説明

遠隔制御システムおよび遠隔制御方法

【課題】判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合に、制御の契機の特定に対する判断を定量的に且つ適切に行うことができる遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】遠隔制御システム1では、位置情報P、速度情報V、基地局情報B、および電界強度情報Eを用いて、各パラメータに対する条件が全て満たされた場合に、遠隔に位置する移動局100に対して所定の制御を行う。すなわち、遠隔に位置する移動局100に対する判断を、人間の感覚や経験に依存することなく、4つのパラメータを用いて定量的に行うことができる。また、位置情報Pおよび速度情報Vのみならず、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを更に用いるため、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な判断を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔制御システムおよび遠隔制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「移動している装置」に対し遠隔地から所定の制御を行う際、制御の契機の特定は、従来、移動する環境下の人間による目標対象物の目視や、経験則などによる状態判定で行ってきた。このため、当該人間による判定度合いの“ばらつき”が発生し、条件の均一化に対する懸念が生じていた。
【0003】
これらの懸念に対する対応策の一つとして、特許文献1には、制御の契機の特定に対する判断を位置情報および速度情報を用いて定量的に行うシステムについて開示されている。
【特許文献1】特開2005−055987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今、携帯電話機等の無線通信端末の利用が増大しており、上記移動している装置として携帯電話機等の無線通信端末が利用されることも考えられる。しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは判定条件として位置情報および速度情報のみを用いているため、移動している装置として携帯電話機等の無線通信端末を考慮した場合に特許文献1に記載の技術を適用しても、無線通信端末ならではの適切な判定を行うことは難しい。
【0005】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、装置が無線通信端末である場合においても、制御の契機の特定に対する判断を定量的に且つ適切に行うことが可能な遠隔制御システムおよび遠隔制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の遠隔制御システムは、遠隔に位置する無線通信端末に対して所定の制御を行う遠隔制御システムであって、前記無線通信端末の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記無線通信端末の速度を表す速度情報を取得する速度情報取得手段と、前記無線通信端末が捕捉している無線基地局の数を表す基地局数情報を取得する基地局数情報取得手段と、前記無線通信端末と前記無線基地局との間における電界強度を表す電界強度情報を取得する電界強度情報取得手段と、所定のエリアに対する位置情報、前記エリアに関連付けられた速度に対する閾値である速度閾値、前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する閾値である基地局数閾値、および前記エリアに関連付けられた電界強度に対する閾値である電界強度閾値を予め登録し格納する格納手段と、前記位置情報取得手段が取得した位置情報と前記格納手段に格納された位置情報とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリア内に入っているか否かを判断する位置判断手段と、前記速度情報取得手段が取得した速度情報と前記格納手段に格納された速度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件を満たしているか否かを判断する速度判断手段と、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報と前記格納手段に格納された基地局数閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する条件を満たしているか否かを判断する基地局数判断手段と、前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報と前記格納手段に格納された電界強度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた電界強度に対する条件を満たしているか否かを判断する電界強度判断手段と、前記位置判断手段、前記速度判断手段、前記基地局数判断手段、および前記電界強度判断手段によるそれぞれの判断の結果、前記無線通信端末が前記エリア内に入っていると判断され、且つ前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件、無線基地局の数に対する条件、および電界強度に対する条件を満たしていると判断された場合に、所定の制御を実行する制御実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の遠隔制御方法は、遠隔に位置する無線通信端末に対して所定の制御を行う遠隔制御システムよる遠隔制御方法であって、位置情報取得手段が、前記無線通信端末の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、速度情報取得手段が、前記無線通信端末の速度を表す速度情報を取得する速度情報取得ステップと、基地局数情報取得手段が、前記無線通信端末が捕捉している無線基地局の数を表す基地局数情報を取得する基地局数情報取得ステップと、電界強度情報取