遮蔽格納装置のための統合コネクタ遮蔽リング
【課題】遮蔽格納装置のための統合コネクタ遮蔽リングを提供する。
【解決手段】遮蔽格納装置内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングであって、印刷配線基板18上のシャーシグラウンドリング16と、前記開口内のコネクタ14の外部に電気接続された第1の末端、および前記シャーシグラウンドリング16に電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リング10とを備え、前記金属リングがアップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【解決手段】遮蔽格納装置内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングであって、印刷配線基板18上のシャーシグラウンドリング16と、前記開口内のコネクタ14の外部に電気接続された第1の末端、および前記シャーシグラウンドリング16に電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リング10とを備え、前記金属リングがアップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は電磁干渉シールドのための装置および方法に関し、より詳細には遮蔽格納装置内のコネクタによって生成される開口を遮蔽するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]回路カードから放射し、次に遮蔽格納装置内の最大開口であるコネクタ開口を介して電子遮蔽格納装置から射出する高周波放出を生成する、周波数が極めて高いクロックおよび発振器を備えた多くのシステムが存在している。金属材料でできた、あるいは金属材料でコーティングされた材料でできたEMI遮蔽格納装置の使用は、放射放出を制御するために航空宇宙アプリケーションでは極めて広く使用されている。金属壁による電磁干渉(EMI)シールドは、金属コートまたは箔シート上に噴霧され、あるいは塗られた金属壁などのごく薄い壁であっても極めて有効である。遮蔽有効性を表す式は、次の公式(I)で与えられる。
【0003】
SE=A+R−B (I)
上式で
SEは金属遮蔽の遮蔽有効性であり、
A=吸収損
R=反射損、および
B=多重反射損
である。
【0004】
[0003]多重反射損は、アルミニウム箔または金属コーティング上の噴霧などの極めて薄い金属シートにのみ適用することができる。図1は、薄い箔シートの遮蔽有効性を示したものである。近距離F場は、高周波放出源から遮蔽までの距離がλ/2π未満の場合に考慮されることに留意されたい。最も高い約1ギガヘルツ(GHz)の重要な周波数においても、λ/2π≒4.826cm(1.9インチ)である。したがって遮蔽格納装置壁は、格納装置内の高周波放出源の近距離場に存在している。
【0005】
[0004]高周波放出源は、高インピーダンス電圧源などの電気源または低インピーダンス電流ループなどの磁気源のいずれかであってもよいが、ほとんどの高周波放出源は、純然たる電気源あるいは磁気源のいずれでもない。図1では、近距離場磁気減衰は極めて小さいことに留意されたい。しかしながら、重要なほとんどの高周波放出源は、主として、高インピーダンス・クロック・トレースなどの電気源である。これらの主として電界源の場合、アルミニウム遮蔽は、遠距離場平面波減衰と比較すると極めて程度の高い減衰を提供する。したがって遠距離場平面波減衰を使用することにより、遭遇するほとんどの雑音源に対して良好な安全マージンが提供される。低周波磁界の場合はその限りではない。
【0006】
[0005]金属遮蔽格納装置の最大の限界の1つは、入/出力(I/O)インターフェースである。遮蔽格納装置に入力し、また、遮蔽格納装置から出力するためのI/O信号のために必要なコネクタおよび他の開口は、遮蔽格納装置内に破損部分を生成し、遮蔽格納装置内への電磁エネルギーの入射および遮蔽格納装置からの電磁エネルギーの射出を許容する。コネクタは、通常、コネクタピンが取り付けられる誘電体インサートを有している。このインサートは、円形コネクタの場合、図2Aに示されているようにコネクタ開口L1の最大寸法に等しい電気的長さを有する開口を生成する。信号の波長と比較すると直径が極めて小さく、また、遮蔽有効性は公式(II)によって制御されるため、低周波信号の場合、これは問題ではない。
【0007】
SE=20log(λ/2L) (II)
上式で
SEは開口遮蔽有効性であり、
Lは開口の最長寸法であり、
λはc/fであり、
cは光の速度であり、また、
fは雑音源の周波数である。
【0008】
[0006]したがって、図3に示されているように、周波数が低い場合、コネクタ開口は、金属材料平面波減衰より大きい遮蔽有効性を提供する。しかしながら、周波数が高くなると、コネクタ開口の遮蔽有効性は、最終的には材料減衰未満に低下し、格納装置の最大減衰を制限する。λ=2×Lである周波数より高い周波数では、開口は全く減衰を提供しない。
【0009】
[0007]周波数が高くなる一方のシステムの出現に伴い、I/O開口は、より大きい放射源になっている。周期信号は、時間領域信号の一次周波数の高調波でフーリエ級数展開に展開する。したがってクロック源および切替え源などの周期信号は、ほとんど減衰しないか、あるいは全く減衰することなくコネクタ開口から放射する高周波高調波を有することになる。この効果は、図2Bに示されているように、コネクタ開口の上に金属シャーシグラウンドリングを置くことによって小さくすることができる。直径がL1である1つの大きい孔を有する代わりに、直径がL2の多くのより小さい孔を有することにより、開口の遮蔽有効性が高くなる。
【0010】
[0008]以下の公式(III)は、複数の孔の効果に対する式である。また、図3には、同じく、単一のコネクタ開口の遮蔽有効性と比較した、19個の0.1524cm(60ミル)開口に対する複合開口遮蔽有効性が示されている。遮蔽有効性の正味の改善は、この構成の場合、11.2dBである。
【0011】
SE=20×log(λ/2L)−20×log(N1/2) (III)
上式で、
SEは複合開口遮蔽有効性であり、
Lは個々の開口の最長寸法であり、また、
Nは開口の数である。
【0012】
