説明

遮光塗膜及び光学素子

【課題】長期間における耐光性と内面反射防止性とを兼ね備えた遮光塗膜を提供する。
【解決手段】エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン導入比率が30%以上70%以下の変性シリコーン樹脂と、黒色無機顔料と、屈折率が1.75以上2.92以下の無機微粒子と、を含有する遮光塗膜であって、前記遮光塗膜における無機微粒子の含有量が10体積%以上40体積%以下であり、シラノール基含有の表面処理剤によって前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の表面が処理されており、前記黒色無機顔料の表面の表面修飾率と、前記無機微粒子の表面の表面修飾率と、が共に48%以上であることを特徴とする、遮光塗膜。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光塗膜、特に、耐光性を備える遮光塗膜及びこの遮光塗膜を有する光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラや望遠鏡等の光学機器に使用されるレンズやプリズム等の光学部材においては、光学部材への入射光が内面反射等を起こすことでフレアやゴーストが発生する。ここでフレアやゴーストは、光学機器の光学性能を著しく低下させる原因の一つとなっている。一般に内面反射等を低減することを目的として、光学部材の側面に黒色の反射防止塗料を塗布して、反射防止塗膜を形成することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の塗料用ビヒクル中に、粒子径が0.1μm以下であり、かつ屈折率が1.5以上である非黒色無機微粒子と、黒色顔料と、が含まれている反射防止塗膜を用いて内面反射を低減する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−82510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1にて提案されている手法では、塗料用ビヒクルとして耐光性に劣るアクリル樹脂やエポキシ樹脂が用いられている。このため、長期間太陽光に暴露されると光化学反応により高分子鎖が切断され、塗膜が脆性化するといった解決すべき課題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を考慮してなされたものであり、その目的は、長期間における耐光性と内面反射防止性とを兼ね備えた遮光塗膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遮光塗膜は、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン導入比率が30%以上70%以下の変性シリコーン樹脂と、
黒色無機顔料と、
屈折率が1.75以上2.92以下の無機微粒子と、を含有する遮光塗膜であって、
前記遮光塗膜における無機微粒子の含有量が10体積%以上40体積%以下であり、
シラノール基含有の表面処理剤によって前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の表面が処理されており、
前記黒色無機顔料の表面の表面修飾率と、前記無機微粒子の表面の表面修飾率と、が共に48%以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長期間における耐光性と内面反射防止性とを兼ね備えた遮光塗膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の遮光塗膜の使用態様の例を示す概略図である。
【図2】本発明の遮光塗膜における実施形態の例を示す断面図である。
【図3】図2のA部分の部分拡大図である。
【図4】遮光塗膜の評価用サンプルを示す概略図である。
【図5】内面反射率の測定系を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の遮光塗膜は、変性シリコーン樹脂と、黒色無機顔料と、無機微粒子と、を含有するものである。ここで本発明の遮光塗膜の主要な構成部材は、それぞれ以下に説明する特徴を有する。
【0011】
本発明において変性シリコーン樹脂は、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれ、かつシリコーン導入比率が30%以上70%以下の樹脂である。
【0012】
本発明において黒色無機顔料は、シラノール基含有の表面処理剤によって表面が処理されている顔料であり、表面の表面修飾率は48%以上である。
【0013】
本発明において無機微粒子は、屈折率が1.75以上2.92以下であり、遮光塗膜全体に対する含有量が10体積%以上40体積%以下であり、表面がシラノール基含有の表面処理剤によって処理されており、表面の表面修飾率は48%以上である微粒子である。
【0014】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の遮光塗膜の使用態様の例を示す概略図である。図1に示されるように、本発明の遮光塗膜1は、例えば、光学素子用の光学レンズ2の渕にある平らな面(コバ面2a)に形成される塗膜である。本発明の遮光塗膜1をコバ面2aに形成することにより、光学レンズ2における内面反射の発生を防止することができる。
【0016】
図2は、本発明の遮光塗膜における実施形態の例を示す断面図である。図2に示されるように、遮光塗膜1は、無機微粒子3と、黒色無機顔料4と、変性シリコーン樹脂5と、を含有している。
【0017】
図3は、図2のA部分の部分拡大図である。図3に示されるように、無機微粒子3及び黒色無機顔料4は、表面の一部がO−R1(R1は、Si系表面処理剤の分子あるいはその部分構造。)で装飾されている。この表面装飾処理を無機微粒子3及び黒色無機顔料4に施すことにより、変性シリコーン樹脂5に対する無機微粒子3、黒色無機顔料4の相溶性がそれぞれ良好になる。このため無機微粒子3及び黒色無機顔料4をそれぞれ凝縮させることなく変性シリコーン樹脂5内に均一に分散させることができる。また変性シリコーン樹脂5内に無機微粒子3及び黒色無機顔料4が均一に分散されることにより、無機微粒子3が有する屈折率向上効果と、黒色無機顔料4が有する塗膜自体の吸光係数の向上効果(内面反射光の吸収効果)と、を効果的に発揮させることができる。つまり、本発明の遮光塗膜において、無機微粒子3は、内面反射の発生を抑える役割を果たし、黒色無機顔料4は、塗膜をすり抜けた光を吸収する役割を果たす。
