し(S71)、復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に特定の復運動を検出し(S72)、特定の往運動および特定の復運動が検出された場合に腕立て伏せを検出し、腕立て伏せが検出されると、その旨の情報(腕立て伏せの検出回数)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる情報出力処理(S73)を行い、他の場合には、情報出力処理(S73)を行わない検出部119とを備える。よって、運動検出装置100では、特定の往運動および特定の復運動が適正な範囲の荷重差(負荷)をともなって行われる度に、すなわち腕立て伏せが検出される度に、腕立て伏せの検出回数が使用者に通知される。また、運動検出装置100では、特定の往運動が往範囲に基づいて検出され、特定の復運動が復範囲に基づいて検出されるから、特定の往運動および特定の復運動を両者に共通の範囲に基づいて検出する形態に比較して、特定の往運動および特定の復運動ひいては腕立て伏せを正確に検出することができる。
【0050】
また、上述したように、往運動検出期間は、その期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いた往差分値算出処理(S711)によって往範囲データd9で示される適正範囲内の差分値が算出されると終了し、復運動検出期間は、その期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いた復差分値算出処理(S721)によって復範囲データd10で示される適正範囲内の差分値が算出されると終了する。よって、運動検出装置100は、特定の往運動が検出されるまでは往運動検出期間が継続し、特定の復運動が検出されるまでは復運動検出期間が継続し、腕立て伏せが検出されるまでは往復運動検出期間が継続することを、複数の往復運動検出期間が順次訪れる形態を保ちつつ担保可能である。
【0051】
また、上述したように、検出部119は、最小静止荷重姿勢(第1姿勢)で静止することを人に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから全体測定部114に全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理(S4)と、最大静止荷重姿勢(第2姿勢)で静止することを人に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから全体測定部114に全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理(S3)と、測定した最小静止荷重および最大静止荷重に基づいて往範囲データd9および復範囲データd10を生成し、記憶部112に記憶させる往復範囲設定処理(S5)を行う。よって、運動検出装置100によれば、特定の往運動および特定の復運動ひいては腕立て伏せの検出精度の個人差によるバラツキを抑えることができる。
【0052】
また、上述したように、運動検出装置100は、複数の比較単位領域1L、1R、1Fおよび1Bの各々への荷重を測定する部分測定処理を行う部分測定部116を備え、検出部119は、部分測定処理によって測定された荷重(測定値)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。よって、運動検出装置100によれば、左右の荷重のバランスおよび前後の荷重のバランスを使用者に通知することができる。
【0053】
また、上述したように、運動検出装置100は、複数の測定単位領域1LF、1LB、1RFおよび1RBに対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器2LF、2LB、2RFおよび2RBを備える。比較単位領域1Lは測定単位領域1LFおよび1LBを含み、比較単位領域1Rは、測定単位領域1RFおよび1RBを含み、比較単位領域1Fは測定単位領域1LFおよび1RFを含み、比較単位領域1Bは測定単位領域1LBおよび1RBを含む。また、部分測定部116は、測定する荷重に係る比較単位領域に含まれる測定単位領域に対応する荷重変換器2に係る電気信号を部分測定処理に用い、全体測定部114は、複数の荷重変換器2LF、2LB、2RFおよび2RBに係る電気信号を全体測定処理に用いる。よって、運動検出装置100では、各荷重変換器2が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるから、処理毎に別々の荷重変換器を用意する形態に比較して、荷重変換器の利用効率が高くなる。
【0054】
また、上述したように、運動検出装置100は、部分測定部116に部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部117と、計数期間において、予め定められた一定の時間間隔で、比較単位領域毎に、その比較単位領域への荷重の統計値を当該比較単位領域について記憶部112に記憶されている部分測定データd6を用いて算出する統計処理を行い、これらの統計処理で算出された統計値を表示部120に出力させる統計部118とを備える。よって、運動検出装置100によれば、左右の筋力のバランスおよび前後の筋力のバランスを使用者に通知することができる。
【0055】
<変形例>
本発明は、上述した実施形態を変形して得られる各種の変形例をも範囲に含みうる。これらの変形例の一部を以下に列記する。
上述した実施形態を変形し、姿勢調整支援処理(S2)において、各比較単位領域への荷重の測定値ではなく、図12に示すように、各測定単位領域への荷重の測定値を表示部120に出力させる形態としてもよい。
【0056】
上述した実施形態を変形し、測定単位領域の数が3以下または5以上の形態としてもよいし、載置面1が比較単位領域1Lと比較単位領域1Rとに分かれていない形態としてもよいし、載置面1が比較単位領域1Fと比較単位領域1Bとに分かれていない形態としてもよいし、載置面1が3以上の一種類の比較単位領域に分かれている形態としてもよいし、一つの比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が1の形態としてもよいし、一つの比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が3以上の形態としてもよいし、複数の比較単位領域のうちの二つの間で、比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が相違する形態としてもよい。
【0057】
上述した実施形態を変形し、図6のステップS1〜S4のうち少なくとも一つの継続時間が可変の形態としてもよい。そのような形態としては、姿勢調整支援処理(S2)において、制御部113が、列間測定処理によって測定された二つの荷重の差分値と予め定められた列間測定用の範囲とを比較するとともに、行間測定処理によって測定された二つの荷重の差分値と予め定められた行間測定用の範囲とを比較し、両方の差分値がそれぞれ対応する範囲に収まったら姿勢調整支援処理(S2)を終了する形態や、最大静止荷重測定処理(S3)において、全体測定処理によって測定された荷重と最大静止荷重測定処理用の範囲とを比較し、前者が後者内に収まっている期間の長さが予め定められた時間に達したら、この期間において繰り返し測定された荷重の統計値(例えば平均値)を最大静止荷重とする形態を例示可能である。
【0058】
上述した実施形態では、左右の筋力のバランスおよび前後の筋力のバランスが使用者に通知されるが、これを変形し、左右の筋力のバランスのみが使用者に通知される形態としてもよいし、筋力のバランスが使用者に通知されない形態としてもよい。また、上述した実施形態を変形し、表示部120および発音部111の一方または両方を備えず、テレビジョン受像機等の外部の情報出力装置に各種の情報を出力させる形態としてもよい。また、上述した実施形態を変形し、情報出力装置としてLED等の発光装置を採用した形態としてもよい。
【0059】
上述した実施形態では、総ての荷重変換器2が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるが、これを変形し、部分測定処理のみに用いられる荷重変換器2を有する形態としてもよいし、全体測定処理のみに用いられる荷重変換器2を有する形態としてもよい。これと同様に、左右の荷重のバランスのみが使用者に通知される形態としてもよいし、荷重のバランスが使用者に通知されない形態としてもよい。
【0060】
上述した実施形態では、使用者について測定された最小静止荷重および最大静止荷重に基づいて往範囲および復範囲(すなわち適正な負荷の範囲)を設定しているが、これを変形し、基準往範囲および基準復範囲を往範囲および復範囲として用いる形態としてもよいし、使用者に身体の全部を載置面1に載せるように促し、使用者の体重を全体測定処理で測定し、測定した体重に基づいて往範囲および復範囲を設定する形態としてもよい。後者の場合、測定した体重に基づいて、1回の腕立て伏せで消費された熱量(カロリー)を推定する形態としてもよいし、測定した体重と腕立て伏せの検出回数とに基づいて、複数回の腕立て伏せで消費された熱量(カロリー)を推定する形態としてもよい。
【0061】
上述した実施形態では、特定の往復運動として、載置面1に身体の一部を載せて行う腕立て伏せを想定したが、これを変形し、特定の往復運動として、載置面1に身体の全部を載せて行う往復運動とした形態としてもよい。例えば、載置面1を十分に拡げ、腕立て伏せを行う人の両足が載置面1に載置される形態や、特定の往復運動としてスクワットを想定した形態である。スクワットの形態では、脚を伸ばし切った姿勢が第1姿勢となり、脚を最も深く曲げた姿勢が第2姿勢となる。なお、往範囲および復範囲は共通の範囲でよく、最大静止荷重測定処理(S3)または最小静止荷重測定処理(S4)は不要であり、姿勢調整支援処理(S2)では行間測定処理(前後の荷重のバランス)が不要となる。
