説明

遠隔会話システム、遠隔会話装置および遠隔会話方法

【課題】 状況に応じて適切な画像表示を行う遠隔会話システムを提供すること。
【解決手段】 担当者端末110と相談者端末130を含み、担当者端末110は、動画像および/または静止画像を画面に表示させる画像表示部と、画像表示部が画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、画像表示部が相談者端末130の画面には担当者端末110を使用している担当者の顔画像ではない画像を表示し、担当者端末110の画面には相談者端末130を使用している相談者の顔画像を表示するとともに担当者端末110の画面に表示している画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換部と、を含むことを特徴とする、遠隔会話システム100が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔会話システム、遠隔会話装置および遠隔会話方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地に設置されているパーソナルコンピュータ等の情報端末同士をネットワークで接続し、情報端末にカメラやマイクを接続することにより、動画像および音声によって会話を行う遠隔会話システムがある。このような遠隔会話システムは、テレビ電話システムやインターネットを利用したテレビ会議システム、ビデオチャットシステムなどの形で、直接対面することができない人同士のコミュニケーション手段として広く利用されている。
【0003】
このような遠隔会話システムを利用したものとして、例えば特許文献1に示すような相談システムがある。特許文献1に示す相談システムは、銀行などの金融機関のコンサルタントと、遠隔地にいる金融機関の顧客との間での相談を実現するものであり、お互いの画像や音声とともに資料を双方の端末の画面上に表示して会話を行うことで、顧客が遠隔地にいる場合にであっても、円滑に相談を実施することが可能となるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2003−264636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示した方法では、端末の画面上に常にお互いの顔画像が表示され、表示される顔画像の位置や大きさは固定されている。このため、相談の最初や最後に挨拶を行う場合には顔画像が小さすぎてお互いの顔が認識しづらい言う問題がある。また、会話時に一方から資料を提示する必要がある場合には、資料を提示されて説明を受けている側にとっては顔画像の必要性は低くなるが、資料を提示されて説明を受けている側の画面には常に相手の顔画像も表示されているため、資料に集中出来ずに気が散ってしまうという問題があった。
【0006】
ネットワークを使用した遠隔会話システムとはいえども、基本的には人と人とのコミュニケーションを行うものであり、円滑にコミュニケーションを図るためには、それぞれの状況に応じてお互いの画面を表示することが求められる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、一方の画面には相手側の画像を表示し続けるが、他方の画面には、一方の端末を操作することで、表示する画像を切り替えて表示することが可能な、新規かつ改良された遠隔会話システム、遠隔会話装置および遠隔会話方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の端末間でネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話システムであって、第1の端末と第2の端末を含み、第1の端末は、動画像および/または静止画像を第1の端末の画面に表示させる画像表示部と、画像表示部が画面上にお互いの顔画像を表示して、通信を行う第1のモードと、画像表示部が第2の端末の画面には第1の端末を使用している第1の使用者の顔画像とは別の画像を表示して、第1の端末の画面には第2の端末を使用している第2の使用者の顔画像を表示するとともに第1の端末の画面に表示している画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換部と、を含むことを特徴とする、遠隔会話システムが提供される。
【0009】
かかる構成によれば、遠隔会話システムは第1の端末と第2の端末とを含み、該第1の端末は、画像表示部とモード切換部とを含み、画像表示部は動画像および/または静止画像を第1の端末の画面に表示させ、モード切換部はお互いの顔画像を表示する第1のモードと、画像表示部が第2の端末の画面には第1の端末を使用している第1の使用者の顔画像とは別の画像を表示して、第1の端末の画面には第2の端末を使用している第2の使用者の顔画像を表示するとともに第1の端末の画面に表示している画像を表示する第2のモードとの切換を行う。その結果、一方の画面には相手側の画像を表示し続けるが、他方の画面には、一方の端末を操作することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【0010】
モード切換部による第1のモードと第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて第1の端末の画面上の顔画像を選択することによって行われてもよい。かかる構成によれば、モード切換部は第1の端末の操作者がポインティングデバイスを用いて第1の端末の画面上の顔画像を選択したことを条件に、第1のモードと第2のモードとの切り換えを行う。その結果、他方の画面には、画面に表示されている顔画像を選択することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話装置であって、動画像および/または静止画像を画面に表示させる画像表示部と、画像表示部が、画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、画像表示部が相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、遠隔会話装置の画面には相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換部と、を含むことを特徴とする、遠隔会話装置が提供される。