[0009]開口電磁放射漏れ効果は、I/O開口からの放射に対処するべく設計者を強制している。このI/Oインターフェース電磁放射漏れに対処するための最も一般的な方法は、EMIドッグハウスを使用することである。EMIドッグハウスは、金属界面を有する遮蔽格納装置内の二次コンパートメントを使用して開口漏れを閉鎖する方法である。EMIドッグハウスには、従来、ハウジング中に形成するか、あるいは機械加工しなければならない機械的障壁の生成が必要とされてきた。この場合、格納装置の遮蔽部分から非遮蔽部分へ相互接続信号を引き渡すために、貫通フィルタを使用してこの界面をコネクタ化するか、あるいは嵌合させなければならない。これにより、格納装置のコストおよび複雑性が非常に増す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0010]以上から分かるように、遮蔽格納装置内のコネクタ開口を介した電気放射を抑制する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0011]本発明の一態様では、遮蔽格納装置内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングは、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、開口内のコネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0015】
[0012]本発明の他の態様では、コネクタを備えた開口を有する遮蔽格納装置は、印刷配線基板と、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、コネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0016】
[0013]本発明のさらなる態様では、フィルタピンコネクタを備えた開口を有する遮蔽格納装置は、印刷配線基板と、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、コネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングと、印刷配線基板の上に配置されたフィルタリングコンポーネントであって、それによりコネクタからフィルタピンコネクタが生成されるフィルタリングコンポーネントとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0017】
[0014]本発明のこれらおよび他の特徴、態様ならびに利点については、以下の図面、説明および特許請求の範囲を参照することによってより深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】[0015]様々な形態のエネルギーに対する0.1524cm(60ミル)アルミニウムシートの遮蔽有効性を示すグラフである。
【図2】[0016]図2Aはコネクタ開口の正面図である。
【0019】
[0017]図2Bは他のコネクタ開口の正面図である。
【図3】[0018]金属格納装置遮蔽に対する遮蔽開口が有る場合と無い場合のコネクタの遮蔽有効性を示すグラフである。
【図4】[0019]本発明の一実施形態による、アップ位置における統合コネクタ遮蔽リング(ISR)の一アプリケーションの斜視図である。
【図5】[0020]図4の統合コネクタ遮蔽リングと共に使用されるシャーシグラウンドリングの正面図である。
【図6】[0021]アップ位置(左側)およびねじダウン位置(右側)における図4のISRの部分切欠図である。
【図7】[0022]部分的に切り欠かれたねじダウン位置(左側)およびアップ位置(右側)における図4のISRの斜視図である。
【図8】[0023]遮蔽格納装置内に設置された図4のISRの部分切欠図である。
【図9】[0024]図9Aは本発明の一代替実施形態によるISRの分解図である。[0025]図9Bはコネクタと共に設置された図9AのISRを示す図である。
【図10A】[0026]本発明の他の代替実施形態によるISRの横断面図である。
【図10B】[0027]図10AのISRの斜視図である。
【図10C】[0028]図10AのISRの平面図である。
【図10D】[0029]コネクタと共に設置された図10AのISRを示す図である。
【図11】[0030]フィルタ除去された雑音の再結合の略図である。
【図12】[0031]本発明の一実施形態による遮蔽障壁を使用した、フィルタ除去された雑音の再結合の除去を示す略図である。
【図13】[0032]印刷配線基板の外部層に対する内部のシャーシグラウンドリング層の横断面図である。
【図14】[0033]本発明の一実施形態による、内部シャーシグラウンド層構成の上の遮蔽層を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0034]以下の詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を実施するための現在企図されている最良のモードについての説明である。以下の説明を本発明を制限する意味で捕らえてはならず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最も良好に定義されているため、以下の説明は、単に本発明の一般原理を実例で示す目的でなされたものにすぎない。
【0021】
[0035]以下、本発明の様々な特徴について説明するが、これらの特徴の各々は、互いに独立して使用することも、あるいは他の特徴と組み合わせて使用することも可能である。
[0036]広義には、本発明の実施形態によれば、コネクタ開口を有する格納装置を遮蔽するための方法および装置であって、外部環境から遮蔽格納装置の内部への電磁環境の有効な電磁絶縁が得られる方法および装置が提供される。また、本発明の実施形態は、低コストフィルタピンコネクタの有効な実施態様に適応することができる。統合遮蔽リングは、印刷配線基板(PWB)アセンブリ上の円形シャーシグラウンド平面に結合されるバルクヘッド基板取付けコネクタの上に取り付ける金属リングを備えたEMIドッグハウスを生成することができる。
【0022】