【0062】
上述した実施形態では、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さはいずれも予め定められていないが、これを変形し、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さが予め定められる形態としてもよい。そのような形態としては、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さを予め使用者に設定させる形態を例示可能である。この形態では、往運動検出期間内に特定の往運動が検出されなかった場合や、復運動検出期間内に特定の復運動が検出されなかった場合には、その期間を含む往復運動検出期間内に特定の往復運動が検出されなかったこととされ、特定の往復運動の検出回数に加算されないことになる。この形態において、往運動検出期間、復運動検出期間または往復運動検出期間の開始(終了)時に、その期間が開始(終了)した旨の情報を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる形態としてもよい。
【0063】
上述した実施形態では、特定の往復運動の検出回数に上限が無いが、これを変形し、上限がある形態としてもよい。さらに、上限を使用者が設定可能な形態としてもよい。なお、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さが予め定められる形態を変形し、計数期間の長さも予め定められる形態としてもよい。そのような形態としては、計数期間の長さ(特定の往復運動を行う回数)を予め使用者に設定させる形態を例示可能である。
【0064】
上述した実施形態では、使用者に特定の往復運動の検出回数が通知されるが、これを変形し、特定の往運動の検出回数が通知される形態としてもよいし、特定の復運動の検出回数が通知される形態としてもよいし、検出回数の他に、あるいは検出回数に代えて、特定の往運動、特定の復運動および特定の往復運動のうち少なくとも一つが検出されたことをその検出時に通知する形態としてもよい。そのような形態としては、特定の往運動、特定の復運動および特定の往復運動のうち少なくとも一つが検出されたときに発音部111に所定の音を出力させる形態を例示可能である。
【0065】
上述した実施形態および変形例に基づいて、運動検出装置100を変形し、身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、身体を動かす特定の運動における当該載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、当該載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、当該全体測定部に上記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、当該記憶部に記憶された全体測定データを用いて当該載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と当該範囲データで示される適正範囲とを比較することによって、当該特定の運動の検出を行い、当該特定の運動が検出された場合には、その旨の情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させる情報出力処理を行い、他の場合には、当該情報出力処理を行わない検出部とを備える運動検出装置としてもよい。
この運動検出装置における「その旨の情報」は、特定の運動が検出された回数を示す情報を含む概念である。この運動検出装置における「身体を動かす特定の運動」としては、腕立て伏せやスクワット等の往復運動の他に、腕立て伏せの往運動や、腕立て伏せの復運動、スクワットの往運動、スクワットの復運動を例示可能である。
【0066】
なお、上述した実施形態を変形し、特定の往復運動が検出されたときの差分値(往差分値および復差分値)、日時、検出回数、筋力バランス等の情報を記憶部112に記憶させる一方、使用者の指示に応じて情報出力装置に出力可能な形態としてもよい。この形態によれば、使用者は、自己の筋肉の発達の経過や度合いを確認することができる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、往復運動検出処理において、全体測定データd5を用いて、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、これが適正範囲内である場合に、運動回数を計数した。本発明は、これに限定されるものではなく、時系列で発生する全体測定データd5を用いて、運動速度を算出し(例えば、単位時間当たりの運動回数)、運動負荷と運動速度から、運動の程度を示す指標を算出してもよい。ここで、運動負荷は、例えば、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値で与えられる。また、運動の程度を示す指標は運動レベル、すなわち、運動量であってもよい。運動回数も運動の程度を表すが、例えば、体重の重い人は差分値が大きく、体重の軽い人は差分値が小さくなる傾向がある。したがって、同じ運動回数でも体重の重い人の方が運動量が大きい。さらに、差分値が同じでも運動速度が速い方が運動エネルギーは大きくなる。この変形例のように、運動負荷と運動速度とを変数として運動量を算出することにより、運動の程度を寄り正確に知ることができる。制御部113は、このようにして指標を算出し、これを表示部120に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係る運動検出装置100の外観を示す斜視図である。
【図2】運動検出装置100に検出される特定の往復運動における最小静止荷重姿勢(第1姿勢)を示す図である。
【図3】同特定の往復運動における最大静止荷重姿勢(第2姿勢)を示す図である。
【図4】運動検出装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】計数期間、往復運動検出期間、往運動検出期間および復運動検出期間の関係を模式的に示す図である。
【図6】運動検出装置100が行う検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同検出処理に含まれる姿勢支援処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図8】運動検出装置100の載置面1への荷重の変化例(第1姿勢から第2姿勢へ)を示す図である。
【図9】運動検出装置100の載置面1への荷重の変化例(第2姿勢から第1姿勢へ)を示す図である。
【図10】同検出処理に含まれる往復運動検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】同検出処理に含まれる往復運動検出処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図12】同実施形態の変形例に係る姿勢支援処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1…載置面、1L,1R,1F,1B…比較単位領域、1LF,1LB,1RF,1RB…測定単位領域、100…運動検出装置、111…発音部、112…記憶部、113…制御部、114…全体測定部、115…全体測定制御部、116…部分測定部、117…部分測定制御部、118…統計部、119…検出部、120…表示部、2(2LF,2LB,2RF,2RB)…荷重変換器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体を動かす特定の運動を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、身体を動かす特定の運動を検出する装置が記載されている。この装置では、身体の各部に当接する多数の部材の各々に、歪ゲージを貼り付けたロードセル(起歪体)が設けられている。この装置は、例えば、人がこの装置に座って足関節の底屈運動をする場合には、足先で押される踏み板への荷重が頂点に達したときの大腿部の上側に当接する部材への荷重が許容範囲内にあることをもって、足関節の底屈運動を検出する。
【特許文献1】特開2006−149792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の装置は、身体の各部に当接する多数の部材を必要とするから、大掛かりな装置となってしまう。また、上記の装置では、身体の各部に部材を当接させる作業が発生するから、使用に手間がかかるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、身体を動かす特定の運動を手軽に検出することができる運動検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、身体を動かす特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、前記載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、前記全体測定部に前記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記範囲データで示される適正範囲とを比較し、算出した差分値が前記適正範囲内にある場合に前記特定の運動を検出する検出部とを備える運動検出装置を提供する。
