説明

運送用コンテナにおける放射線または放射線遮蔽材を検出するための装置および方法

【課題】核分裂性または放射性物質を検出する新規な方法を提供する。
【解決手段】コンテナ9内の核分裂性または放射性物質、あるいは放射線遮蔽材を検出する方法は、核分裂性または放射性物質、あるいは、核分裂性または放射性物質の存在を隠匿する遮蔽材の存在を検出するため、コンテナ9を移動するためのコンテナクレーンのハウジング21、22、23内に設けられた放射性物質検出装置,並びに放射線遮蔽検出装置によって得られた検出装置の出力をしきい値と比較する。ここで、しきい値は、既知の危険な放射性物質、既知の正規の中身、または、空のコンテナの出力に基づくことができる。さらに、その結果に基づき、コンテナ9に関する次の行動を決定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
(1. 発明の分野)
本発明は、核分裂性または放射性物質、あるいは放射線遮蔽材を検出する方法に関する。特に、本発明は、積荷目録、梱包票またはその他の内容リストに記載された中身を有する運送用コンテナにおける放射性物質または放射線遮蔽材の存在を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2. 背景技術)
2001年9月11日、アメリカ合衆国は、アルカイダという名のテロ組織により攻撃された。アルカイダのテロリスト達は4機の民間航空機をハイジャックして大規模な攻撃を開始した。テロリスト達は、ハイジャックした旅客機をニューヨーク市の世界貿易センターの2つの塔の各々に突入させ、1機を、ワシントン市の米国国防総省すなわち我が国の軍司令部に突入させた。勇敢な飛行機の乗客及び乗務員の努力は、飛行機をペンシルベニア州郊外へ墜落させることにより、4機目のハイジャックした旅客機を、おそらくワシントン市区域であろう更なる攻撃目標に突入させる企てを失敗させた。全部で3000人以上の人々が2001年9月11日の朝にアメリカの土の上で殺された。
【0003】
9月11日の攻撃は、アメリカに対する警鐘であった。アメリカ人は、我々の自由と、開かれた社会とがテロ攻撃に対して色色な意味で脆弱であることを突然自覚した。至る所でアメリカ人は、特に核兵器のような「大量破壊兵器」に対する脆弱性を目撃した。1つの種類の核兵器は爆弾または弾頭のような装置であり、その巨大な爆発力は核エネルギーの放出から発する。
【0004】
別の種類の核兵器は、いわゆる「汚い爆弾」を含む。汚い爆弾は、人間の病気を引き起こす放射能汚染を蔓延させるために放射性物質を詰め込んだ従来の爆破装置である。放射線病は、電離放射線に身をさらすことにより引き起こされる病気であり、吐き気、嘔吐、頭痛及び下痢から、毛髪及び歯の抜け、赤血球数及び白血球数の減少、広範な出血、不妊及び死まで重症度に幅がある。
【0005】
核兵器からテロリストにより引き起こされる民衆への危害の脆弱性は、このような兵器が標的領域へ届けられ、標的領域で爆発する必要がある。しかし、テロリストは、従来の軍事的な配送手段でなく、兵器を届けるひそかなやり方に頼る。例えば、テロリストは、アメリカ合衆国へ毎日持ち込まれる何万もの運送用コンテナのうちの1つの中に核兵器を隠匿することにより、核兵器をアメリカ国土にひそかに届けることができる可能性がある。
【0006】
本発明の目的の1つは、放射線検出及び放射線遮蔽検出装置と一緒に用いられる場合、一般に世界のどこかで入出港し、特にアメリカ合衆国で入出港する運送用コンテナ内で人目を盗むことによる核兵器の運送を阻止することにある。本発明の更なる目的は、放射線検出及び放射線遮蔽検出装置と一緒に用いられる場合、(1)外国の港で荷積みされ、(2)4000TEU(「20フィートコンテナ換算」)以上の運送用コンテナを運ぶ巨大な外航コンテナ船を含む船舶によりアメリカ合衆国に運送され、(3)アメリカ合衆国内の港または人口の中心付近に荷降ろしされたか、持ち込まれた運送用コンテナ内で人目を盗むことにより核兵器がアメリカ合衆国内に持ち込まれることを阻止することにある。運送用コンテナ内で人目を盗むことにより人口の中心付近に持ち込んだ核兵器でアメリカ合衆国またはその他のいずれかの国家を攻撃するテロリストからの脅威を、放射線検出及び放射線遮蔽検出装置と一緒に本発明を用いて軽減できる。
【0007】
(a. 検出システム)
ウランに基づく核兵器が検出可能なガンマ線を放出することは核兵器検出技術の分野で既知である。ウランには周期表の記号「U」が与えられ、ウランは、濃い銀白の金属元素であり、放射性及び毒性であり、容易に酸化し、14つの既知の同位体を有し、そのうちのU238は自然界で最も豊富である。この元素は、閃ウラン鉱及びカルノー石を含む幾つかの鉱物で生じ、これら鉱物から抽出され、利用するために処理される。この元素は、原子番号92、原子量238.03、融点1132℃、沸点3818℃、比重18.95、並びに原子価2、3、4、5、6を有する。ウランは処理中に濃縮され、これにより、物質中の1つ以上の放射性同位体の量が増大する。
【0008】
プルトニウムに基づく核兵器が検出可能なガンマ線を放出することも核兵器検出技術の分野で既知である。プルトニウムには周期表の記号「Pu」が与えられ、プルトニウムは自然放射性で銀色金属の超ウラン元素であり、ウラン鉱で生じ、ウランの中性子照射により人工的に製造される。最も長い寿命の同位体は、7600万年の半減期を持つPu244である。プルトニウムは放射性毒であり、特に骨髄により吸収され、特に、高度な核分裂性同位体Pu239が核燃料として、そして、核兵器に用いられている。プルトニウムは原子番号94、融点640℃、沸点3235℃、比重19.84、並びに原子価3、4、5、6を有する。
【0009】
ハンス・ガイガーの1911年の業績以来、装置が電離放射線の存在を検出できることが知られている。名付けられたガイガー・ミュラー計数管は、この装置の改良型であり、アルファ粒子、電子及び電離電磁光子を検出する。現代では、ガンマ放射線を検出するのにプラスチックシンチレーションが用いられている。例えば、コネチカット州メリデン市のキャンベラ(Canberra)社(www.canberra.com)は、歩行者車両、トラック及び鉄道車両の放射線制御向けに設計されたシンチレーション検出器を用いるモニタを製造し、販売している。別の例では、マサチューセッツ州ベッドフォード市のアンプテック(Amptek)社(www.amptek.com)は、ガンマ放射線を検出すると共に分光学的に分析するのにヨウ化ナトリウム結晶検出及びデジタル化を用いる「ガンマ8000」シンチレーション検出器を製造し、販売している。シンチレーティング及び非シンチレーティング材料の双方を用いる装置(ヨウ化水銀またはテルル化カドミウムのような固体検出器)を含め、放射線を検出するのに用いることができるその他の市販の装置がある。本明細書では、これら装置のすべてを一般的に「(複数の)核分裂性または放射性物質検出装置」と称する。
【0010】
兵器を鉛のような放射線遮蔽材で覆うことにより、ウランまたはプルトニウムに基づく核兵器の存在を隠匿できることは核兵器検出技術の分野で既知である。鉛には周期表の記号「Pb」が与えられ、鉛は軟らかく、可鍛性及び延性であり、且つ青白色の高密度な金属元素であり、方鉛鉱から主として抽出され、腐食物用のコンテナ及びパイプ、はんだ及び活字合金、銃弾、放射線遮蔽、塗料、並びにアンチノック化合物に用いられている。鉛は原子番号82、原子量207.2、融点327.5℃、沸点1744℃、比重11.35、並びに原子価2、4を有する。核兵器を運送用コンテナ内に置き、次に、1〜2インチまたはそれ以上の厚みを有する放射線遮蔽材、典型的に鉛の層で覆うことができる。このようにして、1つまたは複数の核分裂性または放射性物質検出装置は、核兵器の存在を識別できないおそれがある。従って、運送用コンテナ内で人目を盗むことによって核兵器をアメリカ国内に持ち込むことにより核兵器をアメリカ国土に届け、爆発させるのに放射線遮蔽材を用いる可能性がある。
【0011】
別の遮蔽材も当該技術分野で既知である。例えば、放射性放出物を構造体内に収容するのに高密度のコンクリートが典型的に用いられる。運送用コンテナ内に置かれた核兵器を隠蔽する高密度のコンクリートの厚みを、上記の例で必要な鉛の厚みと同じ程度の大きさとすることができる。これら遮蔽材のすべては、核分裂性または放射性物質の存在を検出できないようにガンマ放射線を弱めるか、完全に遮る。
【0012】
運送用コンテナ内に隠した核兵器から放射する放射線を遮蔽する放射線遮蔽材のテロリストによる使用について2つの主要な制限が存在する。すなわち、(1)X線またはその他の類似の検出システムは、核兵器から放射する放射線を遮蔽するのに必要な放射線遮蔽材の量の存在を検出できる。そして、(2)コンテナの輸送手段を真に一本化するようにアメリカ合衆国の様々な州及び連邦規制により許可された運送用コンテナの重量の最大量(いわゆる、「長距離輸送の」重量制限)がある。いずれにしても、以下にもっと充分に説明するように、隠匿された兵器の存在は遮蔽材の存在を介して間接的に明らかになり、これによりテロ攻撃を阻止する。
【0013】
まず、放射線遮蔽材の存在を識別しようと試みる運送用コンテナのX線またはその他の類似の検出検査システムは、当該技術分野で周知である。例えば、これら検査システムの幾つかは、運送用コンテナを横切るX線の強度分布を測定することにより透過画像を典型的に生成する。X線またはその他のこのような検出システムは、X線、ガンマ線またはその他の放射線を放出する線源に依存する。これら検出システムは、それらが放射線を発生して、走査すべき物体を貫通し、次に、このような物体を出射する放射線の強度、位置またはその他の属性を測定するという意味で、時々、「能動的」システムと称する。従って、核兵器を覆うのに用いられる放射線遮蔽材が放射線を吸収するので、このようなX線またはその他の能動的検出システムの使用によりこのような放射線遮蔽材を検出できる。
【0014】
しかし、放射線遮蔽材を検出する能動的検出システムの使用は、深刻な欠点に苦しむ。能動的検出システムは、(1)有害な放射線を発生し、従って、作業環境に適さず、(2)写真フィルムのようにコンテナ内に運ばれた特定の種類の積荷を損傷するおそれがあり、(3)線源と検出器との間に分離空間を必要とし、この空間内には、検査されるコンテナを配置しなければならず、(4)コンテナクレーンのホイストアタッチメントに適合し難い。
