説明

選択基準を示すインジケーションに基づいて、データ・フローを割り当てるための装置および方法

利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信することと、データ・フローに基づいて選択基準を決定することと、決定された選択基準と、少なくとも1つのインジケーションとに基づいて、アクセスを選択することと、を含み、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための装置および方法。一例において、選択基準は、下記のうちの1つである。データ・フローのための帯域幅要件、データ・フローを生成するアプリケーション、データ・フローを伝送するために使用されるプロトコル、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、役割ID、または、データ・フローのスループット。一例において、ポリシーは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信された管理オブジェクト(MO)であり、選択されたアクセスは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)向け、LTEネットワーク向け、または、3GPPサービス向けである。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本特許出願は、「帯域幅要件を示すインジケーションに基づいて、データ・フローを割り当てるための方法およびシステム」(Method and System for Allocating Data Flows Based on Indication of Bandwidth Requirements)と題された2010年1月15日出願の米国特許仮出願61/295,581号に対する優先権を主張する。この仮出願は、本明細書の譲受人に譲渡され、本明細書に参照によって明確に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、無線通信のための装置および方法に関する。さらに詳しくは、本開示は、選択基準を示すインジケーションに基づいて、データ・フローを割り当てることに関連する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは、例えば、音声、データ等のようなさまざまなタイプの通信コンテンツを提供するために広く開発された。これらのシステムは、(例えば、帯域幅、送信電力等のような)利用可能なシステム・リソースを共有することにより、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムでありうる。このような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)システム、および直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム等を含む。
【0004】
一般に、無線多元接続通信システムは、複数の無線端末のための通信を同時にサポートすることができる。端末はおのおのの、順方向リンクおよび逆方向リンクによる送信を介して1または複数の基地局と通信する。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力、複数入力単一出力、あるいは、複数入力複数出力(MIMO)システムによって確立されうる。
【0005】
MIMOシステムはデータ送信のために、複数(N個)の送信アンテナと複数(N個)の受信アンテナとを適用する。N個の送信アンテナおよびN個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルとも称されるN個の独立チャネルへ分割される。ここでN≦min{N、N}である。N個の独立チャネルのおのおのは、ディメンションに相当する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成される追加のディメンションが利用される場合、MIMOシステムは、(例えば、より高いスループット、および/または、より高い信頼性のような)向上されたパフォーマンスを与える。
【0006】
MIMOシステムは、時分割デュプレクス(TDD)システムおよび周波数分割デュプレクス(FDD)システムをサポートする。TDDシステムでは、相互原理によって、逆方向リンク・チャネルから順方向リンク・チャネルを推定できるように、順方向リンク送信および逆方向リンク送信が、同じ周波数領域にある。これによって、アクセス・ポイントにおいて複数のアンテナが利用可能である場合、アクセス・ポイントは、順方向リンクで送信ビーム・フォーミング・ゲインを抽出できるようになる。
【発明の概要】
【0007】
以下は、1または複数の態様の基本的な理解を与えるために、このような態様の簡略化された概要を示す。この概要は、考えられるすべての態様の広範囲な概観ではなく、すべての態様の重要要素や決定的要素を特定することも、何れかまたは全ての態様のスコープを線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な記載に対する前置きとして、簡略化された形式で1または複数の態様のいくつかの概念を表すことである。
【0008】
選択基準を示すインジケーションに基づいて、データ・フローを割り当てるための装置および方法が開示される。1つの態様によれば、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための方法は、以下を含む。利用可能なアクセスのうちの複数から、アクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信することと、データ・フローに基づいて選択基準を決定することと、決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいて、アクセスを選択すること。
【0009】
別の態様によれば、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための装置(またはデバイス)が開示される。この装置は、少なくとも1つのポリシーを受信する手段を含む。このポリシーは、利用可能なアクセスのうちの複数から、アクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含みうる。この装置はさらに、データ・フローに基づいて選択基準を決定する手段と、決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいて、アクセスを選択する手段とを含む。
【0010】
別の態様によれば、選択基準に基づいて、データ・フローを割り当てるための装置が開示されている。この装置は、利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信するためのトランシーバと、データ・フローに基づいて選択基準を決定し、決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいてアクセスを選択するためのプロセッサとを含む。
【0011】