「身体を動かす特定の運動」は、腕立て伏せや、腕立て伏せの往運動、腕立て伏せの復運動、スクワット、スクワットの往運動、スクワットの復運動のように、身体の姿勢が変化する運動であり、心拍や呼吸のように、身体の姿勢が変化しない動きを含まない。「特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲」は、特定の運動の開始から終了までの期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が高く、特定の運動が行われていない期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が低い範囲である。ここで、「適正範囲」が意味するところを、より具体的に説明する。まず、特定の運動として腕立て伏せを想定する。人が腕立て伏せを行うと、その上体には、ある程度以上の負荷がかかる。つまり、ある程度以上の負荷がかかったことをもって、腕立て伏せが行われたと判断することができる。ここで、1回の腕立て伏せが、載置面に手を載せて足を載せずに行われたとする。この場合、載置面への荷重は、1回の腕立て伏せの開始から終了までの期間において変化し、この期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値(荷重差)は、その期間における上体への負荷に応じたものとなる。したがって、載置面への荷重の最大値と最小値との差分値がある程度以上の大きさであることをもって、腕立て伏せが行われたと判断すること(腕立て伏せの検出)が可能となる。このときの「ある程度以上の大きさ」と認められる範囲が、腕立て伏せにおける載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である。なお、この適正範囲の下限が低すぎると、腕立て伏せが行われていないにも関わらず、腕立て伏せが行われたと判断されることになり、高すぎると、腕立て伏せが行われたにも関わらず、腕立て伏せが行われていないと判断されることになる。したがって、腕立て伏せにおける載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲は、腕立て伏せの開始から終了までの期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が高く、腕立て伏せが行われていない期間における載置面への荷重の最大値と最小値との差分値が入る確率が低い範囲であるべきである。
上記運動検出装置は、身体の各部に当接する多数の部材を必要とせず、特定の運動が適正な範囲の荷重差(負荷)をともなって行われると、すなわち特定の運動が検出されると、特定の運動が検出された旨の情報を出力する。つまり、この運動検出装置は、簡素な構成で、身体を動かす特定の運動を手軽に検出することができる。
【0005】
上記運動検出装置において、前記特定の運動は、身体の姿勢を第1姿勢から第2姿勢へ変化させる特定の往運動と身体の姿勢を前記第2姿勢から前記第1姿勢へ変化させる特定の復運動とを交互に行う特定の往復運動であり、前記記憶部は、前記範囲データとして、前記特定の往運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である往範囲を示す往範囲データと、前記特定の復運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である復範囲を示す復範囲データとを記憶し、順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と前記往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、前記検出部は、前記複数の往復運動検出期間の各々において、前記往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記往範囲とを比較し、算出した差分値が前記往範囲内にある場合に前記特定の往運動を検出し、前記復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に前記特定の復運動を検出し、前記特定の往運動および前記特定の復運動が検出された場合に前記特定の往復運動を検出する、ようにしてもよい。
この態様の運動検出装置では、特定の往運動が往範囲に基づいて検出され、特定の復運動が復範囲に基づいて検出されるから、特定の往運動および特定の復運動を両者に共通の範囲に基づいて検出する形態に比較して、特定の往運動および特定の復運動ひいては特定の往復運動を正確に検出することができる。
なお、この態様の運動検出装置の具体的な形態としては、各運動検出期間の長さが予め定められる形態や、特定の往運動が検出されると往運動検出期間が終了し、特定の復運動が検出されると復運動検出期間(往復運動検出期間)が終了する形態を例示可能である。
【0006】
この態様の運動検出装置において、前記特定の往復運動は、前記載置面に身体の一部を載せて行われる往復運動であり、前記第1姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最小となる姿勢であり、前記第2姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最大となる姿勢であり、前記検出部は、情報を出力する情報出力装置に前記第1姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理と、前記情報出力装置に前記第2姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理と、前記最小静止荷重と前記最大静止荷重とに基づいて前記往範囲データおよび前記復範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる往復範囲設定処理とを行う、ようにしてもよい。「情報を出力する情報出力装置」としては、外部のテレビジョン受像機や、内部の液晶ディスプレイ、内部のスピーカ、内部のLEDを例示可能である。
この態様の運動検出装置によれば、特定の往運動および特定の復運動ひいては特定の往復運動の検出精度の個人差によるバラツキを抑えることができる。
【0007】
この態様の運動検出装置を除き、上記各運動検出装置において、前記検出部は、前記載置面に身体の全部を載せて静止することを人に促す情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させてから前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて体重を測定し、測定した体重に基づいて前記範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる、ようにしてもよい。「情報を出力する情報出力装置」としては、液晶ディスプレイやスピーカを例示可能である。
この態様の運動検出装置によれば、第1姿勢と第2姿勢とでそれぞれ荷重を測定して範囲データを生成する態様に比較して、使用者にかかる手間を低減することができる。また、測定された体重に基づいて消費熱量(カロリー)を推定することも可能となる。
【0008】
上記各運動検出装置において、前記載置面を複数の比較単位領域に分割したとき、前記複数の比較単位領域の各々への荷重を測定し、測定した荷重を示す部分測定データを前記記憶部に記憶させる部分測定処理を行う部分測定部とを備える、ようにしてもよい。この態様の運動検出装置によれば、左右や前後等の荷重のバランスを測定することができる。
【0009】
この態様の運動検出装置において、前記載置面を複数の測定単位領域に分割したとき、前記複数の測定単位領域にそれぞれ対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器を備え、前記複数の比較単位領域の各々は、一または複数の前記測定単位領域を含み、前記部分測定部は、測定する荷重に係る前記比較単位領域に含まれる前記測定単位領域に対応する前記荷重変換器に係る電気信号を前記部分測定処理に用い、前記全体測定部は、前記複数の荷重変換器に係る電気信号を前記全体測定処理に用いる、ようにしてもよいし、前記部分測定部に前記部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部と、前記記憶部に記憶された前記部分測定データを用いて、前記部分測定部に測定された荷重の統計値を前記比較単位領域毎に算出する統計部とを備えるようにしてもよい。
前者の態様の運動検出装置では、各荷重変換器が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるから、処理毎に別々の荷重変換器を用意する形態に比較して、荷重変換器の利用効率が高くなる。後者の態様の運動検出装置では、左右や前後等の筋力のバランスを推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る運動検出装置100の外観を示す斜視図である。運動検出装置100は、身体を動かす特定の往復運動として腕立て伏せを検出するものであり、具体的には、特定の往運動および特定の復運動を検出して腕立て伏せを検出し、腕立て伏せを検出した旨の情報として腕立て伏せの検出回数を出力する。
【0011】
特定の往運動は、使用者が、その身体の姿勢を、腕を伸ばし切った最小静止荷重姿勢(図2参照)から腕を最も深く曲げた最大静止荷重姿勢(図3参照)へ変化させる運動である。特定の復運動は、使用者が、その身体の姿勢を、最大静止荷重姿勢から最小静止荷重姿勢へ変化させる運動である。腕立て伏せは、特定の往運動と特定の復運動とを交互に行う往復運動である。
【0012】
運動検出装置100は、本体110と、本体110に取り付けられた表示部120とを備える。本体110は、身体の一部または全部を載せる載置面1を有し、全体測定処理を行う。つまり、本体110は、載置部として機能する。全体測定処理は、載置面1への荷重を測定する処理である。使用者は、腕立て伏せを行うときに、載置面1に両手をつくことになる。
【0013】
腕立て伏せにおける身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で載置面1への荷重が最小となる姿勢が最小静止荷重姿勢であり、そのときの荷重が最小静止荷重である。また、腕立て伏せにおける身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で載置面1への荷重が最大となる姿勢が最大静止荷重姿勢であり、そのときの荷重が最大静止荷重である。
