運搬用容器
【解決手段】中仕切り部材N1〜N4が水平状に配設される運搬用容器C1〜C4において、前記中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものである。
【効果】中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材を、そのまま、運搬用容器内に収納することができる。
【効果】中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材を、そのまま、運搬用容器内に収納することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中仕切り部材が配設可能な運搬用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運搬用容器の中程に、水平状に、中仕切り部材としてのトレーが配設された運搬用容器が、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−62626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の運搬用容器においては、トレーの使用時におけるトレーの高さを、高い位置と低い位置に設定できるようにしたものであり、トレーを使用しない場合におけるトレーの収容をどのようにするかについては、何ら開示されていない。
【0005】
また、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の場合には、運搬用容器のネスティング時には、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるといる問題があった。従って、ネスティングの際には、中仕切り部材を、運搬用容器から取り外さなければならず、従って、中仕切り部材を、運搬用容器とは別に保管管理しなければならないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、中仕切り部材が水平状に配設される運搬用容器において、第1には、前記中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第2には、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第3には、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、前記載置条片の上端に載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第4には、ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第5には、ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上説明したような構成を有するので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0009】
中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材を、そのまま、運搬用容器内に収納することができる。
【0010】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、運搬用容器をネスティングした際に、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるようなことを防止することができる。
【0011】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、載置条片の上端に載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、載置条片が、中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、運搬用容器をネスティングした際に、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるようなことを防止することができる。
【0012】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材の運搬用容器への収容状態において、複数の中仕切り部材を、ボックス型の運搬用容器内に収納することができ、従って、中仕切り部材の保管管理が容易となる。
【0013】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材の運搬用容器への収容状態において、複数の中仕切り部材を、ボックス型の運搬用容器内に収納することができ、従って、中仕切り部材の保管管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の運搬用容器の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材の分解斜視図である。
【図4】図4は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図5】図5は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材の分解斜視図である。
【図6】図6は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の運搬用容器の別の実施例の斜視図である。
【図8】図8は、図7に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図9】図9は、図7に示されている運搬用容器と図8に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図10】図10は、図7に示されている運搬用容器と図8に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図11】図11は、本発明の運搬用容器の更に別の実施例の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図13】図13は、図11に示されている運搬用容器と図12に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図14】図14は、図11に示されている運搬用容器と図12に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の運搬用容器のなお更に別の実施例の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図17】図17は、図15に示されている運搬用容器と図16に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図18】図18は、図15に示されている運搬用容器と図16に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0016】
先ず最初に、図1を用いて、公知のネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器について説明する。
【0017】
運搬用容器C1は、底部1と相対する長側壁2と相対する短側壁3とから構成されており、運搬用容器C1には、運搬用容器C1の開口部を取り囲むように、長側壁2及び短側壁3の上端から外側水平方向に延在するフランジ4が形成されている。
【0018】
p1は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2の一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅狭のポケットであり、運搬用容器C1の略半分の深さを有している。c1は、ポケットp1と適当な間隙を置いて或いはポケットp1に隣接して、ポケットp1より、運搬用容器C1の中央部寄りの長側壁2の外壁に形成された支脚であり、支脚c1は、中間水平リブ5から底部1付近まで延在するように形成されている。上記のポケットp1の内幅は、上記の支脚c1の外幅より狭く形成されている。以下、このような、幅狭のポケットp1と幅広の支脚c1との組み合わせを幅狭ポケット・幅広支脚部S1と称する。
【0019】
