説明

過分極MRIを誘導する軌道角運動量を持つ光を使用するアクティブ装置追跡

1以上の光子軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置18は、関心領域80内の核磁気双極子を過分極するように挿入可能な器具14上の事前選択された場所に取り付けられる。前記過分極された核磁気双極子は、共鳴させられ、磁気共鳴信号を生成する。コントローラ42は、前記共鳴信号の周波数が空間位置を示すように、前記関心領域にわたり磁場勾配を誘導するように勾配コイルを制御する。周波数−位置デコーダ50は、前記共鳴信号周波数を空間位置に変換する。ビデオプロセッサ52は、前記空間位置及び診断画像メモリ56からの診断画像の一部を、前記診断画像上でマークされた前記器具の一部又は前記関心領域の場所を描く結合表示に結合し、前記結合された画像をモニタ54上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、追跡分野に関する。本発明は、画像誘導される最小侵襲外科手術に応用され、特にこれを参照して記載される。しかしながら、これは、また、他の機器を備えた対象の場所と連動して応用される。
【背景技術】
【0002】
最小侵襲画像誘導手術を実行する場合に、手術領域及び手術器具の作業端は、典型的には、外科医には見えない。むしろ、外科医は、診断画像を介して手術領域を"見る"。これらの最小侵襲手術システムが意図されたように機能するためには、外科医は、手術器具の作業端が患者及び診断画像の手術領域内の標的組織に対してどこにあるのかを知る必要がある。
【0003】
機械的追跡システムは、手術道具を、手術台のような静止基準面に堅く固定する。前記基準面の静止フレームと前記道具との間の一連の機器を備えたジョイントは、前記道具が操作されることを可能にする。このアプローチは、剛体ツールのみに適切であり、しばしば運動/人間工学の大幅に制限された範囲を持つ。
【0004】
幾つかの追跡技術は、器具の作業端又は先端を間接的に測定する。すなわち、生検針のような剛体ツールを使用する場合、追跡素子、例えば光又は他のエネルギのエミッタ又はリフレクタが、前記器具の見える端部に配置される。前記エミッタからの光は、ビデオカメラ等により追跡される。前記光エミッタの位置を電子的に計算し、前記光エミッタと前記器具の先端との間の幾何学的関係を知ることにより、前記先端の場所が、数学的に計算されることができる。これらの間接的な方法は、前記器具が剛体ではない場合、外科医又は室内の他の機器が前記光エミッタと電子システムとの間のラインオブサイトをブロックする場合等に不正確性のような欠点を持つ。
【0005】
器具の作業端又は先端を三次元において直接的に位置特定する他の技術が、開発されている。例えば、前記器具の先端は、X線透視又はCT技術で撮像されることができる。しかしながら、これらの放射線ベースの技術は、患者及びより少ない程度で室内の医療関係者に相当量の放射線を受けさせる。
【0006】
他の技術において、器具の先端又は他の部分は、磁気共鳴画像に写るように構成される。これは、前記器具の移動を監視するように追加の診断画像が定期的に生成されることを可能にする。この技術は、比較的遅い傾向にあり、手術部位がMRIスキャナのボア又は撮像領域内であることを必要とする。
【0007】
他の技術において、アクティブアンテナが、先端に隣接して配置される。このアンテナは、印加された磁気共鳴撮像信号を測定するのに使用され、前記信号から、前記MRIスキャナの座標系の三次元における前記アンテナの座標を生成する。これは、外部回路までの前記器具の全長にわたる前記アンテナからのワイヤを必要とし、これは、磁気共鳴撮像中に印加された磁場の下で加熱を受ける。更に、この技術は、磁場を歪ませる金属対象の近傍において、及びMRIスキャナ内で見つけられる高磁性環境の存在時に不正確性を被る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願は、上記の問題等を克服する新しい改良された追跡技術を企図する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によると、挿入可能な器具に対する追跡システムが提供される。少なくとも1つの軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置(light beam endowed with orbital angular momentum generating device)は、隣接した関心領域において核磁気双極子を過分極するために前記挿入可能な器具上の選択された場所に取り付けられる。