【0014】
載置面1は、荷重測定の単位に着目すると、複数の測定単位領域、具体的には2行2列の測定単位領域に分割されている。以降、第1行第1列の測定単位領域を測定単位領域1LF、第2行第1列の測定単位領域を測定単位領域1LB、第1行第2列の測定単位領域を測定単位領域1RF、第2行第2列の測定単位領域を測定単位領域1RBと記す。但し、これらの測定単位領域は、構造的に分離していてもよいし、あるいは、構造的に分離しておらず一体として形成されていてもよい。要は、後述する荷重変換器2LF,2LB,2RF,2RBが各測定単位領域に配置されていて、これらによって、各測定単位領域における荷重を検出できればよい。
【0015】
また、載置面1は、複数の比較単位領域、具体的には、腕立て伏せにおいて使用者が左手をつく比較単位領域1Lと、右手をつく比較単位領域1Rに分割されている。比較単位領域1Lは、複数の測定単位領域1LFおよび1LBを含み、比較単位領域1Rは、複数の測定単位領域1RFおよび1RBを含む。
【0016】
また、載置面1は、比較単位領域1Lおよび1Rとは異なる種類の複数の比較単位領域、具体的には、腕立て伏せを行う使用者の頭側に位置する比較単位領域1Fと、使用者の足側に位置する比較単位領域1Bに分割されている。比較単位領域1Fは、複数の測定単位領域1LFおよび1RFを含み、比較単位領域1Bは、複数の測定単位領域1LBおよび1RBを含む。なお、比較単位領域1RFおよび1RB、または比較単位領域1Fおよび比較単位領域1Bは、測定単位領域と同様に、荷重測定の単位である。これらの比較単位領域は、構造的に分離していてもよいし、あるいは、構造的に分離しておらず一体として形成されていてもよい。
【0017】
比較単位領域1Lには、左手の位置および向きを示す図柄G1が、測定単位領域1LFと測定単位領域1LBとに跨って描かれている。比較単位領域1Rには、右手の位置および向きを示す図柄G2が、測定単位領域1RFと測定単位領域1RBとに跨って描かれている。本体110は、測定単位領域1LF,1LB,1RF,1RBへの荷重を個別に測定することにより、全体測定処理と二種類の部分測定処理とを行う。一方の種類の部分測定処理は、二つの比較単位領域1L,1Rの各々への荷重を測定する列間測定処理である。他方の種類の部分測定処理は行間測定処理であり、二つの比較単位領域1F,1Bの各々への荷重を測定する処理である。
【0018】
図4は、運動検出装置100の電気的構成を示すブロック図である。運動検出装置100は、電気的には、表示部120の他に、本体110内の、複数の測定単位領域1LF,1LB,1RF,1RBにそれぞれ対応する複数の荷重変換器2LF,2LB,2RF,2RBと、発音部111と、記憶部112と、制御部113とを備える。
【0019】
荷重変換器2は、対応する測定単位領域1の鉛直下方に設けられており、対応する測定単位領域1への荷重を電気信号に変換して出力する。つまり、荷重変換器2の出力信号は、対応する測定単位領域1への荷重の測定値(測定値)を示す。荷重変換器2の構成は任意であり、起歪体に歪ゲージを貼り付けた構成であっても、他の構成であってもよい。
【0020】
表示部120は、情報を視覚的に出力する情報出力装置であり、図1に示す表示面121を有し、表示面121に画像を表示する。表示部120としては、液晶ディスプレイを例示可能である。発音部111は、情報を聴覚的に出力する情報出力装置であり、図示しないスピーカを有する。記憶部112は、書き込まれたデータを保持するものであり、書き換え可能な記憶領域と、不揮発性の記憶領域とを有する。記憶部112の具体的な構成は任意であるが、本実施形態では、EEPROMを記憶部112として用いている。このため、記憶部112の記憶領域の全域は、書き換え可能な不揮発性の記憶領域となっている。制御部113は、例えばCPUであり、タイマとしても機能する。
【0021】
記憶部112には、基準往範囲データd1および基準復範囲データd2が記憶されている。基準往範囲データd1は、標準的な人が特定の往運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲(基準往範囲)を示し、基準復範囲データd2は、標準的な人が特定の復運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲(基準復範囲)を示す。これらの適正範囲は、例えば、複数人を対象とした測定結果に基づいて統計的に算出される。
【0022】
記憶部112には、腕立て伏せの検出回数を示す検出回数データd3が記憶されている。検出回数データd3が示す検出回数は、計数期間において腕立て伏せが検出された回数であり、その初期値は0である。計数期間は、腕立て伏せの検出回数を計数する期間であり、図5に示すように、複数の往復運動検出期間に分かれる。つまり、計数期間では、複数の往復運動検出期間が順次訪れる。最初の往復運動検出期間は計数期間とともに開始し、各往復運動検出期間は腕立て伏せが検出されると終了する。各往復運動検出期間は前の往運動検出期間と後の復運動検出期間とに分かれる。各往運動検出期間は対応する往復運動検出期間とともに開始し、特定の往運動が検出されると終了する。各復運動検出期間は直前の往運動検出期間が終了すると開始し、特定の復運動が検出されると終了する。
【0023】
再び図4を参照して説明する。記憶部112には、制御プログラムd4が記憶されている。制御プログラムd4は、制御部113に実行されるコンピュータプログラムである。制御部113は、制御プログラムd4を実行することにより、全体測定部114、全体測定制御部115、部分測定部116、部分測定制御部117、統計部118および検出部119として機能する。
【0024】
全体測定部114は、荷重変換器2LF,2LB,2RFおよび2RBから出力された電気信号を用いて前述の全体測定処理を行い、載置面1への荷重の測定値を示す全体測定データd5を記憶部112に記憶させる。全体測定制御部115は、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる。
【0025】
部分測定部116は、前述の列間測定処理および行間測定処理を行い、各比較単位領域への荷重の測定値を示す部分測定データd6を記憶部112に記憶させる。部分測定データd6には、比較単位領域1Lに係る部分測定データd6L、比較単位領域1Rに係る部分測定データd6R、比較単位領域1Fに係る部分測定データd6F、比較単位領域1Bに係る部分測定データd6Bがある。なお、部分測定部116は、列間測定処理および行間測定処理の各々において、測定する荷重に係る比較単位領域に含まれる測定単位領域に対応する荷重変換器2から出力された電気信号を用いる。部分測定制御部117は、部分測定部116に列間測定処理および行間測定処理をそれぞれ繰り返し行わせる。
【0026】
検出部119は、腕立て伏せを検出する検出処理を行う。図6は、検出処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、検出処理では、検出部119は、まず、腕立て伏せの準備を使用者に促す準備促進処理を行う(S1)。具体的には、検出部119は、最小静止荷重姿勢をとることを使用者に促す情報を、表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。これにより、使用者は、図2に示すように、図柄G1及びG2に合わせて載置面1に両手をついて最小静止荷重姿勢(第1姿勢)をとることになる。準備促進処理は、一定の時間(例えば5秒間)だけ継続する。
【0027】
次に検出部119は、使用者の姿勢の調整を支援する姿勢調整支援処理を行う(S2)。具体的には、検出部119は、部分測定部115に、列間測定処理と行間測定処理とをそれぞれ繰り返し行わせ、各比較単位領域への荷重の測定値を表示部120に出力させる。これにより、表示面121には、図7に例示するような画像が表示される。使用者は、表示面121を見ながら、総ての測定値が互いに等しくなるように姿勢を調整することになる。姿勢調整支援処理は、一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。
【0028】
次に検出部119は、最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理を行う(S3)。最大静止荷重測定処理は一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。最大静止荷重測定処理では、検出部119は、一定の時間(例えば3秒)後に最大静止荷重姿勢で静止していることを使用者に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせ、これによって順次測定される荷重に基づいて、最大静止荷重を測定する。この情報出力により、使用者は、身体の姿勢を最小静止荷重姿勢から最大静止荷重姿勢へ変化させ、最大静止荷重姿勢で静止しようとする。このときの載置面1への荷重の変化の一例を図8に示す。
【0029】
図8に示すように、最大静止荷重測定処理における載置面1への荷重は、この処理の開始時点から使用者が身体の姿勢を変化させ始める時点までの期間T1では、略一定(SLmin)となり、使用者が身体の姿勢を変化させている最中の期間T2では、まず小さくなって特定の往運動に係る最小値(GLmin)となり、次に大きくなって特定の往運動に係る最大値(GLmax)となり、最後に小さくなり、使用者が最大静止荷重姿勢を保ち始めてから当該処理の終了時点までの期間T3では、略一定(SLmax)となる。GLmin<SLmin<SLmax<GLmaxである。
【0030】