【0015】
本発明は、検出の受動的システムの効果的な利用を可能にする。本発明は、ただ単にガンマ線の存在を記録する放射線検出装置と一緒に用いられる。このシステムは、核分裂性または放射性物質により放出された自然発生の放射線と、放射線検出器と、コンピュータと、コンテナ内にあると言われている中身のリスト(「積荷目録」)と、ソフトウェア製品とにのみ依存するという意味で受動的である。本明細書では、能動的及び受動的なこれらシステム及び装置のすべてを「(複数の)放射線遮蔽検出装置」と称する。
【0016】
(b. 運送用コンテナシステムまたはコンテナ輸送)
1960年代後半以来、外航運送またはコンテナ輸送のための運送用コンテナの使用が普及した。運送用コンテナは、「中甲板」船の貨物倉内に積荷を固定及び支える古い、いわゆる「ブレイクバルク」システム、または、ラッシュ船のようなその他のあらゆる種類のブレイクバルクシステムよりも優れた有意義な利点を有する。コンテナ輸送は、複合一貫輸送を現実のものにする。積荷が起点でコンテナ内に(通常、製造業者または売主により)積まれた後、コンテナ輸送は、陸と海とに渡ってトラック、鉄道及び船舶によりコンテナを、中身に支障を来たすことなく、目的地へ輸送することを可能にする。コンテナ輸送は、卓越した速度の輸送を生み出し、これと同時に、費用のかかる出荷、損傷及び盗難を少なくする。
【0017】
あらゆる外航積荷システムと同様に、コンテナ輸送では、積み降ろし(乗下船)の1つまたは複数の荷役口は主要な障害を構成する。荷積み口では、全部のコンテナはコンテナヤード内に入れられる。そこで、コンテナの識別(「コンテナID」)が、追跡及び位置決め目的を含む多くの目的のために記憶される。コンテナIDを英数字、数字、バーコードまたはその他の識別記号表示とすることができる。この時点で、または、この時点より前に、コンテナの中身は、リストまたは積荷目録上の内包物について記録されている。積荷目録は、特異性を用いて各コンテナ及び各コンテナの中身を記載する(「船舶の積荷目録」)。運送会社は、各コンテナと関連する積荷目録情報を含むデータベース(「積荷目録データベース」)をしばしば生成する。特に、積荷目録データベースは、各コンテナ内の中身を表現するために設計された商品識別(「商品ID」)を含む。商品IDは、米国国際貿易委員会により規格化されている(「規格化商品ID」)。(http://dataweb.usitc.gov/SCRIPTS/tariff/toc.htmlにおいて統一関税表を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
荷積み口では、全部のコンテナは、通常、オープンヤードに保管されて、コンテナ船内に荷積みされるのを待つ。この保管期間中、全部のコンテナを検査できる。しかし、コンテナヤード内の検査は、追加の工程または機能を行うことを必要とし、すなわち、追加の作業員による追加の処理を必要とする。
【0019】
同様に、積荷口では、部分的に荷積みされたコンテナがコンテナヤード内に入れられる。そこで、コンテナIDが、追跡及び位置決め目的を含む多くの目的のために記憶される。コンテナヤード内に保管する前に、部分的に荷積みされたコンテナ内の積荷を、同じコンテナ内か、別のコンテナ内の別の積荷と合併できる。この時点で、または、この時点より前に、コンテナ及びその中身は、積荷目録上、及び積荷目録データベース内に記載される。その後、コンテナはコンテナヤード内に保管されて、コンテナ船内に荷積みされるのを待つ。この保管期間中、コンテナを検査できる。しかし、この場合も、コンテナヤード内の検査は、追加の工程または機能を行うことを必要とし、すなわち、追加の作業員による追加の処理を必要とする。
【0020】
何万ものコンテナは、世界の港で毎日積み降ろしされている。しかし、これらコンテナのごくわずかな割合だけが検査されている。例えば、事例証拠は、アメリカ合衆国の港で毎日降ろされている約21000個のコンテナの3%に満たないコンテナが検査されているということを示唆する。この状況は、核兵器の隠匿の可能性によるテロ行為及びその他の違法な行為に対する際立った脆弱性を表す。従って、当該技術分野では、運送用コンテナ内で人目を盗むことにより人口の中心付近へ持ち込まれた核兵器を用いてアメリカ合衆国またはその他のいずれかの国家または住民に攻撃する可能性を軽減する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明の概要
本発明によれば、核分裂性または放射性物質検出装置、並びに放射線遮蔽検出装置の双方またはいずれか一方が、コンテナ船に荷積み降ろしするのに用いられるコンテナクレーン上に配置されている。これらコンテナクレーンは、コンテナが積み降ろしされるコンテナヤードの岸辺または波止場の上部に一般に位置付けられている。時々、コンテナクレーンがコンテナ船自体の船上に位置付けられている。これらコンテナクレーンのすべては、スプレッダ、ヨークまたはグラバーとして既知であるが、特にホイストアタッチメントと表現する装置を用いる。本明細書では、「スプレッダ」、「ヨーク」、「グラバー」及び「ホイストアタッチメント」なる言葉は同義語であり、コンテナ船に荷積み降ろしするのに用いられるコンテナクレーンの一部分であって、ホイスト機構に物理的に取り付けられており、積み降ろしの作業中ではコンテナにも物理的に取り付けられる部分を意味する。ホイストアタッチメントは、時々、「ツイストロック」と呼ばれるホイストアタッチメント上の雄部品と、時々、「コーナキャスティング」と呼ばれるコンテナの隅部の雌部品とによりコンテナに取り付けられる。
【0022】
岸辺のコンテナクレーンは、「A字状」フレームまたは長方形ボックスフレーム構造の波止場の上部に位置する。クレーンは、レール上に大抵ある4つの支柱または垂直支持体を有する。クレーンは、いずれかの船倉または船の長手部分からコンテナを積むか降ろすため、船に沿って船首から船尾まで波止場の上部上で移動する。クレーンは、サスペンションケーブルにより適切な位置に維持された水平ブーム状の桁をも有する。典型的に、桁はヒンジ上で延長及び収縮し、または伸縮できる(重なり合う部分で内側及び外側へスライドする)。台車またはトロリーにより桁に沿って前後に移動する荷積み作業では、ホイスト機構及びホイストアタッチメントは波止場の上部から外側へ船舶にわたって延在する。
【0023】
ホイストアタッチメントは、四隅に雄部品または「ツイストロック」を有する鉄鋼梁より成る長方形構造体である。雄部品は、コンテナの隅部に位置付けられたコーナキャスティング雌部品でロックされる。ホイストアタッチメントは、コンテナクレーンのホイスト機構とコンテナとの間の接合部分である。荷積みまたは荷降ろし中、ホイストアタッチメントは、ホイスト機構及びコンテナに物理的に取り付けられている。ホイストアタッチメントは、コンテナに接触するコンテナクレーンのごく一部に過ぎない。ホイストアタッチメントは、20フィート、40フィートまたは45フィートコンテナに適応するように収縮または拡張できる。本明細書では、「スプレッダ」、「ヨーク」、「グラバー」及び「ホイストアタッチメント」なる言葉は同義語である。
【0024】
例えば、荷積み中、ホイストアタッチメントはコンテナに取り付けられている。この場合、ホイスト機構は、ホイストアタッチメントと、取り付けられたコンテナとを、波止場の上部から、または、波止場の上部上の車両から、または、コンテナクレーン自体に位置付けられた中階段から上方へ持ち上げる。一旦、荷積みされるべき船の側面上で所望の高さとなれば、ホイスト機構と、コンテナが取り付けられたホイストアタッチメントとは、外側へ船体を横切って移動し(船を端から端に横断し)、船上の適切なコンテナセル上で停止する。ホイスト機構は次に、コンテナが取り付けられたホイストアタッチメントを、船倉内で、または船の甲板上で特定のコンテナに対して指定された位置まで下げる。一旦、コンテナが適切な位置にあれば、ホイストアタッチメントはコンテナから分離し、ホイスト機構により上方に持ち上げられ、そこから、別のコンテナを積むために波止場の上部上の位置に戻される。荷降ろし中、その逆が発生する。すなわち、ホイスト機構は、ホイストアタッチメントと、取り付けられたコンテナとを船倉から、または船の甲板から外へ持ち上げ、コンテナを波止場の上部上に、波止場の上部上の車両に、または、コンテナクレーン自体に位置付けられた中階段に配置する。
【0025】
いわゆる「内蔵船」または、独自のコンテナクレーンまたはクレーンが装備された船舶に対して、構造及び作業が類似する。船上のクレーンは、長方形ボックスフレーム構造体として船の甲板上に位置する。クレーンは、梁により結合され、船の船倉をまたぎ、レール上に大抵ある4つの支柱または垂直支持体を有する。クレーンは、いずれかの船倉または船の甲板部分からコンテナを積むか降ろすため、船首から船尾まで船の甲板上で移動する。クレーンは、水平ブーム状の桁をも有する。桁は伸縮でき(重なり合う部分で内側または外側へスライドする)、延長及び収縮する。桁に沿って前後に移動する荷積み作業では、ホイスト機構及びホイストアタッチメントは船から外側へ波止場の上部にわたって延在する。ホイスト機構はホイストアタッチメントを下げ、その後、ホイストアタッチメントはコンテナに取り付く。取り付いた後、ホイスト機構は、ホイストアタッチメントと、取り付けられたコンテナとを、船の側面上の適切な高さまで上方へ持ち上げ、内側へ船体を横切って移動し(船を端から端に横断し)、船上の適切なコンテナセルまたは甲板位置上で停止する。ホイスト機構は次に、ホイストアタッチメントと、取り付けられたコンテナとを、船倉内で、または船の甲板上で特定のコンテナに対して指定された位置まで下げる。
【0026】
水上車両が船というよりはむしろはしけである場合、岸辺及び船上のクレーンに対する上述の構造及び機能が同じように存在し、生じる。本明細書では、「コンテナクレーン」なる言葉は、岸で動作しようが、水上車両(船または、はしけ)上で動作しようがコンテナクレーンを意味する。
【0027】
