説明

過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置

【課題】高濃度の過塩素酸イオン含有液、特に、過塩素酸イオンを吸着したイオン交換樹脂の再生後の脱離液に含まれる、高濃度の過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置を提供する。
【解決手段】過塩素酸イオン含有液、特に、高濃度の過塩素酸イオンを含む脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより、硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離した後の過塩素酸イオン含有液を、550℃〜950℃の加熱炉に注水して過塩素酸イオンを熱分解し、熱分解したガスをガス吸収液に通す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置に関するものであり、特に、過塩素酸イオンを吸着したイオン交換樹脂の再生後の脱離液に含まれる高濃度の過塩素酸イオン含有液の処理及び過塩素酸イオン含有液の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過塩素酸イオン(ClO)は、水に対して高い溶解性を有し、安定で分解され難いという性質を有する。この過塩素酸イオン(ClO)については、これまで規制は行われてこなかった。
【0003】
しかし、近年、過塩素酸イオン(ClO)が動物の成長を抑制する働きがある可能性が指摘されており、乳幼児が摂取すると発育障害が起こることが懸念されている。2006年には、米国で、井戸水、レタス、牛乳から400ppbを超える過塩素酸イオン(ClO)が検出されたことが報告された。連邦基準がないことから、複数の州が独自の方策を講じ始めており、条例により、過塩素酸イオン(ClO)の水道水質基準を数ppbに設定している。
【0004】
また、米国環境保護庁は、米国学術研究会議が勧告した参照用量を採用しており、この参照用量は水道水に換算した等価レベルでは24.5ppbである。WHOでは、現時点で過塩素酸イオンに関する規制は行っていないが、飲料水水質ガイドライン改訂の対象項目の一つとされている。日本においても、厚生労働省は、水質基準項目とされていない物質群で見直しが行われるべきとされるものとして、過塩素酸イオン(ClO)を要検討項目に位置づけている。このように過塩素酸イオン(ClO)については今後規制が行われることが予想されることから、実用的な処理方法の開発が急務となっている。
【0005】
このような過塩素酸イオン含有液の処理方法としては、例えば、特許文献1に第4級アルキルアミン官能基を有するイオン交換樹脂に吸着させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−346299号公報(2004年12月9日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の特許文献1に記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、イオン交換樹脂の再生方法までは開示していない。
【0008】
すなわち、特許文献1に記載の処理方法では、第4級アルキルアミン官能基を有するイオン交換樹脂に過塩素酸イオン(ClO)が強固に吸着する。通常、第4級アルキルアミン官能基を有するイオン交換樹脂は塩基を用いて再生し、イオン交換樹脂をOH型にする。しかし、上記の再生方法では、イオン交換樹脂への吸着が強固であることから、塩基でイオン交換樹脂に吸着した過塩素酸イオン(ClO)を脱離することは困難である。そのため、イオン交換樹脂の再生を行うことなくイオン交換樹脂が焼却されており、イオン交換樹脂を使い捨てにすることからコストがかかる。
【0009】
この問題を解決すべく、適切なイオン交換樹脂の再生方法が見つかったとしても、そのイオン交換樹脂の再生時に発生する脱離液である高濃度の過塩素酸イオン含有液をどのように処理するかが課題となる。
【0010】
本発明は、上記従来の課題等に鑑みなされたものであって、その目的は、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオンを除去処理し得る過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法は、上記課題を解決するために、過塩素酸イオン含有液を、550℃〜950℃の加熱炉に注水して過塩素酸イオンを熱分解し、熱分解したガスをガス吸収液に通すことを特徴としている。
【0012】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理装置は、上記課題を解決するために、注水された過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオンを550〜950℃にて熱分解する加熱炉と、熱分解したガスをガス吸収液に吸収させるガス吸収手段とが設けられていることを特徴としている。