最大静止荷重測定処理において全体測定部114に順次測定される荷重も、図8と同様に変化する。したがって、期間T3において全体測定部114に測定された荷重に基づいて、最大静止荷重を測定することができる。一方、使用者は、一定の時間(例えば3秒)後に最大静止荷重姿勢で静止していようとするから、一定の時間の経過時点は期間T3内となる。よって、検出部119は、最大静止荷重測定処理において最後に測定された荷重(SLmax)を最大静止荷重とし、これを示す最大静止荷重データd7を記憶部112に記憶させる。
【0031】
次に検出部119は、最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理を行う(S4)。最小静止荷重測定処理は一定の時間(例えば3秒間)だけ継続する。最小静止荷重測定処理では、検出部119は、一定の時間(例えば3秒)後に最小静止荷重姿勢で静止していることを使用者に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせ、これによって順次測定される荷重に基づいて、最小静止荷重を測定する。この情報出力により、使用者は、身体の姿勢を最大静止荷重姿勢から最小静止荷重姿勢へ変化させ、最小静止荷重姿勢で静止しようとする。このときの載置面1への荷重の変化の一例を図9に示す。
【0032】
図9に示すように、最小静止荷重測定処理における載置面1への荷重は、この処理の開始時点から使用者が身体の姿勢を変化させ始める時点までの期間T4では、略一定(SLmax)となり、使用者が身体の姿勢を変化させている最中の期間T5では、まず大きくなって復運動に係る最大値(BLmax)となり、次に小さくなって復運動に係る最小値(BLmin)となり、最後に大きくなり、使用者が最小静止荷重姿勢を保ち始めてから当該処理の終了時点までの期間T6では、略一定(SLmin)となる。BLmin<SLmin<SLmax<BLmaxである。
【0033】
最小静止荷重測定処理において全体測定部114に順次測定される荷重も、図9と同様に変化する。したがって、期間T6において測定された荷重に基づいて、最小静止荷重を測定することができる。一方、使用者は、一定の時間(例えば3秒)後に最小静止荷重姿勢で静止していようとするから、一定の時間の経過時点は期間T6内となる。よって、検出部119は、最小静止荷重測定処理において最後に測定された荷重(SLmin)を最小静止荷重とし、これを示す最小静止荷重データd8を記憶部112に記憶させる。なお、本実施形態を変形し、最小静止荷重測定処理の後に最大静止荷重測定処理が行われるようにしてもよい。
【0034】
なお、図8および図9において、通常、GLmin<BLminであり、GLmax<BLmaxである。また、BLmin−GLminとGLmax−BLmaxとが等しくなるとは限らない。これが、本実施形態において、一つの範囲ではなく、往範囲および復範囲を採用している理由である。
【0035】
図6に示すように、次に検出部119は、使用者に応じた往範囲および復範囲を設定する往復範囲設定処理を行う(S5)。往復範囲設定処理では、検出部119は、基準往範囲データd1、基準復範囲データd2、最大静止荷重データd7および最小静止荷重データd8に基づいて、演算により往範囲および復範囲を決定し、決定した往範囲を示す往範囲データd9と決定した復範囲を示す復範囲データd10を記憶部112に記憶させる。
【0036】
往範囲および復範囲の決定方法は任意である。例えば、基準往範囲データd1と最小静止荷重データd8とに基づいて往範囲を決定する一方、基準復範囲データd2と最大静止荷重データd7とに基づいて復範囲を決定するようにしてもよいし、基準往範囲データd1と最大静止荷重データd7と最小静止荷重データd8とに基づいて往範囲を決定する一方、基準復範囲データd2と最大静止荷重データd7と最小静止荷重データd8とに基づいて復範囲を決定するようにしてもよい。
【0037】
往範囲データd9および復範囲データd10は、それぞれ、使用者が特定の往運動または特定の復運動を行ったときの載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示すデータであり、往範囲データd9は特定の往運動における適正範囲(往範囲)を、復範囲データd10は特定の復運動における適正範囲(復範囲)を示す。往範囲データd9および復範囲データd10が基準往範囲データd1および基準復範囲データd2と異なる点は、標準的な人に応じたデータではなく、使用者に応じたデータである点である。
【0038】
次に検出部119は、初期化を行うともに、腕立て伏せの検出の開始を通知する情報を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる(S6)。この初期化では、検出部119は、検出回数データd3を更新して腕立て伏せの検出回数を0にするとともに、記憶部112に記憶されている総ての全体測定データd5および部分測定データd6を削除する。
【0039】
以降、検出部119は、腕立て伏せを検出する往復運動検出処理(S7)を繰り返し行う。最初の往復運動検出処理の開始時点が、前述の計数期間(図5参照)の開始時点である。1回の往復運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の往復運動検出期間(図5参照)である。
【0040】
図10は、往復運動検出処理の流れを示すフローチャートである。往復運動検出処理では、検出部119は、まず、特定の往運動を検出する往運動検出処理(S71)を行う。往運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の往運動検出期間(図5参照)である。往運動検出処理では、検出部119は、まず、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(往差分値)を算出する往差分値算出処理を行う(S711)。
【0041】
往差分値算出処理では、検出部119は、現在の往運動検出期間の開始時点から現時点までに全体測定部114に測定された荷重を示す全体測定データd5を用いて往差分値を算出する。次に検出部119は、算出された往差分値と往範囲データd9で示される往範囲とを比較し、算出された往差分値が往範囲内にあるか否かを判定する(S712)。この判定結果が否定的であれば、処理はステップS711に戻る。つまり、検出部119は、ステップS712の判定結果が肯定的となるまで、往差分値算出処理を繰り返し行う。
【0042】
ステップS712の判定結果が肯定的となると、すなわち特定の往運動が検出されると、検出部119は、往運動検出処理を終了し、特定の復運動を検出する復運動検出処理(S72)を行う。復運動検出処理の開始から終了までの期間が前述の復運動検出期間(図5参照)である。復運動検出処理では、検出部119は、まず、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(復差分値)を算出する復差分値算出処理を行う(S721)。
【0043】
復差分値算出処理では、検出部119は、現在の復運動検出期間の開始時点から現時点までに全体測定部114に測定された荷重を示す全体測定データd5を用いて復差分値を算出する。次に検出部119は、算出された復差分値と復範囲データd10で示される往範囲とを比較し、復差分値算出処理で算出された復差分値が復範囲内にあるか否かを判定する(S722)。この判定結果が否定的であれば、処理はステップS721に戻る。つまり、検出部119は、ステップS722の判定結果が肯定的となるまで、復差分値算出処理を繰り返し行う。
【0044】
ステップS722の判定結果が肯定的となると、すなわち特定の復運動が検出されると、検出部119は、復運動検出処理を終了し、計数期間における腕立て伏せの検出回数を出力する情報出力処理を行う(S73)。具体的には、検出部119は、腕立て伏せの検出回数が1だけ増すように検出回数データd3を更新し、更新後の検出回数データd3で示される値(腕立て伏せの検出回数)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。つまり、検出部119は、ステップS722で肯定的な判定結果が得られた場合には情報出力処理を行い、他の場合には、情報出力処理を行わない。こうして、往復運動検出処理が終了する。
【0045】
なお、ステップS73で腕立て伏せの検出回数に1を加算してよいのは、ステップS722の判定結果が肯定的となることが、ステップS712およびS722で共に肯定的な判定結果が得られたことと等価であり、換言すれば往運動検出処理(S71)で特定の往運動が検出されてから復運動検出処理(S72)で特定の復運動が検出されたことと等価であり、すなわち腕立て伏せが検出されたことと等価だからである。
【0046】
再び図4に戻って説明を続ける。統計部118は、計数期間において、予め定められた一定の時間間隔で、比較単位領域毎に、その比較単位領域への荷重の統計値を算出する統計処理を行い、これらの統計処理で算出された統計値を表示部120に出力させる。このときに表示面121に表示される画像の一例を図11に示す。この図に示すように、使用者には、腕立て伏せの検出回数とともに左右の筋力バランスが通知される。
【0047】
統計部118は、統計処理において、各比較単位領域について記憶部112に記憶されている部分測定データd6を用いて、その比較単位領域への荷重の統計値を算出する。例えば、比較単位領域1Lについて記憶部112に記憶されている部分測定データd6Lを用いて、比較単位領域1Lへの荷重の統計値を算出する。なお、本実施形態では統計値として平均値が採用されているが、これに限るものではなく、合計値などの筋力の評価に適した任意の統計値を採用可能である。
【0048】
運動検出装置100の構成および動作は以上の通りであるから、計数期間では、腕立て伏せが適正な範囲の荷重差をともなって繰り返し行われるにつれて腕立て伏せの検出回数が1ずつ増えていく様子が使用者に通知されるとともに、各比較単位領域への荷重の統計値が一定の時間間隔で算出されて表示部120に表示される。
【0049】
