説明

選択的な光沢を有する画像の印刷及びそのためのトナー

キャリヤー液と、樹脂を含むトナー粒子と、前記樹脂中に分散している平均直径1〜20マイクロメートルの実質的に無色の添加物粒子とを含んで成る、液体トナープリンタにおける使用に適する艶消し液体トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタにより生成された印刷物が伝統的な写真印刷物の画像品質に近づくにつれて、それらは、増大する写真印刷市場のシェアにおいて主なものとなっている。伝統的な写真印刷物には、様々な度合いの光沢、典型的には、光沢、半光沢及びつや消しの印刷物が用いられ、それらは各々異なる等級の紙が利用される。
【0003】
レーザプリンタにおいて様々な光沢度を得るのに各種等級の用紙を使用することは、所望の特性、例えば耐久性を有するトナーはそれ自体、つや消し紙の上でも光沢のある表面を生成する(又はその逆)場合があるとの理由から、それ程簡単ではない。PCT刊行物 WO 01/56806には、用紙又は他の印刷媒体の凹凸に較べて薄いトナー層を利用することで、下方の用紙と同じ光沢を得るようにしてその問題を克服する方法が記載されており、参照することでここにその開示内容を取り入れることとする。何れにしろ、一般的に、低廉なプリンタは、プリンタが自動的に選択し得るような複数の入力トレーを備えてはいない。そのため、各種等級の用紙を用いて様々な光沢度を有する印刷物を作成するためには、2つ又は3つの異なる等級の用紙を手元に持ち、そして各印刷にとって適切であると思われる用紙を手動若しくは機械送りすることが必要となる。
【0004】
Van Goethemらは、米国特許第6,101,345号において、レーザプリンタによって印刷された画像の光沢を、溶融温度を変えるか又は用紙が溶融機を通過する速度を変えることによって変化させることを述べている。
【0005】
Bengstonは、米国特許第6,438,336号において、例えば、用紙を各光沢レベルについて一回プリンタを通過させ、各パスに関して溶融温度を変えることによって、単一画像上に多数の光沢レベルを実現できることを述べている。参照することで、これら両特許の開示内容をここに取り入れることとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
幾つかの特許では、トナーに光沢がある場合に、画像上に均一な光沢レベルを達成するための方法が記載されているが、画像のある部分にはトナーが存在しない。ラミネーションは1つの選択肢であるが、低廉なプリンタにとっては実用的でない。WO 01/56806に記載のある、他の選択肢は、トナーを欠いている画像部分に、実際のトナーと同じ光沢を有する透明トナーを適用することである。あるいはまた、そのような光沢のあるコーティングを、画像を印刷する以前にアンダーコートとして、又はオーバーコートとして、全頁に適用することができる。そのような光沢のあるオーバーコート及びアンダーコートは、トナーに光沢があるか否かに関係なく、画像全体を均一に光沢のある状態にするのに有用である。しかしながら、均一な艶消し画像が望まれており、且つトナーに光沢があり及び/又は用紙に光沢がある場合には、それらは実用的でない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の一態様は、実質的に無色のトナーに関し、それは、さもなくば光沢仕上げを有したであろう他のトナーやインク若しくは印刷媒体上に印刷すると艶消し仕上げをもたらす。任意選択的に、この無色「トナー」は、液体トナーレーザプリンタ等の既存のプリンタにおいて使用するのに適している。そのようなプリンタは、多くの場合、カラー画像を印刷するために、(「CYMK」と呼ばれる)四色のトナー、即ち、シアン、イエロー、マゼンタ及びブラックのトナーを用いるが、追加のトナー又はオーバーコートのために利用できる1つ又は2つの追加の容器を有し得る。
【0008】
これらの追加の容器の1つに艶消し「トナー」を用いる場合には、例えば、画像を印刷する用紙に光沢があり且つトナーの印刷が薄いために印刷媒体又は着色トナーがそれ自体光沢のある仕上げを有していたとしても、プリンタは、艶消し印刷又は光沢印刷の両方を同一の印刷媒体を用いて印刷することができる。
【0009】
ディジタルプリンタの場合には、任意選択的に、艶消し又は光沢仕上げの選択は、完全に、画像を無色艶消しトナーで上刷りするか否かを特定するソフトウェアの制御下におかれる。艶消しトナーは、単に容器の1つに入れられ、そして、プリンタを制御するソフトウェアに所望のオプションが付加される。さらに、艶消しトナーだけを幾つかの画素に適用することにより、多くの様々な中間度合い(半光沢)の仕上げを実現することができ、且つ画像の様々な領域に様々な光沢度を与えて、例えば、画像の特定の部分を際立たせることができる。
【0010】
着色トナー及び印刷媒体がそれ自体有したであろうよりも光沢のある、超光沢仕上げをもたらす無色トナーを画像部分に印刷する場合には、より高い範囲の光沢さえも任意に実現できる。これらの効果は、ブラックトナー、無色艶消しトナー、及び任意に無色光沢トナーを用いることで、白黒画像において任意に達成される。
【0011】
任意選択的に、着色トナーの最上面にオーバーコートとして無色艶消しトナーを適用することに代えて又はそれに加えて、無色艶消しトナーを印刷媒体上に直にアンダーコートとして適用し、そして着色トナーを艶消しトナー上に適用する。着色トナーを十分薄い層として適用する場合は、着色トナー表面の光沢特性は、アンダーコートの光沢特性と類似するであろう。この方法ではまた、艶消しアンダーコートを適用するか否かに応じて、光沢のある印刷媒体上に艶消し印刷及び光沢印刷の両方を印刷し得る。
【0012】