【0013】
上記の発明によれば、加熱炉に注水された過塩素酸イオン含有液は、550〜950℃では、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに略完全に熱分解される。
【0014】
このため、加熱炉にて熱分解したガスをガス吸収液に吸収させると、過塩素酸イオン(ClO)が残らない。
【0015】
したがって、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオンを除去処理し得る過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置を提供することができる。
【0016】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、前記過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオン濃度は2.1g/L以下であると共に、前記ガス吸収液におけるガス吸収後の過塩素酸イオン濃度を1mg/L未満にすることが可能である。
【0017】
これにより、例えば、例えば、過塩素酸イオン(ClO)を吸着したイオン交換樹脂における再生後の脱離液における過塩素酸イオン(ClO)濃度が2.1g/L以下である場合において、加熱炉での熱分解により、ガス吸収液におけるガス吸収後の過塩素酸イオン(ClO)濃度を1mg/L未満にすることができる。
【0018】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、前記加熱炉の温度は、950℃であるとすることができる。
【0019】
これにより、現実の950℃の加熱炉を使用して高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオン(ClO)を確実に除去処理し得るものとなる。
【0020】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、前記過塩素酸イオン含有液は、濃度290g/L以下の硫酸を含有する液を処理することができる。
【0021】
すなわち、後述するように、過塩素酸イオン含有液の処理方法においては、実プラントの腐食の問題を考慮すれば、予め除去しておくことが好ましい。しかし、実施例2に示すように、脱離液中に濃度290g/L以下の硫酸を含有していた場合においても、高濃度の過塩素酸(HClO)を加熱炉にて550〜950℃に加熱して塩化水素(HCl)と酸素(O)とに略完全に熱分解して、過塩素酸イオン(ClO)を除去処理することができる。
【0022】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、過塩素酸(HClO)を熱分解したときに発生する塩化水素(HCl)ガスを、濃度20〜50g/Lの硫酸を含んだガス吸収液に吸収させる。
【0023】
これにより、過塩素酸(HClO)を熱分解したときに発生する塩化水素(HCl)ガスを吸収することができる。
【0024】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、前記過塩素酸イオン含有液は、過塩素酸イオンを吸着したイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときに発生した脱離液であり、上記脱離液には、濃度250〜310g/Lの硫酸が含有されていると共に、上記脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離するとすることができる。
【0025】
すなわち、過塩素酸イオン(ClO)を吸着したイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときに発生した脱離液には、濃度250〜310g/Lの高濃度の硫酸が含有されている。硫酸含有液を温度範囲550〜950℃で加熱処理した場合、腐食性の強い三酸化硫黄(SO)ガスが生成し、排ガス処理設備の腐食等の問題を引き起こす。このため、加熱炉への注水の前段階で硫酸を除去しておくことが望ましい。
【0026】
そこで、本発明では、加熱炉への注水の前段階での硫酸の除去処理として、脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離する。これにより、加熱炉への注水の前段階で硫酸を除去するので、三酸化硫黄(SO)ガスによる排ガス処理設備における腐食等の問題の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理方法は、以上のように、過塩素酸イオン含有液を、550℃〜950℃の加熱炉に注水して過塩素酸イオンを熱分解し、熱分解したガスをガス吸収液に通す方法である。