以上説明したように、運動検出装置100は、載置面1を有する載置部と、身体の姿勢を最小静止荷重姿勢(第1姿勢)から最大静止荷重姿勢(第2姿勢)へ変化させる特定の往運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(往差分値)の適正範囲を示す往範囲データd9と、身体の姿勢を最大静止荷重姿勢(第2姿勢)から最小静止荷重姿勢(第1姿勢)へ変化させる特定の復運動における載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値(復差分値)の適正範囲を示す復範囲データd10とを記憶する記憶部112と、載置面1への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データd5を記憶部112に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部114と、全体測定部114に全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部115と、順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、複数の往復運動検出期間の各々において、往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と往範囲とを比較し、算出した差分値が往範囲内にある場合に特定の往運動を検出し(S71)、復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いて載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に特定の復運動を検出し(S72)、特定の往運動および特定の復運動が検出された場合に腕立て伏せを検出し、腕立て伏せが検出されると、その旨の情報(腕立て伏せの検出回数)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる情報出力処理(S73)を行い、他の場合には、情報出力処理(S73)を行わない検出部119とを備える。よって、運動検出装置100では、特定の往運動および特定の復運動が適正な範囲の荷重差(負荷)をともなって行われる度に、すなわち腕立て伏せが検出される度に、腕立て伏せの検出回数が使用者に通知される。また、運動検出装置100では、特定の往運動が往範囲に基づいて検出され、特定の復運動が復範囲に基づいて検出されるから、特定の往運動および特定の復運動を両者に共通の範囲に基づいて検出する形態に比較して、特定の往運動および特定の復運動ひいては腕立て伏せを正確に検出することができる。
【0050】
また、上述したように、往運動検出期間は、その期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いた往差分値算出処理(S711)によって往範囲データd9で示される適正範囲内の差分値が算出されると終了し、復運動検出期間は、その期間が開始してから全体測定部114に測定された荷重を示す複数の全体測定データd5を用いた復差分値算出処理(S721)によって復範囲データd10で示される適正範囲内の差分値が算出されると終了する。よって、運動検出装置100は、特定の往運動が検出されるまでは往運動検出期間が継続し、特定の復運動が検出されるまでは復運動検出期間が継続し、腕立て伏せが検出されるまでは往復運動検出期間が継続することを、複数の往復運動検出期間が順次訪れる形態を保ちつつ担保可能である。
【0051】
また、上述したように、検出部119は、最小静止荷重姿勢(第1姿勢)で静止することを人に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから全体測定部114に全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理(S4)と、最大静止荷重姿勢(第2姿勢)で静止することを人に促す情報の出力を表示部120および発音部111の一方または両方に開始させてから全体測定部114に全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理(S3)と、測定した最小静止荷重および最大静止荷重に基づいて往範囲データd9および復範囲データd10を生成し、記憶部112に記憶させる往復範囲設定処理(S5)を行う。よって、運動検出装置100によれば、特定の往運動および特定の復運動ひいては腕立て伏せの検出精度の個人差によるバラツキを抑えることができる。
【0052】
また、上述したように、運動検出装置100は、複数の比較単位領域1L、1R、1Fおよび1Bの各々への荷重を測定する部分測定処理を行う部分測定部116を備え、検出部119は、部分測定処理によって測定された荷重(測定値)を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる。よって、運動検出装置100によれば、左右の荷重のバランスおよび前後の荷重のバランスを使用者に通知することができる。
【0053】
また、上述したように、運動検出装置100は、複数の測定単位領域1LF、1LB、1RFおよび1RBに対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器2LF、2LB、2RFおよび2RBを備える。比較単位領域1Lは測定単位領域1LFおよび1LBを含み、比較単位領域1Rは、測定単位領域1RFおよび1RBを含み、比較単位領域1Fは測定単位領域1LFおよび1RFを含み、比較単位領域1Bは測定単位領域1LBおよび1RBを含む。また、部分測定部116は、測定する荷重に係る比較単位領域に含まれる測定単位領域に対応する荷重変換器2に係る電気信号を部分測定処理に用い、全体測定部114は、複数の荷重変換器2LF、2LB、2RFおよび2RBに係る電気信号を全体測定処理に用いる。よって、運動検出装置100では、各荷重変換器2が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるから、処理毎に別々の荷重変換器を用意する形態に比較して、荷重変換器の利用効率が高くなる。
【0054】
また、上述したように、運動検出装置100は、部分測定部116に部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部117と、計数期間において、予め定められた一定の時間間隔で、比較単位領域毎に、その比較単位領域への荷重の統計値を当該比較単位領域について記憶部112に記憶されている部分測定データd6を用いて算出する統計処理を行い、これらの統計処理で算出された統計値を表示部120に出力させる統計部118とを備える。よって、運動検出装置100によれば、左右の筋力のバランスおよび前後の筋力のバランスを使用者に通知することができる。
【0055】
<変形例>
本発明は、上述した実施形態を変形して得られる各種の変形例をも範囲に含みうる。これらの変形例の一部を以下に列記する。
上述した実施形態を変形し、姿勢調整支援処理(S2)において、各比較単位領域への荷重の測定値ではなく、図12に示すように、各測定単位領域への荷重の測定値を表示部120に出力させる形態としてもよい。
【0056】
上述した実施形態を変形し、測定単位領域の数が3以下または5以上の形態としてもよいし、載置面1が比較単位領域1Lと比較単位領域1Rとに分かれていない形態としてもよいし、載置面1が比較単位領域1Fと比較単位領域1Bとに分かれていない形態としてもよいし、載置面1が3以上の一種類の比較単位領域に分かれている形態としてもよいし、一つの比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が1の形態としてもよいし、一つの比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が3以上の形態としてもよいし、複数の比較単位領域のうちの二つの間で、比較単位領域に含まれる測定単位領域の数が相違する形態としてもよい。
【0057】
上述した実施形態を変形し、図6のステップS1〜S4のうち少なくとも一つの継続時間が可変の形態としてもよい。そのような形態としては、姿勢調整支援処理(S2)において、制御部113が、列間測定処理によって測定された二つの荷重の差分値と予め定められた列間測定用の範囲とを比較するとともに、行間測定処理によって測定された二つの荷重の差分値と予め定められた行間測定用の範囲とを比較し、両方の差分値がそれぞれ対応する範囲に収まったら姿勢調整支援処理(S2)を終了する形態や、最大静止荷重測定処理(S3)において、全体測定処理によって測定された荷重と最大静止荷重測定処理用の範囲とを比較し、前者が後者内に収まっている期間の長さが予め定められた時間に達したら、この期間において繰り返し測定された荷重の統計値(例えば平均値)を最大静止荷重とする形態を例示可能である。
【0058】
上述した実施形態では、左右の筋力のバランスおよび前後の筋力のバランスが使用者に通知されるが、これを変形し、左右の筋力のバランスのみが使用者に通知される形態としてもよいし、筋力のバランスが使用者に通知されない形態としてもよい。また、上述した実施形態を変形し、表示部120および発音部111の一方または両方を備えず、テレビジョン受像機等の外部の情報出力装置に各種の情報を出力させる形態としてもよい。また、上述した実施形態を変形し、情報出力装置としてLED等の発光装置を採用した形態としてもよい。
【0059】
上述した実施形態では、総ての荷重変換器2が部分測定処理と全体測定処理との両方に共通して用いられるが、これを変形し、部分測定処理のみに用いられる荷重変換器2を有する形態としてもよいし、全体測定処理のみに用いられる荷重変換器2を有する形態としてもよい。これと同様に、左右の荷重のバランスのみが使用者に通知される形態としてもよいし、荷重のバランスが使用者に通知されない形態としてもよい。
【0060】