[0037]図4および5を参照すると、統合遮蔽リング(ISR)10は、バルクヘッド基板取付けコネクタ14(図6参照)上にねじ山12を備えたEMIドッグハウスを生成することができる。ISR10は、印刷配線基板(PWB)18上の円形シャーシグラウンドリング16に結合されている。シャーシグラウンドリング16は、コネクタピン20が侵入するための円形の孔を備えた円形グラウンド平面であってもよい。シャーシグラウンドリング16は、スタンドオフ24を介したリング16の接地を容易にするための統合スタンドオフパッド22を有することができる。図4では、ISR10は、左側に部分図として示されている。図4のISR10は、いずれも「検査のためのアップ」位置に位置している。
【0023】
[0038]図6および7を参照すると、PWB18上へのアセンブリに先立って、図6の左側のコネクタで示されているように、ISR10をバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の一番上までねじアップすることができる。コネクタ14が取り付けられ、かつ、はんだ付けが検査されると、図6の右側のコネクタで示されているように、PWB18上のシャーシグラウンドリング16に接触するまでISR10をねじダウンすることができる。ISR10とシャーシグラウンドリング16の間の接触は、図7の左側のコネクタの切欠き部分にも同じく示されている。ISR10がシャーシグラウンドリング16に締め付けられると、ISR10とバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12のねじ山との間に圧力を加えることができ、それによりISR10とバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の間のねじ接触の長さに沿って有効な遮蔽が提供される。
【0024】
[0039]ISR10が所定の位置に位置すると、図6に示されているように、例えば導電性エポキシ26を使用して円形シャーシグラウンドリング16に結合することができる。これにより、ISR10がバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の上に抜け戻ることがないこと、また、ISR10とPWB18上のシャーシグラウンドリング16との間の良好な電気結合が失われないことの保証が促進される。これにより、図8に示されているように、遮蔽格納装置28内へのアセンブルの際に、すべてのコンポーネント間の連続導電経路の生成が促進される。ダッシュ線30は、ファラデーケージと格納装置28の非遮蔽外部との間の界面を表している。
【0025】
[0040]上記図4ないし8には、ISR10は、コネクタ14のバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の上を進む雌ねじが切られたリングとして示されているが、他の構成のISR10も本発明の範囲内に含まれる。例えば図9Aおよび9Bを参照すると、2−リングISR10−2は、雌ねじが切られたリング32、および雌ねじが切られたリング32の上を進むように適合された雄ねじが切られたリング34を含むことができる。ねじが切られたリング32、34は、上で説明したISR10と同様、コネクタとシャーシグラウンドリング16の間の電気接続を提供するために回転させることができる。
【0026】
[0041]図10Aないし10Dを参照すると、他の代替実施形態では、ISR10−3は、一体に取り付けられるように適合された複数のコンポーネントから形成することができる。例えばISR10−3は、第1の半リング36および第2の半リング38を含むことができる。半リングの各々は、半リングを一体に接続するための耳40を含むことができる。ボルト42およびナット44などの従来の手段を使用して半リングを一体に結合することができる。
【0027】
[0042]電磁雑音放出は、2つの異なる機構によって遮蔽格納装置内または遮蔽格納装置外に放射することができる。放出は、基板上の回路から放射し、次にコネクタ孔または継目などの格納装置内の開口を介して遮蔽格納装置から外部へ放射することができる。同様に、外部放出は、同じ開口を介して遮蔽格納装置の内部へ放射することができる。ISRは、一般的には遮蔽格納装置内の主要な漏れ点であるコネクタ開口を除去することにより、場合によっては基板から直接放射される放出を制御するのに極めて有効である。しかしながら、放出は、I/Oインターフェースケーブルを介して遮蔽格納装置内または遮蔽格納装置外に導くことも可能である。I/Oケーブル上に結合する外部場はユニット中に導き、同様に、ユニットからI/Oケーブル上に導くEMI雑音は、遮蔽格納装置の外部のケーブルから放射し、したがってISRをバイパスする。I/Oインターフェースケーブルを流れる電流からの放出は、コネクタピンとインターフェースする基板トレースのすぐ前段のPWB上にフィルタリングコンポーネントを追加することによって抑制することができる。これにより、本質的に、フィルタピンコネクタが生成される。最も有効なフィルタリング構成の1つは、トレース−シャーシ間コンデンサである。しかしながら、この構成は、図11に示されているように雑音がない側と雑音がある側を有しているため、場合によっては再結合が生じ、フィルタリングの有効性が著しく損なわれる可能性がある。しかしながら、上で説明したISR構成のシャーシグラウンドリング16は、図12に示されているように、信号の雑音セクションと雑音がないセクションの間に障壁を生成することができ、それにより再結合が効果的に除去される。これは、より高い周波数ではとりわけ有効である。
【0028】
[0043]極めて微小なコンポーネントを使用しなければならない標準フィルタピンコネクタの場合とは異なり、ISR構成フィルタリングコンポーネントのサイズは、PWB上の空間と、トレースがコネクタピンに接続している点への近接によってのみ制限されることに留意されたい。この距離が最短に維持されない場合、フィルタリングされたトレース上への再結合が増加し、そのために同じく障壁の利点が損なわれることになる。そのため、より大きい値およびより高い電圧定格のコンポーネントをフィルタリングのために使用することができる。したがって従来のフィルタピンコネクタの限界に優る極めて重要な利点が提供される。
【0029】
