説明

道路図面と、その作成装置と、その作成方法

【課題】 道路の全体像を容易に把握することができる道路図面を作成する技術を提供する。
【解決手段】 本発明は、道路図面を作成する装置として具現化される。その道路図面作成装置は、道路の伸びる方向に沿って道路に順に配置された基準点ごとの、道路の道幅と、道路の中心線の高さと、道路の横断形状を記述するデータを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されたデータに基づいて、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を含む道路図面を出力する出力手段を備えている。その道路図面作成装置は、出力手段が、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示した道路図面を出力することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路図面と、その作成装置と、その作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の維持・管理に係る作業を行うために、道路図面が用いられている。道路の補修工事の要否や具体的な補修方法を検討する際には、道路の現況を示す道路図面が用いられる。また、補修工事の段取りを検討して実際の作業に着手する際には、補修計画の内容を示す道路図面が用いられる。
【0003】
従来の道路図面では、道路を上方から見た平面図、道路が伸びる方向(縦断方向)に沿って道路を切断した場合の断面形状を示す縦断図、道路が伸びる方向に直交する方向(横断方向)に沿って道路を切断した場合の断面形状を示す横断図の3種類の図面が用いられている。図5から図7は従来の道路図面の一例を示すものであり、図5は道路の平面図を例示し、図6は道路の縦断図を例示し、図7は道路の横断図を例示している。
【0004】
図5の平面図500では、道路を上方から見た際の、道路の中心線502と、道路の左側の側線504と、道路の右側の側線506の位置関係が表示される。一般に、補修工事を検討する際に用いる図面では、実際の道路が左右に曲がっていても、道路の中心線502を直線で表示し、中心線502からの道幅に応じて左右の側線504、506を表示する。図中の「測点名」は測量の際の計測点(測点)の名称を示しており、図中の「追加距離」は測量を開始した測点からその測点までの道路の伸びる方向に沿った距離を示している。数値508は測点間の距離(以下では「単距離」ともいう)を示しており、図の例では各測点間の距離が20mであることを示している。数値510は道路の中心線502と左側の側線504の間の道幅をm単位で示しており、数値512は道路の中心線502と左側の側線506の間の道幅をm単位で示している。数値514と数値516は測点間の道路の面積を示しており、数値514が道路の中心線502と左側の側線504との間の測点間の道路の面積を、数値516が道路の中心線502と右側の側線506との間の測点間の道路の面積を示している。このような平面図500は、測量を開始した測点から測量を終了した測点に至るまで用意され、一枚の図面に入りきらない場合には、複数枚の図面にわたって平面図500が用意される。
【0005】
図6の縦断図600では、道路の中心線602と、道路の左側の側線604と、道路の右側の側線606の高さ方向の位置関係が表示される。図中の「G.H.」は地盤高を示しており、「G.H.(L)」は道路の左側の側線606の地盤高を、「G.H.(C)」は道路の中心線602の地盤高を、「G.H.(R)」は道路の右側の側線604の地盤高をそれぞれ示している。括弧内の数値608は、測点間での、道路が伸びる方向に関しての中心線602と左右の側線604、606のそれぞれの勾配を示している。縦断図600の左側の目盛610は、道路の中心線602、道路の左側の側線604および道路の右側の側線606の地盤高に対応している。縦断図600は測量によって測点ごとに計測された道路の地盤高に基づいて、道路の中心線602および道路の左右の側線604、606を測点ごとの地盤高でプロットし、それらを折れ線で接続することによって作成される。縦断図600も、図5の平面図500と同様に、測量を開始した測点から測量を終了した測点に至るまで用意されており、一枚の図面に入りきらない場合には、複数枚の図面にわたって縦断図600が用意される。
【0006】
図7の横断図700では、各測点ごとに、道路の左側の側線702(横断図700では点として表示される)から中心線704(横断図700では点として表示される)を経て右側の側線706(横断図700では点として表示される)に至る断面形状が表示される。各測点の横断図には、道路の中心線704と左右の側線702、706の地盤高(図では「G.H.」と表記)がそれぞれ表示される。数値708は道路の中心線704から道路の左側の側線702までの道幅をm単位で示している。数値710は道路の中心線704から道路の右側の側線706までの道幅をm単位で示している。数値712は道路の中心線704と道路の左側の側線702の間における道路の横断方向の勾配を示している。数値242は道路の中心線232と道路の右側の側線234の間における道路の横断方向の勾配を示している。横断図700も、図5の平面図500や図6の縦断図600と同様に、測量を開始した測点から測量を終了した測点に至るまで用意されており、一枚の図面に入りきらない場合には、複数枚の図面にわたって横断図700が用意される。
