説明

選択されたカタラーゼ酵素を有する殺菌過酸組成物及び無菌包装における使用の方法

本発明は、特別に選択されたカタラーゼ酵素、及び各種用途、特に無菌包装用途において過酸化水素を低減させる上でのそれらの使用に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特別に選択されたカタラーゼ酵素、及び産業用途、特に無菌包装用途において過酸殺菌組成物中の過酸化水素を低減させる上でのそれらの使用に関連する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
食品、飲料、及び乳製品市場には、包装された常温保存可能な幅広い液体及び半液体食品が存在する。これらは缶入りスープから、かなり酸性度を高めたソーダ及びスポーツドリンクまで幅広い。
【0003】
30年前まで、低酸性度を有する常温保存可能な食物製品の製造に係る唯一の選択枝は、包装材に食品を入れた状態で両方を熱殺菌処理することであった。これは、圧力調理若しくは密封容器の処理を通じて、又は耐熱包装に熱い液体食品を満たす(それにより、液体食品の熱が包装を殺菌する)方法で行われた。
【0004】
無菌包装の導入により、液体食品材料の熱殺菌及び食品包装の分離化学殺菌が可能になった。これにより、食品のより短い熱処理及び常温保存可能食品の加工に通常適していない食品加工が可能になった。
【0005】
無菌包装で使用される化学殺菌剤は過酸である。過酸は対応するカルボン酸及び過酸化水素と平衡状態で存在する。平衡は、与えられた溶液中に含まれる反応物又は生成物の濃度に基づいて、化学的平衡状態の反応物側又は生成物側へ移行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、過酸は、平衡濃縮物として最終使用者に提供され、最終使用者が対象面の殺菌処理に必要な濃度まで濃縮物を希釈する。時間が経つと、無菌包装作業の液体槽に含まれる過酸は緩やかに分解するか、又はカルボン酸と過酸化水素の平衡状態へと戻る。この結果、液体槽には高濃度の過酸化水素及びカルボン酸を蓄積する。充填物製造者及び顧客は、液体槽の過酸化水素及びカルボン酸の最大濃度が記載された仕様書を持っている。液体槽がこの限界に達すると、閉じられ、排水され、そして新しい溶液を再充填される。他の充填物製造者がこのシステムを立ち上げる場合は、特定の抜き取り基準を持っている。抜き取り基準の調整は、液体槽中の過酸化水素及びカルボン酸の蓄積率を緩和することになるため、ラインを時間延長して稼働できる。これら両方の手順は、水、エネルギー、及び無菌充填物の処理に必要な薬品を増加させる。この背景において本発明が行なわれた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
驚くべきことに、選択されたカタラーゼ酵素が、過酸組成物、特に無菌包装に使用される過酸組成物中で見いだされる温度及びpH条件下において、過酸化水素の分解に特に有効であることが発見された。
【0008】
選択されたカタラーゼ酵素の使用によって、無菌充填処理において過酸化水素を分解する。その結果、システムの排水頻度が低減するため、水、薬品及びエネルギー消費が低減する。したがって、本発明は、選択されたカタラーゼ酵素、過酸化水素、カルボン酸、及びペルカルボン酸を含む過酸殺菌組成物を準備し、任意で殺菌組成物を加熱し、そして
食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにする量で、殺菌組成物を食品パッケージの表面に適用することにより、無菌包装を使用してパッケージを滅菌する方法に関連する。本発明はまた、選択されたカタラーゼ酵素;過酸化水素;酢酸、オクタン酸及びそれらの混合物から成る群から選択されたカルボン酸;並びに過酢酸、ペルオクタン酸及びそれらの混合物から成る群から選択された過酸を含む過酸殺菌組成物を準備し、殺菌組成物を加熱し、そして食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、殺菌組成物を食品パッケージの表面に適用することにより、無菌包装を使用してパッケージを滅菌する方法に関連する。
【0009】
本発明はさらに、液体槽の過酸化水素濃度を監視し、過酸化水素濃度を一定の閾値未満に保つため液体槽に追加のカタラーゼ酵素を追加すると同時に、液体槽で殺菌組成物を形成し、液体槽で組成物を加熱し、液体槽からパッケージへ殺菌組成物の一部を送り出し、そして食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、組成物を食品パッケージの表面に適用することにより、無菌包装を使用してパッケージを滅菌する方法に関連する。
【0010】
最後に、本発明はすすぎ溶液の再利用の方法に関連する。
【0011】
これらの及び他の実施形態が、当業者及び以下の幾つかの実施形態の詳細な説明を考慮する他の者にとって明白となろう。しかしながら、本概要及び詳細な説明は、様々な実施形態の一部の例を説明するに過ぎず、本発明の請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】瓶詰め工程の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
幾つかの実施形態の詳細な説明
上述のように、本発明は概して、過酸組成物において、及び特に無菌包装において使用される過酸組成物において選択されるカタラーゼ酵素の使用に関連している。
【0014】
カタラーゼ酵素
本発明は殺菌組成物中の過酸化水素濃度を低減するカタラーゼ酵素を使用する。カタラーゼ酵素は過酸化水素の水と酸素への分解に触媒作用を及ぼす。カタラーゼ酵素源としては、ウシ肝臓から単離したウシカタラーゼなどの動物源、ペニシリウム クリゾゲナム(Penicillium chrysogenum)、アオカビ(Penicillium notatum)、及びコウジカビ(Aspergillus niger)を含む菌類から単離した菌類カタラーゼ、、植物源、黄色ブドウ球菌(Staphylcoccus aureus)及びその遺伝子変異種及び改良種などの微生物源が挙げられる。意外なことに、菌類カタラーゼは、特に過酸殺菌組成物における使用に適しており、得られた組成物は無菌包装などの用途に有用である。好ましいカタラーゼは、非菌類カタラーゼ酵素と比較して低いカタラーゼ酵素濃度で過酸化水素を分解できるゆえに、推奨される。さらに、菌類カタラーゼ酵素は、過酸組成物中及び無菌包装工程で見いだされるpH、温度、及び酸性度環境でより安定している。
【0015】
本発明において使用されたカタラーゼ酵素は、高い過酸化水素分解能力を持つカタラーゼ酵素を含む。一部の実施形態において、カタラーゼ酵素は、過酸組成物中の少なくとも約500ppmの過酸化水素を15分で分解することができる。
【0016】
本発明において使用されたカタラーゼ酵素は、低濃度のカタラーゼ酵素で、高い過酸化水素分解能力を持つカタラーゼ酵素を含む。一部の実施形態において、15分で過酸組成物中の過酸化水素を500ppm分解するのに必要なカタラーゼ酵素の濃度は、200ppm未満、100ppm未満、及び50ppm未満である。
【0017】
本発明において使用されたカタラーゼ酵素は、無菌包装用途で見いだされる温度範囲に対して耐性を持つカタラーゼ酵素を含む。典型的な無菌工程の温度は、40〜65℃の範囲である。適合する酵素は、65℃で1時間の貯蔵環境で、その活性の少なくとも50%を維持できなければならない。
【0018】
本発明において使用されたカタラーゼ酵素は、無菌包装用途にて見いだされるpH範囲に対して耐性を持つカタラーゼ酵素を含む。無菌包装工程において、酢酸濃度は液体槽で20000ppmに達し得る。これにより、pH範囲が約2.0〜2.5の溶液が生成される。適合する酵素は1時間に亘り、約20000ppmの酢酸を含む溶液の貯蔵環境下でその活性の50%を維持する。
【0019】
カタラーゼは殺菌組成物中に浮遊している。つまり、カタラーゼ酵素は、表面と結合することなく、殺菌組成物の一部である。
【0020】
その代わりに、カタラーゼが過酸化水素と相互作用し、これを分解できるように、殺菌組成物と接触する液の中にある面上では、カタラーゼは固定化される。固定化されたカタラーゼは非結合の可溶カタラーゼよりも安定している。また、固定化されたカタラーゼは、急激な温度及びpHの変化に対して基質が提供する保護能力により、温度及びpHの安定性の増大を示す。固定化されたカタラーゼはまた、残余組成物から容易に取り除くことができるという長所も備えている。固定化されたカタラーゼは、基質に結合している可溶性カタラーゼを含んでよい。基質の例は、発泡ポリウレタン、ゲル化ポリアクリルアミド、無水ゲル化ポリエチレンマレイン酸、無水ゲル化ポリスチレンマレイン酸、セルロース、ニトロセルロース、シラスティック樹脂、多孔質ガラス、大多孔質ガラス膜、ガラスビーズ、活性化粘土、ゼオライト、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩並びに他の無機及び有機の基質を含む。担体共有結合、交叉結合、物理的吸着作用、イオン結合、及び封入を含む様々な方法で、酵素は基質と結合する。
【0021】
市販されているカタラーゼは液体及びスプレードライ粉末にて提供されている。市販されているカタラーゼには、活性酵素並びに酵素の安定性を高める添加成分の両方が含まれる。いくつかの代表的なカタラーゼ酵素は、Genencor CA−100及びCA−400並びにMitsubishi Gas and Chemical(MGC) ASC super G及びASC super 200である。
【0022】
本発明は少なくとも一つの菌類カタラーゼを含むことが好ましい。好ましい市販菌類カタラーゼ酵素は、Genencor CA−400及びMGC ASC super 200を含む。