[0044]図13にdoutとして示されているコネクタピン−シャーシグラウンドリング間の距離は、電圧応力効果に耐えるためには適切でなければならない。基板の表面のトレース−トレース間、トレース−シャーシ間およびピン−シャーシ間などの異なるコンポーネント間のボルト/ミルに対する異なる規格が存在している。したがってシャーシに対するI/Oピンの最大許容可能電圧は、シャーシグラウンドリング16とコネクタピン20の間の距離によって制限されることになる。コネクタピン20とシャーシグラウンドリング16の間の最大許容可能電圧は、dout寸法を大きくすることによって高くすることができる。別法としては、ボルト/ミル定格は、埋設層に対するボルト/ミル定格が外部層に対するボルト/ミル定格よりはるかに高いPWB18の内部層の上にシャーシグラウンドリング16−1を埋設することによって大きくすることができる。コネクタピンビア46は、図13に示されているように若干大きい直径を外部層の上に有しているため、シャーシグラウンドリング16−1を埋設することには、シャーシグラウンドリング16−1内の等価直径コネクタ孔の場合、コネクタピン20とシャーシグラウンドリング16−1の間の距離を長くすることができる点で、場合によっては第2の利点が存在しており、等価直径孔の場合、din>doutである。したがって、より高い絶縁耐電圧または耐雷電圧要求事項を有するいくつかの構成には、場合によっては埋設シャーシグラウンドリングが必要である。
【0030】
[0045]埋設シャーシグラウンドリング16−1を備えたファラデーケージを維持するために、図14に示されているように円形リング48を頂部層の上に追加することができ、また、一連のビア50をこの円形リング48の周囲に追加することができる。そうすることにより、コンポーネントのはるかに高いピン−シャーシ間電圧定格を許容することができ(図4ないし8を参照して上で説明した表面シャーシグラウンドリング16と比較して)、したがって典型的な最大フィルタピン−シャーシ間定格が最大約250ボルトであるために標準フィルタコネクタでは動作させることができないフィルタピンコネクタとしてこの構成を使用することができる。
【0031】
[0046]本発明のコネクタ開口遮蔽方法および装置は、上で説明したフィルタピンコネクタ構成と共に、コネクタ開口からの電磁放出を低減し、フィルタピン構成を実施するための低コスト方法を提供し、I/O信号コネクタドッグハウスを実施する低コスト方法を提供し、フィルタリングコンポーネントのサイズを制限しないフィルタピン構成を提供し、かつ、標準既製フィルタピンコネクタと比較すると高い電圧定格を有するフィルタピン構成を提供することができる。
【0032】
[0047]当然、以上の説明は本発明の例示的実施形態に関連していること、また、以下の特許請求の範囲に示されている本発明の精神および範囲を逸脱することなく修正を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0033】
10、10−3 統合遮蔽リング(ISR)
10−2 2−リングISR
12 ねじ山
14 バルクヘッド基板取付けコネクタ
16、16−1 シャーシグラウンドリング
18 印刷配線基板(PWB)
20 コネクタピン
22 統合スタンドオフパッド
24 スタンドオフ
26 導電性エポキシ
28 遮蔽格納装置
30 ファラデーケージと格納装置の非遮蔽外部との間の界面を表すダッシュ線
32 雌ねじが切られたリング
34 雄ねじが切られたリング
36、38 半リング
40 耳
42 ボルト
44 ナット
46 コネクタピンビア
48 円形リング
50 ビア
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は電磁干渉シールドのための装置および方法に関し、より詳細には遮蔽格納装置内のコネクタによって生成される開口を遮蔽するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]回路カードから放射し、次に遮蔽格納装置内の最大開口であるコネクタ開口を介して電子遮蔽格納装置から射出する高周波放出を生成する、周波数が極めて高いクロックおよび発振器を備えた多くのシステムが存在している。金属材料でできた、あるいは金属材料でコーティングされた材料でできたEMI遮蔽格納装置の使用は、放射放出を制御するために航空宇宙アプリケーションでは極めて広く使用されている。金属壁による電磁干渉(EMI)シールドは、金属コートまたは箔シート上に噴霧され、あるいは塗られた金属壁などのごく薄い壁であっても極めて有効である。遮蔽有効性を表す式は、次の公式(I)で与えられる。
【0003】
SE=A+R−B (I)
上式で
SEは金属遮蔽の遮蔽有効性であり、
A=吸収損
R=反射損、および
B=多重反射損
である。
【0004】
[0003]多重反射損は、アルミニウム箔または金属コーティング上の噴霧などの極めて薄い金属シートにのみ適用することができる。図1は、薄い箔シートの遮蔽有効性を示したものである。近距離F場は、高周波放出源から遮蔽までの距離がλ/2π未満の場合に考慮されることに留意されたい。最も高い約1ギガヘルツ(GHz)の重要な周波数においても、λ/2π≒4.826cm(1.9インチ)である。したがって遮蔽格納装置壁は、格納装置内の高周波放出源の近距離場に存在している。
【0005】
[0004]高周波放出源は、高インピーダンス電圧源などの電気源または低インピーダンス電流ループなどの磁気源のいずれかであってもよいが、ほとんどの高周波放出源は、純然たる電気源あるいは磁気源のいずれでもない。図1では、近距離場磁気減衰は極めて小さいことに留意されたい。しかしながら、重要なほとんどの高周波放出源は、主として、高インピーダンス・クロック・トレースなどの電気源である。これらの主として電界源の場合、アルミニウム遮蔽は、遠距離場平面波減衰と比較すると極めて程度の高い減衰を提供する。したがって遠距離場平面波減衰を使用することにより、遭遇するほとんどの雑音源に対して良好な安全マージンが提供される。低周波磁界の場合はその限りではない。
【0006】
[0005]金属遮蔽格納装置の最大の限界の1つは、入/出力(I/O)インターフェースである。遮蔽格納装置に入力し、また、遮蔽格納装置から出力するためのI/O信号のために必要なコネクタおよび他の開口は、遮蔽格納装置内に破損部分を生成し、遮蔽格納装置内への電磁エネルギーの入射および遮蔽格納装置からの電磁エネルギーの射出を許容する。コネクタは、通常、コネクタピンが取り付けられる誘電体インサートを有している。このインサートは、円形コネクタの場合、図2Aに示されているようにコネクタ開口L1の最大寸法に等しい電気的長さを有する開口を生成する。信号の波長と比較すると直径が極めて小さく、また、遮蔽有効性は公式(II)によって制御されるため、低周波信号の場合、これは問題ではない。