【0007】
上記したような道路図面をコンピュータを用いて作成して出力する技術が開発されている。例えば特許文献1から3には、道路設計用CADシステムを用いて道路を設計し、設計した道路の平面図、縦断図および横断図をそれぞれ出力する技術が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−74404号公報
【特許文献2】特開2002−99586号公報
【特許文献3】特開2004−100148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来は、道路の平面図、縦断図および横断図を、それぞれ別個の図面として出力していた。例えば図5の平面図500はそれのみで一組の図面として出力され、図6の縦断図600はそれのみで一組の図面として出力され、図7の横断図700はそれのみで一組の図面として出力される。
【0010】
しかしながら、このように3種類の図面を別個の図面として出力すると、道路の全体像を把握するために、平面図が表示された図面と、縦断図が表示された図面と、横断図が表示された図面を交互に見比べる必要があり、多大な労力を必要としていた。例えば道路の補修工事を行う者は、平面図と縦断図と横断図を交互に見比べて、それらの図面の対応関係を頭の中で整理して、道路の全体像を把握しつつ、補修工事の段取りを検討していた。このように3種類の図面を交互に見比べながら道路の全体像を把握する作業は、道路図面の読み取り方に熟練していないものにとっては、大変な労作業となっていた。また、道路図面の読み取り方に熟練している者にとっても、煩わしい作業であることに変わりはなく、本来行うべき作業の効率の低下を招く要因となっていた。道路図面を取り扱う業務に従事する者にとっては、道路の全体像をより容易に把握することが可能な技術が必要とされていた。
【0011】
本発明は上記の課題を解決する。本発明は、道路の全体像を容易に把握することができる道路図面を作成する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、道路図面を作成する装置として具現化される。その道路図面作成装置は、道路の伸びる方向に沿って道路に順に配置された基準点ごとの、道路の道幅と、道路の中心線の高さと、道路の横断形状を記述するデータを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されたデータに基づいて、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を含む道路図面を出力する出力手段を備えている。その道路図面作成装置は、出力手段が、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示した道路図面を出力することを特徴とする。
【0013】
上記の道路図面作成装置が出力する道路図面においては、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図が、一枚の図面上に表示される。このような道路図面であれば、道路図面を取り扱う者は、同じ図面内で視線をわずかに動かすだけで、平面図と縦断図と横断図を交互に見比べることができる。従来のように、複数種類の図面を交互に見比べる必要がない。また、上記の道路図面作成装置が出力する道路図面においては、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図が、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせされた状態で表示される。従って、道路図面を取り扱う者は、各図の対応関係を瞬時に把握することができる。上記の道路図面作成装置が出力する道路図面を用いることで、道路の全体像を容易に把握することが可能となる。
【0014】
上記の道路図面作成装置においては、出力手段が、道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものを重ねて表示した道路図面を出力することが好ましい。
【0015】
このような道路図面作成装置が出力する道路図面では、道路の縦断図から、道路の伸びる方向に沿って、その道路の横断形状がどのように変化しているのかを瞬時に把握することができる。道路の立体的な様相を容易に把握することが可能となる。
【0016】
本発明は、道路図面を作成する方法としても具現化される。その道路図面作成方法は、記憶手段によって、道路の伸びる方向に沿って道路に順に配置された基準点ごとの、道路の道幅と、道路の中心線の高さと、道路の横断形状を記述するデータを記憶する記憶工程と、出力手段によって、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を含む道路図面を出力する出力工程を備えている。その道路図面作成方法は、出力工程において、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示した道路図面を出力することを特徴とする。
【0017】