【0018】
以上のことから、本発明の遮光塗膜は、耐光性と内面反射防止機能とを兼ね備えたものであるといえる。
【0019】
次に、本発明の遮光塗膜の構成部材について、それぞれ詳細に説明する。
【0020】
本発明の遮光塗膜に含まれる変性シリコーン樹脂は、塗膜のマトリックスとなる部材であり、また光学部材の塗工面(例えば、図1中のコバ面2a)と無機微粒子とのバインダーとなる樹脂でもある。具体的には、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれる樹脂である。これらの樹脂は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
【0021】
これらの変性シリコーン樹脂のシロキサン骨格の化学結合エネルギーは106kcal/molであり、紫外線領域(280nm乃至400nm)の光にさらされたとしてもこのシロキサン骨格は光化学反応によって切断されることはない。従って、本発明の遮光塗膜は太陽光暴露下でも安定した塗膜を長期間維持することができる。
【0022】
ただし変性シリコーン樹脂であっても、変性シリコーン樹脂に含まれるシリコーンの割合(シリコーン導入比率)が30%未満では樹脂の耐光性が低下するので太陽光にさらされたときに樹脂の劣化が起こり得る。一方、シリコーン導入比率が70%を超えると基材との密着性が悪化し、塗膜の剥がれ・浮きが発生する。
【0023】
従って、本発明においては、変性シリコーン樹脂の中でもシリコーン導入比率が30%以上70%以下のものが用いられる。またシリコーン導入比率は、好ましくは、45%以上55%以下である。
【0024】
本発明の遮光塗膜に含まれる変性シリコーン樹脂は、光や熱により硬化する硬化性樹脂であることが望ましい。例えば、熱硬化性樹脂、紫外・可視光硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の樹脂を適宜選択することができる。
【0025】
本発明の遮光塗膜に含まれる黒色無機顔料は、上述した塗膜の吸光係数の向上効果をもたらす材料である。ここで黒色無機顔料は、無機化合物からなる黒色の顔料、即ち、可視光(波長が400nm乃至700nmの範囲にある光)を吸収する顔料であるならば特に限定されない。好ましくは、炭素系顔料、酸化チタン系顔料及び酸化鉄系顔料から選択される黒色の顔料である。
【0026】
ここで炭素系顔料としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、活性炭、炭素繊維等が挙げられる。これら炭素系顔料は黒色であり波長400nmから700nmの可視光を吸収する。このため、本発明の遮光塗料に含まれる黒色無機顔料として好適である。
【0027】
また酸化チタン系顔料としては、チタンブラック等が挙げられる、
さらに酸化鉄系顔料としては、黒色酸化鉄系顔料等が挙げられる。
【0028】
本発明の遮光塗膜に含有される黒色無機顔料の含有量は、遮光塗膜全体に対して2体積%以上6体積%以下が望ましく、3体積%以上5%以下が好ましい。
【0029】
ところで、本発明の遮光塗膜に含有される黒色無機顔料は、シラノール基含有の表面処理剤で表面処理がなされている。具体的な表面処理剤としては、下記一般式[1]に示されるシラノール基含有化合物からなる表面処理剤である。
【0030】
R’nSi(OR)4-n [1]
(式[1]において、R’は、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、クロロ基(塩素原子)、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基等の官能基のうち、少なくとも1つを有する置換基であり、Rは、アルキル基であり、nは、1乃至3の整数である。)
【0031】
上記一般式で表されるシラノール基含有化合物もしくはその加水分解物あるいはその重縮合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びβ−シアノエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、及びメチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
これらのうち、分子内に二重結合を有するビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、珪素に対して2置換のアルキル基を持つものとしてγ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、及びメチルビニルジエトキシシランが好ましく、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが、特に好ましい。
【0033】
ここでシラノール基含有の表面処理剤による修飾率は粒子表面積の48%以上、好ましくは70%以上である。48%未満になると、微粒子同士が凝集し始めるために光散乱が生じ、黒色無機顔料の機能である塗膜の吸光係数の向上効果が発揮されなくなる。
【0034】
尚、上記シラノール基含有の表面処理剤による修飾率は、微粒子の表面積とシランカップリング剤の濃度により決定される。
【0035】
本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子は、上述したように、屈折率が1.75以上2.92以下である。屈折率が1.75以上2.92以下とすることで、遮光塗膜の屈折率が向上する。
【0036】