得手段が、前記無線通信端末と前記無線基地局との間における電界強度を表す電界強度情報を取得する電界強度情報取得ステップと、格納手段に、予め登録されている所定のエリアに対する位置情報、前記エリアに関連付けられた速度に対する閾値である速度閾値、前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する閾値である基地局数閾値、および前記エリアに関連付けられた電界強度に対する閾値である電界強度閾値が格納されており、位置判断手段が、前記位置情報取得手段が取得した位置情報と前記格納手段に格納された位置情報とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリア内に入っているか否かを判断する位置判断ステップと、速度判断手段が、前記速度情報取得手段が取得した速度情報と前記格納手段に格納された速度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件を満たしているか否かを判断する速度判断ステップと、基地局数判断手段が、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報と前記格納手段に格納された基地局数閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する条件を満たしているか否かを判断する基地局数判断ステップと、電界強度判断手段が、前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報と前記格納手段に格納された電界強度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた電界強度に対する条件を満たしているか否かを判断する電界強度判断ステップと、制御実行手段が、前記位置判断手段、前記速度判断手段、前記基地局数判断手段、および前記電界強度判断手段によるそれぞれの判断の結果、前記無線通信端末が前記エリア内に入っていると判断され、且つ前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件、無線基地局の数に対する条件、および電界強度に対する条件を満たしていると判断された場合に、所定の制御を実行する制御実行ステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような本発明の遠隔制御システムおよび遠隔制御方法によれば、位置情報、速度情報、基地局数情報、および電界強度情報を用いて、各パラメータに対する条件が全て満たされた場合に、遠隔に位置する無線通信端末に対して所定の制御を行う。すなわち、遠隔に位置する無線通信端末に対する判断を、人間の感覚や経験に依存することなく、4つのパラメータを用いて定量的に行うことができる。また、位置情報および速度情報のみならず、基地局数情報および電界強度情報を更に用いるため、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な判断を行うことができる。
【0009】
また、前記位置情報取得手段が前記無線通信端末の位置情報を取得できなかった場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、前記無線通信端末の位置情報を推定する位置推定手段を更に備えることが好ましい。
【0010】
この場合には、位置推定に基地局数情報および電界強度情報を用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な推定処理を行うことができる。
【0011】
また、前記速度情報取得手段が前記無線通信端末の速度情報を取得できなかった場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、前記無線通信端末の速度情報を推定する速度推定手段を更に備えることが好ましい。
【0012】
この場合には、速度推定に基地局数情報および電界強度情報を用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な推定処理を行うことができる。
【0013】
また、前記位置情報取得手段が前記無線通信端末の位置情報を取得できた場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、当該取得した位置情報に対して誤差判定を行う位置誤差判定手段を更に備えることが好ましい。
【0014】
この場合には、位置情報に対して誤差判定を行う際に基地局数情報および電界強度情報を用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な誤差判定処理を行うことができる。
【0015】
また、前記速度情報取得手段が前記無線通信端末の速度情報を取得できた場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、当該取得した速度情報に対して誤差判定を行う速度誤差判定手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
この場合には、速度情報に対して誤差判定を行う際に基地局数情報および電界強度情報を用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な誤差判定処理を行うことができる。
【0017】
また、前記所定の制御は、前記無線通信端末の信号発信処理を開始させる制御であることが好ましい。
【0018】
この発明は、所定の制御が無線通信端末の信号発信処理を開始させる制御である場合に好適である。
【0019】
また、前記所定の制御は、前記無線通信端末の特定の他の端末に対する信号送受信処理を開始させる制御であることが好ましい。
【0020】
この発明は、所定の制御が無線通信端末の特定の他の端末に対する信号送受信処理を開始させる制御である場合に好適である。
【0021】
また、前記所定の制御は、前記無線通信端末の前記信号発信処理または前記信号送受信処理のためのトリガ信号を発信する制御であることが好ましい。
【0022】