【0007】
SE=20log(λ/2L) (II)
上式で
SEは開口遮蔽有効性であり、
Lは開口の最長寸法であり、
λはc/fであり、
cは光の速度であり、また、
fは雑音源の周波数である。
【0008】
[0006]したがって、図3に示されているように、周波数が低い場合、コネクタ開口は、金属材料平面波減衰より大きい遮蔽有効性を提供する。しかしながら、周波数が高くなると、コネクタ開口の遮蔽有効性は、最終的には材料減衰未満に低下し、格納装置の最大減衰を制限する。λ=2×Lである周波数より高い周波数では、開口は全く減衰を提供しない。
【0009】
[0007]周波数が高くなる一方のシステムの出現に伴い、I/O開口は、より大きい放射源になっている。周期信号は、時間領域信号の一次周波数の高調波でフーリエ級数展開に展開する。したがってクロック源および切替え源などの周期信号は、ほとんど減衰しないか、あるいは全く減衰することなくコネクタ開口から放射する高周波高調波を有することになる。この効果は、図2Bに示されているように、コネクタ開口の上に金属シャーシグラウンドリングを置くことによって小さくすることができる。直径がL1である1つの大きい孔を有する代わりに、直径がL2の多くのより小さい孔を有することにより、開口の遮蔽有効性が高くなる。
【0010】
[0008]以下の公式(III)は、複数の孔の効果に対する式である。また、図3には、同じく、単一のコネクタ開口の遮蔽有効性と比較した、19個の0.1524cm(60ミル)開口に対する複合開口遮蔽有効性が示されている。遮蔽有効性の正味の改善は、この構成の場合、11.2dBである。
【0011】
SE=20×log(λ/2L)−20×log(N1/2) (III)
上式で、
SEは複合開口遮蔽有効性であり、
Lは個々の開口の最長寸法であり、また、
Nは開口の数である。
【0012】
[0009]開口電磁放射漏れ効果は、I/O開口からの放射に対処するべく設計者を強制している。このI/Oインターフェース電磁放射漏れに対処するための最も一般的な方法は、EMIドッグハウスを使用することである。EMIドッグハウスは、金属界面を有する遮蔽格納装置内の二次コンパートメントを使用して開口漏れを閉鎖する方法である。EMIドッグハウスには、従来、ハウジング中に形成するか、あるいは機械加工しなければならない機械的障壁の生成が必要とされてきた。この場合、格納装置の遮蔽部分から非遮蔽部分へ相互接続信号を引き渡すために、貫通フィルタを使用してこの界面をコネクタ化するか、あるいは嵌合させなければならない。これにより、格納装置のコストおよび複雑性が非常に増す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0010]以上から分かるように、遮蔽格納装置内のコネクタ開口を介した電気放射を抑制する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0011]本発明の一態様では、遮蔽格納装置内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングは、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、開口内のコネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0015】
[0012]本発明の他の態様では、コネクタを備えた開口を有する遮蔽格納装置は、印刷配線基板と、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、コネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0016】
[0013]本発明のさらなる態様では、フィルタピンコネクタを備えた開口を有する遮蔽格納装置は、印刷配線基板と、印刷配線基板上のシャーシグラウンドリングと、コネクタの外部に電気接続された第1の末端、およびシャーシグラウンドリングに電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リングと、印刷配線基板の上に配置されたフィルタリングコンポーネントであって、それによりコネクタからフィルタピンコネクタが生成されるフィルタリングコンポーネントとを備えており、金属リングは、アップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合されている。
【0017】
[0014]本発明のこれらおよび他の特徴、態様ならびに利点については、以下の図面、説明および特許請求の範囲を参照することによってより深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】[0015]様々な形態のエネルギーに対する0.1524cm(60ミル)アルミニウムシートの遮蔽有効性を示すグラフである。
【図2】[0016]図2Aはコネクタ開口の正面図である。
【0019】
[0017]図2Bは他のコネクタ開口の正面図である。
【図3】[0018]金属格納装置遮蔽に対する遮蔽開口が有る場合と無い場合のコネクタの遮蔽有効性を示すグラフである。
【図4】[0019]本発明の一実施形態による、アップ位置における統合コネクタ遮蔽リング(ISR)の一アプリケーションの斜視図である。
【図5】[0020]図4の統合コネクタ遮蔽リングと共に使用されるシャーシグラウンドリングの正面図である。
【図6】[0021]アップ位置(左側)およびねじダウン位置(右側)における図4のISRの部分切欠図である。
【図7】[0022]部分的に切り欠かれたねじダウン位置(左側)およびアップ位置(右側)における図4のISRの斜視図である。
【図8】[0023]遮蔽格納装置内に設置された図4のISRの部分切欠図である。
【図9】[0024]図9Aは本発明の一代替実施形態によるISRの分解図である。[0025]図9Bはコネクタと共に設置された図9AのISRを示す図である。
【図10A】[0026]本発明の他の代替実施形態によるISRの横断面図である。
【図10B】[0027]図10AのISRの斜視図である。
【図10C】[0028]図10AのISRの平面図である。
【図10D】[0029]コネクタと共に設置された図10AのISRを示す図である。