上記の道路図面作成方法においては、出力工程において、道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものを重ねて表示した道路図面を出力することが好ましい。
【0018】
本発明は道路図面そのものとしても具現化される。その道路図面は、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図が、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示されていることを特徴とする。
【0019】
上記の道路図面においては、道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものが重ねて表示されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、道路の全体像を容易に把握することができる道路図面を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照して説明する。最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1):道路図面では、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図が上下方向に並べて表示されており、道路の平面図の上方に道路の縦断図が表示され、道路の縦断図の上方に道路の横断図が表示される。
【実施例1】
【0022】
図1は本実施例に係る道路図面作成装置10の構成を模式的に示している。道路図面作成装置10は、入力装置12と、入力データ処理装置14と、記憶装置16と、出力データ処理装置18と、表示装置20と、印刷装置22を備えている。道路図面作成装置10は、道路の現況についての測量結果に基づいて、道路の現況についての道路図面を出力する。
【0023】
入力装置12はキーボート等の一般的な入力手段である。入力装置12から入力された測量結果データは、入力データ処理装置14によって記憶装置16に記憶される。測量結果データには、測量時の各測点ごとに、測点名と、直前の測点からの距離と、道路の中心線および左右の側線のそれぞれの地盤高と、道路の中心線から左右の側線までのそれぞれの道幅と、道路の横断方向についての断面形状(道路の横断形状ともいう)を表現するデータが含まれている。図8に記憶手段16に記憶される測量結果データを例示する。図中の「測点名」は測量の際の計測点(測点)の名称を示している。図中の「単距離」は道路の伸びる方向に沿った直前の測点からの距離をm単位で示している。図中の「追加距離」は道路の伸びる方向に沿った測量を開始した測点からの距離をm単位で示している。図中の「道幅(L)」はその測点における道路の中心線から道路の左側の側線までの道幅をm単位で示している。図中の「道幅(R)」はその測点における道路の中心線から道路の右側の側線までの道幅をm単位で示している。図中の「G.H.(L)」から「G.H.(R)」にかけては、その測点における道路の地盤高(G.H.)の道路横断方向の分布をm単位で示しており、「G.H.(L)」は道路の左側の側線の地盤高を示し、「G.H.(C)」は道路の中心線の地盤高を示し、「G.H.(R)」は道路の右側の側線の地盤高を示す。
【0024】
また図1の入力装置12からは、表示装置20に表示される道路図面の様式を変更したり、表示装置20に表示された道路図面を同じ内容で印刷装置22で紙に印刷したりすることについて、利用者からの指示データが入力される。指示データが入力された場合、入力データ処理装置14は入力された指示データを出力データ処理装置18に送る。
【0025】
出力データ処理装置18は、記憶装置16に記憶されている測量結果データを読み込んで、表示装置20や印刷装置22で道路図面を出力するためのイメージデータを生成する。出力データ処理装置18が生成したイメージデータは、表示装置20や、印刷装置22へ出力される。
【0026】
表示装置20は、画面上に画像を表示する一般的なディスプレイである。表示装置20は、出力データ処理装置18から入力されるイメージデータに基づいて、画面上に道路図面を表示する。
【0027】
印刷装置22は、道路図面を紙に印刷するプリンタである。道路図面作成装置10の利用者は、表示装置20に表示された道路図面を見て仕上がりを確認し、入力装置12から印刷を指示する指示データを入力する。印刷を指示する指示データが入力装置12から入力されると、出力データ処理装置18は、表示装置20に表示している道路図面と同じ内容の道路図面を、印刷装置22によって紙に印刷する。
【0028】
図2は出力データ処理装置18が生成したイメージデータに基づいて表示装置20が表示する道路図面200を例示している。道路図面200では、一枚の図面の中に、平面図202と、縦断図204と、横断図206が紙面上下方向に並べて表示される。道路図面200の最下部には、測点の名称と、測量を開始した測点からの道路の伸びる方向に沿ったその測点までの距離(追加距離)が表示されており、それらの紙面上方に平面図202が表示される。平面図202の紙面上方に縦断図204が表示され、縦断図204の紙面上方に横断図206が表示される。
【0029】
