説明

過酸化水素およびオキシダーゼ基質計測用電極

【課題】 溶液中の過酸化水素濃度の測定において、共存する妨害物質の影響を排除する選択透過膜を備え、高感度に、選択性よく、安定して行うことのできる電極部を提供する。また、それを利用した、オキシダーゼ基質計測用の電極部および計測装置を提供する。
【解決手段】 電極表面に、選択透過膜として、ゾル−ゲル法で形成されたマトリックス中に固定されたタンパク質よりなる膜を付着した電極を使用する。また、オキシダーゼ基質の計測にあたり、上記のハイブリッド膜の表面に、さらに、オキシダーゼを固定した電極を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多くの共存成分を含む生体試料等の測定対象より、目的とする成分を、選択的に、広い濃度範囲に渉って高感度で、かつ安定して測定できるバイオセンサの検出部位、および計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療、環境、食品等の分野において、バイオセンサが注目されている。 バイオセンサは、一般に電極などの測定素子(信号変換素子)上に、分子認識のための機能性薄膜を具備した構造である。この機能性膜の役割には、測定対象物質の特異的認識と測定対象物質の電極での検出可能物質への変換、試料に共存する測定成分の排除などがある。バイオセンサでは、分子認識のために、酵素、抗体、微生物などの生体由来の物質が利用される。機能性膜は、1層で機能を果たす場合もあるが、複数の層を重ねて目的とする諸機能に対応するのが一般である。
【0003】
なかでも、グルコース等のオキシダーゼ基質を定量する必要性が大となり、種々の試みがなされている。オキシダーゼ基質を定量するには種々の方式があるが、基質をオキシダーゼと反応させ、生ずる過酸化水素を測定するのが有力な方法である。
例えば、白金電極とグルコース酸化酵素(グルコースオキシダーゼ:GODと略記)を組み合わせたセンサでは、GOD反応で生じる過酸化水素を白金電極上で電解酸化分解し、この酸化電流からグルコース濃度を算出する。しかし、血液などの生体試料中には、アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェンなど、電極で容易に酸化される物質が比較的高濃度で存在する。これらが、電極表面に到達すると、酸化電流を誘起するため、測定誤差の大きな要因となる。そこで、過酸化水素のみを透過し、それ以外の妨害成分の透過を抑制する選択透過膜を電極表面に装着する必要がある。
このオキシダーゼ基質定量における選択透過膜は、直接の目的である選択透過性が優れていることはもちろん、使用時の膜剥離、その他の原因による性能低下がなく、安定に使用でき、かつ、センサとして広い測定濃度範囲に渉って、高感度であることが必要である。
【0004】
従来、膜調製、準備法として、アセチルセルロースのキャスト膜を用いる方法(非特許文献1参照)、ポリLリジンとポリスチレンスルフォン酸の混合水溶液を電極上で乾燥させ、ポリイオン複合膜を形成させる方法(非特許文献2参照)、互いに逆の電荷を有するポリアリルアミンとポリスチレンスルフォン酸の交互累積膜を電極上に形成させる方法(非特許文献3参照)、1,2−ジアミノベンゼンをモノマーとする電解重合膜を用いる方法(非特許文献4参照)などが試みられている。
また、電極基体−選択透過膜−酵素膜の層構造において、選択透過膜と電極基体あるいは酵素膜との密着性向上対策として、選択透過膜上の酵素膜の締結力により電極と密着させる方法(特許文献1参照)、反応性官能基を有する選択透過膜を電極基体と化学結合させる方法、あるいは、電極基体表面にシラン化学処理を行い、選択透過膜の基体付着力を向上する方法(特許文献2参照)、選択透過膜と酵素膜との中間に特定仕様のキトサン膜を挟み、両者を強く接着する方法(特許文献3参照)などの提案がある。また、選択透過膜の性能向上に関するものではないが、電極−過酸化水素検知層−過酸化水素生成酵素層の構成において、過酸化水素生成酵素の安定化のため、ゾル−ゲル法で調製されるマトリックス内に酵素を固定することが提案されている(特許文献4参照)。
【0005】
【非特許文献1】 R.Sternberg et al.,Anal.Chem.,60,2781−2786,1988
【非特許文献2】 F.Mizutani et al.,Anal.Chem.Acta,314,233,1995
【非特許文献3】 T.Hoshi et al.,Anal.Chem.,73,5310,2001
【非特許文献4】 S.V.Sasso et al.,Anal.Chem.,62,1111−1117,1990
【特許文献1】 特開2000−002683号公報(第3頁・段落番号0036)
【特許文献2】 特開2003−262603号公報(第3頁.段落番号0017、第4頁・段落番号0022)
【特許文献3】 特開2003−329634号公報(第3頁・段落番号0011)
【特許文献4】 特表2001−512567号公報(第8頁・第10行〜16行、第15頁第16行〜第16頁第5行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
