説明

運搬装置

検体運搬装置は、使い捨て可能な格子棚が運搬体の中に挿入可能な状態で、開くことができる上面を有する再使用可能な運搬体を含む。格子棚は、直立して、間隔をあけた関係で、複数の検体瓶を支持するための複数の開口を含む。格子棚は、折りたたまれた形状で保管するために折りたたむことができる。少なくとも1つの区画が側壁と格子棚との間に配置され、少なくとも1つの氷の包みが検体を冷却するために区画の内部に配置可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に検体の取り扱いに関し、より詳細には、検体瓶の保管および運搬に関する。
【背景技術】
【0002】
毎年、米国のみで、5000万から1億の検尿運搬体が出ていると概算される。
大体、これらの検体の75から80%は無作為の検尿のためであり、言い換えれば、さらに検査するに値しない。
【0003】
適切な検体収集、運搬および取り扱いの重要性は、事前分析エラーをテストの中にさらに導くことを避けることである。
実験室の検体の任意のタイプにおいてあるように、これらの価値のある検体の適切な収集、運搬および取り扱いのための、従わねばならない必要なある基準(非常にまれにしか真剣に考えられないが)がある。これが、検体の適切な生物学的安定性およびより正確なテストの結果を保証する。
【0004】
様々な尿の収集方法および応用が今日、存在するので、テストの結果において、いかにして、どこで、うまくいかないのかを理解することが重大になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
検尿は、世界中で2番目に大きい臨床検査室テスト方法であり、そのような検体の日々の取り扱いおよび運搬は、何百万にもなる。常に、これらの多数の検体を衛生的に、科学的に取り扱うために、革新に対する無尽蔵な要求があるが、残念ながら、その要求を満たすために努力している会社はほとんどなく、これは、現在、最も大きい、最も十分にサービスを受けていない医療装置市場の1つのままであり、しかし、単に運搬中の不適切な取り扱いのために、それらが分析テストとして、もはや実験価値がない場合には、尿の検体に価値はない。
【0006】
研究から、一般に、60から70の尿検体が通常のプラスチックカップ容器で運搬されるとき、幅61.0センチメートル(2フィート)と長さ61.0センチメートル(2フィート)の大きさの大きな厚紙の箱が必要となる。この方法で運搬されるこれらの70の検体の平均重量は、3.63キログラム(8ポンド)から4.54キログラム(10ポンド)である。
【0007】
これらの容器は、常に、特別丈夫な黒いゴミのプラスチック袋にほり込まれて、全く無秩序に、ラブキャリヤによって運びさられる。任意の不適切に閉じられた容器は尿漏れを引き起こし、バルク容器の残りを汚し、湿らす結果となる。この最も非衛生的で、危ない「シナリオ」は、実験室に到着したとき、実験室の技術者によって直面される。次の行動は、さらにもっと不快である。分析を行うために、70の汚れた、湿った容器すべてを、1つずつ取り上げなければならない。ある場合には、これらのバルク容器の多くは、適切な実験技術者が、適切な時間にテストをするのを待ちながら、冷凍室内に積み重ねられる。そのようなタイプの不健康な環境を、これらの罪のない実験技術者に強制的に是認すべきではない。かれらの高貴な職業および貴重な生命も、健康管理企業管理者によって、尊重され、保護されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による運搬装置は、婦人の化粧箱に匹敵し、60から70の試料の注入器を運ぶことでき、それぞれが、任意の標準無作為検尿テストに十分な、検体10mlを収容する。70の検体に容器を加えた最大重量は、1.36キログラム(3ポンド)にすぎない。
【0009】
各試料は確実に格子棚の中にすべて直立した位置で挿入される。それらを収集の時間に従って、経時的に整えることさえもできる。
冷凍剤または冷却剤の板は、運搬期間の間、試料を保護するために、より生物学的に安定でより冷えた環境を生み出すように容器の内部の側部のポケットの中に挿入される。これらの冷凍剤の板は、再度、再使用されるために容易に再冷凍可能である。
【0010】
使い捨て可能な検体格子棚は、再利用厚紙材料から作られる。格子棚の底面部分は、不測の事態のために吸収性の特性をもつ。各格子棚は、折りたたまれた形状でコンパクトにして保管される。必要な場合には、試料格子棚を形成するために容易に組み立てられる。衛生基準を維持するために、各試料格子棚は、各テスト発送の後で、廃棄するように忠告されており、新しいものと容易に置き換えられる。
【0011】
運搬装置は、ブレイク・レジスタンス・プラスチック(BREAK−RESISTANCE plastic)から作られた運搬体を含む。それは、運搬体用の強い、人間工学的なハンドルをもつ。蓋の締結機構は容易で、効果的である。このバルク運搬装置の容器は再使用可能である。
【0012】
より詳細には、本発明による検体運搬装置は、一般に、底面と、直立した側壁と、開くことができる上面とをもつ再使用可能な運搬体を含む。