この発明は、所定の制御が無線通信端末の信号発信処理または信号送受信処理のためのトリガ信号を発信する制御である場合に好適である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合に、制御の契機の特定に対する判断を定量的に且つ適切に行うことができる遠隔制御システムおよび遠隔制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明にかかる遠隔制御システムおよび遠隔制御方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
(遠隔制御システム1の全体構成)
まず、本発明の実施形態に係る遠隔制御システム1の構成について、図1〜3を参照しながら説明する。図1は遠隔制御システム1の構成概要図であり、図2、3は遠隔制御システム1が動作するシチュエーションの一例を示す図である。図1〜3に示すように、遠隔制御システム1は、主に、移動局100(無線通信端末)および管理サーバ200から構成され、移動局100と管理サーバ200とは無線ネットワーク300により互いに無線通信可能に接続されている。移動局100は図2、3に示す進行方向に移動していることを想定している。移動局100が予め登録されている所定のエリアA内に移動し、且つ予め設定されている速度関連条件、基地局関連条件、電界強度関連条件の各条件を満たした場合に、管理サーバ200は移動局100に対して所定の制御を行う。なお、移動局100の移動は、例えば移動局100のユーザの移動に伴って行われるものとする。
【0026】
(移動局100の構成)
移動局100について詳細に説明する。移動局100は、例えばW-CDMA移動通信方式により無線通信を行う携帯電話機である。図4は、移動局100のハードウェア構成図である。図4に示すように、移動局100は、物理的には、CPU11、主記憶装置であるROM12及びRAM13、操作ボタンなどの入力デバイス14、LCDや有機ELディスプレイなどの出力デバイス15、基地局、管理サーバ200との間でデータの送受信を行う通信モジュール16、メモリディバイス等の補助記憶装置17を備えて構成される。後述する移動局100の各機能は、CPU11、ROM12、RAM13等のハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御の元で入力デバイス14、出力デバイス15、通信モジュール16を動作させると共に、主記憶装置12,13や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0027】
図1〜3に戻り、移動局100は、機能的には、対GPS通信部101、対基地局通信部102、位置情報入力部103、速度情報入力部104、基地局情報入力部105、電界強度計測部106、対管理サーバ通信部107、および処理実行部108を備えて構成される。
【0028】
対GPS通信部101は、GPS衛星との間でデータの送受信を行うためのものであって、物理的には例えば図4の入力デバイス14により構成してもよく、その他、別途のGPSデバイスとして独立構成してもよい。GPS衛星とのデータ通信を行うために、対GPS通信部101がGPSアンテナであることが好ましい。対GPS通信部101は、GPS衛星からのデータを位置情報入力部103および速度情報入力部104に中継する。
【0029】
対基地局通信部102は、W-CDMA移動通信方式に対応する無線基地局(図2、3に示すB〜B)との間でデータの送受信を行うためのものであって、物理的には例えば図4の通信モジュール16により構成することができる。基地局との間でW-CDMA移動通信方式による無線データ通信を行うために、対基地局通信部102がW-CDMA移動通信方式に対応する無線通信モジュールであることが好ましい。対基地局通信部102は、基地局からのデータを基地局情報入力部105に中継する。
【0030】
位置情報入力部103は、対GPS通信部101を介したGPS衛星とのデータ通信により、移動局100の位置を表す位置情報Pを定期的に入力するものである。位置情報入力部103は当該入力した位置情報Pを対管理サーバ通信部107に出力する。
【0031】
速度情報入力部104は、対GPS通信部101を介したGPS衛星とのデータ通信により、移動局100の速度を表す速度情報Vを定期的に入力するものである。速度情報入力部104は当該入力した速度情報Vを対管理サーバ通信部107に出力する。なお、速度情報入力部104がGPS衛星より移動局100の速度情報Vを入力する方法以外に、速度情報入力部104がGPS衛星より移動局100の位置情報Pを入力し、それに基づいて速度情報Vを算出するようにしてもよい。
【0032】
基地局情報入力部105は、対基地局通信部102を介した基地局とのデータ通信により、基地局情報Bを定期的に入力するものである。基地局情報Bは、移動局100が捕捉している基地局(図2、3においては基地局B、B、Bに相当し、以下「捕捉基地局」と記載)に対する出力パワーG、アンテナ高H、設置位置I等を含む。また、基地局情報入力部105は、捕捉基地局の数Xをカウントすることにより、基地局数情報を生成し、これを基地局情報Bに含ませる。なお、図2、3の場合において、捕捉基地局は基地局B、B、Bであり、基地局B、Bには移動局100が捕捉していない。このため、図2、3の場合に生成される基地局数情報は「3つ」を表すこととなる。基地局情報入力部105は以上説明した基地局情報Bを対管理サーバ通信部107に出力する。
【0033】
電界強度計測部106は、対基地局通信部102を介した基地局とのデータ通信時の電界強度を定期的に計測するものである。電界強度は、移動局100が基地局との間でW-CDMA移動通信方式による無線データ通信を行う際の電波の受信品質を表すものである。電界強度計測部106は当該計測した電界強度を表す電界強度情報Eを対管理サーバ通信部107に出力する。
【0034】
以上、位置情報入力部103、速度情報入力部104、基地局情報入力部105、電界強度計測部106について説明したが、これらの動作は定期的に行われるため、位置情報P、速度情報V、出力パワーG、アンテナ高H、設置位置I、基地局数X、電界強度情報Eは時間tの関数となり、例えばt、t−1、t−2、…と過去の状態を表現できるにように時間tのパラメータが付与され順次蓄積される。
