運転計画システム及び運転計画作成方法
【課題】需要家の許容範囲を考慮しつつ環境負荷の削減を目指した運転計画を作成することのできる運転計画システム及び運転計画作成方法を提供する。
【解決手段】各種電源の発電量を組み合わせることで、予め記憶した需要曲線Dのパターンの一つに一致する電力の供給曲線Sを作成する。供給曲線Sが示す供給量に対する環境負荷指数Epを予め記憶した環境負荷情報に基づき算出する。次に、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、削減可能供給量を削減必要量で除した削減可能指数Dpを算出する。そして、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpが一定範囲内にあると判定されるまで供給曲線Sを調整する。
【解決手段】各種電源の発電量を組み合わせることで、予め記憶した需要曲線Dのパターンの一つに一致する電力の供給曲線Sを作成する。供給曲線Sが示す供給量に対する環境負荷指数Epを予め記憶した環境負荷情報に基づき算出する。次に、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、削減可能供給量を削減必要量で除した削減可能指数Dpを算出する。そして、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpが一定範囲内にあると判定されるまで供給曲線Sを調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力需要を予測して各種電源の運転計画を作成する運転計画システム及びその運転計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力は同時同量の原則に基づき発電されている。すなわち、電力は需給が一致し、発電量と消費量とが同量となるべきである。電力の需給バランスが崩れると、周波数や電圧の変化を招き、電気機器の誤作動を引き起こすおそれが生じるためである。そこで、電力会社は、予め電力の需要を予測し、太陽光や熱発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電、原子力、水力、火力、及び地熱といった各種電源の運転計画を予測結果に基づいて作成している。
【0003】
近年は、燃料費の高騰や環境に対する関心の高まりを受けて、CO2排出量に代表される環境負荷物質の排出制限や排出量に応じた賦課等、電力系統における環境面での制約が一層重視される傾向にある。そこで、近い将来は、単に経済コストを考慮して需要曲線へ適合させるだけでなく、環境負荷物質の排出を可能な限り最小化する運転計画を作成する必要が生じることが見込まれている。
【0004】
環境負荷物質の排出を可能な限り最小化する運転計画を作成するために、その関連技術としては、需要家がCO2排出量の少ない時間帯を有効活用する方法や、発電、蓄電、負荷のバランスから運転計画を制御する方法や、システム構築の初期コストを抑制し、経済性や環境性上最適な運転計画を作成する方法、CO2の総排出量が少なくなるように分散型電源を運用する方法などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−28879号公報
【特許文献2】特開2010−124644号公報
【特許文献3】特開2009−131045号公報
【特許文献4】特開2006−288016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、環境負荷削減を考慮した運転計画の作成方法については数多く提案されている。しかしながら、その提案内容のいくつかは、スマート化による一連の情報関連機器や蓄電設備の導入により、供給側が供給状況に合わせて個々の需要家の電力使用を計画的に操作するものであり、その供給制限が需要家に及ぼす影響は一切考慮されてこなかった。すなわち、需要家の消費電力削減可能性は殆ど考慮されず、環境負荷削減のみを考慮して供給曲線が定められ、一方的に需要がそれに合わせられるといったものであった。但し、供給サイドとしては需要家を無視することは不可能に近く、当該提案内容の実効性は乏しい。
【0007】
また、予測される需要に合わせた供給曲線を定めるが、需要がその供給曲線を越えないように需要家の節電行動を誘導するという提案内容も存在するが、この方法では、需要家の節電動向が依然として不明であるために、環境負荷を増加させない運転計画を作成する程度に留まり、環境負荷を積極的に削減する運転計画を作成することは難しい。
【0008】
すなわち、現在の提案内容では、節電を強いられる需要家の許容範囲を考慮しつつ、環境負荷削減を具体的な目標値として定めた運転計画を作成することは困難であった。
【0009】
本発明の実施形態は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、需要家の許容範囲を考慮しつつ環境負荷の削減を目指した運転計画を作成することのできる運転計画システム及び運転計画作成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、実施形態の運転計画システムは、電力の需要曲線の各パターンを記憶するパターン記憶手段と、各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成する供給量設定手段と、前記各種電源の環境負荷情報を記憶する負荷情報記憶手段と、前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出する負荷指数算出手段と、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を記憶する特性記憶手段と、前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出する削減必要量算出手段と、前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出する削減可能量算出手段と、前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出する削減可能指数算出手段と、前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整する供給曲線調整手段と、を備えること、を特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するために、実施形態の運転計画作成方法は、電力の需要曲線の各パターンを予め記憶させておき、各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成し、前記各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出し、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出し、前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定し、前記判定の結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整すること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る運転計画システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】供給曲線と理想曲線とを示すグラフである。
【図3】削減可能量を示すグラフである。
【図4】需要量設定部の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】需要曲線を示すグラフである。
【図6】需要曲線のパターンに関連づけられた各種の条件を示す。
【図7】供給量設定部の詳細構成を示すブロック図である。
【図8】供給曲線が示す各種電源の発電量を示す表である。
【図9】供給量調整部の詳細構成を示すブロック図である。
【図10】提示部により出力される運転計画の画面例を示す模式図である。
【図11】運転計画システムの動作を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係る運転計画システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る運転計画システム及びその運転計画作成方法の複数の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
(概略構成)
図1は、第1の実施形態に係る運転計画システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す運転計画システムは、単一若しくは分散型のコンピュータであり、予め記憶しているプログラムに従った処理をCPUが実行することにより、需要量設定部1と供給量設定部2と供給量調整部3と提示部4とを備える。
【0015】
この運転計画システムは、供給減によって環境負荷指数Epを一定以下に抑えつつも、その供給減によって強いられる節電を需要家の許容範囲内に収めて、必要十分な需要との適合性を図るべく、削減可能指数Dpが一定値以下とならないように供給量を調節した運転計画を作成する。
【0016】
環境負荷指数Epは、供給曲線Sに従った発電により生ずる環境負荷を示す数値であり、例えばCO2排出量である。その他、NOx排出量、SOx排出量、ダイオキシン排出量等であってもよい。削減可能指数Dpは、電力供給の削減必要量に対する削減可能量の割合である。削減必要量は、需要家の事情を無視して環境負荷のみを考慮した場合の削減量である。削減可能量は、需要家の努力や契約等の協力によって削減可能な電力量である。
【0017】
すなわち、需要量設定部1は、電力需要に影響を与える各種の条件に応じて、各時間帯の需要量を時系列で表した需要曲線Dを出力する。供給量設定部3は、各種電源の発電量を時間帯毎に組み合わせることで、需要曲線Dに一致する供給曲線Sを作成する。供給量調整部3は、環境負荷指数Ep及び削減可能指数Dpが一定範囲内に収まるように供給曲線Sを調整する。提示部4は、供給曲線S、環境負荷指数Ep、及び削減可能指数Dpを画面等によって視覚的に出力する。