本発明の実施形態の他の態様は、例えば、液体トナーレーザプリンタにおける使用に適する液体トナーに関し、それは、トナー粒子と、該トナー粒子中に分散しており、印刷時に溶融したり溶媒和したりせず且つ印刷時に完全に粉砕されない、可視光波長よりも任意に大きい添加物粒子とを含有する。添加物粒子は、トナー粒子の5wt%以上であり40wt%以下若しくはそれ以上の量にて含まれるか、又は5マイクロメートルよりも大きい直径を有するか、又はその両方である。印刷媒体上に印刷されると、当該トナーは、添加物粒子が光学的に粗い表面を生成するため、艶消し仕上げを生ずる。任意に、当該トナーは、実質的に、無色である。当該トナーは、上述のように、例えば、液体トナープリンタに用いることができる。
【0013】
よって、本発明の一実施形態によれば、液体トナープリンタにおける使用に適する艶消し液体トナーが提供され、それは、
(a)キャリヤー液、
(b)樹脂を含むトナー粒子、及び
(c)前記樹脂中に分散している平均直径1〜20マイクロメートルの実質的に無色の添加物粒子
を含んで成る。
【0014】
さらに、本発明の一実施形態によれば、液体トナープリンタにおける使用に適する艶消し液体トナーが提供され、それは、
(a)キャリヤー液、
(b)樹脂を含むトナー粒子、
(c)前記樹脂中に分散している、平均直径が1〜20マイクロメートルであり且つトナー粒子の少なくとも5wt%を構成する添加物粒子
を含んで成る。
【0015】
任意に、添加物粒子は、トナー粒子の5wt%〜10wt%、10wt%〜20wt%、20wt%〜40wt%及び40wt%を上回る量にて含まれる。
【0016】
本発明の一実施形態では、当該トナーは、実質的に無色である。
【0017】
任意に、添加物粒子の平均直径は、1〜3マイクロメートル、3〜8マイクロメートル、8〜15マイクロメートル又は15〜20マイクロメートルである。
【0018】
任意に、当該樹脂は、少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む。
【0019】
任意に、少なくとも1つの熱可塑性樹脂のうち少なくとも1つは、100以下の、任意に35未満の、メルトフローインデックスを有する。
【0020】
任意に、トナー粒子中の樹脂は溶媒和し、キャリヤー液によって可塑化される。
【0021】
任意に、添加物粒子は、PTFE(テフロン)、PTFEワックス、ポリエチレンワックス、架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリメチルブチルアクリレート、及び架橋ポリアクリルアクリレートのうち1つ又は複数を含む。
【0022】
本発明の一実施形態では、トナー粒子は、第一樹脂を含み、且つ添加物粒子は、その第一樹脂と相溶性でない第二樹脂を含む。
【0023】
さらに、本発明の一実施形態によれば、印刷媒体上に、少なくとも部分的に艶消しの画像を印刷する方法が提供され、当該方法は、
(a)第一光沢を有する画像を印刷媒体上に印刷すること、及び
(b)画像の光沢を低下させる艶消しトナーの層を、画像の光沢のある部分の少なくとも一部の上に印刷することによって、前記一部の光沢を低下させること
を包含する。
【0024】
任意に、艶消しトナーの層を印刷することは、画像の上に印刷することを含む。任意に、艶消しトナーの層を印刷することは、画像の下に印刷することを含む。
【0025】
本発明の一実施形態では、艶消しトナーを画像全体には印刷せずに、艶消しトナーが印刷されている部分よりも光沢のある画像部分を残すことによって、前記画像部分を際立たせることができる。
【0026】
本発明の一実施形態では、当該方法は、画像の光沢を高める超光沢トナーの層を、艶消しトナーで印刷されていない画像部分の少なくとも一部の上に印刷することを含む。
【0027】
本発明の一実施形態では、当該方法は、様々な画像に少なくとも2つの異なる光沢度を選択的に適用するように複数の画像を印刷することを包含し、
より低い光沢度を有するように選択された画像上に艶消しトナーの層を印刷して、前記画像の光沢をより低い第二の光沢度にまで低下させることを包含する。
【0028】
任意に、当該方法は、より高い光沢度を有するように選択された画像上に超光沢トナーの層を印刷することを包含する。
【0029】
任意に、各画像は、実質的に、均一の光沢を有する。
【0030】
任意に、複数の画像は、同一の光沢を有する印刷媒体上に印刷される。
【0031】
本発明の一実施形態では、当該方法は、艶消しトナーの層を印刷して、様々な光沢度を得るべく様々な方法を用いて層を印刷することを包含する。
【0032】
任意に、様々な方法で艶消しトナーを印刷することは、艶消しトナーを印刷して、被印刷領域の様々な部分を覆うことを包含する。
【0033】
任意に、様々な方法で艶消しトナーを印刷することは、種々の数の艶消しトナーの層を印刷することを包含する。
【0034】
本発明の一実施形態では、当該艶消しトナーは添加物粒子を含んでおり、当該トナーを印刷媒体上に印刷すると、前記添加物粒子の存在によって、印刷媒体表面の光沢は、添加物粒子を含まない場合にその印刷表面が有したであろう光沢の90%未満、任意に70%、50%又は30%未満となり得る。
【0035】
任意に、艶消しトナーの層は、本発明による艶消しトナーを用いて印刷される。
【0036】
任意に、添加物粒子は、印刷時に融けない。
【0037】
さらに、本発明の一実施形態によれば、同一等級の印刷媒体上に艶消し及び光沢の両画像を印刷するためのプリンタが提供され、それは、
(a)着色トナーを収容する少なくとも1つの容器、
(b)艶消しトナーを収容する容器、
(c)少なくとも1つの着色トナー容器の少なくとも1つからのトナーを印刷媒体に適用して、着色トナーによる画像を生成し、且つ艶消しトナーを前記印刷媒体のある部分に選択的に適用して、画像のある部分を艶消し画像にする印刷装置、
を具備する。
【0038】
任意に、艶消しトナーは、本発明による艶消しトナーである。
【0039】
任意に、当該プリンタは、超光沢トナーを収容する容器を具備し、この場合、印刷装置は、超光沢トナーについても印刷媒体のある部分に選択的に適用して、光沢のある画像を生成する。
【0040】
任意に、印刷装置は、印刷媒体の一部にのみ艶消しトナーを選択的に適用して、その媒体の様々な領域に様々な光沢度を有する画像を生成できるように構成されている。
【0041】
