説明

運用管理システム、監視装置、監視設定情報生成方法及びプログラム

【課題】被監視装置と、被監視装置から送られてくる動作情報に基づいて被監視装置の状態を監視する監視装置とを備えた運用管理システムにおいて、監視装置に設定する、過不足の無い監視設定情報を自動生成する。
【解決手段】分析設定蓄積部204には、被監視装置100-1〜100-nから送られてきた動作情報を分析して、被監視装置100-1〜100-nの状態を監視するための運用監視ルールが登録されている。設定知識蓄積部206には、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識とし蓄積されている。監視設定生成手段205は、分析設定蓄積部204に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、設定知識蓄積部206に蓄積されている設定知識の内の、上記運用監視ルール中の条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信サービス等を提供する機器の運用管理を支援する運用管理システムに関し、特に、被監視装置が監視設定情報に従って収集した自装置の動作情報を監視装置へ送信し、監視装置が被監視装置から送られてきた動作情報に基づいて被監視装置の状態を監視する運用管理システムにおいて、被監視装置に設定する監視設定情報を容易に最適化することができる監視設定情報生成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信サービスの社会インフラ化に伴い、システムの安定運用が極めて重要な課題となっており、ハードウェアあるいはソフトウェアを一元的に状態監視し制御する運用管理システムが実用化されつつある。従来の運用管理システムとしては、例えば、次のようなものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1に記載されている従来の運用管理システムでは、被監視装置が、監視項目や監視周期が定義された監視設定情報に従って自装置の動作情報を収集して監視装置へ送信し、監視装置が被監視装置から送られてきた動作情報に従って被監視装置の状態(正常か否か)を監視するようにしている。また、特許文献2に記載されている従来の技術では、被監視装置が動作情報を監視装置へ送信し、監視装置が被監視装置から送られてきた動作情報を運用監視ルールに従って分析することにより、被監視装置の状態を監視するようにしている。
【0003】
一方、ポリシーと機器構成情報とに基づいて、機器に対する設定情報を自動生成する技術が従来から提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
【0004】
特許文献3に記載されている従来の技術は、ルータに対してトンネリング設定を行うためのトンネル設定情報を、ポリシーと機器構成情報とに基づいて自動生成するものである。また、特許文献4に記載されている従来の技術は、ストレージ装置の機器構成情報と、ユーザが入力したポリシーとから、ポリシーを満たすストレージ機器の設定の組み合わせを自動生成するものである。
【0005】
【特許文献1】特開2004−199143号公報
【特許文献2】特開2005−346331号公報
【特許文献3】特開2000−216780号公報
【特許文献4】特開2003−303052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されている従来の技術では、監視設定情報の生成を人手により行っている。より具体的には、管理者が表示装置に表示された監視項目一覧の中から監視対象にする項目を選択し、表示装置に表示されたスケジュール表に監視間隔を記入することにより、監視設定情報を生成するようにしている。このように、特許文献1に記載されている従来の技術では、人手により監視設定情報を生成しているため、監視設定情報の生成に多くの手間がかかるという問題があると共に、監視項目に過不足が生じる場合があるという問題があった。
【0007】
一方、特許文献3、4に記載されている従来の技術によれば、トンネル設定情報、ストレージ装置の組み合わせを自動生成することはできるが、監視設定情報を生成することはできない。また、特許文献2には、監視設定情報の生成方法については、全く記載されていない。
【0008】
〔発明の目的〕
そこで、本発明の目的は、過不足の無い監視設定情報を自動生成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる第1の運用管理システムは、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、該分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段とを含む監視装置を備え、且つ、
前記被監視装置が、前記監視設定生成手段で生成された監視設定情報に従って自装置の動作情報を検出して前記監視装置へ送信することを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる第2の運用管理システムは、第1の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする。
【0011】
本発明にかかる第3の運用管理システムは、第1または第2の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、前記監視設定生成手段が生成した監視設定情報を前記被監視装置へ送信する送信手段を備え、
前記被監視装置が、前記監視装置から送られてきた監視設定情報を監視設定蓄積部に格納する受信手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる第4の運用管理システムは、
複数台の被監視装置と、1台の監視装置とを備え、
前記監視装置が、
前記被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、
前記各被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部と、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段とを備え、且つ、
前記特定被監視装置が、前記監視設定生成手段で生成された監視設定情報に従って自装置の動作情報を検出して前記監視装置へ送信することを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる第5の運用管理システムは、第4の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、
前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる第6の運用管理システムは、第5の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる第7の運用管理システムは、第2〜第6の何れかの運用管理システムにおいて、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする。
【0016】
本発明にかかる第1の監視装置は、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、該分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる第2の監視装置は、第1の監視装置において、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる第3の監視装置は、第1または第2の監視装置において、
前記監視設定生成手段が生成した監視設定情報を前記被監視装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる第4の監視装置は、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、
複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部と、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる第5の監視装置は、第4の監視装置において、
