説明

運動機器

【課題】様々なゲーム機に接続して使用可能な運動機器を提供する。
【解決手段】車体は、ステム11、ハンドル、クランク13、及び、自在継手2を備える。自在継手2は、ステム11に結合され、内部に方向センサー21が内蔵される。伝送装置は、車体に設置されて、ゲーム機に信号を伝送する。速度測定装置3は、車体のクランク13に設置される。そして、操作パネル14は、車体に設置されて、少なくとも1個のコントロールボタン141を有し、発生されたコントロール信号が、伝送装置を介してゲーム機に送られる。操作パネル14、方向センサー21、速度測定装置3、及び、伝送装置を電気的に接続させることにより、運動機器1の車体のステム11及び操作パネル14によって、ゲーム機のゲームソフトをコントロールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動機器に関し、特に、運動機器によってゲーム機のゲームソフトをコントロールすることで、運動、娯楽及びバーチャルコミュニティーにおけるオンライン対戦や交流等のマルチ効果を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、図9に示した台湾発明特許第I220388号の「マルチメディアの基本構造及びマルチメディア表示装置を備えるマルチメディアバイク」が開示されている。上記発明は、マルチメディア機能を有する運動機器を開示するもので、サドル92、ハンドル兼コントローラ93、ペダル94、及びマルチ表示装置91を備える。この運動機器はバーチャル映像を表示するのに用いられる。これによって、バーチャル映像を見ることができ、映像によってハンドル兼コントローラ93またはペダル94をコントロールする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾発明特許第I220388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の運動機器9は、単独でゲームシステムが内蔵されているのみで、現在最も人気のあるPS2(登録商標)、PS3(登録商標)、XBOX(登録商標)等のゲーム機に全く接続することはできないため、その用途が制限される。同時に、自ら関連するソフトウェアやハードウェアの設備やゲームソフトを開発する必要があるため、開発時間が長くなり、コストも高くなって、大きな資金の投入が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、様々なゲーム機に接続して使用可能な運動機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の運動機器は、車体、自在継手、伝送装置、速度測定装置、操作パネルを備える。
【0007】
車体は、ステム、ハンドル、クランク、及び、自在継手を備える。自在継手は、ステムに結合され、内部に方向センサーが内蔵される。ここで例えば、方向センサーが測定した方向信号が、伝送装置を介してゲーム機に伝送されることで、ゲームソフトのキャラクターの移動方向をコントロールする。伝送装置は、車体に設置されて、ゲーム機に信号を伝送する。速度測定装置は、車体のクランクに設置されて、クランクの回転速度を測定して、回転速度信号を伝送装置を介してゲーム機に送ることで、例えば、ゲームソフトのキャラクターの移動速度をコントロールする。そして、操作パネルは、車体に設置されて、少なくとも1個のコントロールボタンを有し、発生されたコントロール信号が、伝送装置を介してゲーム機に送られて、例えば、ゲームソフトのメニュー選択をコントロールする。操作パネル、方向センサー、速度測定装置、及び、伝送装置を電気的に接続させることにより、運動機器の車体のステム及び操作パネルによって、ゲーム機のゲームソフトをコントロールする。
【0008】
本発明は、運動機器によってゲーム機のゲームを操作することができる。
【0009】
また、本発明は、自在継手がゴムチューブとなり、ゴムチューブの外壁中間部に環状凹槽が設置される。
【0010】
さらに、本発明は、車体全体は、X字型の交差状で、交差箇所に回転枢軸が設置され、車体が折り畳み可能である。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本発明は以下の効果を有する。
(1)本発明の運動機器は、市場に出回っているゲーム機、例えば、PS3(登録商標)、XBOX(登録商標)等と組み合わせて使用できる。このため、一部のソフトウェア、ハードウェアの設備及びゲームソフトの開発の必要がなく、運動機器の構造をシンプルにし、開発コストを抑える。
(2)本発明は、自在継手がゴムチューブとなり、ゴムチューブの外壁中間部に環状凹槽が設置される。このため、大きい曲げの度合いが得られて、フレキシブルな動きを高めることで、ユーザーのコントロール時のリアル感を高めることができる。
(3)本発明の運動機器の車体は全体がX字型をしており、回転枢軸を有するため、車体の折り畳みが可能で、収納空間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による一実施形態の運動機器の模式図である。
【図1a】本発明による一実施形態の運動機器の模式図である。
【図2】本発明による一実施形態の運動機器とインターネットとの接続関係を示した模式図である。
【図3】本発明による一実施形態の運動機器の自在継手の分解斜視図である。