任意に、印刷装置は、画像が均一な光沢を有するようにトナーを選択的に適用できるよう構成されている。
【0042】
任意に、当該プリンタは、印刷媒体への艶消しトナーの選択的な適用を制御し、それによって各画像の少なくとも一部の光沢を制御する、コントローラを具備する。
【0043】
任意に、印刷装置は、様々な光沢度を生成するべく様々な方法で艶消しトナーを選択的に適用する。
【0044】
任意に、画像は複数の画素を含み、且つ印刷装置は、様々な光沢度を生成するべくその画素の様々な小部分に艶消しトナーを適用する。
【0045】
任意に、印刷装置は、艶消しトナーを印刷媒体の少なくともある部分に一回を上回る回数にて適用し、そして様々な光沢度を生成するべく種々の数の艶消しトナーの層を適用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を参照しつつ以下に記載するが、図面は、概して、縮尺通りではない。
【0047】
図1Aは、艶消し及び光沢の両領域をもつ画像を含む、艶消し及び光沢の両仕上げを有する画像を印刷するために使用されるレーザプリンタ100を示す。当該プロセスには、在来のトナーを用いて印刷媒体上に画像を印刷すること、及び無色の艶消しトナーを用いて上刷り画像を印刷することが包含される。当該プロセスの最初の部分は、在来の液体トナーレーザプリンタで用いられるプロセスに類似のものであるが、プロセスの第二部分をこの最初の部分と較べてよりよく理解することができるように、幾分詳細に説明する。画像形成及び調色プロセス自体は慣用のものであるため、それらを詳細に説明することはしない。一般に、当該装置は、例えば、hp Indigo Press 1000、hp Indigo Press 3000、又はhp Indigo w3200のような、ヒューレット−パッカード社製の任意の液体トナープリンタ、又は当分野で既知の他の液体トナープリンタとし得る。
【0048】
コンピュータ102は、画像ファイルを生成又は取得し、それはモニター104上に表示される。モニターである必要は無いが、本発明の実施形態に関する理解をより容易にするために、図1A及び図2にモニター104を示している。コンピュータ102は、ケーブル108を通してレーザ110に信号を送信し、当該レーザは、感光シリンダー112の表面をシリンダーが回転する際に走査して、信号106に従って、その表面のある部分を照射し且つ他の部分を照射しない。帯電器114は、感光シリンダー表面をそれがレーザ110に到達する以前に帯電させ、そしてレーザ110のビームは、レーザがONされている間にそれが走査するシリンダー表面の部分を放電させ、一方、シリンダー表面の他の部分上の電荷はそのまま残る。レーザ通過後、シリンダー112の表面は、モニター104に表示された画像に対応するか、又は、カラー画像の場合には、その画像の1つの色領域に対応する電荷分布を有する。
【0049】
レーザ110を通過した後、シリンダー112の表面は、現像ステーション116を通過する。4つの着色トナー容器118のうちの1つからのトナーが、現像ステーション116へと引き込まれ、そして現像ステーションとシリンダー112の表面との間のギャップ119に満たされる。そのギャップに面している現像ステーション116の表面に、任意に電圧が印加される。用いる現像プロセスに応じて、シリンダー112の表面の帯電領域又は未帯電領域へとトナーが引き付けられて、信号106に対応した可視トナー画像が生成する。任意に、標準の電気泳動現像プロセスが利用される。
【0050】
あるいはまた、米国特許第5,436,706号、米国特許第5,610,694号、及び米国特許第5,737,666号に記載された、二成分画像現像のような、電気泳動現像プロセスが利用されるか、又はレーザプリンタ分野において既知の他の任意の現像プロセスが利用される。
【0051】
任意に、着色トナー容器118は、それぞれ、ブラック、シアン、イエロー及びマゼンタトナーを収容している。あるいはまた、例えば白黒印刷に関しては、ブラックトナーを収容している唯一の着色トナー容器118が存在する。又は、特殊なカラー印刷作業に関しては、様々な数の着色トナー容器118が存在するか、又は主要な着色トナーを有する4つの容器と特殊な色若しくは色群を有する1つ以上の容器が存在する。透明な艶消しトナーを有するトナー容器120もまた存在する。任意に、透明トナー、例えば、透明光沢トナーを有する1つ以上の追加容器が存在する。
【0052】
任意に、1つの現像ステーション中へ供給する複数のトナー容器の代わりに、シリンダー112の円周の様々な場所に複数の現像ステーション116が配置され、その各々が独自のトナー容器を有する。
【0053】
任意に、着色トナー画像の全ての色領域(もしあれば)を印刷し且つ艶消しの「色領域」及び任意の光沢のある「色領域」を印刷するのに、感光シリンダー112を使用する代わりに、1つ又は複数のトナーに対して別々の感光シリンダーが用いられる。任意に、別々の中間転写部材及び印刷ローラもある。これはプリンタをより複雑化し且つ高価なものにするが、それは、例えば、別のシートが別のトナーで印刷されている際に、或る印刷媒体シートを或るトナーで同時に印刷できるため、より大きいスループットを可能にすることができる。
【0054】
現像ステーション又はステーション群116を通過後、シリンダー112の上に画像を形成するトナーの層は、任意に、スクィージー122に押し付けられ、それが、トナー層を圧縮して余分の液体を押出し、平坦な表面が作り出される。次いで、画像は、任意に、予備転写放電器124を通過して、そこで、シリンダー112の表面は放電する。
【0055】
次いで、画像は、中間転写構造体126に転写される。次いで、シリンダー112の表面は、任意に、洗浄ステーション128を通過し、そこで、画像が中間転写構造体に転写され終わった後にシリンダー112の表面に残っているトナーが除去される。最後に、シリンダー112の表面は、任意に、放電器130を通過し、そこで、シリンダー112の表面上に残留する電荷が除去される。一方、中間転写構造体126が回転すると、それは、印刷ローラ134の周りに巻きつけられた印刷媒体132に画像を転写する。