前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる第6の監視装置は、第5の監視装置において、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明にかかる第7の監視装置は、第2〜第6の何れかの監視装置において、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる第1の監視設定情報生成方法は、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部を備えた監視装置が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成ステップを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明にかかる第2の監視設定情報生成方法は、第1の監視設定情報生成方法において、
前記監視装置が、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
監視設定生成ステップにおいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする監視設定情報生成方法。
【0025】
本発明にかかる第3の監視設定情報生成方法は、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部とを備えた監視装置が、前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成ステップを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明にかかる第4の監視設定情報生成方法は、第3の監視設定情報生成方法において、
前記監視装置が、前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成ステップでは、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時に、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する処理と、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する処理とを行うことを特徴とする。
【0027】
本発明にかかる第5の監視設定情報生成方法は、第2〜第4の何れかの監視設定情報生成方法において、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする監視設定情報生成方法。
【0028】
本発明にかかる第1のプログラムは、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部を備えたコンピュータを、
前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段として機能させる。
【0029】
本発明にかかる第2のプログラムは、第1のプログラムにおいて、
前記コンピュータが、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする。
【0030】
本発明にかかる第3のプログラムは、
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部とを備えたコンピュータを、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段として機能させる。
【0031】
本発明にかかる第4のプログラムは、第3のプログラムにおいて、
前記コンピュータが、前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とする。
【0032】
本発明にかかる第5のプログラムは、第4のプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段として機能させる。
【0033】
本発明にかかる第6のプログラムは、第2〜第5のプログラムにおいて、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする。
【0034】
〔作用〕
分析設定蓄積部には、被監視装置から送られてきた動作情報を分析して、被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが登録されている。監視設定生成手段は、分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて被監視装置に設定する監視設定情報を生成する。より具体的には、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部が設けられており、監視設定生成手段は、分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、上記運用監視ルール中の条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する。設定知識蓄積部に蓄積される設定知識は、コマンド及びその実行周期であり、これらの情報を設定するためにはノウハウが必要である。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、過不足の無い監視設定情報を自動生成することができるという効果を得ることができる。その理由は、分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて、被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段を備えているからである。即ち、運用監視ルールは、管理者が何をどのように分析したいかという意図に従って作成されるものであるため、運用監視ルールに基づいて監視設定情報を生成することにより、必要十分な監視設定情報を生成することができる。
【0036】
更に、本発明では、運用監視ルールを利用して監視設定情報を自動生成しているので、監視設定情報を自動生成するためのルール(監視設定情報自動生成ルール)を新たに作成する必要がないという効果を得ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
〔第1の実施の形態の構成の説明〕
図1は本発明にかかる運用管理システムの第1の実施の形態の構成例を示すブロック図であり、複数台の被監視装置100−1〜100−nと、監視装置200とから構成されており、それらはインターネット等のネットワーク300を介して相互に接続されている。
【0039】
被監視装置100−1は、コンピュータによって実現されるものであり、サービス実行手段101と、動作情報検出手段102と、監視設定蓄積部103と、動作情報送信手段104と、受信手段105とを備えている。なお、他の被監視装置100−2〜100−nも被監視装置100−1と同様の構成を備えている。
【0040】
サービス実行手段101は、情報通信サービス等のサービスを提供する機能を有する。
【0041】
監視設定蓄積部103には、どのような監視項目について、どのような頻度でサービス実行手段101の動作情報を収集するのかを示す監視設定情報が登録されている。図2は、監視設定蓄積部103の内容例を示す図であり、複数の監視設定情報が格納されている。各監視設定情報には、それを一意に識別するための番号と、実行するコマンドと、コマンドの実行結果を返却する際の属性と、コマンドの実行周期とが設定されている。
【0042】
番号「1」の監視設定情報は、監視対象の状態を識別するコマンド“STAT”を60秒周期で実行し、その実行結果を真偽値(BOOL)で返却することを示している。監視対象は、コマンド“STAT”の後ろの括弧内に記述された「service,websvr01」によって示される、名前「websvr01」のサービス実行手段となる。なお、本実施の形態では、名前「websvr01」は、被監視装置100−1内のサービス実行手段101に付与されているサービス実行手段名であるとする。
【0043】