2つ以上の段階でコンテナを積む岸辺のコンテナクレーンが幾つかある。2段階のコンテナクレーンでは、追加の後部(船から最も遠いクレーンの一部分)支柱が存在する。これら支柱は、追加の巻上げ領域をクレーンの後方(船から最も遠いクレーンの一部分)に形成する。追加の巻上げ領域では、追加のホイスト機構及びホイストアタッチメントが用いられる。追加のホイスト機構及びホイストアタッチメントは、コンテナクレーン自体の上に位置するプラットフォームまでコンテナを持ち上げる。その後、クレーンの前方(船に最も近いクレーンの一部分)のホイスト機構及びホイストアタッチメントはこのプラットフォームからコンテナを取り出し、先に述べたようにこのコンテナを船上に積み込む。2つ以上のコンテナを同時に処理するコンテナクレーンもある。本明細書では、「コンテナクレーン」なる言葉は、追加の巻上げ領域、ホイスト機構またはホイストアタッチメントを持っていようが、2つ以上のコンテナを同時に処理しようがコンテナクレーンを意味する。
【0028】
核分裂性または放射性物質検出装置、且つ/または放射線遮蔽検出装置が一部分であるコンテナクレーンを製造及び使用することは、ここで説明したシステム及び方法の発明である。コンテナクレーン上(好ましくは、ホイストアタッチメント上)に位置付けられた核分裂性または放射性物質、並びに放射線遮蔽検出装置は、船に荷積みしているか荷降ろししている間で、且つ、コンテナクレーンのホイストアタッチメントがコンテナに取り付けられる直前、または、取り付けられている間、または、取り付けられた直後にコンテナを検査する。核分裂性または放射性物質検出装置、並びに放射線遮蔽検出装置には、コンテナ内に存在する放射線遮蔽材の範囲または放射線レベルの記録を受信し、処理し(例えば、比較し)、伝達するマイクロプロセッサを更に装備できる。
【0029】
このシステム及び方法を用いて、輸送または船内荷役会社は、この会社が、動作するか、または、はしけで運ぶ事実上すべての船またははしけへ荷積みするか、それらから荷降ろしする事実上すべてのコンテナ内に存在する放射線遮蔽材または放射線レベルを検査できる。マイクロプロセッサが、コンテナ内に存在する放射線遮蔽材の範囲または放射線レベルを記録した後、この情報をクレーンの操作者に、コンテナヤード内の作業事務所に、あるいは、波止場にあるコンピュータを介して会社の本部事務所またはいずれかの政府機関または当局に(有線または無線で)伝達できる。特に、輸送または船内荷役会社は、コンテナ内に存在する放射線遮蔽材の範囲または放射線レベルに関する情報を用いて、特定のコンテナを積み続けるべきか、降ろし続けるべきかを、あるいは、むしろ、物理検査を含む更なる検出技術を課すべきかを決定できる。
【0030】
本発明の別の実施形態では、運送用コンテナにおいて放射線または核分裂性物質あるいは放射線遮蔽材を、コンテナからのガンマ線放出から受動的に生じたデジタル化されたガンマ線データを読み取り、デジタル化されたガンマ線データが(a)所定のガンマ線指紋に相応するか、または、(b)予想されたガンマ線指紋に対して変則的であるかを決定するのにデータを分析し、データが所定の指紋に相応するか、予想された指紋に対して変則的である場合に、コンテナが放射線または核分裂性物質あるいは放射線遮蔽材を含むことを信号で伝えることにより検出できる。
【0031】
本発明のその他の実施形態では、ガンマ線データを集め、(1)ガンマ線の線源の強度、及び/または、(2)各ガンマ線のエネルギーにデジタル化する。この集められ、デジタル化されたガンマ線データを以後、「指紋」と称する。指紋をスペクトログラムまたはスペクトログラフとして表すことができる。兵器指紋は、内部に核分裂性または放射性物質を有する試験コンテナから採られた指紋(「兵器指紋」)である。積荷目録指紋は、積荷目録上に記載された中身のような正規の中身を内部に有する試験コンテナから採られた指紋(「積荷目録指紋」)である。背景指紋は、空の試験コンテナから採られた指紋である。本発明では、2種類の背景指紋、すなわち、(1)オリジナル背景指紋及び(2)検査日背景指紋が用いられる。オリジナル背景指紋は、兵器及び積荷目録データベースが生成された時点で採られた指紋である。検査日背景指紋は、以下にもっと充分に説明するように本発明に従ってコンテナが検査された日に生成された指紋である。
【0032】
本発明の特定の一実施形態における特徴は、指紋のデータベースが構築されるということである。本発明で用いるために構築されるデータベースは、(1)兵器指紋データベース、(2)積荷目録指紋データベース及び(3)検査日背景指紋データベースである。更に、本発明の使用は、コンテナ及びその中身を運送する会社により維持される積荷目録データベースにアクセスすることを意図する。最小でも、積荷目録データベースはコンテナIDにより各コンテナを記載し、規格化商品IDによりコンテナの中身を記載しなければならない。
【0033】
本発明のコンピュータプログラム、データベース及び方法を用いて、4つまでの試験、すなわち、(1)兵器試験、(2)積荷目録試験、(3)背景放射線試験及び(4)等価放射線試験により中身を分析するのに所定のコンテナ(「疑わしいコンテナ」)の指紋並びに関連のコンテナIDが用いられる。
【0034】
(1. 兵器試験)
兵器指紋データベースは、疑わしいコンテナの指紋を兵器指紋データベース内の兵器指紋と比較することにより発見的な一致を探す。疑わしいコンテナの指紋が兵器指紋データベース内の指紋にヒューリスティックに一致すれば、疑わしいコンテナは、遮蔽されていない核兵器を含んでいそうであり、この結果についての状態を返信する。疑わしいコンテナの指紋が兵器指紋データベース内のいずれの指紋にもヒューリスティックに一致しなければ、積荷目録試験を実行する。
【0035】
(2. 積荷目録試験)
積荷目録データベースはコンテナIDによりコンテナを記載する。積荷目録データベースはこのようなコンテナの各々の中身をも記載し、このようなコンテナの各々は規格化商品IDにより表される。積荷目録指紋データベースは、正規のコンテナの中身の指紋を含み、このような中身の各々は、積荷目録データベースにより用いられた同一の規格化商品IDにより識別される。コンテナIDを用いて、積荷目録データベースへ、疑わしいコンテナ内にあると言われている中身の規格化商品IDを決定するのに問い合わせを行う。結果の規格化商品IDを用いて、積荷目録指紋データベースへ、疑わしいコンテナ内にあると言われている中身の指紋(「言われるところの指紋」)を決定するのに問い合わせを行う。
【0036】
疑わしいコンテナの指紋を、積荷目録指紋データベース内の言われるところの指紋と比較するのに積荷目録指紋データベースを調べる。疑わしいコンテナの指紋が、言われるところの指紋にヒューリスティックに一致すれば、疑わしいコンテナは、積荷目録により中にあると言われている中身を持っていそうであり、この結果についての状態を返信する。疑わしいコンテナの指紋が、言われるところの指紋にヒューリスティックに一致しなければ、背景放射線試験を実行する。
【0037】
(3. 背景放射線試験)
疑わしいコンテナの指紋を検査日背景指紋データベース内の検査日背景指紋と比較するのに検査日背景指紋データベースを調べる。疑わしいコンテナの指紋が検査日背景指紋よりもかなり少なければ、疑わしいコンテナは、核兵器を遮蔽しているかもしれない放射線遮蔽材を含んでいそうであり、この結果についての状態を返信する。疑わしいコンテナの指紋が検査日背景指紋よりもかなり少なくなければ、等価放射線試験を実行する。
【0038】
(4. 等価放射線試験)
疑わしいコンテナの指紋が、言われるところの指紋にヒューリスティックに一致せず、検査日背景指紋よりもかなり少なくなければ、等価放射線試験を実行する。疑わしいコンテナの指紋を用いて、全部の積荷目録指紋データベースを調べる。疑わしいコンテナの指紋が積荷目録指紋データベース内のいずれかの指紋にヒューリスティックに一致すれば、疑わしいコンテナは、積荷目録上に記載された中身とは異なる正規の中身を含んでいそうであり、この結果についての状態を返信する。疑わしいコンテナの指紋が積荷目録指紋データベース内のいずれの指紋にもヒューリスティックに一致しなければ、疑わしいコンテナの中身は未知であり、この結果についての状態を返信する。
【0039】
これら指紋データベースを生成するのに以下の手順を用いることができる。
【0040】
(1) オリジナル背景指紋: オリジナル背景指紋を生成する。放射性または核分裂性物質検出装置を用いて、空の試験コンテナの中身からデータを集めることによりオリジナル背景指紋を生成する。好適な実施形態では、次に、空の試験コンテナの中身からのこのデータを、検出された各ガンマ線のエネルギー及びガンマ線の線源の強度の双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化できる。結果のデジタル化されたデータは「オリジナル背景指紋」を構成する。
【0041】
(2) 兵器指紋データベース。兵器指紋データベースを生成する。放射性または核分裂性物質検出装置を用いて、一連の試験コンテナの中身からデータを集めることにより兵器指紋データベースを生成する。このような試験コンテナの各々は、U238またはPu244のような既知の危険な放射性物質の試料を含む。これら中身は、既知の危険な放射性または核分裂性物質の組み合わせをも含むことができる。好適な実施形態では、次に、既知の危険な放射性物質を内部に含む一連の試験コンテナの中身からのこのデータを、検出された各ガンマ線のエネルギー及びガンマ線の線源の強度の双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化できる。このような試験コンテナの各々から結果として生じたデジタル化されたデータは、規格化されていない兵器指紋(「非規格化兵器指紋」)を構成する。次に、各非規格化兵器指紋を、これからオリジナル背景指紋を差し引くことにより規格化する。その結果は、既知の危険な放射性または核分裂性物質の各々の兵器指紋を含むデータベースである。兵器指紋データベースを生成する別の方法がある。所定の放射性または核分裂性物質により放出された各ガンマ線のエネルギー及び線源の強度を、原子力規制委員会のような公共の情報源から容易に獲得できる。
【0042】
(3) 積荷目録指紋データベース。積荷目録指紋データベースを生成する。放射性または核分裂性物質検出装置を用いて、一連の試験コンテナの中身からデータを集めることにより積荷目録指紋データベースを生成する。データをその他の状況下で集めることができるが、いわゆる「試験」コンテナは、実際に取引中であるコンテナに必然的になる。このような試験コンテナの各々は、船舶の積荷目録またはその他の内容リスト上に記載された中身のような既知の正規の中身を含む。様々な種類の正規の中身は、例えば、米国国際貿易委員会の統一関税表に記載された中身のように、コンテナに運び込まれることを輸送公共機関により許可されたものである。