RFコイルは、前記関心領域内の前記核磁気双極子から共鳴信号を受信する。コントローラは、前記共鳴信号の周波数において空間位置を符号化するように前記関心領域にわたり磁場勾配を誘導する勾配コイルを制御する。無線周波数受信器は、前記RFコイルから前記共鳴信号を受信し、周波数−位置デコーダが、前記受信された核磁気共鳴信号を対応する空間位置に変換する。画像メモリは、前記挿入可能な器具が挿入されるべき対象の診断画像を記憶する。オプションとして、ビデオプロセッサは、前記周波数−位置デコーダからの空間位置及び前記診断画像メモリからの前記診断画像の少なくとも一部を、前記関心領域の場所又は前記診断画像上でマークされた前記器具の一部を持つ結合表示に結合し、モニタ上の前記結合画像の表示を制御する。
【0010】
他の態様によると、挿入可能な器具を追跡する方法が提供される。前記器具が対象内に挿入されると、核磁気双極子は、軌道角運動量を与えられた光ビームを使用して前記器具に沿った事前選択された場所における関心領域において分極される。前記分極された核磁気双極子の場所を識別する磁気共鳴シーケンスが印加される。
【0011】
一実施例において、OAM過分極核スピンは、MRI機器のボアにより生成されるような一定の一様な磁場を表すB0に対して如何なる向きにも分極され、このアプローチは、標準的なMR位置特定パルスシーケンスが、非選択的又は厚いスラブ励起を使用して、前記分極した核スピンを検出し、前記装置を位置特定するのに使用されることを可能にする。前記過分極核スピン共鳴応答が、前記MRシステムのB0磁場により弱く分極される核スピンを含む背景信号に対して増大された信号強度を持つので、前記装置の検出は可能である。
【0012】
1つの利点は、手術器具の作業端又は先端を追跡する改良された精度にある。
【0013】
他の利点は、外科手術中の実質的にリアルタイムでの先端場所情報の生成にある。
【0014】
他の利点は、手術中の患者の周りでの外科医及び他の器具の移動からの自由又は少なくとも最小限の干渉にある。
【0015】
他の利点及び利益は、以下の詳細な説明を読み、理解すると当業者に明らかになる。
【0016】
本発明は、様々なコンポーネント及びコンポーネントの構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形を取ることができる。図面は、好適な実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定すると解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】患者、挿入可能な器具、及び追跡システムの概略図である。
【図2】軌道角運動量を与えられた光ビームの追跡システムを備えた器具の典型的な作業端の概略図である。
【図3】軌道角運動量を与えられた光ビームの追跡システムを持つ器具の代替実施例である。
【図4】過分極核磁気双極子を生成する典型的な軌道角運動量を与えられた光ビームの生成システムの細部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、患者10は、最小侵襲外科手術に対する準備中の支持面12上に配置される。カテーテル14のような最小侵襲手術装置は、例えば大腿動脈において、ポート16を通して前記患者内に挿入される。軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置18は、例えば先端に隣接した、前記カテーテルに沿った1以上の既知の場所に配置される。例として、バルーンカテーテルは、典型的には、ステントを挿入する又はバルーン血管形成を実行する場合に、ポート16を通って挿入され、前記患者の動脈系に沿って閉塞の場所までフィードされる。前記カテーテルが、前記動脈系を通って移動すると、その場所をマークするように追跡される。ガイドワイヤ又は他のナビゲーションシステムは、前記閉塞の場所まで前記先端を持って行くのに高速道路網に類似した動脈系を使用するために適切な分枝をたどるように前記カテーテルの先端を向けるのに使用される。
【0019】
図1を参照し続け、図2を更に参照すると、カテーテル14は、選択的に膨張させるために空気チャネル22と接続されたバルーン20(膨張して図示される)と接続されたバルーンカテーテルである。ガイドワイヤ通路24は、前記カテーテルの先端に選択された方向に向きを変えさせるガイドワイヤ26を受ける。チャネル28は、前記カテーテルの先端に隣接した血液内に造影剤及び薬物等を放出するポートで終わる。