【0056】
洗浄され、放電したシリンダー表面部分は、再度、それが帯電器114の下を通過する際に、その帯電器によって帯電され、そして再度、電荷の一部は、表面を走査し且つ信号106に従ってオンオフする (又はその強度を調節する)レーザ110によって選択的に除去される。2つ以上の色領域を有するカラー画像の場合には、最初の色領域を適用した後に、容器118の別の1つからのトナーを用いて、次の色領域を、任意にそれらの間に空間を残して、シリンダー112の表面に適用する。
【0057】
任意に、感光シリンダー112、中間転写構造体126、及び印刷ローラ134が連続回転する際に、連続的に回転している印刷ローラ134上の印刷媒体132上に、色領域が正確に軸調整されて印刷されるように、各色領域の位置が選択される。あるいはまた、種々の色領域を印刷媒体132上に適切に軸合せするために、これら3つのシリンダーのうち1つ又は複数は、連続的に回転するのではなく、時々停止したり、又は時々方向が逆転する。上記の処理は、例えば、印刷媒体が別個のシートからなるのではなく連続ウェブである場合に、任意選択的に用いられる。一般に、互いに接触しているシリンダー表面は、それらが接触している際は同じ速度で動き、その結果、トナー画像の摩耗は起きない。それらの表面が同じ速度で動かない場合は、任意に、通常は接触しているこれらのシリンダーのうちの任意の2つを、僅かに分離させるための機構がある。3つのシリンダーは、同一の直径又は同一の角回転速度を有する必要はない。
【0058】
任意に、中間転写構造体が無く、従って、トナー画像が感光シリンダー112から印刷媒体132に直に転写される。
【0059】
図1Bは、画像が印刷された後の、但し、艶消しトナーが適用され終わる以前の、印刷媒体132を有する印刷ローラ134の斜視図を示している。画像は、モニター104上に表示された画像に類似している。これまでに述べたプロセスは、プリンタで画像を印刷するのに従来用いられたプロセスに類似しており、且つ任意に、当該プロセスは、プリンタ分野において既知のように変更させ得る。
【0060】
カラー又は白黒の画像が印刷媒体上に印刷された後、容器120中の透明艶消しトナーを用いて追加の「色領域」が印刷される。この艶消し「色領域」は、画像中の各画素の色だけでなく、各画素の光沢度についても規定した画像ファイルを用いて、コンピュータ102によって計算される。例えば、印刷媒体132と着色トナー画像が、両方とも光沢のある表面を有する場合には、艶消し「色領域」は、光沢仕上げを有すべく想定されるような画像部分上にではなく、艶消し仕上げを有すべく想定されるような画像部分上に艶消しトナーが印刷されるべきであることを特定するであろう。画像部分が半光沢仕上げを有すべく想定される場合には、例えば、艶消し「色領域」は、任意に、白色印刷媒体上の交互の画素にブラックトナーを用いることによってグレー領域がハーフトーンで生成されるやり方と同じようにして、画像部分の交互の画素に艶消しトナーが適用されることを特定する。
【0061】
図2には、モニター104が艶消し「色領域」を表示しており、どの画素に艶消しトナーが適用されるかが示されている。任意に、例えば、均一な艶消し仕上げで写真を印刷するには、画像全体に艶消しトナーが適用される。あるいはまた、図2のモニター104に示すように、1つ又は複数の領域205は、艶消しトナーを適用せずに、それらを際立たせるために光沢のある状態のまま残される。丁度、真の色領域のための、又は白黒画像のための信号106が、図1Aにおいてレーザ102に送信されるように、モニター104上に表示された艶消し「色領域」に対応する信号が、コンピュータ102からレーザ110へと送信される。このとき、現像ステーション116は、着色トナー容器118からトナーを引き出す代わりに、容器120から透明艶消しトナーを引き出す。
【0062】
あるいはまた、全ての容器について現像ステーション116を用いるのではなく、容器の各々が又は容器の幾つかが、シリンダー112に隣接してそれら専用の現像ステーションを有することができ、例えば、容器120が専用の現像ステーションを有し得る。
【0063】
容器120中の透明艶消しトナーは、好ましくは光の波長より大きい直径を有する添加物粒子を収容しており、例えば、添加物粒子は、直径が1μmより大きい。当該添加物粒子は、中間転写構造体が印刷媒体に押し付けられる際に、少なくとも部分的には、中間転写構造体126の表面温度にてそれらの形状を維持するように、十分硬く、且つ十分低いメルトフローインデックス、又は十分高い溶解温度又は溶媒和温度、又は十分高い比熱を有する。任意に、当該添加物粒子は、在来の液体トナーに用いられるもののような、樹脂(一般に高分子)、又は樹脂の混合物から作られた、より大きい粒子中に分散される。ここで用いるとき、「樹脂」は、樹脂の混合物も指すことがある。高分子粒子は、艶消しトナーが印刷される際に溶融し、定着され、添加物粒子を印刷媒体へと付着させる。
【0064】
例えば、表面の光沢は、艶消しトナーを用いない場合の値の90%未満にまで低下する。任意に、光沢は、艶消しトナーを用いない場合の値の70%未満、又は50%未満、又は30%未満にまで低下する。任意に、これらの値は、艶消しトナー無しの表面の光沢が20〜90光沢単位である際に少なくとも適用される。TAPPIによる規格 T−480 om 92において定義されるように、光沢は、75度の角度で観測され且つ75度±1.5度の角度で照射される際の、表面の反射率の尺度である。完全反射鏡は、384光沢単位の光沢を有し、1.54という屈折率を有する黒ガラスは、100光沢単位の光沢を有する。
【0065】
印刷完了後、印刷媒体132を印刷シリンダ134から外す。完成した印刷物232を図2に示すが、それは、図1B記載の画像が図2記載のモニター104に示された艶消し「色領域」で上刷りされたものである。艶消しトナーは、光沢のある状態に維持された、モニター104上に表示された領域205に対応する領域236を除く、印刷物232のほとんどを覆っている。