別の態様によれば、格納されたプログラム・コードを含む、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体が開示されている。このプログラム・コードは、利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信するためのプログラム・コードと、データ・フローに基づいて選択基準を決定するためのプログラム・コードと、決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいて、アクセスを選択するためのプログラム・コードとを含みうる。
【0012】
本開示の利点は、データ・フロー割当において高められた効率と、データ・フローのためのスループットを向上することとを含みうる。
【0013】
例示によってさまざまな態様が図示および記載された以下の詳細説明から、その他の態様も、当業者に容易に明らかになるであろうことが理解される。これら図面および詳細説明は、本質的に例示的であり、限定的であるとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、多元接続無線通信システムの例を例示する。
【図2】図2は、(アクセス・ポイントとしても知られている)送信機システムと(アクセス端末としても知られている)受信機システムとのブロック図の例を例示する。
【図3】図3は、イボルブド・パケット・システム(EPS)の例を例示する。
【図4】図4は、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)エンティティの管理オブジェクト(MO)の例を例示する。
【図5】図5は、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための第1の例のフロー図を例示する。
【図6】図6は、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための第1の例のデバイスを例示する。
【図7】図7は、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための第2の例のフロー図を例示する。
【図8】図8は、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための第2の例のデバイスを例示する。
【図9】図9は、選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための処理を実行するために、メモリと通信するプロセッサを含むデバイスの例を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面とともに以下に説明する詳細説明は、本開示のさまざまな態様の説明として意図されており、本開示が実現される態様のみを表すことは意図されていない。本開示で記載されたおのおのの態様は、単に、本開示の例示または例として提供されており、他の態様よりも好適であるとか有利であるとか必ずしも解釈されるべきではない。詳細説明は、本開示の完全な理解を提供することを目的とした具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、本開示は、これら具体的な詳細なしで実現されうることが当業者に明らかになるだろう。いくつかの事例では、本開示の概念を不明確にすることを避けるために、周知の構成およびデバイスが、ブロック図形式で示される。単に利便性および明確性のために、頭文字および他の記述的な用語が使用されるが、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0016】
説明を単純にする目的で、これら方法は、一連の動作として示され説明されているが、これら方法は、1または複数の態様にしたがって、幾つかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、動作の順序によって限定されない ことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、これら方法はこの代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを理解し認識するだろう。さらに、1または複数の態様にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示された全ての動作が必要とされる訳ではない。
【0017】
本明細書に記載された技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク等のような様々な無線通信ネットワークのために使用される。「システム」、「ネットワーク」という用語は、しばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、cdma2000等のようなラジオ技術を実現しうる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)および時分割シンクロナス符号分割多元接続(TD−SCDMA)(別名、低チップ・レート(LCR))を含んでいる。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のようなラジオ技術を実現しうる。OFDMAネットワークは、例えば、イボルブドUTRA(E−UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。ロング・ターム・イボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTS、およびLTEは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記載されている。これらさまざまなラジオ技術および規格は、当該技術分野において知られている。
【0018】
単一キャリア変調および周波数領域等値化を利用するシングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、OFDMAシステムのものと同等のパフォーマンスと、実質的に同じ全体的な複雑さとを持つ技術である。SC−FDMA信号は、固有の単一キャリア構造により、低いピーク対平均電力比(PAPR)を有しうる。SC−FDMAは、送信電力効率の観点から、低いPAPRがモバイル端末に利益をもたらすアップリンク通信において利用されうる。
【0019】
図1を参照して、1つの実施形態にしたがった多元接続無線通信システムが例示される。アクセス・ポイント100(AP)は、1つは104,106を含み、他のものは108,110を含み、さらに他のものは112,114を含む複数のアンテナ・グループを含んでいる。図1では、2本のアンテナだけが各アンテナ・グループのために示されている。しかしながら、2本より多い、または、2本より少ないアンテナが、各アンテナ・グループのために利用されうる。アクセス端末116(AT)はアンテナ112,114と通信しており、アンテナ112,114は、順方向リンク120でアクセス端末116へ情報を送信し、逆方向リンク118でアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末122は、アンテナ106,108と通信しており、アンテナ106,108は、順方向リンク126でアクセス端末122へ情報を送信し、逆方向リンク124でアクセス端末122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118,120,124,126はおのおの、通信のために異なる周波数を使用することができる。
【0020】
例えば、順方向リンク120は、逆方向リンク118によって使用されるものとは異なる周波数を使用することができる。