妨害成分共存での、選択透過膜を利用しての過酸化水素、あるいは目的とするオキシダーゼ基質を計測するには、種々の解決すべき課題がある。
上述のように、まず、良好な選択透過性、すなわち、過酸化水素は透過させるが、共存妨害物質の透過は極力小なることが必要である。次に、膜機能の安定性、すなわち、使用時に膜性能の低下がなく、所定時間以上安定して使用できることを要する。安定性低下原因として、選択透過膜と電極基体あるいは酵素膜との密着性が不良で、使用時に剥離が生ずること、あるいは、膨潤等により膜性能が低下することなどがある。
さらに、目的成分を高感度で測定できることが必須要件である。広い濃度範囲で精度よく測定できることが望ましく、特に、低濃度領域での定量性が強く要求されている。また、電極部位やセンサ測定系の製作が煩雑でなく低コストであること、使用の簡便性などが望まれる。
このような多様、かつ高度の要求を満足しなければならず、種々の検討が行われている。
【0007】
非特許文献1、2および3において、膜の形成法が述べられているが、電極基体表面からの剥離、および膜の安定性に問題がある。非特許文献4では、酵素膜において、膜が酵素と化学結合せず包括固定されているだけであり、酵素自身が膜から離脱し、酵素センサとしての寿命、安定性に問題がある。
特許文献1、2および3において、選択透過膜の密着性向上が試みられている。しかし、測定の感度、特に、低濃度領域での定量可能性については、全く述べられていない。また、特許文献4において、酵素の安定化が検討されているが、選択透過の向上や、高感度化については、ほとんど言及されていない。
上記のように、膜の製造法や膜の密着性向上の検討はなされているが、選択透過性、安定性と共に、高感度のものは得られていないのが現状である。
【0008】
オキシダーゼ基質あるいは過酸化水素の測定に対する社会的ニーズは大きいが、上述の多様な、かつ、高度の課題を解決することが必要である。部分的な対応策では不十分であり、これらの課題をすべて、同時に解決することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達するために鋭意検討を重ねた結果、溶液中の過酸化水素濃度の測定用電極として、官能基含有電極表面に、ゾル−ゲル法で形成されたマトリックスとタンパク質とのハイブリッド膜を付着した電極、すなわち、ゾル−ゲル法マトリックス成分、タンパク質および電極表面との間に化学結合を形成した膜を付着した電極を用いることが有効であることを見出した。すなわち、この本発明の電極を用いることにより、従来得られなかった大きな効果を発揮することが可能となったものである。
【0010】
また、上記のハイブリッド膜の表面に、さらにオキシダーゼを固定化することにより、共存妨害物質の存在下でも、目的とするオキシダーゼ基質を正確に、安定して計測できる、優れたオキシダーゼ基質計測用電極を得ることに成功した。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、妨害物質が共存する溶液中の過酸化水素を、選択性よく、長時間安定に測定することができる。また、測定感度も良好で、少量の測定試料でも、広い濃度範囲に渉って測定が可能である。特に、従来行われていたよりもはるかに低濃度でも、高感度での定量が可能である。さらに、計測部の製作や測定操作も、簡便で、低コストで行うことができる。
また、本発明のハイブリッド膜よりなる選択透過膜の表面に、さらにオキシダーゼを固定化することにより、生体等に由来する、多くの共存成分を有する複雑な測定対象から、特定のオキシダーゼ基質を正確に測定することができる。
さらに、本発明は体に有害なメディエータを用いないので、健康上問題なく、安心して測定を実施することができる。また、応答電流は2〜3秒程度で定常値に達し、応答時間が短いので、診断や検査を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明における電極としては、通常の電極を用いることができるが、表面に選択透過膜の成分、すなわち、ゾル−ゲル法マトリックスやタンパク質などと反応しうる官能基を有するものが好ましい。反応性官能基を有することにより、選択透過膜と電極表面とが化学的に結合し、選択透過膜と電極基体とが強固に付着し、選択透過膜の安定性が向上する。
官能基の導入は、電気化学的処理、プラズマ処理、シラン処理などで行われる。例えば、電極を硫酸溶液中に浸漬し、電解処理を行うことにより、水酸基が導入される。
電極の材質としては、白金、金、カーボンなどがあるが、特に白金が好ましい。
【0013】
本発明におけるハイブリッド選択透過膜のマトリックスは、ゾル−ゲル法により形成される。ゾル−ゲル法とは、液状のモノマーを、一般に室温付近で重合させ、三次元化した固相ゲルを形成することを言う。ゾル−ゲル法で膜を形成するため、電極のサイズや形状にかかわらず、電極表面での膜の形成が容易であり、また、膜の組成の設計、化学修飾の自由度が大である。
ハイブリッド膜中のタンパク質は、タンパク質が生成したマトリックスゲルの網目に、単に包含あるいは取り込まれているのではなく、マトリックス形成物質と渾然一体化し、かつ、化学結合を生成し、強固に一体化したハイブリッドを形成している。電極との化学結合と相まって、選択透過膜の安定性が大となる。