【0043】
好適な実施形態では、次に、既知の正規の中身を内部に含む一連の試験コンテナの中身からのこのデータを、検出された各ガンマ線のエネルギー及びガンマ線の線源の強度の双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化できる。各試験コンテナから結果として生じたデジタル化されたデータは、規格化されていない積荷目録指紋(「非規格化積荷目録指紋」)を構成する。次に、各非規格化積荷目録指紋を、これからオリジナル背景指紋を差し引くことにより規格化する。その結果は、既知の正規のコンテナの中身の各々の積荷目録指紋を含むデータベースであり、このような中身は、積荷目録データベース内の中身を表すのに用いられた同一の規格化商品IDにより識別される。
【0044】
様々な種類の正規の中身は、時々、(1)いかなるガンマ線をも放出せず、結果のデジタル化されたデータは背景放射線のみとなり、且つ/または、(2)背景放射線を減らす(ガンマ線が物体を通過する際にガンマ線の強度/エネルギーを減少させる)だけであり、結果のデジタル化されたデータは背景放射線よりも少なくなることに留意する必要がある。従って、既知の正規のコンテナの中身の各々の積荷目録指紋は負の値となる場合があり、あるいは、オリジナル背景指紋との差により単純に測定される場合がある。物質内のガンマ線の減衰に対する公式があることにも留意する必要がある。この公式は、以下の情報が既知である、すなわち、(1)コンテナ壁の厚み及び密度、(2)コンテナの中身の厚み及び密度、(3)減衰されているガンマ線の強度及びエネルギーが既知である積荷目録指紋の予測を可能にする。運送用コンテナの厚み及び密度は、規格化されている。船舶の積荷目録は、運送用コンテナの積荷の中身の厚み及び密度に関する情報を含む必要がある。すぐ以下で述べるように本発明では、検査日背景指紋が用いられるので、減衰されている放射線の強度は既知である。
【0045】
(4) 検査日背景指紋データベース:検査日背景指紋データベースを生成する。疑わしいコンテナが検査される日に空のコンテナからデータを集めるのに放射性または核分裂性物質検出装置を用いることにより検査日背景指紋データベースを生成する。好適な実施形態では、次に、疑わしいコンテナが検査される日に集められた空のコンテナからのデータを、検出された各ガンマ線のエネルギー及びガンマ線の線源の強度の双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化できる。好ましくは、コンテナクレーンのホイストアタッチメントが波止場の上部から最大高度にある時に検査日背景指紋を記録すべきである。このように、より正確な検査日背景指紋を獲得する。結果のデジタル化されたデータは検査日背景指紋を構成し、この検査日背景指紋を次に、検査日背景指紋データベースに記憶する。
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る。
(項目1)
運送用コンテナ内の核分裂性または放射性物質の存在を検出するシステムであって、このシステムが、
上記コンテナを持ち上げるように動作するコンテナクレーン組立体と、
上記コンテナに最も近い時に上記物質の存在を検出するように動作するために上記コンテナクレーン組立体上に位置付けられた核分裂性または放射性物質検出装置と、
コンピュータとを備え、上記核分裂性または放射性物質検出装置が、上記コンピュータに伝達される出力信号を発生し、上記コンピュータが上記出力信号に応答して、上記コンテナの状態を決定するために上記出力信号を所定のしきい値と比較するようになっているシステム。
(項目2)
項目1に記載のシステムにおいて、上記コンテナクレーン組立体が、上記コンテナを係合させるホイストアタッチメントを含み、このホイストアタッチメント上には、上記核分裂性または放射性物質検出装置が装着されているシステム。
(項目3)
項目1に記載のシステムにおいて、上記出力信号が上記しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、所定の最大量よりも多い上記物質の量を含まないことを証明する証明書を上記コンピュータが作成するようになっているシステム。
(項目4)
項目1に記載のシステムにおいて、上記出力信号が上記しきい値を超えた場合に上記物質が上記コンテナ内に存在することを示す出力信号を上記コンピュータが発生するようになっているシステム。
(項目5)
運送用コンテナ内の放射線遮蔽物質の存在を検出するシステムであって、このシステムが、
上記コンテナを持ち上げるように動作するコンテナクレーン組立体と、
上記コンテナに最も近い時に上記物質の存在を検出するように動作するために上記コンテナクレーン組立体上に位置付けられた放射線遮蔽検出装置と、
コンピュータとを備え、上記放射線遮蔽検出装置が、上記コンピュータに伝達される出力信号を発生し、上記コンピュータが上記出力信号に応答して、上記コンテナの状態を決定するために上記出力信号を所定のしきい値と比較するようになっているシステム。
(項目6)
項目5に記載のシステムにおいて、上記コンテナクレーン組立体が、上記コンテナを係合させるホイストアタッチメントを含み、このホイストアタッチメント上には、上記放射線遮蔽検出装置が装着されているシステム。
(項目7)
項目5に記載のシステムにおいて、上記出力信号が上記しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、所定の最大量よりも多い上記物質の量を含まないことを証明する証明書を上記コンピュータが作成するようになっているシステム。
(項目8)
項目5に記載のシステムにおいて、上記出力信号が上記しきい値を超えた場合に上記物質が上記コンテナ内に存在することを示す出力信号を上記コンピュータが発生するようになっているシステム。
(項目9)
運送用コンテナ内の核分裂性または放射性物質、並びに放射線遮蔽材の少なくとも1つの存在を検出するシステムであって、このシステムが、
上記コンテナを持ち上げるように動作するコンテナクレーン組立体と、
上記コンテナに最も近い時に上記核分裂性または放射性物質、並びに上記放射線遮蔽材の存在を検出するように動作するために上記コンテナクレーン組立体上にそれぞれ位置付けられた核分裂性または放射性物質検出装置、並びに放射線遮蔽検出装置と、
コンピュータとを備え、上記核分裂性または放射性物質検出装置、並びに上記放射線遮蔽検出装置が各々、上記コンピュータに伝達される出力信号を発生し、上記コンピュータが上記放射性物質検出装置並びに上記放射線遮蔽検出装置の各々からの上記出力信号に応答して、上記コンテナの状態を決定するために上記核分裂性または放射性物質検出装置からの上記出力信号を事前設定の放射線許容しきい値と比較し、上記放射線遮蔽検出装置からの上記出力信号を事前設定の放射線遮蔽許容しきい値と比較するようになっているシステム。
(項目10)
項目9に記載のシステムにおいて、上記コンテナクレーン組立体が、上記コンテナを係合させるホイストアタッチメントを含み、このホイストアタッチメント上には、上記核分裂性または放射性物質検出装置、並びに上記放射線遮蔽検出装置が装着されているシステム。
(項目11)
項目9に記載のシステムにおいて、上記核分裂性または放射性物質検出装置からの上記出力信号と、上記放射線遮蔽検出装置からの上記出力信号とが各々、それぞれの上記放射線許容しきい値及び上記放射線遮蔽許容しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、それぞれの所定の最大量よりも多い量の上記核分裂性または放射性物質の量、並びに上記放射線遮蔽材の量を含まないことを証明する証明書を上記コンピュータが作成するようになっているシステム。
(項目12)
項目9に記載のシステムにおいて、上記核分裂性または放射性物質検出装置のいずれかからの上記出力信号と、上記放射線遮蔽検出装置からの上記出力信号とがそれぞれの上記放射線許容しきい値及び上記放射線遮蔽許容しきい値をそれぞれ超えた場合に上記核分裂性または放射性物質、並びに上記放射線遮蔽材のどちらかが上記コンテナ内に存在することを示す出力信号を上記コンピュータが発生するようになっているシステム。
(項目13)
運送用コンテナ内の核分裂性または放射性物質の存在を検出する方法であって、この方法が、
コンテナクレーン組立体により運送用コンテナを処理する間、核分裂性または放射性物質検出装置を上記運送用コンテナに対して一定の空間的関係で位置付ける工程と、
上記検出装置の出力信号を所定のしきい値と比較して上記コンテナの状態を決定する工程とを有する方法。
(項目14)
項目13に記載の方法であって、上記出力信号が上記しきい値を超えた場合に警報信号を発生する工程を更に有する方法。
(項目15)
項目13に記載の方法であって、上記出力信号が上記しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、所定の最大量よりも多い上記物質の量を含まないことを証明する証明書を発行する工程を更に有する方法。
(項目16)
項目13に記載の方法において、上記位置付ける工程が、上記コンテナクレーン組立体のホイストアタッチメントに上記検出装置を装着する工程を含む方法。
(項目17)
項目13に記載の方法であって、上記コンテナ内にあると予想されている積荷を記載する積荷目録に含まれる情報に基づいて上記しきい値を計算する工程を更に有する方法。
(項目18)
運送用コンテナ内の放射線遮蔽物質の存在を検出する方法であって、この方法が、
コンテナクレーン組立体により運送用コンテナを処理する間、放射線遮蔽物質検出装置を上記運送用コンテナに対して一定の空間的関係で位置付ける工程と、
上記検出装置の出力信号を所定のしきい値と比較して上記コンテナの状態を決定する工程とを有する方法。
(項目19)
項目18に記載の方法であって、上記出力信号が上記しきい値を超えた場合に警報信号を発生する工程を更に有する方法。
(項目20)
項目18に記載の方法であって、上記出力信号が上記しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、所定の最大量よりも多い上記物質の量を含まないことを証明する証明書を発行する工程を更に有する方法。
(項目21)
項目18に記載の方法において、上記位置付ける工程が、上記コンテナクレーン組立体のホイストアタッチメントに上記検出装置を装着する工程を含む方法。