【0018】
(削減可能指数)
削減可能指数Dpは次のように算出される。まず、図2に示すように、環境負荷のみを考慮した理想的な供給量を示す理想曲線Iを想定する。理想曲線Iは、例えば、CO2排出原単位が低い夜間の発電を増やして蓄電手段にエネルギーを蓄えておき、昼間の発電と蓄電手段の放電で昼間の需要を満たす場合を想定した供給曲線である。蓄電手段は、蓄電池、揚水発電、その他である。
【0019】
次に、供給曲線Sが理想曲線Iを上回ることで、理想曲線Iと供給曲線Sとに囲まれている領域Pの面積を算出する。蓄電手段が理想数揃っていない状態では、この領域Pの面積が削減必要量Pとなる。
【0020】
次に、図3に示すように、各種の観点から削減可能量A〜Dを算出し、それらの幾つか又は全てを総計して最終的な削減可能量CPを得る。例えば、以下の数式(1)〜(4)によって各観点での単位時間当たりの削減可能量を各種算出し、数式(5)によって最終的な削減可能量CPを得る。
【0021】
【数1】
m:世帯数
qa1:契約形態a1の契約世帯数
qa2:契約形態a2の契約世帯数
a1p:契約形態a1による世帯の削減電力量
a2p:契約形態a2による世帯の削減電力量
【0022】
この削減可能量anは、時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。契約形態a1とa2との相違は、定められた時間帯と割合の違いである。
【0023】
【数2】
m:世帯数
qb:供給停止操作受け入れ世帯数
bp:供給停止操作による世帯の削減電力量
【0024】
この削減可能量bnは、時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。例えば、新興国等において、緊急時の供給確保が予め保証されなければならない政府セクターや公共設備や産業設備等以外の需要家に対する供給量が、この削減可能量bnに該当する。また、旅行等によって不在となっている間に電力供給を0としてもよいことを認めた需要家に対する供給量が、この削減可能量bnに該当する。
【0025】
【数3】
m:世帯数
qc1:応答特性強グループの世帯数
qc2:応答特性中グループの世帯数
qc3:応答特性弱グループの世帯数
c1p:応答特性強グループの世帯の削減電力量
c2p:応答特性中グループの世帯の削減電力量
c3p:応答特性弱グループの世帯の削減電力量
【0026】
この削減可能量cnは、電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量である。アナウンスは、スマートメータ、HEMS(Home Energy Management System)、テレビ、ラジオ、電子掲示板、インターネットを通じて行われる。応答特性強グループとは、アナウンスに対して強力な節電支援をしてもらえる傾向が強い需要家のグループであり、応答特性弱グループとは、アナウンスに対する反応が弱い傾向の需要家のグループであり、応答特性中グループは、応答特性強グループと応答特性弱グループとの中間である。グループ数は反応の強さに応じてさらに多いグループとしてもよい。
【0027】
【数4】
m:世帯数
qd1:情報提供反応強グループの世帯数
qd2:情報提供反応中グループの世帯数
qd3:情報提供反応弱グループの世帯数
d1p:情報提供反応強グループの世帯の削減電力量
d2p:情報提供反応中グループの世帯の削減電力量
d3p:情報提供反応弱グループの世帯の削減電力量
【0028】
この削減可能量dnは、電力使用率等の定量的数値のように客観的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量である。情報提供反応強グループとは、アナウンスに対して強力な節電支援をしてもらえる傾向が強い需要家のグループであり、情報提供反応弱グループとは、アナウンスに対する反応が弱い傾向の需要家のグループであり、情報提供反応中グループは、情報提供反応強グループと情報提供反応弱グループとの中間である。グループ数は反応の強さに応じてさらに多いグループとしてもよい。
【0029】
【数5】
【0030】
数式(5)に示されるように、削減可能量CPは、単位時間当たりの削減量an〜dnを所定期間分積算し、総計することで算出される。数式(5)の場合、単位時間は1時間であり、所定期間は1日である。単位時間を30分や2時間等の他の時間とし、所定期間を1週間等の他の期間としてもよい。
【0031】
削減可能量CPと削減必要量Pが算出されると、以下の数式(6)に示されるように、この削減可能量CPを削減必要量Pで減じ、その結果を削減可能指数Dpとする。
【0032】
【数6】
【0033】
運転計画システムは、削減量を削減可能量CP及び供給曲線Sが示す供給量から減じていくことで供給曲線Sを調整し、その調整結果から削減可能指数Dpと環境負荷指数Epを算出する。そして、削減可能指数Dpと環境負荷指数Epが一定範囲に収まる供給曲線Sを求め、提示部4に視覚的に出力させる。
【0034】
(詳細構成)
このような運転計画システムの各部の詳細構成を図4乃至9を参照して説明する。図4は、需要量設定部1の詳細構成を示すブロック図であり、図7は、供給量設定部2の詳細構成を示すブロック図であり、図9は、供給量調整部3の詳細構成を示すブロック図であり、図10は、提示部4により出力される運転計画の画面例を示す模式図である。
【0035】
(需要量設定部)
図4に示すように、需要曲線Dを出力する需要量設定部1は、パターン記憶部11と、表示部12と、入力部13と、パターン選択部14とを備える。
【0036】
パターン記憶部14は、HDD等の記憶手段で構成され、図5に示すように、需要曲線Dの各種のパターンを記憶している。パターン記憶部11に記憶されている需要曲線Dの各パターンは、それぞれ、時間帯毎の需要量のデータで構成されている。各パターンは、各種の条件によって想定される需要曲線Dを場合分けしたものである。各パターンには、そのパターンに対応する条件が関連づけられている。
【0037】
図6は、各パターンに関連づけられた各種の条件を示す。需要曲線Dの各パターンには、季節、日の特徴、需要の特徴、及び天候の各選択肢が一つずつ関連づけられている。季節の選択肢としては、春、夏、秋、冬であり、日の選択肢としては、平日、休日、最大3日平均日である。最大3日平均日とは、各月で毎日の最大電力を上位から3日抽出し、その電力量の平均をとった日である。需要の特徴は、標準、最大需要日、最小需要日、最大需要と最小需要との差が最大、最大需要と最小需要との差が最小等である。天候は、快晴、晴れ、曇り、雨等である。
【0038】
表示部12は、液晶、CRT、又は有機EL等の画面を有するディスプレイである。この表示部12は、需要曲線Dの各パターンに関連づけられている各種の条件を表示したGUI操作画面を表示する。入力部は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力インタフェースであり、入力部の操作に応じて表示部のGUI操作画面が操作可能となっている。例えば、条件に対応して表示されているラジオボタンの領域をマウスでクリックすると、その条件が選択される。
【0039】
パターン選択部14は、主にCPUとドライブコントローラを含み構成され、入力部13と表示部12とで構成されるマンマシンインターフェースを用いて選択された条件の組み合わせに関連する需要曲線Dのパターンをパターン記憶部11から読み出す。
【0040】
(供給量設定部)
図7に示すように、需要曲線Dに合わせて供給曲線Sを作成する供給量設定部2は、電源情報記憶部21と、電源配分決定部22とを備える。
【0041】
電源情報記憶部21は、HDD等の記憶手段で構成され、各種電源の稼働率、各種条件における発電効率、及び定格発電量のデータを少なくとも記憶している。各種電源は、例えば原子力、水力、火力、地熱、及び太陽光や熱発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電である。各種条件における発電効率は、例えば天候毎の太陽光エネルギー発電の最大発電量に対する効率である。
【0042】
電源配分決定部22は、主にCPUを含み構成され、電源情報記憶部21に記憶されている各種電源の情報を参照して天候や融通率や経済コストや蓄電条件のデータを加味しながら、供給曲線Sを生成する。具体的には、図8のそれぞれに示すように、需要量設定部1が出力した需要曲線Dが示す時間帯毎の需要量に一致するように、時間帯毎に各種電源に発電させる電力量を組み合わせていく。すなわち、供給曲線Sのデータは、時間帯毎の各種電源の発電量のデータで構成される。
【0043】
尚、図8の(a)は天候が雨及び無風である場合の電源配分を示しており、太陽光発電PVと風力発電の発電量をほとんど加味することができず、その分が火力発電により賄われており、図8の(b)は天候が快晴及び風がある場合の電源配分を示しており、太陽光発電PVと風力発電の発電量を大きく積み上げ、その分だけ火力発電を減少させている。
【0044】
(供給量調整部)
図9に示すように、環境負荷指数Ep及び削減可能指数Dpが一定範囲内に収まるように供給曲線Sを調整する供給量調整部3は、電源別原単位記憶部31と、環境負荷指数算出部32と、特性記憶部33と、削減可能指数算出部34と、判定部35と、電源配分調整部36とを備える。
【0045】
電源別原単位記憶部31は、HDD等の記憶手段で構成され、電源別のCO2原単位が記憶されている。CO2原単位は、1kWh当たりのCO2排出量である。
【0046】
環境負荷指数算出部32は、主にCPUを含み構成され、環境負荷指数Epを算出する。この環境負荷指数算出部32は、供給曲線Sのデータに含まれる各種電源の発電量に対して電源別のCO2原単位を乗じて、所定期間あたりの総計のCO2排出量を環境負荷指数Epとして算出する。所定期間としては、例えば1日、1週間、又は1ヶ月である。環境負荷指数としては、総計のCO2排出量の他、kWhあたりのCO2排出量としてもよい。
【0047】