【図11】[0030]フィルタ除去された雑音の再結合の略図である。
【図12】[0031]本発明の一実施形態による遮蔽障壁を使用した、フィルタ除去された雑音の再結合の除去を示す略図である。
【図13】[0032]印刷配線基板の外部層に対する内部のシャーシグラウンドリング層の横断面図である。
【図14】[0033]本発明の一実施形態による、内部シャーシグラウンド層構成の上の遮蔽層を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0034]以下の詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を実施するための現在企図されている最良のモードについての説明である。以下の説明を本発明を制限する意味で捕らえてはならず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって最も良好に定義されているため、以下の説明は、単に本発明の一般原理を実例で示す目的でなされたものにすぎない。
【0021】
[0035]以下、本発明の様々な特徴について説明するが、これらの特徴の各々は、互いに独立して使用することも、あるいは他の特徴と組み合わせて使用することも可能である。
[0036]広義には、本発明の実施形態によれば、コネクタ開口を有する格納装置を遮蔽するための方法および装置であって、外部環境から遮蔽格納装置の内部への電磁環境の有効な電磁絶縁が得られる方法および装置が提供される。また、本発明の実施形態は、低コストフィルタピンコネクタの有効な実施態様に適応することができる。統合遮蔽リングは、印刷配線基板(PWB)アセンブリ上の円形シャーシグラウンド平面に結合されるバルクヘッド基板取付けコネクタの上に取り付ける金属リングを備えたEMIドッグハウスを生成することができる。
【0022】
[0037]図4および5を参照すると、統合遮蔽リング(ISR)10は、バルクヘッド基板取付けコネクタ14(図6参照)上にねじ山12を備えたEMIドッグハウスを生成することができる。ISR10は、印刷配線基板(PWB)18上の円形シャーシグラウンドリング16に結合されている。シャーシグラウンドリング16は、コネクタピン20が侵入するための円形の孔を備えた円形グラウンド平面であってもよい。シャーシグラウンドリング16は、スタンドオフ24を介したリング16の接地を容易にするための統合スタンドオフパッド22を有することができる。図4では、ISR10は、左側に部分図として示されている。図4のISR10は、いずれも「検査のためのアップ」位置に位置している。
【0023】
[0038]図6および7を参照すると、PWB18上へのアセンブリに先立って、図6の左側のコネクタで示されているように、ISR10をバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の一番上までねじアップすることができる。コネクタ14が取り付けられ、かつ、はんだ付けが検査されると、図6の右側のコネクタで示されているように、PWB18上のシャーシグラウンドリング16に接触するまでISR10をねじダウンすることができる。ISR10とシャーシグラウンドリング16の間の接触は、図7の左側のコネクタの切欠き部分にも同じく示されている。ISR10がシャーシグラウンドリング16に締め付けられると、ISR10とバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12のねじ山との間に圧力を加えることができ、それによりISR10とバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の間のねじ接触の長さに沿って有効な遮蔽が提供される。
【0024】
[0039]ISR10が所定の位置に位置すると、図6に示されているように、例えば導電性エポキシ26を使用して円形シャーシグラウンドリング16に結合することができる。これにより、ISR10がバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の上に抜け戻ることがないこと、また、ISR10とPWB18上のシャーシグラウンドリング16との間の良好な電気結合が失われないことの保証が促進される。これにより、図8に示されているように、遮蔽格納装置28内へのアセンブルの際に、すべてのコンポーネント間の連続導電経路の生成が促進される。ダッシュ線30は、ファラデーケージと格納装置28の非遮蔽外部との間の界面を表している。
【0025】
[0040]上記図4ないし8には、ISR10は、コネクタ14のバルクヘッド基板取付けコネクタねじ山12の上を進む雌ねじが切られたリングとして示されているが、他の構成のISR10も本発明の範囲内に含まれる。例えば図9Aおよび9Bを参照すると、2−リングISR10−2は、雌ねじが切られたリング32、および雌ねじが切られたリング32の上を進むように適合された雄ねじが切られたリング34を含むことができる。ねじが切られたリング32、34は、上で説明したISR10と同様、コネクタとシャーシグラウンドリング16の間の電気接続を提供するために回転させることができる。
【0026】
[0041]図10Aないし10Dを参照すると、他の代替実施形態では、ISR10−3は、一体に取り付けられるように適合された複数のコンポーネントから形成することができる。例えばISR10−3は、第1の半リング36および第2の半リング38を含むことができる。半リングの各々は、半リングを一体に接続するための耳40を含むことができる。ボルト42およびナット44などの従来の手段を使用して半リングを一体に結合することができる。
【0027】