(項目22)
項目18に記載の方法であって、上記コンテナ内にあると予想されている積荷を記載する積荷目録に含まれる情報に基づいて上記しきい値を計算する工程を更に有する方法。
(項目23)
運送用コンテナ内の核分裂性または放射性物質、並びに放射線遮蔽材の少なくとも1つの存在を検出する方法であって、この方法が、
コンテナクレーン組立体により運送用コンテナを処理する間、核分裂性または放射性物質検出装置、並びに放射線遮蔽材検出装置を上記運送用コンテナに対して一定の空間的関係で位置付ける工程と、
上記核分裂性または放射性物質検出装置の出力信号を所定の放射線許容しきい値と比較し、上記遮蔽材検出装置の出力信号を所定の放射線遮蔽許容しきい値と比較して上記コンテナの状態を決定する工程と
を有する方法。
(項目24)
項目23に記載の方法であって、上記核分裂性または放射性物質検出装置の上記出力信号、並びに上記遮蔽材検出装置の上記出力信号のどちらかがそれぞれの上記放射線許容しきい値及び上記放射線遮蔽許容しきい値を超えた場合に警報信号を発生する工程を更に有する方法。
(項目25)
項目23に記載の方法であって、上記核分裂性または放射性物質検出装置の上記出力信号が上記放射線許容しきい値よりも少なく、上記放射線遮蔽材検出装置の上記出力信号が上記放射線遮蔽許容しきい値よりも少ない場合に上記コンテナが、それぞれの所定の最大量よりも多い量の上記核分裂性または放射性物質の量、並びに上記放射線遮蔽材の量を含まないことを証明する証明書を発行する工程を更に有する方法。
(項目26)
項目23に記載の方法において、上記位置付ける工程が、上記コンテナクレーン組立体のホイストアタッチメントに上記検出装置を装着する工程を含む方法。
(項目27)
項目23に記載の方法であって、上記コンテナ内にあると予想されている積荷を記載する積荷目録に含まれる情報に基づいて上記放射線許容しきい値及び上記放射線遮蔽許容しきい値を計算する工程を更に有する方法。
(項目28)
運送用コンテナ内の核分裂性または放射性物質の点源を識別する方法であって、
コンテナクレーン組立体により運送用コンテナを処理する間、各々が出力信号を発生する複数の核分裂性または放射性物質検出装置を上記運送用コンテナに対して一定の空間的関係で分散するように位置付ける工程と、
上記検出装置の各々からの上記出力信号から発生した差分出力信号を所定のしきい値と比較して上記コンテナの状態を決定する工程と
を有する方法。
(項目29)
項目28に記載の方法であって、上記差分出力信号の1つが上記しきい値を超えた場合に警報信号を発生して上記物質の点源の存在を示す工程を更に有する方法。
(項目30)
項目28に記載の方法において、上記位置付ける工程が、上記コンテナクレーン組立体のホイストアタッチメントに上記装置を装着する工程を含む方法。
(項目31)
項目28に記載の方法であって、上記コンテナ内にあると予想されている積荷を記載する積荷目録に含まれる情報に基づいて上記しきい値を計算する工程を更に有する方法。
(項目32)
実行可能なコードを含むコンピュータ可読媒体であって、
コンテナからのガンマ線放出から受動的に生じたデジタル化されたガンマ線データを読み取るコードと、
上記デジタル化されたガンマ線データが(a)所定のガンマ線指紋に相応するもの、及び、(b)予想されたガンマ線指紋に対して変則的であるものであるかを決定するために上記データを分析するコードと、
上記データが上記所定の指紋の1つに相応し、上記予想された指紋に対して変則的である場合に、上記コンテナが放射線または核分裂性物質、あるいは放射線遮蔽物質を含むことを信号で伝えるコードとを有するコンピュータ可読媒体。
(項目33)
項目32に記載のコンピュータ可読媒体において、上記読み取るコードが、
上記ガンマ線放出に対応する生のデジタルデータを読み取るコードと、
上記生のデジタルデータから所定の背景データを差し引いて、上記デジタル化されたガンマ線データを発生するコードとを含むコンピュータ可読媒体。
(項目34)
項目33に記載のコンピュータ可読媒体において、上記デジタル化されたガンマ線データを読み取る上記コードが、強度データ及びエネルギースペクトルデータの少なくとも1つとして上記生のデジタルデータを獲得するコードを更に含むコンピュータ可読媒体。
(項目35)
項目32に記載のコンピュータ可読媒体において、上記分析するコードが、
第1データベース内に記憶された複数の所定のデジタル化されたガンマ線指紋に対して、上記デジタル化されたガンマ線データを比較し、上記複数の所定の指紋の1つである上記所定の指紋が、上記デジタル化されたガンマ線データにヒューリスティックに一致するコードと、
上記デジタル化されたガンマ線データが上記所定の指紋の1つにヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、第2データベース内に記憶された複数の更なるガンマ線指紋の選択された1つと比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記更なるガンマ線指紋の選択された1つにヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとするコードとを含むコンピュータ可読媒体。
(項目36)
項目35に記載のコンピュータ可読媒体において、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的である場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、第3データベース内に記憶された少なくとも1つのデジタル化されたガンマ線背景指紋と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して更に変則的であるとするコードを、上記分析するコードが更に含むコンピュータ可読媒体。
(項目37)
項目36に記載のコンピュータ可読媒体において、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線日を、上記第2データベース内に記憶された上記複数の更なる指紋の各々と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記更なるガンマ線指紋のいずれにもヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとするコードを、上記分析するコードが更に含むコンピュータ可読媒体。
(項目38)
項目36に記載のコンピュータ可読媒体であって、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致する場合に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記第2データベース内に上記更なる指紋の1つとして記憶するコードを更に有するコンピュータ可読媒体。
(項目39)
項目38に記載のコンピュータ可読媒体において、上記記憶するコードが、
上記コンテナに関連して電子的に記憶された積荷目録から、少なくとも1つの規格化商品IDを読み取るコードと、
上記更なる指紋の1つとして記憶する際に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記規格化商品IDと関連付けるコードとを含むコンピュータ可読媒体。
(項目40)
項目35に記載のコンピュータ可読媒体であって、既知量の既知の放射性または核分裂性物質を含む試験コンテナから得られたデジタル化されたガンマ線データを上記第1データベース内に上記所定の指紋の1つとして記憶するコードを更に有するコンピュータ可読媒体。
(項目41)
項目40に記載のコンピュータ可読媒体において、上記記憶するコードが、
中身のない時に上記試験コンテナからデジタルガンマ線データを読み取るコードと、
上記物質が上記コンテナ内に存在する場合に上記コンテナからデジタルガンマ線データ
を読み取るコードと、
上記試験コンテナが中身のない時に読み取った上記データを、上記試験コンテナが上記物質を含む場合の上記データから差し引いて上記所定の指紋を発生するコードと
を含むコンピュータ可読媒体。
(項目42)
運送用コンテナ内の放射線または核分裂性物質、あるいは放射線遮蔽物質を検出する方法あって、この方法が、
コンテナからのガンマ線放出から受動的に生じたデジタル化されたガンマ線データを読み取る工程と、
上記デジタル化されたガンマ線データが(a)所定のガンマ線指紋に相応するもの、及び、(b)予想されたガンマ線指紋に対して変則的であるものであるかを決定するために上記データを分析する工程と、
上記データが上記所定の指紋の1つに相応し、上記予想された指紋に対して変則的である場合に、上記コンテナが放射線または核分裂性物質、あるいは放射線遮蔽物質を含むことを信号で伝える工程と
を有する方法。
(項目43)
項目42に記載の方法において、上記読み取る工程が、
上記ガンマ線放出に対応する生のデジタルデータを読み取る工程と、
上記生のデジタルデータから所定の背景データを差し引いて、上記デジタル化されたガンマ線データを発生する工程とを含む方法。
(項目44)
項目43に記載の方法において、上記デジタル化されたガンマ線データを読み取る上記工程が、強度データ及びエネルギースペクトルデータの少なくとも1つとして上記生のデジタルデータを獲得する工程を更に含む方法。
(項目45)
項目42に記載の方法において、上記分析する工程が、
第1データベース内に記憶された複数の所定のデジタル化されたガンマ線指紋に対して、上記デジタル化されたガンマ線データを比較し、上記複数の所定の指紋の1つである上記所定の指紋が、上記デジタル化されたガンマ線データにヒューリスティックに一致する工程と、
上記デジタル化されたガンマ線データが上記所定の指紋の1つにヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、第2データベース内に記憶された複数の更なるガンマ線指紋の選択された1つと比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記更なるガンマ線指紋の選択された1つにヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとする工程とを含む方法。
(項目46)