特性記憶部33は、HDD等の記憶手段で構成され、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量an〜dnの情報を記憶している。削減可能量an〜dnの情報は、これら削減可能量an〜dnを算出するための各パラメータである。
【0048】
すなわち、削減可能量anの算出のために、契約形態a1の契約世帯数qa1、契約形態a2の契約世帯数qa2、契約形態a1による世帯の削減電力量a1p、及び契約形態a2による世帯の削減電力量a2pを記憶している。
【0049】
また、削減可能量bnの算出のために、供給停止操作受け入れ世帯数qb及び供給停止操作による世帯の削減電力量bpを記憶している。
【0050】
また、削減可能量cnの算出のために、応答特性強グループの世帯数qc1、応答特性中グループの世帯数qc2、応答特性弱グループの世帯数qc3、応答特性強グループの世帯の削減電力量c1p、応答特性中グループの世帯の削減電力量c2p、及び応答特性弱グループの世帯の削減電力量c3pを記憶している。
【0051】
また、削減可能量dnの算出のために、情報提供反応強グループの世帯数qd1、情報提供反応中グループの世帯数qd2、情報提供反応弱グループの世帯数qd3、情報提供反応強グループの世帯の削減電力量d1p、情報提供反応中グループの世帯の削減電力量d2p、及び情報提供反応弱グループの世帯の削減電力量d3pを記憶している。
【0052】
削減可能指数算出部34は、主にCPUとHDD等の記憶手段を含み構成され、削減可能指数Dpを算出する。すなわち、削減可能指数算出部34は、第1に、時間帯毎の理想的な供給量を示す理想曲線Iを予め記憶しており、理想曲線Iと需要曲線Dとから削減必要量Pを算出する削減必要量算出部341を有している。また、削減可能指数算出部は、第2に、特性記憶部34を参照して、削減可能量an〜dnを算出し、その結果を総計して削減可能量CPを算出する削減可能量算出部342を有している。そして、削減可能指数算出部は34、削減可能量CPを削減必要量Pで除すことで削減可能指数Dpを得る。
【0053】
判定部35は、主にCPUとHDD等の記憶手段を含み構成され、環境負荷指数Epが一定値範囲に収まり、かつ削減可能指数Dpが一定範囲に収まっているかを判定する。具体的には、判定部35は、環境負荷指数Epとの比較値と削減可能指数Dpとの比較値を予め記憶しており、環境負荷指数Epと対応の比較値とを比較し、削減可能指数Dpと対応の比較値を比較する。
【0054】
比較値は、範囲を示す上限値及び下限値であっても、閾値を示す一点の値であってもよい。例えば、環境負荷指数Epに対する比較値は、CO2排出量として許容できる上限値であり、削減可能指数Dpは、最低限達成すべき上限値と、あくまで目標としての下限値としてもよい。
【0055】
この場合、判定部35は、環境負荷指数Epが比較値を下回り、削減可能指数Dpが上限値と下限値の範囲内であれば、結果を良とする情報を出力する。尚、需要者が不満を感じない範囲で最大のCO2削減量を狙う場合には、判定部は、削減可能指数Dpが下限値又は閾値と一致した場合に、結果を良とする情報を出力するようにしてもよい。
【0056】
電源配分調整部36は、主にCPUを含み構成され、判定部35の結果に応じて供給曲線Sを調整する。具体的には、環境負荷指数Epの超過数値が判定部35から出力されていれば、電源別のCO2原単位のうち、最も高いCO2原単位と超過数値とを乗じ、そのCO2原単位を有する電源の発電予定量を乗算結果だけ減少させた供給曲線Sを作成する。
【0057】
一方、需要者が不満とならない範囲で最大のCO2削減量を狙う場合には、電源配分調整部36は、削減可能指数Dpが下限値を超過した超過値から逆算して供給量の削減値を導き、その削減値の分だけ、最も高いCO2原単位を有する電源の発電予定量を減少させた供給曲線Sを作成するようにしてもよい。尚、発電量を削減しようとする電源は、CO2原単位を基準とする他、経済コスト等を加味するようにしてもよい。
【0058】
(提示部)
提示部4は、液晶、CRT、又は有機EL等の画面を有するディスプレイであり、作成された運転計画を表示する。図10に、運転計画の表示例を示す。図10に示すように、提示部には、供給量と、環境負荷指数Epと、削減可能指数Dpとが表示される。供給量は、表形式やグラフ形式で表示され、時間帯毎及び電源毎の発電予定量が含まれる。環境負荷指数Epは、一日及び時間単位のCO2総排出量と単位電力量当たりのCO2排出量として表示される。削減可能指数Dpは、特定の世帯、地域、契約形態、及び時間帯毎に表示される。
【0059】
(動作)
このような運転計画システムの動作を図11に基づき説明する。図11は、運転計画システムの動作を示すフローチャートである。
【0060】
まず、需要量設定部1は、ユーザが入力部13を用いて入力した条件に関連づけられた需要曲線Dのパターンを選択する(ステップS01)。具体的には、表示部12は、需要曲線Dの各パターンに関連づけられている条件を選択するためのGUI操作画面を表示する。ユーザが入力部13を用いて条件を入力すると、パターン選択部14は、その条件の組み合わせに関連づけられている需要曲線Dのパターンをパターン記憶部11から読み出す。
【0061】
需要曲線Dのパターンが読み出されると、供給量設定部2は、需要量設定部1が選択した需要曲線Dに合わせて供給曲線Sを作成する(ステップS02)。具体的には、電源配分決定部22は、電源情報記憶部21から各種電源の情報を読み出し、時間帯毎に各種電源に発電させる電力量を積み上げていき、供給曲線Sを需要曲線Dと一致させる。
【0062】
次に、供給量調整部3の環境負荷指数算出部32は、供給曲線Sに対する環境負荷指数Epを算出する(ステップS03)。具体的には、供給曲線Sのデータに含まれる各種電源の発電量に対して電源別のCO2原単位を乗じて、総計のCO2排出量を算出する。
【0063】
また、供給量調整部3の削除可能指数算出部34は、供給曲線Sに対する削減可能指数Dpを算出する(ステップS04)。具体的には、まず、予め記憶している理想曲線Iと供給曲線Sとが示す供給量の差から削減必要量Pを算出する。次に、特性記憶部33を参照して、各種観点での削減可能量an〜dnを算出する。さらに、この時間当たりの削減可能量an〜dnを所定期間分積算し、それら結果を更に総計して削減可能量CPを算出する。そして、削減可能量CPを削減必要量Pで除すことで削減可能指数Dpを得る。
【0064】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとが算出されると、判定部35は、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとがそれぞれ一定範囲内に収まっているか判定する(ステップS05)。具体的には、判定部35は、環境負荷指数Epと比較値とを比較する。比較の結果、環境負荷指数Epが比較値を下回っていれば、環境負荷指数Epに関して良とする情報を出力する。更に、判定部35は、削減可能指数Dpと上限値及び下限値とを比較する。削減可能指数Dpが上限値と下限値との間に存在すれば、判定部35は、削減可能指数Dpに関して良とする情報を出力する。
【0065】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されない場合には(ステップS05,No)、電源配分調整部36は、供給曲線Sを供給量が減少する方向に変更する(ステップS06)。具体的には、各種電源のうちの特定の一つ又は複数に関して発電量を減少させた新たな供給曲線Sを作成する。
【0066】
電源配分調整部36が新たな供給曲線Sを作成すると、再びステップS03に戻り、環境負荷指数Epを算出し、削減可能指数Dpを算出し、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの判定を行う。このステップS03〜S06は、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されるまで(ステップS05,Yes)、繰り返される。
【0067】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されると(ステップS05,Yes)、提示部4は、最後に作成された供給曲線Sと、その環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとを画面等に視覚的に出力する(ステップS07)。
【0068】
(作用効果)
以上のように、本実施形態では、第1に、電力の需要曲線Dの各パターンを予め記憶させておき、各種電源の発電量を組み合わせることで、パターンの一つに一致する電力の供給曲線Sを作成する。第2に、各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが示す供給量に対する環境負荷指数Epを環境負荷情報に基づき算出する。第3に、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、削減可能供給量を削減必要量で除した削減可能指数Dpを算出する。そして、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpが一定範囲内にあるか判定し、判定結果が一定範囲内にあるとされるまで供給曲線Sを調整するようにした。
【0069】
このように、本実施形態の運転計画システムでは削減可能指数Dpを供給曲線Sの作成の際に考慮している。削減可能指数Dpは、削減可能量を削減必要量で除した数値であり、需要家にどの程度節電余地があるかを削減必要量との対比で示している。削減可能指数Dpが低くなればなるほど、需要家に無理を強いていることとなり、一方、削減可能指数Dpが一定範囲内に収まっていれば、必要十分な需要と適合性が取れていることとなる。すなわち、削減可能指数Dpは、需要の適合性を示しており、この運転計画システムでは、需要の適合性と環境負荷の両立を実現している。
【0070】
従って、この運転計画システム及びその運転計画作成方法では、需要との適合性が取れている状況下で環境負荷の削減を目指すことができ、実効性のある運転計画を作成することができる。
【0071】