ハイブリッド選択透過膜を電極表面に付着、形成するには、種々の方式がある。まず、ゾル−ゲル法マトリックスを調製し、次いで、これにタンパク質を付着、結合させることもできるが、マトリックス原料とタンパク質を混合液の状態で付着させるのが、効果が大きく、かつ簡便である。滴下塗布、流延塗布、あるいはスピンコーターによる回転塗布でもよいが、電極を混合溶液に浸漬し、引き上げるのが最も簡便である。
【0014】
本発明におけるタンパク質としては、天然および合成の各種のタンパク質が用いられる。なかでも、ハイブリッド膜原料の調製や、電極への付着などの操作性の点で、水、アルコールなどの溶剤に可溶性のものが好ましい。特に、効果や入手性などの点で、動物や人の血清アルブミンなどの血清タンパク質が好ましい。
タンパク質の例としては、アルブミン、グロブリン、ヘモグロビン、ホルモン類、測定物質とは反応しない酵素類、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、アクチン、ミオシンなどがある。
タンパク質が存在することにより、妨害成分の透過性は小のまま、過酸化水素の透過性が大となり、理想的な選択透過膜となる。また、オキシダーゼ基質測定用電極作製において、ハイブリッド膜表面にオキシダーゼを架橋固定化するに際し、酵素活性を安定に保つことができる。
【0015】
本発明におけるタンパク質は、多官能性化合物により架橋されていることが好ましい。
マトリックス成分や電極表面と化学結合すると共に、多官能性化合物により架橋されていることにより、タンパク質の固定化がさらに強固となり、安定性がさらに向上する。
多官能性化合物の官能基は、タンパク質と反応して架橋を形成する任意の官能基が用いられる。なかでも、アルデヒド化合物が好ましく、グルタルアルデヒドが最も好ましい。
架橋処理は、架橋剤をハイブリッド膜原料中に加える方法、あるいは、形成した膜を熱処理した後、架橋剤で処理する方法などにより行われる。オキシダーゼ基質測定用電極においては、オキシダーゼを付着後、架橋剤処理を行い、内部に侵入した架橋剤で、タンパク質をオキシダーゼと同時に架橋してもよい。
【0016】
本発明のハイブリッド膜の成分として、タンパク質に加え、さらに多糖類を含むことが望ましい。多糖類が存在することにより、糖の水酸基もマトリックスの網目形成の関与するため、膨潤しにくく安定な膜を形成できる。また、多糖類中の官能基により、オキシダーゼ基質測定電極作製において、オキシダーゼ酵素を化学修飾することができる。さらに、膜に生体適合性を付与し、生体物質の分析に好適な電極となる。
多糖類の例として、セルロース、ヘミセルロース、キシラン、マンナン、ペクチンなどの細胞壁植物多糖、デンプン、ガラクトマンガン、グリコマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガムなどの根茎・種子植物多糖、アラビアゴム、タマリンゴム、アラビノガラクタンなどの樹液植物多糖、寒天、カラギーナン、アルギン酸、ファーセレランなどの海藻多糖、デキストリン、キサンタンガム、プルラン、ジュランガムなどの微生物多糖、キチン、キトサン、ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などの動物多糖がある。
なかでも、水酸基の他に、多官能性化合物と反応して架橋結合を生成するアミノ基などを有する多糖類、すなわち、動物多糖が好ましい。タンパク質と多糖類とが共に架橋されることにより、安定性の優れたハイブリッド膜を得ることができる。
【0017】
ゾル−ゲル法で使用する原料モノマーの例としては、ケイ素、アルミニウム、チタンなどのアルコキシド化合物、ポリシラザン形成モノマー等がある。なかでも、シロキサン結合を含有するマトリックスを形成するケイ素化合物が好ましい。特に、シロキサン結合形成基に加えて、タンパク質、電極基体、架橋剤などと反応する官能基を有するものが好ましい。その反応性官能基の例としては、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アルケン基、およびそれらの誘導体などがある。
好ましいケイ素化合物の例としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシランなどがある。
【0018】
本発明のハイブリッド膜は、タンパク質あるいは、タンパク質と多糖類に加えて、さらに、反応性官能基を有するフッ素化合物が使用されていることが好ましい。反応性官能基によりハイブリッド膜中に固定化されたフッ素化合物が存在することにより、水の侵入を防ぎハイブリッド膜の膨潤が抑制され、選択透過性を長期間維持することができる。また、疎水性膜の作用により、電気化学測定のノイズレベルが低下し、高度の過酸化水素検出感度を達成することができる。
反応性官能基を有するフッ素化合物としては、ハイブリッド膜製造原料中に溶解するか、一定以上の均一度で分散する適度の分子量を有する脂肪族フッ素化炭化水素の誘導体などが用いられる。特に、フッ素化アルコキシシラン類は、マトリックス形成にも寄与する意味で有用である。
【0019】