【0012】
かかる構成によれば、画像表示部は動画像および静止画像を第1の端末の画面に表示させ、モード切換部はお互いの顔画像を表示する第1のモードと、画像表示部が相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、遠隔会話装置の画面には相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している画像を表示する第2のモードとの切換を行う。その結果、一方の画面には相手側の画像を表示し続けるが、他方の画面には、一方の端末を操作することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【0013】
モード切換部による第1のモードと第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて画面上の顔画像を選択することによって行われてもよい。かかる構成によれば、モード切換部は遠隔会話装置の操作者がポインティングデバイスを用いて遠隔会話装置の画面上の顔画像を選択したことを条件に、第1のモードと第2のモードとの切り換えを行う。その結果、他方の画面には、画面に表示されている顔画像を選択することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の端末間でネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話方法であって、動画像および/または静止画像を画面に表示させる画像表示ステップと、画像表示ステップが、画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、画像表示ステップが相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、遠隔会話装置の画面には相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している前記画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換ステップと、を含むことを特徴とする、遠隔会話方法が提供される。
【0015】
かかる方法によれば、画像表示ステップは動画像および静止画像を第1の端末の画面に表示させ、モード切換ステップはお互いの顔画像を表示する第1のモードと、画像表示ステップが相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、遠隔会話装置の画面には相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している画像を表示する第2のモードとの切換を行う。その結果、一方の画面には相手側の画像を表示し続けるが、他方の画面には、一方の端末を操作することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【0016】
モード切換ステップによる第1のモードと第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて第1の端末の画面上の顔画像を選択することによって行われてもよい。かかる方法によれば、モード切換部は遠隔会話装置の操作者がポインティングデバイスを用いて遠隔会話装置の画面上の顔画像を選択したことを条件に、第1のモードと第2のモードとの切り換えを行う。その結果、他方の画面には、画面に表示されている顔画像を選択することで、表示する画像を切り替えて表示することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、一方の端末の画面には相手側の画像を表示し続けるが、他方の端末の画面には、一方の端末を操作することで表示する画像を切り替えて表示することが可能な、新規かつ改良された遠隔会話システム、遠隔会話装置および遠隔会話方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
本発明の一実施形態にかかる相談システムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる相談システムの構成について説明する説明図である。以下、図1を用いて、本発明の一実施形態にかかる相談システムの構成について説明する。
【0020】
相談システム100は、本発明の遠隔会話システムの一例であり、金融機関に対して預貯金等の相談を受けたい相談者が、遠隔地にいる金融機関の担当者に対して相談を行うためのものである。相談システム100は、担当者端末110と、相談者端末130と、システムサーバ140と、を含んで構成される。担当者端末110と、相談者端末130と、システムサーバ140とはネットワーク150を介して接続されている。ここで、ネットワーク150としては、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable TV)インターネット、専用線などの常時接続による通信サービスを用いるのが好ましい。
【0021】
担当者端末110は、本発明の第1の端末の一例であり、金融機関の担当者が使用する端末である。担当者端末110は、例えばネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータや、相談システム専用の装置であってもよい。担当者端末110は、担当者がネットワーク150を介して顧客から相談を受ける際に使用するものである。担当者端末110には、マイク117、カメラ118およびモニタ119が接続されている。
【0022】