また、需要と適合性が取れた実効性のある運転計画であるから、その供給曲線から算出されるCO2排出量は実際の数値に近くなる。従って、この運転計画システムを導入することで、信頼性のあるCO2排出権取引市場を築くことができる。
【0072】
また、削減可能量bnは、時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。この削減可能量bnに基づき削減可能指数を作成することで、新興国等において緊急時の供給確保が予め保証されなければならない政府セクターや公共設備や産業設備等以外の需要家に対する供給量を削減対象とすることができる。そのため、未成熟な新興国や地域のように、発電設備の稼働率が低く、個々の機器の効率が低いなど、先進国と比べて十分な電力供給量が確保できない場合、状況に応じて強制的に供給停止可能な運転計画を作成することが可能となる。
【0073】
[第2の実施形態]
(構成)
次に、第2の実施形態に係る運転計画システム及び運転計画作成方法の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。尚、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】
図12は、第2の実施形態に係る運転計画システムの構成を示すブロック図である。図12に示すように、この運転計画システムは、送信部5と収集部6とを有する。
【0075】
送信部5は、CPUとネットワークアダプタを含み構成され、需要家の意見を聴取するメッセージを各需要家に送信する。このメッセージは、需要家が抑えるべき電力消費量を実現可能かの問い合わせである。需要家が抑えるべき電力消費量は、換言すると供給曲線調整部の調整によって削減される供給量であって当該需要家の割り当て分である。
収集部6は、CPUとネットワークアダプタを含み構成され、需要家の意見徴収結果を受信し、意見を集計する。
【0076】
需要家には、ネットワークに接続された端末が設置されており、送信部が送信したメッセージは、この端末で受信されて、モニタに表示される。端末には、キーボードやマウス等の入力手段が備えられており、需要家が実現可能な電力削減量が入力可能となっている。需要家によって入力された電力削減量が意見徴収結果としてネットワークに送出され、収集部6によって受信される。
【0077】
そして、収集部6は、受信した電力削減量の全てを合計し、意見徴収結果情報として、電源配分調整部36へ出力する。電源配分調整部36は、意見徴収結果情報が示す削減可能量がフィードバックされると、その削減可能量分だけ供給量を削減した供給曲線Sを生成する。生成した供給曲線Sは、第1の実施形態と同様に環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの算出対象及び判定対象となる。
【0078】
その他、収集部6が出力した意見徴収結果情報に応じて環境負荷指数Epや削減可能指数Dpと対する対比値や範囲を制限を設けたり、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpに優先度を設けたりするようにしてもよい。
【0079】
(作用効果)
以上のように、本実施形態では、供給曲線Sに基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信し、端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計する。供給曲線Sの調整では、総計した電力削減量に基づき、供給曲線Sを再調整するようにした。
【0080】
これにより、特性記憶部33に記憶されている情報以上に需要者の随時の行動パターンや都度変化する嗜好に対応することができるため、需要との適合性を一層高めることができる。
【0081】
[その他の実施の形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1及び第2の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 需要量設定部
11 パターン記憶部
12 表示部
13 入力部
14 パターン選択部
2 供給量設定部
21 電源情報記憶部
22 電源配分決定部
3 供給量調整部
31 電源別原単位記憶部
32 環境負荷指数算出部
33 特性記憶部
34 削減可能指数算出部
341 削減必要量算出部
342 削減可能量算出部
35 判定部
36 電源配分調整部
4 提示部
5 送信部
6 収集部
D 需要曲線
S 供給曲線
Ep 環境負荷指数
Dp 削減可能指数
I 理想曲線
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力需要を予測して各種電源の運転計画を作成する運転計画システム及びその運転計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力は同時同量の原則に基づき発電されている。すなわち、電力は需給が一致し、発電量と消費量とが同量となるべきである。電力の需給バランスが崩れると、周波数や電圧の変化を招き、電気機器の誤作動を引き起こすおそれが生じるためである。そこで、電力会社は、予め電力の需要を予測し、太陽光や熱発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電、原子力、水力、火力、及び地熱といった各種電源の運転計画を予測結果に基づいて作成している。
【0003】
近年は、燃料費の高騰や環境に対する関心の高まりを受けて、CO2排出量に代表される環境負荷物質の排出制限や排出量に応じた賦課等、電力系統における環境面での制約が一層重視される傾向にある。そこで、近い将来は、単に経済コストを考慮して需要曲線へ適合させるだけでなく、環境負荷物質の排出を可能な限り最小化する運転計画を作成する必要が生じることが見込まれている。
【0004】
環境負荷物質の排出を可能な限り最小化する運転計画を作成するために、その関連技術としては、需要家がCO2排出量の少ない時間帯を有効活用する方法や、発電、蓄電、負荷のバランスから運転計画を制御する方法や、システム構築の初期コストを抑制し、経済性や環境性上最適な運転計画を作成する方法、CO2の総排出量が少なくなるように分散型電源を運用する方法などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−28879号公報
【特許文献2】特開2010−124644号公報
【特許文献3】特開2009−131045号公報
【特許文献4】特開2006−288016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、環境負荷削減を考慮した運転計画の作成方法については数多く提案されている。しかしながら、その提案内容のいくつかは、スマート化による一連の情報関連機器や蓄電設備の導入により、供給側が供給状況に合わせて個々の需要家の電力使用を計画的に操作するものであり、その供給制限が需要家に及ぼす影響は一切考慮されてこなかった。すなわち、需要家の消費電力削減可能性は殆ど考慮されず、環境負荷削減のみを考慮して供給曲線が定められ、一方的に需要がそれに合わせられるといったものであった。但し、供給サイドとしては需要家を無視することは不可能に近く、当該提案内容の実効性は乏しい。
【0007】
また、予測される需要に合わせた供給曲線を定めるが、需要がその供給曲線を越えないように需要家の節電行動を誘導するという提案内容も存在するが、この方法では、需要家の節電動向が依然として不明であるために、環境負荷を増加させない運転計画を作成する程度に留まり、環境負荷を積極的に削減する運転計画を作成することは難しい。
【0008】
すなわち、現在の提案内容では、節電を強いられる需要家の許容範囲を考慮しつつ、環境負荷削減を具体的な目標値として定めた運転計画を作成することは困難であった。
【0009】
本発明の実施形態は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、需要家の許容範囲を考慮しつつ環境負荷の削減を目指した運転計画を作成することのできる運転計画システム及び運転計画作成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、実施形態の運転計画システムは、電力の需要曲線の各パターンを記憶するパターン記憶手段と、各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成する供給量設定手段と、前記各種電源の環境負荷情報を記憶する負荷情報記憶手段と、前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出する負荷指数算出手段と、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を記憶する特性記憶手段と、前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出する削減必要量算出手段と、前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出する削減可能量算出手段と、前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出する削減可能指数算出手段と、前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整する供給曲線調整手段と、を備えること、を特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するために、実施形態の運転計画作成方法は、電力の需要曲線の各パターンを予め記憶させておき、各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成し、前記各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出し、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出し、前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定し、前記判定の結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整すること、を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る運転計画システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】供給曲線と理想曲線とを示すグラフである。
