説明

道床突き固め機

ポイント区分を道床突き固めするための特別に構成された道床突き固め機は、2つの内側のタンピングユニット(13)と2つの外側のタンピングユニット(24)とを有している。それぞれ外側のタンピングユニット(24)は、横方向ガイド(12)並びに横方向スライド駆動装置(14)にスライド可能に結合されたガイドブロック(25)に対して相対的に、機械長手方向に延在する旋回軸(26)を中心にして旋回可能に構成されていて、旋回駆動装置(27)に結合されている。これによって、外側のタンピングユニット(24)のタンピング工具(18)を、分岐したレールを広範囲に亘って道床突き固めするために、機械中央(23)から最も遠い位置に位置決めすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した道床突き固め機に関する。
【0002】
互いに独立して横方向スライド可能な全部で4つのタンピングユニットを備えた、このような形式の道床突き固め機は、米国特許第5007350号明細書により公知である。
【0003】
ヨーロッパ特許第0455179号明細書によれば、それぞれ外側のタンピングユニットが、隣接する内側のタンピングユニットに横方向旋回可能に支承されていて、それによって、ポイントにおける分岐したレールの一部も道床突き固めできるようになっている。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の道床突き固め機を改良して、外側のタンピングユニットを、機械中央からさらに離れる方向に移動させることができるようにすることである。
【0005】
この課題を解決した本発明によれば、軌道横方向若しくは機械横方向に関連して互いに隣接し合う2つの内側のタンピングユニットと、これらのタンピングユニットに隣接するそれぞれ2つの外側のタンピングユニットとを備えた道床突き固め機であって、前記タンピングユニットが横方向スライド駆動装置によって互いに独立して横方向ガイドに沿って横方向スライド可能であり、かつ複数のタンピング工具を備えており、これらのタンピング工具が、ガイドを介して高さ調節可能に装置フレームに結合された工具支持体に支承されている形式のものにおいて、それぞれ外側のタンピングユニットが、前記横方向ガイドにスライド可能に、かつそれぞれの横方向スライド駆動装置にスライド可能に結合されたガイドブロックに対して相対的に、機械長手方向に延在する旋回軸を中心にして旋回可能に構成されていて、旋回駆動装置に結合されている。
【0006】
このような構成によって、有利な形式で、それぞれ外側のタンピングユニットが、横方向スライド運動に対してさらに追加的に横方向に旋回させることができる。これによって、ポイントの分岐した軌道区分をさらに広い範囲に亘って、直線的な軌道区分の道床突き固めと同時に突き固めることができる。特に有利には、追加的な横方向旋回運動のために装置交換作業を必要とすることはない。
【0007】
本発明のその他の利点は、従属請求項及び図面に関する説明に記載されている。
【0008】
以下に本発明を図面に示した実施例を用いて具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】道床突き固め機の概略的な側面図である。
【図2】タンピングユニットの拡大した側面図である。
【図3】タイタンパユニットの部分を、機械長手方向で見た図である。
【図4】緊締装置の概略図である。
【0010】
図1に示した道床突き固め機1は、機械フレーム2を有しており、該機械フレーム2は、走行装置3によって、レール4及び枕木5より成る軌道6上を走行可能である。端面側に配置された運転室7並びに作業室8は、敷設作業走行及び作業前進走行中(矢印9によって示された作業方向)に、作業員が乗り込むために設けられている。2つの走行装置3間には、軌道持ち上げ及び整正装置10並びに、作業方向でこの軌道持ち上げ及び整正装置10に続いてタンピング装置11が配置されている。路盤修正のために、水準測量及び方向基準システムが設けられている。
【0011】
図2及び図3に示されているように、特にポイント区分の道床突き固めを行うために形成されたタンピング装置11は、機械長手方向に対して直角に延在する方向で、横方向ガイド12に沿って互いに独立して摺動可能に支承されたタンピングユニット13,24より成っている。この横方向のスライド運動のために、各タンピングユニット13,24は、機械フレーム2に支えられた横方向スライド駆動装置14に接続されている。
【0012】
各タンピングユニット13,24は、2つの垂直方向ガイド16を備えた装置フレーム15と、この装置フレーム15に沿って高さ調節可能な工具支持体17とを有している。この工具支持体17は、増結可能なタンピング工具18と装置フレーム19とを備えていて、駆動装置20によって装置フレーム15に対して高さ調節可能である。横方向ガイド12に結合されたタンピング装置支持体21は、機械長手方向に対して直角に延在するガイド22に沿って横方向にスライド可能である。
【0013】
図3には、機械中央若しくは軌道中央23が、一点鎖線で示されている。簡略化のために、タンピング装置11の半部しか示されていない。このタンピング装置11の半部は、それぞれ機械中央23に隣接する内側のタンピングユニット13と、機械中央23からさらに遠ざかって配置されている外側のタンピングユニット24とから構成されている。
【0014】