【0020】
軌道角運動量を与えられた光ビームの生成器18は、前記カテーテルを通って延在する光ファイバ30に接続される。光ファイバ30は、前記患者の外部の光源32から軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置18まで延在する。軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置18は、前記先端に隣接した血液又は他の体組織内の陽子又は水素磁気双極子のような核磁気双極子を過分極するのに軌道角運動量を与えられた光を使用する。前記過分極は、非常に限定された場所で発生するが、今日の商業的な磁気共鳴撮像システムで達成される分極より1,000ないし1,000,000倍大きい。分極した核磁気双極子は、周囲の磁場の強度に比例する周波数において共鳴するようにされることができる。MRI撮像システムと類似した磁場勾配を使用して、これらの双極子が共鳴する周波数は、位置的に符号化されることができる。
【0021】
図1を参照し続けると、RFコイル40は、前記患者に隣接して配置される。図1の実施例において、前記RFコイルは、患者支持器12内に上面に隣接して埋め込まれる。しかしながら、前記RFコイルは、前記患者の表面又は前記患者の上などのような他の場所に配置されることができる。制御ユニット42は、前記過分極核磁気双極子において核磁気共鳴を誘導するようにRFコイル40又は軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置のいずれかを制御する。共振する双極子は、受信器44により受信及び復調される特性周波数の磁気共鳴信号を生成する。
【0022】
コントローラ42は、更に、勾配コイル電源46が勾配コイル48に電力のパルスを供給する勾配磁場生成システムを制御する。図示された実施例において、勾配コイル48は、3つの直交する方向において磁場勾配を誘導するためにx、y及びz勾配コイルを含む。平面勾配コイルは、オープンMRIシステムにおいて一般的に使用される構成のものであることができる。前記共鳴信号の共鳴周波数は、磁場の強度によって変化する。したがって、前記勾配磁場が印加される場合、受信される共鳴信号の周波数は、空間位置を示す。例えば、前記コントローラは、勾配電源46に、前記x勾配コイルにx勾配を印加させさせ、前記受信器は、前記磁気共鳴信号を受信する。x勾配信号の周波数から、周波数−位置デコーダ50は、前記勾配コイル、したがって患者支持器12の空間座標系における軌道角運動量を与えた光ビームの生成装置18の位置を決定する。このプロセスは、y及びz方向における空間位置を得るように繰り返される。線形勾配磁場は、周波数−空間位置計算を単純化するが、他の勾配形状も使用されることができる。
【0023】
ビデオプロセッサ52は、画像メモリ56から前記患者の診断画像を表示するように表示装置54を制御する。前記診断画像は、様々な既知の技術のいずれかを使用して前記患者及び前記患者支持器の座標系と揃えられる。典型的には、前記診断画像は、三次元画像であり、外科医は、1以上の選択されたスライスを表示する。前記選択されたスライスは、典型的には、少なくとも1つの表示されたスライスが、軌道角運動量生成装置18が存在する面を含むように変更する。前記診断画像は、患者支持器12と空間的に揃えられる又は整合されるので、周波数−位置デコーダ50からのx、y及びz位置情報は、前記軌道角運動量生成装置、前記器具の先端又は前記角運動生成装置から既知のオフセットに位置する前記器具上の他の点の位置に対応する前記診断画像のボクセルを識別するのにビデオプロセッサ52により使用される。一実施例において、前記軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置の焦点の位置は、前記表示される診断画像の1以上の上に明るいスポット、十字線又は他のシンボルとして表示される。代替的には、診断ツール画像生成器58は、前記診断画像上の重ね合わせに対する前記カテーテル又は他の挿入される装置又はその一部の画像表現を生成する。
【0024】