項目45に記載の方法において、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的である場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、第3データベース内に記憶された少なくとも1つのデジタル化されたガンマ線背景指紋と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して更に変則的であるとする工程を、上記分析する工程が更に含む方法。
(項目47)
項目46に記載の方法において、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線日を、上記第2データベース内に記憶された上記複数の更なる指紋の各々と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記更なるガンマ線指紋のいずれにもヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとする工程を、上記分析する工程が更に含む方法。
(項目48)
項目46に記載の方法であって、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致する場合に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記第2データベース内に上記更なる指紋の1つとして記憶する工程を更に有する方法。
(項目49)
項目48に記載の方法において、上記記憶する工程が、
上記コンテナに関連する電子的に記憶された積荷目録から、少なくとも1つの規格化商品IDを読み取る工程と、
上記更なる指紋の1つとして記憶する際に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記規格化商品IDと関連付ける工程とを含む方法。
(項目50)
項目45に記載の方法であって、既知量の既知の放射性または核分裂性物質を含む試験コンテナから得られたデジタル化されたガンマ線データを上記第1データベース内に上記所定の指紋の1つとして記憶する工程を更に有する方法。
(項目51)
項目50に記載の方法において、上記記憶する工程が、
中身のない時に上記試験コンテナからデジタルガンマ線データを読み取る工程と、
上記物質が上記コンテナ内に存在する場合に上記コンテナからデジタルガンマ線データ
を読み取る工程と、
上記試験コンテナが中身のない時に読み取った上記データを、上記試験コンテナが上記物質を含む場合の上記データから差し引いて上記所定の指紋を発生する工程とを含む方法。
(項目52)
運送用コンテナ内の放射線または核分裂性物質、または放射線遮蔽物質を検出する装置であって、この装置が、
デジタル化されたガンマ線データを獲得するように上記コンテナからのガンマ線放出を検出するセンサと、
上記デジタル化されたガンマ線データが(a)所定のガンマ線指紋に相応するもの、及び、(b)予想されたガンマ線指紋に対して変則的であるものであるかを決定するために上記データを分析するようにプログラムされ、更に、上記データが上記所定の指紋の1つに相応し、上記予想された指紋に対して変則的である場合に、上記コンテナが放射線または核分裂性物質、あるいは放射線遮蔽物質を含むことを信号で伝えるようにプログラムされたコンピュータとを有する装置。
(項目53)
項目52に記載の装置において、上記コンピュータが、上記ガンマ線放出に対応する生のデジタルデータを上記センサから読み取り、上記生のデジタルデータから所定の背景データを差し引いて、上記デジタル化されたガンマ線データを発生するように更にプログラムされている装置。
(項目54)
項目53に記載の装置において、上記生のデジタルデータが強度データ及びエネルギースペクトルデータの少なくとも1つである装置。
(項目55)
項目52に記載の装置であって、この装置が、
複数の所定のデジタル化されたガンマ線指紋を含む第1データベースと、
複数の更なるデジタル化されたガンマ線指紋を含む第2データベースと
を更に有し、上記コンピュータが、上記デジタル化されたガンマ線データを、上記第1データベース内に記憶された上記複数の所定の指紋の選択された1つと比較し、上記複数の所定の指紋の上記選択された1つである上記所定の指紋が、上記デジタル化されたガンマ線データにヒューリスティックに一致するように更にプログラムされ、
上記デジタル化されたガンマ線データが上記所定の指紋の1つにヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、第2データベース内に記憶された上記更なるガンマ線指紋の選択された1つと比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記更なるガンマ線指紋の上記選択された1つにヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとするように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目56)
項目55に記載の装置であって、この装置が、
少なくとも1つのデジタル化されたガンマ線背景指紋を含む第3データベースを更に有し、
上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的である場合、上記デジタル化されたガンマ線データを、上記第3データベース内に記憶された上記背景指紋と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合に、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して更に変則的であるとするように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目57)
項目56に記載の装置において、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線日を、上記第2データベース内に記憶された上記複数の更なる指紋の各々と比較し、上記デジタル化されたガンマ線データが上記更なるガンマ線指紋のいずれにもヒューリスティックに一致しない場合、上記デジタル化されたガンマ線データが、上記予想された指紋に対して変則的であるとするように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目58)
項目56に記載の装置において、上記デジタル化されたガンマ線データが上記背景指紋にヒューリスティックに一致する場合に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記第2データベース内に上記更なる指紋の1つとして記憶するように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目59)
項目58に記載の装置において、上記コンテナに関連して電子的に記憶された積荷目録から、少なくとも1つの規格化商品IDを読み取り、上記更なる指紋の1つとして記憶する際に、上記デジタル化されたガンマ線データを上記規格化商品IDと関連付けるように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目60)
項目55に記載の装置において、既知量の既知の放射性または核分裂性物質を含む試験コンテナから得られたデジタル化されたガンマ線データを上記第1データベース内に上記所定の指紋の1つとして記憶するように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
(項目61)
項目60に記載の装置において、中身のない時に上記試験コンテナからデジタルガンマ線データを読み取り、上記物質が上記コンテナ内に存在する場合に上記コンテナからデジタルガンマ線データを読み取り、上記試験コンテナが中身のない時に読み取った上記データを、上記試験コンテナが上記物質を含む場合の上記データから差し引いて上記所定の指紋を発生するように上記コンピュータが更にプログラムされている装置。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、波止場、コンテナクレーン組立体及び船舶の側面図である。
【図2】図2は、コンテナクレーン組立体の斜視図である。
【図3】図3は、運送用コンテナの斜視図である。
【図4】図4は、コンテナクレーンのホイストアタッチメントにより係合された運送用コンテナの斜視図である。
【図5】図5は、コンテナクレーンのホイストアタッチメントのスプレッダバー間に位置する3つのハウジング内に配置された3つの放射線または核分裂性物質検出装置を有するコンテナクレーンのホイストアタッチメントにより係合された運送用コンテナの斜視図である。
【図6】図6は、本発明の原理に従って、コンテナクレーン上の、好ましくはホイストアタッチメント上のハウジング内に配置された核分裂性または放射性物質検出装置、放射線遮蔽検出装置及びマイクロプロセッサの線図である。
【図7】図7は、本発明の入力、構成要素及び出力の線図である。
【図8】図8は、本発明のオリジナル背景指紋の生成を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の兵器指紋データベースの生成を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の積荷目録指紋データベースの生成を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の検査日背景指紋データベースの生成を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(例示的に好適な実施形態の説明)
ここで、図1を参照する。コンテナクレーン3を用いてコンテナ船10に荷積みし、且つ/または荷降ろしする典型的な作業を説明する。コンテナを積むか、降ろす典型的な作業では、コンテナ船10は波止場の側部2に着岸される。コンテナクレーン3は波止場の上部1に位置する。コンテナクレーン3は4つの支柱を有し、これらのうちの2つの支柱4,5を図1に示す(その他の2つの支柱は図1に示していない)。桁6は、ホイスト機構7と、ホイストアタッチメント8と、コンテナ船10内の別のコンテナ11間へ配置されるか、あるいはコンテナ11間の位置から取り出されたコンテナ船10上のコンテナ9とを支持する。