【0066】
あるいはまた、艶消しトナーは、着色トナーの幾つか又は全てに先立って印刷媒体に適用される。着色トナーが、艶消しトナー上に十分薄い層で、例えば、光の波長よりも薄く適用される場合には、着色トナーの表面は、下方の艶消しトナー表面と類似した光沢特性を有するであろう。着色トナーの層がそれほど薄くない場合でも、任意に、艶消しトナーを光沢のある印刷媒体にアンダーコートとして適用することで、それを着色トナーの自然な艶消し仕上げにマッチさせることができる。
【0067】
任意に、艶消しトナーに加えて、透明光沢トナーを含む他の容器があり、そして光沢のある「色領域」が、艶消し「色領域」に加えて印刷媒体に適用される。艶消しトナー及び光沢透明トナーの両方を用いることで、艶消しトナー又は光沢トナーを単独で用いるよりも大きい光沢範囲を有する画像を生成することができる。艶消しトナーの場合のように、光沢トナーは、任意に、特に着色トナーが光の波長よりも薄い層で適用される場合は、オーバーコートとしてよりむしろアンダーコートとして適用される。
【0068】
光沢トナーは、任意に、他のトナーにおけるトナー粒子よりも高いメルトインデックスを有するか又はより軟質である無色の高分子トナー粒子を含み、そのため、それらは、加熱又は押し付けられる際に、通常のトナーよりも平滑な表面を生成する。任意に、少なくとも3つの無色「トナー」が存在し、その各々が異なる光沢度をもたらす。しかしながら、1つの領域における幾つかの画素だけに光沢トナーを適用し、他の画素に艶消しトナーを適用することにより、及び/又は他の画素に無色の「トナー」を何ら適用しないことで、任意に、中間の光沢度も生成される。艶消しトナー又は光沢トナーの多重層を印刷することにより様々な光沢度も、任意に、生成することができる。
【0069】
本発明の一実施形態では、オーバーコートとして用いられる艶消しトナーは、実質的に、無色である。実質的に無色のトナーは、着色剤を含まないか、又は十分低い含量で残留着色剤を含むことができ、その結果、典型的な照明条件における典型的な観測者にとっては、艶消しトナーで印刷された領域と背景との間の着色剤に起因する差異は、光沢の差ほどは目に付かない。
【0070】
艶消し液体トナーは、任意に、実質的に無色の高分子トナー粒子がその中に懸濁されるキャリヤー液を含む。あるいはまた、高分子トナー粒子は、例えば何らかの特殊効果をもたらすべく、ある種の顔料を含むこともあるが、任意に、当該トナー粒子は、印刷されたトナー層が透明もしくは少なくとも半透明になる程に十分低含量にて顔料を含む。キャリヤー液は、任意に、在来の着色トナーに使用されているものと同じ組成であり、例えば、Isopar L(Exxon)のような少なくとも80%の液体炭化水素からなる。艶消しトナーのトナー粒子中には、トナー粒子より小さいが、任意に、光の波長より大きいか又は匹敵する直径を有する添加物粒子であって、画像を生成及び印刷する際に溶融しないほど十分高い融点及び溶媒和点を有する添加物粒子が分散している。任意に、当該添加物粒子は硬質であり、印刷プロセス時にそれらの形状は維持される。加えて又は代替として、架橋PMMAのような軟弾性粒子を用いるか、又はトナー高分子と相溶性でない高分子添加物を用いる。これらの全ての場合において、印刷された表面は、光の波長より大きい尺度の粗い表面を有する状態となり、従って、艶消し仕上げを有する。
【0071】
任意に、当該添加物粒子は、高分子トナー粒子の全重量の5%を上回る量にて含まれる。任意に、当該添加物粒子は、高分子トナー粒子の重量の5%〜10%、又はその重量の10%〜20%、又はその重量の20%〜30%、又はその重量の30%〜40%、又はその重量の約40%、又は40%を上回る量にて含まれる。艶消しトナーのトナー粒子中における添加物粒子の最適パーセントについては、幾つかの妥協点がある。例えば、トナー粒子中の添加物粒子のパーセントが高いほど、印刷された艶消しトナー層はより低い光沢度を有するという利点がある。しかしながら、添加物粒子のパーセントが低いほど、印刷層は、より大きい強度を有することができ且つひび割れ、剥離、又は剥がれをそれ程起こしそうでないという潜在的な利点がある。添加物粒子の含量が低いほど、下方の画像を十分見ることができる程に益々透明になり易く、また、一般に、より良好な総合印刷品質をもたらすことができる。添加物粒子の割合がより低いトナーはまた、製造がより容易であり、且つ感光シリンダー、中間転写構造体、及び印刷画像をそれ程傷つけたり、損傷したりしない。
【0072】
任意に、艶消しトナー中の添加物粒子の量は、様々なレベルの光沢を生ずることができるように、上下に調節される。一般に、用いる添加物粒子の量が多いほど、印刷画像上でより低い光沢を生ずる艶消しトナーとなる。
【0073】
任意に、当該添加物粒子は、約3マイクロメートルの平均直径を有し、これは、光の波長より十分大きく、印刷された表面の光沢度は波長に顕著には依存しないであろう。あるいはまた、当該添加物粒子は、1〜3マイクロメートル、又は3〜5マイクロメートル、又は5〜10マイクロメートル、又は10〜15マイクロメートル、又は15マイクロメートルより大きい平均直径を有する。
【0074】
光沢トナーも、実質的に無色の高分子トナー粒子がその中に懸濁されるキャリヤー液を含むが、当該トナー粒子は、任意に、着色トナーに対するよりも高いメルトフローインデックスを有し、その結果、当該粒子は、画像が印刷される際に、溶融し、光の波長の規模で平坦な表面を形成する。(メルトフローインデックス、即ちMFIは、ASTM規格D−1238記載の配置で、重量2.16kgで押し付けられた材料に関して、190℃で、デシグラム単位の毎分流量で測定される。)例えば、光沢トナーに関しては、その高分子は、100から1300程の高さに及ぶ、典型的に200〜500の値のメルトフローインデックスを有し、一方、在来トナーに関しては、その高分子は、典型的に、35〜100のメルトフローインデックスを有し、そして艶消しトナーに関しては、メルトフローインデックスは、3〜100の間の範囲にある。代替的に又はそれに加えて、光沢トナーは、光沢を高め及び/又は剥離を防ぐ添加物を含有する。艶消しトナーに関して上述したように、光沢トナーはまた、代替的に、トナー粒子に特殊な効果をもたらすべく、ある種の顔料を含むが、任意に、透明、もしくは少なくとも半透明である。