【0028】
本発明の過塩素酸イオン含有液の処理装置は、以上のように、注水された過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオンを550〜950℃にて熱分解する加熱炉と、熱分解したガスをガス吸収液に吸収させるガス吸収塔とが設けられているものである。
【0029】
それゆえ、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオンを除去処理し得る過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明における過塩素酸イオン含有液の処理装置の実施の一形態を示すものであり、過塩素酸イオン含有液の処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記過塩素酸イオン含有液の処理装置の前段階において、過塩素酸イオンをイオン交換樹脂にて吸着除去処理する過塩素酸イオン吸着処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】過塩素酸イオンにおける各種の熱分解の反応式を示す図である。
【図4】本実施の形態の脱離液中和設備の構成を示すブロック図である。
【図5】過塩素酸の熱分解性を調査するための実験装置を示す構成図である。
【図6】脱離液の中和実験での処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0032】
本願出願人等は、過塩素酸イオン(ClO)の処理方法として、イオン交換樹脂にて過塩素酸イオン(ClO)を吸着した後、従来行われていなかった方法である硫酸にてイオン交換樹脂を再生することを開発した。
【0033】
しかしながら、上記再生処理においては、イオン交換樹脂の再生時に、高濃度の硫酸を含み、かつ過塩素酸含有液を含有する脱離液が発生するので、どのように処理するかが新たな課題となった。
【0034】
そこで、本願出願人は、工場内にある加熱炉を利用して過塩素酸(HClO)を熱分解させることにより、過塩素酸イオン(ClO)の濃度を1mg/L未満にすることを見出した。以下、順を追って説明する。
【0035】
最初に、本実施の形態において、前処理として行われるイオン交換樹脂による過塩素酸イオン吸着処理装置の一実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態の前処理段階で行われる過塩素酸イオン吸着処理装置の一例を示す概略構成図である。
【0036】
図2に示すように、過塩素酸イオン吸着処理装置10は、イオン交換吸着塔1・1及び脱離剤タンク2、温度調節器3及び脱離液タンク4を備えている。
【0037】
上記イオン交換吸着塔1には、過塩素酸イオン(ClO)を吸着するイオン交換樹脂が充填されており、図2においてイオン交換吸着塔1の上側から過塩素酸イオン含有液が該イオン交換吸着塔1に供給され、イオン交換吸着塔1にて過塩素酸イオン(ClO)がイオン交換樹脂に吸着され、イオン交換吸着塔1の下側から処理水が放流される。
【0038】
具体的には、例えば、過塩素酸イオン(ClO)濃度200mg/Lの過塩素酸イオン含有液が約200m/日でイオン交換吸着塔1・1に供給され、イオン交換吸着塔1・1にて吸着処理され、過塩素酸イオン(ClO)濃度1mg/L未満にて放流される。
【0039】
一方、脱離剤タンク2には脱離剤として例えば硫酸等の酸が貯留されており、イオン交換吸着塔1におけるイオン交換樹脂の再生に使用される。具体的には、イオン交換樹脂の再生時においては、脱離剤タンク2から例えば濃度250g/Lの硫酸が温度調節器3により例えば60℃の温度に加熱されて、イオン交換吸着塔1の下側から15m/日にて供給される。尚、ポンプ付の管路には、上水を供給する管路が接続されており、酸の濃度を調節することができるようになっている。
【0040】
そして、イオン交換吸着塔1からの脱離液は、脱離液タンク4に15m/日にて貯留される。尚、脱離液の硫酸濃度は、脱離液タンク4の硫酸濃度と同等である。過塩素酸イオン(ClO)濃度は1.8〜2.1g/L程度であり、約15m/日で貯留される。
【0041】
本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置では、この脱離液タンク4に貯留された脱離液における250〜310g/Lの硫酸と濃度1.8〜2.1g/Lの過塩素酸イオン(ClO)とを含有する過塩素酸イオン含有液の処理を提案する。
【0042】
ここで、過塩素酸イオン含有液の処理に際して、最初に、脱離液における250〜310g/Lの硫酸については、別途、炭酸カルシウム(CaCO)による石膏分離を行う。脱離液の炭酸カルシウム(CaCO)による石膏分離については、後述する実施の形態2にて説明する。
【0043】
したがって、本実施の形態1では、その石膏分離水における過塩素酸(HClO)の熱分解処理について説明する。最初に、過塩素酸(HClO)を熱分解した場合の挙動を考察する。