【0048】
図2には、荷積みまたは荷降ろし作業の斜視図を示す。この斜視図から支柱12,13が見える。
【0049】
図3には、典型的なコンテナ9、並びに、8つのうちの7つの雌部品のコーナキャスティング14,15,16,17,18,19,20を示す。
【0050】
図4には、コンテナ9に取り付けられている場合の典型的なホイストアタッチメント8を示す。
【0051】
図5は、ホイストアタッチメントがコンテナ9に取り付けられた場合のホイスト機構7及びホイストアタッチメント8の別の斜視図である。この斜視図から、核分裂性または放射性物質検出装置、放射線遮蔽検出装置、並びにマイクロプロセッサまたはPC26用のハウジング21,22,23が見える。
【0052】
図6は、ホイストアタッチメント8に位置付けられたハウジング21、22または23の1つを示す線図であり、核分裂性または放射性物質検出装置24、放射線遮蔽検出装置25、並びにマイクロプロセッサまたはPC26を示す。核分裂性または放射性物質検出装置24、放射線遮蔽検出装置25、並びにマイクロプロセッサまたはPC26を、コンテナクレーン3上に、好ましくはホイストアタッチメント8上に位置付けられた1つ以上のハウジング内に収容できる。
【0053】
本発明を達成する最良の態様は、核分裂性または放射性物質検出装置24、放射線遮蔽検出装置25、並びにマイクロプロセッサまたはPC26をコンテナクレーン3のホイストアタッチメント8上のハウジング21,22,23内に位置付けることである。核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25を、コネチカット州メリデン市のキャンベラ社(www.canberra.com)により販売されているシステムのような既製の装置とすることができる。この装置を、油圧または電磁緩衝装置またはアクチュエータにより更に適切に保護できる。その上、コンテナクレーン3のホイストアタッチメント8上のハウジング21,22,23内に位置付けられた核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25を、コンテナクレーン上で用いるのに特別注文とすることができる。
【0054】
コンテナクレーン3のホイストアタッチメント8上のハウジング21,22,23内に位置付けられた核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25の双方では、マイクロプロセッサまたはPC26を用いることができる。マイクロプロセッサまたはPC26を、コンテナクレーン3のホイストアタッチメント8上のハウジング21,22,23内に、あるいは、その他の箇所に位置付けすることができる。例えば、マイクロプロセッサまたはPC26が核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25と連通している限り、マイクロプロセッサまたはPC26を、コンテナヤードの作業事務所内に位置付けすることができる。マイクロプロセッサまたはPC26を、核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25と連動して更に配置できる。核分裂性または放射性物質検出装置24、並びに放射線遮蔽検出装置25の結果または出力をマイクロプロセッサまたはPC26に伝達するのに、有線または無線通信技術を用いることができる。コンテナ9内の英数字識別番号及び積荷目録情報もマイクロプロセッサまたはPC26に伝達されるようにマイクロプロセッサまたはPC26は輸送会社の物流コンピュータシステムとも連通できる。積荷目録情報を次に、コンテナ9から放出されると予想される核分裂性または放射性物質、あるいは放射線遮蔽材のしきい値レベルを決定するのにマイクロプロセッサまたはPC26を用いることができる。
【0055】
放射線及び放射線遮蔽材の検査結果を比較できる許容度またはしきい値を持つコンピュータプログラムでマイクロプロセッサまたはPC26をプログラムするのが好ましい。例えば、原子力規制委員会(「NRC」)並びにその他の州及び連邦規制機関により設定された放射線ガイドラインは、人の安全に対する最大許容放射線レベルを制定する。放射線許容度としてNRC最大レベルを用いることができる。核兵器の存在を隠蔽するのに必要な放射線遮蔽材の範囲を放射線遮蔽材許容度として用いることができる。
【0056】
以下に説明するように、放射線及び放射線遮蔽材の検査結果を比較できる積荷目録情報を有するコンピュータプログラム28(図7)でもマイクロプロセッサまたはPC26を実行できる。例えば、放射線の許容度またはしきい値レベルはコンテナ9の中身に依存できる。既知の許容される放射性物質がコンテナ9内に存在すれば、積荷目録情報がいかなる既知の放射性物質も記載していないコンテナ積荷の場合よりも高くしきい値を設定できる。更に、それぞれの出力を比較するか、あるいは、差分出力信号を獲得することにより、放射線の点源がコンテナ9内に存在することを示すのに複数の検出器24,25を用いることができる。積荷が、許容される放射性物質を含むが、コンテナ9内に一様に分散されるべきであることを積荷目録情報が表せば、複数の検出器24,25のいかなる差分出力も、点源が存在することを示す。従って、差分しきい値を積荷目録の内容から定めることができる。
【0057】
本発明の動作の一例では、コンテナクレーン3のホイストアタッチメント8上のハウジング21,22,23内の核分裂性または放射性物質検出装置24及び25により検出された放射線レベルを、マイクロプロセッサまたはPC26に伝達する。次に、マイクロプロセッサまたはPC26は、放射線レベルを事前設定の放射線許容度と、または、積荷目録上で示す通りにコンテナ9内の積荷が経験すると予想される放射線レベルと比較する。放射線レベルが最大許容度または予想放射線レベル以下であれば、マイクロプロセッサまたはPC26上で実行しているコンピュータプログラムは次に、放射線遮蔽材レベルを事前設定の放射線遮蔽材許容度と、または、積荷目録上で示す通りにコンテナ9内の積荷が経験すると予想される放射線遮蔽材レベルと比較する。放射線遮蔽材レベルが、許容度または予想放射線レベル以下であれば、マイクロプロセッサまたはPC26は証明書27を印刷させることができ、この証明書27はこの特定のコンテナ9が核兵器も、核兵器を隠蔽するのに充分な放射線遮蔽材も含まないことを(英数字識別番号を用いて)証明する。一方、放射線または放射線遮蔽材レベルが許容度または予想レベルを超えている場合、必要であれば、適切な核規約を用いる物理的な検査を含む更なる侵略的な捜査のために、この特定のコンテナ9を識別できる。
【0058】
通常の営業過程では、輸送会社及びそれらの代理業者は、コンテナ内で許可された、あるいは、所定の明らかにされた積荷から予想された最大放射線及び放射線遮蔽材レベルについてコンテナ荷主または委託者に通知する。逆の場合もまた同様に、通常の営業過程では、コンテナ荷主または委託者は、コンテナ内で予想される放射線及び放射線遮蔽材レベルについて輸送会社に通知する。正規の荷主または委託者は、それら特定のコンテナ積荷がこれらレベルを超え、事前荷積み検査を必要とすることを輸送会社または代理業者に通知する。
【0059】
図7は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法で用いられる構成要素の線図である。データの6つの供給源、すなわち、(1)放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25、(2)コンテナID29、(3)兵器指紋データベース30、(4)積荷目録データ31、(5)コンテナID29及び規格化商品ID33の双方を含む積荷目録指紋データベース32、(6)検査日背景指紋データベース34がある。当然のことながら、検査日背景指紋データベース34は1つ以上の検査日背景指紋を含むことができる。データのこれら6つの供給源は、コンピュータプログラム28を実行しているコンピュータ26によりアクセスされる。コンピュータプログラム28はデータの6つの供給源にアクセスできる。コンピュータ26の出力は状態、すなわち、(1)「遮蔽されていない核兵器を含んでいそうである」35、(2)「積荷目録により中にあると言われている中身を持っていそうである」36、(3)「核兵器を遮蔽しているかもしれない放射線遮蔽材を含んでいそうである」37、(4)「積荷目録上に記載された中身とは異なる正規の中身を含んでいそうである」38、並びに、(5)「未知の中身」39の返信である。
【0060】
図7aは、コンテナID29及び規格化商品ID33の双方を含む積荷目録データ31の詳細図である。図7bは、コンテナID29及び規格化商品ID33の双方を含む積荷目録指紋データベースの詳細図である。
【0061】
図8は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法のオリジナル背景指紋の生成を示すフローチャートである。工程42では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25が空の試験コンテナの指紋を採る。工程43では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25からのデータを次に、検出された各ガンマ線のエネルギーとガンマ線の線源の強度との双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化することができる。工程44では、このデジタル化されたデータを次に、オリジナル背景指紋として記憶する。
【0062】
図9は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法の兵器指紋データベース30の生成を示すフローチャートである。工程45では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25が、既知の危険な放射性物質を内部に有する一連の試験コンテナの指紋を採る。工程46では、このような既知の危険な放射性物質の各々に対する放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25からのデータを次に、検出された各ガンマ線のエネルギーとガンマ線の線源の強度との双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化することができる。工程47では、オリジナル背景指紋(図8)を、このデジタル化されたデータから差し引く。工程48では、既知の危険な放射性物質を内部に有するこのような試験コンテナの各々に対する結果データを、兵器指紋データベース30内に記憶する。
