説明

遮断弁装置

【課題】空調機等の冷媒の流れを遮断する遮断弁装置に用いられる電磁弁等の遮断弁の動作確認を容易かつ確実に行う。
【解決手段】入口冷媒流路に取り付けられた第1の遮断弁9と、出口冷媒流路に取り付けられた第2の遮断弁10と、冷媒漏れ検出器7の出力信号を入力する外部入力手段22とを有し、外部入力手段の状態に基づいて第1及び第2の遮断弁を開閉することにより、入ロ及び出口冷媒流路を開放又は遮断する遮断弁装置14であって、第1の遮断弁と第2の遮断弁とを各々独立して駆動する駆動手段R1、R2を備える遮断弁装置。第1及び第2の遮断弁の点検の際に、動作させている遮断弁を表示する表示手段L1、L3を備えることができ、表示手段は、第1及び第2の遮断弁の点検の際に動作させている遮断弁の開弁又は閉弁状態を表示してもよい。第1及び第2の遮断弁を電磁弁とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機、冷凍・冷蔵機器等に使用されている冷媒が漏れたときに、冷媒の流れを遮断して冷媒の漏れを防ぐ遮断弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止の観点から、空調機や冷凍・冷蔵機器等からの冷媒漏れが問題になっている。そのため、冷媒漏れ検出器を設置し、その外部出力手段を遮断弁装置に接続し、冷媒の漏れを検出した場合には、冷媒漏れ検出器の外部出力手段から警報信号を出力し、これを受信した遮断弁装置が、室内機等の入口及び出口冷媒流路に設置された2台の電磁弁(遮断弁)を閉弁して冷媒の流れを止め、冷媒の外部への漏洩を防ぐ対策が検討されている。このような遮断弁及び遮断弁装置の一例は、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭61−513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遮断弁装置は、新規の設置や修理、交換又は定期点検等の際に、2台の電磁弁の点検を行うことが多く、各電磁弁が各々正常に動作するか否か、すなわち、開弁及び閉弁の動作確認を行う場合が多い。この種の遮断弁装置は、冷媒漏れが発生した場合の冷媒流路の遮断を目的として設置されていることから、一般的に室内機等の入口及び出口の冷媒流路に取り付けられた2台の電磁弁の開弁及び閉弁の動作タイミングが同時である。
【0005】
しかし、遮断弁装置に用いられる電磁弁の開閉動作の確認は、通常各電磁弁の動作時の音や振動で行うことが多いため、2台の電磁弁が同じタイミンクで開弁及び閉弁動作すると、一方の電磁弁が故障等で動作していなかった場合でも、他方の電磁弁が正常に動作すると、動作音や振動が発生するため、もう一方の電磁弁が故障していることが判らないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の遮断弁装置における問題点に鑑みてなされたものであって、遮断弁装置に用いられる2台の電磁弁等の遮断弁の動作確認を容易かつ確実に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、入口冷媒流路に取り付けられた第1の遮断弁と、出口冷媒流路に取り付けられた第2の遮断弁と、冷媒漏れ検出器の出力信号を入力する外部入力手段とを有し、該外部入力手段の状態に基づいて前記第1及び第2の遮断弁を開閉することにより、前記入ロ及び出口冷媒流路を開放又は遮断する遮断弁装置であって、前記第1の遮断弁と前記第2の遮断弁とを各々独立して駆動する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、各遮断弁を開閉動作させるための駆動手段を各々独立して設けたので、第1及び第2の遮断弁の点検の際には、第1及び第2の遮断弁を同時に開弁及び閉弁しないようにすることができる。すなわち、一方の遮断弁だけを開弁及び閉弁動作させることができるため、例えば、第2の遮断弁を動作させない状態で第1の遮断弁を開弁、閉弁動作させた後、第1の遮断弁を動作させない状態で、第2の遮断弁を開弁、閉弁動作させることができる。このように一方の遮断弁しか動作させないことによって、動作させている遮断弁が故障している場合には、開弁又は閉弁、もしくは両方の動作が行われないため、動作時の音や振動が発生せず、故障であることを容易に判断することができる。
【0009】
上記遮断弁装置において、前記第1及び第2の遮断弁の点検の際に、動作させている遮断弁を表示する表示手段を備えるように構成することができる。これにより、点検中に遮断弁から動作音や振動が発生しない場合でも、表示手段によって、動作させようとしている遮断弁を特定することができるため、故障している遮断弁を容易に確認することができる。
【0010】
上記表示手段は、前記第1及び第2の遮断弁の点検の際に動作させている遮断弁の開弁又は閉弁状態を表示することができる。これにより、開弁時又は閉弁時のどちらか一方で動作音や振動が発生しないような故障の場合でも、表示手段によって、開弁時の故障であるか、閉弁時の故障であるかを容易に確認することができる。
【0011】
上記遮断弁装置において、前記遮断弁を電磁弁とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、遮断弁装置に用いられる2台の電磁弁等の遮断弁の動作確認を容易かつ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明にかかる遮断弁装置を用いた空調設備の一例を示す構成図である。