c2は、長側壁2のもう一方の隅部寄りの外壁に形成された、上述した支脚c1より、幅狭の支脚であり、支脚c2は、中間水平リブ5から底部1付近まで延在するように形成されている。p2は、支脚c2と適当な間隙を置いて或いは支脚c2に隣接して、支脚c2より、運搬用容器C1の中央部寄りの長側壁2の内壁に形成された縦長の凹部からなるポケットであり、運搬用容器C1の略半分の深さを有している。上記ポケットp2は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1のポケットp1の内幅より広い内幅を有しており、支脚c2の外幅は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の支脚c1の外幅より狭く形成されている。以下、このような、幅狭の支脚c2と幅広のポケットp2との組み合わせを幅狭支脚・幅広ポケット部S2と称する。
【0020】
幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1の外幅は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入できるように構成されている。また、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2の外幅は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭ポケットp1の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入できるように構成されている。
【0021】
上述した幅狭ポケット・幅広支脚部S1は、相対する長側壁2の一方の隅部付近に、互いに対向して配置されており、また、相対する長側壁2のもう一方の隅部付近には、互いに対向するように、幅狭支脚・幅広ポケット部S2が配置されている。
【0022】
下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きになるように、即ち、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1が位置し、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2が位置するように、運搬用容器C1を積み重ねると、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅広の支脚c1及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅狭の支脚c2が、下に位置する運搬用容器C1のフランジ4に載置され、下に位置する運搬用容器C1の上に、上に位置する運搬用容器C1がスタッキングされることになる。
【0023】
また、上述したスタッキング状態から、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させて、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、異なる向きになるように、即ち、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2が位置し、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1が位置するように配置すると、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が、それぞれ挿入されることになり、従って、上に位置する運搬用容器C1の略半分が、下に位置する運搬用容器C1の内部に嵌め込まれてネスティングされることになる。
【0024】
なお、上述した、長側壁2に配設された幅狭ポケット・幅広支脚部S1及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2の配置は、上述した配置に限定されるものではなく、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きに積み重ねられた際には、下に位置する運搬用容器C1の開口部に形成されたフランジ4上に、上に位置する運搬用容器C1の支脚c1、c2が載置されて、上に位置する運搬用容器C1が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされ、また、スタッキング状態から、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させることにより、上に位置する運搬用容器C1の支脚c1、c2が、下に位置する運搬用容器C1のポケットp1、p2に挿入されて、上に位置する運搬用容器C1が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるような配置であればどのような配置でもよい。更に、短側壁3に、ポケット・支脚部を形成することもできる。なお更に、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きに配置された場合に、ネスティングとなり、異なる向きに配置された場合に、スタッキングとなるように構成することもできる。このような、スタッキング或いはネスティング可能な運搬用容器は、周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0025】
H1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の運搬用容器C1の中央部寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、上述したポケットp1、p2と同様の縦長の幅広突片収容ポケットであり、幅広突片収容ポケットH1の底面h1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより、下方に位置するように構成されており、且つ、幅広突片収容ポケットH1の底面h1と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。なお、幅広突片収容ポケットH1の底面h1を、運搬用容器C1の底部1まで延在するように構成することもできる。
【0026】
H2は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の運搬用容器C1の短側壁寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、上述したポケットp1、p2と同様の縦長の幅狭突片収容ポケットであり、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより、下方に位置するように構成されており、且つ、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。なお、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2は、運搬用容器C1の底部1まで延在することもできる。
【0027】
次に、主として、図2を用いて、上述した運搬用容器C1に、水平状に配設される中仕切り部材N1について説明する。
【0028】
中仕切り部材N1は、額縁状の周枠n1を有しており、額縁状の周枠n1は、相対する長辺部n1aと相対する短辺部n1bとを有している。また、相対する長辺部n1aは、短辺部n1bと平行な区画短辺部n2により連結されているとともに、相対する短辺部n1bも、長辺部n1aと平行な区画長辺部n3により連結されている。本実施例においては、区画短辺部n2が、1本で、区画長辺部n3が、2本の例が示されているが、区画短辺部n2を、複数本、形成することもできるし、また、区画長辺部n3も、適当数、形成することができる。
【0029】
上述したように構成された中仕切り部材N1には、額縁状の周枠n1と区画短辺部n2と区画長辺部n3とにより囲まれた、運搬用容器C1に収容される物品が嵌合される複数の空間部A1が形成されることになる。
【0030】
中仕切り部材N1の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aの一方の短辺部n1b側付近には、幅広突片n4が、長辺部n1aから外側に延在するように突設されている。幅広突片n4は、運搬用容器C1に形成された幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入されるように構成されているとともに、幅広のポケットp2の底面p2aに載置されるように構成されている。
【0031】