[0042]電磁雑音放出は、2つの異なる機構によって遮蔽格納装置内または遮蔽格納装置外に放射することができる。放出は、基板上の回路から放射し、次にコネクタ孔または継目などの格納装置内の開口を介して遮蔽格納装置から外部へ放射することができる。同様に、外部放出は、同じ開口を介して遮蔽格納装置の内部へ放射することができる。ISRは、一般的には遮蔽格納装置内の主要な漏れ点であるコネクタ開口を除去することにより、場合によっては基板から直接放射される放出を制御するのに極めて有効である。しかしながら、放出は、I/Oインターフェースケーブルを介して遮蔽格納装置内または遮蔽格納装置外に導くことも可能である。I/Oケーブル上に結合する外部場はユニット中に導き、同様に、ユニットからI/Oケーブル上に導くEMI雑音は、遮蔽格納装置の外部のケーブルから放射し、したがってISRをバイパスする。I/Oインターフェースケーブルを流れる電流からの放出は、コネクタピンとインターフェースする基板トレースのすぐ前段のPWB上にフィルタリングコンポーネントを追加することによって抑制することができる。これにより、本質的に、フィルタピンコネクタが生成される。最も有効なフィルタリング構成の1つは、トレース−シャーシ間コンデンサである。しかしながら、この構成は、図11に示されているように雑音がない側と雑音がある側を有しているため、場合によっては再結合が生じ、フィルタリングの有効性が著しく損なわれる可能性がある。しかしながら、上で説明したISR構成のシャーシグラウンドリング16は、図12に示されているように、信号の雑音セクションと雑音がないセクションの間に障壁を生成することができ、それにより再結合が効果的に除去される。これは、より高い周波数ではとりわけ有効である。
【0028】
[0043]極めて微小なコンポーネントを使用しなければならない標準フィルタピンコネクタの場合とは異なり、ISR構成フィルタリングコンポーネントのサイズは、PWB上の空間と、トレースがコネクタピンに接続している点への近接によってのみ制限されることに留意されたい。この距離が最短に維持されない場合、フィルタリングされたトレース上への再結合が増加し、そのために同じく障壁の利点が損なわれることになる。そのため、より大きい値およびより高い電圧定格のコンポーネントをフィルタリングのために使用することができる。したがって従来のフィルタピンコネクタの限界に優る極めて重要な利点が提供される。
【0029】
[0044]図13にdoutとして示されているコネクタピン−シャーシグラウンドリング間の距離は、電圧応力効果に耐えるためには適切でなければならない。基板の表面のトレース−トレース間、トレース−シャーシ間およびピン−シャーシ間などの異なるコンポーネント間のボルト/ミルに対する異なる規格が存在している。したがってシャーシに対するI/Oピンの最大許容可能電圧は、シャーシグラウンドリング16とコネクタピン20の間の距離によって制限されることになる。コネクタピン20とシャーシグラウンドリング16の間の最大許容可能電圧は、dout寸法を大きくすることによって高くすることができる。別法としては、ボルト/ミル定格は、埋設層に対するボルト/ミル定格が外部層に対するボルト/ミル定格よりはるかに高いPWB18の内部層の上にシャーシグラウンドリング16−1を埋設することによって大きくすることができる。コネクタピンビア46は、図13に示されているように若干大きい直径を外部層の上に有しているため、シャーシグラウンドリング16−1を埋設することには、シャーシグラウンドリング16−1内の等価直径コネクタ孔の場合、コネクタピン20とシャーシグラウンドリング16−1の間の距離を長くすることができる点で、場合によっては第2の利点が存在しており、等価直径孔の場合、din>doutである。したがって、より高い絶縁耐電圧または耐雷電圧要求事項を有するいくつかの構成には、場合によっては埋設シャーシグラウンドリングが必要である。
【0030】
[0045]埋設シャーシグラウンドリング16−1を備えたファラデーケージを維持するために、図14に示されているように円形リング48を頂部層の上に追加することができ、また、一連のビア50をこの円形リング48の周囲に追加することができる。そうすることにより、コンポーネントのはるかに高いピン−シャーシ間電圧定格を許容することができ(図4ないし8を参照して上で説明した表面シャーシグラウンドリング16と比較して)、したがって典型的な最大フィルタピン−シャーシ間定格が最大約250ボルトであるために標準フィルタコネクタでは動作させることができないフィルタピンコネクタとしてこの構成を使用することができる。
【0031】
[0046]本発明のコネクタ開口遮蔽方法および装置は、上で説明したフィルタピンコネクタ構成と共に、コネクタ開口からの電磁放出を低減し、フィルタピン構成を実施するための低コスト方法を提供し、I/O信号コネクタドッグハウスを実施する低コスト方法を提供し、フィルタリングコンポーネントのサイズを制限しないフィルタピン構成を提供し、かつ、標準既製フィルタピンコネクタと比較すると高い電圧定格を有するフィルタピン構成を提供することができる。
【0032】
[0047]当然、以上の説明は本発明の例示的実施形態に関連していること、また、以下の特許請求の範囲に示されている本発明の精神および範囲を逸脱することなく修正を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0033】
10、10−3 統合遮蔽リング(ISR)
10−2 2−リングISR
12 ねじ山
14 バルクヘッド基板取付けコネクタ
16、16−1 シャーシグラウンドリング
18 印刷配線基板(PWB)
20 コネクタピン
22 統合スタンドオフパッド
24 スタンドオフ
26 導電性エポキシ
28 遮蔽格納装置
30 ファラデーケージと格納装置の非遮蔽外部との間の界面を表すダッシュ線
32 雌ねじが切られたリング
34 雄ねじが切られたリング
36、38 半リング
40 耳
42 ボルト
44 ナット
46 コネクタピンビア
48 円形リング
50 ビア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽格納装置(28)内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングであって、
印刷配線基板(18)上のシャーシグラウンドリング(16)と、
前記開口内のコネクタ(14)の外部に電気接続された第1の末端、および前記シャーシグラウンドリング(16)に電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リング(10)と
を備え、前記金属リングがアップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項2】
請求項1に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リングの上に雌ねじをさらに備え、前記雌ねじが前記コネクタ上の雄ねじ(12)と対合するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項3】