【図2】本発明にかかる遮断弁装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図3】図2の遮断弁装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2の遮断弁装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2の遮断弁装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかる遮断弁装置を用いた空調設備であって、複数の部屋を備えたビルなどに設置された空調設備の一例を示す。同図は、上記複数の部屋の冷房を行っている状態を示し、冷媒の流れる方向を矢印で示している。
【0016】
この空調設備1は、圧縮機2と、凝縮器3と、室外ファン3aとを備えた室外機12と、この室外機12に並列に配管15によって接続され、膨張弁4(4A〜4C)と、蒸発器5(5A〜5C)と、室内ファン6(6A〜6C)とを備えた複数の室内機13(13A〜13C)と、各室内機13と室外機12との間で冷媒が流れる入口、出口配管に設置された入口側電磁弁(第1の遮断弁)9(9A〜9C)及び出口側電磁弁(第2の遮断弁)10(10A〜10C)と、遮断弁制御部8(8A〜8C)とを備えた各遮断弁装置14(14A〜14C)等で構成され、室内機13が取り付けられた各室内には、冷媒漏れ検出器7(7A〜7C)が設置され、その出力が各遮断弁装置14の遮断弁制御部8に入力される。
【0017】
なお、上記空調設備1において、1台の室外機12に接続される室内機13の台数は任意であり、本実施の形態では3台設置しているが、1台でも、4台以上でもよい。また、1台の遮断弁装置14に接続される室内機13の台数も任意であり、本実施の形態では、1台の遮断弁装置14に1台の室内機13を接続しているが、1台の遮断弁装置14に対して並列に3台の室内機13を接続してもよい。
【0018】
さらに、1台の室内機13に対する冷媒漏れ検出器7の台数、及び1台の冷媒漏れ検出器7に対する室内機13の台数も任意で、本実施の形態では、1台の室内機13に対して冷媒漏れ検出器7を1台設けているが、3台の室内機13に対して1台の冷媒漏れ検出器7を設けてもよく、1台の室内機13に対して冷媒漏れ検出器7を3台設置してもよい。
【0019】
遮断弁装置14の遮断弁制御部8は、図2に示すように、図示しない電源回路、例えばスイッチング電源等を備え、この電源回路に、例えば商用電源であるAC200Vを入力し、制御回路で必要なDC12VやDC5Vなどの直流電源に変換する。
【0020】
遮断弁制御部8のマイコン21は、プログラムを実行するCPU21aと、プログラムや定数を記憶するROM21bと、変数や各種フラグを記憶するRAM21cと、周辺回路との信号の入出力に必要なI/Oポート21dと、時間を計測するタイマ21eなどを備え、これらの構成要素は互いに内部バスで接続されている。
【0021】
外部入力回路22は、フォトカプラなどで構成された無電圧接点入力回路であり、通常、冷媒漏れ検出器7の外部出力手段であるリレー接点が接続される。冷媒漏れ検出器7は、冷媒漏れを監視しているとき、すなわち、冷媒漏れを検出していないときには外部出力手段のリレー接点を短絡し、冷媒漏れを検出すると開放する。遮断弁装置14の外部入力は、この冷媒漏れ検出器7の外部出力手段の開閉状態を外部入力回路22で検出する。
【0022】
図1に示すように、入口側電磁弁9は、室内機13の入口配管に取り付けられ、室内機13に流れ込む冷媒の流れを開放、遮断する。また、出口側電磁弁10は、室内機13の出口配管に取り付けられ、室内機13から流れ出る冷媒の流れを開放、遮断する。両電磁弁9、10は、通電時に開弁して冷媒を流し、電源切断時には閉弁して冷媒の流れを遮断する。
【0023】
図2に示すリレー1(R1)は、第1の駆動手段として入口側電磁弁9を駆動するために備えられ、その接点を短絡すると、例えばAC200Vの電源を入口側電磁弁9に通電して入口側電磁弁9を開弁し、その接点を開放すると、AC200Vの電源が切断されて入口側電磁弁9が閉弁する。
【0024】
リレー1(R1)の駆動回路RD1は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してリレー1(R1)を駆動する。
【0025】
リレー2(R2)は、第2の駆動手段として出口側電磁弁10を駆動するために備えられ、その接点を短絡すると、例えばAC200Vの電源を出口側電磁弁10に通電して出口側電磁弁10を開弁し、その接点を開放すると、AC200Vの電源が切断されて出口側電磁弁10が閉弁する。
【0026】
リレー2(R2)の駆動回路RD2は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してリレー2(R2)を駆動する。
【0027】
リレー3(R3)は、外部出力手段として機能し、電磁弁9、10の開弁時には接点を開放し、電磁弁9、10の閉弁時には接点を短絡させ、電磁弁9、10の開閉状態を外部に出力する。この外部出力手段は、一般にビルの集中監視装置等に接続され、警報信号として使用される。
【0028】