また、中仕切り部材N1の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aのもう一方の短辺部n1b側付近には、幅狭突片n5が、長辺部n1aから外側に延在するように突設されている。幅狭突片n5は、運搬用容器C1に形成された幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入されるように構成されているとともに、幅狭のポケットp1の底面p1aに載置されるように構成されている。
【0032】
図3に示されているように、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の真上に、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を配置するとともに、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の真上に、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を配置し、その後、中仕切り部材N1を下降させると、図4に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入され、幅狭突片n5が、幅狭のポケットp1の底面p1aに載置され、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入され、幅広突片n4が、幅広のポケットp2の底面p2aに載置され、中仕切り部材N1が、運搬用容器C1の中程に配置されるように構成されている。なお、この状態を、以下、中仕切り部材N1の配設状態という。
【0033】
図4に示されている、中仕切り部材N1の配設状態から、中仕切り部材N1を上昇させて、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1から排出するとともに、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2から排出することにより、中仕切り部材N1を、運搬用容器C1から取り出す。
【0034】
その後、中仕切り部材N1を、平面的に、180度回転させて、図5に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅広突片収容ポケットH1の真上に配置し、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅狭突片収容ポケットH2の真上に配置し、その後、中仕切り部材N1を下降させると、図6に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅広突片収容ポケットH1に挿入され、幅広突片n4が、幅広突片収容ポケットH1の底面h1に載置され、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅狭突片収容ポケットH2に挿入され、幅狭突片n5が、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2に載置されるように構成されている。なお、この状態を、以下、中仕切り部材N1の収容状態という。
【0035】
幅広突片収容ポケットH1の底面h1が、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより、下方に位置するように構成されているとともに、幅広突片収容ポケットH1の底面h1と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差が、中仕切り部材N1の厚さTと同じか、若干、大きくなるように構成されており、また、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2が、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより、下方に位置するように構成されているとともに、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差が、中仕切り部材N1の厚さTと同じか、若干、大きくなるように構成されているので、中仕切り部材N1の収容状態において、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が挿入され、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が挿入され、上に位置する運搬用容器C1の略半分が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれ、ネスティングされても、運搬用容器C1内にある配設状態の中仕切り部材N1が、上に位置する運搬用容器C1の底部1に当接し、ネスティングが阻止されるようなことを防止することができる。
【0036】
また、幅広突片収容ポケットH1は、長側壁2を、内側から外側に膨出することにより形成されることになるが、幅広突片収容ポケットH1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅広の支脚c1が位置する長側壁2を、内側から外側に膨出するように構成し、また、幅狭突片収容ポケットH2も、幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅狭の支脚c2が位置する長側壁2を、内側から外側に膨出するように構成することが好ましい。このように構成することにより、不要な突出部が、長側壁2に形成されることを防止することができ、従って、運搬用容器C1の長側壁2へのシール貼着面積やカード差し取り付け面積が、減少するようなことを防止することができる。
【0037】
更に、運搬用容器C1を、一方の短側壁3側の半分と、もう一方の短側壁3側の半分とを、色分けすることが好ましい。このように構成することにより、下に位置する運搬用容器C1の半分の色の上に、上に位置する運搬用容器C1の同じ色の半分を配置した場合には、運搬用容器C1がスタッキングされ、また、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させて、下に位置する運搬用容器C1の半分の色の上に、上に位置する運搬用容器C1の異なる色の半分を配置した場合には、運搬用容器C1がネスティングされることになり、視覚的に、容易に、運搬用容器C1のスタッキング或いはネスティングを、選択することができる。
【0038】
また、中仕切り部材N1を、一方の短辺部n1b側の半分と、もう一方の短辺部n1b側の半分とを、色分けすることが好ましい。例えば、図2に示されているように、運搬用容器C1の一方の短側壁3側の半分の色と、中仕切り部材N1の一方の短辺部n1b側の半分の色とが同じ色となるように配置した場合には、中仕切り部材N1が配設状態となるように構成し、また、運搬用容器C1の一方の短側壁3側の半分の色と、中仕切り部材N1の一方の短辺部n1b側の半分の色とが異なる色となるように配置した場合には、中仕切り部材N1が収容状態となるように構成することが好ましい。このように構成することにより、視覚的に、容易に、中仕切り部材N1の配設状態或いは収容状態を、選択することができる。
【0039】
次に、図7〜図10を用いて、本発明の別の実施例について説明する。
【0040】
図7に示されている運搬用容器C2は、上述した運搬用容器C1に形成された幅広突片収容ポケットH1及び幅狭突片収容ポケットH2に代えて、相対する長側壁2の内壁に、所定の間隔を置いて、それぞれ、垂直状の載置条片H3、H4を突設したものである。
【0041】
一方の垂直状の載置条片H3は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅狭のポケットp1に接近して、且つ、長側壁2の中央部寄りに形成されている。また、載置条片H3の上端h3は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより低くなるように構成されており、且つ、載置条片H3の上端h3と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。以下、この載置条片H3を、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3と称する。
【0042】