【0075】
本発明の例示的的な実施形態によれば、艶消しトナーは、以下の手順で製造される。Rossミキサーで、1つ又は2つの異なる樹脂をIsopar−L中に20%〜30%溶液として混合することにより、先ず、ワニスを調製する。当該樹脂は、任意に、下記リストから選択される:Nucrel 699、Nucrel 903、Nucrel 403、Bynel 2022、Bynell 2014、Bynell 2002、Lotader AX8840、Lotader AX8900。Nucrel(エチレンアクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー樹脂)及びBynel(酸変性されたエチレンアクリレートコポリマー樹脂)は、Dupont製であり、LotaderはAtofina製である。Lotader AX8840は、エチレン及びグリシジルメタクリレート(E−GMA)のコポリマーであり、一方、Lotader AX8900は、エチレン、メチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレート(E−MA−GMA)のターポリマーである。これらの樹脂のうち、メルトフローインデックス100を有するNucrel 699と、メルトフローインデックス35を有するBynel 2022は、在来の液体トナーにも使用されている。挙げた他の樹脂は、はるかに低いメルトフローインデックス、即ち3〜10を有する。その溶液を160℃まで加熱して、1〜2時間混合し、その後、2〜6時間混合しつつ室温まで冷却させる。
【0076】
次に、三ステアリン酸アルミニウムと他の添加物(例えば、添加物粒子)を、任意に、ワニスに添加する。三ステアリン酸アルミニウムは、典型的に、固形物全体(樹脂+添加物)の1%、最高3%にて含まれ、添加物粒子は、固形物全体の50%未満にて含まれる。任意に、添加物粒子の全てをこの時に添加するのではなく、それらの幾らか、例えば固形物全体の20%をこの時に添加し、残りを後で添加する。任意に、添加物粒子は、以下の材料の1つ又は複数を含む:テフロン (PTFE)、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリエチレンワックス、架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)、架橋ポリメチルブチルアクリレート、架橋ポリアクリルアクリレート、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ネフェリン閃長岩、及び微結晶シリカ(これらには、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウムが含まれ得る)。エチレン酢酸ビニルコポリマー(HoneywellからAC−400Aとして販売)、及びプロピレン無水マレイン酸のコポリマー(HoneywellのAC−597)は、それらがトナー高分子と相溶性でないため、艶消し仕上げをもたらす添加物の例である。添加物粒子はまた、耐久性を改善するために、比較的少量、典型的に固形物全体の3wt%だけであるが、ヒューレット−パッカード社で製造された幾つかの在来(着色)液体トナーに、任意に光沢トナーにも使用される。
【0077】
ワニス+添加物を、任意に、Isopar−Lを用いて固形物濃度15%〜30%にまで希釈し、そして固形物100グラムを含む量を1ガロン摩砕器に入れ、そこで、典型的に45℃の、但し任意に室温(20℃)程の温度にて、直径3/16インチの鋼ボールを使って、4〜20時間それを粉砕する。もしあれば、添加物粒子の残りをその混合物に添加し、さらに、任意に、当該液体の1wt%の量のMarcol 82、当該液体の0.0085wt%の量の、トリメチルシロキシ末端を有するポリジメチルシロキサン300,000cSt(ABCRからDMS−T53として販売)、及び当該液体の0.00051wt%の量の、4%〜8%のジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーと92%〜96%のシクロペンタシロキサンから成る二成分シリコンゲル(SinEtsuからKSG−15として販売されたゲル)を添加する。
【0078】
本発明の例示的な実施形態によれば、光沢トナーは、同様の、但し、以下の差異のあるプロセスで製造される。最高3つの異なる樹脂を用い、その樹脂の1つは、任意に、樹脂全体の少なくとも50%を構成し、そしてそれらは、任意に、次のリストから選択される:Nucrel 699、Nucrel 599、Nucrel 2940、Lotader 8200、Primacor 5980I、Primacor 5990I、及びA−C 5120。PrimacorはDow製であり、そしてA−C 5120は、Honeywell製であって、両方ともエチレンアクリル酸コポリマー樹脂の市販名である。Lotader 8200は、エチレン、エチルアクリレート、及び無水マレイン酸のターポリマーから成る。メルトフローインデックス100のNucrel 699は、任意に、艶消しトナー及び在来トナーにも使用され、このリストの他の樹脂は、200〜500の範囲にある比較的高いメルトフローインデックスを有し、そして、Primacor 5990Iの場合は、1300程の高さのメルトフローインデックスを有する。任意に、艶消しトナーに関して列挙した樹脂を、比較的少量にて光沢トナーに使用することで、印刷層をより薄くし且つひび割れを減らすことができる。
【0079】