リレー3(R3)の駆動回路RD3は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してリレー3(R3)を駆動する。
【0029】
LED1(緑)L1は、表示手段の一つとしての電源ランプであって、電源通電中に点灯する。このLED1(緑)L1の駆動回路LD1は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してLED1(緑)L1を点灯させる。また、LED1(緑)L1は、入口側電磁弁9の点検時には入口側電磁弁9を動作させていることを示す表示を行い、具体的には入口側電磁弁9を開弁、閉弁動作させているときにLED1(緑)L1が点灯する。
【0030】
LED2(橙)L2は、表示手段の一つとしての開弁ランプであって、外部入力が短絡し、電磁弁9、10が開弁しているときに点灯する。このLED2(橙)L2の駆動回路LD2は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してLED2(橙)L2を点灯させる。また、LED2(橙)L2は、入口側電磁弁9又は出口側電磁弁10の点検時には、動作させている入口側電磁弁9又は出口側電磁弁10の開弁、閉弁状態を表示する。具体的には入口側電磁弁9又は出口側電磁弁10が開弁しているときには点灯し、入口側電磁弁9又は出口側電磁弁10が閉弁しているときには消灯する。
【0031】
LED3(赤)L3は、表示手段の一つとしての警報ランプであって、外部入力が開放し、電磁弁9、10が閉弁しているときに点灯する。このLED3(赤)L3の駆動回路LD3は、トランジスタなどで構成され、マイコン21からの信号を増幅してLED3(赤)L3を点灯させる。また、LED3(赤)L3は、出口側電磁弁10の点検時には出口側電磁弁10を動作させていることを示す表示を行い、具体的には出口側電磁弁10を開弁、閉弁動作させているときにLED3(赤)L3が点灯する。
【0032】
遮断弁装置14は、閉弁の自己保持機能を備え、冷媒漏れ検出器7が冷媒漏れを検出し、外部出力手段のリレー接点を開放すると、これに接続された遮断弁装置14の外部入力回路22が開放状態となるため、遮断弁装置14は、電磁弁9、10を閉弁し、リレー3(R3)を短絡状態にして開弁ランプであるLED2(橙)L2を消灯し、警報ランプであるLED3(赤)L3を点灯させ、この状態を保持する。その後、冷媒の遮断と換気等により室内の冷媒漏れ量が低下すると、冷媒漏れ検出器7が外部出力手段のリレー接点を短絡に戻すが、遮断弁装置14は一度閉弁するとその状態を自己保持するため、電磁弁9、10は開弁しない。
【0033】
この電磁弁9、10の閉弁の自己保持を解除するのが復帰スイッチ23であり、復帰スイッチ23を例えば3秒以上長押しすると、遮断弁装置14の閉弁の自己保持が解除され、電磁弁9、10が開弁され、リレー3(R3)を開放状態にして警報ランプであるLED3(赤)L3を消灯し、開弁ランプであるLED2(橙)L2を点灯させる。
【0034】
復帰スイッチ23の押下状態は、抵抗やコンデンサで構成された復帰スイッチ入力回路24を介してマイコン21に入力される。
【0035】
また、テストスイッチ25を例えば3秒以上長押しすることによって、電磁弁9、10の点検を行うことができる。例えば、ランプや電磁弁の点検を行う場合、テストスイッチ25を3秒以上長押しすると、LED1(緑)L1、LED2(橙)L2、LED3(赤)L3が順次点灯していき、その後に入口側電磁弁9が開弁、閉弁動作し、その後に出口側電磁弁10が開弁、閉弁動作する。
【0036】
また、電磁弁9、10の点検中、入口側電磁弁9を開弁、閉弁動作させているときには、LED1(緑)L1を点灯させ、また、出口側電磁弁10を開弁、閉弁動作させているときにはLED3(赤)L3を点灯させる。さらに、電磁弁9、10が開弁動作されているときにはLED2(橙)L2を点灯させ、電磁弁9、10が閉弁動作されているときにはLED2(橙)L2を消灯する。
【0037】
テストスイッチ25の押下状態は、抵抗やコンデンサで構成されたテストスイッチ入力回路26を介してマイコン21に入力される。
【0038】
なお、外部出力手段であるリレー3(R3)には、例えば換気扇や警報装置を接続してもよく、ビルの集中監視装置に限定されない。また、本実施の形態では、閉弁状態を自己保持としたが、これに限るものではなく、例えば自動復帰でもよく、その場合、復帰スイッチ23は不要になる。
【0039】
さらに、上記LEDの数量も任意であり、3個に限るものではなく、1個や2個、4個以上でもよい。例えば、警報ランプや電源ランプを設けなくともよい。また、外部入力の開閉状態を点灯/消灯で表す外部入力ランプなどを追加してもよい。
【0040】
さらにまた、上記スイッチの数量も任意であり、3個や1個でもよく、例えば復帰スイッチ23を備えるだけでもよく、その場合、電磁弁9、10の点検は、例えば復帰スイッチ23を5秒以上長押しなどによって開始してもよい。
【0041】
なお、スイッチの操作方法や押下時間も任意で、本実施の形態では、電磁弁9、10の点検を開始するための操作方法としてテストスイッチ25を3秒以上長押しとしたが、これに限らず、例えばテストスイッチ25を5秒以上長押しとしたり、復帰スイッチ23とテストスイッチ25とを同時に2秒以上長押しすることとしてもよい。
【0042】