また、もう一方の垂直状の載置条片H4は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅広のポケットp2と、該幅狭支脚・幅広ポケット部S2側の短側壁3の間に位置するように形成されており、且つ、載置条片H4の上端h4は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより低くなるように構成されており、且つ、載置条片H4の上端h4と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。以下、この載置条片H4を、幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4と称する。
【0043】
上述した運搬用容器C2に配置或いは収容される中仕切り部材N2は、上述した実施例における中仕切り部材N1に突設された幅広突片n4及び幅狭突片n5に代えて、中仕切り部材N2の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aの両端部付近に、それぞれ、載置条片収容切欠き部n6、n7を形成したものである。
【0044】
中仕切り部材N2の配設状態においては、図9に示されているように、中仕切り部材N2の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aが、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3の上端h3及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4の上端h4に載置されるように構成されている。
【0045】
また、上述した中仕切り部材N2の配設状態から、中仕切り部材N2を上昇させて、中仕切り部材N2を、運搬用容器C2から取り出し、その後、中仕切り部材N2を、平面的に、180度回転させて、中仕切り部材N2を下降させると、図10に示されているように、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3が、載置条片収容切欠き部n6に挿入され、また、幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4が、載置条片収容切欠き部n7に挿入されて、中仕切り部材N2が、収容状態となるように構成されている。
【0046】
次に、図11〜図14を用いて、本発明の更に別の実施例について説明するが、この実施例における運搬用容器C3は、上述した実施例における運搬用容器C1、C2のように、スタッキング或いはネスティング可能な運搬用容器ではなく、スタッキング或いはネスティングができない、所謂、ボックス型の運搬用容器C3に関するものである。
【0047】
この実施例においては、長側壁2の外壁には、上述した支脚c1、c2は形成されていない。また、中仕切り部材N3は、区画長辺部n3が、一本少ない以外は、上述した構成における中仕切り部材N1と略同じであるので、同じ符号が使用されている。
【0048】
p1’は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2の一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅狭突片載置ポケットであり、運搬用容器C3の略半分の深さを有している。また、p2’は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2のもう一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅広突片載置ポケットであり、運搬用容器C3の略半分の深さを有している。
【0049】
また、H5は、幅狭突片載置ポケットp1’の運搬用容器C3の中央部寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、縦長の幅広突片収容ポケットであり、幅広突片収容ポケットH5は、運搬用容器C3の底部1まで、或いは、底部1付近まで延在するように構成されている。
【0050】
H6は、幅広突片載置ポケットp2’と、該幅広突片載置ポケットp2’に隣接して位置する短側壁3との間に形成された幅狭突片収容ポケットであり、幅狭突片収容ポケットH6は、運搬用容器C3の底部1まで、或いは、底部1付近まで延在するように構成されている。
【0051】
この実施例においては、図13に示されているように、中仕切り部材N3の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C3の幅狭突片載置ポケットp1’の底面p1a’に載置され、また、中仕切り部材N3の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C3の幅広突片載置ポケットp2’の底面p2a’に載置されることにより、中仕切り部材N3が、運搬用容器C3の中程に配設される、即ち、中仕切り部材N3が配設状態に位置することになる。
【0052】
また、中仕切り部材N3の配設状態から、中仕切り部材N3を上昇させて、中仕切り部材N3を、運搬用容器C3から取り出すとともに、中仕切り部材N3を、平面的に、180度回転させて、図14に示されているように、中仕切り部材N3の幅広突片n4を、幅広突片収容ポケットH5に挿入し、また、中仕切り部材N3の幅狭突片n5を、幅狭突片収容ポケットH6に挿入することにより、中仕切り部材N3を収容状態に位置することができるように構成されている。
【0053】
上述したように構成することにより、1つの運搬用容器C3に、複数の中仕切り部材N3を収納することができ、従って、中仕切り部材N3の保管管理が容易となる。
【0054】
図15〜図18に示されている実施例のボックス型の運搬用容器C4は、相対する長側壁2の内壁に、所定の間隔を置いて、それぞれ、上述した図7に示されている実施例における載置条片H3、H4と同様の垂直状の載置条片H7、H8を突設したものである。また、中仕切り部材N4は、区画長辺部n3が、一本少ない以外は、上述した中仕切り部材N2と略同じであるので、同じ符号が使用されている。
【0055】
上述した実施例においても、中仕切り部材N4が配設状態においては、図17に示されているように、中仕切り部材N4が、載置条片H7の上端h7及び載置条片H8の上端h8に載置されるように構成されている。また、中仕切り部材N4が収容状態においては、図18に示されているように、載置条片H7が、中仕切り部材N4に形成された載置条片収容切欠き部n6に挿入され、また、載置条片H8が、中仕切り部材N4に形成された載置条片収容切欠き部n7に挿入されるように構成されている。
【0056】
上述したように構成することにより、1つの運搬用容器C4に、複数の中仕切り部材N4を収納することができ、従って、中仕切り部材N4の保管管理が容易となる。
【符号の説明】
【0057】
C1〜C4・・・・・・・・・・・運搬用容器
c1、c2・・・・・・・・・・・支脚
p1、p2・・・・・・・・・・・ポケット
N1〜N4・・・・・・・・・・・中仕切り部材
S1・・・・・・・・・・・・・・幅狭ポケット・幅広支脚部
S2・・・・・・・・・・・・・・幅狭支脚・幅広ポケット部
1・・・・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・・・・・・・・短側壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、中仕切り部材が配設可能な運搬用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運搬用容器の中程に、水平状に、中仕切り部材としてのトレーが配設された運搬用容器が、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−62626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の運搬用容器においては、トレーの使用時におけるトレーの高さを、高い位置と低い位置に設定できるようにしたものであり、トレーを使用しない場合におけるトレーの収容をどのようにするかについては、何ら開示されていない。
【0005】