艶消しトナーに用いる添加物粒子は、それらが仮にも光沢トナーに用いられる場合には、艶消しトナーの場合よりも少量、例えば、固形物全体の3wt%に限定される。その他の添加物は、ワニス段階もしくは粉砕段階で、光沢トナーに任意に添加され、それをより光沢のあるものにするか、又は剥離を防止する。これらの添加物としては、Laropal K80(BASF製のシクロヘキサノン縮合生成物)、Laropal A81(尿素とアルデヒドの縮合生成物)、Bremar 7080(Kraemer製のシクロヘキサノン樹脂)、及びBremar 7110(シクロヘキサノン−ホルムアルデヒド樹脂)が挙げられる。当該光沢トナーは、任意に、10〜20時間の間、粉砕される。
【0080】
その最良の実施形態に関して、本発明を説明してきた。本発明の幾つかの実施形態によっては、図面に示した特徴又は関連文書に記載された特徴の全てが実際の装置に存在するとは限らないことを理解されたい。さらに、示した方法及び器具に関する変更形態は、特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲内である。また、1つの実施形態の特徴は、本発明の他の実施形態の特徴と連携してもたらされ得る。本書において用いるとき、用語「有する」、「含む」及び「から成る」又はそれらと同じ語源の語は、「限定するものではないが、含む」を意味する。本書において用いるとき、「着色」トナーには、ブラックトナー、又は非白色の印刷媒体上で印刷するための白色トナーが含まれるが、無色トナーは除外される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1A】本発明の例示的な実施形態による、印刷プロセスの或る段階における、プリンタと印刷媒体を示す概略側面図
【図1B】図1A記載の印刷媒体及びプリンタの部分透視図であり、図1A記載の段階の後に現れる印刷画像が示されている
【図2】印刷プロセスの後段階における、図1A記載のプリンタと印刷媒体を示す略側面図、並びに印刷完了後の印刷媒体の斜視図


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体トナープリンタにおける使用に適する艶消し液体トナーであって:
a)キャリヤー液;
b)樹脂を含むトナー粒子;及び
c)前記樹脂中に分散された、平均直径1〜20マイクロメートルの実質的に無色の添加物粒子、
を含んで成る、艶消し液体トナー。
【請求項2】
液体トナープリンタにおける使用に適する艶消し液体トナーであって:
a)キャリヤー液;
b)樹脂を含むトナー粒子;及び
c)前記樹脂中に分散された、平均直径が1〜20マイクロメートルであり且つ前記トナー粒子の少なくとも5wt%にて含まれる添加物粒子、
を含んで成る、艶消し液体トナー。
【請求項3】
実質的に無色である、請求項2に記載の艶消しトナー。
【請求項4】
前記添加物粒子の平均直径が1〜3マイクロメートルである、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項5】
前記添加物粒子の平均直径が3〜8マイクロメートルである、請求項1〜4の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項6】
前記添加物粒子の平均直径が8〜20マイクロメートルである、請求項1〜4の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項7】
前記添加物粒子が、前記トナー粒子の5wt%〜10wt%の量にて含まれる、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項8】
前記添加物粒子が、前記トナー粒子の10wt%〜20wt%の量にて含まれる、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項9】
前記添加物粒子が、前記トナー粒子の20wt%〜40wt%の量にて含まれる、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項10】
前記添加物粒子が、前記トナー粒子の少なくとも40wt%にて含まれる、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項11】
前記樹脂が、少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項12】
前記少なくとも1つの熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1つが、100以下のメルトフローインデックスを有する、請求項11に記載の艶消しトナー。
【請求項13】
前記熱可塑性樹脂が、35未満のメルトフローインデックスを有する、請求項12に記載の艶消しトナー。
【請求項14】
前記トナー粒子中の樹脂が溶媒和し且つ前記キャリヤー液によって可塑化される、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項15】
前記添加物粒子が、PTFE(テフロン)、PTFEワックス、及びポリエチレンワックスの1つ又は複数を含む、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項16】
前記添加物粒子が、架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリメチルブチルアクリレート、及び架橋ポリアクリルアクリレートのうち1つ又は複数を含む、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項17】
前記トナー粒子が第一樹脂を含み、且つ前記添加物粒子が、前記第一樹脂と相溶性でない第二樹脂を含む、前出の請求項の何れかに記載の艶消しトナー。
【請求項18】
印刷媒体上に、少なくとも部分的に艶消し画像を印刷する方法であって:
(a)第一光沢を有する画像を印刷媒体上に印刷すること;及び
(b)画像の光沢を低下させる艶消しトナーの層を、前記画像の光沢のある部分の少なくとも一部に印刷し、それによって、前記一部の光沢を低下させること、
を包含する、方法。
【請求項19】