相談者端末130は、本発明の第2の端末の一例であり、相談を受ける相談者が使用する端末である。相談者端末130は、例えばネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータや、相談システム専用の装置であってもよい。相談者端末130は、相談者がネットワーク150を介して相談を行う際に使用するものである。相談者端末130には、担当者端末110と同様に、マイク137、カメラ138およびモニタ139が接続されている。
【0023】
システムサーバ140は、本実施形態にかかる相談システムを動作させるためのコンピュータプログラムの保持、顧客情報や相談業務に使用する資料の保管、端末間の接続の制御、各端末に接続されたモニタへの情報の表示の制御などを行う。なお、本実施形態においては、システムサーバ140を用意して上記コンピュータプログラムの保持や各種情報の保管を行っているが、本発明ではこれに限られず、当該コンピュータプログラムや各種情報をそれぞれの端末に保持するようにして、サーバを使用しない構成にしてもよい。
【0024】
以上、図1を用いて本発明の一実施形態にかかる相談システムの構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる担当者端末の構成について説明する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態にかかる担当者端末の構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる担当者端末の構成について説明する。
【0026】
図2に示したように、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、ストレージ装置114と、外部I/F115と、通信部116と、を含んで構成される。
【0027】
CPU111は、担当者端末110の各部の制御を行うためのものであり、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムを起動・実行することにより、プログラムに従って動作し、担当者端末110内の各部を制御する。
【0028】
ROM112は、CPU111が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM113は、CPU111が各種プログラムを実行するにあたって使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等のデータを一次記憶する。
【0029】
ストレージ装置114はデータ格納用の装置であり、例えば,HDD(Hard Disk Drive)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などで構成される。ストレージ装置114は、例えばCPU111が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0030】
外部I/F115は、担当者端末110と接続する外部機器とのインタフェースを行うものである。担当者端末110には、例えばマイク117、カメラ118、モニタ119などを接続することができる。これらの機器を接続することで、音声や動画の入力を行ったり、画面の出力を行ったりすることができる。
【0031】
通信部116は、例えば、ネットワーク150に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。より具体的には、通信部116は、例えば、10Base−T等の通信コネクタ等を例示することができる。この通信部116は、相談者端末130やシステムサーバ140との間で、各種データを送受信する。
【0032】
以上、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる担当者端末の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる担当者端末に含まれるCPUの構成について説明する。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110に含まれるCPU111の構成について説明する説明図である。以下、図3を用いて本発明の一実施形態にかかる担当者端末110に含まれるCPU111の構成について説明する。
【0034】
図3に示したように、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110に含まれるCPU111は、モード切換部121と、画像表示部122と、を含んで構成される。
【0035】
モード切換部121は、本発明の一実施形態にかかる相談システムを用いた相談方法において、相談時のモードの切換を行うものである。本実施形態においては、相談時のモードとしては会話モードと説明モードがある。会話モードは本発明の第1のモードの一例であり、お互いの顔画像をそれぞれ相手のモニタ上に表示させるモードである。説明モードは本発明の第2のモードの一例であり、担当者端末110のモニタ119には、相談者への説明に用いる資料の画像および相談者の顔画像を表示させ、相談者端末130のモニタ139には、担当者が提示した資料のみを表示させるモードである。つまり、会話モードと説明モードとを切り換えることで、相談者端末130のモニタ139には、相談を受ける際に適切な画像が表示されることとなる。
【0036】
画像表示部122は、担当者端末110のモニタ119および相談者端末130のモニタ139に対して、モードに応じた画面表示を行うものである。モニタ119、139に表示する際には、画像表示部122において、表示する画像の位置や大きさを、そのときのモードに合わせて変化させる。本実施形態においては、会話モードと説明モードの2種類のモードを用意してあるため、画像表示部122はそれぞれのモードに合わせた適切な画面表示を行う。モードに応じた画面表示については後に詳述する。
【0037】