レンズ等の光学素子において、内面反射は、当該光学素子の界面(遮光塗膜が設けられている場合は、当該光学素子と遮光塗膜との界面)における屈折率差によって発生する。このため光学素子の表面に遮光塗膜が設けられている場合は、当該光学素子と遮光塗膜との屈折率差を小さくする必要がある。例えば、シリコーン樹脂の屈折率が1.35であり、光学素子(例えば、レンズ)の屈折率が1.85である場合は、シリコーン樹脂に屈折率が高い材料を混合させることで遮光塗膜の屈折率を光学素子の屈折率に近づける必要がある。具体的には、遮光塗膜の屈折率を1.80程度になるまでに高くする必要がある。このようにして遮光塗膜の屈折率を光学素子の屈折率に近づけることにより、遮光塗膜とレンズとの界面において内面反射が起こりにくくなる。
【0037】
本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子の屈折率は、好ましくは2.10以上2.71以下である。
【0038】
本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子としては、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.71、比重:4.2〜4.3)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10、比重:5.5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、屈折率:2.37、比重:5.13)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:2.20、比重:7.1)、テルル化亜鉛(ZnTe、屈折率:2.92、比重:6.3)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:2.20、比重:7.1)、酸化錫(SnO2、屈折率:2.00、比重:7.0)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.85、比重:6.6)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00、比重:7.1)を用いることができる。
【0039】
本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子の平均粒子径は、好ましくは、5nm以上40nm以下であり、より好ましくは10nm以上30nm以下である。
【0040】
本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子の含有量は、遮光塗膜に対して10体積%以上40体積%以下であり、好ましくは20体積%以上30体積%以下である。
【0041】
ところで、本発明の遮光塗膜に含有される無機微粒子は、黒色無機顔料と同様に、シラノール基含有の表面処理剤で表面処理がなされている。具体的な表面処理剤としては、黒色無機顔料の表面処理を行う際に使用される表面処理剤がある。
【0042】
ここでシラノール基含有の表面処理剤による修飾率は粒子表面積の48%以上、好ましくは70%以上である。48%未満になると、微粒子同士が凝集し始めるために光散乱が生じ、無機微粒子の機能である塗膜の屈折率向上効果が発揮されなくなる。
【0043】
尚、上記シラノール基含有の表面処理剤による修飾率は、微粒子の表面積とシランカップリング剤の濃度により決定される。
【0044】
本発明の遮光塗膜の膜厚は、3μm以上15μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下である。
【0045】
本発明の遮光塗膜は、主要構成部材(変性シリコーン樹脂、黒色無機顔料、無機微粒子)を適当な有機溶媒で混合してなる塗料組成物を、基材に塗布することにより形成される。ここで上記塗料組成物を調製する際に用いられる有機溶媒としては、脂肪族炭化水素類であるノルマルヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソヘキサン等が用いられる。
【0046】
また塗料組成物を調製するに当たり、添加剤として、シランカップリング剤等を適宜添加してもよい。
【0047】
本発明の光学素子は、本発明の遮光塗膜を有すること特徴とする。本発明の遮光塗膜を用いた光学素子の具体例としては、長期間太陽光に暴露される屋外設置カメラが挙げられる。
【0048】
本発明の光学素子は、上記の光学部材のフレアやゴーストの発生原因となる迷光を吸収するための遮光塗膜を用いているため、光学性能が良好であり、かつ耐光性に優れた樹脂を用いているので長期間塗膜が劣化しない。本発明の遮光塗膜を有する本発明の光学素子は、好ましくは、その内面反射率が0.4%以下である。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
(1)塗料組成物の調製方法
本発明の遮光塗膜は、変性シリコーン樹脂、黒色無機顔料、無機微粒子、カップリング剤及び有機溶媒を含有する塗料組成物を用いて形成される。以下に説明する実施例及び比較例で使用した材料を下記表1乃至3に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
尚、黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率は、下記に示す方法により測定を行った。
【0055】
(1−1)表面修飾率の測定方法
表面修飾処理後における黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率の測定にあたっては、熱重量分析法(TGA)を利用した。具体的には、TGAにより修飾後の微粒子の重量と修飾前の微粒子の重量とを測定し、これらの測定値から換算した。
【0056】
以下、実施例等により塗料組成物の調製方法の具体例について説明する。
【0057】
[実施例1]
まず下記に示す材料を250mlの容器中に投入した。
変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%、信越化学工業製):10g
黒色無機顔料(製品名:シリコーン処理カーボンブラック、大東化成工業製):1.5g
ノルマルヘキサン:10g
シランカップリング剤:3g
チタニアスラリー(テイカ製):90g
(チタニアスラリーとは、一次粒子径が20nmのシリコーン処理された酸化チタンと、ノルマルヘキサン(溶媒)とを混合して調製されたスラリーであり、酸化チタンの含有量が25重量%である。)