番号「2」の監視設定情報は、計数対象の数を数えるコマンド“COUNT”と、同じ接続元から複数の接続があった場合に1つにまとめるコマンド“PACK”とを20秒周期で行い、その結果を整数値(INTEGER)で返却することを示している。なお、計数対象は、コマンド“PACK”の後ろの括弧内に記述された「client.num」によって表される、接続されているクライアントとなる。
【0044】
番号「3」の監視設定情報は、監視対象の性能を監視するコマンド“MONITOR”を1分周期で実行し、その結果を百分率(PERCENTAGE)で返却することを示している。なお、監視対象は、コマンド“MONITOR”の後ろの括弧内に記述されている「cpu.total.percentage」によって表される、CPUとなる。
【0045】
動作情報検出手段102は、監視設定蓄積部103に蓄積されている監視設定に従ってサービス実行手段101の動作情報を検出し、検出した動作情報を動作情報送信手段104に渡す機能を有する。
【0046】
図3は、動作情報の一例を示す図であり、検出日時を示すタイムスタンプと、検出元の被監視装置を示すソースと、監視対象と、返却値とを含んでいる。図3に示した動作情報は、検出日時が2006年5月9日13時54分00秒、検出元が名前「HK1」によって表される被監視手段100−1、監視対象がCPU1、返却値が80%であることを示している。なお、本実施の形態では、各被監視装置100−1〜100−nには、被監視装置名「HK1〜HKn」が付与されているとする。
【0047】
動作情報送信手段104は、動作情報検出手段103から渡された動作情報をネットワーク300を介して監視装置200へ送信する機能を有する。
【0048】
受信手段105は、監視装置200から送られてきた監視設定情報を受信し、監視設定蓄積部103に登録する機能を有する。
【0049】
このような機能を有する被監視装置100−1は、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合は、例えば、次のようにする。コンピュータを被監視装置100−1として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って、自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、サービス実行手段101、動作情報検出手段102、動作情報送信手段104及び受信手段105を実現する。
【0050】
監視装置200は、被監視装置100−1〜100−nから送られてくる動作情報に基づいて、各被監視装置100−1〜100−nの状態を監視する装置であり、動作情報収集手段201と、動作情報蓄積部202と、動作分析手段203と、分析設定蓄積部204と、監視設定生成手段205と、設定知識蓄積部206と、設定情報蓄積部207と、送信手段208と、キーボード等の入力装置209と、LCD等の表示装置210とを備えている。
【0051】
動作情報収集手段201は、各被監視装置100−1〜100−nから送られてきた動作情報を受信し、ディスク装置などによって実現される動作情報蓄積部202に蓄積する機能を有する。
【0052】
分析設定蓄積部204には、動作情報蓄積部202に蓄積されている動作情報に基づいて、各被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが登録されている。
【0053】
図4は、分析設定蓄積部204の内容例を示す図であり、この例では、各被監視装置100−1〜100−nの被監視装置名HK1〜HKnに対応付けて、各被監視装置100−1〜100−nの状態(正常か否か)を監視するための運用監視ルールが登録されている。
【0054】
各運用監視ルールは、それぞれ番号と、判定条件と、対処指定とを含んでいる。
【0055】
番号は、運用監視ルールを一意に識別するためのものである(被監視装置名との組み合わせで一意に識別できれば良い)。
【0056】
判定条件は、どのような動作情報が発生したときに、被監視装置に障害が発生したと判定するのかを示すものであり、動作情報に含まれる文字列や、動作情報の発生元や、動作情報に含まれている数値と閾値との大小比較などによって指定できる。
【0057】
対処指定は、判定条件が満たされたときに、どのような処理を行うのかを示すものである。
【0058】
図4の番号「1」の運用監視ルールは、2つの判定条件「SERVICE==WEB;提供しているサービスの種類がWebである機器」、「WEBCLIENT>100;アクセスしているクライアントが100台を超過」を含んでおり、この2つの判定条件が共に成立したとき、対処指定によって指定されいる処理「MAILTO(WEBADMIN);Web管理者への通報」及び「ADDSERVER(1);Webのサービスを提供する機器を1台増設」を実施することを表している。
【0059】
図4の番号「2」の運用監視ルールは、2つの判定条件「GROUP==BIZ1;管理者が分類のために設定している、サービス実行手段のグルーピングによるグループ名が “BIZ1" である機器」、「CPULOAD>80%;機器のCPU使用率が80%を超過」を含んでおり、この2つの判定条件が共に成立したとき、対処指定によって指定されている処理「MAILTO(BIZADMIN);業務管理者へのメールによる通報;」を実施することを表している。
【0060】
図4の番号「3」の運用監視ルールは、1個の判定条件「EVENTSTATE!=NORMAL;機器から発生したイベントの状態が “NORMAL"(正常) 以外」を含み、その条件が成立したとき、「LOG(logfile);logfileというファイルに対するログ出力」を実施することを表している。
【0061】
動作分析手段203は、分析設定蓄積部204に蓄積されている運用監視ルールに従って、動作情報蓄積部202に蓄積されている動作情報を解析することにより、被監視装置の状態を監視する機能を有する。
【0062】
監視設定生成手段205は、分析設定蓄積部204に登録されている運用監視ルールと、設定知識蓄積部206に蓄積されている設定知識とに基づいて、被監視装置100−1〜100−nに設定する監視設定情報を生成する機能を有する。監視設定生成手段205によって生成された監視設定情報は、ディスク装置などによって実現される設定情報蓄積部207に蓄積される。なお、設定情報蓄積部207は、各被監視装置100−1〜100−n毎の領域を有し、監視設定生成手段205は、或る被監視装置100−k(1≦k≦n)の監視設定情報を生成した場合には、被監視装置100−k用の領域に生成した監視設定情報を登録する。
【0063】
設定知識蓄積部206には、監視設定生成手段205が分析設定蓄積部204に蓄積されている運用監視ルールに応じた監視設定情報を生成する際に必要になる情報が登録されている。より具体的には、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報(コマンド、返却値の属性、コマンドの実行周期)が、設定知識として登録されている。判定条件の種別は、判定条件の分析項目(例えば、サービス種別、オブジェクト数、パフォーマンスなど)によって大きく分類され、更に、分析内容(例えば、サービス種別がWebであるか否か、クライアント数が閾値を超えるか、CPU使用率が閾値を超えるかなど)によって細かく分類される。即ち、判定条件の種別は、分析項目と分析内容とによって決まる。
【0064】
例えば、図4に示した番号「1」の運用監視ルール中の第1番目の判定条件「SERVICE==WEB」の種別は、監視項目「サービス種別」と監視内容「Webか否か」との組み合わせに対応した種別となる。また、第2番目の判定条件「WEBCLIENT>100」の種別は、監視項目「オブジェクト数」と監視内容「クライアント数が閾値を超えるか」との組み合わせに対応した種別となる。
【0065】
図5は、設定知識蓄積部206の内容例を示した図である。蓄積エリア501には、分析項目が「サービス種別」である判定条件についての設定知識が、分析内容毎に蓄積され、蓄積エリア502には、分析項目が「オブジェクト数」である判定条件に関する設定知識が、分析内容毎に蓄積されている。
【0066】
蓄積エリア501に蓄積されている設定知識503は、分析項目が「サービス種別」、分析内容が「Webか否か」である判定条件に関する設定知識である。この設定知識503には、コマンド(command)「STAT(service,node)」と、属性(attrib)「BOOL」と、周期(timer)「60sec」が設定されている。