【0044】
過塩素酸(HClO)の熱分解については、図3に示す各種の反応が複合的に進むことが想定され、反応式(1)の生成物である塩化水素(HCl)や反応式(2)の塩素ガス(Cl)の他に、反応式(3)〜(5)のような塩素酸化物が発生する可能性がある。
【0045】
特に、反応式(5)から判るように、三酸化塩素ガス(ClO)が生成した場合において常温まで冷却すると、過塩素酸(HClO)が再生成する懸念がある。
【0046】
併せて、過塩素酸(HClO)が熱分解せずに揮発することを鑑みれば、過塩素酸含有溶液をどのような熱分解条件で処理を行うことが最適であるか確認が必要となった。
【0047】
そこで、最初に、過塩素酸(HClO)の熱分解性を調査すべく、後述する実施例1に示す室内実験を行った。
【0048】
その結果、実施例1における図5及び表2に示す実験結果により、濃度約87g/Lの過塩素酸(HClO)を550〜950℃にて熱分解することができることが確認できた。
【0049】
次いで、室内実験の結果を踏まえて、実プラントを用いて現地実験を行った。ここで、実プラント20について、図1に基づいて説明する。図1は、過塩素酸(HClO)の焼却処理に関する実プラント20を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、実プラント20は、加熱炉としての焙焼炉21と、廃熱ボイラー22と、電気集塵機23と、ガス吸収手段としての冷却塔24と洗浄塔25とを有している。
【0051】
上記焙焼炉21では、硫化鉱である精鉱が投入され、空気を送風して該精鉱を酸化燃焼することにより焼鉱が取り出されている。このように、本実施の形態では、亜鉛製錬で使用する焙焼炉21を用いて過塩素酸(HClO)の加熱による除去を行うものとなっている。尚、本発明で用いる加熱炉は必ずしも焙焼炉21に限らず、加熱温度条件を満たす他の加熱炉であれば足りる。加熱炉の具体例としては、ものを高熱で焼いて焼成するための炉であって、陶磁器や煉瓦等を作成する窯、セメント等を作成するロータリーキルン等の焼成炉や、金属の精錬、溶解、合金製造等に使用される炉であって、溶鉱炉(高炉)、転炉、反射炉、平炉、電気炉、太陽炉等の溶精炉等がある。
【0052】
上記実プラント20においては、焼鉱が流動するベッド層の温度を950℃に制御している焙焼炉21に過塩素酸イオン含有液が例えば20m/日にて注入される。尚、この注入に際しては、例えば、過塩素酸イオン含有液を注水路に注ぐことにより、例えば流量0.83m/時間で連続して焙焼炉21内部のフリーボードに直接注液して行われる。
【0053】
ここで示す焙焼炉21から排出されるガスの温度は約830℃であり、この排出ガス中の余剰熱は廃熱ボイラー22に導入されることにより、蒸気として回収される。廃熱ボイラー22から排出された排ガスは微細な焼鉱が多く含まれるので、電気集塵機23において約300℃にて除去した後、冷却塔24に導入される。冷却塔24では、濃度20〜50g/Lの硫酸水が循環されており、この循環液にガスが吸収され、約60℃にて排出される。そして、冷却塔24から排出された排ガスは洗浄塔25にて洗浄され、約40℃となり、排ガス中の亜硫酸ガス(SO)は硫酸プラントにて処理される。
【0054】
上記の実プラント20を用いた現地実験においては、実施例3に示すように、30mの原液タンクに試薬製品の過塩素酸(HClO)を過塩素酸イオン(ClO)濃度1.8〜2.1g/Lとしたものを温度950℃の焙焼炉21に注水した。
【0055】
そして、冷却塔出口における処理水の過塩素酸イオン(ClO)の濃度を測定した結果、冷却塔出口における処理水の過塩素酸イオン(ClO)濃度は、1mg/L未満であった。また、このときの塩素イオン(Cl)濃度は2070〜2860mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに熱分解されていることが確認できた。
【0056】
このように、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法は、過塩素酸イオン含有液を、550℃〜950℃の加熱炉に注水して過塩素酸イオンを熱分解し、熱分解したガスをガス吸収液に通す。
【0057】
また、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理装置である実プラント20は、注水された過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオンを550〜950℃にて熱分解する加熱炉としての焙焼炉21と、熱分解したガスをガス吸収液に吸収させるガス吸収手段としての冷却塔24とが設けられている。
【0058】
上記の構成によれば、焙焼炉21に注水された過塩素酸イオン含有液は、550〜950℃では、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに略完全に熱分解される。このため、焙焼炉21にて熱分解したガスをガス吸収液に吸収させると、過塩素酸イオン(ClO)が残らない。