使い捨て可能な格子棚は、運搬体の中に挿入される大きさに作られ、直立して、間隔をあけた関係で複数の検体瓶を支持するために、複数の上面開口を備える上面を含む。格子棚は、折りたたみ可能な形状で保管するために折りたたみ可能である。折りたたみ可能な形状で保管される複数の使い捨て可能な格子棚は、本発明の一部である。
【0013】
少なくとも1つの区画が、上で注記されたように、より生物学的に安定でより冷えた環境を生み出すための氷の包みを受けるために、側壁の1つと格子棚との間に配置される。
上でも注記されたように、格子棚は、吸収性の底面を含み、好ましくは吸収性の厚紙材料から形成される。
【0014】
2つの対向する直立した端部は、格子棚の前記運搬体への挿入および格子棚のそれからの取り外しを容易にするために、格子棚の一部として提供され、この目的のために、指開口を直立した端部に提供することができる。
【0015】
検体瓶を開口内部で安定させるために、それぞれの開口は、分離可能なタブを備える絞りを含むことができる。
さらに、底面開口を備えることができ、各検体瓶の直立した位置を維持するために、上面開口と一直線に並べることができる。
【0016】
最後に、格子棚は、運搬体底面と間隔をあけた関係で格子棚底面を支持するために、脚部を含む。
本発明の利点および特徴は、添付の図面に関連してより十分に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1を参照すると、底面14と、直立した側壁16と、開くことができる上面18とを備える、ほぼ、長さ30.5センチメートル(12インチ)で幅20.3センチメートル(8インチ)の寸法でよい、再使用可能な運搬体を含む、本発明による検体運搬装置10が示される。
【0018】
図2を参照すると、側壁16は、直立して間隔をあけた関係で、例えば50から70の複数の検体瓶34を支持するために、複数の上面開口30を備える格子棚上面26を含む使い捨て可能な格子棚24を受けるのに十分な高さをもつ。
【0019】
格子棚24は、好ましくは、図3から5に示されるように、吸収性の厚紙材料から形成され、図6を参照すると、折りたたまれた形状で保管するために、折りたたみ線36に沿って、折りたたみ可能である。このようにして、複数の格子棚を、連続して、後で個々に組み立て、運搬体12の中に挿入するために、折りたたみ、コンパクトの方法で、すなわち、積み重ねて、保管することができる。
【0020】
格子棚は、任意の不注意による検体の漏れを吸収するために吸収性の底面40を含むことができ、隣接する検体瓶34の汚染を防止する。
瓶34を、格子棚24内にほぼ垂直に、または直立した方向に安定させ、維持する両方のために、格子棚底面40は、図3から5に示されるように、対応する上面開口30と一直線に並べられた、複数の底面開口42を含むこともできる。瓶34なしの格子棚24の独立した安定は、図7に示されるように、テープ44によって提供される。
【0021】
検体瓶34を格子棚24の内部にさらに安定させ、保持するために、上面開口30は、境界48から上面開口中心54に延びる分離可能なタブ50を備える各上面開口30を画定する外部境界48をもつ絞り46を含むことができる。
【0022】
検体瓶を挿入すると、タブ50が分離され、瓶34のそれぞれに一様な径方向、内向きの力をもたらす。
図2から6を参照すると、格子棚24は、運搬体12内に格子棚24の配置および取り外しを容易にするために、指開口64、66を含む直立した端部58、60を備えることができる。
【0023】
運搬装置10の容易な運搬を可能にするために、上面18を、ハンドル68に嵌合することができる。
上面18を、運搬体12の側壁16に蝶番70付けすることができ、上面18を側壁16に取り外し可能に施錠し上面18を薄くはがすために、締め具72、74が提供される。あるいは、追加の締め具(図示せず)を、側壁16から上面18を取り外すことを可能にするために使用することができる。
【0024】
図2から8を参照すると、格子棚24は、運搬体底面14と間隔をあけた関係で、格子棚底面38を支持するために、脚部78を含むことができる。
図8を参照すると、運搬体12は区画84、86を含み、運搬装置10は、検体瓶34のために、運搬装置10の内部に、冷却する、生物学的適合性のある環境を提供するために区画84、86の中に挿入可能な氷の包み90、92をさらに含む。
【0025】
本発明を有利に利用するための方法を示す目的のために、本発明による特定の運搬装置を上記に記載したが、本発明がこれに限定されるものでないことを理解されるべきである。すなわち、本発明は、列挙された要素を適切に含み、それらからなり、または本質的にそれらからなることができる。さらに、本明細書内で適切に、例示的に開示された本発明を、本明細書内で具体的に開示されない任意の要素なしで、実行することができる。したがって、当業者に考えつくことができる任意の、およびすべての修正、変更または等価な装置は、添付の請求の範囲で定義されたように、本発明の範囲の内部にあると考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】使い捨て可能な格子棚がその中に挿入され、ならびに複数の検体瓶および氷の包みを備える再使用可能な運搬体を全体として示す、本発明による運搬装置の斜視図である。