各外側のタンピングユニット24は、横方向ガイド12並びに各横方向スライド駆動装置14に摺動可能に接続されたガイドブロック25に対して相対的に、機械長手方向に延在する旋回軸26を中心にして旋回可能に構成されている。このために、旋回駆動装置27が一方では装置フレーム15に接続され、他方では支持フレーム28に接続されており、この支持フレーム28は、垂直平面並びに機械長手方向に延在する平面に位置決めされ、かつガイドブロック25に接続されている。
【0015】
図3に示されているように、外側のタンピングユニット24は、装置フレーム15、工具支持体17並びにタンピング工具18と共に最も外側の旋回位置に位置している。この最も外側の旋回位置において、タンピング工具18は、機械中央若しくは軌道中央23から最も遠くに位置しており、つまり機械中央若しくは軌道中央23から最大の間隔を保っている。
【0016】
外側のタンピングユニット24の基本位置において、装置フレーム15は、支持フレーム28と共通の平面に位置していて、図2に示されているように、支持フレーム28が装置フレーム15を包囲している。基本位置と最も外側の旋回位置との間で、選択的に、それぞれ必要な中間位置を得ることが可能であり、この場合、バラストを突き固めるために、各タンピング工具18を妨げられることなく下降させることができる。
【0017】
図4に概略的に簡単に示されているように、内側のタンピングユニット13の装置フレーム15と外側のタンピングユニット24の支持フレーム28との間に、緊締駆動装置30を備えた緊締装置29が設けられている。緊締駆動装置30によって固定可能なスタビライザロッド31は、隣接する装置フレーム15に旋回可能に接続されている。これによって、外側のタンピングユニット24の支持フレーム28を安定化させることができる。横方向スライド駆動装置14を作動させて、タンピングユニット24の横方向スライド運動を実施させる際に、自動的に緊締駆動装置30が負荷されて緊締が解除される。
【0018】
図2及び図3に示した旋回駆動装置27に対して選択的に、この旋回駆動装置27を回転駆動装置として旋回軸26内に直接配置してもよい。その場合、支持フレーム28は必要ない。
【符号の説明】
【0019】
1 道床突き固め機、 2 機械フレーム、 3 走行装置、 4 レール、 5 枕木、 6 軌道、 7 運転室、 8 作業室、 9 矢印、 10 軌道持ち上げ及び整正装置、 11 タンピング装置、 12 横方向ガイド、 13,24 タンピングユニット、 14 横方向スライド駆動装置、 15 装置フレーム、 16 垂直方向ガイド、 17 高さ調節可能な工具支持体、 18 タンピング工具、 19 装置フレーム、 20 駆動装置、 21 タンピング装置支持体、 22 ガイド、 23 機械中央若しくは軌道中央、 24 タンピングユニット、 25 ガイドブロック、 26 旋回軸、 27 旋回駆動装置、 28 支持フレーム、 29 緊締装置、 30 緊締駆動装置、 31 スタビライザロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道横方向若しくは機械横方向に関連して互いに隣接し合う2つの内側のタンピングユニット(13)と、これらのタンピングユニット(13)に隣接するそれぞれ2つの外側のタンピングユニット(24)とを備えた道床突き固め機であって、前記タンピングユニット(13,24)が横方向スライド駆動装置(14)によって互いに独立して横方向ガイド(12)に沿って横方向スライド可能であり、かつ複数のタンピング工具(18)を備えており、これらのタンピング工具(18)が、ガイド(16)を介して高さ調節可能に装置フレーム(15)に結合された工具支持体(17)に支承されている形式のものにおいて、
それぞれ外側のタンピングユニット(24)が、前記横方向ガイド(12)にスライド可能に、かつそれぞれの横方向スライド駆動装置(14)にスライド可能に結合されたガイドブロック(25)に対して相対的に、機械長手方向に延在する旋回軸(26)を中心にして旋回可能に構成されていて、旋回駆動装置(27)に結合されていることを特徴とする、道床突き固め機。
【請求項2】
支持フレーム(28)がガイドブロック(25)に結合されていて、前記旋回駆動装置(27)が一方では支持フレーム(28)に枢着され、他方では装置フレーム(15)に枢着されている、請求項1記載の道床突き固め機。
【請求項3】
前記支持及び装置フレーム(28,15)が基本位置において、機械長手方向に延在する共通の平面に位置決めされ、かつ前記装置フレーム(15)が支持フレーム(28)によって包囲されている、請求項1又は2記載の道床突き固め機。
【請求項4】
前記支持フレーム(28)に、内側のタンピングユニット(13)の隣接する装置フレーム(15)に結合されたスタビライザロッド(31)を固定するための選択的に解除可能な緊締装置(29)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の道床突き固め機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−518972(P2011−518972A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506587(P2011−506587)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002447
【国際公開番号】WO2009/132746
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】