【0023】
過酸化水素
本組成物は過酸化水素を含む。過酸化水素Hは、その低分子量(34.014g/モル)ゆえに高い割合の活性酸素を有するという利点を提供し、そして弱酸性の無色透明の液体であるために、本発明の方法により処理される多くの基質に適合する。
【0024】
過酸化水素のもう一つの利点は、水と酸素に分解されることである。これらの分解物は処理される基質と概して適合するため、こうした分解物を持つことは有利である。例えば、分解物は一般的に金属基質(例えば、実質的に非腐蝕性である)と適合性があり、また食物製品(例えば、食物製品の色、香り、栄養価を実質的に変えない)とも適合性がある。また分解物は、典型的に人体と偶発的に接触しても無害であり、かつ環境に害を及ぼさない。
【0025】
本発明の組成物は典型的に、カルボン酸、過酸化水素、及び過酸の平衡状態を維持する上で有効な量の過酸化水素を含む。過酸化水素の量は、本発明の組成物の殺菌活性に悪影響を及ぼす量を超えることはない。さらに、本発明の組成物が含む過酸化水素は、可能な限りゼロに近い濃度であることが好ましい。すなわち、特に選択されたカタラーゼ酵素を使用することで、過酸化水素の濃度を最小化するということである。
【0026】
過酸化水素濃度を最小化する利点のひとつは、本発明の組成物の殺菌活性が従来の組成物と比較して増大することである。また、組成物が必要とする排水と再吸水の回数を減らせるため、無菌包装工程で過酸組成物を使用する作用時間が増加する。
【0027】
過酸化水素は典型的に使用溶液中に最大約2500ppmの濃度で存在するが、好ましくは約3ppm〜約1850ppm、さらに好ましくは約6ppm〜約1250ppmである。
【0028】
カルボン酸
本発明の組成物はカルボン酸を含む。カルボン酸としては、化学式R−(COOH){式中、Rは、酸素、アルキル、アルケニル、脂環式基、アリル、ヘテロアリル、若しくは複素環式基であり、そしてnは、1、2、若しくは3である。}を有する任意の化合物が挙げられる。Rは酸素、アルキル、又はアルケニルを含むことが好ましい。
【0029】
「アルキル」という用語は、1個〜12個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素鎖を含み、それは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル(1−メチルエチル)、ブチル、三級ブチル(1,1−ジメチルエチル)などである。
【0030】
「アルケニル」という用語は、2個〜12個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の不飽和脂肪族炭化水素鎖を含み、それは例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−メチル−1−プロペニルなどである。
【0031】
上記のアルキル基又はアルケニル基は、末端部をヘテロ原子、例えば、窒素、硫黄、又は酸素原子などで置換されて、アミノアルキル、オキシアルキル、若しくはチオアルキル(例えばアミノメチル、チオエチル、オキシプロピルなどである。)を形成することができる。同様に、上記のアルキル基又はアルケニル基は、その鎖中にヘテロ原子が介在して、アルキルアミノアルキル、アルキルチオアルキル、若しくはアルコキシアルキル(例えばメチルアミノエチル、エチルチオプロピル、メトキシメチルなど)を形成できる。
【0032】
「脂環式」という用語は、3個〜8個の炭素原子を含む環式ヒドロカルビルを含む。適合する脂環式基の例には、シクロプロパニル、シクロブタニル、シクロペンタニルなどが含まれる。
【0033】
「複素環式」という用語は、窒素、硫黄、若しくは酸素原子などのヘテロ原子が介在している3個〜8個の炭素原子を有する環式ヒドロカルビルを含む。適合する複素環式基の例は、テトラヒドロフラン、フラン、チオフェン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピロール、ピコリン、クマリンなどから誘導される基を含む。
【0034】
アルキル基、アルケニル基、脂環式基及び複素環式基は、非置換であるか、又は、例えばアリール、ヘテロアリール、C1−4アルキル、C1−4アルケニル、C1−4アルコキシ、アミノ、カルボキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、−SOH、ホスホノ、又はヒドロキシによって置換されている。アルキル基、アルケニル基、脂環式基又は複素環式基が置換されている場合、その置換基は、C1−4アルキル、ハロ、ニトロ、アミド、ヒドロキシ、カルボキシ、スルホ、若しくはホスホノが好ましい。一つの実施形態では、Rはヒドロキシ基で置換されたアルキル基である。
【0035】
「アリール」という用語は、例えばフェニル又はナフチルのような縮合芳香族環を含む芳香族ヒドロカルビルを含む。
【0036】
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、リン、若しくは硫黄のようなヘテロ原子を少なくとも1個持つ複素環式芳香族誘導体を含み、また例えば、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、ピリジル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリルなどを含む。
【0037】
また、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも一つの環がインドリル、プリニル、ベンゾフリルなどの芳香族である縮合環を含む。
【0038】
アリール基及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は、例えばアリール、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、−SOH、ホスホノ、若しくはヒドロキシによって、環上で置換されることができる。アリール基、アラルキル基、又は複素環式基が置換されている場合、その置換基は、C1−4アルキル、ハロ、ニトロ、アミド、ヒドロキシ、カルボキシ、スルホ、若しくはホスホノであることが好ましい。一つの実施形態において、RはC1−4アルキル基で置換されたアリール基を含む。
【0039】
適合するカルボン酸の例は、様々なモノカルボン酸、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸を含む。
【0040】
モノカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン産、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、マンデル酸などを含む。
【0041】
ジカルボン酸は、アジピン酸、フマル酸、グルタル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などを含む。
【0042】
トリカルボン酸は、クエン酸、トリメリット酸、イソクエン酸、アガリシン酸などを含む。
【0043】
本発明の組成物での使用に適合するカルボン酸は、可溶性、コスト、食品添加物としての認可、匂い、純度などで選択される。
【0044】
本発明の組成物にとって特に有用なカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、マンデル酸、グルタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸などのように水溶性のカルボン酸を含む。これらのカルボン酸はまた、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸などのように食品添加できる水溶性カルボン酸であるため有用である。
【0045】
本発明の組成物は好ましくは、酢酸、オクタン酸、プロピオン酸、乳酸、ヘプタン酸、オクタン酸、若しくはノナン酸を含む。
【0046】
本発明の組成物は、無菌包装工程のすすぎ段階において、無菌充填のパッケージの内側及び外側から有効に取り除ける量のカルボン酸を含む。カルボン酸は典型的に、使用溶液中に約40000ppm未満の濃度で存在するが、好ましくは30000ppm未満、さらに好ましくは20000ppm未満の濃度で存在する。
【0047】
過酸
本発明の組成物は過酸も含む。過酸はまた、ペルカルボン酸、ペルオキシ酸、及びペルオキシカルボン酸として当業者に知られる。
【0048】
過酸としては、化学式R−(COOOH){式中、Rは、酸素、アルキル、アルケニル、脂環式基、アリル、ヘテロアリル、若しくは複素環式基であり、そしてnは、1、2、若しくは3である。}の任意の化合物が挙げられる。Rは、酸素、アルキル、又はアルケニルを含むことが好ましい。
【0049】
「アルキル」、「アルケニル」、「脂環式基」「アリール」、「ヘテロアリール」、「複素環式基」の用語は上で定義したとおりである。
【0050】
本発明の組成物で使用される過酸は、上述のカルボン酸及び上述の過酸化水素との、酸触媒平衡反応により調製されるペルオキシカルボン酸を含む。本発明の組成物は好ましくは、ペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、若しくはペルオキシプロピオン酸、ペルオキシ乳酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、又はペルオキシノナン酸を含む。
【0051】
ペルオキシカルボン酸はまた、アルデヒドの自動酸化により、又は酸塩化物、酸水素化物、カルボン酸無水物若しくはナトリウム・アルコキシドを過酸化水素と作用させることにより、調製されることができる。
【0052】