また、外部入力の数量も任意で、本実施の形態では、一つとしたがこれに限らず、冷媒漏れ検出器を複数接続できるように2つ以上の外部入力を設けてもよい。
【0043】
なお、遮断する冷媒は、例えばR12、R22、R134a、R404A、R410A、R407C、R32、R1234yfなど様々な冷媒を対象とすることができ、対象とする冷媒は、任意に選択することができ、これらに限るものではない。
【0044】
次に、図3及び図4を中心に参照しながら、例えばLED1(緑)L1〜LED3(赤)L3、入口側電磁弁9及び出口側電磁弁10を点検する遮断弁装置14の一連の点検動作について説明する。図3及び図4のフローチャートは、マイコン21のROM21bに格納されているプログラムの一部を説明するためのものであり、図3はイニシャル部分、図4はループ部分である。なお、図3及び図4、並びに以下の説明においては、LED1(緑)L1、LED2(橙)L2、LED3(赤)L3を各々単に、LED1、LED2、LED3と表記し、入口側電磁弁9をSVin、出口側電磁弁10をSVoutと表記する。また、図3〜図5において、「○」は、LED1〜3の消灯状態、「●」は、LED1〜3の点灯状態、「開」は、SVin、SVoutの開弁状態、「閉」は、SVin、SVoutの閉弁状態を各々表している。
【0045】
まず、図3を中心に参照しながら、イニシャル処理について説明する。
【0046】
ステップS1において、テストスイッチ25が3秒以上押下されているか否かを判断する。テストスイッチ25が3秒以上押下されている場合には(ステップS1;Yes)、ステップS2において、テストフラグFtをセット(1)し、ステップS3において、1秒を計測するタイマT1sをスタートさせて1秒の計測を開始し、ステップS4において、テストカウンタCtをクリア(0)し、ステップS5において、LED1、2、3を消灯し、SVin及びSVoutを開弁してイニシャル処理を終える。一方、テストスイッチ25が3秒以上押下されていないときには(ステップS1;No)、何もしないで処理を終える。
【0047】
次に、図4を中心に参照しながら、ループ部分について説明する。
【0048】
ステップS11において、図3でセットしたテストフラグFtがセット(1)されているか否かを判断する。ここで、テストフラクFtがセット(1)されている場合には(ステップS11;Yes)、ステップS12において、テストカウンタCtが0であるか否かを判断する。一方、テストフラグFtがセット(1)されてないときには(ステップS11;No)、何も実行しないで処理を終える。
【0049】
ステップS12において、テストカウンタCtが0の場合には(ステップS12;Yes)、ステップS13において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、図3でLED1、2、3を消灯し、SVin及びSVoutを開弁してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしていた場合には(ステップS13;Yes)、すなわち、図3でLED1、2、3を消灯し、SVin及びSVoutを開弁してから1秒経過しているときには、ステップS14において、LED1を点灯させ、ステップS15において、テストカウンタCtに1を加え(Ct=1)、ステップS16において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS13;No)、何もしないで処理を終える。
【0050】
一方、ステップS12において、Ctが0でない場合には(ステップS12;No)、ステップS17において、Ctが1であるか否かを判断する。Ctが1である場合には(ステップS17;Yes)、ステップS18において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED1が点灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED1が点灯してから1秒経過している場合には(ステップS18;Yes)、ステップS19において、LED1を消灯してLED2を点灯させ、ステップS20において、Ctに1を加え(Ct=2)、ステップS21において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS18;No)、何もしないで処理を終える。
【0051】
ステップS17において、Ctが1でない場合には(ステップS17;No)、ステップS22において、Ctが2であるか否かを判断する。Ctが2である場合には(ステップS22;Yes)、ステップS23において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED2が点灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED2が点灯してから1秒経過している場合には(ステップS23;Yes)、ステップS24において、LED2を消灯してLED3を点灯させ、ステップS25において、Ctに1を加え(Ct=3)、ステップS26において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS23;No)、何もしないで処理を終える。
【0052】