図3を参照すると、1以上の角運動量を与えられた光ビームの生成器18が、前記挿入可能な器具に沿って配置される。各軌道角運動量を与えられた光ビームの生成器は、光ファイバ30を介して光源と再び接続される。各軌道角運動量を与えられた光ビームの生成器18は、1以上のサンプル60内の原子核の磁気双極子を過分極するのに使用する軌道角運動量を与えられた光ビームを生成する。一例において、前記サンプルは、過分極可能な物質を含む小さな中空のビーズである。一実施例において、前記過分極可能な物質は、キセノン又はヘリウムのような希ガスである。他の実施例において、前記過分極可能な材料は、水又は油のような液体である。前記挿入された器具の軸に沿って2つのサンプルを配置することにより、前記器具の軌道が決定されることができる。最初の2つの同一線上にない第3のサンプルを配置することにより、前記挿入可能な装置の回転方向が決定されることができる。前記装置の長さに沿って過分極サンプルを配置することにより、前記挿入される器具がたどる経路が、前記表示される診断画像内に示されることができる。エンドエフェクタ62、例えば空気圧システムは、制御ライン又はチャネル62を介して制御される。
【0025】
図4を参照すると、軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置18は、好ましくは前記挿入された器具内に収容される大きさの小さなチップ又はマイクロチップ上に配置された、光学素子の構成を含む。前記バルーンカテーテルの例において、(膨張されていないバルーンを持つ)バルーンカテーテルは、一般に直径約2ないし5mmである。更に、軌道角運動量を与えられるべき電磁放射線は、可視の単色又は多色(例えば白色)光として記載されるが、他のタイプの電磁放射線も考えられる。可視光は、水素原子及び他の原子又は関心のある分子と相互作用し、生体組織に損傷効果を持たない。より具体的には、可視光は、前記分子の角運動量及び電子軌道との相互作用により陽子において磁気双極子分極を間接的に作成する。陽子が直接的に相互作用されることを可能にする他の周波数の電磁放射線が存在する。可視スペクトルの上又は下の電磁放射線又は光も考えられる。光の周波数成分及び/又は光ビーム内の軌道角運動量の量は、一部の分子がより強力に分極されることを可能にし、特定の分子が選択的に分極されることを可能にする。光ファイバ又は他の導波管30により運ばれる光のビームは、ビーム拡大器により拡大される。前記ビーム拡大器は、前記光又は電磁放射線を狭いビームにコリメートする入口コリメータ72を含む。凹レンズ74は、焦点レンズ76により再び焦点を合わせられる前記光ビームを発散させる。前記光ビームの強度非一様性は、出口コリメータ78で拒まれる。一実施例において、前記出口コリメータは、前記ビームを約1mmに狭くする。
【0026】
直線偏光子80及び四分の一波長板82は、前記光を円形に偏光する。前記直線偏光子は、非偏光光に単一の直線偏光を与え、前記四分の一波長板は、前記直線偏光された光を四分の一波長だけシフトし、円形に偏光する。円形に偏光された光を使用することは必須ではないが、電子のスピン状態を分極する追加された利点を持つ。
【0027】
前記円形に偏光された光は、前記光ビームに軌道角運動量を与える位相パターン又は位相ホログラム84を通過させられる。前記軌道角運動量の次数lは、位相ホログラム84に依存する。一実施例において、l=40の値が、入射光に与えられるが、lのより高い値も考えられる。代替的には、位相パターン又はホログラム84は、円柱レンズ、波長板、又はガラス若しくはプラスチックの固定位相ホログラム等の組み合わせのような他の光学素子において具現化されてもよい。
【0028】
ホログラフィック板84を通過する全ての光が、軌道角運動量を与えられるわけではない。一般に、電磁波が、前記位相ホログラムと相互作用する場合、これらは、回折パターンに回折される。真ん中は、この場合に軌道角運動量を持たない光である0次回折を表す。この中心成分に隣接したパターンは、軌道角運動量を持つ光子ビームからなる異なる次数の回折ビームを表す。
【0029】
空間フィルタ86は、所望の軌道角運動量を持つ光のみを開口に選択的に通すように前記ホログラフィック板の後に配置され、光の他の全ての回折成分をブロックする。すなわち、空間フィルタ86は、1つの値のみの軌道角運動量を持つ光を通す。空間フィルタ86により通される光は、凹面鏡88を使用して集められ、集束レンズ92で関心領域90に集束される。前記軌道角運動量を与えられた光は、有利には、同じガウスビーム周波数を持つ光に関連したエアリー円板のサイズに可能な限り近い画像サイズ内の前記関心領域に集束される。再び、前記関心領域は、前記挿入された器具に隣接した組織又は装置60に包含される液体又は気体サンプルのいずれかであることができる。
