説明

遮光断熱ブロック封入ネット

【課題】既存建築物の屋上、屋根、壁、窓など、また農業用ハウス、漁業用生簀など様々なものに使用出来る遮光断熱ブロック封入ネットを提供すること。
【解決手段】断熱部材となる、軽石、発泡樹脂等を遮光部材となるアルミ箔又はアルミ蒸着フィルム等のアルミ素材で全体または太陽光があたる面を覆い、これを遮光断熱ブロックとし、前記ブロックをネットで一個ずつ個別に封入して連結させ遮光断熱ブロック封入ネットとしたもので、これにより、既存建築物の屋上、屋根、壁、窓など、また農業用ハウスなど様々なものに遮光断熱ができる。さらに遮光断熱ブロック封入ネットは遮光断熱ブロックを比重1以下にすることで魚介類、海苔の養殖において海面に浮かし遮光断熱が出来る遮光断熱ブロック封入ネットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近年の温暖化による夏の暑さをエネルギー消費に頼らずに快適なものとするため既存建築物の屋上、屋根、壁、窓などに設置して遮光断熱し室温を下げ、視界が問題となる窓等での設置の場合は視界の調節が出来、また農業用ハウスなどの遮光断熱が出来、さらに遮光断熱ブロック封入ネットを水に浮く構造とすることで魚介類、海苔の養殖においては海水面に浮かして遮光断熱が出来る遮光断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
室内を涼しくする為の遮光部材には、古くはヨシズ、簾があり、また、近年蔓植物を用いた登攀ネットによる壁面緑化で遮光断熱が行われる。既存建築物の屋上断熱には、屋上に置く断熱ブロックがある。
【0003】
古くからのヨシズ、簾は覆った面を均一に遮光するため視界が遮られ、また夜間は屋外から明るい室内が丸見えになるという問題があった。また、近年蔓植物を用いた登攀ネットによる壁面緑化で遮光断熱が行われるが、植物が繁茂するまでは遮光できないため室温を下げることができなかった。また、既存建築物の断熱ブロックによる屋上断熱は大掛かりな工事が必要であり、これを簡単にするために保水蒸散材及び保水蒸散構造体があるが、重量が既存建築物には負担となっていた。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−222817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
古くはヨシズ、簾による遮光部材があるが、覆った面を均一に遮光するため視界が遮られ、また夜間は屋外から明るい室内が丸見えになるという問題があった。また、近年蔓植物を用いた登攀ネットによる壁面緑化で遮光断熱が行われるが、植物が繁茂するまでは遮光できないため室温を下げることができなかった。また、既存建築物の断熱ブロックによる屋上断熱は大掛かりな工事が必要であり、これを簡単にするために保水蒸散材及び保水蒸散構造体があるが、重量が既存建築物には負担となっていた。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、遮光断熱ブロック封入ネットは個別で遮光断熱ブロックの取り外しが出来る為必要な部分の視界を得ることが可能であり、夜間の使用で屋外から明るい室内が丸見えになることがない。また、近年蔓植物を用いた登攀ネットによる壁面緑化で遮光断熱が行われるが、植物が繁茂するまでは遮光できないため室温を下げることができなかったが、本発明を蔓植物の登攀ネットとして用いれば、当初より遮光断熱でき室温を下げさらに植物による遮光断熱効果を倍増させることができる。また、本発明の遮光断熱ブロック封入ネットは屋上断熱に用いても軽量であり、必要量の遮光断熱効果を得る為に二重三重と重積が可能なうえ大掛かりな工事が不要な遮光断熱ブロック封入ネットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術が有する課題を解決するこの発明の請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネットは、断熱部材となる軽石、発泡樹脂等を遮光部材となるアルミ箔又はアルミ蒸着フィルム等のアルミ素材で全体または太陽光があたる面を覆い、これを遮光断熱ブロックとして、前記ブロックをネットで封入して連結させたことを特徴とする遮光断熱ブロック封入ネットであることを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明の請求項2記載の遮光断熱ブロック封入ネットは、遮光断熱ブロックをネットで一個ずつ個別に封入していることで、ブロック単位でネットを切り取って使用できることを特徴とする請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネットであることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、この発明の請求項3記載の遮光断熱ブロック封入ネットは、遮光断熱ブロックを荒目のネットで一個ずつ個別に封入していることで、前記ブロックを個別で前記ネットより取り出し入れが出来ることを特徴とする請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネットとしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネットによれば、既存建築物の屋上、屋根、壁、窓など、また農業用ハウスなど様々なもので使用できる遮光断熱ブロック封入ネットを提供することができる。既存建築物の屋上、屋根に施工する場合、必要量の遮光断熱効果を得るために二重三重と重積が可能であり大掛かりな施工が必要ない。また、窓に使用した場合、夜間に屋外から明るい室内が丸見えになるということがない。
【0011】
また、農業用として用いた場合、虫は強い光を嫌う傾向がありアルミ素材で覆われた遮光断熱ブロックは強い光を反射し虫除け効果があるため虫除けの遮光断熱ブロック封入ネットを提供することができる。