【0059】
したがって、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオンを除去処理し得る過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置を提供することができる。
【0060】
また、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオン(ClO)濃度は2.1g/L以下であると共に、ガス吸収液におけるガス吸収後の過塩素酸イオン(ClO)濃度を1mg/L未満にすることが可能である。
【0061】
これにより、例えば、例えば、過塩素酸イオン(ClO)を吸着したイオン交換樹脂における再生後の脱離液における過塩素酸イオン(ClO)濃度が2.1g/L以下である場合において、焙焼炉21での熱分解により、ガス吸収液におけるガス吸収後の過塩素酸イオン(ClO)濃度を1mg/L未満にすることができる。
【0062】
また、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、焙焼炉21の温度は、950℃である。これにより、現実の950℃の焙焼炉21を使用して、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオン(ClO)を確実に除去処理し得るものとなっている。
【0063】
また、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、過塩素酸イオン含有液は、濃度290g/L以下の硫酸を含有していてもよい。
【0064】
すなわち、過塩素酸イオン含有液の処理方法においては、実プラント20の腐食の問題を考慮すれば、予め除去しておくことが好ましい。しかし、後述する実施例2に示すように、イオン交換吸着塔1の硫酸による再生後の脱離液中に、高濃度の硫酸を含有していた場合においても、高濃度の過塩素酸(HClO)を焙焼炉21にて550℃〜950℃に加熱して塩化水素(HCl)と酸素(O)とに略完全に熱分解して、過塩素酸イオン(ClO)を除去処理することができる。
【0065】
また、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、過塩素酸(HClO)を熱分解したときに発生する塩化水素(HCl)ガスを、濃度20〜50g/Lの硫酸を含んだガス吸収液に吸収させる。これにより、過塩素酸(HClO)を熱分解したときに発生する塩化水素(HCl)ガスを吸収することができる。
【0066】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
本実施の形態では、イオン交換吸着塔1におけるイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときの脱離液の処理について、脱離液の炭酸カルシウム(CaCO)による石膏分離について説明する。
【0068】
まず、イオン交換吸着塔1におけるイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときの脱離液には、高濃度の硫酸が含まれている。そこで、最初に、高濃度の過塩素酸イオン含有液における過塩素酸イオン(ClO)の熱分解について、硫酸を含有していても熱分解性を有するかについて、後述する実施例2に示す室内実験にて検証した。
【0069】
その結果、実施例2の表3に示す実験結果により、濃度287g/Lの硫酸を含む濃度69.6g/Lの過塩素酸イオン含有液においても、炉温度を550℃〜950℃とした場合には、過塩素酸(HClO)を十分熱分解できることが把握できた。
【0070】
しかしながら、濃度250g/L程度の高濃度の硫酸イオン(SO2−)を含む脱離液に対してそのまま次工程の加熱処理をすると、約200〜900℃において三酸化硫黄(SO)ガスが生成し、廃熱ボイラー22を有する排ガス処理設備の腐食等の問題を引き起こす。
【0071】
そこで、炭酸カルシウム(CaCO)を用いて硫酸イオン(SO2−)を石膏(CaSO)にして凝集沈殿させ、硫酸イオン(SO2−)を除去する必要があり、本実施の形態では、後述する実施例4の室内実験の結果を踏まえて、図4に示す脱離液中和設備30を用いて脱離液の中和処理を行った。
【0072】
この脱離液中和設備30では、250〜310g/Lの硫酸イオン(SO2−)を含む脱離液は脱離液中和槽31に送られ、脱離液1槽目のpHが2.5、中和槽出口の脱離中和液のpHが6.5となるよう炭酸カルシウム乳化液を添加し、石膏(CaSO)を製造する。
【0073】
脱離液中和槽31から排出されたスラリー状の脱離中和液は、自動フィルタープレス32を用い約15%の水分を含有する石膏(CaSO)と脱離中和液とに固液分離される。濾液受槽33における脱離中和液のpHは6.5であることから、初めに含有していた250〜310g/Lの硫酸は、ほぼ全量除去されていると解される。