【0058】
次に、材料を投入した容器を遊星回転方式の混合・分散装置(商品名:泡とり練太郎/シンキー製)の所定の位置に設置し、混合・分散の操作を行った。尚、この操作(混合・分散操作)時間は20分間行った。これにより塗料組成物を得た。
【0059】
[実施例2]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が30%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0060】
[実施例3]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が70%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0061】
[実施例4]
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が50%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が48%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例で使用した黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率は、それぞれ本発明における下限値である。
【0062】
[実施例5]
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が95%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が98%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例で使用した黒色無機顔料及び無機微粒子の表面修飾率は、それぞれ本発明における上限値である。
【0063】
[実施例6]
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を0.6gとし、無機微粒子の添加量を25gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、黒色無機顔料の添加量及び無機微粒子の添加量は、塗料組成物中の含有率という観点からいずれも本発明における下限値である。
【0064】
[実施例7]
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を2.9gとし、無機微粒子の添加量を154gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、黒色無機顔料の添加量及び無機微粒子の添加量は、塗料組成物中の含有率という観点からいずれも本発明における上限値である。
【0065】
[実施例8]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてアクリル変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0066】
[実施例9]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてアルキッド変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0067】
[実施例10]
実施例1において、無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えてアンチモンドープ酸化錫(ATO)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0068】
[実施例11]
実施例1において、無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えてテルル化亜鉛(ZnTe)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0069】
[比較例1]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が10%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0070】
[比較例2]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてシリコーン導入比率が85%のエポキシ変性シリコーン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0071】
[比較例3]
実施例1において、黒色無機顔料及び無機微粒子として、実施例1で使用したものに代えて、シラノール基による表面修飾率が45%である黒色無機顔料と、当該表面修飾率が40%である無機微粒子と、を用いた。これらを除いては、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0072】
[比較例4]
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を0.4gとし、無機微粒子の添加量を20gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、塗料組成物中における黒色無機顔料及び無機微粒子の含有率は、それぞれ1.4体積%、8.7体積%である。
【0073】
[比較例5]
実施例1において、黒色無機顔料の添加量を3.3gとし、無機微粒子の添加量を180gとした以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。尚、本実施例において、塗料組成物中における黒色無機顔料及び無機微粒子の含有率は、それぞれ6.4体積%、43.4体積%である。
【0074】
[比較例6]
実施例1において、変性シリコーン樹脂として、実施例1で使用したものに代えてポリエステル変性シリコーン樹脂(シリコーン導入比率:50%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗料組成物を得た。