平面図202では、道路を上方から見た際の、道路の中心線208と、道路の左側の側線210と、道路の右側の側線212の位置関係が表示される。道路の中心線208は、道路図面200の紙面左右方向に伸びる直線として表示され、測点ごとに計測されている中心線208からの道幅に応じて左右の側線210、212が表示される。数値214は測点間の距離(単距離ともいう)をm単位で表現している。数値216は道路の中心線208から道路の左側の側線210までの道幅をm単位で示し、数値218は道路の中心線208から道路の右側の側線212までの道幅をm単位で示している。平面図202は、道路の中心線208、道路の左側の側線210および道路の右側の側線212における測点の紙面左右方向の位置が、道路図面200の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされて表示される。
【0030】
縦断図204では、道路の中心線220と、道路の左側の側線222と、道路の右側の側線224の高さ方向の位置関係が表示される。道路図面200の左側の目盛226は、縦断図204の中心線220、左側の側線222および右側の側線224の地盤高に対応している。縦断図204は、道路の中心線220、道路の左側の側線222および道路の右側の側線224における測点の紙面左右方向の位置が、道路図面200の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされて表示される。
【0031】
横断図206では、各測点ごとに、道路の左側の側線230(横断図206では点として表示される)から中心線232(横断図206では点として表示される)を経て右側の側線234(横断図206では点として表示される)に至る、道路の横断方向の断面形状が表示される。各測点の断面形状の表示の近傍には、道路の中心線232と左右の側線230、234の地盤高(図中では「G.H.」と表記)がそれぞれ表示される。数値236は道路の中心線232から道路の左側の側線230までの道幅をm単位で示している。数値238は道路の中心線232から道路の右側の側線234までの道幅をm単位で示している。数値240は道路の中心線232と道路の左側の側線230の間における道路の横断方向の勾配を示している。数値242は道路の中心線232と道路の右側の側線234の間における道路の横断方向の勾配を示している。横断図206では、各測点における道路の中心線232の紙面左右方向の位置が、道路図面200の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされて表示される。横断図206における各測点の断面形状の表示における紙面左右方向の縮尺は、隣接する他の測点の断面形状の表示と重なり合うことがないように、適切な縮尺に調整されている。
【0032】
本実施例の道路図面作成装置10が出力する道路図面200においては、各測点の紙面左右方向の位置を位置合わせした状態で、平面図202と、縦断図204と、横断図206が、一枚の図面上に並べて表示されている。このような道路図面200の場合、道路図面200を取り扱う者は、視線をわずかに上下させるだけで、平面図と縦断図と横断図を交互に見比べることができる。また、平面図と縦断図と横断図が、各測点の位置を位置合わせして並べられているので、各図の対応関係を瞬時に把握することができる。道路図面作成装置10が作成した道路図面200を用いることで、道路の全体像を容易に把握することが可能となる。
【実施例2】
【0033】
本実施例の道路図面作成装置10は、実施例1の道路図面作成装置10と同様の構成を備えているが、表示装置20や印刷装置22に出力する道路図面の様相のみが異なる。
【0034】
図3は本実施例の道路図面作成装置10が表示装置20や印刷装置22に出力する道路図面300を例示している。道路図面300では、実施例1の道路図面200と同様に、一枚の図面の中に、平面図302と、縦断図304と、横断図306が紙面上下方向に並べて表示される。道路図面300の最下部には、測点の名称と、測量を開始した測点からの道路の伸びる方向に沿ったその測点までの距離(追加距離)が表示されており、それらの紙面上方に平面図302が表示される。平面図302の紙面上方に縦断図304が表示され、縦断図304の紙面上方に横断図306が表示される。道路図面300において、平面図302、縦断図304および横断図306が表示する内容は、実施例1の道路図面200において平面図202、縦断図204および横断図206が表示する内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0035】
道路図面300では、さらに横断図306の紙面上方に、立体図308が表示される。立体図308では、各測点ごとの道路の横断形状を表示するフレーム310が表示される。フレーム310には、対応する測点における、道路の左側の側線312から中心線314を経て右側の側線316に至る道路の断面形状が、斜視図として表示される。フレーム310に表示される断面形状は、横断図306において対応する測点に関して表示される断面形状と同一であるが、斜視図として表示されている点で、横断図306における表示とは異なる。各測点についてのフレーム310は、そこに表示される断面形状における道路の中心線314の紙面左右方向の位置が、道路図面300の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされて表示される。