【0021】
通信するように設計された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、アクセス・ポイントのセクタと称されうる。1つの態様では、アンテナ・グループはおのおの、アクセス・ポイント100によってカバーされる領域のセクタ内のアクセス端末と通信するように設計される。
【0022】
順方向リンク120,126による通信では、アクセス・ポイント100の送信アンテナは、別のアクセス端末116,122のための順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用することができる。さらに、有効通信範囲領域をわたってランダムに分布しているアクセス端末へ送信するためにビームフォーミングを用いるアクセス・ポイントは、すべてのアクセス端末に対して単一のアンテナによって送信しているアクセス・ポイントよりも、近隣セル内のアクセス端末に対して少ない干渉しかもたらさない。
【0023】
アクセス・ポイントは、端末と通信するために使用される固定局であり、アクセス・ポイント、ノードB、eノードB、またはその他いくつかの用語でも称されうる。アクセス端末はまた、モバイル端末、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、ユーザ端末、または、その他のいくつかの用語で称されうる。
【0024】
図2は、(アクセス・ポイントとしても知られている)送信機システム210および(アクセス端末としても知られている)受信機システム250のブロック図の例を例示する。送信機システム210では、多くのデータ・ストリーム用のトラフィック・データが、データ・ソース212から送信(TX)データ・プロセッサ214に提供される。
【0025】
1つの態様では、データ・ストリームはおのおのの、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ214は、おのおののデータ・ストリームのトラフィック・データをフォーマットし、このデータ・ストリームのために選択された特定の符号化スキームに基づいて符号化し、インタリーブして、符号化されたデータを提供する。
【0026】
おのおののデータ・ストリームの符号化されたデータは、OFDM技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。パイロット・データは一般に、既知の手法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、データ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、BPSK、QPSK、M−PSK、あるいはM−QAM等)に基づいて変調(例えば、シンボル・マップ)され、変調シンボルが提供される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、プロセッサ230によって実行される命令群によって決定されうる。
【0027】
すべてのデータ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルをさらに処理するTX MIMOプロセッサ220に提供される。TX MIMOプロセッサ220はその後、N個の変調シンボル・ストリームを、N個の送信機(TMTR)222a乃至222tへ提供する。ある実施形態では、TX MIMOプロセッサ220は、データ・ストリームのシンボル、および、このシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
【0028】
おのおのの送信機222は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。送信機222a乃至222tからのN個の変調信号は、その後、N個のアンテナ224a乃至224tからそれぞれ送信される。
【0029】
受信機システム250では、送信された変調信号がN個のアンテナ252a乃至252rによって受信され、おのおののアンテナ252からの受信信号が、それぞれの受信機(RCVR)254a乃至254rへ提供される。おのおのの受信機254は、受信したそれぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
【0030】
RXデータ・プロセッサ260は、その後、N個の受信機254からN個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信処理技術に基づいて処理して、N個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ260は、その後、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、このデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ260による処理は、送信機システム210におけるTX MIMOプロセッサ220およびTXデータ・プロセッサ214によって実行されるものに対して相補的である。
【0031】
プロセッサ270は、どのプリコーディング行列を利用するのかを定期的に決定する。プロセッサ270は、行列インデクス部およびランク値部を含む逆方向リンク・メッセージを規定する。
【0032】
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を含みうる。逆方向リンク・メッセージは、多くのデータ・ストリームのトラフィック・データをデータ・ソース236から受け取るTXデータ・プロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a乃至254rによって調整され、基地局210へ送り戻される。
【0033】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号が、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータ・プロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信された逆方向リンク・メッセージを抽出する。さらに、プロセッサ230は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを決定し、この抽出されたメッセージを処理する。
【0034】
態様では、論理チャネルが、制御チャネルとトラフィック・チャネルとに分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャストするためのダウンリンク(DL)チャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)と、ページング情報を転送するDLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)と、1またはいくつかのMTCHのためのマルチメディア・ブロードキャスト、および/または、1またはいくつかのマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)のためにマルチキャスト・サービス(MBMS)スケジューリングおよび制御情報を送信するために使用されるポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)とを含みうる。一般に、RRC接続を確立した後、MCCHは、MBMS(注:旧MCCH+MSCH)を受信するUEによってのみ使用される。専用制御チャネル(DCCH)は、専用制御情報を送信するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって使用される。1つの態様では、論理トラフィック・チャネルは、ユーザ情報の転送のための、ポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、1つのUEに専用である、専用トラフィック・チャネル(DTCH)を含みうる。また、マルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)は、トラフィック・データを送信するためのポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルのために使用されうる。