【0012】
さらに、この発明の遮光断熱ブロック封入ネットによれば、遮光断熱ブロックを比重1以下にすることで海水面に浮かして魚介類、海苔の養殖において遮光断熱が出来る。
【0013】
また、近年蔓植物を用いた登攀ネットによる壁面緑化で遮光断熱が行われるが、従来技術においては植物が繁茂するまでは遮光できないため室温を下げることができなかったが、本発明を蔓植物の登攀ネットとして用いれば、当初より遮光断熱ができ室温を下げ植物による遮光断熱効果を倍増させることができる。
【0014】
また、この発明の請求項2記載の遮光断熱ブロック封入ネットによれば、ブロック単位でネットの切り取りが出来るため設置面の大きさに合せて使用でき、既存建築物の屋上、屋根、壁、窓など、また農業用ハウスなど様々なもので使用できる遮光断熱ブロック封入ネットを提供することができる。
【0015】
さらに、この発明の請求項3記載の遮光断熱ブロック封入ネットによれば、窓の遮光に用いた場合等、遮光断熱ブロックを荒目のネットで一個ずつ個別に封入していることで、遮光断熱ブロックを個別に取り外すことができる為、部分的に視界を得ることができる。また前記ブロックが破損した場合には個別に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の遮光断熱ブロック封入ネットの一部断面図である。
【図2】この発明の遮光断熱ブロック封入ネットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2はこの発明の遮光断熱ブロック封入ネットの一実施の形態にかかり、図1は遮光断熱ブロック封入ネットの一部断面図、図2は遮光断熱ブロック封入ネットの平面図である。
【0018】
図1は、遮光断熱ブロック封入ネットの一部断面図であり、図2は遮光断熱ブロック封入ネットの平面図である。遮光断熱ブロック(30)は断熱部材となる、軽石、発泡樹脂等(10)を遮光部材となるアルミ箔又はアルミ蒸着フィルム等のアルミ素材(20)で覆い、遮光断熱ブロック(30)としている。
【0019】
遮光断熱ブロック(30)の形状大きさは特に限定する物ではないが、形状は面取りをした扁平な立方体として一辺(a)約10cm、厚さ(b)、5mm〜2cm程度が望ましい。また、魚介類、海苔の養殖において海水面に浮かして遮光断熱として用いる場合は、遮光断熱ブロック(30)は、比重1以下にする。
【0020】
上記遮光断熱ブロック(30)に用いる断熱部材(10)は、遮光断熱ブロック封入ネットを使用する場所に応じて選択すればよい。屋上の遮光断熱として用いる断熱部材(10)としては、人工または自然の軽石を使用し、また、窓の遮光断熱として用いる断熱部材(10)としては、より軽い発泡樹脂を用いることなど選択すればよい。
【0021】
上記遮光断熱ブロック(30)に用いる遮光部材(20)は、遮光断熱ブロック封入ネットを使用する場所に応じて選択すればよい。屋上の遮光断熱として用いる遮光部材(20)は、アルミをコーティング、またはアルミ箔を使用する。また、窓の遮光断熱として用いる遮光部材(20)としては、より軽いアルミ蒸着フィルムを用いることができる。また、魚介類、海苔の養殖において遮光断熱として用いる場合は、耐海水性のアルミ蒸着フィルムが望ましい。
【0022】
図2は遮光断熱ブロック封入ネットの平面図であり、反対面も同一である。ネット部材は使用目的に応じて耐久性がある物であれば良く素材は限定しない。
【0023】
ネット(40)は、(d)で表面および裏面で結着し遮光断熱ブロックを一個ずつ個別にネット(40)で封入していることで、(e)でネットを切り取って使用できる。これにより、使用目的に応じた大きさで使用できる。
【0024】
また、ネット(40)は遮光断熱ブロック(30)上では交差するのみで結着しない(c)。これにより、遮光断熱ブロックを個別に前記ネットより取り出し入れが可能であり、窓の遮光断熱として用いた場合、前記ブロック(30)を前記ネット(40)より個別に取り出し必要な視界の確保ができる。さらに遮光断熱ブロック(30)が破損した場合個別に交換が出来る。
【符号の説明】
【0025】
10断熱部材となる、軽石、発泡樹脂等
20遮光部材となるアルミ箔又はアルミ蒸着フィルム等のアルミ素材
30遮光断熱ブロック
a 遮光断熱ブロックの一辺の長さ
b 遮光断熱ブロックの厚さ
40ネット
c ネット交差部
d ネット結着部
e ネット切断可能部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱部材となる、軽石、発泡樹脂等を遮光部材となるアルミ箔又はアルミ蒸着フィルム等のアルミ素材で全体または太陽光があたる面を覆い、これを遮光断熱ブロックとして、前記ブロックをネットで封入して連結させたことを特徴とする遮光断熱ブロック封入ネット。
【請求項2】
上記遮光断熱ブロックをネットで一個ずつ個別に封入していることで、前記ブロック単位でネットを切り取って使用できることを特徴とする請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネット。
【請求項3】
上記遮光断熱ブロックを荒目のネットで一個ずつ個別に封入していることで、前記ブロックを個別に前記ネットより取り出し入れが出来ることを特徴とする請求項1記載の遮光断熱ブロック封入ネット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−132292(P2012−132292A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294822(P2010−294822)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(595076330)
【Fターム(参考)】