【0035】
対管理サーバ通信部107は、管理サーバ200との間でデータの送受信を行うものであって、物理的には例えば図4の通信モジュール16により構成することができる。対管理サーバ通信部107は、位置情報入力部103からの位置情報P、速度情報入力部104からの速度情報V、基地局情報入力部105からの基地局情報B、電界強度計測部106からの電界強度情報Eをそれぞれ入力し、これら入力した各情報を無線ネットワーク300を経由して管理サーバ200に送信する。また、対管理サーバ通信部107は、管理サーバ200から送信された制御信号を処理実行部108に出力する。
【0036】
処理実行部108は、対管理サーバ通信部107を通じて管理サーバ200から受信した制御信号に基づいて、当該制御信号が表す所定の処理を実行するものである。処理実行部108が実行する処理としては、例えば、移動局100の信号発信処理を開始させる処理、移動局100に特定の他の端末に対して信号送受信処理を開始させる処理等がある。処理実行部108は上記処理を直接表す制御信号に基づいて上記処理を行ってもよく、上記処理を行うためのトリガ信号を受信し、そのトリガ信号に基づいて上記処理を行ってもよい。
【0037】
(管理サーバ200の構成)
続いて、管理サーバ200について詳細に説明する。管理サーバ200は移動局100から受信した各情報に基づいて所定の判断を行い、所定の条件を満たしたと判断された場合に、移動局100に対して所定の処理を行うものである。図4は管理サーバ200のハードウェア構成図である。図4に示すように、管理サーバ200は、物理的には、CPU21、ROM22及びRAM23等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイス24、ディスプレイ等の出力デバイス25、移動局100との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュール26、ハードディスク等の補助記憶装置27などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。後述する管理サーバ200の各機能は、CPU21、ROM22、RAM23等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU21の制御の元で入力デバイス24、出力デバイス25、通信モジュール26を動作させると共に、主記憶装置22,23や補助記憶装置27におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0038】
図1〜3に戻り、管理サーバ200は、機能的には、対移動局通信部201、位置情報取得部202(位置情報取得手段)、速度情報取得部203(速度情報取得手段)、基地局情報取得部204(基地局数情報取得手段)、電界強度情報取得部205(電界強度情報取得手段)、位置判断部206(位置判断手段、位置推定手段、位置誤差判定手段)、速度判断部207(速度判断手段、速度推定手段、速度誤差判定手段)、基地局判断部208(基地局数判断手段)、電界強度判断部209(電界強度判断手段)、格納部210(格納手段)、および制御実行部211(制御実行手段)を備えて構成される。
【0039】
対移動局通信部201は、移動局100との間でデータの送受信を行うためのものであって、物理的には例えば図4の通信モジュール26により構成することができる。対移動局通信部201は、移動局100より、移動局100の位置情報P、移動局100の速度情報V、捕捉基地局の基地局情報Bおよび電界強度情報Eをそれぞれ無線ネットワーク300を経由して受信する。対移動局通信部201は当該受信した各情報のうち所定のものを位置情報取得部202、速度情報取得部203、基地局情報取得部204、および電界強度情報取得部205に出力する。なお、上述したように、基地局情報Bには、捕捉基地局の数Xを表す基地局数情報、および各基地局の出力パワーG、アンテナ高H、設置位置I等が含まれている。また、対移動局通信部201は、制御実行部211が制御信号を移動局100に送信することを中継する。
【0040】
位置情報取得部202は、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、移動局100の位置情報P、捕捉基地局の基地局情報Bおよび電界強度情報Eを定期的に取得するものである。位置情報取得部202は当該取得した位置情報P、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを位置判断部206に出力する。
【0041】
速度情報取得部203は、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、移動局100の速度情報V、捕捉基地局の基地局情報Bおよび電界強度情報Eを定期的に取得するものである。速度情報取得部203は当該取得した速度情報V、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを速度判断部207に出力する。
【0042】
基地局情報取得部204は、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、捕捉基地局の基地局情報Bを定期的に取得するものである。基地局情報取得部204は当該取得した基地局情報Bを基地局判断部208に出力する。
【0043】
電界強度情報取得部205は、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、捕捉基地局と移動局100との間における電界強度情報Eを定期的に取得するものである。電界強度情報取得部205は当該取得した電界強度情報Eを電界強度判断部209に出力する。
【0044】