ステップS22において、Ctが2でない場合には(ステップS22;No)、ステップS27において、Ctが3であるか否かを判断する。Ctが3である場合には(ステップS27;Yes)、ステップS28において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED3が点灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED3が点灯してから1秒経過している場合には(ステップS28;Yes)、ステップS29において、LED3を消灯してLED1、2を点灯させ、ステップS30において、Ctに1を加え(Ct=4)、ステップS31において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS28;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED1の点灯は、SVinが動作中であることを示し、LED2の点灯は、SVinが開弁状態であることを示す。
【0053】
ステップS27において、Ctが3でない場合には(ステップS27;No)、ステップS32において、Ctが4であるか否かを判断する。Ctが4である場合には(ステップS32;Yes)、ステップS33において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED3が消灯し、LED1、2が点灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED3が消灯し、LED1、2が点灯してから1秒経過している場合には(ステップS33;Yes)、ステップS34において、SVinを閉弁し、LED2を消灯し、ステップS35において、Ctに1を加え(Ct=5)、ステップS36において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS33;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の消灯は、SVinが閉弁状態であることを表している。
【0054】
ステップS32において、Ctが4でない場合には(ステップS32;No)、ステップS37において、Ctが5であるか否かを判断する。Ctが5である場合には(ステップS37;Yes)、ステップS38において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVinを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVinを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過している場合には(ステップS38;Yes)、ステップS39において、SVinを開弁し、LED2を点灯させ、ステップS40において、Ctに1を加え(Ct=6)、ステップS41において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS38;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の点灯はSVinが開弁状態であることを表している。
【0055】
ステップS37において、Ctが5でない場合には(ステップS37;No)、ステップS42において、Ctが6であるか否かを判断する。Ctが6である場合には(ステップS42;Yes)、ステップS43において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVinを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVinを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過している場合には(ステップS43;Yes)、ステップS44において、LED1を消灯し、LED3を点灯させ、ステップS45において、Ctに1を加え(Ct=7)、ステップS46において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS43;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED1の消灯、及びLED3の点灯は、SVinの動作終了、及びSVoutの動作中を表す。また、点灯中のLED2は、SVoutの開弁状態を表している。
【0056】
ステップS42において、Ctが6でない場合には(ステップS42;No)、ステップS47において、Ctが7であるか否かを判断する。Ctが7である場合には(ステップS47;Yes)、ステップS48において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED1を消灯し、LED3を点灯させてから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED1を消灯し、LED3を点灯させてから1秒経過している場合には(ステップS48;Yes)、ステップS49において、SVoutを閉弁し、LED2を消灯し、ステップS50において、Ctに1を加え(Ct=8)、ステップS51において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS48;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の消灯は、SVouthが閉弁状態であることを表している。