【図2】検体瓶を支持するためのその中に開口を備える上面、底面と、間隔をあけた関係で運搬体底面をもった格子棚を支持するための脚部と、それを掴むのを容易にするための直立した端部とをもつ広げられた位置での、図1の一部に示された格子棚の斜視図である。
【図3】折りたたまれた、および部分的に折りたたまれた格子棚の構造を示す図である。
【図4】折りたたまれた、および部分的に折りたたまれた格子棚の構造を示す図である。
【図5】折りたたまれた、および部分的に折りたたまれた格子棚の構造を示す図である。
【図6】節約された保管空間用のコンパクトな構造における、折りたたまれた格子棚の積み重ねを示す図である。
【図7】検体瓶を対応する開口の内部に安定させるためのタブの絞り構造を示す図である。
【図8】氷の包みを受けるための区画を示す図1に示された運搬装置の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体運搬装置であって、
底面と、直立した側壁と、開くことができる上面とをもつ再使用可能な運搬体と、
前記運搬体に挿入可能であり、直立して、間隔をあけた関係で複数の検体瓶を支持するために、複数の上面開口を備える上面をもつ使い捨て可能な格子棚であって、折りたたまれた形状で保管するために折りたたみ可能な格子棚と、
前記側壁の1つと、前記格子棚との間に配置された少なくとも1つの区画と、
前記区画の内部に配置可能な少なくとも1つの氷の包みとを含む検体運搬装置。
【請求項2】
前記格子棚が吸収性の底面を含む請求項1に記載の運搬装置。
【請求項3】
前記格子棚が厚紙材料から形成される請求項2に記載の運搬装置。
【請求項4】
前記格子棚が平らな折りたたまれた形状に折りたためる請求項3に記載の運搬装置。
【請求項5】
前記格子棚が前記運搬体への挿入およびそれからの取り外しを容易にするために、2つの対向する直立した端部を含む請求項4に記載の運搬装置。
【請求項6】
前記直立した端部が前記直立した端部を掴むために指開口を含む請求項5に記載の運搬装置。
【請求項7】
前記複数の上面開口のそれぞれが、対応する検体瓶をその中に安定させるために、分離可能なタブを備える絞りを含む請求項6に記載の運搬装置。
【請求項8】
前記それぞれの底面が、前記複数の検体瓶を支持するために複数の底面開口を含み、それぞれの底面開口が対応する上面開口と一直線に並ぶ請求項2に記載の運搬装置。
【請求項9】
前記運搬体底面が、前記運搬体底面と間隔をあけた関係で前記格子棚底面を支持するために、少なくとも1つの依存する部材を含む請求項8に記載の運搬装置。
【請求項10】
検体運搬装置であって、
底面と、直立した側壁と、開くことができる上面とをもつ再使用可能な運搬体と、
前記運搬体に挿入可能であり、直立して、間隔をあけた関係で複数の検体瓶を支持するために、複数の上面開口を備える上面をそれぞれがもつ複数の使い捨て可能な格子棚であって、折りたたまれた形状に、保管のために折りたたみ可能な格子棚と、
前記側壁の1つと、前記格子棚との間に配置された少なくとも1つの区画と、
前記区画の内部に配置可能な再使用可能な少なくとも1つの氷の包みとを含む検体運搬装置。
【請求項11】
各格子棚が吸収性の底面を含む請求項10に記載の運搬装置。
【請求項12】
各格子棚が厚紙材料から形成される請求項11に記載の運搬装置。
【請求項13】
各格子棚が平らな折りたたまれた形状に折りたためる請求項12に記載の運搬装置。
【請求項14】
各格子棚が前記運搬体への挿入およびそれからの取り外しを容易にするために、2つの対向する直立した端部を含む請求項13に記載の運搬装置。
【請求項15】
前記直立した端部が前記直立した端部を握るための指開口部を含む請求項14に記載の運搬装置。
【請求項16】
前記複数の上面開口のそれぞれが、対応する検体瓶をその中に安定させるために、分離可能なタブを備える絞りを含む請求項15に記載の運搬装置。
【請求項17】
それぞれの格子棚底面が、前記複数の検体瓶を支持するために複数の底面開口を含み、それぞれの底面開口が対応する上面開口と一直線に並ぶ請求項11に記載の運搬装置。
【請求項18】
前記それぞれが、運搬体底面と間隔をあけた関係で、前記格子棚底面を支持するために、脚部を含む請求項17に記載の運搬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−540300(P2009−540300A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514503(P2009−514503)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/070453
【国際公開番号】WO2007/143671
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506003174)
【Fターム(参考)】