一部の実施形態において、ペルオキシカルボン酸は、Rが1個〜4個の炭素原子から成るアルキル基を含む、少なくとも1個の水溶性ペルオキシカルボン酸を含む。例えば一つの実施形態において、ペルオキシカルボン酸はペルオキシ酢酸を含む。もう一つの実施形態において、ペルオキシカルボン酸は、1個〜4個の炭素原子から成るアルキル基がヒドロキシ基で置換されているRを持つ。
【0053】
ペルオキシ酢酸の調製方法は、参照により本明細書に援用される米国特許第2,833,813号に記載されている方法を含み、当業者には既知である。
【0054】
Rが1個〜4個の炭素原子から成るアルキル基を含むペルオキシカルボン酸を使用する一つの利点は、Rが4個以上の炭素原子から成るアルキル基であるペルオキシカルボン酸よりも、このようなペルオキシカルボン酸が伝統的に低い酸解離定数(PKa)を持つことである。このより低いPKaは、ペルオキシカルボン酸の平衡の進行を早め、本発明の組成物に、例えば酸性pHを効果的に提供し、石灰のかす及び/又は汚れの除去の向上に有利である。
【0055】
他の実施形態において、ペルオキシカルボン酸は、Rが5個〜12個の炭素原子から成るアルキル基である、少なくとも一つの限定的な水溶性ペルオキシカルボン酸を含み、そしてRが1個〜4個の炭素原子から成るアルキル基を含む、少なくとも一つの水溶性ペルオキシカルボン酸を含む。例えば、一つの実施形態において、ペルオキシカルボン酸はペルオキシ酢酸を含み、上述した他のペルオキシカルボン酸を少なくともひとつ含む。本発明の組成物は好ましくは、ペルオキシ酢酸及びペルオキシオクタン酸を含む。
【0056】
水溶性カルボン酸又はペルオキシカルボン酸と、限定的な水溶性を持つカルボン酸又はペルオキシカルボン酸とを組み合わせる一つの利点は、水溶性カルボン酸又はペルオキシカルボン酸が、水溶性の低いカルボン酸又はペルオキシカルボン酸に屈水性効果を提供し、組成物内で均一な分散及び/又は必然的な物理的安定性を促進することである。
【0057】
ペルオキシカルボン酸の化合物の別の利点は、多量の有機汚れが存在する環境において、好ましい殺菌作用を持つ本発明の組成物を提供することである。
【0058】
本発明の組成物は、公衆衛生での微生物及び菌類胞子の殺菌に有効な、また無菌充填における食品パッケージの内外面、並びに充填物自体の容器内の殺菌に有効な量の、ペルオキシカルボン酸又はそれらの混合物を含む。ペルオキシカルボン酸は典型的に、本組成中に約500ppm〜約6000ppmの濃度で存在するが、好ましくは約1000ppm〜5000ppm、さらに好ましくは約1500ppm〜約4000ppmの濃度で存在する。
【0059】
追加任意材料
所望により、本組成物は、組成物を向上させるために、安定化剤、屈水性誘導物質、界面活性剤、消泡剤、腐蝕抑制剤、流動性調節剤、染料、及び香料を含む追加成分を含むことができる。
【0060】
安定化剤
組成物は過酸及び過酸化水素を安定化する安定化剤を任意に含み、組成物の中でこの構成物の早期酸化を防ぐ。
【0061】
本発明の組成物で安定化剤として一般的に有用なキレート剤又は金属イオン封鎖剤は、ホスホン酸及びホスホン酸塩、リン酸塩、アミノカルボン酸塩及びそれらの誘導体、ピロリン酸塩、エチレンジアミン及びエチレントリアミン誘導体、ヒドロキシ酸、並びにモノカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、トリカルボン酸塩及びそれらに対応する酸が含まれる。他のキレート剤は、ニトリロアセテート及びその誘導体、並びにそれらの混合物を含む。アミノカルボン酸塩の例は、アミノアセテート及びその塩を含む。適合するアミノアセテートは、N−ヒドロキシエチルアミノアセト酢酸と、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸と、ニトリロ三酢酸(NTA)と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)と、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)四ナトリウムと、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)と、アラニン−N,N−二酢酸と、n−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸など;それらのアルカリ金属塩;並びにそれらの混合物を含む。適合するアミノリン酸塩は、ニトリロトリメチレンリン酸塩、及び炭素原子8個未満のアルキル基又はアルカリ基を持つその他のアミノリン酸塩を含む。代表的なポリカルボン酸塩は、イミノ二コハク酸(IDS)、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、その塩、それらの混合物などである。追加のポリカルボン酸塩としては、クエン酸又はクエン酸塩タイプのキレート剤、重合ポリカルボン酸塩、及びアクリル酸又はポリアクリル酸タイプのキレート剤が挙げられる。追加のキレート剤は、ポリアスパラギン酸、又は他のアミノ酸とアスパラギン酸の共縮合体、C−C25−モノカルボン酸又は−ジカルボン酸、及びC−C25−モノアミン又は−ジアミンを含む。代表的な重合ポリカルボン酸塩は、ポリアクリル酸、マレイン酸/オレフィン酸コポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド−メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル−メタクリロニトリルコポリマーなどを含む。
【0062】
キレート剤は、約0.01〜約5質量%、約0.05〜約3質量%、約0.1〜約1.5質量%の量で含まれる。
【0063】
屈水性誘発物質
組成物は任意に屈水性誘発物質結合剤又は可溶化剤を含む。かかる材料を使用することで、組成物が相を安定に保ち、かつ単一高活性水性体を維持することができる。この屈水性誘発物質可溶化剤又は結合剤は、相安定性を維持する濃度で使用されるが、不要な組成物相互作用に帰することはない。
【0064】
屈水性誘発物質可溶化剤又は結合剤の代表的な部類は、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩又はアルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼン又はナフタレンスルホン酸塩、二級アルカンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩又はアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩又はアルキルホスホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、ショ糖エステル(例えば、ソルビタンエステル)及びC10アルキルグルコシドを含む。
【0065】
また、結合剤としては、n−オクタンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩(例えば、キシレンスルホン酸ナトリウム又はナフタレンスルホン酸塩など)のような芳香族スルホン酸塩、及び商標名DOWFAX(商標)として販売されているアルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸、好ましくはこれら屈水性誘発物質の酸形態が挙げられる。
【0066】
本発明で有用な屈水性誘発物質の濃度は、一般的には約0.1〜約20質量%、好ましくは約2〜約18質量%、最も好ましくは約3〜15質量%の範囲である。
【0067】
界面活性剤
組成物は任意に界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含む。界面活性剤は、市販されている陰イオン、非イオン、陽イオン及び双極性イオン系界面活性剤、並びにそれらの混合物を含む。一部の実施形態において、界面活性剤は、非イオン又は陰イオン系界面活性剤を含む。界面活性剤の議論に関しては、Kirk−Othmer著、「Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、第8巻、900〜912頁を参照されたい。
【0068】
非イオン系界面活性剤には、界面活性分子の一部としてポリアルキレンオキシドポリマーを有する界面活性剤が含まれ得る。これらの界面活性剤は、キャップ(保護基による処理)されているか、又はキャップされていない。このような非イオン系界面活性剤には、例えば、塩素、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチル及び他の類似するアルキルで保護された脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルと;アルキルポリグリコシドのようなポリアルキレンオキシド遊離非イオンと;ソルビタン及びスクロースエステル並びにそれらのエトキシレートと;アルコキシル化エチレンジアミンと;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレート、脂肪族アルコールエトキシレート(例えば、トリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加体)などのアルコールアルコキシレートと;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなどと;グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸のエトキシ化エステル及びグリコールエステルなどのカルボン酸エステルと;ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのカルボン酸アミドと;そしてPLURONIC(BASF−ワイアンドット(Wyandotte)社)の商標名で販売されるエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマーなどと;トマー(Tomah)社から発売されているエトキシル化アミン及びエーテルアミン;並びに他の類似の非イオン系化合物が含まれる。ABIL B8852(ゴールドシュミット(Goldschmidt)社)などのシリコン界面活性剤も使用される。