【0075】
(2)塗膜の形成方法
実施例又は比較例にて調製した塗料組成物を光学素子(プリズム)の表面に塗布して塗膜を形成した。図4は、遮光塗膜の評価用サンプルを示す概略図である。図4のサンプル(内面反射測定用サンプル7)は、次に説明する方法で作製した。即ち、上記塗料組成物の染み出す連続気孔が形成されたウレタン製スポンジ(商品名:フソラス、富士ケミカル製)に塗料組成物を含浸させ、図4中のプリズム6等の光学素子の表面に倣って50mm/秒の速さで移動させながら塗料組成物を塗布した。そして、恒温槽を用いて80℃で120分間塗布膜の焼成を行うことで遮光塗膜の評価用サンプル(内面反射測定用サンプル7)を得た。この遮光塗膜の膜厚は10μmであった。得られた遮光塗膜について膜の特性を測定・評価した。
【0076】
(3)遮光塗膜の光学性能の評価方法
ASP分光計(ASP−32/自動光学測定装置;分光計器)を用いて内面反射率の測定を行った。図5は、内面反射率の測定系を示す模式図である。図5の測定系は、測定サンプルとして反射面に遮光塗膜1を形成した三角プリズム(プリズム6)が用いられている。尚、プリズム6の寸法は、直角を挟む1辺の長さは30mmであり厚みは10mmである。またプリズム6の材質は、S−LaH53(nd=1.805)である。
【0077】
ところで図5の測定系は、ASP分光計を用いた測定系である。ASP分光計は、サンプルと検出器の角度を任意に移動可能であるので、入射角毎の内面反射率を測定できる。例えば、図5(a)は、プリズム6に対する入射角bが90°の場合の内面反射率を測定することができる。また、図5(b)は、プリズム6に対する入射角bが45°の場合の内面反射率を測定することができる。さらに、図5(c)は、プリズム6に対する入射角bが30°の場合の内面反射率を測定することができる。
【0078】
以下、図5(a)に基づいてさらに説明する。ASP分光計より出た光はプリズム6に対して、入射角b=90°で入射する。このとき、空気の屈折率とプリズム6の屈折率との差により、光の屈折が起こる。ここで下記式[2]より、入射角dに対する屈折後の角度eを算出した。また算出したeより入射角cを算出した。
【0079】
n=sind/sine 式[2]
(n:三角プリズム(プリズム6)の屈折率)
【0080】
上述した方法でcを算出した場合、図5(a)の系においては、屈折後の入射角cは68.13°である。図5(b)の系においては、屈折後の入射角cは45°(=b)である。図5(c)の系においては、屈折後の入射角cは36.73°である。
【0081】
続いて、プリズム5内で屈折した光は、プリズム6の底面に当たり、反射してプリズム6の外に出る。ここで外に出た光(反射光)の強度を検出器で検出した。このとき検出する光の波長領域を波長400nm乃至700nmの可視光領域とした。
【0082】
尚、内面反射率の測定に先立ってバックグラウンドの測定を行った。このバックグラウンド測定の際には、底面、入射面、反射面の3面が鏡面であって底面には何も塗布しないプリズムをサンプルとした。
【0083】
以上の方法で(a)の入射角68.13°において内面反射率を測定した結果を表4乃至6に示す。尚、表中の内面反射率は、波長400nm乃至700nmの波長領域(可視光領域)の内面反射率を1nm間隔で測定し、その測定結果の平均値を示すものである。
【0084】
(4)遮光塗膜の耐光性の評価方法
キセノンアークランプ式耐光性試験機(XWOM)を用いて、遮光塗料の耐光性評価を行った。ところで使用したXWOMの分光分布は太陽光の分光分布に近似しており、315nm乃至400nmのUV−Aについてはほぼ太陽光と近いレベルにある放射照度を示す。
【0085】
XWOMの試験条件は、JIS B 7754−1991に準拠し、照射強度を180±3W/m2とし、照射時間を472時間とし、ブラックパネル温度を63±3℃とした。尚、この試験条件は1年分の屋外暴露に相当する。
【0086】
ここで図1に示される光学素子において、レンズコバ面2aに遮光塗膜1を形成した後、上記XWOM試験を行い、主に外観を目視観察した。ここで遮光塗膜1に剥がれや浮き、樹脂劣化のある場合はNGとした。試験結果を表4乃至6に示す。
【0087】
【表4】

((注1)○:内面反射率が0.40%未満
(注2)○:耐光性評価において外観変化無し)
【0088】
【表5】

((注1)○:内面反射率が0.40%未満
(注2)○:耐光性評価において外観変化無し)
【0089】
【表6】

((注1)○:内面反射率が0.40%未満
×:内面反射率が0.40%以上
(注2)○:耐光性評価において外観変化無し
×:耐光評価において外観変化有り)
【0090】
表4に示すように、実施例1の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.35%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0091】
表4に示すように、実施例2の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.33%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0092】
表4に示すように、実施例3の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.36%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0093】
表4に示すように、実施例4の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.38%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0094】
表4に示すように、実施例5の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.32%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0095】
表4に示すように、実施例6の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.39%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0096】