以上、本発明の一実施形態にかかる担当者端末110に含まれるCPU111の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる相談システムを用いた相談方法について説明する。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態にかかる相談システムを用いた相談方法について説明する流れ図である。以下、図4を用いて本発明の一実施形態にかかる相談システムを用いた相談方法について説明する。
【0039】
まず、相談を行うために相談システムへの接続を開始する(ステップS110)。相談システムへの接続は、相談を行う相談者から相談者端末130を操作することによって行うことができる。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態にかかる相談システムの初期画面表示の一例を示す説明図である。図5に示した例においては、相談者画面200と担当者画面300で同一の画面を表示する。相談者画面200には、相談ボタン202、切断ボタン204および主画像領域210が含まれている。同様に、担当者画面300には相談ボタン302、切断ボタン304および主画像領域310が含まれている。相談ボタン202、302は相談を開始する際に使用し、切断ボタン204、304は相談を終了する際に使用する。主画像領域210、310は、相談時において適切な画像を表示する領域である。図5においては、初期画面であるため初期画面に相応しい画像を主画像領域210、310に表示することが望ましい。
【0041】
なお、図5に示した相談システムの初期画面には示していないが、相談システムに接続する際には、相談者の顧客IDやパスワードを入力するようにしてもよい。相談者の顧客IDやパスワードを入力することで、より安全に相談システムを使用することができる。
【0042】
本実施形態にかかる相談システムを用いて相談を開始する際に、例えば各端末に接続されたマウスのようなポインティングデバイスを用いて相談ボタン202、302にカーソルを合わせてクリックしたり、各モニタがタッチパネル式であった場合には画面上のボタンに指やペン先等で触れたりすることで、担当者端末110と相談者端末130とがネットワークで接続され、相談が開始される。本実施形態にかかる相談システムは、相談者の側から相談を開始することを想定しているため、相談者が相談者画面200の相談ボタン202をクリックするか相談ボタン202に触れることによって、相談が開始される。相談が開始されると、相談システムは会話モードとなる。会話モードは本発明の第1のモードの一例であり、お互いの端末のモニタ上に相手の顔画像が表示されて、お互いが会話を行うモードである。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態にかかる相談システムの会話モード時の画面の一例を示す説明図である。図6に示した会話モード時の画面の例においては、相談者画面200と担当者画面300で一部異なる画面を表示する。相談者画面200には図5の初期画面表示と同様に、相談ボタン202、切断ボタン204および主画像領域210が含まれている。一方、担当者画面300には、相談ボタン302、切断ボタン304、主画像領域310に加え、第1副画像領域320が含まれている。
【0044】
相談者画面200の主画像領域210には、担当者端末110に接続されたカメラ118で撮影された担当者の画像が表示される。また、担当者画面300の主画像領域310には、相談者端末130に接続されたカメラ138で撮影された相談者の画像が表示される。そして、担当者画面300の第1副画像領域320には、担当者端末110に接続されたカメラ118で撮影された担当者の画像が表示される。担当者画面300に第1副画像領域320を設けることで、担当者は自分がどう写っているかを把握することが可能になり、写り具合を確認することで自らの体裁を整えることができる。
【0045】
相談の開始後しばらくは、お互いの顔を見ながらの相談が行われる。相談が進むと、相談内容に応じて担当者が資料を相談者に提示する必要が生じる場合がある。そのため、担当者は、担当者端末110を操作して、資料を相談者に向けて提示する。
【0046】
すると、担当者画面300の主画像領域310には資料画像が表示され、連動して相談者画面200の主画像領域210にも同じ資料画像が表示される。このとき、担当者画面300では、それまで主画像領域310に表示されていた相談者の画像は副画像領域に表示され、担当者は引き続き相談者の様子を確認することが可能となる。一方、相談者画面200では副画像領域は存在せず、主画像領域が資料画像に切り替わると、担当者の画像は表示されていない状態となる。
【0047】
このように、担当者画面300には、相談者画面に表示する内容と同一内容を表示する主画像領域と、相談者場面には表示しない情報を表示する副画像領域とが備わっており、相談者画面200には担当者画面300の主画像領域と同一の内容を表示する主画像領域が備わっている。そして、モードの切り替えに応じて、相談者画面200では担当者の画像か資料画像かのいずれか一方のみを確認可能なように構成され、担当者画面300では相談者の画像を常に確認可能なように構成される。
【0048】
従来においては、資料と担当者の顔画像が同時に相談者端末のモニタに表示されていたため、相談者は担当者からの説明に集中できないという問題があった。また、顔画像のように常に動きのある画像も常時表示されるため、情報量の多い画像データがネットワーク上に流れ、ネットワークに負担がかかるとともにコストもかかるという問題もあった。本発明の一実施形態に係る相談システムにおいては、状況に応じて資料画像と顔画像を切り替えることができるため、それによって相談者は担当者からの説明に集中することが可能となり、また情報量の多い画像データのネットワークへの通信量を抑えることができるため、ネットワーク面やコスト面の負担を抑えることができる。
【0049】