【0067】
コマンド「STAT(service,node)」は、「node」部分に名前が記入されたサービス実行手段が提供しているWebのサービスの状態を返すためのコマンドである。属性「BOOL」は、コマンドの実行結果を、結果を真偽値「BOOL」型で返却することを示す。また、周期「60sec」は、監視間隔すなわちコマンドの実行周期が60秒であることを示す。
【0068】
送信手段208は、監視設定生成手段205が生成し、設定情報蓄積部207に蓄積した監視設定情報を、該当する被監視装置へ送信する機能を有する。
【0069】
このような機能を有する監視装置200は、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合には、例えば、次のようにする。コンピュータを監視装置200として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って、自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、動作情報収集手段201、動作分析手段203、監視設定生成手段205、送信手段208を実現する。
【0070】
〔第1の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。なお、動作情報の収集時の動作及び動作情報の分析時の動作は、従来の技術と同様であるので、ここでは、監視設定情報の生成時の動作について説明する。
【0071】
監視システム200の管理者は、被監視装置(例えば、被監視装置100−1)に設定する監視設定情報を生成する場合、入力装置209から監視設定生成手段205に対して、監視設定生成指示を入力する。この監視設定生成指示には、監視設定情報の生成対象にしている被監視装置100−1の装置名「HK1」が含まれている。
【0072】
監視設定生成手段205は、被監視装置100−1の装置名「HK1」を含んだ監視設定生成指示が入力されると、分析設定蓄積部204に蓄積されている各被監視装置100−1〜100−nの運用監視ルールの内の、被監視装置100−1の運用監視ルール(図4の被監視装置名HK1に対応付けて登録されている番号1〜kの運用監視ルール)を処理対象にして、図6のフローチャートに示す処理を行う。
【0073】
先ず、監視設定生成手段205は、処理対象にしている被監視装置100−1の運用監視ルールの内の1つに注目する(ステップS61)。その後、監視設定生成手段205は、注目した運用監視ルールを解析し、そこに記述されている判定条件を抽出する(ステップS62,S63)。今、例えば、番号「1」の運用監視ルールに注目したとすると、2つの判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」を抽出することになる。
【0074】
その後、監視設定生成手段205は、図7に示すような分類テーブル7を参照し、ステップS63で抽出した各判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」の種別を求める(ステップS64)。
【0075】
分類テーブル7は、監視設定生成手段205内あるいは設定知識蓄積部206内に設けられており、判定条件の分類ルールが登録されている。分類ルールには、それを一意に識別するための番号と、分類条件と、分析項目と分析内容との組み合わせによって決まる判定条件の種別とが格納されている。分類条件には、その分類ルールを適用する判定条件が満たすべき条件が設定される。この条件は、判定条件に含まれる文字列などを用いて指定することができる。
【0076】
上記した2つの判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」の内、第1番目の判定条件は、文字列SERVICE==WEBを含んでおり、図7に示した番号「1」の分類ルールにマッチするので、種別を示す分析項目、分析内容としてそれぞれ「SERVICE(サービス種別)」、「WSG(Webか否か)」が取得される。また、第2番目の判定条件「WEBCLIENT>100」は、文字列「WEBCLIENT>」を含んでおり、図7に示した番号「2」の分類ルールにマッチするので、種別を示す分析項目、分析内容としてそれぞれ「COUNT(オブジェクト数)」、「CLIENT(クライアント数)」が取得される。
【0077】
その後、監視設定生成手段205は、ステップS64で求めた判定条件の種別をキーにして設定知識蓄積部206を検索し、該当する設定知識を取得する(ステップS65)。
【0078】
例えば、判定条件「SERVICE==WEB」は、その種別を示す分析項目、分析内容がそれぞれ「SERVICE(サービス種別)」、「WSG(Webか否か)」であるので、それをキーにして設定知識蓄積部206を検索することにより、「command=STAT(service,node)」、「attrib=BOOL」、「timer=60sec」を取得することになる(図5の設定知識503)。更に、判定条件「WEBCLIENT>100」についても、その種別を示す分析項目「COUNT」、分析内容「CLIENT」をキーにして設定知識蓄積部206を検索し、「command=COUNT(PACK(client.num)」、「attrib=INTEGER」、「timer=20sec」を取得する。
【0079】
その後、監視設定生成手段205は、ステップS65で取得した設定知識に基づいて、被監視装置100−1に設定する監視設定情報を生成し(ステップS66)、再び、ステップS61の処理に戻る。
【0080】
ここで、ステップS66で行う処理について、詳しく説明する。先ず、監視設定生成手段205は、ステップS65で取得した設定知識を含んだ、図8に示すような監視設定情報生成画面8を表示装置210に表示する。図8に示した監視設定情報生成画面8には、ステップS65で取得した、判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」に対応する設定知識81,82と、OKボタン83とが設けられている。
【0081】
管理者は、図8に示すような、監視設定情報生成画面8が表示されると、表示されている設定知識81、82に不十分な箇所があるか否かを調べる。そして、不十分な箇所がなかった場合には、OKボタン83を操作する。これに対して、不十分な箇所があった場合には、入力装置209を用いて修正した後、OKボタン83を操作する。図8の例では、設定知識81中の「node」となっている箇所84には、被監視装置100−1内のサービス実行手段101の名前「websvr01」を設定しなければならないので、管理者は、「node」を「websvr01」と書き替えた後、OKボタン83を操作する。
【0082】
監視設定生成手段205は、OKボタン83が操作されると、修正後の設定知識81に基づいて、判定条件「SERVICE==WEB」に対応する監視設定情報「コマンド;STAT(sirvice,websvr01)、属性;BOOL、周期;60sec」作成し、更に、設定知識82に基づいて、判定条件「WEBCLIENT>100」に対する監視設定情報「コマンド;COUNT(PACK(client.num))、属性;INTEGER、周期;20sec」を作成する。その後、作成した監視設定情報を、被監視装置100−1に対する監視設定情報として設定情報蓄積部206に登録する。以上が、ステップS66で行う処理の詳細である。
【0083】
ステップS66の処理が終了すると、監視設定生成手段205は、次の運用監視ルールに注目し、前述した処理と同様の処理を行う。そして、被監視装置100−1の運用監視ルールの中に、未注目の運用監視ルールがなくなると(ステップS62がNo)、送信手段208に対して、監視設定情報の送信指示を出力する(ステップS67)。この送信指示には、被監視装置100−1の装置名「HK1」が含まれている。
【0084】
送信手段208は、監視設定生成手段205から送信指示が入力されると、設定情報蓄積部207に蓄積されている、被監視装置100−1用の監視設定情報を被監視装置100−1へ送信する。この監視設定情報は、ネットワーク300を介して被監視装置100−1へ送られ、被監視装置100−1内の受信手段105は、監視装置200から送られてきた監視設定情報を監視設定蓄積部103に蓄積(上書き)する。
【0085】