【0057】
ステップS47において、Ctが7でない場合には(ステップS47;No)、ステップS52において、Ctが8であるか否かを判断する。Ctが8である場合には(ステップS52;Yes)、ステップS53において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVoutを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVoutを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過している場合には(ステップS53;Yes)、ステップS54において、SVoutを開弁し、LED2を点灯させ、ステップS55において、Ctに1を加え(Ct=9)、ステップS56において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS53;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の点灯は、SVoutの開弁状態を表す。
【0058】
ステップS52において、Ctが8でない場合には(ステップS52;No)、Ctが9であるため、ステップS57において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVoutを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVoutを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過している場合には(ステップS57;Yes)、ステップS58において、テストフラクFtをクリア(0)して処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS57;No)、何もしないで処理を終える。
【0059】
次に、遮断弁装置14の動作の他の例について、図5を中心に参照しながら説明する。この例では、点検時に例えばLED1がSVinの開弁及び閉弁状態を表し、LED2がSVoutの開弁及び閉弁状態を表している。イニシャル部分の動作は、図3と同じであり、ループ部分は、スタートしてからLEDの点検を完了するまでのステップS61〜S81までは、図4のステップS11〜S31と同じであり、これらについての説明を省略する。
【0060】
ステップS77において、Ctが3でない場合には(ステップS77;No)、ステップS82において、Ctが4であるか否かを判断する。Ctが4である場合には(ステップS82;Yes)、ステップS83において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、LED3が消灯し、LED1、2が点灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、LED3が消灯し、LED1、2が点灯してから1秒経過している場合には(ステップS83;Yes)、ステップS84において、SVinを閉弁し、LED1を消灯し、ステップS85において、Ctに1を加え(Ct=5)、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS83;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED1の消灯は、SVinが閉弁状態であることを表している。
【0061】
ステップS82において、Ctが4でない場合には(ステップS82;No)、ステップS87において、Ctが5であるか否かを判断する。Ctが5である場合には(ステップS87;Yes)、ステップS88において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVinを閉弁し、LED1を消灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVinを閉弁し、LED1を消灯してから1秒経過している場合には(ステップS88;Yes)、ステップS89において、SVinを開弁し、LED1を点灯させ、ステップS90において、Ctに1を加え(Ct=6)、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS88;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED1の点灯はSVinが開弁状態であることを表している。
【0062】