上述した実施形態では、使用者について測定された最小静止荷重および最大静止荷重に基づいて往範囲および復範囲(すなわち適正な負荷の範囲)を設定しているが、これを変形し、基準往範囲および基準復範囲を往範囲および復範囲として用いる形態としてもよいし、使用者に身体の全部を載置面1に載せるように促し、使用者の体重を全体測定処理で測定し、測定した体重に基づいて往範囲および復範囲を設定する形態としてもよい。後者の場合、測定した体重に基づいて、1回の腕立て伏せで消費された熱量(カロリー)を推定する形態としてもよいし、測定した体重と腕立て伏せの検出回数とに基づいて、複数回の腕立て伏せで消費された熱量(カロリー)を推定する形態としてもよい。
【0061】
上述した実施形態では、特定の往復運動として、載置面1に身体の一部を載せて行う腕立て伏せを想定したが、これを変形し、特定の往復運動として、載置面1に身体の全部を載せて行う往復運動とした形態としてもよい。例えば、載置面1を十分に拡げ、腕立て伏せを行う人の両足が載置面1に載置される形態や、特定の往復運動としてスクワットを想定した形態である。スクワットの形態では、脚を伸ばし切った姿勢が第1姿勢となり、脚を最も深く曲げた姿勢が第2姿勢となる。なお、往範囲および復範囲は共通の範囲でよく、最大静止荷重測定処理(S3)または最小静止荷重測定処理(S4)は不要であり、姿勢調整支援処理(S2)では行間測定処理(前後の荷重のバランス)が不要となる。
【0062】
上述した実施形態では、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さはいずれも予め定められていないが、これを変形し、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さが予め定められる形態としてもよい。そのような形態としては、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さを予め使用者に設定させる形態を例示可能である。この形態では、往運動検出期間内に特定の往運動が検出されなかった場合や、復運動検出期間内に特定の復運動が検出されなかった場合には、その期間を含む往復運動検出期間内に特定の往復運動が検出されなかったこととされ、特定の往復運動の検出回数に加算されないことになる。この形態において、往運動検出期間、復運動検出期間または往復運動検出期間の開始(終了)時に、その期間が開始(終了)した旨の情報を表示部120および発音部111の一方または両方に出力させる形態としてもよい。
【0063】
上述した実施形態では、特定の往復運動の検出回数に上限が無いが、これを変形し、上限がある形態としてもよい。さらに、上限を使用者が設定可能な形態としてもよい。なお、各往運動検出期間および各復運動検出期間の長さが予め定められる形態を変形し、計数期間の長さも予め定められる形態としてもよい。そのような形態としては、計数期間の長さ(特定の往復運動を行う回数)を予め使用者に設定させる形態を例示可能である。
【0064】
上述した実施形態では、使用者に特定の往復運動の検出回数が通知されるが、これを変形し、特定の往運動の検出回数が通知される形態としてもよいし、特定の復運動の検出回数が通知される形態としてもよいし、検出回数の他に、あるいは検出回数に代えて、特定の往運動、特定の復運動および特定の往復運動のうち少なくとも一つが検出されたことをその検出時に通知する形態としてもよい。そのような形態としては、特定の往運動、特定の復運動および特定の往復運動のうち少なくとも一つが検出されたときに発音部111に所定の音を出力させる形態を例示可能である。
【0065】
上述した実施形態および変形例に基づいて、運動検出装置100を変形し、身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、身体を動かす特定の運動における当該載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、当該載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、当該全体測定部に上記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、当該記憶部に記憶された全体測定データを用いて当該載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と当該範囲データで示される適正範囲とを比較することによって、当該特定の運動の検出を行い、当該特定の運動が検出された場合には、その旨の情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させる情報出力処理を行い、他の場合には、当該情報出力処理を行わない検出部とを備える運動検出装置としてもよい。
この運動検出装置における「その旨の情報」は、特定の運動が検出された回数を示す情報を含む概念である。この運動検出装置における「身体を動かす特定の運動」としては、腕立て伏せやスクワット等の往復運動の他に、腕立て伏せの往運動や、腕立て伏せの復運動、スクワットの往運動、スクワットの復運動を例示可能である。
【0066】
なお、上述した実施形態を変形し、特定の往復運動が検出されたときの差分値(往差分値および復差分値)、日時、検出回数、筋力バランス等の情報を記憶部112に記憶させる一方、使用者の指示に応じて情報出力装置に出力可能な形態としてもよい。この形態によれば、使用者は、自己の筋肉の発達の経過や度合いを確認することができる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、往復運動検出処理において、全体測定データd5を用いて、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、これが適正範囲内である場合に、運動回数を計数した。本発明は、これに限定されるものではなく、時系列で発生する全体測定データd5を用いて、運動速度を算出し(例えば、単位時間当たりの運動回数)、運動負荷と運動速度から、運動の程度を示す指標を算出してもよい。ここで、運動負荷は、例えば、載置面1への荷重の最大値と最小値との差分値で与えられる。また、運動の程度を示す指標は運動レベル、すなわち、運動量であってもよい。運動回数も運動の程度を表すが、例えば、体重の重い人は差分値が大きく、体重の軽い人は差分値が小さくなる傾向がある。したがって、同じ運動回数でも体重の重い人の方が運動量が大きい。さらに、差分値が同じでも運動速度が速い方が運動エネルギーは大きくなる。この変形例のように、運動負荷と運動速度とを変数として運動量を算出することにより、運動の程度を寄り正確に知ることができる。制御部113は、このようにして指標を算出し、これを表示部120に表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係る運動検出装置100の外観を示す斜視図である。
【図2】運動検出装置100に検出される特定の往復運動における最小静止荷重姿勢(第1姿勢)を示す図である。
【図3】同特定の往復運動における最大静止荷重姿勢(第2姿勢)を示す図である。
【図4】運動検出装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】計数期間、往復運動検出期間、往運動検出期間および復運動検出期間の関係を模式的に示す図である。
【図6】運動検出装置100が行う検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同検出処理に含まれる姿勢支援処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図8】運動検出装置100の載置面1への荷重の変化例(第1姿勢から第2姿勢へ)を示す図である。
【図9】運動検出装置100の載置面1への荷重の変化例(第2姿勢から第1姿勢へ)を示す図である。
【図10】同検出処理に含まれる往復運動検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】同検出処理に含まれる往復運動検出処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図12】同実施形態の変形例に係る姿勢支援処理で画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1…載置面、1L,1R,1F,1B…比較単位領域、1LF,1LB,1RF,1RB…測定単位領域、100…運動検出装置、111…発音部、112…記憶部、113…制御部、114…全体測定部、115…全体測定制御部、116…部分測定部、117…部分測定制御部、118…統計部、119…検出部、120…表示部、2(2LF,2LB,2RF,2RB)…荷重変換器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、
身体を動かす特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、
前記載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、
前記全体測定部に前記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、
前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記範囲データで示される適正範囲とを比較し、算出した差分値が前記適正範囲内にある場合に前記特定の運動を検出する検出部と
を備える運動検出装置。
【請求項2】
前記特定の運動は、身体の姿勢を第1姿勢から第2姿勢へ変化させる特定の往運動と身体の姿勢を前記第2姿勢から前記第1姿勢へ変化させる特定の復運動とを交互に行う特定の往復運動であり、
前記記憶部は、前記範囲データとして、前記特定の往運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である往範囲を示す往範囲データと、前記特定の復運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である復範囲を示す復範囲データとを記憶し、