相談が開始されて担当者と相談者との間でネットワークを介しての動画像や音声による会話が行われている間、モード切換部121が、担当者画面300の主画像領域310がクリックされたかどうかを判断する(ステップS120)。なお、本実施形態においては判断の基準を主画像領域のクリックとしているが、本発明はこれに限られず、判断の基準は担当者端末のモニタ上の主画像領域に対応する箇所を指またはペン等でタッチしたかどうかであってもよい。または、担当者画面300に会話モードと説明モードの切り替え指示を行うためのボタンを設けてもよい。または、担当者画面300に説明モードで使用するための資料画像をあらかじめ縮小表示しておき、当該縮小表示された資料画像をクリック等することによって主画像領域310に資料画像を表示するようにしてもよい。
【0050】
ステップS120において、担当者画面300の主画像領域310がクリックされているとモード切換部121が判断した場合には、続いて現在のモードが会話モードであるかどうかの判断を行う(ステップS130)。そして、現在のモードが会話モードであった場合には、会話モードから説明モードに移行する(ステップS140)。説明モードは、本発明の第2のモードの一例であり、相談者端末のモニタには担当者が提示した資料の画像のみを表示し、担当者端末のモニタには、資料の画像の他に相談者の顔画像を表示するモードである。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態にかかる相談システムの説明モード時の画面の一例を示す説明図である。図7に示した説明モード時の画面の例においても、図6に示した会話モード時の画面の例と同じく、相談者画面200と担当者画面300で一部異なる画面を表示する。しかし、説明モードにおいては担当者画面300で表示する画像が会話モード時とは異なっている。
【0052】
相談者画面200には図5の初期画面表示や図6の会話モード時の画面表示と同様に、相談ボタン202、切断ボタン204および主画像領域210が含まれている。一方、担当者画面300には、図6の会話モード時の画面表示で表示した相談ボタン302、切断ボタン304、主画像領域310、第1副画像領域320に加え、第2副画像領域330が含まれている。
【0053】
相談者画面200の主画像領域210には、担当者が提示した資料の画像が表示される。担当者が提示した資料の画像は、例えば担当者端末110のストレージ装置114やシステムサーバ140に保管されており、必要に応じて適切な資料の画像を読み出すことができる。このように、本発明の一実施形態にかかる相談システムは、相談者画面200に担当者が提示した資料のみを表示させることで、相談者は担当者からの説明に集中することができる効果を有する。
【0054】
また、担当者画面300の主画像領域310にも、現在担当者が相談者に対して提示している資料の画像が表示される。そして、担当者画面300の第1副画像領域320には、会話モード同様に担当者端末110に接続されたカメラ118で撮影された担当者の画像が表示されており、担当者画面300の第2副画像領域330には、相談者端末130に接続されたカメラ138で撮影された相談者の画像が表示されている。担当者画面300に第2副画像領域330を設けることで、担当者は資料を説明しながら相談者の反応を確認することが可能となる。
【0055】
担当者と相談者が相談を行い、相談が終了したかどうかを判断し(ステップS160)、相談が終了していなければ上記ステップS120に戻って、モードの変更を行うために担当者が相談者の顔画像をクリックしたかどうかを判断する。本実施形態においては、説明モードにおいては担当者画面300の第2副画像領域330に相談者の顔画像が表示されているため、第2副画像領域330をクリックしたかどうかで担当者が相談者の顔画像をクリックしたかどうかの判断を行う。なお、接続開始後のステップS120における判断で、担当者が相談者の顔画像をクリックしていない場合にも、ステップS160に移行して相談が終了したかどうかの判断を行う。
【0056】
説明モードにおいて担当者が相談者の顔画像をクリックすると、ステップS130において会話モードではないので、ステップS150に分岐して、説明モードから会話モードに移行する(ステップS150)。そして、ステップS160に進んで相談が終了したかどうかを判断する。相談が終了していなければまたステップS120に戻って、担当者が相談者の顔画像をクリックしたかどうかを判断する。
【0057】
このように、会話モードと説明モードを繰り返すことによって、担当者は適切に相談者に対してアドバイスを行うことができ、相談者は担当者からの相談に集中することができ、また親しみやすく相談を行うことができる。
【0058】
そしてステップS160において相談が終了したと判断した場合には、担当者または相談者が、相談を終了するために切断ボタンをクリックする。相談者から相談を終了する場合には、相談者画面200の切断ボタン204をクリックし、担当者から相談を終了する場合には担当者画面300の切断ボタン304をクリックする。
【0059】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る相談システムと、その相談システムを用いた相談方法によれば、相談者の端末の画面に表示する顔画像を、状況に応じて表示したり非表示にしたりすることで、相談者は担当者の提示した資料の説明に集中することができ、担当者も相談者の反応を見ながら資料や説明方法を選択することができるので、相談業務において相談者と担当者の双方において効率的な相談業務を提供することができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば、上記実施形態では端末に接続されたマウスのクリックによって相談システムの接続や切断を行ったが、本発明はこれに限られず、例えば遠隔会話システムを使用するためのセットトップボックスを用いて、セットトップボックスに付属するリモコンのボタンを操作することによって遠隔会話システムの接続、切断が行われてもよい。
【0062】