また、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の場合には、運搬用容器のネスティング時には、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるといる問題があった。従って、ネスティングの際には、中仕切り部材を、運搬用容器から取り外さなければならず、従って、中仕切り部材を、運搬用容器とは別に保管管理しなければならないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、中仕切り部材が水平状に配設される運搬用容器において、第1には、前記中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第2には、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第3には、ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、前記載置条片の上端に載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第4には、ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものであり、第5には、ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上説明したような構成を有するので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0009】
中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材を、そのまま、運搬用容器内に収納することができる。
【0010】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、運搬用容器をネスティングした際に、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるようなことを防止することができる。
【0011】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、載置条片の上端に載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、載置条片が、中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、運搬用容器をネスティングした際に、下に位置する運搬用容器に配設された中仕切り部材が、上に位置する運搬用容器の底部に当接し、ネスティングの障害になるようなことを防止することができる。
【0012】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材の運搬用容器への収容状態において、複数の中仕切り部材を、ボックス型の運搬用容器内に収納することができ、従って、中仕切り部材の保管管理が容易となる。
【0013】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したので、中仕切り部材の運搬用容器への収容状態において、複数の中仕切り部材を、ボックス型の運搬用容器内に収納することができ、従って、中仕切り部材の保管管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の運搬用容器の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材の分解斜視図である。
【図4】図4は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図5】図5は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材の分解斜視図である。
【図6】図6は、図1に示されている運搬用容器と図2に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の運搬用容器の別の実施例の斜視図である。
【図8】図8は、図7に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図9】図9は、図7に示されている運搬用容器と図8に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図10】図10は、図7に示されている運搬用容器と図8に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図11】図11は、本発明の運搬用容器の更に別の実施例の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図13】図13は、図11に示されている運搬用容器と図12に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図14】図14は、図11に示されている運搬用容器と図12に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の運搬用容器のなお更に別の実施例の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示されている運搬用容器に配設される中仕切り部材の斜視図である。
【図17】図17は、図15に示されている運搬用容器と図16に示されている中仕切り部材との配設状態の斜視図である。
【図18】図18は、図15に示されている運搬用容器と図16に示されている中仕切り部材との収容状態の斜視図である。
【実施例】
【0015】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0016】
先ず最初に、図1を用いて、公知のネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器について説明する。
【0017】
運搬用容器C1は、底部1と相対する長側壁2と相対する短側壁3とから構成されており、運搬用容器C1には、運搬用容器C1の開口部を取り囲むように、長側壁2及び短側壁3の上端から外側水平方向に延在するフランジ4が形成されている。
【0018】
p1は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2の一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅狭のポケットであり、運搬用容器C1の略半分の深さを有している。c1は、ポケットp1と適当な間隙を置いて或いはポケットp1に隣接して、ポケットp1より、運搬用容器C1の中央部寄りの長側壁2の外壁に形成された支脚であり、支脚c1は、中間水平リブ5から底部1付近まで延在するように形成されている。上記のポケットp1の内幅は、上記の支脚c1の外幅より狭く形成されている。以下、このような、幅狭のポケットp1と幅広の支脚c1との組み合わせを幅狭ポケット・幅広支脚部S1と称する。
【0019】
c2は、長側壁2のもう一方の隅部寄りの外壁に形成された、上述した支脚c1より、幅狭の支脚であり、支脚c2は、中間水平リブ5から底部1付近まで延在するように形成されている。p2は、支脚c2と適当な間隙を置いて或いは支脚c2に隣接して、支脚c2より、運搬用容器C1の中央部寄りの長側壁2の内壁に形成された縦長の凹部からなるポケットであり、運搬用容器C1の略半分の深さを有している。上記ポケットp2は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1のポケットp1の内幅より広い内幅を有しており、支脚c2の外幅は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の支脚c1の外幅より狭く形成されている。以下、このような、幅狭の支脚c2と幅広のポケットp2との組み合わせを幅狭支脚・幅広ポケット部S2と称する。
【0020】
幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1の外幅は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入できるように構成されている。また、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2の外幅は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭ポケットp1の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入できるように構成されている。
【0021】
上述した幅狭ポケット・幅広支脚部S1は、相対する長側壁2の一方の隅部付近に、互いに対向して配置されており、また、相対する長側壁2のもう一方の隅部付近には、互いに対向するように、幅狭支脚・幅広ポケット部S2が配置されている。
【0022】