【0069】
非イオン系界面活性剤は、直鎖及び二級アルコールエトキシレート(脂肪族アルコールエトキシレート、例えばトリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加体)、アルキルフェニルエトキシレート、エトキシ/プロポキシブロック界面活性剤などを含む。好ましい直鎖及び二級アルコールエトキシレート(脂肪族アルコールエトキシレート、例えばトリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加体)の例は、5モルの、炭素数12〜14の直鎖の一級アルコール(C12−1425−29)−O−(CHCHO)H(その一つは、商標名LAE24−5で販売されている)のエトキシレート;7モルの、炭素数12〜14の直鎖の一級アルコール(C12−1425−29)−O−(CHCHO)H(その一つは商標名LAE24−7で販売されている)のエトキシレート;12モルの、炭素数12〜14の直鎖の一級アルコール(C12−1425−29)−O−(CHCHO)12H(その一つは商標名LAE24−12で販売されている)のエトキシレートなどを含む。
【0070】
陰イオン系界面活性剤には、例えば、アルキルカルボン酸塩(カルボキシル酸塩)及びポリアルコキシカルボン酸塩、アルコールエトキシレートカルボン酸塩、ノニルフェノールエトキシレートカルボン酸塩などのカルボン酸塩と、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩)、アルキルアリルスルホン酸塩、スルホン化脂肪酸エステルなどのスルホン酸塩と、硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテル硫酸塩などの硫酸塩と、アルキルリン酸塩エステル、エトキシル化アルコールリン酸エステルなどのリン酸塩エステルが含まれる。好ましい陰イオン剤は、ソジウムアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩)などを含む。
【0071】
面活性基質は、分子の親水部の電荷が陽電荷であれば、陽イオンに分類される。また、pHが中性又はそれ以下に近似する水準まで低減しない限り親水基は電荷を持たないが、そうなれば陽イオン(例えば、アルキルアミン)であるような界面活性剤は、この分類に含まれる。
【0072】
陽イオン系界面活性剤は、少なくとも一つの長い炭素鎖の疎水基、及び少なくとも一つの陽電荷窒素を含む化合物を含む。長い炭素鎖の基は、窒素原子に単純な置換によって直接結合しているか、又は架橋官能基若しくはいわゆる介在アルキルアミン及びアミドアミン中の基によって間接的に結合している。このような官能基は、親水性及び/又は水分散性がより高く、補助界面活性混合物及び/又は水溶物により、さらに水に溶けやすい分子を形成する。増加した水溶性に対し、追加の一級、二級又は三級アミノ基が導入されるか、又はアミノ窒素が低分子量アルキル基で四級化される。さらに、窒素は、不飽和もしくは飽和の、又は不飽和複素環の様々な等級の分岐鎖又は直鎖部の一部を成し得る。加えて、陽イオン界面活性剤は、陽イオン窒素原子を1個以上持つ錯体結合を含む。
【0073】
陽イオン界面活性剤は、脂肪四級アンモニウム界面活性剤のような、また脂肪アミンエトキシレート四級アンモニウム化合物のような、四級アンモニウム界面活性剤を含む。例えば、脂肪アミンエトキシレート四級アンモニウム化合物は、メチル基に結合した四級窒素、脂肪部、及び2つのエトキシレート部を含む。エトキシレート部は、6〜10個のエトキシレート基を含む。ある実施形態において、本発明の組成物は約1〜約10質量%の、又は約5質量%のこのような陽イオン系界面活性剤を含む。
【0074】
アミンオキシド、両性及び双極性に分類される界面活性化合物は、それら自身が典型的に中性〜酸性のpHに近い溶液中の陽イオンであり、界面活性剤の分類上部分的に一致する。ポリオキシエチレン化陽イオン系界面活性剤は一般的に、アルカリ性溶液中では非イオン系界面活性剤のように作用し、そして酸性溶液中では陽イオン系界面活性剤のように作用する。
【0075】
市販されている大容量の陽イオン界系面活性剤の多くは、「Surfactant Encyclopedia」Cosmetics & Toiletries 第104(2)巻、86−96頁(1989年)に記述されているように、四大種別及び補足下位グループに区分される。第一類は、アルキルアミン及びその塩を含む。第二類はアルキルイミダゾリンを含む。第三類はエトキシレート化アミンを含む。第四類は、アルキルベンジルジメエチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環式アンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などのような四級物を含む。陽イオン系界面活性剤は、本組成物に有益となり得る様々な特性を備えていることで知られる。これらの好ましい特性は、洗浄性、殺菌有効性などを含む。
【0076】
消泡剤
組成物は任意に消泡剤を含む。一般的に、消泡剤は、シリカ及びシリコーンと、脂肪酸若しくはエステルと、アルコールと、硫酸塩若しくはスルホン酸塩と、アミン若しくはアミドと、フルオロクロロヒドロカーボンなどのハロゲン化物と、植物油、蜜蝋、鉱物油、並びにそれらの硫酸化誘導体と、アルキル及びアルカリ二リン酸塩などのリン酸塩及びリン酸塩エステル、その他のトリブチルリン酸塩と、それらの混合物とを含む。食品等級の消泡剤が好ましい。このため、一つ又はそれ以上の有効な発泡防止剤はシリコーンを含む。ジメチルシリコーン、グリコールポリシロキサン、メチルフェノールポリシロキサン、トリアルキル又はテトラルキルシラン、疎水性シリカ消泡剤及びそれらの混合物などのシリコーンは、あらゆる消泡用途に使用される。一般市場で入手できる消泡剤には、アーマー・インダストリアル・ケミカル(Armour Industrial Chemical)社から発売されている、有機エマルジョンにシリコーンを結合させたArdefoam(登録商標)と、クルセイブル・ケミカル(Krusable Chemical)社から発売されている、シリコーンタイプ及びノンシリコーンタイプ、かつシリコーンエステルの消泡剤であるFoam Kill(登録商標)又はKresseo(登録商標)と、いずれも食品等級タイプのシリコンであるダウ・コーニング(Dow Corning)社のAnti−Foam A(登録商標)及びDC−200などが含まれる。これらの消泡剤は、約0.01質量%〜5質量%、好ましくは約0.01質量%〜2質量%、最も好ましくは約0.01質量%〜約1質量%の濃度範囲で提供されている。
【0077】
腐蝕抑制剤
組成物は任意に腐蝕抑制剤を含む。有用な腐蝕抑制剤は、短鎖カルボン二酸及び三酸のようなポリカルボン酸、並びにリン酸エステル、及びその化合物を含む。有用なリン酸エステルは、アルキルリン酸エステル、モノアルキルアリルリン酸エステル、ジアルキルアリルリン酸エステル、トリアルキルアリルリン酸エステル、及びそれらの混合物(例えば、ウィトコ・ケミカル(Witco Chemical)社から発売されているEmphos PS 236など)を含む。その他の有用な腐蝕抑制剤は、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、及びメルカプトベンゾチアゾールなどのトリアゾールであるが、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のようなホスホン酸塩、又はオレイン酸ジエタノールアミド及びココアンフォヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩などの界面活性剤との混合物を含む。有用な腐蝕抑制剤は、ジカルボン酸のようなポリカルボン酸を含む。好ましい酸は、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、及びそれらの混合物である。最も好ましいのは、アジピン酸、グルタル酸及びコハク酸の混合物であり、BASF社から販売されている商品名SOKALAN(登録商標)DCSという原材料である。
【0078】
レオロジー改質剤
組成物は、任意に一つ又はそれ以上のレオロジー改質剤を含む。有用な水溶性又は水分散性レオロジー改質剤は、無機類又は有機類として分類されることができる。有機増粘剤はさらに天然ポリマーと合成ポリマーに分けられ、後者はまたさらに、天然系合成剤と石油系合成剤に細分される。
【0079】
無機増粘剤は、一般的に、コロイドマグネシウムアルミニウムケイ酸塩(VEEGUM(登録商標))、コロイド性粘土(Bentonites)、シリカ(CAB−O−SILS(登録商標))などの化合物であるが、それらは、粒径比に対して大きな表面を有する粒子を形成するために焼結されているか、又は沈殿させられている。適合する天然ヒドロゲル増粘剤は主に、野菜から抽出された浸出液である。例えば、トラガカントゴム、カラヤゴム、及びアカシアゴム;カラギーナン、イナゴマメゴム、グアーガム及びペクチンなどの抽出物;又はキサンタンガムのような純粋培養発酵製品である。化学的に見て、これらの材料はすべて陰イオン系多糖類の錯塩である。合成天然系増粘剤は、基質群に供給するため直鎖無水グルコースポリマーの遊離ヒドロキシル基がエーテル化又はエステル化された、セルロース抽出物であり、水に溶解し、粘性を有する溶液を与える。このグループの材料には、アルキル基及びヒドロキシアルキルセルロース、特にメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが含まれる。合成石油系水溶性ポリマーは、適合するモノマーを直接重合することによって調製され、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、及びポリエチレンイミンが代表的である。