ステップS87において、Ctが5でない場合には(ステップS87;No)、ステップS92において、Ctが6であるか否かを判断する。Ctが6である場合には(ステップS92;Yes)、ステップS93において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVinを開弁し、LED1を点灯させてから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVinを開弁し、LED1を点灯させてから1秒経過している場合には(ステップS93;Yes)、ステップS94において、SVoutを閉弁し、LED2を消灯し、ステップS95において、Ctに1を加え(Ct=7)、ステップS96において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS93;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の消灯は、SVoutの閉弁状態を表している。
【0063】
ステップS92において、Ctが6でない場合には(ステップS92;No)、ステップS97において、Ctが7であるか否かを判断する。Ctが7である場合には(ステップS97;Yes)、ステップS98において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVoutを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVoutを閉弁し、LED2を消灯してから1秒経過している場合には(ステップS98;Yes)、ステップS99において、SVoutを開弁し、LED2を点灯させ、ステップS100において、Ctに1を加え(Ct=8)、ステップS101において、再び1秒を計測するタイマT1sをスタートして処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS98;No)、何もしないで処理を終える。ここで、LED2の点灯は、SVoutの開弁状態を表す。
【0064】
ステップS97において、Ctが7でない場合には(ステップS97;No)、Ctが8であるため、ステップS102において、タイマT1sがタイムアップしているか、すなわち、SVoutを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過したか否かを判断する。タイマT1sがタイムアップしている場合、すなわち、SVoutを開弁し、LED2を点灯させてから1秒経過している場合には(ステップS102;Yes)、ステップS103において、テストフラグFtをクリア(0)して処理を終える。なお、タイマT1sがタイムアップしていないときには(ステップS102;No)、何もしないで処理を終える。
【0065】
なお、上記実施の形態においては、遮断弁装置14の遮断弁として電磁弁9、10(SVin、SVout)を用いたが、電磁弁以外にも電動弁等他の弁を遮断弁として用いることもできる。
【符号の説明】
【0066】
1 空調設備
2 圧縮機
3 凝縮器
3a 室外ファン
4(4A〜4C) 膨張弁
5(5A〜5C) 蒸発器
6(6A〜6C) 室内ファン
7(7A〜7C) 冷媒漏れ検出器
8(8A〜8C) 遮断弁制御部
9(9A〜9C) 入口側電磁弁
10(10A〜10C) 出口側電磁弁
12 室外機
13(13A〜13C) 室内機
14(14A〜14C) 遮断弁装置
15 配管
21 マイコン
21a CPU
21b ROM
21c RAM
21d I/Oポート
21e タイマ
22 外部入力回路
23 復帰スイッチ
24 復帰スイッチ入力回路
25 テストスイッチ
26 テストスイッチ入力回路
L1 LED1(緑)
L2 LED2(橙)
L3 LED3(赤)
LD1 LED1(緑)駆動回路
LD2 LED2(橙)駆動回路
LD3 LED3(赤)駆動回路
R1 リレー1
R2 リレー2
R3 リレー3
RD1 リレー1駆動回路
RD2 リレー2駆動回路
RD3 リレー3駆動回路
SVin 入口側電磁弁
SVout 出口側電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口冷媒流路に取り付けられた第1の遮断弁と、
出口冷媒流路に取り付けられた第2の遮断弁と、
冷媒漏れ検出器の出力信号を入力する外部入力手段とを有し、
該外部入力手段の状態に基づいて前記第1及び第2の遮断弁を開閉することにより、前記入ロ及び出口冷媒流路を開放又は遮断する遮断弁装置であって、
前記第1の遮断弁と前記第2の遮断弁とを各々独立して駆動する駆動手段を備えることを特徴とする遮断弁装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の遮断弁の点検の際に、動作させている遮断弁を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の遮断弁装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記第1及び第2の遮断弁の点検の際に動作させている遮断弁の開弁又は閉弁状態を表示することを特徴とする請求項2に記載の遮断弁装置。
【請求項4】
前記遮断弁は、電磁弁であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遮断弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−19621(P2013−19621A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154421(P2011−154421)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)