【0035】
1つの態様では、伝送チャネルは、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)チャネルに分類される。DL伝送チャネルは、ブロードキャスト・チャネル(BCH)、ダウンリンク共有データ・チャネル(DL−SDCH)、およびページング・チャネル(PCH)を含みうる。PCHは、UE節電をサポートするために使用され(例えば、DRXサイクルが、ネットワークによってUEへ示され)、セル全体にわたってブロードキャストされ、他の制御/トラフィック・チャネルのために使用されうるPHYリソースへマップされうる。UL伝送チャネルは、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、要求チャネル(REQCH)、アップリンク共有データ・チャネル(UL−SDCH)、および複数のPHYチャネルを含みうる。PHYチャネルは、DLチャネルおよびULチャネルのセットを含みうる。
【0036】
1つの態様では、DL PHYチャネルは、以下のうちの1または複数を含みうる。
・共通パイロット・チャネル(CPICH)、
・同期チャネル(SCH)、
・共通制御チャネル(CCCH)、
・共有DL制御チャネル(SDCCH)、
・マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、
・共有UL割当チャネル(SUACH)、
・アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、
・DL物理共有データ・チャネル(DL−PSDCH)、
・UL電力制御チャネル(UPCCH)、
・ページング・インジケータ・チャネル(PICH)、
・負荷インジケータ・チャネル(LICH)。
【0037】
1つの態様では、UL PHYチャネルは、以下のうちの1または複数を含みうる。
・物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)、
・チャネル品質インジケータ・チャネル(CQICH)、
・アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、
・アンテナ・サブセット・インジケータ・チャネル(ASICH)、
・共有要求チャネル(SREQCH)、
・UL物理共有データ・チャネル(UL−PSDCH)、
・ブロードキャスト・パイロット・チャネル(BPICH)。
【0038】
1つの態様では、シングル・キャリア波形の低PAPR特性を保つチャネル構造が提供される(任意の時間において、チャネルは、周波数的に隣接しているか、あるいは一定間隔で配置されている)。
【0039】
1つの態様では、本開示は、ユーザ機器(UE)の選択基準を示すインジケーションに基づいて、(例えば、ここでは、ネットワーク、インタフェース、ネットワーク・アクセス、アクセス・ポイント、アクセス・ノード等とも称される)利用可能なアクセスから、異なるインターネット・プロトコル(IP)フローを割り当てることを開示する。図3は、イボルブド・パケット・システム(EPS)の例を例示する。例えば、図3に示すシステム300の例に示すように、第3世代パートナシップ計画(3GPP)イボルブド・パケット・システム(EPS)ネットワークは、第1のアクセス312および第2のアクセス313それぞれを介してLTE(3GPP EPS)ネットワーク320および無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)330の両方に接続されたUE310を有する。UE310には、2つのアクセス312,313との間でデータ・フロー(例えば、IPフロー)をどのように配信するかを示すポリシー340が提供されうる。当業者であれば、2つのアクセスしか記載されていないが、本開示は、2つのアクセスに限定されず、本開示の範囲および精神に悪影響を与えることなく、他の数のアクセスも使用されうることを理解するであろう。
【0040】
一例では、ポリシー340を提供するネットワークの構成要素またはモジュールは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)エンティティまたはモジュール350を含みうる。一例では、ANDSF350とUE310との間の通信プロトコルは、オープン・モバイル・アライアンス・デバイス管理(OMA−DM)プロトコル等を利用しうる。OMA−DM仕様に基づいて、UE310およびANDSF350によって交換される情報は、管理オブジェクト(MO)において定義されうる。例えば、ANDSF−UE通信のためのMOは、3GPP技術仕様TS24.312等で指定されうる。
【0041】
1つの態様では、複数のアクセス間でデータ・フロー(例えば、IPフロー)を配信するポリシーは、UEに対して、媒体タイプ、IPソース・アドレス、IP宛先アドレス、ソース・ポート、宛先ポート、またはプロトコル・タイプ等の観点から、記載されたあるデータ・フローのために、どのアクセスが使用されるべきであるかを示しうる。例えば、ANDSFは、UEに対して、例えばハイパテキスト転送プロトコル(HTTP)トラフィックがWLANを介して交換されうることのように、宛先ポート80とのトラフィックのためにWLANが使用されるべきであることを示しうる。1つの態様では、例えば通信制御プロトコル(TCP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)等のようなIPスイートの転送レイヤのプロトコルは、ホスト・トゥ・ホスト通信のためのエンドポイントのデータ構造のために、数字の識別子を使用しうる。このようなエンドポイントは、ポート(別名、接続ポートまたは宛先ポート等)として使用されており、識別子は、ポート番号である。例えば、ポート21は、一般的には、FTPトラフィック接続を称する。例えば、宛先ポート80は、HTTPトラフィック接続を称する。
【0042】
1つの態様では、どのアクセスを使用するかについて(例えば、LTE(3GPP EPS)ネットワーク320へ第1のアクセス312、または、WLAN330へ第2のアクセス313)をUEに示すインジケーションは、所与のデータ・フロー(例えば、IPフロー)によって要求される帯域幅に少なくとも部分的に基づきうる。一例では、データ・フローによって要求される帯域幅の量に基づいて特定のアクセスにおいてデータ・フローを割り当てるために、ANDSFがUEへ通信しうる。このようなインジケーションは、スタンド・アロンの情報を含みうるか、または、他の詳細および基準とともに使用されうる。
【0043】