下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きになるように、即ち、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1が位置し、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2が位置するように、運搬用容器C1を積み重ねると、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅広の支脚c1及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅狭の支脚c2が、下に位置する運搬用容器C1のフランジ4に載置され、下に位置する運搬用容器C1の上に、上に位置する運搬用容器C1がスタッキングされることになる。
【0023】
また、上述したスタッキング状態から、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させて、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、異なる向きになるように、即ち、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2が位置し、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の上方に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1が位置するように配置すると、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が、それぞれ挿入されることになり、従って、上に位置する運搬用容器C1の略半分が、下に位置する運搬用容器C1の内部に嵌め込まれてネスティングされることになる。
【0024】
なお、上述した、長側壁2に配設された幅狭ポケット・幅広支脚部S1及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2の配置は、上述した配置に限定されるものではなく、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きに積み重ねられた際には、下に位置する運搬用容器C1の開口部に形成されたフランジ4上に、上に位置する運搬用容器C1の支脚c1、c2が載置されて、上に位置する運搬用容器C1が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされ、また、スタッキング状態から、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させることにより、上に位置する運搬用容器C1の支脚c1、c2が、下に位置する運搬用容器C1のポケットp1、p2に挿入されて、上に位置する運搬用容器C1が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるような配置であればどのような配置でもよい。更に、短側壁3に、ポケット・支脚部を形成することもできる。なお更に、下に位置する運搬用容器C1と上に位置する運搬用容器C1とが、同じ向きに配置された場合に、ネスティングとなり、異なる向きに配置された場合に、スタッキングとなるように構成することもできる。このような、スタッキング或いはネスティング可能な運搬用容器は、周知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0025】
H1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の運搬用容器C1の中央部寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、上述したポケットp1、p2と同様の縦長の幅広突片収容ポケットであり、幅広突片収容ポケットH1の底面h1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより、下方に位置するように構成されており、且つ、幅広突片収容ポケットH1の底面h1と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。なお、幅広突片収容ポケットH1の底面h1を、運搬用容器C1の底部1まで延在するように構成することもできる。
【0026】
H2は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の運搬用容器C1の短側壁寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、上述したポケットp1、p2と同様の縦長の幅狭突片収容ポケットであり、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより、下方に位置するように構成されており、且つ、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。なお、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2は、運搬用容器C1の底部1まで延在することもできる。
【0027】
次に、主として、図2を用いて、上述した運搬用容器C1に、水平状に配設される中仕切り部材N1について説明する。
【0028】
中仕切り部材N1は、額縁状の周枠n1を有しており、額縁状の周枠n1は、相対する長辺部n1aと相対する短辺部n1bとを有している。また、相対する長辺部n1aは、短辺部n1bと平行な区画短辺部n2により連結されているとともに、相対する短辺部n1bも、長辺部n1aと平行な区画長辺部n3により連結されている。本実施例においては、区画短辺部n2が、1本で、区画長辺部n3が、2本の例が示されているが、区画短辺部n2を、複数本、形成することもできるし、また、区画長辺部n3も、適当数、形成することができる。
【0029】
上述したように構成された中仕切り部材N1には、額縁状の周枠n1と区画短辺部n2と区画長辺部n3とにより囲まれた、運搬用容器C1に収容される物品が嵌合される複数の空間部A1が形成されることになる。
【0030】
中仕切り部材N1の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aの一方の短辺部n1b側付近には、幅広突片n4が、長辺部n1aから外側に延在するように突設されている。幅広突片n4は、運搬用容器C1に形成された幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入されるように構成されているとともに、幅広のポケットp2の底面p2aに載置されるように構成されている。
【0031】
また、中仕切り部材N1の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aのもう一方の短辺部n1b側付近には、幅狭突片n5が、長辺部n1aから外側に延在するように突設されている。幅狭突片n5は、運搬用容器C1に形成された幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入されるように構成されているとともに、幅狭のポケットp1の底面p1aに載置されるように構成されている。
【0032】
図3に示されているように、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の真上に、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を配置するとともに、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の真上に、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を配置し、その後、中仕切り部材N1を下降させると、図4に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に挿入され、幅狭突片n5が、幅狭のポケットp1の底面p1aに載置され、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に挿入され、幅広突片n4が、幅広のポケットp2の底面p2aに載置され、中仕切り部材N1が、運搬用容器C1の中程に配置されるように構成されている。なお、この状態を、以下、中仕切り部材N1の配設状態という。
【0033】