また、本発明のハイブリッド膜は、膜形成後、熱処理されたものであることが好ましい。熱処理により、ハイブリッド膜が緻密となり、共存妨害成分の透過を押さえることができる。ただし、過酸化水素の透過性も抑制されるが、タンパク質の存在により、共存物質の透過性を抑制しつつ、過酸化水素の透過性を大とすることができる。
ハイブリッド膜の熱処理は、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは、70〜135℃で行われる。
【0020】
本発明の過酸化水素計測用電極において、最も好ましい構成要件の組合せを例示すると、電極が、水酸基を導入した白金電極であり、タンパク質が可溶性の血清アルブミンであり、多糖類が、動物多糖類であり、マトリックは、シロキサン結合を含有するマトリックスを形成するケイ素化合物を原料としたものであり、かつ、ハイブリッド膜が形成後熱処理されたものである。また、この組合せにおいて、タンパク質および多糖類は、多官能性化合物により架橋されていること、さらには、膜形成において反応性官能基を有するフッ素化合物を使用することが、なお好ましいことはもちろんである。多官能性化合物による架橋は、公知の方法で行うことができる。
【0021】
また、本発明のハイブリッド膜の表面に、さらに、オキシダーゼを固定化することにより、オキシダーゼ基質計測用の電極を得ることができる。本発明のハイブリッド膜の優れた特性により、各種の妨害物質を含む生体試料などにおいて、目的とするオキシダーゼ基質を、選択性および安定性よく、かつ、高感度で定量することができる。ハイブリッド膜表面へのオキシダーゼの固定化は、公知の方法で行うことができるが、オキシダーゼを、好ましくは多官能性の架橋剤と共に、溶剤に溶解し、浸漬法などによりハイブリッド膜に塗布するのが簡便である。
オキシダーゼの種類を変えることにより、それに対応したオキシダーゼ基質を計測できる。本発明において測定できるオキシダーゼ基質としては、グルコース、尿酸、コレステロール、L−乳酸、ビリルビン、L−グルタミン酸、アスコルビン酸、アミノ酸、キサンチン、ヒポキサンチン、NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型)、ピルビン酸、ヒスタミン、セロトニン、コリン、エタノール、メタノール、グルコール酸、亜硫酸、グリセロールなどがある。なかでも、グルコースオキシダーゼを用いたグルコース計測への適用は、本発明の意図する性能効果が大きく、また、市場的にも広範な用途があり、大きなメリットが期待できる。
【0022】
本発明のグルコース計測用電極を装置系に組み込み、上記の特徴を有する、優れたグルコース測定用装置を得ることができる。本発明の電極以外の部分は、公知の部位、部品を使用することができる。
【0023】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
(白金電極への官能基導入)
作用極として用いる白金電極(直径0.5mm)を、0.1モル硫酸溶液中で電解処理して、電極表面に水酸基を導入した。
【0025】
(選択透過膜の形成による過酸化水素検出用電極の調製)
3−アミノプロピルエトキシシラン(APTESと略記)、テトラエトキシシラン(TEOSと略記)およびトリエトキシ−1H、1H,2H,2H−トリデカフルオロ−n−オクチルシラン(フルオロアルキルエトキシシラン、FAESと略記)の各々の10%エタノール溶液各1mlと、牛血清アルブミン(BSAと略記)の1mg/mlリン酸緩衝溶液およびキトサンの3mg/mlリン酸緩衝溶液を混合し、ゾル−ゲル反応溶液を調製した。
この反応液に、上記白金電極を30分浸漬した後、引き上げ、電極表面にハイブリッド膜を形成させた。ついで、100℃で1時間熱処理を行い、さらに、グルタルアルデヒド(GAと略記)溶液を用いて架橋処理を行った。
【0026】
(感度、過酸化水素選択性の評価)
上記白金電極を作用極、対極に白金(直径1mm)、参照極にAg/AgClを用い、0.1Mリン酸緩衝溶液中、過酸化水素あるいは妨害成分(アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェノン)を各単独に、0.1mMの濃度で応答電流値を測定し、比較した。選択性は、(妨害成分の応答電流値)/(過酸化水素の応答電流値)の比を%で表した(数字が小ほど良好)。測定は、架橋処理を行った電極調製後、および、液中での膨潤等への安定性判定のため、調製電極を24時間、緩衝液に浸漬した後行った。
電極調製後の測定では、過酸化水素の応答電流値は0.74μA、アスコルビン酸では0.009μA(選択比1%)、尿酸では0.015μA(選択比2%)であった。また、24時間浸漬後の測定では、過酸化水素は3.36μA、アスコルビン酸は0.032μA(選択比1%)、尿酸は0.048μA(選択比1%)であった。
これらの結果は、非常に低濃度の過酸化水素でも、高感度で検出可能であり、妨害成分に対する選択性にも優れ、また、長時間、溶液に浸漬しても性能は良好であり、安定して使用できることを示している。
【比較例1】
【0027】