格納部210は、所定のエリアに対する位置情報、このエリアに関連付けられた速度に対する閾値である速度閾値、このエリアに関連付けられた基地局に対する閾値である基地局閾値、およびこのエリアに関連付けられた電界強度に対する閾値である電界強度閾値を予め登録し格納するものである。所定のエリアとは、例えば図2、3に示すエリアAであり、中心点A1を中心とした半径R以内のエリア(図2の場合)、または2つの基準点A2、A3を結ぶ線A4を対角線とする四角形状のエリア(図3の場合)である。なお、中心点A1や基準点A2、A3は緯度および経度を表す情報である。以下、説明の便宜上、予め登録されている所定のエリアを「エリアA」と記載する。また、基地局閾値には、上記エリアに関連付けられた、基地局の数Xに対する閾値である基地局数閾値、基地局の出力パワーGに対する閾値、アンテナ高Hに対する閾値、設置位置Iに関する条件等が含まれる。
【0045】
位置判断部206は、位置情報取得部202より入力した位置情報Pと格納部210に格納されたエリアAに対する位置情報とを比較することにより、移動局100がエリアA内に入っているか否かを判断するものである。
【0046】
位置判断部206が位置情報取得部202より位置情報Pを問題なく入力した場合には上記判断を行うが、そうでなかった場合には、位置情報取得部202より入力した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の位置情報Pを推定する。この推定の方法としては、例えば周知の"Signal Strengthによる位置測位方法"を採用することができる。すなわち、移動局100が基地局との間で信号を受信する際の電界強度と信号を送信する際の電界強度とを比較しその減衰率を算出するとともに、複数の基地局の基地局情報B(捕捉基地局の数X、出力パワーG、アンテナ高H、設置位置Iに関する情報を含む)を上記減衰率に重ね合わせることで、移動局100の位置を導き出すことができる。
【0047】
一方で、位置判断部206が位置情報取得部202より位置情報Pを問題なく入力した場合でも、上記"SignalStrengthによる位置測位方法"により移動局100の位置を推定し、当該推定した位置情報を用いて、位置情報取得部202より入力した位置情報Pに対して誤差判定を行うようにしてもよい。
【0048】
速度判断部207は、速度情報取得部203より入力した速度情報Vと格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた速度閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた速度に対する所定の条件を満たしているか否かを判断するものである。
【0049】
速度判断部207が速度情報取得部203より速度情報Vを問題なく入力した場合には上記判断を行うが、そうでなかった場合には、速度情報取得部203より入力した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の速度情報Vを推定する。この推定の方法としては、前述した位置推定と同様に、例えば周知の"Signal Strengthによる位置測位方法"を採用することができる。すなわち、前述した"Signal Strengthによる位置測位方法"に基づいて移動局100の位置を順次導き出し、更にその順次導き出した位置に基づいて移動局100の速度を導き出すことができる。
【0050】
一方で、速度判断部207が速度情報取得部203より速度情報Vを問題なく入力した場合でも、上記"SignalStrengthによる位置測位方法"により移動局100の速度を推定し、当該推定した速度情報を用いて、速度情報取得部203より入力した速度情報Vに対して誤差判定を行うようにしてもよい。
【0051】
基地局判断部208は、基地局情報取得部204より入力した基地局情報Bと格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた基地局閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた基地局情報Bに対する所定の条件を満たしているか否かを判断するものである。
【0052】
電界強度判断部209は、電界強度情報取得部205より入力した電界強度情報Eと格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた電界強度閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた電界強度に対する所定の条件を満たしているか否かを判断するものである。
【0053】
制御実行部211は、上記説明した4つの判断部により、所定の条件が満たされたと判断された場合に、移動局100に対する所定の制御を実行するものである。すなわち、制御実行部211は、位置判断部206による判断の結果で移動局100がエリアA内に入っていると判断され、速度判断部207による判断の結果で移動局100がエリアA内に関連付けられた速度に対する所定の条件を満たしていると判断され、基地局判断部208による判断の結果で移動局100がエリアA内に関連付けられた基地局情報Bに対する所定の条件を満たしていると判断され、電界強度判断部209による判断の結果で移動局100がエリアA内に関連付けられた電界強度に対する所定の条件を満たしていると判断された場合に、移動局100に対する所定の制御を実行する。制御実行部211が実行する所定の制御としては、例えば、移動局100の信号発信処理を開始させる制御、移動局100に特定の他の端末に対して信号送受信処理を開始させる制御等がある。制御実行部211は上記制御を直接表す制御信号を移動局100に送信することによって上記制御を行ってもよく、上記制御を行うためのトリガ信号を移動局100に発信することによって上記制御を行ってもよい。
【0054】
(遠隔制御システム1の動作)
続いて、遠隔制御システム1により行われる動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、遠隔制御システム1の動作を示すフローチャートである。
【0055】
最初に、管理サーバ200の位置情報取得部202が、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、移動局100の位置情報Pを定期的に取得する。これとともに、位置情報取得部202が、捕捉基地局の基地局情報Bおよび電界強度情報Eを定期的に取得する。位置情報取得部202は当該取得した位置情報P、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを位置判断部206に出力する(ステップS1、位置情報取得ステップ)。