なお、以上の説明では、被監視装置100−1に設定する監視設定情報を生成する場合を例に挙げて説明を行ったが、他の被監視装置100−2〜100−nに設定する監視設定情報も同様の方法で生成することができる。
【0086】
〔第1の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、過不足の無い監視設定情報を自動生成することができるという効果を得ることができる。その理由は、分析設定蓄積部204に蓄積されている運用監視ルールに基づいて、被監視装置装置100−1〜100−nに設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段205を備えているからである。即ち、運用監視ルールは、管理者が何をどのように分析したいかという意図に従って作成されるものであるため、運用監視ルールに基づいて監視設定情報を生成することにより、必要十分な監視設定情報を生成することができる。
【0087】
更に、本実施の形態では、運用監視ルールを利用して監視設定情報を自動生成しているので、監視設定情報を自動生成するためのルール(監視設定情報自動生成用ルール)を新たに作成する必要がないという効果を得ることもできる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、被監視装置に設定する監視設定情報を最適化することができるという効果を得ることもできる。その理由は、監視設定情報を生成する際に必要になるコマンド及びその実行周期が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部206を備え、監視設定生成手段205が設定知識蓄積部206に蓄積されている設定知識を利用して、被監視装置に設定する監視設定情報を生成するようにしているからである。ここで、監視設定情報が最適化されていないと、以下に述べる問題が生じるが、本実施の形態では、被監視装置に設定する監視設定情報を最適化できるので、そのような問題は生じない。まず、被監視装置において、多くの監視項目についての動作情報を短い周期で収集して監視装置へ送信するようにすると、被監視装置に障害が発生した際の原因分析を詳細かつ容易に行うことが可能になる。しかし、このようにした場合には、監視装置に多くの動作情報が送られてくるため、監視装置において動作情報を処理するために多くのシステムリソースが必要になるという問題が生じる。他方、これとは反対に、監視項目数を少なくし、かつ監視周期を長くすると、監視装置に送られてくる動作情報が少なくなるため、監視装置において動作情報を処理するために必要になるシステムリソースを少なくすることができる。しかし、このようにした場合には、被監視装置に発生した障害を迅速に検出できなくなる場合があるという問題が生じる。
【0089】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明にかかる運用管理システムの第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、被監視装置が監視対象にしているサービス実行手段の構成情報も利用して、被監視装置に設定する監視設定情報を生成するようにしたことを特徴とする。
【0090】
図9は本実施の形態の構成例を示すブロック図であり、図1に示した第1の実施の形態との相違点は、被監視装置100−1〜100−nの代わりに被監視装置100−1a〜100−naを備えている点、及び監視装置200の代わりに監視装置200aを備えている点である。
【0091】
被監視装置100−1aは、受信手段105の代わりに被監視側共有情報同期手段106を備えている点と、構成情報収集手段107が追加されている点が、第1の実施の形態における被監視装置100−1と相違している。なお、他の被監視装置100−2a〜100−naも被監視装置100−1aと同様の構成を有している。
【0092】
構成情報収集手段107は、被監視装置100−1aが監視対象にしているサービス実行手段101の構成情報を収集する機能を有する。構成情報には、サービス実行手段101の物理的な構成を示す物理構成情報と、論理的な構成を示す論理構成情報とが含まれる。物理構成情報には、サービス実行手段101を構成する記憶装置や演算装置などといった部品を示す情報や、それがどこに設置されているかを示す情報などが含まれる。また、論理構成情報には、サービス実行手段101が提供しているサービスの種類を示す情報などが含まれる。
【0093】
被監視側共有情報同期手段106は、構成情報収集手段107がサービス実行手段101から収集した構成情報を監視装置200aに送信する機能や、監視装置200aから送られてきた監視設定情報を監視設定蓄積部103に登録する機能や、被監視装置100−1aの管理者によって監視設定蓄積部103に蓄積されている監視設定情報が変更されたとき、変更後の監視設定情報を監視装置200aへ送信する機能を有する。
【0094】
このような機能を有する被監視装置100−1aは、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合には、例えば、次のようにする。コンピュータを被監視装置100−1aとして機能させるためのプログラムを記録したディスク,半導体メモリ,その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、動作情報検出手段102、動作情報送信手段104、被監視側共有情報同期手段106及び構成情報収集手段107を実現する。
【0095】
監視装置200aは、分析設定蓄積部204の代わりに分析設定蓄積部204aを備えている点、監視設定生成手段205の代わりに監視設定生成手段205aを備えている点、送信手段208の代わりに監視側共有情報同期手段211を備えている点、及び構成情報蓄積部212が追加されている点が図1に示した監視装置200と相違している。
【0096】
分析設定蓄積部204aには、番号、判定条件および対処指定から構成される運用監視ルールが蓄積されている。第1の実施の形態の分析設定蓄積部204には、図4に示すように、被監視装置毎に運用監視ルールが登録されているが、本実施の形態の分析設定蓄積部204aには、図10に示すように、運用管理システムで使用される全ての運用監視ルールが、まとめて登録されている。このようにすることにより、重複した運用監視ルールが蓄積されることがなくなるので、分析設定蓄積部204aの容量を低減することができる。
【0097】
監視設定生成手段205aは、設定対象判定部2051を備えている点が第1の実施の形態の監視設定生成手段205との大きな違いである。本実施の形態では、分析設定蓄積部204aに、運用管理システムで使用する運用監視ルールがまとめて登録されている。このため、ある被監視装置100−ka(1≦k≦n)に設定する監視設定情報を生成する際、分析設定蓄積部204aに登録されている全ての運用監視ルールに対して監視設定情報を生成すると、上記ある被監視装置100−kaでは不要な監視設定情報が生成されてしまう場合がある。例えば、上記被監視装置100−kaが監視対象にしているサービス実行手段がWebサービスを提供していない場合に、図10の番号「1」の運用監視ルールに対応した監視設定情報を生成しても無駄である。そこで、本実施の形態では、被監視装置100−kaが監視対象にしているサービス実行手段の構成情報に基づいて、監視設定情報を生成することが必要な運用監視ルールを判定する設定対象判定部2051を設けている。
【0098】
構成情報蓄積部212には、各被監視装置100−1a〜100−naが監視対象にしているサービス実行手段の構成情報が、被監視装置100−1a〜100−na毎に登録されている。図11は構成情報蓄積部212の内容例を示す図である。同図の例では、被監視装置100−1a〜100−naの名前HK1〜HKnに対応付けて、その被監視装置が監視対象にしているサービス実行手段の構成情報が登録されている。例えば、被監視装置100−1aが監視対象にしているサービス実行手段の構成情報は、名前が「websvr01」のサービス実行手段がWebサービスを提供し、名前が「CPU11,CPU12」の2個のCPUを備えていることを示している。
【0099】
監視側共有情報同期手段211は、各被監視装置100−1a〜100−naから送られてきた構成情報を構成情報蓄積部212に登録する機能や、各被監視装置100−1a〜100−naから送られてきた監視設定情報を設定情報蓄積部207に登録する機能や、監視設定生成手段205aが生成した被監視装置100−kaの監視設定情報を、被監視装置100−1〜100−kaへ送信する機能を有する。