【0080】
染料及び香料
組成物は任意に様々な染料、香料を含む着臭剤、及びその他の美的強調剤を含む。好ましい染料は、FD&C染料、D&C染料などを含む。
【0081】
無菌包装での使用
無菌包装充填は2つの基本カテゴリーに分類される。それは、単回使用充填、及び再使用又はリサイクル充填である。
【0082】
単回使用システムは、過酸の希釈備蓄溶液を生成する。この容液を少量スプレーし、パッケージの内側を殺菌する。溶液は射出ポイントで加熱されるか、又は容器への射出に先立ち予熱される。それぞれの場合において、稼働条件(温度、接触時間、及び過酸濃度)が選ばれ、容器の量産滅菌が行われる。容器の内側に接触した後、使用された溶液は容器から排出され、抜き出されるか、又は環境殺菌処理のため、若しくは容器の外側を処理するため、機械の他の部分へ送られる。
【0083】
容器は処理を施された後、微生物的に見た純水ですすがれ、液体食品を充填した後、密封される。これらすべての工程は、滅菌区域と呼ばれる充填機内の正圧区域の内側で行われる。
【0084】
再使用充填において、充填機は希釈過酸溶液の液体槽を含む。この液体槽は設定温度(40〜65℃)に保たれる。充填機は、容器の内側と外側の両方を殺菌するために、溶液をこの液体槽から引いて使用する。溶液は容器から排出され、回収されて、元の同じ液体槽へ戻される。
【0085】
容器は処理を施された後、微生物的に見た純水ですすがれ、液体食品を充填した後、密封される。これらすべての工程は、滅菌区域と呼ばれる充填機内の正圧区域の内側で行われる。
【0086】
食品パッケージのすすぎに使用された溶液は再使用される。食品パッケージをすすぐ際、ペルオキシカルボン酸組成物の一部は、パッケージからすすぎ溶液が排出されるのと同時に、すすぎ溶液中に行く。ペルオキシカルボン酸排液の場合と同様に、すすぎ溶液の過酸化水素濃度は時間とともに高くなり、最終的にすすぎ溶液が再利用できない濃度に達するため、真水で希釈するか、完全に入れ替えて新しいすすぎ溶液を使用しなくてはならない。選択されたカタラーゼ酵素を持つ殺菌組成物はまた、すすぎ溶液中の過酸化水素濃度が希釈又は入れ替えが必要な濃度まで上がらないため、すすぎ溶液をさらに長く使用でき、時間、コスト、薬品、そして水を節約できる点で有益である。すすぎ溶液中の過酸化水素濃度は、再利用されたすすぎ溶液中で45又は35ppm未満に留まることが好ましい。
【0087】
すすぎ溶液は水を含む。すすぎ溶液はまた、水を微生物学的に純粋(つまり微生物が存在しない状態)にするため、殺菌添加剤を含む。すすぎ溶液はまた、すすぎ補助剤のようなすすぎ効果を高める他の添加剤を含む。最後に、すすぎ溶液は、カタラーゼ酵素を持つ殺菌組成物の一部を含む。ある実施形態において、すすぎ溶液は、容器殺菌に使用される殺菌組成物を約0.15質量%〜約1.5質量%含む。
【0088】
すすぎ水が再利用又は再使用される場合、すすぎ水は加工されることができる。加工は、例えば濾膜又は濾過管を使用して、すすぎ溶液から残留物を濾過する作業を含む。加工は、食品パッケージから排水された後、溶液中に確認できる薬品又は添加物を、例えばカラム又は膜などを通して濾過することを含む。加工はまた、再度使用する際にすすぎ溶液としての効果を出すため、すすぎ溶液にさらに添加剤(例えば、さらなる殺菌剤)を追加することも含むことができる。
【0089】
すすぎ溶液の再利用は包装の滅菌方法の一部とすることができ、この方法では、選択されたカタラーゼ酵素を持つ殺菌組成物が、食品パッケージに適用された後、食品パッケージから排水されることができて、食品パッケージはその後にすすぎ溶液ですすがれ、すすぎ溶液は食品パッケージから排水され、回収され、その後に処理されて再利用すすぎ溶液を形成し、次にそれは、食品パッケージをすすぐために再使用若しくは再利用されるか、又は環境洗浄剤、殺菌剤又はすすぎに使用される。
【0090】
無菌包装は、本発明による組成物を容器と接触させる工程を含む。この接触は、スプレー器具、又は容器内で微生物群を洗浄若しくは低減するために充分な時間で、容器の内側に本組成物を十分に接触させる浸漬槽若しくは容器を用いて、達成されることができる。その後、使用した本発明の組成物を容器からすべて排出し、空にする。空にした容器は、飲料水又は滅菌水(すすぎ添加物を含む)ですすぎ、再度空にする。すすぎの後、容器は食品を充填されることができる。次に、容器は密閉されるか、蓋をされるか、若しくは閉められて、そして次に最終的な販売に向けた出荷のために包装される。
【0091】
充填可能な容器の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルミニウム、単層若しくは複層フィルム又はポーチ、ボール紙、スチール、ガラス、複層ボトル、その他のポリマー包装材料、これらの材料を組み合わせたフィルム、ポーチ、ボトル、又はその他の食品包装材料を含む。
【0092】
動作中、酵素は同時に、又は連続して追加されることができる。酵素は浮遊しているか、又は基質上に固定されることができる。酵素は液体槽の過酸に追加されることができる。また、酵素は使用時に追加され、製品の出荷前には追加されないことが好ましい。
【0093】
図1は、本発明の組成物を使用するボトルスプレー/ボトリング操作の実施形態を示したものである。操作は冷却無菌操作でよい。図1は、殺菌方式に従って飲料ボトルをペルオキシカルボン酸に接触させることのできる、プラント100を示す。図1で、ボトル110は殺菌トンネル102の中を通る。殺菌されたボトル110aは、次にすすぎトンネル103を通り、殺菌してすすがれたボトル110bとして出てくる。
【0094】
この工程では、本組成物は保持タンク101へ追加される。通常、材料はタンク101内で約22℃の温度に維持される。ペルオキシカルボン酸の使用組成物は、ヒーター108を通り、約40〜65℃の温度に達する。加熱されたペルオキシカルボン酸の使用組成物を、殺菌トンネル102内で、ボトル110の内外すべての面にスプレーする。本組成物は、毎秒約0.01〜5.0リットルの割合で保持タンク又は液体槽から(ポンプなどで)送り出されてよい。
【0095】
ペルオキシカルボン酸の使用組成物と接触した後、そしてボトルから余分な組成物が排出された後、次に殺菌されたボトル110は、真水すすぎトンネル103を通る。真水108は、真水補給機からスプレーすすぎトンネル103中に提供される。真水には、すすぎ添加物を含めることができる。余分なスプレー液は、すすぎトンネル103からドレイン106へ排出されるか、又は上述のように回収され再使用されることができる。トンネル103内では、殺菌されたボトル110aは真水で十分にすすがれる。ボトル110aからペルオキシカルボン酸組成物を完全に除去することは、飲料製品の高品質を維持するために重要である。殺菌され、かつすすがれたボトル110bは、次にすすぎトンネルから出される。
【0096】
システム各部から蒸気又は臭気を排出するために、デイタンク101、殺菌トンネル102、及びすすぎトンネル103はすべて別々に、濡れたスクラバー又は通気口111a、111b、又は111cへ放出される。散布されてボトル110aから排出された殺菌材料は、スプレートンネル102の底部に溜まり、その後所望により、再利用ライン及びヒーター107を通ってデイタンク101に入り再利用されて、システムを出てドレインへ向かうか、又はプラントの他の部分に使用されるか、若しくは運ばれる。
【0097】
ボトルとペルオキシカルボン酸殺菌組成物との接触は、約0℃より高い温度、25℃より高い温度、又は約40℃より高い温度で行われる。約40℃〜90℃の温度が使用されることができる。特定の実施形態において、40℃〜60℃で最低5秒、又は最低約10秒の接触が利用される。
【0098】
16オンスのポリエチレンテレフタレート(PETボトル)、又は他の重合体飲料容器への冷却無菌充填において、工程にはペルオキシカルボン酸組成物の使用が採用されてきた。ペルオキシカルボン酸組成物は、約0.1〜約10質量%の使用濃度に希釈され、約25℃〜約70℃、例えば約40℃〜約60℃の有効な温度に加熱され維持される。ボトルへの材料のスプレー又は灌流は、最低5秒、例えば約10秒間〜最大2分間、ボトルと殺菌材料の接触を確保する。灌流の完了後、ボトルからすべての内容物を最低約2秒間排出し、その後任意で5秒間、38℃(100°F)の殺菌水約200ミリリットルですすぐ。任意ですすぎ水を満たす場合は、最低2秒間殺菌すすぎ水の排水を行った後、速やかに液体飲料を充填する。すすぎ水は、選択されたカタラーゼ酵素が特に無菌包装に有用なすすぎ添加物を含む。過酸とカタラーゼを共に貯蔵する必要はなく、カタラーゼを過酸組成物に導入する地点であればどこでも、過酸組成物を使用できると理解されたい。このような使用は、ヘルスケア(例えば、内視鏡などの機器洗浄における高水準滅菌として)において、また食品及び飲料、製品洗浄、ランドリー及びハウスキーピング産業に使用される過酸組成物を含む。
【実施例】
【0099】
本発明のより完全な理解のために、以下の実施例を挙げて幾つかの実施形態を説明する。これらの実施例及び試験は単なる例示であり、それらに限定されるものではないことを理解されたい。別段の指示があるものを除き、すべて質量表示となっている。
【0100】
実施例
下の表は、以下の実施例で使用される特定の化学成分について簡単に説明するものである。
【0101】
【表1】