【0074】
そして、この脱離液中和設備30による実際の処理においては、表1に示すように、脱離液中和処理が、適切に行われていることが把握できた。尚、表1は、ある1ヶ月の処理の平均値を示すデータである。
【0075】
【表1】

【0076】
このように、本実施の形態の過塩素酸イオン含有液の処理方法では、過塩素酸イオン含有液は、過塩素酸イオン(ClO)を吸着したイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときに発生した脱離液であり、脱離液の一例として、濃度250g/Lの硫酸が含有されている。そして、この脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離するとすることができる。
【0077】
すなわち、過塩素酸イオン(ClO)を吸着したイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときに発生した脱離液には、濃度250g/Lの高濃度の硫酸が含有されている。この硫酸は、加熱すると約200〜900℃において三酸化硫黄(SO)ガスが生成し、排ガス処理設備の腐食等の問題を引き起こす。このため、加熱炉への注水の前段階で硫酸を除去しておくことが望ましい。
【0078】
そこで、本実施の形態では、焙焼炉21への注水の前段階での硫酸の除去処理として、脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離する。これにより、焙焼炉21への注水の前段階で硫酸を除去するので、三酸化硫黄(SO)ガスによる排ガス処理設備における腐食等の問題の発生を防止することができる。
【実施例】
【0079】
イオン交換樹脂の再生工程から排出される脱離液は、高濃度硫酸と過塩素酸(HClO)とを含んでいる。したがって、この脱離液を処理し、無害化しなければ、処理システムが成り立たない。そこで、硫酸分は炭酸カルシウムで中和し、硫酸カルシウム(石膏)として固液分離し、次いで、液中に含まれる過塩素酸は、製錬所内の高温炉に投入し、熱分解後、生成してくる塩化水素を中和後、系外に排出する。
【0080】
このような処理の可否を確認する目的で、室内実験を経て現場実験を実施した。以下、順にその実験について説明する。
【実施例1】
【0081】
最初に、過塩素酸(HClO)の熱分解性を調査すべく、室内実験を行った。
【0082】
具体的には、図5に示すように、シリコニット管状炉を二基連結させた実験装置40を用いて過塩素酸(HClO)の熱分解性を調べた。実験装置40は、前段のシリコニット管状炉からなる第1管状炉41と、後段のシリコニット管状炉からなる第2管状炉42と、第2管状炉42の後段に設けられた第1吸収液43及び第2吸収液44と、吸引ポンプ45と、流量計46とからなっている。尚、前段の第1管状炉41と後段の第2管状炉42との間は、リボンヒーターにて温度の低下を防止した。また、第1管状炉41及び第2管状炉42の内部温度は、熱伝対にて測定した。
【0083】
上記前段の第1管状炉41は過塩素酸(HClO)を気化させるためのものであり、炉温度として過塩素酸(HClO)の沸点よりも少し高めに設定している。また、後段の第2管状炉42は、1000℃までの温度設定が可能となっており、この炉内で過塩素酸(HClO)を熱分解させるようになっている。すなわち、過塩素酸(HClO)は、第2管状炉42内で塩化水素(HCl)と酸素(O)とに熱分解される。
【0084】
上記第1吸収液43は1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液からなっていると共に、第2吸収液44は水(HO)からなっており、これによって、第2管状炉42の分解生成物である塩化水素(HCl)は、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液200ml及び水(HO)200mlによって吸収される。
【0085】
吸引ポンプ45は、第1吸収液43及び第2吸収液44から発生するガスを吸引するものであり、流量計46にてその流量を測定する。
【0086】
ここで、実験条件は、表2に示すように、実施例1−1〜実施例1−5においては第1管状炉41の炉温度を200℃とし、第2管状炉42の炉温度を950℃とした。第2管状炉42の炉温度を950℃は、製錬所内の焙焼炉21の温度に合致させたものである。
【0087】
また、比較例1−1として第1管状炉41の炉温度を100℃とし、第2管状炉42の炉温度を250℃とした。さらに、第1管状炉41に投入する過塩素酸(HClO)は、実施例1−1〜実施例1−5及び比較例1−1とも濃度86.2〜86.5g/Lの過塩素酸水溶液5mLとし、吸引ポンプ45の排気量は、2L/min又は8L/minとした。
【0088】