【0100】
このような機能を有する監視装置200aは、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合には、例えば、次のようにする。コンピュータを監視装置200aとして機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に動作情報収集手段201、動作分析手段203、監視設定生成手段205a、及び監視側共有情報同期手段211を実現する。
【0101】
〔第2の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について説明する。なお、動作情報の収集時の動作及び動作情報の分析時の動作は、従来の技術と同様であるので、ここでは、監視設定情報の生成時の動作について説明する。
【0102】
監視装置200aの管理者は、被監視装置(例えば、被監視装置100−1a)に設定する監視設定情報を生成する場合、先ず、入力装置209を用いて、監視設定生成手段205aに対して、設定情報蓄積部207に設けられている各被監視装置100−1a〜100−na用の領域の内、監視設定情報の生成対象にしている被監視装置100−1a用の領域を初期化することを指示する。これにより、監視設定生成手段205aは、被監視装置100−1a用の領域を初期化する。
【0103】
その後、管理者は、入力装置209から監視設定生成手段205aに対して、監視設定生成指示を入力する。この監視設定生成指示には、監視設定情報の生成対象にしている被監視装置100−1aの装置名「HK1」が含まれている。
【0104】
これにより、監視設定生成手段205aは、分析設定蓄積部204aに蓄積されている運用監視ルールを処理対象にして図12のフローチャートに示す処理を行う。
【0105】
監視設定生成手段205aは、先ず、分析設定蓄積部204aに登録されている運用監視ルールの内の1つに注目する(ステップS1201)。その後、監視設定生成手段205aは、注目した運用監視ルールを解析し、そこに記述されている判定条件を抽出する(ステップS1203)。今、例えば、図10に示した運用監視ルールの内の、番号「1」の運用監視ルールに注目したとすると、2つの判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」を抽出することになる。
【0106】
その後、監視設定生成手段205aは、図7に示すような分類テーブル7を参照し、ステップS1203で抽出した各判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」の種別を求める(ステップS1204)。種別は、前述したように、分析項目と分析内容との組み合わせによって表されるものであり、判定条件「SERVICE==WEB」の種別を示す分析項目,分析内容として「SERVICE(サービス種別)」、「WSG(Webか否か)」が求められ、判定条件「WEBCLIENT>100」の種別を示す分析項目、分析内容として「COUNT(オブジェクト数)」、「CLIENT(クライアント数)」が求められる。
【0107】
その後、監視設定生成手段205a内の設定対象判定部2051が、ステップS1204で求めた判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」の種別と、構成情報蓄積部212に蓄積されている、被監視装置100−1aが監視対象にしているサービス実行手段101の構成情報とに基づいて、上記判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」に対応する監視設定情報を生成する必要があるか否かを判断する(ステップS1205)。今、例えば、構成情報蓄積部212の内容が、図11に示すものであるとすると、被監視装置100−1aの装置名HK1に対応付けて、構成情報「サービス実行手段(websvr01)がWebサービスを提供」が登録されているので、上記判定条件「SERVICE==WEB」、「WEBCLIENT>100」に対応する監視設定情報を生成することが必要であると判定する。
【0108】
そして、生成することが必要ないと判定した場合(ステップS1205がNo)は、次の運用監視ルールに注目する(ステップS1201)。
【0109】
これに対して、生成することが必要であると判定した場合(ステップS1205がYes)は、ステップS1204で求めた判定条件の種別をキーにして設定知識蓄積部206を検索し、該当する設定知識を取得する(ステップS1206)。設定知識蓄積部206の内容が、例えば、図5に示すものであるとすると、判定条件「SERVICE==WEB」に対する設定知識として、「command=STAT(service,node)」、「attrib=BOOL」、「timer=60sec」が検索される。また、判定条件「WEBCLIENT>100」についても、設定知識として、例えば、「command=COUNT(PACK(client.num)」、「attrib=INTEGER」、「timer=20sec」が検索される。
【0110】
その後、設定対象判定部2051は、設定知識「command=STAT(service,node)」の「nood」部分に埋め込む装置名を、構成情報蓄積部212から取得する(ステップS1207)。すなわち、被監視装置名HK1に対応付けて登録されている番号が「1」の構成情報から、サービス実行手段の装置名「WEBSVR01」を取得する。
【0111】
その後、監視設定生成手段205aは、ステップS1206で取得した設定知識と、ステップS1207で取得したサービス実行手段の装置名「WEBSVR01」とに基づいて、監視設定情報を生成する(ステップS1208)。これにより、例えば、判定条件「SERVICE==WEB」に対応する監視設定情報として「コマンド;STAT(service,websvr01)、属性;BOOL、周期;60sec」が生成され、判定条件「WEBCLIENT>100」に対する監視設定情報として「コマンド;C0UNT(PACK(client.num))、属性;INTEGER、周期;20sec」が生成される。
【0112】
その後、監視設定生成手段205aは、今回生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が、設定情報蓄積部207に蓄積されているか否かを調べる(ステップS1209)。即ち、今回生成した監視設定情報と、コマンド及び属性が同じ監視設定情報が設定情報蓄積部207に登録されているか否かを調べる。
【0113】
そして、重複する監視設定情報が存在しないと判定した場合(ステップS1209がNo)には、設定情報蓄積部207に設けられている各被監視装置100−1a〜100−na用の領域の内の、現在処理対象にしている被監視装置100−1a用の領域に今回生成した監視設定情報を登録し(ステップS1210)、その後、次の運用監視ルールに注目する(ステップS1201)。
【0114】
これに対して、重複する監視設定情報が存在すると判定した場合(ステップS1209がYes)は、重複している監視設定情報それぞれについて重複解消処理を行った後(ステップS1211)、次の運用監視ルールに注目する(ステップS1201)。
【0115】
ここで、ステップS1211で行う重複解消処理について、図13のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0116】
重複解消処理においては、先ず、今回生成した監視設定情報中の周期T1と、重複する既存の監視設定情報中の周期T2とを比較する(ステップS131)。
【0117】
そして、T1≧T2の場合(ステップS132がNo)は、処理を終了する。即ち、今回生成した監視設定情報は破棄する。これに対して、T1<T2の場合(ステップS132がYes)は、重複する既存の監視設定情報を、設定情報蓄積部207から削除する(ステップS133)。
【0118】
その後、削除した既存の監視設定情報が、現在処理対象にしている被監視装置100−1aの監視設定情報なのか否かを判断する(ステップS134)。
【0119】