【0102】
実施例1
実施例1では、100ppmの濃度で、様々なカタラーゼ酵素の過酸化水素分解能力を比較した。この実施例では、カタラーゼの備蓄溶液のアリコートを、約20,000ppmの酢酸と500〜800ppmの過酸化水素を含む60℃の溶液1000mlの中へ追加する。1000ml溶液で100ppmの酵素濃縮物になるようにカタラーゼを追加した。計測開始時、5分、10分、及び15分の各時点で、過酸化水素の濃度を測定した。1〜2mlの10.0KI溶液、1〜2mlの濃縮硫酸、4〜5滴の酸素触媒(アンモニウムモリブデン酸塩の飽和溶液)、及び数滴のデンプン溶液を含む溶液のアリコート10mlの滴定で、過酸化水素濃度を測定した。滴定剤は0.1Nチオ硫酸ナトリウムであった。溶液は無色になるエンドポイントで滴定され、過酸濃度を以下の計算式:
【数1】

【数2】

により算出した。
【0103】
過酸化水素濃度を下表1に示す。
【0104】
【表2】

【0105】
表1は、特にASC Super G、ASC Super 200、及びCA−400を含む菌類カタラーゼが、10分後に過酸化水素濃度を0まで低減できたことを示している。ウシカタラーゼは、過酸化水素濃度を28.9ppm低減したに過ぎなかった。
【0106】
実施例2
実施例2では、20ppmの濃度で、様々なカタラーゼ酵素の過酸化水素分解能力を比較した。この実施例では、60℃の温度で、20ppmのカタラーゼ酵素を20,000ppmの酢酸及び500〜800ppmの過酸化水素に希釈した。実施例1と同じ方法を使い、計測開始時、5分、10分、及び15分の各時点で、過酸化水素の濃度を測定した。過酸化水素濃度を下表2に示す。
【0107】
【表3】

【0108】
表2は、菌類カタラーゼ、及び特にASC Super G、ASC Super 200、及びCA−400が、過酸化水素濃度を明確に低減できたことを示している。ウシカタラーゼは、過酸化水素濃度を計測可能な水準まで低減できなかった。
【0109】
実施例3
実施例3では、CA−400カタラーゼの温度安定性を測定した。この実施例では、CA−400の5000ppmサンプルを小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽中に置いた。CA−400のサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素サンプルも試験された。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものを分光光度計用に用意した。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の吸光度値を表3に示す。修正済み吸光度値(過酸化水素中カタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表4に示す。分光光度計の測定値を過酸化水素濃度に変換した。過酸化水素濃度を以下の公式:
ppm H=(酵素を有するH溶液の吸光度−酵素水溶液の吸光度)(0.0012)(1000000)
で算出した。
【0110】
時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表5に示す。
【0111】
【表4】

【0112】
【表5】

【0113】
【表6】

【0114】
実施例3は、4時間に亘り温水槽に入れた後でも、過酸化水素濃度を75秒以内で0に低減させることができたという事実に基づき、CA−400が時間を経ても60℃で安定していたことを示している。
【0115】
実施例4
実施例4では、20,000ppmの酢酸中におけるCA−400カタラーゼの温度安定性を測定した。酵素はガラス容器に入れられた酢酸中に、0時間から1、2若しくは4時間置かれた。この実施例では、CA−400の5000ppmサンプルを20000ppmの酢酸溶液と共に小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽中に置いた。CA−400のサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素のサンプルも試験した。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものが分光光度計用に用意された。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の値を表6に示す。修正済みの値(過酸化水素中のカタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表7に示す。分光光度計の測定値を過酸化水素濃度に変換した。これらの値は、実施例3と同じ方法で算出された。時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表8に示す。
【0116】
【表7】

【0117】
【表8】

【0118】
【表9】

【0119】
実施例4は、4時間に亘り温水槽に入れ、かつ20,000ppmの酢酸に暴露させた後でも、過酸化水素濃度を時間経過ともに低減させることができたという事実に基づき、CA−400が60℃で安定していたことを示している。
【0120】
実施例5
実施例5では、CA−100カタラーゼの温度安定性を測定した。この実施例では、CA−100の5000ppmサンプルを小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽中に置いた。CA−100のサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素のサンプルも試験した。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものが分光光度計用に用意された。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の値を表9に示す。修正済みの値(過酸化水素中のカタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表10に示す。分光光度計の測定値を過酸化水素濃度に変換した。これらの値は、実施例3と同じ方法で算出された。時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表11に示す。
【0121】
【表10】

【0122】
【表11】

【0123】
【表12】

【0124】
実施例5は、4時間に亘り温水槽に入れていた後でも、過酸化水素濃度を低減させることができたという事実に基づき、CA−100が時間を経ても60℃で安定していたことを示している。
【0125】
実施例6
実施例6では、20,000ppm酢酸の存在下における、CA−100カタラーゼの温度安定性を測定した。この実施例では、CA−100の5000ppmサンプルを20000ppmの酢酸溶液と共に小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽に置いた。CA−100のサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素のサンプルも試験した。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものが分光光度計用に用意された。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の値を表12に示す。修正済みの値(過酸化水素中のカタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表13に示す。分光光度計の測定値は、実施例3と同様に、過酸化水素濃度に変換された。時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表14に示す。
【0126】
【表13】

【0127】
【表14】

【0128】
【表15】

【0129】
実施例6は、4時間に亘り温水槽に入れていた後でも、過酸化水素濃度を低減させることができたという事実に基づき、20,000ppm酢酸の存在下において、CA−100が60℃で安定していたことを示している。
【0130】
実施例7
実施例7では、ASC Super Gカタラーゼの温度安定性を測定した。この実施例では、ASC Super Gの5000ppmサンプルを小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽中に置いた。ASC Super Gのサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素のサンプルも試験した。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものが分光光度計用に用意された。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の値を表15に示す。修正済みの値(過酸化水素中のカタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表16に示す。分光光度計の測定値は、実施例3と同様に、過酸化水素濃度に変換された。時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表17に示す。
【0131】
【表16】