図4に示されている、中仕切り部材N1の配設状態から、中仕切り部材N1を上昇させて、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を、運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1から排出するとともに、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を、運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2から排出することにより、中仕切り部材N1を、運搬用容器C1から取り出す。
【0034】
その後、中仕切り部材N1を、平面的に、180度回転させて、図5に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4を、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅広突片収容ポケットH1の真上に配置し、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5を、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅狭突片収容ポケットH2の真上に配置し、その後、中仕切り部材N1を下降させると、図6に示されているように、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅広突片収容ポケットH1に挿入され、幅広突片n4が、幅広突片収容ポケットH1の底面h1に載置され、また、中仕切り部材N1の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C1の相対する長側壁2に形成された幅狭突片収容ポケットH2に挿入され、幅狭突片n5が、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2に載置されるように構成されている。なお、この状態を、以下、中仕切り部材N1の収容状態という。
【0035】
幅広突片収容ポケットH1の底面h1が、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより、下方に位置するように構成されているとともに、幅広突片収容ポケットH1の底面h1と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差が、中仕切り部材N1の厚さTと同じか、若干、大きくなるように構成されており、また、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2が、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより、下方に位置するように構成されているとともに、幅狭突片収容ポケットH2の底面h2と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差が、中仕切り部材N1の厚さTと同じか、若干、大きくなるように構成されているので、中仕切り部材N1の収容状態において、下に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅狭の支脚c2が挿入され、また、下に位置する運搬用容器C1の幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2に、上に位置する運搬用容器C1の幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅広の支脚c1が挿入され、上に位置する運搬用容器C1の略半分が、下に位置する運搬用容器C1に嵌め込まれ、ネスティングされても、運搬用容器C1内にある配設状態の中仕切り部材N1が、上に位置する運搬用容器C1の底部1に当接し、ネスティングが阻止されるようなことを防止することができる。
【0036】
また、幅広突片収容ポケットH1は、長側壁2を、内側から外側に膨出することにより形成されることになるが、幅広突片収容ポケットH1は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅広の支脚c1が位置する長側壁2を、内側から外側に膨出するように構成し、また、幅狭突片収容ポケットH2も、幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅狭の支脚c2が位置する長側壁2を、内側から外側に膨出するように構成することが好ましい。このように構成することにより、不要な突出部が、長側壁2に形成されることを防止することができ、従って、運搬用容器C1の長側壁2へのシール貼着面積やカード差し取り付け面積が、減少するようなことを防止することができる。
【0037】
更に、運搬用容器C1を、一方の短側壁3側の半分と、もう一方の短側壁3側の半分とを、色分けすることが好ましい。このように構成することにより、下に位置する運搬用容器C1の半分の色の上に、上に位置する運搬用容器C1の同じ色の半分を配置した場合には、運搬用容器C1がスタッキングされ、また、上に位置する運搬用容器C1を、平面的に、180度回転させて、下に位置する運搬用容器C1の半分の色の上に、上に位置する運搬用容器C1の異なる色の半分を配置した場合には、運搬用容器C1がネスティングされることになり、視覚的に、容易に、運搬用容器C1のスタッキング或いはネスティングを、選択することができる。
【0038】
また、中仕切り部材N1を、一方の短辺部n1b側の半分と、もう一方の短辺部n1b側の半分とを、色分けすることが好ましい。例えば、図2に示されているように、運搬用容器C1の一方の短側壁3側の半分の色と、中仕切り部材N1の一方の短辺部n1b側の半分の色とが同じ色となるように配置した場合には、中仕切り部材N1が配設状態となるように構成し、また、運搬用容器C1の一方の短側壁3側の半分の色と、中仕切り部材N1の一方の短辺部n1b側の半分の色とが異なる色となるように配置した場合には、中仕切り部材N1が収容状態となるように構成することが好ましい。このように構成することにより、視覚的に、容易に、中仕切り部材N1の配設状態或いは収容状態を、選択することができる。
【0039】
次に、図7〜図10を用いて、本発明の別の実施例について説明する。
【0040】
図7に示されている運搬用容器C2は、上述した運搬用容器C1に形成された幅広突片収容ポケットH1及び幅狭突片収容ポケットH2に代えて、相対する長側壁2の内壁に、所定の間隔を置いて、それぞれ、垂直状の載置条片H3、H4を突設したものである。
【0041】
一方の垂直状の載置条片H3は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1を構成する幅狭のポケットp1に接近して、且つ、長側壁2の中央部寄りに形成されている。また、載置条片H3の上端h3は、幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aより低くなるように構成されており、且つ、載置条片H3の上端h3と幅狭ポケット・幅広支脚部S1の幅狭のポケットp1の底面p1aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。以下、この載置条片H3を、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3と称する。
【0042】
また、もう一方の垂直状の載置条片H4は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2を構成する幅広のポケットp2と、該幅狭支脚・幅広ポケット部S2側の短側壁3の間に位置するように形成されており、且つ、載置条片H4の上端h4は、幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aより低くなるように構成されており、且つ、載置条片H4の上端h4と幅狭支脚・幅広ポケット部S2の幅広のポケットp2の底面p2aとの高さの差は、後述する中仕切り部材の厚さと同じか、若干、大きくなるように構成されている。以下、この載置条片H4を、幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4と称する。
【0043】
上述した運搬用容器C2に配置或いは収容される中仕切り部材N2は、上述した実施例における中仕切り部材N1に突設された幅広突片n4及び幅狭突片n5に代えて、中仕切り部材N2の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aの両端部付近に、それぞれ、載置条片収容切欠き部n6、n7を形成したものである。