選択透過膜を調製せず、水酸基導入処理のみを行った白金電極を使用し、実施例1と同様にして、水酸基導入処理後の応答電流値を測定した。過酸化水素では11.03μA、アスコルビン酸では2.40μA(選択比22%)、尿酸では3.65μA(33%)、アセトアミノフェン1.69μA(11%)であり、選択性は不良であった。
【比較例2】
【0028】
選択透過膜調製において、TEOSのみを使用したこと、および、熱処理ならびに架橋処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、膜形成後の応答電流値を測定した。過酸化水素では9.68μA、アスコルビン酸では2.02μA(選択比21%)、尿酸では2.26μA(22%)であり、選択性は不良であった。
【比較例3】
【0029】
選択透過膜調製において、APTESおよびTEOSのみを使用したこと、および、熱処理ならびに架橋処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして、膜形成後の応答電流値を測定した。過酸化水素では4.67μA、アスコルビン酸では0.11μA(選択比2%)、尿酸では0.21μA(5%)であった。この電極を緩衝液に、浸漬したままにしておくと、膜形状が次第に変化してしまった。
【比較例4】
【0030】
選択透過膜調製において、APTESおよびTEOSのみを使用したこと以外は実施例1と同様にして電極を調製し、調製後の応答電流値を測定した。過酸化水素では0.3μA、アスコルビン酸では0.01μA(選択比3%)、尿酸では0.06μA(20%)であり、高感度のものが得られなかった。
【比較例5】
【0031】
選択透過膜調製において、APTES、TEOSおよびFAESを使用したこと以外は実施例1と同様にして、電極を調製した。調製後の応答電流値は、過酸化水素では0.26μAであり、アスコルビン酸での選択比は15%、尿酸では19%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素の電流値は0.24μA、アスコルビン酸の選択比は13%、尿酸では17%であり、高感度のものが得られなかった。
【比較例6】
【0032】
選択透過膜調製において、APTES、TEOS、FAESおよびキトサンを使用し、牛血清アルブミン(BSA)を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、電極を調製した。調製後の過酸化水素の応答電流値は0.22μA、アスコルビン酸での選択比は7%、尿酸では11%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素の電流値は0.21μA、アスコルビン酸の選択比は8%、尿酸では13%であり、やはり高感度のものが得られなかった。
【実施例2】
【0033】
選択透過膜調製において、APTES、TEOSおよびBSAを使用し、FAESおよびキトサンを使用しないこと以外は実施例1と同様にして、電極を調製した。調製後の過酸化水素の電流値は4.12μA、選択比は、アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェノンの何れも1%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素の電流値は9.71μA、アスコルビン酸の選択比は14%、尿酸では17%であった。長時間浸漬すると、選択比が低下する傾向があるが、過酸化水素検出感度は良好であり、電極調製後は、選択性も優れていた。
【実施例3】
【0034】
選択透過膜調製において、キトサンを使用しないこと以外は実施例1と同様にして、電極を調製した。調製後の過酸化水素の電流値は3.5μA、アスコルビン酸での選択比は10%、尿酸では11%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素の電流値は8.89μA、アスコルビン酸の選択比は3%、尿酸では5%であり、浸漬後の性能が優れていた。
【実施例4】
【0035】
実施例2と同様にして、電極を調製した後、さらに、同様の処理を行い、選択透過膜を二重に重ねた構造の電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は1.39μA、アスコルビン酸の選択比は0.5%、尿酸では1%、アセトアミノフェノンでは0.1%であり、選択性の非常に優れた電極が得られた。
【実施例5】
【0036】
実施例2と同様にして電極を調製した後、さらに、比較例5と同様な処理を行い、選択透過膜を二重に重ねた構造の電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.07μA、アスコルビン酸の選択比は3%、尿酸では7%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は1.88μA、選択比は、アスコルビン酸では4%、尿酸では4%であった。電極作成後の感度は不良であるが、選択性が優れ、浸漬後はかなりの感度を有する電極が得られた。
【実施例6】
【0037】