表5に示すように、実施例7の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.32%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0097】
表5に示すように、実施例8の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.35%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0098】
表5に示すように、実施例9の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.34%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0099】
表5に示すように、実施例10の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.39%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0100】
表5に示すように、実施例11の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.32%であった。また遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0101】
表6に示すように、比較例1の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.34%であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化が確認された。
【0102】
表6に示すように、比較例2の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.38%であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の樹脂劣化は確認されなかったものの遮光塗膜の外観上における剥がれや浮きが確認された。
【0103】
表6に示すように、比較例3の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.50%となり、実施例1と比較して悪い結果であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0104】
表6に示すように、比較例4の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.55%となり、実施例1と比較して悪い結果であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化は一切確認されなかった。
【0105】
表6に示すように、比較例5の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.45%となり、実施例1と比較して悪い結果であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の樹脂劣化は確認されなかったものの遮光塗膜の外観上における剥がれや浮きが確認された。
【0106】
表6に示すように、比較例6の遮光塗膜の内面反射率(波長400mmから700nmまでの平均値)は、0.35%であった。一方、遮光塗料の耐光性評価の結果、遮光塗膜の外観上における剥がれや浮き及び塗膜の樹脂劣化が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の遮光塗膜は、耐光性及び内面反射防止を兼ね備えているので、屋外設置カメラ用レンズ等の光学素子に利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1:遮光塗膜、2:光学レンズ、2a:(光学レンズの)コバ面、3:無機微粒子、4:黒色無機顔料、5:変性シリコーン樹脂、6:三角プリズム、7:内面反射測定用サンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂及びアクリル変性シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン導入比率が30%以上70%以下の変性シリコーン樹脂と、
黒色無機顔料と、
屈折率が1.75以上2.92以下の無機微粒子と、を含有する遮光塗膜であって、
前記遮光塗膜における無機微粒子の含有量が10体積%以上40体積%以下であり、
シラノール基含有の表面処理剤によって前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の表面が処理されており、
前記黒色無機顔料の表面の表面修飾率と、前記無機微粒子の表面の表面修飾率と、が共に48%以上であることを特徴とする、遮光塗膜。
【請求項2】
前記黒色無機顔料の含有量が2体積%以上6体積%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の遮光塗膜。
【請求項3】
前記黒色無機顔料及び前記無機微粒子の平均粒子径がいずれも5nm以上40nm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遮光塗膜。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遮光塗膜を有すること特徴とする、光学素子。
【請求項5】
内面反射率が0.4%以下であることを特徴とする、請求項4に記載の光学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−171983(P2012−171983A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32359(P2011−32359)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】