【0044】
中仕切り部材N2の配設状態においては、図9に示されているように、中仕切り部材N2の額縁状の周枠n1を構成する相対する長辺部n1aが、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3の上端h3及び幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4の上端h4に載置されるように構成されている。
【0045】
また、上述した中仕切り部材N2の配設状態から、中仕切り部材N2を上昇させて、中仕切り部材N2を、運搬用容器C2から取り出し、その後、中仕切り部材N2を、平面的に、180度回転させて、中仕切り部材N2を下降させると、図10に示されているように、幅狭ポケット・幅広支脚部S1側載置条片H3が、載置条片収容切欠き部n6に挿入され、また、幅狭支脚・幅広ポケット部S2側載置条片H4が、載置条片収容切欠き部n7に挿入されて、中仕切り部材N2が、収容状態となるように構成されている。
【0046】
次に、図11〜図14を用いて、本発明の更に別の実施例について説明するが、この実施例における運搬用容器C3は、上述した実施例における運搬用容器C1、C2のように、スタッキング或いはネスティング可能な運搬用容器ではなく、スタッキング或いはネスティングができない、所謂、ボックス型の運搬用容器C3に関するものである。
【0047】
この実施例においては、長側壁2の外壁には、上述した支脚c1、c2は形成されていない。また、中仕切り部材N3は、区画長辺部n3が、一本少ない以外は、上述した構成における中仕切り部材N1と略同じであるので、同じ符号が使用されている。
【0048】
p1’は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2の一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅狭突片載置ポケットであり、運搬用容器C3の略半分の深さを有している。また、p2’は、フランジ4から底部1に向かって、相対する長側壁2のもう一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなる幅広突片載置ポケットであり、運搬用容器C3の略半分の深さを有している。
【0049】
また、H5は、幅狭突片載置ポケットp1’の運搬用容器C3の中央部寄りの相対する長側壁2の内壁に形成された、縦長の幅広突片収容ポケットであり、幅広突片収容ポケットH5は、運搬用容器C3の底部1まで、或いは、底部1付近まで延在するように構成されている。
【0050】
H6は、幅広突片載置ポケットp2’と、該幅広突片載置ポケットp2’に隣接して位置する短側壁3との間に形成された幅狭突片収容ポケットであり、幅狭突片収容ポケットH6は、運搬用容器C3の底部1まで、或いは、底部1付近まで延在するように構成されている。
【0051】
この実施例においては、図13に示されているように、中仕切り部材N3の額縁状の長辺部n1aに突設された幅狭突片n5が、運搬用容器C3の幅狭突片載置ポケットp1’の底面p1a’に載置され、また、中仕切り部材N3の額縁状の長辺部n1aに突設された幅広突片n4が、運搬用容器C3の幅広突片載置ポケットp2’の底面p2a’に載置されることにより、中仕切り部材N3が、運搬用容器C3の中程に配設される、即ち、中仕切り部材N3が配設状態に位置することになる。
【0052】
また、中仕切り部材N3の配設状態から、中仕切り部材N3を上昇させて、中仕切り部材N3を、運搬用容器C3から取り出すとともに、中仕切り部材N3を、平面的に、180度回転させて、図14に示されているように、中仕切り部材N3の幅広突片n4を、幅広突片収容ポケットH5に挿入し、また、中仕切り部材N3の幅狭突片n5を、幅狭突片収容ポケットH6に挿入することにより、中仕切り部材N3を収容状態に位置することができるように構成されている。
【0053】
上述したように構成することにより、1つの運搬用容器C3に、複数の中仕切り部材N3を収納することができ、従って、中仕切り部材N3の保管管理が容易となる。
【0054】
図15〜図18に示されている実施例のボックス型の運搬用容器C4は、相対する長側壁2の内壁に、所定の間隔を置いて、それぞれ、上述した図7に示されている実施例における載置条片H3、H4と同様の垂直状の載置条片H7、H8を突設したものである。また、中仕切り部材N4は、区画長辺部n3が、一本少ない以外は、上述した中仕切り部材N2と略同じであるので、同じ符号が使用されている。
【0055】
上述した実施例においても、中仕切り部材N4が配設状態においては、図17に示されているように、中仕切り部材N4が、載置条片H7の上端h7及び載置条片H8の上端h8に載置されるように構成されている。また、中仕切り部材N4が収容状態においては、図18に示されているように、載置条片H7が、中仕切り部材N4に形成された載置条片収容切欠き部n6に挿入され、また、載置条片H8が、中仕切り部材N4に形成された載置条片収容切欠き部n7に挿入されるように構成されている。
【0056】
上述したように構成することにより、1つの運搬用容器C4に、複数の中仕切り部材N4を収納することができ、従って、中仕切り部材N4の保管管理が容易となる。
【符号の説明】
【0057】
C1〜C4・・・・・・・・・・・運搬用容器
c1、c2・・・・・・・・・・・支脚
p1、p2・・・・・・・・・・・ポケット
N1〜N4・・・・・・・・・・・中仕切り部材
S1・・・・・・・・・・・・・・幅狭ポケット・幅広支脚部
S2・・・・・・・・・・・・・・幅狭支脚・幅広ポケット部
1・・・・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・・・・・・・・短側壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中仕切り部材が水平状に配設される運搬用容器において、前記中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、前記載置条片の上端に載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項4】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項5】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項1】
中仕切り部材が水平状に配設される運搬用容器において、前記中仕切り部材が、運搬用容器の中程に位置する中仕切り部材の配設状態から、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器のポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
ネスティング或いはスタッキング可能な運搬用容器の側壁に、垂直状の載置条片を形成するとともに、中仕切り部材を、前記載置条片の上端に載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項4】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された突片載置ポケットの底面に、中仕切り部材に形成された突片を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記突片が、運搬用容器に形成された突片収容ポケットに挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項5】
ボックス型の運搬用容器の側壁に形成された載置条片に、中仕切り部材を載置することにより、前記中仕切り部材が配設状態となるように構成するとともに、前記中仕切り部材を、平面的に、180度回転させることにより、前記載置条片が、前記中仕切り部材に形成された載置条片収容切欠き部に挿入され、前記中仕切り部材が、運搬用容器の底部に近接する収容状態となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−143950(P2011−143950A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7664(P2010−7664)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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