【図3】削減可能量を示すグラフである。
【図4】需要量設定部の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】需要曲線を示すグラフである。
【図6】需要曲線のパターンに関連づけられた各種の条件を示す。
【図7】供給量設定部の詳細構成を示すブロック図である。
【図8】供給曲線が示す各種電源の発電量を示す表である。
【図9】供給量調整部の詳細構成を示すブロック図である。
【図10】提示部により出力される運転計画の画面例を示す模式図である。
【図11】運転計画システムの動作を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係る運転計画システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る運転計画システム及びその運転計画作成方法の複数の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
(概略構成)
図1は、第1の実施形態に係る運転計画システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す運転計画システムは、単一若しくは分散型のコンピュータであり、予め記憶しているプログラムに従った処理をCPUが実行することにより、需要量設定部1と供給量設定部2と供給量調整部3と提示部4とを備える。
【0015】
この運転計画システムは、供給減によって環境負荷指数Epを一定以下に抑えつつも、その供給減によって強いられる節電を需要家の許容範囲内に収めて、必要十分な需要との適合性を図るべく、削減可能指数Dpが一定値以下とならないように供給量を調節した運転計画を作成する。
【0016】
環境負荷指数Epは、供給曲線Sに従った発電により生ずる環境負荷を示す数値であり、例えばCO2排出量である。その他、NOx排出量、SOx排出量、ダイオキシン排出量等であってもよい。削減可能指数Dpは、電力供給の削減必要量に対する削減可能量の割合である。削減必要量は、需要家の事情を無視して環境負荷のみを考慮した場合の削減量である。削減可能量は、需要家の努力や契約等の協力によって削減可能な電力量である。
【0017】
すなわち、需要量設定部1は、電力需要に影響を与える各種の条件に応じて、各時間帯の需要量を時系列で表した需要曲線Dを出力する。供給量設定部3は、各種電源の発電量を時間帯毎に組み合わせることで、需要曲線Dに一致する供給曲線Sを作成する。供給量調整部3は、環境負荷指数Ep及び削減可能指数Dpが一定範囲内に収まるように供給曲線Sを調整する。提示部4は、供給曲線S、環境負荷指数Ep、及び削減可能指数Dpを画面等によって視覚的に出力する。
【0018】
(削減可能指数)
削減可能指数Dpは次のように算出される。まず、図2に示すように、環境負荷のみを考慮した理想的な供給量を示す理想曲線Iを想定する。理想曲線Iは、例えば、CO2排出原単位が低い夜間の発電を増やして蓄電手段にエネルギーを蓄えておき、昼間の発電と蓄電手段の放電で昼間の需要を満たす場合を想定した供給曲線である。蓄電手段は、蓄電池、揚水発電、その他である。
【0019】
次に、供給曲線Sが理想曲線Iを上回ることで、理想曲線Iと供給曲線Sとに囲まれている領域Pの面積を算出する。蓄電手段が理想数揃っていない状態では、この領域Pの面積が削減必要量Pとなる。
【0020】
次に、図3に示すように、各種の観点から削減可能量A〜Dを算出し、それらの幾つか又は全てを総計して最終的な削減可能量CPを得る。例えば、以下の数式(1)〜(4)によって各観点での単位時間当たりの削減可能量を各種算出し、数式(5)によって最終的な削減可能量CPを得る。
【0021】
【数1】
m:世帯数
qa1:契約形態a1の契約世帯数
qa2:契約形態a2の契約世帯数
a1p:契約形態a1による世帯の削減電力量
a2p:契約形態a2による世帯の削減電力量
【0022】
この削減可能量anは、時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。契約形態a1とa2との相違は、定められた時間帯と割合の違いである。
【0023】
【数2】
m:世帯数
qb:供給停止操作受け入れ世帯数
bp:供給停止操作による世帯の削減電力量
【0024】
この削減可能量bnは、時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。例えば、新興国等において、緊急時の供給確保が予め保証されなければならない政府セクターや公共設備や産業設備等以外の需要家に対する供給量が、この削減可能量bnに該当する。また、旅行等によって不在となっている間に電力供給を0としてもよいことを認めた需要家に対する供給量が、この削減可能量bnに該当する。
【0025】
【数3】
m:世帯数
qc1:応答特性強グループの世帯数
qc2:応答特性中グループの世帯数
qc3:応答特性弱グループの世帯数
c1p:応答特性強グループの世帯の削減電力量
c2p:応答特性中グループの世帯の削減電力量
c3p:応答特性弱グループの世帯の削減電力量
【0026】
この削減可能量cnは、電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量である。アナウンスは、スマートメータ、HEMS(Home Energy Management System)、テレビ、ラジオ、電子掲示板、インターネットを通じて行われる。応答特性強グループとは、アナウンスに対して強力な節電支援をしてもらえる傾向が強い需要家のグループであり、応答特性弱グループとは、アナウンスに対する反応が弱い傾向の需要家のグループであり、応答特性中グループは、応答特性強グループと応答特性弱グループとの中間である。グループ数は反応の強さに応じてさらに多いグループとしてもよい。
【0027】
【数4】
m:世帯数
qd1:情報提供反応強グループの世帯数
qd2:情報提供反応中グループの世帯数
qd3:情報提供反応弱グループの世帯数
d1p:情報提供反応強グループの世帯の削減電力量
d2p:情報提供反応中グループの世帯の削減電力量
d3p:情報提供反応弱グループの世帯の削減電力量
【0028】
この削減可能量dnは、電力使用率等の定量的数値のように客観的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量である。情報提供反応強グループとは、アナウンスに対して強力な節電支援をしてもらえる傾向が強い需要家のグループであり、情報提供反応弱グループとは、アナウンスに対する反応が弱い傾向の需要家のグループであり、情報提供反応中グループは、情報提供反応強グループと情報提供反応弱グループとの中間である。グループ数は反応の強さに応じてさらに多いグループとしてもよい。
【0029】
【数5】
【0030】
数式(5)に示されるように、削減可能量CPは、単位時間当たりの削減量an〜dnを所定期間分積算し、総計することで算出される。数式(5)の場合、単位時間は1時間であり、所定期間は1日である。単位時間を30分や2時間等の他の時間とし、所定期間を1週間等の他の期間としてもよい。
【0031】
削減可能量CPと削減必要量Pが算出されると、以下の数式(6)に示されるように、この削減可能量CPを削減必要量Pで減じ、その結果を削減可能指数Dpとする。
【0032】
【数6】
【0033】
運転計画システムは、削減量を削減可能量CP及び供給曲線Sが示す供給量から減じていくことで供給曲線Sを調整し、その調整結果から削減可能指数Dpと環境負荷指数Epを算出する。そして、削減可能指数Dpと環境負荷指数Epが一定範囲に収まる供給曲線Sを求め、提示部4に視覚的に出力させる。
【0034】
(詳細構成)
このような運転計画システムの各部の詳細構成を図4乃至9を参照して説明する。図4は、需要量設定部1の詳細構成を示すブロック図であり、図7は、供給量設定部2の詳細構成を示すブロック図であり、図9は、供給量調整部3の詳細構成を示すブロック図であり、図10は、提示部4により出力される運転計画の画面例を示す模式図である。
【0035】
(需要量設定部)
図4に示すように、需要曲線Dを出力する需要量設定部1は、パターン記憶部11と、表示部12と、入力部13と、パターン選択部14とを備える。
【0036】
パターン記憶部14は、HDD等の記憶手段で構成され、図5に示すように、需要曲線Dの各種のパターンを記憶している。パターン記憶部11に記憶されている需要曲線Dの各パターンは、それぞれ、時間帯毎の需要量のデータで構成されている。各パターンは、各種の条件によって想定される需要曲線Dを場合分けしたものである。各パターンには、そのパターンに対応する条件が関連づけられている。
【0037】
図6は、各パターンに関連づけられた各種の条件を示す。需要曲線Dの各パターンには、季節、日の特徴、需要の特徴、及び天候の各選択肢が一つずつ関連づけられている。季節の選択肢としては、春、夏、秋、冬であり、日の選択肢としては、平日、休日、最大3日平均日である。最大3日平均日とは、各月で毎日の最大電力を上位から3日抽出し、その電力量の平均をとった日である。需要の特徴は、標準、最大需要日、最小需要日、最大需要と最小需要との差が最大、最大需要と最小需要との差が最小等である。天候は、快晴、晴れ、曇り、雨等である。
【0038】
表示部12は、液晶、CRT、又は有機EL等の画面を有するディスプレイである。この表示部12は、需要曲線Dの各パターンに関連づけられている各種の条件を表示したGUI操作画面を表示する。入力部は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力インタフェースであり、入力部の操作に応じて表示部のGUI操作画面が操作可能となっている。例えば、条件に対応して表示されているラジオボタンの領域をマウスでクリックすると、その条件が選択される。