順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と前記往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、前記検出部は、前記複数の往復運動検出期間の各々において、前記往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記往範囲とを比較し、算出した差分値が前記往範囲内にある場合に前記特定の往運動を検出し、前記復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に前記特定の復運動を検出し、前記特定の往運動および前記特定の復運動が検出された場合に前記特定の往復運動を検出する、
ことを特徴とする運動検出装置。
【請求項3】
前記特定の往復運動は、前記載置面に身体の一部を載せて行われる往復運動であり、
前記第1姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最小となる姿勢であり、
前記第2姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最大となる姿勢であり、
前記検出部は、情報を出力する情報出力装置に前記第1姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理と、前記情報出力装置に前記第2姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理と、前記最小静止荷重と前記最大静止荷重とに基づいて前記往範囲データおよび前記復範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる往復範囲設定処理とを行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の運動検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記載置面に身体の全部を載せて静止することを人に促す情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて体重を測定し、測定した体重に基づいて前記範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の運動検出装置。
【請求項5】
前記載置面を複数の比較単位領域に分割したとき、前記複数の比較単位領域の各々への荷重を測定し、測定した荷重を示す部分測定データを前記記憶部に記憶させる部分測定処理を行う部分測定部とを備える、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の運動検出装置。
【請求項6】
前記載置面を複数の測定単位領域に分割したとき、前記複数の測定単位領域にそれぞれ対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器を備え、
前記複数の比較単位領域の各々は、一または複数の前記測定単位領域を含み、
前記部分測定部は、測定する荷重に係る前記比較単位領域に含まれる前記測定単位領域に対応する前記荷重変換器に係る電気信号を前記部分測定処理に用い、
前記全体測定部は、前記複数の荷重変換器に係る電気信号を前記全体測定処理に用いる、
ことを特徴とする請求項5に記載の運動検出装置。
【請求項7】
前記部分測定部に前記部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部と、
前記記憶部に記憶された前記部分測定データを用いて、前記部分測定部に測定された荷重の統計値を前記比較単位領域毎に算出する統計部と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の運動検出装置。
【請求項1】
身体の一部または全部を載せる載置面を有する載置部と、
身体を動かす特定の運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲を示す範囲データを記憶する記憶部と、
前記載置面への荷重を測定し、測定した荷重を示す全体測定データを前記記憶部に記憶させる全体測定処理を行う全体測定部と、
前記全体測定部に前記全体測定処理を繰り返し行わせる全体測定制御部と、
前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記範囲データで示される適正範囲とを比較し、算出した差分値が前記適正範囲内にある場合に前記特定の運動を検出する検出部と
を備える運動検出装置。
【請求項2】
前記特定の運動は、身体の姿勢を第1姿勢から第2姿勢へ変化させる特定の往運動と身体の姿勢を前記第2姿勢から前記第1姿勢へ変化させる特定の復運動とを交互に行う特定の往復運動であり、
前記記憶部は、前記範囲データとして、前記特定の往運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である往範囲を示す往範囲データと、前記特定の復運動における前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値の適正範囲である復範囲を示す復範囲データとを記憶し、
順次訪れる複数の往復運動検出期間の各々を往運動検出期間と前記往運動検出期間の後の復運動検出期間とに分割したとき、前記検出部は、前記複数の往復運動検出期間の各々において、前記往運動検出期間では、当該往運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記往範囲とを比較し、算出した差分値が前記往範囲内にある場合に前記特定の往運動を検出し、前記復運動検出期間では、当該復運動検出期間が開始してから前記全体測定部に測定された荷重を示す前記記憶部に記憶された前記全体測定データを用いて前記載置面への荷重の最大値と最小値との差分値を算出し、算出した差分値と前記復範囲とを比較し、算出した差分値が前記復範囲内にある場合に前記特定の復運動を検出し、前記特定の往運動および前記特定の復運動が検出された場合に前記特定の往復運動を検出する、
ことを特徴とする運動検出装置。
【請求項3】
前記特定の往復運動は、前記載置面に身体の一部を載せて行われる往復運動であり、
前記第1姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最小となる姿勢であり、
前記第2姿勢は、前記特定の往復運動における身体の姿勢のうち、身体を静止させた状態で前記載置面への荷重が最大となる姿勢であり、
前記検出部は、情報を出力する情報出力装置に前記第1姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最小静止荷重を測定する最小静止荷重測定処理と、前記情報出力装置に前記第2姿勢で静止することを人に促す情報を出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて最大静止荷重を測定する最大静止荷重測定処理と、前記最小静止荷重と前記最大静止荷重とに基づいて前記往範囲データおよび前記復範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる往復範囲設定処理とを行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の運動検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記載置面に身体の全部を載せて静止することを人に促す情報を、情報を出力する情報出力装置に出力させてから、前記全体測定部に前記全体測定処理を行わせて体重を測定し、測定した体重に基づいて前記範囲データを生成し、前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の運動検出装置。
【請求項5】
前記載置面を複数の比較単位領域に分割したとき、前記複数の比較単位領域の各々への荷重を測定し、測定した荷重を示す部分測定データを前記記憶部に記憶させる部分測定処理を行う部分測定部とを備える、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の運動検出装置。
【請求項6】
前記載置面を複数の測定単位領域に分割したとき、前記複数の測定単位領域にそれぞれ対応して設けられ、各々は対応する測定単位領域への荷重を電気信号へ変換する複数の荷重変換器を備え、
前記複数の比較単位領域の各々は、一または複数の前記測定単位領域を含み、
前記部分測定部は、測定する荷重に係る前記比較単位領域に含まれる前記測定単位領域に対応する前記荷重変換器に係る電気信号を前記部分測定処理に用い、
前記全体測定部は、前記複数の荷重変換器に係る電気信号を前記全体測定処理に用いる、
ことを特徴とする請求項5に記載の運動検出装置。
【請求項7】
前記部分測定部に前記部分測定処理を繰り返し行わせる部分測定制御部と、
前記記憶部に記憶された前記部分測定データを用いて、前記部分測定部に測定された荷重の統計値を前記比較単位領域毎に算出する統計部と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の運動検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−42126(P2010−42126A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207715(P2008−207715)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
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