例えば、上記実施形態では、金融機関の担当者と相談を受ける顧客との間で相談業務を行う相談システムを遠隔会話システムの一例に挙げて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、学校や予備校などにおける、教師と生徒との間の質問システムに本発明にかかる遠隔会話システムを使用してもよい。教師と生徒間の質問システムに本発明にかかる遠隔会話システムを使用することで、生徒は教師からの教材を使用した説明に集中することができ、教師も生徒の反応を見ながら説明を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態にかかる相談システムの構成について説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる担当者端末の構成について説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる担当者端末のCPUの構成について説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる相談方法について説明する流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる相談システムの初期画面表示の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる相談システムの会話モード時の画面の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる相談システムの説明モード時の画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
100 相談システム
110 担当者端末
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 ストレージ装置
115 外部I/F
116 通信部
117、137 マイク
118、138 カメラ
119、139 モニタ
121 モード切換部
122 画像表示部
130 相談者端末
140 システムサーバ
150 ネットワーク
200 相談者画面
202、302 相談ボタン
204、304 切断ボタン
210、310 主画像領域
300 担当者画面
320 第1副画像領域
330 第2副画像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末間でネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話システムであって:
第1の端末と第2の端末を含み、
前記第1の端末は、
動画像および/または静止画像を前記第1の端末の画面に表示させる画像表示部と;
前記画像表示部が、画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、前記画像表示部が、第2の端末の画面には前記第1の端末を使用している第1の使用者の顔画像ではない画像を表示し、前記第1の端末の画面には前記第2の端末を使用している第2の使用者の顔画像を表示するとともに前記第1の端末の画面に表示している前記画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換部と;
を含むことを特徴とする、遠隔会話システム。
【請求項2】
前記モード切換部による前記第1のモードと前記第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて前記第1の端末の画面に表示された顔画像を選択することによって行われることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔会話システム。
【請求項3】
ネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話装置であって:
動画像および/または静止画像を画面に表示させる画像表示部と;
前記画像表示部が、画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、前記画像表示部が、相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、前記遠隔会話装置の画面には前記相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している前記画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換部と;
を含むことを特徴とする、遠隔会話装置。
【請求項4】
前記モード切換部による前記第1のモードと前記第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて画面上の顔画像を選択することによって行われることを特徴とする、請求項3に記載の遠隔会話装置。
【請求項5】
複数の端末間でネットワークを介して動画像及び音声による通信を行う遠隔会話方法であって:
動画像および/または静止画像を画面に表示させる画像表示ステップと;
前記画像表示ステップが、画面上にお互いの顔画像を表示して通信を行う第1のモードと、前記画像表示ステップが相手の端末の画面には遠隔会話装置を使用している使用者の顔画像ではない画像を表示し、前記遠隔会話装置の画面には前記相手の端末を使用している相手の顔画像を表示するとともに遠隔会話装置の画面に表示している前記画像を表示する第2のモードとを切り換えるモード切換ステップと;
を含むことを特徴とする、遠隔会話方法。
【請求項6】
前記モード切換ステップによる前記第1のモードと前記第2のモードとの切り換えは、ポインティングデバイスを用いて前記第1の端末の画面上の顔画像を選択することによって行われることを特徴とする、請求項5に記載の遠隔会話方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−85493(P2008−85493A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261284(P2006−261284)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】