実施例2と同様にして電極を調製した後、さらに、選択透過膜調製において、APTES、TEOSおよびFAESを用いて実施例1と同様な処理を行い、選択透過膜を二重に重ねた構造の電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は1.57μA、選択比は、アスコルビン酸では0.4%、尿酸では1%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は6.19μA、選択比は、アスコルビン酸では0.1%、尿酸では5%であり、感度、選択性共に良好であった。
【実施例7】
【0038】
APTESの代わりに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.81μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は3.77μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では3%であり、感度、選択性共に良好であった。
【実施例8】
【0039】
APTESの代わりに3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.66μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は3.10μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であり、感度、選択性共に良好であった。
【実施例9】
【0040】
BSAの代わりにグロブリンを用いた以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.77μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸でも2%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は3.51μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であり、感度、選択性共に良好であった。
【実施例10】
【0041】
キトサンの代わりにキチンを用いた以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.72μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では3%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は3.30μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であり、感度、選択性共に良好であった。
【実施例11】
【0042】
キトサンの代わりにデンプンを用いた以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.59μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では7%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は2.78μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では7%であった。
【実施例12】
【0043】
電極に水酸基導入処理をしないこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.70μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸では2%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は1.47μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では6%であった。
【実施例13】
【0044】
BSAの代わりにコラーゲンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.47μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では4%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は2.08μA、選択比は、アスコルビン酸では4%、尿酸では6%であった。
【実施例14】
【0045】
グルタルアルデヒドによる架橋処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.69μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸では3%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は1.36μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では7%であった。
【実施例15】
【0046】