前記艶消しトナーの層を印刷することが、画像の上に印刷することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記艶消しトナーの層を印刷することが、画像の下に印刷することを含む、請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項21】
艶消しトナーを画像全体に印刷せず、それによって、艶消しトナーが印刷されている画像部分よりも光沢のある画像部分を残すことによって前記画像部分を際立たせる、請求項18〜20の何れかに記載の方法。
【請求項22】
画像の光沢を高める超光沢トナーの層を、艶消しトナーが印刷されていない画像部分の少なくとも一部の上に印刷することを包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
様々な画像に少なくとも2つの異なる光沢度が選択的に適用されるように複数の画像を印刷することを包含し、
より低い光沢度を有するように選択された画像上に艶消しトナーの層を印刷し、それによって、前記画像の光沢を第二のより低い光沢度にまで低下させることを含む、請求項18〜22の何れかに記載の方法。
【請求項24】
より高い光沢度を有するように選択された画像上に超光沢トナーの層を印刷することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
各画像が、実質的に均一な光沢を有する、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
複数の画像を、同じ光沢の印刷媒体上に印刷する、請求項23〜25の何れかに記載の方法。
【請求項27】
艶消しトナーの層を印刷することが、様々な光沢度を得るべく様々な方法を用いて前記層を印刷することを含む、請求項18〜26の何れかに記載の方法。
【請求項28】
様々な方法で艶消しトナーを印刷することが、被印刷領域の様々な部分を覆うようにして艶消しトナーを印刷することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
様々な方法で艶消しトナーを印刷することが、種々の数の艶消しトナーの層を印刷することを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
艶消しトナーが添加物粒子を含み、且つ前記トナーが印刷媒体上に印刷されるときに、前記添加物粒子の存在によって、印刷媒体表面の光沢が、添加物粒子を含まない際にその印刷表面が有したであろう光沢の90%未満となる、請求項18〜29の何れかに記載の方法。
【請求項31】
前記添加物粒子の存在によって、印刷媒体表面の光沢が、添加物粒子を含まない際にその印刷表面が有したであろう光沢の50%未満となる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記添加物粒子の存在によって、印刷媒体表面の光沢が、添加物粒子を含まない際にその印刷表面が有したであろう光沢の30%未満となる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
艶消しトナーの層が、請求項1〜17の何れかに記載の艶消しトナーを用いて印刷される、請求項18〜32の何れかに記載の方法。
【請求項34】
添加物粒子が印刷時に融けない、請求項30〜33の何れかに記載の方法。
【請求項35】
同一等級の印刷媒体上に艶消し及び光沢の両画像を印刷するためのプリンタであって、
(a)着色トナーを収容する少なくとも1つの容器;
(b)艶消しトナーを収容する容器;及び
(c)少なくとも1つの着色トナー容器の少なくとも1つからのトナーを印刷媒体に適用し、それによって、着色トナーによる画像を生成し、且つ艶消しトナーを前記印刷媒体のある部分に選択的に適用し、それによって、画像のある部分を艶消し画像にする、印刷装置、
を具備する、プリンタ。
【請求項36】
艶消しトナーが、請求項1〜17の何れかに記載の艶消しトナーである、請求項35に記載のプリンタ。
【請求項37】
超光沢トナーを収容する容器を具備し、且つ印刷装置が、前記超光沢トナーを印刷媒体のある部分に選択的に適用して、光沢のある画像を生成する、請求項35又は36に記載のプリンタ。
【請求項38】
前記印刷装置が、印刷媒体の一部だけに艶消しトナーを選択的に適用し、それによって、前記媒体の様々な領域に様々な光沢度を有する画像を生成できるように構成されている、請求項35〜37の何れかに記載のプリンタ。
【請求項39】
前記印刷装置が、画像が均一な光沢を有するようにトナーを選択的に適用できるように構成されている、請求項35〜請求項37の何れかに記載のプリンタ。
【請求項40】
印刷媒体に対する艶消しトナーの選択的適用を制御し、それによって各画像の少なくとも一部の光沢を制御するコントローラを具備する、請求項35〜39の何れかに記載のプリンタ。
【請求項41】
前記印刷装置が、様々な光沢度を生成するべく様々な方法で艶消しトナーを選択的に適用する、請求項35〜40の何れかに記載のプリンタ。
【請求項42】
画像が複数の画素を含み、且つ前記印刷装置が、様々な光沢度を生成するべく前記画素の様々な小部分に艶消しトナーを適用する、請求項41に記載のプリンタ。
【請求項43】
前記印刷装置が、艶消しトナーを印刷媒体の少なくともある部分に一回を上回る回数にて適用し、種々の数の艶消しトナー層を適用して、様々な光沢度を生成することができる、請求項41に記載のプリンタ。

【図2】
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【公表番号】特表2007−528007(P2007−528007A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511235(P2005−511235)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/IL2003/001035
【国際公開番号】WO2005/054959
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】