【0039】
パターン選択部14は、主にCPUとドライブコントローラを含み構成され、入力部13と表示部12とで構成されるマンマシンインターフェースを用いて選択された条件の組み合わせに関連する需要曲線Dのパターンをパターン記憶部11から読み出す。
【0040】
(供給量設定部)
図7に示すように、需要曲線Dに合わせて供給曲線Sを作成する供給量設定部2は、電源情報記憶部21と、電源配分決定部22とを備える。
【0041】
電源情報記憶部21は、HDD等の記憶手段で構成され、各種電源の稼働率、各種条件における発電効率、及び定格発電量のデータを少なくとも記憶している。各種電源は、例えば原子力、水力、火力、地熱、及び太陽光や熱発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電である。各種条件における発電効率は、例えば天候毎の太陽光エネルギー発電の最大発電量に対する効率である。
【0042】
電源配分決定部22は、主にCPUを含み構成され、電源情報記憶部21に記憶されている各種電源の情報を参照して天候や融通率や経済コストや蓄電条件のデータを加味しながら、供給曲線Sを生成する。具体的には、図8のそれぞれに示すように、需要量設定部1が出力した需要曲線Dが示す時間帯毎の需要量に一致するように、時間帯毎に各種電源に発電させる電力量を組み合わせていく。すなわち、供給曲線Sのデータは、時間帯毎の各種電源の発電量のデータで構成される。
【0043】
尚、図8の(a)は天候が雨及び無風である場合の電源配分を示しており、太陽光発電PVと風力発電の発電量をほとんど加味することができず、その分が火力発電により賄われており、図8の(b)は天候が快晴及び風がある場合の電源配分を示しており、太陽光発電PVと風力発電の発電量を大きく積み上げ、その分だけ火力発電を減少させている。
【0044】
(供給量調整部)
図9に示すように、環境負荷指数Ep及び削減可能指数Dpが一定範囲内に収まるように供給曲線Sを調整する供給量調整部3は、電源別原単位記憶部31と、環境負荷指数算出部32と、特性記憶部33と、削減可能指数算出部34と、判定部35と、電源配分調整部36とを備える。
【0045】
電源別原単位記憶部31は、HDD等の記憶手段で構成され、電源別のCO2原単位が記憶されている。CO2原単位は、1kWh当たりのCO2排出量である。
【0046】
環境負荷指数算出部32は、主にCPUを含み構成され、環境負荷指数Epを算出する。この環境負荷指数算出部32は、供給曲線Sのデータに含まれる各種電源の発電量に対して電源別のCO2原単位を乗じて、所定期間あたりの総計のCO2排出量を環境負荷指数Epとして算出する。所定期間としては、例えば1日、1週間、又は1ヶ月である。環境負荷指数としては、総計のCO2排出量の他、kWhあたりのCO2排出量としてもよい。
【0047】
特性記憶部33は、HDD等の記憶手段で構成され、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量an〜dnの情報を記憶している。削減可能量an〜dnの情報は、これら削減可能量an〜dnを算出するための各パラメータである。
【0048】
すなわち、削減可能量anの算出のために、契約形態a1の契約世帯数qa1、契約形態a2の契約世帯数qa2、契約形態a1による世帯の削減電力量a1p、及び契約形態a2による世帯の削減電力量a2pを記憶している。
【0049】
また、削減可能量bnの算出のために、供給停止操作受け入れ世帯数qb及び供給停止操作による世帯の削減電力量bpを記憶している。
【0050】
また、削減可能量cnの算出のために、応答特性強グループの世帯数qc1、応答特性中グループの世帯数qc2、応答特性弱グループの世帯数qc3、応答特性強グループの世帯の削減電力量c1p、応答特性中グループの世帯の削減電力量c2p、及び応答特性弱グループの世帯の削減電力量c3pを記憶している。
【0051】
また、削減可能量dnの算出のために、情報提供反応強グループの世帯数qd1、情報提供反応中グループの世帯数qd2、情報提供反応弱グループの世帯数qd3、情報提供反応強グループの世帯の削減電力量d1p、情報提供反応中グループの世帯の削減電力量d2p、及び情報提供反応弱グループの世帯の削減電力量d3pを記憶している。
【0052】
削減可能指数算出部34は、主にCPUとHDD等の記憶手段を含み構成され、削減可能指数Dpを算出する。すなわち、削減可能指数算出部34は、第1に、時間帯毎の理想的な供給量を示す理想曲線Iを予め記憶しており、理想曲線Iと需要曲線Dとから削減必要量Pを算出する削減必要量算出部341を有している。また、削減可能指数算出部は、第2に、特性記憶部34を参照して、削減可能量an〜dnを算出し、その結果を総計して削減可能量CPを算出する削減可能量算出部342を有している。そして、削減可能指数算出部は34、削減可能量CPを削減必要量Pで除すことで削減可能指数Dpを得る。
【0053】
判定部35は、主にCPUとHDD等の記憶手段を含み構成され、環境負荷指数Epが一定値範囲に収まり、かつ削減可能指数Dpが一定範囲に収まっているかを判定する。具体的には、判定部35は、環境負荷指数Epとの比較値と削減可能指数Dpとの比較値を予め記憶しており、環境負荷指数Epと対応の比較値とを比較し、削減可能指数Dpと対応の比較値を比較する。
【0054】
比較値は、範囲を示す上限値及び下限値であっても、閾値を示す一点の値であってもよい。例えば、環境負荷指数Epに対する比較値は、CO2排出量として許容できる上限値であり、削減可能指数Dpは、最低限達成すべき上限値と、あくまで目標としての下限値としてもよい。
【0055】
この場合、判定部35は、環境負荷指数Epが比較値を下回り、削減可能指数Dpが上限値と下限値の範囲内であれば、結果を良とする情報を出力する。尚、需要者が不満を感じない範囲で最大のCO2削減量を狙う場合には、判定部は、削減可能指数Dpが下限値又は閾値と一致した場合に、結果を良とする情報を出力するようにしてもよい。
【0056】
電源配分調整部36は、主にCPUを含み構成され、判定部35の結果に応じて供給曲線Sを調整する。具体的には、環境負荷指数Epの超過数値が判定部35から出力されていれば、電源別のCO2原単位のうち、最も高いCO2原単位と超過数値とを乗じ、そのCO2原単位を有する電源の発電予定量を乗算結果だけ減少させた供給曲線Sを作成する。
【0057】
一方、需要者が不満とならない範囲で最大のCO2削減量を狙う場合には、電源配分調整部36は、削減可能指数Dpが下限値を超過した超過値から逆算して供給量の削減値を導き、その削減値の分だけ、最も高いCO2原単位を有する電源の発電予定量を減少させた供給曲線Sを作成するようにしてもよい。尚、発電量を削減しようとする電源は、CO2原単位を基準とする他、経済コスト等を加味するようにしてもよい。
【0058】
(提示部)
提示部4は、液晶、CRT、又は有機EL等の画面を有するディスプレイであり、作成された運転計画を表示する。図10に、運転計画の表示例を示す。図10に示すように、提示部には、供給量と、環境負荷指数Epと、削減可能指数Dpとが表示される。供給量は、表形式やグラフ形式で表示され、時間帯毎及び電源毎の発電予定量が含まれる。環境負荷指数Epは、一日及び時間単位のCO2総排出量と単位電力量当たりのCO2排出量として表示される。削減可能指数Dpは、特定の世帯、地域、契約形態、及び時間帯毎に表示される。
【0059】
(動作)
このような運転計画システムの動作を図11に基づき説明する。図11は、運転計画システムの動作を示すフローチャートである。
【0060】
まず、需要量設定部1は、ユーザが入力部13を用いて入力した条件に関連づけられた需要曲線Dのパターンを選択する(ステップS01)。具体的には、表示部12は、需要曲線Dの各パターンに関連づけられている条件を選択するためのGUI操作画面を表示する。ユーザが入力部13を用いて条件を入力すると、パターン選択部14は、その条件の組み合わせに関連づけられている需要曲線Dのパターンをパターン記憶部11から読み出す。
【0061】
需要曲線Dのパターンが読み出されると、供給量設定部2は、需要量設定部1が選択した需要曲線Dに合わせて供給曲線Sを作成する(ステップS02)。具体的には、電源配分決定部22は、電源情報記憶部21から各種電源の情報を読み出し、時間帯毎に各種電源に発電させる電力量を積み上げていき、供給曲線Sを需要曲線Dと一致させる。
【0062】
次に、供給量調整部3の環境負荷指数算出部32は、供給曲線Sに対する環境負荷指数Epを算出する(ステップS03)。具体的には、供給曲線Sのデータに含まれる各種電源の発電量に対して電源別のCO2原単位を乗じて、総計のCO2排出量を算出する。
【0063】
また、供給量調整部3の削除可能指数算出部34は、供給曲線Sに対する削減可能指数Dpを算出する(ステップS04)。具体的には、まず、予め記憶している理想曲線Iと供給曲線Sとが示す供給量の差から削減必要量Pを算出する。次に、特性記憶部33を参照して、各種観点での削減可能量an〜dnを算出する。さらに、この時間当たりの削減可能量an〜dnを所定期間分積算し、それら結果を更に総計して削減可能量CPを算出する。そして、削減可能量CPを削減必要量Pで除すことで削減可能指数Dpを得る。
【0064】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとが算出されると、判定部35は、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとがそれぞれ一定範囲内に収まっているか判定する(ステップS05)。具体的には、判定部35は、環境負荷指数Epと比較値とを比較する。比較の結果、環境負荷指数Epが比較値を下回っていれば、環境負荷指数Epに関して良とする情報を出力する。更に、判定部35は、削減可能指数Dpと上限値及び下限値とを比較する。削減可能指数Dpが上限値と下限値との間に存在すれば、判定部35は、削減可能指数Dpに関して良とする情報を出力する。