一例では、ANDSFは、UEに対して、例えば、10キロ・ビット/秒を超える帯域幅使用のように、定義された量よりも多い(または少ない)ネットワーク・リソースを利用するすべてのデータ・フローについて、WLANを使用するように指示しうる。これによって、UEがどのアクセスを使用するかに関する情報は、使用される帯域幅に関連するようになる。別の例では、ANDSFは、UEに対して、例えば、9キロ・ビット/秒を超える帯域幅のように、定義されたパラメータよりも多くを割り当てるすべてのデータ・フローについて、宛先ポート80を用いてWLANを使用するように指示しうる。これによって、データ・フローのためにUEがどのアクセスを使用するかに関する情報は、使用される帯域幅に関連し、データ・フローを生成するアプリケーションに基づくようになる。また別の例では、ANDSFは、UEに対して、UEで動作しているアプリケーションに基づいて、特定のアクセスを使用するように指示しうる。1つの態様では、オペレータが、UEが特定のアクセスで使用しうるおのおののデータ・フローのために許容されたスループットに関するインジケーションを提供しうる。1つの態様では、本明細書で記載された、提案された技術は、例えば3GPP TS 24.312等において、ANDSFのために定義されたMOに、追加の情報を加えることによって実現されうる。
【0044】
別の例では、ANDSFは、UEに対して、複数の選択基準からの1つの基準に基づいて、データ・フローのためのアクセスを選択するように指示しうる。例えば、前述したように、帯域幅基準に関するポリシーが指定されうる。例えば、ファイル・サイズ基準に関するポリシーは、トランザクションのファイル・サイズが所与のサイズしきい値を上回る(または下回る)のであれば、データ・フローにために所与のアクセスが使用されるべきであることを示しうる。一例では、このファイル・サイズ基準は、プロトコルが実際のダウンロード前にファイル・サイズ・ネゴシエーションまたはインジケーションを考慮するポッドキャスト・ダウンロードにおいて役立ちうる。例えば、アプリケーション名/ID基準に関するポリシーは、(例えば、名前またはIDによって識別される)所与のアプリケーションによって生成されたすべてのトラフィックが、所与のアクセスを介してルーティングされうることを示しうる。別の例では、役割ID基準に関するポリシーは、自身を、ボイス・オーバIPストリーム(VoIP)またはビデオ・ストリームであると表明し、このポリシーは、これにしたがって指定されうる。また別の例では、前述されたポリシーの任意の組み合わせであるポリシーもまた指定されうる。当業者であれば、本明細書に記載されたポリシーの例は、限定的ではなく、このポリシーに関する別の例が、本願の精神または範囲に悪影響を与えることなく使用されうることを理解するであろう。
【0045】
上記例は、データ・フローを用いて記載されているが、当業者であれば、データ・フローの内容は、例えば、データ・フローは、限定される訳ではないが、IPフロー、ストリーミング・データ・フロー、ファイル転送フロー、メッセージング・フロー等を含みうるように、所与の最も広い可能な意味を与えられることが意図されていることを理解するであろう。
【0046】
図4は、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)エンティティの管理オブジェクト(MO)の例を例示する。本明細書において提案された開示の態様によれば、ANDSFおよびMOの例は、選択基準に基づいて、データ・フローの割当を実施するために使用されうる。図4に示すように、例えば、ANDSF MO400は、複数のノード(「リーブ」(leaves)または「リーフ」(leaf)としても知られている)を含みうる。一例では、ANDSF MO400は、データ構造内に構成されたデータ・オブジェクトのセットを備えたデータ構造である。図4は、ANDSFエンティティがユーザ機器(UE)に対して、ANDSFエンティティによってUEへ送信されたインジケーションの一部として提供する情報の例を示す。この情報の例は、ポリシーが適合するUEによって生成されたトラフィックを識別するための情報のセットであるフロー説明を含みうる。ノード410(別名、リーフ410)は、限定される訳ではないが、ソースIPアドレス、宛先IPアドレス、ソース・ポート、宛先ポート、プロトコル・タイプ等を含む、UEによって生成されたトラフィックを識別するための情報の例をリストする。ノード420(別名、リーフ420)(例えば、最小使用帯域幅、最大使用帯域幅等)は、選択基準に基づいて、データ・フローの割り当てを実行するために使用されうる対応する情報をリストする。一例では、ノード420における情報はさらに、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID,または役割IDをも含みうる。簡略のために、これらノード(またはリーブ)のうちのいくつかは、これらの機能は、選択基準に基づいて、データ・フローの割り当てに対して末端であるので、ここでは、図示も説明もされていない。優先アクセスという用語は、UEによって使用されるべきアクセスに関連付けられた優先度のランク付けを表す。優先度をランク付けするために使用される情報は、アクセス技術、アクセスID、2次アクセスID、または、アクセス・ネットワーク優先度等を含みうる。有効性エリアという用語は、例えばANDSFエンティティから受信したポリシーがいつ適合するかを判定するためにUEによって使用される情報のセットを表す。有効性エリアにおける情報は、位置情報、ローミング情報、公衆陸線モバイル・ネットワーク(PLMN)情報、日時情報等を含みうる。
【0047】
図5は、例えば、選択基準に少なくとも部分的に基づいて、無線通信ネットワークにおけるデータ・フローを割り当てるための第1の例のフロー図500を例示する。一例では、選択基準のうちの1または複数は、以下のうちの1または複数である。データ・フロー帯域幅要件、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、または役割ID。また別の例では、選択基準は、上にリストされた例の組み合わせである。ブロック510では、ネットワーク・エンティティ(例えば、ANDSF)から、少なくとも1つの管理オブジェクト(MO)が受信される。少なくとも1つのMOは、例えば帯域幅要件のように、データ・フローのあるリソース要件に少なくとも部分的に基づいて、ネットワークの利用可能なアクセス(例えば、WLAN、3GPP等)から選択するための少なくとも1つのインジケーションを含みうる。一例では、このインジケーションは、代わりに、データ・フロー等を生成するアプリケーションを参照しうる。
【0048】
一例では、この少なくとも1つのインジケーションは、例えば10キロ・ビット/秒を超える帯域幅のように、定義されたパラメータよりも多くを割り当てるデータ・フローについて、所与のアクセス(例えば、WLAN)を使用するようにUEに対して示しうる。別の例では、少なくとも1つのインジケーションは、UEに対して、特定のアプリケーションによって生成された、あるいは、特定のプロトコル(例えば、宛先ポート80)および使用された帯域幅(例えば、10キロ・ビット/秒を超える)によって送信されたデータ・フローについて、所与のアクセスを使用するように示しうる。さらに別の例では、このインジケーションは、UEが特定のアクセスに対して割り当てうるデータ・フローのおのおのについて許容されているスループットを示しうる。
【0049】