【0056】
次に、速度情報取得部203が、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、移動局100の速度情報Vを定期的に取得する。これとともに、速度情報取得部203が、捕捉基地局の基地局情報Bおよび電界強度情報Eを定期的に取得する。速度情報取得部203は当該取得した速度情報V、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを速度判断部207に出力する(ステップS2、速度情報取得ステップ)。
【0057】
次に、基地局情報取得部204が、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、捕捉基地局の基地局情報Bを定期的に取得する。基地局情報取得部204は当該取得した基地局情報Bを基地局判断部208に出力する(ステップS3、基地局数情報取得ステップ)。
【0058】
次に、電界強度情報取得部205が、対移動局通信部201を介した移動局100とのデータ通信により、捕捉基地局と移動局100との間における電界強度情報Eを定期的に取得する。電界強度情報取得部205は当該取得した電界強度情報Eを電界強度判断部209に出力する(ステップS4、電界強度情報取得ステップ)。
【0059】
次に、位置判断部206が位置情報取得部202より位置情報Pを問題なく取得できたか否かを判断するとともに、速度判断部207が速度情報取得部203より速度情報Vを問題なく取得できたか否かを判断する(ステップS5)。
【0060】
位置情報Pおよび速度情報Vが問題なく取得できた場合には(ステップS5:YES)、位置判断部206および速度判断部207が取得後の位置情報Pおよび速度情報Vに対する誤差判定を実行する。すなわち、位置判断部206が、ステップS1で取得した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の位置情報Pを推定し、この推定値に基づいてステップS1で取得した位置情報Pに対する誤差判定を行う。また、速度判断部207が、ステップS2で取得した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の速度情報Vを推定し、この推定値に基づいてステップS2で取得した速度情報Vに対する誤差判定を行う(ステップS6)。
【0061】
一方、位置情報Pおよび速度情報Vが取得できなかった場合には(ステップS5:NO)、位置判断部206および速度判断部207が、位置情報Pおよび速度情報Vを推定し、その推定値を取得後の位置情報Pおよび速度情報Vとして利用する。すなわち、位置判断部206が、ステップS1で取得した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の位置情報Pを推定し、その推定値を取得後の位置情報Pとして利用する。また、速度判断部207が、ステップS2で取得した基地局情報Bおよび電界強度情報Eに基づき、移動局100の速度情報Vを推定し、その推定値を取得後の速度情報Vとして利用する(ステップS7)。
【0062】
次に、位置判断部206が、ステップS6の誤差判定後の位置情報PまたはステップS7の位置情報Pの推定値と、格納部210に格納されたエリアAに対する位置情報とを比較することにより、移動局100が例えば図2、3に示す中心点A1を中心とした半径R以内のエリアA(図2の場合)、または2つの基準点A2、A3を結ぶ線A4を対角線とする四角形状のエリアA(図3の場合)内に入っているか否かを判断する(ステップS8、位置判断ステップ)。
【0063】
次に、速度判断部207が、ステップS6の誤差判定後の速度情報VまたはステップS7の速度情報Vの推定値と、格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた速度閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた速度に対する所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS9、速度判断ステップ)。
【0064】
次に、基地局判断部208が、ステップS3で基地局情報取得部204より入力した基地局情報Bと、格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた基地局閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた基地局に対する所定の条件を満たしているか否かを判断する。上述したように、基地局情報Bには、捕捉基地局の数X、捕捉基地局に対する出力パワーG、アンテナ高H、設置位置I等が含まれており、基地局閾値には、エリアAに関連付けられた、捕捉基地局の数Xに対する閾値、捕捉基地局の出力パワーGに対する閾値、アンテナ高Hに対する閾値、設置位置Iに関する条件等が含まれるため、基地局判断部208はそれぞれの閾値や条件とステップS3で入力した基地局情報Bに含まれた捕捉基地局の数、捕捉基地局に対する出力パワーG、アンテナ高H、設置位置I等とを比較する(ステップS10、基地局数判断ステップ)。
【0065】
次に、電界強度判断部209が、ステップS4で電界強度情報取得部205より入力した電界強度情報Eと、格納部210に格納されたエリアAに関連付けられた電界強度閾値とを比較することにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた電界強度に対する所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS11、電界強度判断ステップ)。
【0066】