【図4】本発明による一実施形態の運動機器の自在継手の断面図である。
【図5】本発明による一実施形態の運動機器の動作を示した模式図である。
【図6】本発明による一実施形態の運動機器の動作を示した模式図である。
【図7】本発明による一実施形態の運動機器の構造を示したブロック図である。
【図8】本発明による一実施形態の運動機器の動作を示したフローチャートである。
【図9】従来の運動機器を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(一実施形態)
先ず、図1及び図2を参照しながら説明する。本発明は、ゲーム機のソフトウェアに使用する運動機器に関わる。本発明の運動機器は、運動機器1の車体10、自在継手2、速度測定装置3及び伝送装置4から構成される。
【0014】
このうち、運動機器1の車体10は、X状を呈しており、ステム11及びシートポスト16が回転枢軸15に軸接続されて、車体10が使用しない時には折り畳んで収納できる(図1aに示したとおりである)。シートポスト16の最上部にはサドル161が設置される。シートポスト16のベースステム17上方に伝動装置18が設置され、伝動装置18の中間の位置にはクランク13が設置されて、使用者が足でクランク13を踏むことができる。また、ステム11の上方に、二個のハンドル111が設置されて、二個のハンドル111は、それぞれ操作パネル14の横に設置される。操作パネル14の底部及びステム11の最上部には自在継手2が設置されて、ステム11最上部が挿入され、受け盤19内部に設置される(図3に示したとおりである)。
【0015】
また、操作パネル14は、運動機器1のステム11上端に設置され、さらに、複数個のコントロールボタン141を有する。その発生されたコントロール信号が、伝送装置4を介してゲーム機5に伝送され、さらに、ゲームソフトのメニューを選択する。故に、ユーザーは、コントロールボタン141を押すことで、ゲームソフトのメニューの選択を決定する。例えば、ゲームのプレイタイプ(シングルプレイまたはダブルプレイ)、ゲームのスタート、ゲームの終了等の選択である。また、運動機器1の左右のハンドル111の位置には、発射ボタン142が設置されて、ユーザーがゲームソフトを操作する時、同時に、スピーディーにオプションの動作または武器アイテムの発射等をコントロールすることができる。
【0016】
図3及び図4を参照しながら説明する。自在継手2には、ゴムチューブ23が設置される。ゴムチューブ23の二端には、それぞれ金属回転接続リング231が固定設置されて、同時に、ゴムチューブ23の一端の金属回転接続リング231がねじ24によって操作パネル14底端に設置された固定スタンド143に固定される。ゴムチューブ23の他端の金属回転接続リング231は、ねじ24によってステム11最上端に設置された半円形の受け盤19内の固定スタンド112に固定される。また、ゴムチューブ23の中間の周囲には、環状凹槽232が設置され、ゴムチューブ23によって運動機器1のハンドル111及び操作パネル14に大きな曲がり度を生じさせる。
【0017】
また、自在継手2は、運動機器1のステム11と結合されて、使用者が手で持つことができる。X、Y及びZの次元空間が回転すること、その内側に方向センサー21が設置されること、さらに、方向センサー21が測定した自在継手2の方向信号が、伝送装置4を介してゲーム機5に伝送されることにより、ユーザーがステム11を握り、ゲーム機5のゲームソフトの人または物の移動回転方向をコントロールする。例えば、バイクレースのゲームソフトにおいて、プレイヤーが、ゲーム中に運動機器1のステム11を左右に振ることで、バイクの左折または右折をコントロールする(例えば、図5に示したとおりである)。運動機器1のステム11を後ろに振ることで、バイクの前輪が上に持ち上がるか、カーレースのゲームにおいては、車の前進または後退をコントロールする(例えば、図6に示したとおり)。また、方向センサー21に、Z軸安定回路22を追加することで、コントローラーのスティックの安定度を高めることができて、運動機器1がゲームソフトを確実且つ精確にコントロールするリアル感が増す。
【0018】
図1及び図7、図8を参照しながら説明する。速度測定装置3は、運動機器1のクランク13の位置に設置されて、クランク13の回転速度を測定する。さらに、回転速度の信号は、伝送装置4を介してゲーム機5に伝送されることで、ゲーム機5のゲームソフトの人または物の移動速度をコントロールする。故に、ユーザーが、クランク13を踏むと、ゲームソフトの人または物の移動の速さ、停止等をコントロールする。通常、クランク13の回転速度信号は、18から60RPMの範囲である。つまり、使用者がクランク13を踏んだ時に18RPM以下の時は、ゲームソフトのキャラクターが動作しない。クランク13を踏んで60RPMを超えると、ゲームソフトのキャラクターは速度を増さないで上限速度を維持する。このように、ゲーム過程のスムーズさを維持するのに役立つ。例えば、バイクレースのゲームにおいて、プレイヤーが運動機器1のクランク13を踏むことで、バイクの前進速度の速さをコントロールする。
【0019】
そして、伝送装置4は、運動機器1に設置されて、ゲーム機5に対して作動信号を伝送し、さらに、ゲーム機5に設置された信号受信装置51に受信される。通常は、2.4GHzの無線信号を伝送することで、ゲーム機5のゲームソフトのキャラクターの動き、武器アイテムの発射またはゲームのメニュー選択等の操作をコントロールする。