ブロック510の後、ブロック520では、所与のデータ・フローの帯域幅要件が判定されうる。ブロック530では、利用可能なアクセスのうちの1つが、判定された帯域幅要件と、少なくとも1つのインジケーションとの比較に少なくとも部分的に基づいて選択されうる。1つの態様では、図5のステップにおける1または複数が、ユーザ機器によって、または、ユーザ機器における構成要素(単数または複数)によって実行される。
【0050】
図6は、例えば、データ・フロー選択基準に少なくとも部分的に基づいて、無線通信ネットワークにおいてデータ・フローを割り当てるための第1の例のデバイス600を例示する。一例では、選択基準のうちの1つは、データ・フロー帯域幅要件である。通信デバイスとして、または、通信デバイス内で使用するための類似のデバイスとして、デバイス600が構成されうる。図示するように、デバイス600は、プロセッサ、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックを含みうる。
【0051】
例示されるように、デバイス600は、ネットワーク・エンティティから少なくとも1つのMOを受信するための電子構成要素610を含みうる。ここで、少なくとも1つのMOは、データ・フローの帯域幅要件に少なくとも部分的に基づいて、ネットワークの利用可能なアクセスから選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む。デバイス600は、所与のデータ・フローの帯域幅要件(または、ファイル・サイズ・アプリケーションのようなその他いくつかのネットワーク・リソース要件)あるいは、例えば、データ・フローを生成するアプリケーション、データ量(例えば、データ・フローに含まれるファイル・サイズ)等のような、データ・フローのその他いくつかの属性を判定するための電子構成要素620を含みうる。デバイス600は、判定された帯域幅要件(または、その他のネットワーク・リソース要件)の、少なくとも1つのインジケーションとの比較に少なくとも部分的に基づいて、利用可能なアクセスのうちの1つを選択するための電子構成要素630を含みうる。一例において、1または複数のプロセッサは、デバイス600の機能を実行するために使用されうる。
【0052】
デバイス600は、オプションとして、少なくとも1つのプロセッサを有するプロセッサ・モジュール602を含みうる。1つの態様では、デバイス600は、プロセッサではなく、通信ネットワーク・エンティティとして構成されうる。この場合、プロセッサ602は、バス604または類似の通信カップリングによって、電子構成要素610−630と動作可能に通信しうる。プロセッサ602は、電子構成要素610−630によって実行される処理または機能の開始およびスケジューリングを有効にしうる。
【0053】
関連する態様では、デバイス600は、トランシーバ・モジュール606を含みうる。トランシーバ・モジュール606の代わりに、または、トランシーバ・モジュール606と連携して、スタンド・アロン受信機および/またはスタンド・アロン送信機が使用されうる。関連するさらなる態様では、デバイス600は、オプションとして、例えばメモリ・モジュール608のように、情報を格納するためのモジュールを含みうる。メモリ・モジュール608は、コンピュータ読取可能な媒体を含むことができ、バス604等によって、デバイス600のその他の構成要素に動作可能に接続されうる。メモリ・モジュール608は、電子構成要素610−630、これらのサブ構成要素、またはプロセッサ602、あるいは、本明細書で開示された方法の処理および挙動を有効にするためのコンピュータ読取可能なコード、命令群、およびデータを格納するように適応されうる。メモリ・モジュール608は、電子構成要素610−630に関連付けられた機能を実行するためのコード/命令群を保持しうる。メモリ・モジュール608の外側にあると示されているが、電子構成要素610−630は、メモリ608内に存在しうることが理解されるべきである。
【0054】
図7は、例えば、選択基準に部分的に基づいて、データ・フローを割り当てるための第2の例のフロー図を例示する。ブロック710では、少なくとも1つのポリシーが受信されうる。ここで、ポリシーは、利用可能な複数のアクセスからアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む。一例では、ポリシーは、管理オブジェクト(MO)である。一例では、ポリシーは、ネットワーク・エンティティから受信される。一例では、ネットワーク・エンティティは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールである。一例では、アクセスは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)向け、LTEネットワーク向け、あるいは3GPPサービス向けである。一例では、少なくとも1つのインジケーションは、定義されたデータ・レートの値よりも大きな割当を利用するデータ・フローのためにどのアクセスを使用するかを示す。別の例では、少なくとも1つのインジケーションは、特定のタイプのアプリケーションによって生成され、特定のプロトコルを利用するか、または、ある量の帯域幅を消費するデータ・フローのために、どのアクセスを使用するかを示す。別の例では、少なくとも1つのインジケーションは、データ・フローのおのおのについて許容されたスループットに基づいて、どのアクセスを使用するかを示す。ブロック720では、選択基準は、データ・フローに基づいて決定されうる。一例において、選択基準は、下記のうちの1つでありうる。データ・フローの帯域幅要件、データ・フローまたはトラフィックを生成するアプリケーション、データ・フローを伝送するために使用されるプロトコル、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、役割ID、または、データ・フローのスループット。
【0055】
当業者であれば、データ・フローの帯域幅要件は、本開示の範囲または精神に悪影響を与えることなく、限定される訳ではないが、例えば、アプリケーション、用途、データ・タイプ、設計選択、ユーザ選択等のようなさまざまな要因に依存しうることを理解するであろう。したがって、帯域幅要件がどのようにして決定されるのかは異なりうる。ブロック730では、アクセスは、決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいて選択されうる。1つの態様では、図7におけるステップのうちの1または複数は、ユーザ機器、または、ユーザ機器における構成要素(単数または複数)によって実行される。一例では、ブロック710のステップは、トランシーバまたは受信機によって実行されうる。また、ブロック720,730のステップは、1または複数のプロセッサによって実行されうる。
【0056】
図8は、例えば、選択基準に少なくとも部分的に基づいて、データ・フローを割り当てるためのデバイス800の第2の例を例示する。1つの態様では、デバイス800は、ブロック810,820,830において説明されるような選択基準に基づいて、データ・フローを割り当てる別の態様を提供するように構成された1または複数のモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサによって実現されうる。ブロック810は、利用可能な複数のアクセスからアクセスを選択するために、少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信する手段を例示する。ブロック820は、データ・フローに基づいて、選択基準を決定するための手段を例示する。ブロック830は、決定された選択基準と少なくとも1つのインジケーションとに基づいてアクセスを選択する手段を例示する。