【0065】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されない場合には(ステップS05,No)、電源配分調整部36は、供給曲線Sを供給量が減少する方向に変更する(ステップS06)。具体的には、各種電源のうちの特定の一つ又は複数に関して発電量を減少させた新たな供給曲線Sを作成する。
【0066】
電源配分調整部36が新たな供給曲線Sを作成すると、再びステップS03に戻り、環境負荷指数Epを算出し、削減可能指数Dpを算出し、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの判定を行う。このステップS03〜S06は、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されるまで(ステップS05,Yes)、繰り返される。
【0067】
環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの両方に関して良とする情報が出力されると(ステップS05,Yes)、提示部4は、最後に作成された供給曲線Sと、その環境負荷指数Epと削減可能指数Dpとを画面等に視覚的に出力する(ステップS07)。
【0068】
(作用効果)
以上のように、本実施形態では、第1に、電力の需要曲線Dの各パターンを予め記憶させておき、各種電源の発電量を組み合わせることで、パターンの一つに一致する電力の供給曲線Sを作成する。第2に、各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが示す供給量に対する環境負荷指数Epを環境負荷情報に基づき算出する。第3に、各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、供給曲線Sが所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、削減可能供給量を削減必要量で除した削減可能指数Dpを算出する。そして、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpが一定範囲内にあるか判定し、判定結果が一定範囲内にあるとされるまで供給曲線Sを調整するようにした。
【0069】
このように、本実施形態の運転計画システムでは削減可能指数Dpを供給曲線Sの作成の際に考慮している。削減可能指数Dpは、削減可能量を削減必要量で除した数値であり、需要家にどの程度節電余地があるかを削減必要量との対比で示している。削減可能指数Dpが低くなればなるほど、需要家に無理を強いていることとなり、一方、削減可能指数Dpが一定範囲内に収まっていれば、必要十分な需要と適合性が取れていることとなる。すなわち、削減可能指数Dpは、需要の適合性を示しており、この運転計画システムでは、需要の適合性と環境負荷の両立を実現している。
【0070】
従って、この運転計画システム及びその運転計画作成方法では、需要との適合性が取れている状況下で環境負荷の削減を目指すことができ、実効性のある運転計画を作成することができる。
【0071】
また、需要と適合性が取れた実効性のある運転計画であるから、その供給曲線から算出されるCO2排出量は実際の数値に近くなる。従って、この運転計画システムを導入することで、信頼性のあるCO2排出権取引市場を築くことができる。
【0072】
また、削減可能量bnは、時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量である。この削減可能量bnに基づき削減可能指数を作成することで、新興国等において緊急時の供給確保が予め保証されなければならない政府セクターや公共設備や産業設備等以外の需要家に対する供給量を削減対象とすることができる。そのため、未成熟な新興国や地域のように、発電設備の稼働率が低く、個々の機器の効率が低いなど、先進国と比べて十分な電力供給量が確保できない場合、状況に応じて強制的に供給停止可能な運転計画を作成することが可能となる。
【0073】
[第2の実施形態]
(構成)
次に、第2の実施形態に係る運転計画システム及び運転計画作成方法の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。尚、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】
図12は、第2の実施形態に係る運転計画システムの構成を示すブロック図である。図12に示すように、この運転計画システムは、送信部5と収集部6とを有する。
【0075】
送信部5は、CPUとネットワークアダプタを含み構成され、需要家の意見を聴取するメッセージを各需要家に送信する。このメッセージは、需要家が抑えるべき電力消費量を実現可能かの問い合わせである。需要家が抑えるべき電力消費量は、換言すると供給曲線調整部の調整によって削減される供給量であって当該需要家の割り当て分である。
収集部6は、CPUとネットワークアダプタを含み構成され、需要家の意見徴収結果を受信し、意見を集計する。
【0076】
需要家には、ネットワークに接続された端末が設置されており、送信部が送信したメッセージは、この端末で受信されて、モニタに表示される。端末には、キーボードやマウス等の入力手段が備えられており、需要家が実現可能な電力削減量が入力可能となっている。需要家によって入力された電力削減量が意見徴収結果としてネットワークに送出され、収集部6によって受信される。
【0077】
そして、収集部6は、受信した電力削減量の全てを合計し、意見徴収結果情報として、電源配分調整部36へ出力する。電源配分調整部36は、意見徴収結果情報が示す削減可能量がフィードバックされると、その削減可能量分だけ供給量を削減した供給曲線Sを生成する。生成した供給曲線Sは、第1の実施形態と同様に環境負荷指数Epと削減可能指数Dpの算出対象及び判定対象となる。
【0078】
その他、収集部6が出力した意見徴収結果情報に応じて環境負荷指数Epや削減可能指数Dpと対する対比値や範囲を制限を設けたり、環境負荷指数Epと削減可能指数Dpに優先度を設けたりするようにしてもよい。
【0079】
(作用効果)
以上のように、本実施形態では、供給曲線Sに基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信し、端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計する。供給曲線Sの調整では、総計した電力削減量に基づき、供給曲線Sを再調整するようにした。
【0080】
これにより、特性記憶部33に記憶されている情報以上に需要者の随時の行動パターンや都度変化する嗜好に対応することができるため、需要との適合性を一層高めることができる。
【0081】
[その他の実施の形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1及び第2の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 需要量設定部
11 パターン記憶部
12 表示部
13 入力部
14 パターン選択部
2 供給量設定部
21 電源情報記憶部
22 電源配分決定部
3 供給量調整部
31 電源別原単位記憶部
32 環境負荷指数算出部
33 特性記憶部
34 削減可能指数算出部
341 削減必要量算出部
342 削減可能量算出部
35 判定部
36 電源配分調整部
4 提示部
5 送信部
6 収集部
D 需要曲線
S 供給曲線
Ep 環境負荷指数
Dp 削減可能指数
I 理想曲線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の需要曲線の各パターンを記憶するパターン記憶手段と、
各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成する供給量設定手段と、
前記各種電源の環境負荷情報を記憶する負荷情報記憶手段と、
前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出する負荷指数算出手段と、
各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を記憶する特性記憶手段と、
前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出する削減必要量算出手段と、
前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出する削減可能量算出手段と、
前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出する削減可能指数算出手段と、
前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整する供給曲線調整手段と、
を備えること、
を特徴とする運転計画システム。
【請求項2】
前記供給曲線調整手段で調整された前記供給曲線に基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信する削減可能量照合部と、
前記端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計する削減可能量収集部と、
を更に備え、
前記供給曲線調整手段は、
前記削減可能量収集部が総計した電力削減量に基づき、前記供給曲線を再調整すること、
を特徴とする請求項1記載の運転計画システム。
【請求項3】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、各契約形態の契約世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項4】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、供給停止操作受け入れ世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項5】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各応答特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項6】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