そして、削除した既存の監視設定情報が、被監視装置100−1aの監視設定情報であった場合(ステップS134がNo)は、今回生成した監視設定情報を、設定情報蓄積部207に設けられている被監視装置100−1a用の領域に登録し(ステップS135)、その後、処理を終了する。
【0120】
これに対して、削除した既存の監視設定情報が、現在処理対象にしている被監視装置100−1a以外の被監視装置(例えば、被監視装置100−2a)の監視設定情報であった場合(ステップS134がYes)は、監視側共有情報同期手段211に対して、設定情報蓄積部207に蓄積されている被監視装置100−2aの監視設定情報を、被監視装置100−2aへ送信することを指示し(ステップS136)、その後処理を終了する。この指示を受けることにより、監視側共有情報同期手段211は、設定情報蓄積部207に蓄積されている被監視装置100−2aの監視設定情報を、被監視装置100−2aに送信する。これにより、被監視装置100−2a内の被監視側共有情報同期手段(図示せず)は、自装置100−2a内の監視設定情報蓄積部(図示せず)に、監視装置200aから送られてきた監視設定情報を登録(上書き)する。
【0121】
重複解消処理においては、上記した処理を、今回生成した監視設定情報と重複する、既存の監視設定情報それぞれに対して行う。以上がステップS1211で行う重複解消処理の詳細である。
【0122】
再び、図12に戻り、監視設定生成手段205aは、重複解消処理が終了すると、次の運用監視ルールに注目し(ステップS1201)、前述した処理と同様の処理を行う。監視設定生成手段205aは、上述した処理を繰り返し行い、未注目の運用監視ルールがなくなると(ステップS1202がNo)、監視側共有情報同期手段211に対して、設定情報蓄積部207に登録されている被監視装置100−1aの監視設定情報を、被監視装置100−1aに送信することを指示し(ステップS1212)、その後、処理を終了する。
【0123】
上記指示を受けると、監視側共有情報同期手段211は、設定情報蓄積部207に登録されている被監視装置100−1aの監視設定情報を、ネットワーク300を介して被監視装置100−1aに送信する。被監視装置100−1aでは、被監視側共有情報同期手段106が監視装置200aから送られてきた情報を受信し、監視設定蓄積部103に登録する。
【0124】
〔第2の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、第1の実施の形態が有している効果に加え、分析設定蓄積部204の容量を少なくすることができるという効果を得ることができる。その理由は、監視装置200aが、各被監視装置100−1a〜100−naの構成情報が蓄積された構成情報蓄積部212を備えており、監視設定生成手段205aが、被監視装置100−1a〜100−naの内の、管理者によって指定された特定被監視装置(例えば、被監視装置100−1a)の監視設定情報を生成する際、特定被監視装置100−1aの構成情報に基づいて、分析設定蓄積部204aに蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、設定知識蓄積部206に蓄積されている設定知識の内の、上記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成するようにしているからである。
【0125】
更に、本実施の形態によれば、監視設定情報の重複を防ぐことができるという効果を得ることもできる。その理由は、監視装置200aが、各被監視装置100−1a〜100−naの監視設定蓄積部103に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部207を備え、かつ、監視設定生成手段205aが、特定被監視装置(例えば、被監視装置100−1a)の監視設定情報の生成開始時、設定情報蓄積部207に蓄積されている監視設定情報の内の、特定被監視装置100−1aに対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が設定情報蓄積部207に蓄積されている場合、上記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは上記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を設定情報蓄積部207から削除して上記生成した監視設定情報を設定情報蓄積部207に登録する構成を有しているからである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、情報サービスなどを提供する機器の運用管理を行うといった用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明にかかる運用管理システムの第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】監視設定蓄積部103の内容例を示す図である。
【図3】動作情報の一例を示す図である。
【図4】分析設定蓄積部204の内容例を示す図である。
【図5】設定知識蓄積部206の内容例を示す図である。
【図6】監視設定生成手段205の処理例を示すフローチャートである。
【図7】分類テーブル7の一例を示す図である。
【図8】監視設定情報生成画面8の一例を示す図である。
【図9】本発明にかかる運用管理システムの第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】分析設定蓄積部204aの内容例を示す図である。
【図11】構成情報蓄積部212の内容例を示す図である。
【図12】監視設定生成手段205aの処理例を示すフローチャートである。
【図13】監視設定生成手段205aが行う重複解消処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
100−1〜100−n、100−1a〜100−na…被監視装置
101…サービス実行手段
102…動作情報検出手段
103…監視設定蓄積部
104…動作情報送信手段
105…受信手段
106…被監視側共有情報同期手段
107…構成情報収集手段
200、200a…監視装置
201…動作情報収集手段
202…動作情報蓄積部
203…動作分析手段
204、204a…分析設定蓄積部
205、205a…監視設定生成手段
2051…設定対象判定部
206…設定知識蓄積部
207…設定情報蓄積部
208…送信手段
209…入力装置
210…表示装置
211…監視側共有情報同期手段
212…構成情報蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、該分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段とを含む監視装置を備え、且つ、
前記被監視装置が、前記監視設定生成手段で生成された監視設定情報に従って自装置の動作情報を検出して前記監視装置へ送信することを特徴とする運用管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする運用管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、前記監視設定生成手段が生成した監視設定情報を前記被監視装置へ送信する送信手段を備え、
前記被監視装置が、前記監視装置から送られてきた監視設定情報を監視設定蓄積部に格納する受信手段を備えたことを特徴とする運用管理システム。
【請求項4】
複数台の被監視装置と、1台の監視装置とを備え、
前記監視装置が、
前記被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、
前記各被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部と、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段とを備え、且つ、
前記特定被監視装置が、前記監視設定生成手段で生成された監視設定情報に従って自装置の動作情報を検出して前記監視装置へ送信することを特徴とする運用管理システム。
【請求項5】
請求項4記載の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、
前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とする運用管理システム。