次に、制御実行部211が、上記ステップS8〜S11の判断で所定の条件が満たされたと判断された場合に、移動局100に対する所定の制御を実行する。すなわち、制御実行部211は、ステップS8にて移動局100がエリアA内に入っていると判断され(ステップS8:YES)、ステップS9にて例えば速度情報Vが速度閾値を超えたことにより移動局100がエリアA内に関連付けられた所定の速度条件を満たしていると判断され(ステップS9:YES)、ステップS10にて例えば捕捉基地局の数X、出力パワーG、アンテナ高Hが各閾値を超え且つ設置位置Iが設置位置Iに関する所定の条件内であることにより、移動局100がエリアA内に関連付けられた所定の基地局条件を満たしていると判断され(ステップS10:YES)、ステップS11にて例えば電界強度情報Eが電界強度閾値を超えたことにより移動局100がエリアA内に関連付けられた所定の電界強度条件を満たしていると判断された場合に(ステップS11:YES)、移動局100に対する所定の制御を実行する。制御実行部211は上記制御を直接表す制御信号を移動局100に送信することによって上記制御を行ってもよく、上記制御を行うためのトリガ信号を移動局100に発信することによって上記制御を行ってもよい。一方、移動局100の処理実行部108は、制御信号に直接表されている処理をそのまま実行してもよく、当該処理を行うためのトリガ信号を制御信号として受信し、そのトリガ信号に基づいて上記処理を行ってもよい(ステップS12、制御実行ステップ)。
【0067】
一方で、ステップS8〜S11にて全てYESと判断された場合以外の場合には、処理はそのまま終了する。
【0068】
(本実施形態の作用及び効果)
続いて、本実施形態にかかる遠隔制御システム1の作用及び効果について説明する。本実施形態の遠隔制御システム1によれば、位置情報P、速度情報V、基地局情報B、および電界強度情報Eを用いて、各パラメータに対する条件が全て満たされた場合に、遠隔に位置する移動局100に対して所定の制御を行う。すなわち、遠隔に位置する移動局100に対する判断を、人間の感覚や経験に依存することなく、4つのパラメータを用いて定量的に行うことができる。また、位置情報Pおよび速度情報Vのみならず、基地局情報Bおよび電界強度情報Eを更に用いるため、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な判断を行うことができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、位置推定や速度推定に基地局情報Bおよび電界強度情報Eを用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な推定処理を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、位置情報や速度情報に対して誤差判定を行う際に基地局数情報および電界強度情報を用いることにより、判断および制御の対象物が無線通信を行う端末である場合ならではの適切な誤差判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】遠隔制御システム1の構成概要図である。
【図2】遠隔制御システム1が動作するシチュエーションの一例を示す図である。
【図3】遠隔制御システム1が動作するシチュエーションの一例を示す図である。
【図4】遠隔制御システム1を構成する移動局100および管理サーバ200のハードウェア構成図である。
【図5】遠隔制御システム1の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1…遠隔制御システム、100…移動局、101…対GPS通信部、102…対基地局通信部、103…位置情報入力部、104…速度情報入力部、105…基地局情報入力部、106…電界強度計測部、107…対管理サーバ通信部、108…処理実行部、200…管理サーバ、201…対移動局通信部、202…位置情報取得部、203…速度情報取得部、204…基地局情報取得部、205…電界強度情報取得部、206…位置判断部、207…速度判断部、208…基地局判断部、209…電界強度判断部、210…格納部、211…制御実行部、300…無線ネットワーク。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔に位置する無線通信端末に対して所定の制御を行う遠隔制御システムであって、
前記無線通信端末の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記無線通信端末の速度を表す速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記無線通信端末が捕捉している無線基地局の数を表す基地局数情報を取得する基地局数情報取得手段と、
前記無線通信端末と前記無線基地局との間における電界強度を表す電界強度情報を取得する電界強度情報取得手段と、
所定のエリアに対する位置情報、前記エリアに関連付けられた速度に対する閾値である速度閾値、前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する閾値である基地局数閾値、および前記エリアに関連付けられた電界強度に対する閾値である電界強度閾値を予め登録し格納する格納手段と、
前記位置情報取得手段が取得した位置情報と前記格納手段に格納された位置情報とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリア内に入っているか否かを判断する位置判断手段と、
前記速度情報取得手段が取得した速度情報と前記格納手段に格納された速度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件を満たしているか否かを判断する速度判断手段と、
前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報と前記格納手段に格納された基地局数閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する条件を満たしているか否かを判断する基地局数判断手段と、