請求項2に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)のスタンドオフパッドと前記コネクタ(14)を電気接続する複数のスタンドオフパッド(24)をさらに備える統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項4】
請求項2または3に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リング(10)を前記ダウン/遮蔽位置に維持するように配置された導電性シーラント(26)をさらに備える統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リング(10)が円筒状金属リングである統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記印刷配線基板の上に配置されたフィルタリングコンポーネントをさらに備え、それにより前記コネクタからフィルタピンコネクタが生成される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項7】
請求項6に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記フィルタリングコンポーネントがトレース−シャーシ間コンデンサを含む統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項8】
請求項6に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)が、前記フィルタリングコンポーネントによってフィルタ除去された雑音の再結合を阻止する統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)が前記印刷配線基板(18)内に埋め込まれる統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リングが第1の半リング(36)および第2の半リング(38)を含み、前記第1および第2の半リングが一体にクランプされるように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項1】
遮蔽格納装置(28)内の開口を遮蔽するための統合コネクタ遮蔽リングであって、
印刷配線基板(18)上のシャーシグラウンドリング(16)と、
前記開口内のコネクタ(14)の外部に電気接続された第1の末端、および前記シャーシグラウンドリング(16)に電気接続するように適合された第2の末端を有する金属リング(10)と
を備え、前記金属リングがアップ/検査位置からダウン/遮蔽位置まで移動するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項2】
請求項1に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リングの上に雌ねじをさらに備え、前記雌ねじが前記コネクタ上の雄ねじ(12)と対合するように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項3】
請求項2に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)のスタンドオフパッドと前記コネクタ(14)を電気接続する複数のスタンドオフパッド(24)をさらに備える統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項4】
請求項2または3に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リング(10)を前記ダウン/遮蔽位置に維持するように配置された導電性シーラント(26)をさらに備える統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リング(10)が円筒状金属リングである統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記印刷配線基板の上に配置されたフィルタリングコンポーネントをさらに備え、それにより前記コネクタからフィルタピンコネクタが生成される統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項7】
請求項6に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記フィルタリングコンポーネントがトレース−シャーシ間コンデンサを含む統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項8】
請求項6に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)が、前記フィルタリングコンポーネントによってフィルタ除去された雑音の再結合を阻止する統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記シャーシグラウンドリング(16)が前記印刷配線基板(18)内に埋め込まれる統合コネクタ遮蔽リング。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の統合コネクタ遮蔽リングにおいて、前記金属リングが第1の半リング(36)および第2の半リング(38)を含み、前記第1および第2の半リングが一体にクランプされるように適合される統合コネクタ遮蔽リング。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−124488(P2012−124488A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−266689(P2011−266689)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266689(P2011−266689)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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