定量的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量を示し、アナウンスに対する各反応特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項7】
電力の需要曲線の各パターンを予め記憶させておき、
各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成し、
前記各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、
前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出し、
各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、
前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、
前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、
前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出し、
前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定し、
前記判定の結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整すること、
を特徴とする運転計画作成方法。
【請求項8】
前記供給曲線に基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信し、
前記端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計し、
前記供給曲線の調整では、
前記総計した電力削減量に基づき、前記供給曲線を再調整すること、
を特徴とする請求項7記載の運転計画作成方法。
【請求項9】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、各契約形態の契約世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項10】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、供給停止操作受け入れ世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項11】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各応答特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項12】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
定量的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各反応特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項1】
電力の需要曲線の各パターンを記憶するパターン記憶手段と、
各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成する供給量設定手段と、
前記各種電源の環境負荷情報を記憶する負荷情報記憶手段と、
前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出する負荷指数算出手段と、
各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を記憶する特性記憶手段と、
前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出する削減必要量算出手段と、
前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出する削減可能量算出手段と、
前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出する削減可能指数算出手段と、
前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整する供給曲線調整手段と、
を備えること、
を特徴とする運転計画システム。
【請求項2】
前記供給曲線調整手段で調整された前記供給曲線に基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信する削減可能量照合部と、
前記端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計する削減可能量収集部と、
を更に備え、
前記供給曲線調整手段は、
前記削減可能量収集部が総計した電力削減量に基づき、前記供給曲線を再調整すること、
を特徴とする請求項1記載の運転計画システム。
【請求項3】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、各契約形態の契約世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項4】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、供給停止操作受け入れ世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項5】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各応答特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項6】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
定量的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量を示し、アナウンスに対する各反応特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項1又は2記載の運転計画システム。
【請求項7】
電力の需要曲線の各パターンを予め記憶させておき、
各種電源の発電量を組み合わせることで、前記パターンの一つに一致する電力の供給曲線を作成し、
前記各種電源の環境負荷情報を予め記憶させておき、
前記供給曲線が示す供給量に対する環境負荷指数を前記環境負荷情報に基づき算出し、
各需要家の電力消費削減特性毎に削減可能量情報を予め記憶させておき、
前記供給曲線が所定の曲線に一致するのに必要な削減必要量を算出し、
前記削減可能量情報に基づき、削減可能な供給量を算出し、
前記削減可能供給量を前記削減必要量で除した削減可能指数を算出し、
前記環境負荷指数と前記削減可能指数が一定範囲内にあるか判定し、
前記判定の結果が前記一定範囲内にあるとされるまで、前記供給曲線を調整すること、
を特徴とする運転計画作成方法。
【請求項8】
前記供給曲線に基づき、ネットワークに接続された需要家の端末に対して、当該需要家が抑えるべき電力消費量を送信し、
前記端末から送信された前記需要家が実現可能な電力削減量を総計し、
前記供給曲線の調整では、
前記総計した電力削減量に基づき、前記供給曲線を再調整すること、
を特徴とする請求項7記載の運転計画作成方法。
【請求項9】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯と割合とが定められ、その時間帯にその割合で供給量が削減されることを認める契約に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、各契約形態の契約世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項10】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
時間帯が定められ、その時間帯に電力供給を0にすることを認める契約又は法律に基づき、削減が可能であると想定される電力量に関する情報であり、供給停止操作受け入れ世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項11】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
電力事情が逼迫した状況にあることをアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各応答特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【請求項12】
前記電力消費削減特性毎の削減可能量情報は、
定量的な電力事情をアナウンスした場合に、そのアナウンスに呼応して自主的に削減してもらえると想定される電力量に関する情報であり、アナウンスに対する各反応特性の世帯数と削減電力量とからなること、
を特徴とする請求項7又は8記載の運転計画作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2013−106383(P2013−106383A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246821(P2011−246821)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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