APTESおよびTEOSを使用せず、代わりにチタンテトラアルコキサイドを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は0.88μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では4%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は3.60μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では6%であった。
【実施例16】
【0047】
APTESを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は1.04μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸では4%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は4.30μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では5%であった。
【実施例17】
【0048】
FAESの代わりにフッ素化プロピレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合オリゴマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は1.20μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸では3%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は4.93μA、選択比は、アスコルビン酸では3%、尿酸では7%であった。
【実施例18】
【0049】
熱処理をしないこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。電極作製後の過酸化水素の電流値は4.82μA、選択比は、アスコルビン酸では2%、尿酸では5%であった。また、24時間浸漬後では、過酸化水素電流値は9.32μA、選択比は、アスコルビン酸では5%、尿酸では8%であった。
【実施例19】
【0050】
実施例1と同様にして、電極表面にハイブリッド膜を形成させ、熱処理を行った。続いて、この未架橋処理電極を、グルコースオキシダーゼ(GODと略記)およびグルタルアルデヒド(GA)を含む溶液中に浸漬し、酵素固定化を行った。この酵素固定化電極の24時間浸漬後の過酸化水素電流値は0.67μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では2%であった。
【実施例20】
【0051】
GODの代わりに、乳酸オキシダーゼ用いた以外は、実施例19と同様にして、酵素固定化電極を作製した。この酵素固定化電極の24時間浸漬後の過酸化水素電流値は0.72μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では3%であった。
【実施例21】
【0052】
GODの代わりに、グルタミン酸オキシダーゼ用いた以外は、実施例19と同様にして、酵素固定化電極を作製した。この酵素固定化電極の24時間浸漬後の過酸化水素電流値は0.68μA、選択比は、アスコルビン酸では1%、尿酸では3%であった。
【実施例22】
【0053】
検出感度を吟味するため、過酸化水素およびグルコースの検量線を求めた結果を図1に示した。
ライン1は、比較のためのデータであり、表面に選択透過膜を形成しない白金電極自体での、過酸化水素濃度と応答電流との関係を示したものである。ライン2は、本発明の実施例19でのGODを固定化した白金電極での、過酸化水素濃度と応答電流との関係を示したものである。ライン3は、同じく、本発明の実施例19でのGODを固定化した白金電極での、グルコースと応答電流との関係を示したものである。
ライン2の修飾電極の応答電流は、ライン1に比して減少してはいるものの、検量線の直線領域(測定可能濃度範囲)は変わらず、膜修飾後も過酸化水素センサとして高感度な特性を維持している。
比較的絶縁性の高いゾル−ゲル膜で修飾された結果、バックグラウンドノイズが軽減し、S/N比(シグナル/ノイズ比)が増大した結果、低濃度過酸化水素に対しても高い測定感度が保持されたものと考えられる。測定可能濃度領域は、0.1μM〜10mMである。
ライン3のグルコースの場合にも、応答電流はさらに減少しているが、直線領域はほとんど変わっていない。
【実施例23】
【0054】
本発明の実施例19での電極を用いて、グルコースの検量線をさらに詳細に求めた結果を図2に示した。
0.1μM(0.0018mg/dL)から1mM迄の広い濃度領域において直線性を示し、高濃度領域は、3〜4mMの濃度で応答が飽和した。本センサは、市販血糖センサ(検出領域:30mg/dL〜数百mg/dL)の1万分の1以下の超低濃度グルコースをも検知する感度を有することを示している。
【実施例24】
【0055】
参考として、本発明における酵素溶液の貯蔵安定性を図3に示した。