【0036】
立体図308はさらに、各測点についてのフレーム310の間で、道路の中心線318と、道路の左側の側線320と、道路の右側の側線322が、それぞれ直線で表現される。道路図面300を取り扱う者は、この立体図308を見ることによって、道路が伸びる方向に沿って、道路の横断形状がどのように変化しているのかを、容易に認識することができる。
【0037】
本実施例の道路図面作成装置10が出力する道路図面300においては、各測点の紙面左右方向の位置を位置合わせした状態で、平面図302と、縦断図304と、横断図306と、立体図308が、一枚の図面上に並べて表示される。このような道路図面300の場合、道路図面300を取り扱う者は、視線をわずかに上下させるだけで、平面図と縦断図と横断図と立体図を交互に見比べることができる。また、平面図と縦断図と横断図と立体図が、各測点の位置を位置合わせして並べられているので、各図の対応関係を瞬時に把握することができる。道路図面作成装置10が作成した道路図面300を用いることで、道路の全体像を容易に把握することが可能となる。
【実施例3】
【0038】
本実施例の道路図面作成装置10は、実施例1および実施例2の道路図面作成装置10と同様の構成を備えているが、表示装置20や印刷装置22に出力する道路図面の様相のみが異なる。
【0039】
図4は本実施例の道路図面作成装置10が表示装置20や印刷装置22に出力する道路図面400を例示している。道路図面400では、実施例1の道路図面200や、実施例2の道路図面300と同様に、一枚の図面の中に、平面図402と、縦断図404と、横断図406が紙面上下方向に並べて表示される。道路図面400の最下部には、測点の名称と、測量を開始した測点からの道路の伸びる方向に沿ったその測点までの距離(追加距離)が表示されており、それらの紙面上方に平面図402が表示される。平面図402の紙面上方に縦断図404が表示され、縦断図404の紙面上方に横断図406が表示される。道路図面400において、平面図402および横断図406が表示する内容は、実施例1の道路図面200において平面図202および横断図206が表示する内容や、実施例2の道路図面300において平面図302および横断図306が表示する内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0040】
道路図面400の縦断図404では、道路の中心線408と、道路の左側の側線410と、道路の右側の側線412の高さ方向の位置関係が表示される。道路図面400の左側の目盛414は、縦断図404の中心線408、左側の側線410および右側の側線412の地盤高に対応している。縦断図404ではさらに、各測点ごとの道路の横断形状を表示するフレーム416が表示される。フレーム416には、対応する測点における、道路の左側の側線410から中心線408を経て右側の側線412に至る道路の断面形状が、斜視図として表示される。フレーム416に表示される断面形状は、横断図406において対応する測点に関して表示される断面形状と同一であるが、斜視図として表示されている点で、横断図406における表示とは異なる。各測点についてのフレーム416は、そこに表示される断面形状における道路の中心線408の紙面左右方向の位置が、道路図面400の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされて表示される。
【0041】
なお道路図面400の縦断図404においては、道路の中心線408に関しては、測点の紙面左右方向の位置が、道路図面400の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされているが、道路の左側の側線410と道路の右側の側線412に関しては、測点の紙面左右方向の位置が、道路図面400の最下部に表示された測点名の紙面左右方向の位置と一致するように位置合わせされていない。これは、縦断図404においては、道路の左側の側線410と道路の右側の側線412が、フレーム416に斜視図として表示される道路の断面形状に対して位置合わせされて表示されるためである。
【0042】
道路図面404を取り扱う者は、この縦断図404を見ることによって、道路が伸びる方向に沿って、道路の横断形状がどのように変化しているのかを、道路の高さ方向の変化と合わせて、容易に認識することができる。
【0043】
本実施例の道路図面作成装置10が出力する道路図面400においては、各測点の紙面左右方向の位置を位置合わせした状態で、平面図402と、縦断図404と、横断図406が、一枚の図面上に表示される。このような道路図面400の場合、道路図面400を取り扱う者は、視線をわずかに上下させるだけで、平面図と縦断図と横断図を交互に見比べることができる。また、平面図と縦断図と横断図が、各測点の位置を位置合わせして並べられているので、各図の対応関係を瞬時に把握することができる。道路図面作成装置10が作成した道路図面400を用いることで、道路の全体像を容易に把握することが可能となる。
【0044】