【0057】
例えば、おのおののモジュールは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。1つの態様では、デバイス800は、少なくとも1つのプロセッサと通信する少なくとも1つのメモリによって実現される。
【0058】
一例では、本明細書で説明されたような、実例となる構成要素、フロー図、論理ブロック、モジュール、および/または、ステップが、1または複数のプロセッサを用いて実施または実現される。1つの態様では、プロセッサはメモリに接続されている。このメモリは、本明細書に記載されたさまざまなフロー図、論理ブロック、および/または、モジュールを実施または実現するためにプロセッサによって実行されるべきデータ、メタデータ、プログラム命令群等を格納する。図9は、例えば、選択基準に少なくとも部分的に基づいてデータ・フローを割り当てるための処理を実行するために、メモリ920と通信するプロセッサ910を含むデバイス900の例を例示する。一例において、デバイス900は、図5,7に例示されたアルゴリズムを実施するために使用される。1つの態様では、メモリ920はプロセッサ910内に配置される。別の態様では、メモリ920はプロセッサ910外に存在する。1つの態様では、プロセッサは、本明細書に記載されたさまざまなフロー図、論理ブロック、および/または、モジュールを実装または実現する回路を含む。
【0059】
当業者であれば、図5,7におけるフロー図の例で開示されるステップは、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、他の順序に相互交換されうることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、このフロー図内で例示されているステップは限定的ではなく、その他のステップも含まれうるか、あるいは、このフロー図の例におけるステップのうちの1または複数が、本開示の範囲および精神に悪影響を与えることなく削除または結合されうることを理解するであろう。
【0060】
当業者であればさらに、本明細書で開示された例に関連して記載されたさまざまな例示的な構成要素、論理ブロック、モジュール、回路、および/または、アルゴリズム・ステップが、電子工学ハードウェア、ファームウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせによって実現されることを理解するであろう。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの相互置換性を明確に例示するために、例示的なさまざまな構成要素、ブロック、モジュール、回路、および/または、アルゴリズム・ステップが、それらの機能の観点から一般的に記述された。これら機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、特定のアプリケーションのおのおのに応じて変化する方式で、上述した機能を実現することができる。しかしながら、この適用判断は、本発明の範囲または精神からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0061】
例えば、ハードウェアで実現する場合、処理ユニットは、1または複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理回路(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、あるいはこれらの組み合わせ内に実装されうる。ソフトウェアを用いて、本明細書に記載された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能等)によって実現される。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。さらに、本明細書で記載された例示的なさまざまなフロー図、論理ブロック、モジュール、および/または、アルゴリズム・ステップはまた、当該技術で周知の任意のコンピュータ読取可能な媒体で伝送されるコンピュータ読取可能な命令群としてコード化されるか、あるいは、当該技術で周知の任意のコンピュータ・プログラム製品で実現されうる。1つの態様では、コンピュータ読取可能な媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体でありうる。
【0062】
1または複数の例では、ここで説明されたステップまたは機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能は、コンピュータ読取可能な媒体上に格納されるか、あるいは、コンピュータ読取可能な媒体上の1または複数の命令群またはコードとして送信されうる。コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる利用可能な任意の媒体である。例として、限定することなく、このようなコンピュータ読取可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を含みうる。本明細書で使用されるディスク(diskおよびdisc)は、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザ・ディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルー・レイ・ディスク(disc)を含む。これらdiscは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。それに対して、diskは、通常、データを磁気的に再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0063】
開示された態様の上記説明は、いかなる当業者であっても、本開示を製造または使用できるように適用される。これらの態様へのさまざまな変形は、当業者に容易に明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の態様に適用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための方法であって、
複数の利用可能なアクセスからアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信することと、
前記データ・フローに基づいて選択基準を決定することと、
前記決定された選択基準および前記少なくとも1つのインジケーションに基づいて、前記アクセスを選択することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記選択基準は、前記データ・フローの帯域幅要件、前記データ・フローを生成するアプリケーション、前記データ・フローを伝送するために使用されるプロトコル、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、役割ID、または、前記データ・フローのスループットのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのポリシーは、ネットワーク・エンティティから受信した管理オブジェクト(MO)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク・エンティティは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのインジケーションは、