すなわち、GODとGAを含む溶液を調製し、室温で、所定日数保存した後、実施例19の電極を用いて、0.1Mmのグルコースでの応答電流値を測定した。長期間放置しても、電流値の変化は小さく、安定であった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、各種分野で使用される過酸化水素計測用装置を提供する。
また、本発明は、医療、食品、発酵・醸造、環境、工業プロセス、あるいは農林・水産分野等において、利用価値の大きいオキシダーゼ基質計測用装置を提供する。
例えば、医療分野の検査、診断において、血液、尿等の検液中の、グルコース、尿酸、コレステロール、ビリルビン、グルタミン酸、アスコルビン酸、ヒスタミン、セロトニン等の計測に利用され、糖尿病、痛風などの疾患の検査や予防に有効である。
また、食品分野において、グルタミン酸、アミノ酸、グルコース、キサンチン、ヒポキサンチン、アスコルビン酸、コレステロール、アルコール、ヒスタミンなどの計測に利用され、食品成分の分析に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明における、過酸化水素およびグルコース測定での検量線を示すグラフである。
【図2】本発明における、グルコース測定での、より詳細な検量線を示すグラフである。
【図3】本発明で使用する酵素溶液の、貯蔵安定性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0058】
1 比較のための、選択透過膜形成のない対照白金電極を使用しての過酸化水素の検量線
2 本発明のグルコースオキシダーゼを固定化した白金電極を使用しての過酸化水素の検量線
3 本発明のグルコースオキシダーゼを固定化した白金電極を使用してのグルコースの検量線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極表面に、ゾル−ゲル法で形成されたマトリックスおよびタンパク質よりなるハイブリッド膜を付着した過酸化水素計測用電極
【請求項2】
電極が、表面にタンパク質と反応する官能基を導入した白金電極であることを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項3】
タンパク質が、溶剤可溶性のタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項4】
タンパク質が、多官能性化合物により架橋されていることを特徴とする請求項3に記載の電極
【請求項5】
ハイブリッド膜の成分として、タンパク質および多糖類を含むことを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項6】
タンパク質および多糖類が、多官能性化合物により架橋されていることを特徴とする請求項5に記載の電極
【請求項7】
ゾル−ゲル法のマトリックスを形成する原料として、シロキサン結合を含有するマトリックスを形成するケイ素化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項8】
シロキサン結合を含有または形成するケイ素化合物が、さらに反応性官能基を有することを特徴とする請求項7に記載の電極
【請求項9】
膜形成において、さらに、反応性官能基を有するフッ素化合物を使用することを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項10】
ゾル−ゲル法で形成されたマトリックスとタンパク質とのハイブリッド膜が、膜形成後、熱処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電極
【請求項11】
電極が水酸基を導入した白金電極であり、ゾル−ゲル法のマトリックスを形成する原料が、シロキサン結合を含有するマトリックスを形成し、かつ、タンパク質と反応する官能基を有するケイ素化合物であり、タンパク質が、可溶性の血清アルブミンであり、多糖類が、動物多糖類であり、かつ、ハイブリッド膜は、形成後熱処理されたものであることを特徴とする請求項5に記載の電極
【請求項12】
請求項1のハイブリッド膜の表面に、さらに、オキシダーゼが固定化されていることを特徴とするオキシダーゼ基質計測用電極
【請求項13】
請求項12において、オキシダーゼがグルコースオキシダーゼであることを特徴とするグルコース計測用電極
【請求項14】
請求項13の電極を組み込んだグルコース測定用装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−53115(P2006−53115A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260309(P2004−260309)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年7月11日から14日 社団法人電気化学会 化学センサ研究会主催の「10th International Meeting on Chemical Sensors:10thIMCS(第10回 化学センサ国際会議)」において文書をもって発表
【出願人】(504197640)ラジエンスウエア株式会社 (3)
【出願人】(504197662)