その結果、表2に示すように、第2管状炉42の炉温度を950℃とした実施例1−1〜実施例1−5においては、第1吸収液43及び第2吸収液44での過塩素酸イオン(ClO)濃度が1mg/L未満になることが確認された。すなわち、実施例1−1〜実施例1−5においては、第1吸収液43における塩素(Cl)濃度が419〜1026mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに十分熱分解されていることが把握された。
【0089】
これに対して、第2管状炉42の炉温度を250℃とした比較例1−1においては、第1吸収液43及び第2吸収液44での過塩素酸イオン(ClO)濃度がそれぞれ258mg/L及び134mg/Lであり、過塩素酸イオン(ClO)が処理できていないことが判明した。すなわち、比較例1−1においては、第1吸収液43における塩素(Cl)濃度が5.9mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに熱分解されていないことが把握された。
【0090】
【表2】

【実施例2】
【0091】
前述したように、イオン交換樹脂の再生工程から排出される脱離液は、過塩素酸(HClO)に加えて高濃度硫酸を含んでいる。そこで、室内実験において、過塩素酸(HClO)と高濃度硫酸との混合液に対する過塩素酸(HClO)の熱分解性を調査した。
【0092】
具体的には、前述した図5に示す実験装置40を用いて過塩素酸(HClO)の熱分解性を調べた。実験条件は、表3に示すように、第1管状炉41に投入する投入液として、過塩素酸(HClO)と高濃度硫酸との混合液とした。すなわち、実施例2−1〜2−5及び比較例2−1〜2−2とも濃度69.6g/Lの過塩素酸水溶液と濃度287g/Lの硫酸との混合液を5mL投入した。また、比較例2−3については、濃度3.024g/Lの過塩素酸水溶液と濃度309g/Lの硫酸との混合液を5mL投入した。さらに、吸引ポンプ45の排気量は、8L/min又は4L/minとした。
【0093】
そして、実施例2−1〜2−5においては第1管状炉41の炉温度を200℃とし、第2管状炉42の炉温度を950℃,750℃,550℃とした。また、比較例2−1〜2−2として第1管状炉41の炉温度を100℃,200℃とし、第2管状炉42の炉温度を350℃,250℃とした。
【0094】
その結果、表3に示すように、第2管状炉42の炉温度を550℃〜950℃とした実施例2−1〜実施例2−5においては、第1吸収液43及び第2吸収液44での過塩素酸イオン(ClO)濃度が1mg/L未満になることが確認された。すなわち、実施例2−1〜実施例2−5においては、第1吸収液43における塩素(Cl)濃度が632〜942mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに十分熱分解されていることが把握された。
【0095】
これに対して、第2管状炉42の炉温度を250℃〜350℃とした比較例2−1〜2−3においては、第1吸収液43及び第2吸収液44での過塩素酸イオン(ClO)濃度がそれぞれ11〜46mg/Lであり、過塩素酸(HClO)の分解処理ができていないことが判明した。すなわち、比較例2−1及び比較例2−2においては、第1吸収液43における塩素イオン(Cl)濃度が43〜46mg/Lとなっており、比較例2−3においては、第1吸収液43における塩素(Cl)濃度が11mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに熱分解されていないことが把握された。
【0096】
したがって、脱離液が、濃度290g/Lの硫酸を含んでいた場合においても、この濃度290g/Lの硫酸の存在に関わらず、高濃度の過塩素酸(HClO)を第1管状炉41及び第2管状炉42にて550℃〜950℃に加熱して塩化水素(HCl)と酸素(O)とに完全に熱分解して、過塩素酸イオン(ClO)を除去処理することができることが確認できた。
【0097】
【表3】

【実施例3】
【0098】
上述した室内実験を踏まえて、実際の焙焼炉21を用いた過塩素酸(HClO)の熱分解処理に関する現地実験を実施した。
【0099】
実験方法として、試薬製品の過塩素酸(HClO)を実プラント20の焙焼炉21の注水路に混入し、焙焼炉21から発生するガスを冷却塔24に導き、冷却塔出口における処理水の過塩素酸イオン(ClO)の濃度を測定した。
【0100】
ここで、実験条件として、30mの原液タンクに試薬製品の過塩素酸54〜63kgを投入し、過塩素酸イオン(ClO)濃度1.8g/L〜2.1g/Lとした。そして、この過塩素酸イオン(ClO)濃度1.8g/L〜2.1g/Lの原液を焙焼炉21に注水し、冷却塔出口における処理水の過塩素酸イオン(ClO)の濃度を測定した。このときの焙焼炉21の温度は950℃であった。尚、冷却塔24の循環液は硫酸濃度20〜50g/Lの硫酸である。
【0101】