定義された値よりも高いデータ・レートを割り当てるデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
特定のタイプのアプリケーションまたはプロトコルによって生成されているか、または、特定の使用された帯域幅を使用するデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
前記データ・フローのおのおのについて許容されているスループットに基づくアクセスを使用することと、
のうちの1つを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのインジケーションは、最小使用帯域幅または最大使用帯域幅の何れかを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部であり、前記選択されたアクセスは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)向け、または3GPPサービス向けである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるための装置であって、
利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信する手段と、
前記データ・フローに基づいて選択基準を決定する手段と、
前記決定された選択基準および少なくとも1つのインジケーションに基づいて、前記アクセスを選択する手段と、
を備える装置。
【請求項10】
前記選択基準は、前記データ・フローの帯域幅要件、前記データ・フローを生成するアプリケーション、前記データ・フローを伝送するために使用されるプロトコル、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、役割ID、または、前記データ・フローのスループット、のうちの1つである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのポリシーは、ネットワーク・エンティティから受信した管理オブジェクト(MO)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ネットワーク・エンティティは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのインジケーションは、
定義された値よりも高いデータ・レートを割り当てるデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
特定のタイプのアプリケーションまたはプロトコルによって生成されているか、または、特定の使用された帯域幅を使用するデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
前記データ・フローのおのおのについて許容されているスループットに基づくアクセスを使用することと、
のうちの1つを示す、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのインジケーションは、最小使用帯域幅または最大使用帯域幅の何れかを示す、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部であり、前記選択されたアクセスは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)向け、または3GPPサービス向けである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
選択基準に基づいてデータ・フローを割り当てるためのユーザ機器であって、
利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信するための受信機と、
前記データ・フローに基づいて選択基準を決定し、前記決定された選択基準および前記少なくとも1つのインジケーションに基づいてアクセスを選択するためのプロセッサと、
を備えるユーザ機器。
【請求項18】
前記選択基準は、前記データ・フローの帯域幅要件、前記データ・フローを生成するアプリケーション、前記データ・フローを伝送するために使用されるプロトコル、ファイル・サイズ、アプリケーション名/ID、役割ID、または、前記データ・フローのスループット、のうちの1つである、請求項17に記載のユーザ機器。
【請求項19】
前記少なくとも1つのポリシーは、ネットワーク・エンティティから受信した管理オブジェクト(MO)を含む、請求項17に記載のユーザ機器。
【請求項20】
前記ネットワーク・エンティティは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールである、請求項19に記載のユーザ機器。
【請求項21】
前記少なくとも1つのインジケーションは、
定義された値よりも高いデータ・レートを割り当てるデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
特定のタイプのアプリケーションまたはプロトコルによって生成されているか、または、特定の使用された帯域幅を使用するデータ・フローのためのアクセスを使用することと、
前記データ・フローのおのおのについて許容されているスループットに基づくアクセスを使用することと、
のうちの1つを示す、請求項17に記載のユーザ機器。
【請求項22】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部である、請求項21に記載のユーザ機器。
【請求項23】
前記少なくとも1つのインジケーションは、最小使用帯域幅または最大使用帯域幅の何れかを示す、請求項17に記載のユーザ機器。
【請求項24】
前記少なくとも1つのインジケーションは、アクセス・ネットワーク発見および選択機能(ANDSF)モジュールから受信した管理オブジェクトの一部であり、前記選択されたアクセスは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)向け、または3GPPサービス向けである、請求項23に記載のユーザ機器。
【請求項25】
格納されたプログラム・コードを含むコンピュータ読取可能な媒体であって、
利用可能なアクセスのうちの複数からアクセスを選択するための少なくとも1つのインジケーションを含む少なくとも1つのポリシーを受信するためのプログラム・コードと、
前記データ・フローに基づいて選択基準を決定するためのプログラム・コードと、
前記決定された選択基準および前記少なくとも1つのインジケーションに基づいて、前記アクセスを選択するためのプログラム・コードと、
を備えるコンピュータ読取可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517708(P2013−517708A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549142(P2012−549142)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021413
【国際公開番号】WO2011/088406
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】