【0030】
関心のある核磁気双極子を分極するために軌道角運動量を持つ光のみを使用するよりむしろ、前記光は、磁場を補うために使用されることができる。前記磁場は、磁気共鳴撮像システムのB0磁場又は前記追跡システムにより供給される磁場であることができる。一例において、永久磁石94は、標的双極子に隣接して配置され、核磁気共鳴が誘導されるべき前記関心領域を通して定常状態磁場を生成するように適切に配向される。他の実施例において、磁石96は、前記関心領域を通る垂直なB0磁場を生成するように患者支持器12の下に配置される。オプションとして、反対の極性のポールピース又は磁束集束構造98は、前記対象の上に、例えば、手術室の天井等に配置されることができる。他の代替実施例において、前記勾配コイル及び無線周波数コイルは、オープン型又は他の磁気共鳴撮像システムの勾配コイル及び無線周波数コイルである。
【0031】
本発明は、好適な実施例を参照して記載されている。修正例及び変更例は、先行する詳細な説明を読み、理解すると他者が思い付きうる。本発明が、添付の請求項又は同等物の範囲内に入る限り、このような全ての修正例及び変更例を含むと解釈されると意図される。
【0032】
添付の請求項を解釈する際に、
a)単語"有する"が、与えられた請求項にリストされたもの以外の要素又は動作の存在を除外しない、
b)要素に先行する単語"1つの"("a"又は"an")が、複数のこのような要素の存在を除外しない、
c)請求項内の参照番号が、説明目的のみであり、保護範囲を限定しない、
d)複数の"手段"が、同じアイテム又はハードウェア又はソフトウェア実装構造又は機能により表されることができる、
と理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入可能な器具に対する追跡システムにおいて、
前記挿入可能な器具上の選択された場所に取り付けられ、前記選択された場所に隣接した関心領域において双極子を過分極する少なくとも1つの光子軌道角運動量生成装置と、
前記関心領域内の核磁気双極子から核磁気共鳴信号を受信するRFコイルと、
前記関心領域にわたり磁場勾配を誘導する勾配コイルを制御するコントローラであって、前記勾配磁場が、共鳴信号の周波数において空間位置を符号化する、当該コントローラと、
前記RFコイルから前記核磁気共鳴信号を受信する無線周波数受信器と、
前記受信された核磁気共鳴信号を対応する空間位置に変換する周波数−位置デコーダと、
前記挿入可能な器具が挿入されるべき対象の診断画像を記憶する画像メモリと、オプションとして、
前記周波数−位置デコーダからの前記空間位置及び前記診断画像メモリからの前記診断画像の少なくとも一部を、前記関心領域の場所又は前記診断画像上にマークされた前記器具の一部を持つ結合された表示に結合し、モニタにおいて前記結合された画像の表示を制御するビデオプロセッサと、
を有する追跡システム。
【請求項2】
前記追跡システムが、前記関心領域内に配置されたサンプルを含み、前記光子軌道角運動量生成装置が、分子角運動量、分子軌道、電子スピン状態及び核スピン状態との軌道角運動量を与えられた光の相互作用を使用して前記サンプル内の核スピン及び核磁気双極子を分極する、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項3】
前記対象の外部から前記挿入可能な器具を通って前記光子軌道角運動量生成装置を与えられた光ビームまで、光のような電磁放射線を伝達する光ファイバのような導波管を含む、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項4】
前記追跡システムが、前記患者が支持される患者支持器を含み、前記診断画像が、前記患者支持器と空間的に揃えられ、
前記RFコイル及び前記勾配コイルの少なくとも一方が、外科手術中に外科医と干渉しないように前記患者支持器に埋め込まれる、
請求項1に記載の追跡システム。
【請求項5】
前記関心領域を通して静止磁場を生成するように配置された磁石、
を含む、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項6】
前記関心領域に隣接して前記挿入可能な器具内に取り付けられる永久磁石、
を含む、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項7】