【0020】
図7及び図8を参照しながら説明する。操作パネル14、方向センサー21、速度測定装置3及び伝送装置4が電気信号に接続されることで、ユーザーが運動機器1のステム11及び操作パネル14を振って、ゲーム機5のゲームソフトをコントロールする。運動機器1が電源に接続された時、方向センサー21及び速度測定装置3の初期設定値がゼロになり、さらに、進入信号が受信されて準備状態となり、同時にゲーム機5(例、PS2(登録商標)、PS3(登録商標)及びXBOX(登録商標)等)も、信号受信装置51(例えば、図7に示したとおり)に接続されて、専ら運動機器1の伝送装置4から伝送される無線信号を受信する。また、表示スクリーン7は、ゲーム機5がゲームソフトのプログラムを実行された時、表示スクリーン7が先にゲームのメニューを表示し、ユーザーが先ず運動機器1に座り、操作パネル14のコントロールボタン141を押してメニューを選択し、最後にスタートボタンを押してゲームに進入し、その音響光学効果も楽しめる。さらに、運動機器1がゲーム中のキャラクターの回転方向、速さ及び武器アイテムの発射等をコントロールすることで、ユーザーが運動エクササイズ、娯楽の二重の効果を達成することができる。
【0021】
特に、言及すべき点は、現在のゲーム機5はすでにインターネット8に接続できる機能を有するため、ゲーム機5の愛好者は、インターネット8のバーチャルコミュニティーを通してプレイすることができる。つまり、いわゆるオンラインゲームである。したがって、図2に示したように、本発明は、インターネット8のバーチャルコミュニティーにおいてマルチ形式でプレイすることも可能である。家にいながらにして、運動機器1をゲーム機5に接続させ、ゲーム機5をインターネット8に接続させる。このように、誰でもがオンラインゲームのように互いに対戦し、競争することで、運動エクササイズ、娯楽の二重の効果が達成できる。
【0022】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの一実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない技術的範囲での設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
1 ・・・運動機器、
2 ・・・自在継手、
3 ・・・速度測定装置、
4 ・・・伝送装置、
5 ・・・ゲーム機、
7 ・・・表示スクリーン、
8 ・・・インターネット、
10 ・・・車体、
11 ・・・ステム、
13 ・・・クランク、
14 ・・・操作パネル、
15 ・・・回転枢軸、
16 ・・・シートポスト、
17 ・・・ベースステム、
18 ・・・伝動装置、
19 ・・・受け盤、
21 ・・・方向センサー、
22 ・・・Z軸安定回路、
23 ・・・ゴムチューブ、
24 ・・・ねじ、
111 ・・・ハンドル、
112 ・・・固定スタンド、
141 ・・・コントロールボタン、
142 ・・・発射ボタン、
143 ・・・固定スタンド、
161 ・・・サドル、
231 ・・・金属回転接続リング、
232 ・・・環状凹槽。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機用運動機器であって、
ステム、ハンドル、クランク、および、方向センサーを内蔵して前記ステムに結合される自在継手を有する車体と、
前記車体に設置され、前記ゲーム機に信号を伝送する伝送装置と、
前記車体の前記クランクに設置されて、前記クランクの回転速度を測定して、回転速度信号を前記伝送装置を介して前記ゲーム機に送る速度測定装置と、
前記車体に設置されて、少なくとも1個のコントロールボタンを有し、前記コントロールボタンから発生したコントロール信号が、前記伝送装置を介して前記ゲーム機に伝送される操作パネルと、を備え、
前記操作パネル、前記方向センサー、前記速度測定装置、及び、前記伝送装置を電気的接続させることを特徴とする運動機器。
【請求項2】
前記自在継手の前記方向センサーは、さらにZ軸安定回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の運動機器。
【請求項3】
前記伝送装置は、無線伝送電気通信信号を伝送することを特徴とする請求項1に記載の運動機器。
【請求項4】
前記車体の前記自在継手は、ゴムチューブであり、前記ゴムチューブの一端は前記ハンドルの底端に、他端は前記ステムの最上端に固定されて、さらに、前記ゴムチューブの外壁中間部に環状凹槽が設置されることを特徴とする請求項1に記載の運動機器。
【請求項5】
前記車体全体は、X字型の交差状で、さらに、交差箇所に回転枢軸が設置され、前記車体が折り畳み可能であることを特徴とする請求項1に記載の運動機器。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−239921(P2011−239921A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114146(P2010−114146)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(510124995)滿吉碩實業有限公司 (1)
【Fターム(参考)】