なお上記した各実施例においては、道路の現況を示す道路図面を作成する場合について説明したが、同様の手法を用いて、道路の補修計画を示す道路図面を作成することもできる。このような構成とした場合、補修工事を行った後の道路の様相を容易に把握することが可能な道路図面を作成することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は道路図面作成装置10の構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は道路図面作成装置10が出力する道路図面200を例示する図である。
【図3】図3は道路図面作成装置10が出力する道路図面300を例示する図である。
【図4】図4は道路図面作成装置10が出力する道路図面400を例示する図である。
【図5】図5は従来用いられている道路図面の平面図500を例示する図である。
【図6】図6は従来用いられている道路図面の縦断図600を例示する図である。
【図7】図7は従来用いられている道路図面の横断図700を例示する図である。
【図8】図8は記憶手段16に記憶されるデータの構成を例示する図である。
【符号の説明】
【0047】
10 道路図面作成装置
12 入力装置
14 入力データ処理装置
16 記憶装置
18 出力データ処理装置
20 表示装置
22 印刷装置
200 道路図面
202 平面図
204 縦断図
206 横断図
208 道路の中心線
210 道路の左側の側線
212 道路の右側の側線
214 数値
216 数値
218 数値
220 道路の中心線
222 道路の左側の側線
224 道路の右側の側線
226 目盛
230 道路の左側の側線
232 道路の中心線
234 道路の右側の側線
236 数値
238 数値
240 数値
242 数値
300 道路図面
302 平面図
304 縦断図
306 横断図
308 立体図
310 フレーム
312 道路の左側の側線
314 道路の中心線
316 道路の右側の側線
318 道路の中心線
320 道路の左側の側線
322 道路の右側の側線
400 道路図面
402 平面図
404 縦断図
404 道路図面
406 横断図
408 道路の中心線
410 道路の左側の側線
412 道路の右側の側線
414 目盛
416 フレーム
500 平面図
502 道路の中心線
504 道路の左側の側線
506 道路の右側の側線
508 数値
510 数値
512 数値
514 数値
516 数値
600 縦断図
602 道路の中心線
604 道路の左側の側線
606 道路の右側の側線
608 数値
610 目盛
700 横断図
702 道路の左側の側線
704 道路の中心線
706 道路の右側の側線
708 数値
710 数値
712 数値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路図面を作成する装置であって、
道路の伸びる方向に沿って道路に順に配置された基準点ごとの、道路の道幅と、道路の中心線の高さと、道路の横断形状を記述するデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を含む道路図面を出力する出力手段を備えており、
前記出力手段が、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示した道路図面を出力することを特徴とする道路図面作成装置。
【請求項2】
前記出力手段が、道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものを重ねて表示した道路図面を出力することを特徴とする請求項1の道路図面作成装置。
【請求項3】
道路図面を作成する方法であって、
記憶手段によって、道路の伸びる方向に沿って道路に順に配置された基準点ごとの、道路の道幅と、道路の中心線の高さと、道路の横断形状を記述するデータを記憶する記憶工程と、
出力手段によって、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を含む道路図面を出力する出力工程を備えており、
前記出力工程において、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図を、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示した道路図面を出力することを特徴とする道路図面作成方法。
【請求項4】
前記出力工程において、道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものを重ねて表示した道路図面を出力することを特徴とする請求項3の道路図面作成方法。
【請求項5】
道路図面であって、同一の道路図面内に、道路の平面図と、道路の縦断図と、道路の横断図が、道路の伸びる方向に沿った位置を互いに位置合わせした状態で並べて表示されていることを特徴とする道路図面。
【請求項6】
前記道路の縦断図に道路の横断形状を斜視図で表現したものが重ねて表示されていることを特徴とする、請求項5の道路図面。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−97297(P2009−97297A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272349(P2007−272349)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(599137828)株式会社 サンウェイ (15)
【Fターム(参考)】