前記追跡システムが、前記関心領域において、気体、液体、固体又は天然の生物組織のようなサンプルを含み、前記光子軌道角運動量装置が、前記サンプル内の核スピンを過分極する、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項8】
前記追跡システムは、核スピンが共鳴する複数の関心領域を含み、前記関心領域の各々は、前記器具に対して事前選択された位置にあり、前記ビデオプロセッサは、前記表示された診断画像上に重ね合わされた表示に対する前記複数の共鳴する関心領域に基づいて前記器具の少なくとも一部の表現を生成する、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項9】
挿入可能な器具を追跡する方法において、
対象に挿入された前記器具を用いて、前記器具に沿った事前選択された場所における関心領域内の核磁気双極子のスピンに軌道角運動量を与えることにより前記核磁気双極子を分極するステップと、
前記分極した核磁気双極子の場所を識別する磁気共鳴シーケンスを印加するステップと、
を有する方法。
【請求項10】
前記核磁気双極子を分極するステップが、静止磁場に対する如何なる向きにでも前記核スピンを過分極することを含み、
前記磁気共鳴シーケンスを印加するステップが、前記分極した核磁気双極子を検出し、前記器具を位置特定するようにRFパルス及び勾配磁場パルスを印加することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記器具の選択された部分又は前記関心領域の空間位置の表現を前記対象の診断画像上に重ね合わせ、重ね合わせられた前記関心領域の空間位置とともに前記診断画像を表示するステップ、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記関心領域内の核磁気双極子を分極するステップが、
前記対象の外部の光源から前記挿入可能な器具を通って軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置まで光を伝達するステップと、
前記軌道角運動量を与えられた光ビームの生成器を用いて、受け取られた光を単一の値の軌道角運動量を持つ光に変換するステップと、
前記関心領域内の双極子を分極するように前記関心領域における前記軌道角運動量を与えられた光を向けるステップと、
を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記向けるステップが、前記軌道角運動量を与えられた光と同じガウスビーム周波数を持つ光に関連付けられたエアリー円板のサイズを考慮に入れて画像サイズ内の前記関心領域上に前記軌道角運動量を与えられた光を収束させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記過分極された核磁気双極子が、1以上の軌道角運動量を与えられた光ビームの生成装置に固定して取り付けられた複数のサンプルであり、前記サンプルが、前記挿入可能な器具に沿った複数の事前選択された場所の各々に配置され、前記方法が、
複数のサンプルの各々の空間位置を決定するステップと、
前記サンプルの各々の空間位置又は前記対象の診断画像上に重ね合わせられた前記複数のサンプルの場所から算出された前記器具の一部の表現を表示するステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記対象を通して前記挿入可能な器具を移動するステップと、
前記挿入可能な器具が前記対象を通って移動すると、前記関心領域を追跡するように前記関心領域の空間位置を繰り返し決定するステップと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記挿入可能な器具が、非剛体器具であり、前記方法が、
前記関心領域及び前記挿入可能な器具の作業端が前記対象を通る選択された軌道をたどるように、前記診断画像に従って前記挿入可能な器具の前記作業端を操作するステップ、
を含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−510842(P2012−510842A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539119(P2011−539119)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054924
【国際公開番号】WO2010/064155
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】