前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報と前記格納手段に格納された電界強度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた電界強度に対する条件を満たしているか否かを判断する電界強度判断手段と、
前記位置判断手段、前記速度判断手段、前記基地局数判断手段、および前記電界強度判断手段によるそれぞれの判断の結果、前記無線通信端末が前記エリア内に入っていると判断され、且つ前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件、無線基地局の数に対する条件、および電界強度に対する条件を満たしていると判断された場合に、所定の制御を実行する制御実行手段と、
を備えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項2】
前記位置情報取得手段が前記無線通信端末の位置情報を取得できなかった場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、前記無線通信端末の位置情報を推定する位置推定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記速度情報取得手段が前記無線通信端末の速度情報を取得できなかった場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、前記無線通信端末の速度情報を推定する速度推定手段を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記位置情報取得手段が前記無線通信端末の位置情報を取得できた場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、当該取得した位置情報に対して誤差判定を行う位置誤差判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記速度情報取得手段が前記無線通信端末の速度情報を取得できた場合に、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報および前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報に基づき、当該取得した速度情報に対して誤差判定を行う速度誤差判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記所定の制御は、前記無線通信端末の信号発信処理を開始させる制御であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
前記所定の制御は、前記無線通信端末の特定の他の端末に対する信号送受信処理を開始させる制御であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の遠隔制御システム。
【請求項8】
前記所定の制御は、前記無線通信端末の前記信号発信処理または前記信号送受信処理のためのトリガ信号を発信する制御であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の遠隔制御システム。
【請求項9】
遠隔に位置する無線通信端末に対して所定の制御を行う遠隔制御システムよる遠隔制御方法であって、
位置情報取得手段が、前記無線通信端末の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
速度情報取得手段が、前記無線通信端末の速度を表す速度情報を取得する速度情報取得ステップと、
基地局数情報取得手段が、前記無線通信端末が捕捉している無線基地局の数を表す基地局数情報を取得する基地局数情報取得ステップと、
電界強度情報取得手段が、前記無線通信端末と前記無線基地局との間における電界強度を表す電界強度情報を取得する電界強度情報取得ステップと、
格納手段に、予め登録されている所定のエリアに対する位置情報、前記エリアに関連付けられた速度に対する閾値である速度閾値、前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する閾値である基地局数閾値、および前記エリアに関連付けられた電界強度に対する閾値である電界強度閾値が格納されており、
位置判断手段が、前記位置情報取得手段が取得した位置情報と前記格納手段に格納された位置情報とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリア内に入っているか否かを判断する位置判断ステップと、
速度判断手段が、前記速度情報取得手段が取得した速度情報と前記格納手段に格納された速度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件を満たしているか否かを判断する速度判断ステップと、
基地局数判断手段が、前記基地局数情報取得手段が取得した基地局数情報と前記格納手段に格納された基地局数閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた無線基地局の数に対する条件を満たしているか否かを判断する基地局数判断ステップと、
電界強度判断手段が、前記電界強度情報取得手段が取得した電界強度情報と前記格納手段に格納された電界強度閾値とを比較することにより、前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた電界強度に対する条件を満たしているか否かを判断する電界強度判断ステップと、
制御実行手段が、前記位置判断手段、前記速度判断手段、前記基地局数判断手段、および前記電界強度判断手段によるそれぞれの判断の結果、前記無線通信端末が前記エリア内に入っていると判断され、且つ前記無線通信端末が前記エリアに関連付けられた速度に対する条件、無線基地局の数に対する条件、および電界強度に対する条件を満たしていると判断された場合に、所定の制御を実行する制御実行ステップと、
を備えることを特徴とする遠隔制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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