【0132】
【表17】

【0133】
【表18】

【0134】
実施例7は、4時間に亘り温水槽に入れていた後でも、過酸化水素濃度を低減させることができたという事実に基づき、ASC Super Gが60℃で安定していたことを示している。
【0135】
実施例8
実施例8では、20,000ppmの酢酸中におけるASC Super Gカタラーゼの温度安定性を測定した。この実施例では、ASC Super Gの5000ppmサンプルを20000ppmの酢酸と共に小さなガラス容器に入れ、60℃の水槽に置いた。ASC Super Gのサンプルを水槽から取り出して、一定の暴露時間の後、氷水槽に置いた。氷水槽の後、室温で紫外可視分光光度計を使い、過酸化水素に対しサンプルを240nmで2分間試験した。蒸留水に入れた酵素のサンプルも試験した。サンプルは、過酸化水素の備蓄溶液3mlをピペットで計り、1cm×1cmの石英キュベットに入れたものが分光光度計用に用意された。250μlのカタラーゼ溶液を過酸化水素溶液に加えた。分光光度計を使い、15秒間隔で計測を行った。未修正の値を表18に示す。修正済みの値(過酸化水素中のカタラーゼの未修正値−蒸留水対照値)を表19に示す。分光光度計の測定値を過酸化水素濃度に変換した。時間経過に伴う過酸化水素濃度(ppm)を下表20に示す。
【0136】
【表19】

【0137】
【表20】

【0138】
【表21】

【0139】
実施例8は、4時間に亘り温水槽に入れていた後でも、過酸化水素濃度を低減させることができたという事実に基づき、20,000ppm酢酸の存在下において、ASC Super Gが60℃で安定していたことを示している。
【0140】
実施例9
実施例9では、CA−100カタラーゼの順次追加と一括追加の影響を決定した。この実施例では、10質量%酵素の備蓄溶液を調製した。13.5%過酢酸、10.88%過酸化水素、及び23.15%酢酸を含む過酸濃縮物も調製した。この過酸濃縮物を希釈して、約3000ppmの過酢酸を有する溶液を形成した。総酢酸濃度が20,000ppmになるまで、追加の氷酢酸を希釈溶液に追加した。
【0141】
順次追加の影響を試験するため、1mlの酵素備蓄溶液(100ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。30分後、さらに1mlの酵素備蓄溶液(総量200ppmの酵素のうち100ppmの酵素)を希釈過酸溶液に追加して、再度滴定した。
【0142】
一括追加の影響を試験するため、2mlの酵素備蓄溶液(200ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。
【0143】
【表22】

【0144】
【表23】

【0145】
実施例9は、一括追加により過酸化水素濃度が136ppmに低減したのに対し、順次追加では過酸化水素濃度が552.5ppmまでしか低減しなかったという事実に基づき、CA−100を使って過酸化水素濃度を低減させるには、順次追加より一括追加の方が良いということを示している。
【0146】
実施例10
実施例10では、CA−400カタラーゼの順次追加と一括追加の影響を決定した。この実施例では、2質量%酵素の備蓄溶液を調製した。13.5%過酢酸、10.88%過酸化水素、及び23.15%酢酸を含む過酸濃縮物も調製した。この過酸濃縮物を希釈して、3000ppmの過酢酸を有する溶液を形成した。総酢酸濃度が20,000ppmになるまで、追加の氷酢酸を希釈溶液に追加した。
【0147】
順次追加の影響を試験するため、2mlの酵素備蓄溶液(40ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。30分後、さらに2mlの酵素備蓄溶液(総量80ppmの酵素のうち40ppmの酵素)を希釈過酸溶液に追加して、再度滴定した。
【0148】
一括追加の影響を試験するため、4mlの酵素備蓄溶液(80ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。
【0149】
【表24】

【0150】
【表25】

【0151】
実施例10は、順次追加により過酸化水素濃度が102ppmに低減したのに対し、一括追加では過酸化水素濃度が544ppmまでしか低減しなかったという事実に基づき、CA−400を使って過酸化水素濃度を低減させるには、一括追加より順次追加の方が良いということを示している。
【0152】
実施例11
実施例11では、ASC Super Gカタラーゼの順次追加と一括追加の影響を決定した。この実施例では、10質量%酵素の備蓄溶液を調製した。13.5%過酢酸、10.88%過酸化水素、及び23.15%酢酸を含む過酸濃縮物も調製した。この過酸濃縮物を希釈して、3000ppmの過酢酸溶液を形成した。総酢酸濃度が20,000ppmになるまで、追加の氷酢酸を希釈溶液に追加した。
【0153】
順次追加の影響を試験するため、1mlの酵素備蓄溶液(100ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。30分後、さらに1mlの酵素備蓄溶液(総量200ppmの酵素のうち100ppmの酵素)を希釈過酸溶液に追加して、再度滴定した。
【0154】
一括追加の影響を試験するため、2mlの酵素備蓄溶液(200ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。
【0155】
【表26】

【0156】
【表27】

【0157】
実施例11は、順次追加により過酸化水素濃度が170ppmに低減したのに対し、一括追加では過酸化水素濃度が187ppmまでしか低減しなかったという事実に基づき、ASC Super Gを使って過酸化水素濃度を低減させるには、一括追加より順次追加の方が良いということを示している。
【0158】
実施例12
実施例12では、ASC Super 200カタラーゼの順次追加と一括追加の影響を決定した。この実施例では、2質量%酵素の備蓄溶液を調製した。13.5%過酢酸、10.88%過酸化水素、及び23.15%酢酸を含む過酸濃縮物も調製した。この過酸濃縮物を希釈して、3000ppmの過酢酸を有する溶液を形成した。総酢酸濃度が20,000ppmになるまで、追加の氷酢酸を希釈溶液に追加した。
【0159】
順次追加の影響を試験するため、2mlの酵素備蓄溶液(40ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。30分後、さらに2mlの酵素備蓄溶液(総量80ppmの酵素のうち40ppmの酵素)を希釈過酸溶液に追加して、再度滴定した。
【0160】
一括追加の影響を試験するため、4mlの酵素備蓄溶液(80ppmの酵素)を1000mlの希釈過酸溶液に追加した。酵素及び過酸溶液を50℃の水槽に入れ、磁気スターラで撹拌した。0.1Nチオ硫酸ナトリウムを用いたヨウ素還元滴定を使用して、過酸及び過酸化水素濃度についてこの溶液を滴定した。
【0161】
【表28】

【0162】
【表29】

【0163】
実施例12は、順次追加により過酸化水素濃度が0ppmに低減したのに対し、2回目の酵素追加の前に溶液へHを追加しても、一括追加では過酸化水素濃度が187ppmまでしか低減しなかったという事実に基づき、ASC Super 200を使って過酸化水素濃度を低減させるには、一括追加より順次追加が良いということを示している。
【0164】
実施例13
実施例13は、従来の平衡過酸化学物質が殺菌剤としてどの程度作用するのかを、上記の実施例で述べたASC super 200カタラーゼをその同じ化学物質に追加した場合と比較したものである。
【0165】
下記の試験溶液は、実施例9に概説される13.5%過酸濃縮物から、2000ppmの活性過酸となるように作られた。
【0166】
この溶液の500mlアリコートを0.25gのASC super 200で処理した。残りの溶液は未処理のままだった。
【0167】
これらの両方の溶液を50℃まで加熱した。3つの異なる胞子群について、それぞれの溶液に対し、様々な接触時間においてどの程度有効であるかを試験した。
【0168】
【表30】

【0169】
【表31】

【0170】
【表32】

【0171】
【表33】

【0172】
結果は、天然POAA溶液と比較して、合わせられたカタラーゼ過酸組成物の方が確実に効果があることを明確に示している。
【0173】
実施例14
この技術の第二の要点は、低温での無菌包装用途に対して有効性に関する要件を満たすことができる能力である。
【0174】
本案件の試験要件は担体試験に関係していた。担体試験は、小さな円筒形担体上に胞子を接種したものを乾燥させる工程を伴う。次に、担体を一定時間、殺菌剤の試験溶液の中に入れる。その後、溶液から取り出された担体を中和してから、順次に1組の栄養物含有増殖管へ入れる。これらの管において、増殖の有無が洗浄剤の有効性の基準となる。
【0175】
この実施例では、約100ppmのASC super 200で処理された3000ppmの溶液、並びにこの酵素を追加していない同じ溶液を試験した。試験条件は、50℃又は60℃に保った化学物質に19秒間暴露することであった。
【0176】
【表34】