【請求項6】
請求項5記載の運用管理システムにおいて、
前記監視装置が、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段を備えたことを特徴とする運用管理システム。
【請求項7】
請求項2乃至6の何れか1項に記載した運用管理システムにおいて、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする運用管理システム。
【請求項8】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、該分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段とを備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項9】
請求項8記載の監視装置において、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする監視装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の監視装置において、
前記監視設定生成手段が生成した監視設定情報を前記被監視装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項11】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、
複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、
運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部と、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段とを備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項12】
請求項11記載の監視装置において、
前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とする監視装置。
【請求項13】
請求項12記載の監視装置において、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項14】
請求項9乃至13の何れか1項に記載した監視装置において、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする監視装置。
【請求項15】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部を備えた監視装置が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成ステップを含むことを特徴とする監視設定情報生成方法。
【請求項16】
請求項15記載の監視設定情報生成方法において、
前記監視装置が、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
監視設定生成ステップにおいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とする監視設定情報生成方法。
【請求項17】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部とを備えた監視装置が、前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成ステップを含むことを特徴とする監視設定情報生成方法。
【請求項18】
請求項17記載の監視設定情報生成方法において、
前記監視装置が、前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成ステップでは、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時に、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する処理と、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する処理とを行うことを特徴とする監視設定情報生成方法。
【請求項19】
請求項16乃至18の何れか1項に記載した監視設定情報生成方法において、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とする監視設定情報生成方法。
【請求項20】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部を備えたコンピュータを、
前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに基づいて前記被監視装置に設定する監視設定情報を生成する監視設定生成手段として機能させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータが、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部を備え、且つ、
前記監視設定生成手段が、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールに対応した監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成することを特徴とするプログラム。
【請求項22】
被監視装置から送られてきた動作情報を分析して前記被監視装置の状態を監視するための運用監視ルールが蓄積された分析設定蓄積部と、複数の被監視装置の構成情報が蓄積された構成情報蓄積部と、運用監視ルールに含まれる判定条件の種別毎に、監視設定情報を生成する際に必要になる情報が設定知識として蓄積された設定知識蓄積部とを備えたコンピュータを、
前記複数の被監視装置の内の、管理者によって指定された特定被監視装置の監視設定情報を生成する際、前記特定被監視装置の構成情報に基づいて、前記分析設定蓄積部に蓄積されている運用監視ルールの中から監視設定情報の生成に利用する運用監視ルールを抽出し、該抽出した運用監視ルールに対応する監視設定情報を、前記設定知識蓄積部に蓄積されている設定知識の内の、前記運用監視ルール中の判定条件の種別に対応した設定知識に基づいて生成する監視設定生成手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項22記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータが、前記各被監視装置の監視設定蓄積部に蓄積された監視設定情報と同じ監視設定情報が蓄積された設定情報蓄積部を備え、
前記監視設定生成手段が、前記特定被監視装置の監視設定情報の生成開始時、前記設定情報蓄積部に蓄積されている監視設定情報の内の、前記特定被監視装置に対応する監視設定情報を削除する構成を有すると共に、生成した監視設定情報と重複する監視設定情報が前記設定情報蓄積部に蓄積されている場合、前記生成した監視設定情報を破棄するか、或いは前記生成した監視設定情報と重複する監視設定情報を前記設定情報蓄積部から削除して前記生成した監視設定情報を前記設定情報蓄積部に登録する構成を有することを特徴とするプログラム。
【請求項24】
請求項23記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記監視設定生成手段による前記設定情報蓄積部に対する変更内容を、該当する被監視装置内の監視設定蓄積部に反映させる同期手段として機能させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項21乃至24の何れか1項に記載したプログラムにおいて、
前記設定知識には、コマンドと、該コマンドの実行周期とが含まれることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−33725(P2008−33725A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207853(P2006−207853)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】