その結果、表4に示すように、冷却塔出口における処理水の過塩素酸イオン(ClO)濃度は、実施例3−1〜実施例3−10のいずれにおいても、1mg/L未満であった。また、このときの塩素イオン(Cl)濃度は2070〜2860mg/Lとなっており、過塩素酸(HClO)が塩化水素(HCl)と酸素(O)とに熱分解されていることが確認できた。
【0102】
【表4】

【実施例4】
【0103】
イオン交換樹脂の再生工程から排出される高濃度硫酸と過塩素酸(HClO)とを含んだ脱離液の硫酸分を炭酸カルシウムで中和し、硫酸カルシウム(石膏)として固液分離する室内実験を行った。
【0104】
室内実験では、図6に示すように、硫酸濃度236g/L及び過塩素酸イオン(ClO)濃度1.55g/Lを含む模擬原水としての廃脱離液1000mLに75%の炭酸カルシウム乳化液310mLを投入し、60℃にて4時間攪拌後、ろ過を行った。
【0105】
その結果、ろ過後の残渣(石膏)は、湿潤状態では603gであり、45℃乾燥後では394gであった。また、ろ液量は750mLであった。そして、ろ液中の過塩素酸イオン(ClO)の濃度は1.403g/Lであり、pHは6.5であった。
【0106】
したがって、室内実験においては、高濃度硫酸と過塩素酸(HClO)とを含んだ脱離液の内の硫酸分を炭酸カルシウムで中和し、硫酸カルシウム(石膏)として固液分離することが可能であることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、過塩素酸イオンを吸着したイオン交換樹脂の再生後の脱離液に含まれる高濃度の過塩素酸イオン含有液の処理方法及び過塩素酸イオン含有液の処理装置に適している。それゆえ、過塩素酸イオン含有液を排出する化学工業や上水等において利用することができ非常に有用である。
【符号の説明】
【0108】
1 イオン交換吸着塔
2 脱離剤タンク
3 温度調節器
4 脱離液タンク
10 過塩素酸イオン吸着処理装置
20 実プラント(過塩素酸イオン含有液の処理装置)
21 焙焼炉(加熱炉)
22 廃熱ボイラー
23 電気集塵機
24 冷却塔(ガス吸収手段)
25 洗浄塔
30 脱離液中和設備
31 脱離液中和槽
32 自動フィルタープレス
33 濾液受槽
40 実験装置
41 第1管状炉
42 第2管状炉
43 第1吸収液
44 第2吸収液
45 吸引ポンプ
46 流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過塩素酸イオン含有液を、550℃〜950℃の加熱炉に注水して過塩素酸イオンを熱分解し、熱分解したガスをガス吸収液に通すことを特徴とする過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項2】
前記過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオン濃度は2.1g/L以下であると共に、
前記ガス吸収液におけるガス吸収後の過塩素酸イオン濃度を1mg/L未満にすることを特徴とする請求項1記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項3】
前記加熱炉の温度は、950℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項4】
前記過塩素酸イオン含有液は、濃度290g/L以下の硫酸を含有していることを特徴とする請求項1,2又は3記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項5】
前記ガス吸収液は、濃度20〜50g/Lの硫酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項6】
前記過塩素酸イオン含有液は、過塩素酸イオンを吸着したイオン交換樹脂を硫酸にて再生したときに発生した脱離液であり、上記脱離液には、濃度250〜310g/Lの硫酸が含有されていると共に、
上記脱離液に炭酸カルシウムを添加することにより硫酸カルシウムを凝集沈殿させて硫酸を分離することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の過塩素酸イオン含有液の処理方法。
【請求項7】
注水された過塩素酸イオン含有液の過塩素酸イオンを550〜950℃にて熱分解する加熱炉と、
熱分解したガスをガス吸収液に吸収させるガス吸収手段とが設けられていることを特徴とする過塩素酸イオン含有液の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−232267(P2012−232267A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103769(P2011−103769)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000221786)東邦亜鉛株式会社 (14)
【Fターム(参考)】