【0063】
図10は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法の積荷目録指紋データベース32の生成を示すフローチャートである。工程49では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25が、既知の正規の中身を内部に有する試験コンテナの指紋を採る。工程50では、このような既知の正規の中身の各々に対する放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25からのデータを次に、検出された各ガンマ線のエネルギーとガンマ線の線源の強度との双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化することができる。工程51では、オリジナル背景指紋(図8)を、このデジタル化されたデータから差し引く。工程52では、既知の正規の中身を内部に有するこのような試験コンテナの各々に対する結果データと、関連の規格化商品ID33とを、積荷目録指紋データベース32内に記憶する。
【0064】
図11は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法の検査日背景指紋データベース34の生成を示すフローチャートである。工程53では、各使用日の初めに、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25が空の試験コンテナの指紋を採る。工程54では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25からのデータを次に、検出された各ガンマ線のエネルギーとガンマ線の線源の強度との双方にデジタル化する。あるいはまた、このデータを、検出された各ガンマ線のエネルギーまたはガンマ線の線源の強度のどちらかにデジタル化することができる。工程55では、このデジタル化されたデータを次に、検査日背景指紋データベース34内に記憶する。
【0065】
図12は、本発明のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法の動作の生成を示すフローチャートである。工程56では、放射線検出装置24または放射線遮蔽検出装置25が、疑わしいコンテナ9の指紋を採る。工程57では、疑わしいコンテナの指紋を、これから検査日背景指紋を差し引くことにより規格化する。工程58では、疑わしいコンテナの規格化された指紋を兵器指紋データベース30内の指紋と比較するのに兵器指紋データベース30を調べる。工程59では、疑わしいコンテナの規格化された指紋が兵器指紋データベース30内の指紋のいずれかにヒューリスティックに一致したかを決定する。「はい」の場合、疑わしいコンテナは、遮蔽されていない核兵器を含んでいそうであり、工程60では、この結果について状態35を返信する。
【0066】
「いいえ」の場合、工程61において、コンテナID29を調べ、疑わしいコンテナ9内にあると言われている中身に対する規格化商品ID33を取り出すのに積荷目録データ31を調べる。工程62では、この規格化商品ID33と関連する指紋の位置を見つけるのに積荷目録指紋データベース32を調べる。工程63では、疑わしいコンテナの規格化された指紋が、この規格化商品ID33と関連する積荷目録指紋データベース32からの指紋(「言われるところの指紋」)とヒューリスティックに一致したかを決定する。「はい」の場合、疑わしいコンテナが、積荷目録により中にあると言われている中身を含んでいそうであり、工程64では、この結果について状態36を返信する。
【0067】
「いいえ」の場合、工程65において、疑わしいコンテナの規格化された指紋を検査日背景指紋と比較するのに検査日背景指紋データベース34を調べる。工程66では、疑わしいコンテナの規格化された指紋が検査日背景指紋よりもかなり少ないかを決定する。「はい」の場合、疑わしいコンテナが、核兵器を遮蔽しているかもしれない放射線遮蔽材
含んでいそうであり、工程67では、この結果について状態37を返信する。
【0068】
当然のことながら、動作のこの時点で、疑わしいコンテナが(1)核兵器、または(2)積荷目録上に記載された中身、または(3)放射線遮蔽材を含んでいるかどうかの決定がある。これら潜在的な中身のいずれも、コンテナ内に存在しないと決定すれば、処理を中止できる。
【0069】
中身の尋問を続けるため、疑わしいコンテナの規格化された指紋が検査日背景指紋よりもかなり少なくなければ、工程68において、疑わしいコンテナの規格化された指紋を積荷目録指紋データベース32内の各指紋と比較するのに積荷目録指紋データベース32を調べる。工程69では、疑わしいコンテナの規格化された指紋が積荷目録指紋データベース32内のいずれかの指紋とヒューリスティックに一致したかを決定する。「はい」の場合、疑わしいコンテナが、積荷目録上に記載された中身とは異なる正規の中身を含んでいそうであり、工程70では、この結果について状態38を返信する。「いいえ」の場合、疑わしいコンテナの中身が未知であり、工程71では、この結果について状態39を返信する。
【0070】
各工程を実行する順序を、特定の目的または動作の必要性に適するように変更できる。
【0071】
通常の営業過程では、輸送会社及びそれらの代理業者は、コンテナ内で許可された最大放射線及び放射線遮蔽材レベルを超えると、コンテナが荷積み前に自動的に検査されることについてコンテナ荷主に通知する。逆の場合もまた同様に、通常の営業過程では、正規の荷主は、特定のコンテナ積荷がこれらのレベルを超え、事前荷積み検査を必要とすることを輸送会社または代理業者に通知する。
【0072】
以上に、運送用コンテナ内の放射線または放射線遮蔽材を検出する新規のコンピュータプログラム、データベース構造体及び方法を説明した。今や、当業者は、ここで開示した本発明の原理から逸脱することなく、上記で説明した実施形態を多数利用し、これら実施形態を変更できる。従って、本発明は、法律に従って許容された範囲の請求項だけにより規定される。
【0073】
(用いた特定の単語、表現または語句の定義)
「コンテナ」。本明細書で用いられるように、「コンテナ」とは、物質が支えられるか、または運ばれる箱、カートン、缶または瓶のようなあらゆる種類の容器を意味する。「運送用コンテナ」は、効果的な陸地及び外航の運送及び処理について標準化されたコンテナである。図1,2では、「運送用コンテナ」2を示す。「コンテナ」は、貨物トレーラ、鉄道車両、航空貨物コンテナ、荷物などを含むが、これらに限定されない。
【0074】
「正規の中身」。本明細書で用いられるように、「正規の中身」とは、適法に運送でき
るコンテナの中身を意味する。
【0075】
「デジタル化する」。本明細書で用いられるように、「デジタル化する」とは、アナログデータをデジタル形態に変換することを意味する。
【0076】
「デジタル化されたガンマ線データ」。本明細書で用いられるように、デジタル化されたガンマ線データとは、デジタル化された物体により放出されたガンマ線のあらゆる測定値または記録を意味する。
【0077】
「各ガンマ線のエネルギー」。本明細書で用いられるように、「各ガンマ線のエネルギー」とは、ガンマ線が停止する際の、あるいは、概して物体により、特に、ガンマ線を検出する物体により吸収される際の放射線のデポジットのエネルギーを意味する。例えば、ガンマ線がヨウ化ナトリウム(NaI)検出器を通過する際、それらのエネルギーはNaIにより吸収される。このエネルギーは、光電子増倍管が検出すると共に電気信号に変更する視覚的スペクトルに「再放射される」。テルル化カドミウム(CdTe)のような固体検出器の場合、ガンマ線エネルギーはCdTeにより吸収され、その後、電気信号として直接に放たれる。電気信号強度は、ガンマ線のエネルギーに正比例する。
【0078】
「ヒューリスティックに一致する」。本明細書で用いられるように、「ヒューリスティックに一致する」とは、デジタル化されたデータのパターンを比較し、完全な一致を必要としない間、高度の確実性を持つ類似点を決定することを意味する。「発見的な一致」は、ヒューリスティックに一致した結果である。「ガンマ線の線源の強度」。本明細書で用いられるように、「(複数の)ガンマ線の線源の強度」とは、単位時間当たりに特定の放射性物質により放出されたガンマ線光子の数を意味する。
【0079】
「スペクトログラム」。本明細書で用いられるように、「スペクトログラム」とは、スペクトルの図形または写真表現を意味する。本明細書で用いられるように、「スペクトログラフ」及び「スペクトログラム」は同義語である。
【0080】
「分光学的に分析する」。本明細書で用いられるように、「分光学的に分析する」とは、スペクトログラムとして表されたデータを分析することを意味する。
【0081】
「検査日背景指紋よりもかなり少ない」。本明細書で用いられるように、「検査日背景指紋よりもかなり少ない」とは、検出装置が、遮蔽された背景の放射線データを集めていることを合理的に断定できる範囲よりも狭いことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図7に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−217191(P2010−217191A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102745(P2010−102745)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【分割の表示】特願2006−508643(P2006−508643)の分割
【原出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(505282927)ベリテイナー コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】