【0177】
この試験の合格点は60/60である。これらの結果は、この用途のためにカタラーゼを含むことの優位性を示した。
【0178】
実施例15
実施例15は、カタラーゼの有無による、時間経過に伴う過酸化水素の蓄積を示す。この実施例では、ペルオキシ酢酸の3000ppm及び6000ppm溶液を、約10%のPOAA及び約10%の過酸化水素を含む市販過酸濃縮物から形成した。これらの溶液を分割した。半分はASC super Gカタラーゼ酵素で処理して、もう半分は未処理のままにした。両方の溶液を60℃の水槽に入れ、時間経過に伴うペルオキシド濃縮物の変化を監視した。
【0179】
表34は、この実験結果の概要である。例34a及び34bは過酸未処理の溶液を表している。例34c及び34dは、ペルオキシド濃度を0とした0時の計測の後、カタラーゼ酵素で処理された同じ過酸溶液を表している。
【0180】
【表35】

【0181】
実施例34a及び34bは、過酸濃縮物希釈後のペルオキシドの自然蓄積を示す。実施例34c及び34dは、全てのペルオキシドを有していた過酸溶液による同様の影響が、触媒反応によって消失したことを示す。これらの結果は、ペルオキシド及び過酸の好ましい範囲が、追加のカタラーゼ酵素と合わせたときにのみ維持されることを証明した。
【0182】
定義
以下に定義する用語について、それらの定義は、その他に別の定義が与えられない限り、特許請求の範囲又は本明細書の他の部分に適用されるべきものである。
【0183】
本明細書中のすべての数値は、明示のあるなしに関わらず、「約」という用語で修飾されているものとみなす。「約」という用語は一般に、提示された値と同等である(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と当業者が見なすであろう数値の範囲を意味する。多くの事例において、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入された数値を含むことがある。
【0184】
質量パーセント、質量によるパーセント、質量%、質量‐%及びその同義語は、材料の質量を組成物の質量で割り、100を掛けた材料の濃度を意味する。
【0185】
両端点による数値の範囲の内容には、その範囲内に包含されるすべての数値が含まれる(例えば、1〜5の範囲には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれている)。
【0186】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられているときには、単数形は、内容が明確に指示されていない限り、複数の指示対象を含んでいる。したがって、例えば、「化合物」を含む組成物への言及には、2つ又はそれ以上の化合物の混合物が含まれる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられている「又は」という用語には、その内容が明確に指示されていない限り、一般にその意味に「及び/又は」を包含して用いられる。
【0187】
本用途における「殺菌」という用語の使用は、いずれの得られた製品も殺菌剤としての使用を推奨されるということを意味するものではない。
【0188】
先の要約、詳細な説明、及び実施例は、発明、及び発明の一部の特定の実施例の実施形態を理解するための論理的基礎を与えるものである。本発明は様々な実施形態を含んでおり、上記の情報は限定されることを意図するものではない。本発明は特許請求に帰属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
(i)ウシ由来カタラーゼ、菌類由来カタラーゼ、及びそれらの混合物から成る群から選択された約20ppm〜約250ppmのカタラーゼ酵素、
(ii)約0.00001質量%〜約0.5質量%の過酸化水素、
(iii)約0.1質量%〜約20.0質量%のC−C10カルボン酸、及び
(iv)約0.1質量%〜約2.0質量%のC−C10ペルカルボン酸
を含む殺菌組成物を使用時に準備する工程;
(b)前記殺菌組成物を約40℃〜65℃に加熱する工程;並びに
(c)食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、前記殺菌組成物を食品パッケージの表面に適用する工程
を含む無菌包装によるパッケージの滅菌方法。
【請求項2】
前記カタラーゼ酵素が、少なくとも500ppmの過酸化水素を15分未満で分解することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カタラーゼ酵素が、40℃及び65℃並びに約2.0〜約2.5のpHで、その初期触媒活性の50%を1時間以上に亘って維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カタラーゼ酵素が一括追加で追加される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カタラーゼ酵素が順次適用で追加される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カタラーゼ酵素が、500ppmの過酸化水素を15分で分解できる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カタラーゼ酵素が、前記殺菌組成物中に浮遊している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カタラーゼ酵素が、前記残存殺菌組成物と接触する水不溶性基質に固定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
過酸化水素濃度が、1000ppm未満に維持されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記カルボン酸が、酢酸、オクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして前記過酸が、過酢酸、ペルオクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(a)
(i)約20ppm〜約250ppmの菌類由来カタラーゼ酵素、
(ii)約0.00001%〜約0.3質量%の過酸化水素、
(iii)酢酸、オクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される、約0.1%〜約2.0質量%のカルボン酸、及び
(iv)過酢酸、ペルオクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される、約0.15%〜約0.4質量%のペルカルボン酸
を含む殺菌組成物を準備する工程;
(b)前記殺菌組成物を約40℃〜65℃に加熱する工程;並びに
(c)食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、前記殺菌組成物を食品パッケージの表面に適用する工程
を含む無菌包装によるパッケージの滅菌方法。
【請求項12】
(a)
(i)約20ppm〜約250ppmの菌類由来カタラーゼ酵素、
(ii)約0.00001%〜約0.3質量%の過酸化水素、
(iii)酢酸、オクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される、約0.1%〜約2.0質量%のカルボン酸、及び
(iv)過酢酸、ペルオクタン酸、及びそれらの混合物から成る群から選択される、約0.15%〜約0.4質量%のペルカルボン酸
を含む殺菌組成物を液体槽で形成する工程;
(b)前記液体槽で前記組成物を約20℃〜65℃に加熱する工程;
(c)前記液体槽からパッケージへ毎秒約0.01リットル〜毎秒約5.0リットルで前記殺菌組成物を送り込む工程;
(d)食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、前記組成物を食品パッケージの表面に適用する工程;
(e)前記液体槽中の過酸化水素濃度を監視する工程;並びに
(f)追加のカタラーゼ酵素を前記液体槽へ追加して、前記過酸化水素濃度を0.1質量%未満に保つ工程
を含む無菌包装によるパッケージの滅菌方法。
【請求項13】
前記カタラーゼ酵素がセンサーの示度に応じて前記液体槽へ追加される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カタラーゼ酵素が時間に応じて前記液体槽へ追加される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記カタラーゼが順次適用で前記液体槽へ追加される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記カタラーゼが一括追加で前記液体槽へ追加される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記食品パッケージが、ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、アルミニウム、単層フィルム、複層フィルム、ボール紙、スチール、ガラス、複層ボトル、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
(a)
(i)ウシ由来カタラーゼ、菌類由来カタラーゼ、及びそれらの混合物から成る群から選択される、約20ppm〜約250ppmのカタラーゼ酵素、
(ii)約0.00001%〜約0.5質量%の過酸化水素、
(iii)約0.1%〜約20.0質量%のC−C10カルボン酸、及び
(iv)約0.1%〜約2.0質量%のC−C10ペルカルボン酸
を含む殺菌組成物を使用時に準備する工程;
(b)前記殺菌組成物を約40℃〜65℃に加熱する工程;
(c)食品パッケージに入れられた最終食物製品を非冷蔵貯蔵条件下での供給販売に適したものにするために十分な量で、前記殺菌組成物を食品パッケージの表面に適用する工程;
(d)前記食品パッケージから前記殺菌組成物を排出させる工程;
(e)すすぎ溶液で前記食品パッケージをすすぐ工程;
(f)前記食品パッケージから前記すすぎ溶液を排出させる工程;
(g)排出されたすすぎ溶液を回収する工程;
(h)回収されたすすぎ溶液を加工して、再利用すすぎ溶液を形成する工程;並びに
(i)前記再利用すすぎ溶液を使用する工程
を含む無菌包装によるパッケージの滅菌方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−517946(P2011−517946A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504601(P2011−504601)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051610
【国際公開番号】WO2009/128049
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】