説明

遺体の直腸閉塞装置及び遺体の直腸閉塞方法

【課題】死後の直腸内物質が遺漏することを防ぐ。
【解決手段】直腸閉塞装置1は、封止部材2と、該封止部材2を遺体の肛門から直腸内に挿入する挿入部材とを備えている。封止部材2は、直腸内で膨張するように構成されている。挿入部材は、遺体の肛門へ挿入される挿入先端部を有し且つ内部に上記封止部材2が収容されたプラスチック製の円筒部材3と、上記円筒部材3内を該円筒の軸方向に摺動可能に且つ該円筒部材3内であって上記封止部材2の一方の端部に配設される押部材7と、上記押部材7の上記封止部材2に面した側とは反対側に設けられ、該押部材7を上記円筒部材3の軸方向に移動させるロッド部材10とを有している。円筒部材3の軸方向中間部の外周面側には、該円筒部材3の直腸への挿入距離を所定距離に規制するストッパが、肛門の外方から肛門に当たるように該円筒部材3の径方向外方へ向けて突出するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺体の体腔から出る体内物質の遺漏防止および遺漏に伴う周囲への汚染・感染を防止するための体腔閉塞装置及びこれを使用した遺体の処置装置に関し、特に肛門・女性の膣等の下半身の体腔から出る体内物質の遺漏防止および遺漏に伴う周囲への汚染・感染を防止するための遺体の直腸閉塞装置及び遺体の直腸閉塞方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間は死後、体腔各部の筋肉が弛緩し、体腔内の汚物が遺漏することが多い。また、生前の治療等での点滴により、死後の体内に多量の体液を保有していることが多い。特に下半身の体腔、即ち肛門は、肛門筋が弛緩して肛門が開口することにより、内部の汚物が遺漏することが多い。また、女性の膣腔は、多量の体液が遺漏することが多い。この遺漏を防ぐため、膨大な脱脂綿を死後硬直の起こる前に、肛門や膣腔に詰めることで遺漏を防いでいる。
【0003】
この作業の多くは看護婦士の手によって行われる事が多く、その作業の煩雑さや不衛生さと同時に、作業従事中にこの遺漏物質から作業者へ細菌やウイルスなどが感染してしまう可能性もあり、この感染を確実に防止することが強く求められている。しかし、今まで、それに対する対策としては、実現できる良いものが無かった。
【0004】
例えば、死後の遺体各部の体腔、特に肛門・女性の膣腔等の下半身の体腔による内部汚物の遺漏を防ぐため、「おむつ」を用いることがよく行われている。この場合、「おむつ」では、必ずしも完全に汚物の遺漏が防げるものではなく、遺漏による汚染が起こる。また、おむつ交換時の洗業で汚物に接触する事は不可避である。これらを原因として保菌者の場合、周囲への感染の可能性もある。
【0005】
そこで、上記の問題点を解消し、遺体の肛門・女性の膣腔等の下半身体腔内物質が遺漏することを防ぐ体腔封止装置として、体腔封止装置を直腸・女性の膣腔等の下半身体腔内に直接挿入するものが知られている。(例えば、特許文献1及び2)
特許文献1の体腔封止装置は、図17に示すように、栓部(101)を肛門に挿入後、該栓部(101)と肛門当て部材(102)との結合部(A)の開口部(108)にガス注入器(Y)を差し込み、栓部(101)内部にガスが充填される。このガスは、栓部(101)内から、ガス導入穴(106)を通って逆流防止弁(107)を開けて調整室(105)に送り込まれ、調整室(105)を膨らませる。このことにより、可撓性部材(104)が肛門内壁に密着するようになり、肛門が封止される。112は潤滑剤層を示す。
【0006】
特許文献2の体腔封止装置200は、図18及び図19に示すように、円柱状の高吸水性繊維成形体201と、その上に被覆した水溶性シート202と、さらにその上に潤滑剤203を被覆したものからなる。体腔封止装置200は、挿入し易いように先端が先細に形成されている。高吸水性繊維成形体201としては、例えばアクリル繊維で形成された芯となる内層と、この内層を囲撓するように配設された高吸水性で吸水後膨潤するように加工処理された外層とを有する二重構造の水膨潤性繊維(商品名ランシールーF、東洋紡績製)が開示されている。この体腔封止装置200は、保護カバー部材からなる袋体204に包み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−161733号公報
【特許文献2】特開2003−111830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の体腔封止装置100は、栓部(101)が肛門に挿入された後、膨潤した調整室(105)と肛門当て部材(102)との間に肛門の一部が埋まるようになり、栓部(101)が肛門の奥に入り込んだり、逆に肛門から飛び出たりすることが防止される。
【0009】
しかし、肛門当て部材(102)が肛門から飛び出て見えている状態であり、遺体は自然体でなく、何らかの処置をされているのが外部から見える状態であり、遺族や遺体処置をする看護士などからは、使用を拒否されることが多い。
また、ガスで膨らませるための装置Yが必要であり、且つこのガスが漏れないように密封する必要がある。従って、体腔封止装置としては扱いが容易でなく、漏出防止機能も十分とは言えなかった。特に体液を吸収して膨らむものではないので、僅かな隙間でもあると体液が漏出することがあり、体腔封止装置として機能が十分でなかった。ガス圧の調整も困難であった。
【0010】
特許文献2の体腔封止装置200では、使用時、袋体204を開封して体腔封止装置200を取り出し、先細になっている方を遺体の肛門に向け、肛門から挿入し、奥の直腸まで押し込むようになっている。体腔封止装置200は肛門から挿入して直腸まで押し込まれ、遺体の外部からは見えなくなるので、外観上で遺族等から使用を拒否されることはない。また、体腔封止装置200は高吸収性繊維の成形体201が水溶性のシート202で包まれており、その外側にはグリセリンなどの潤滑材203が塗布されているので、肛門から無理やり挿入する際に、滑って入り易く工夫してある。
【0011】
しかし、作業する看護士などの個人差により、うまく肛門から奥の直腸まで入り込まないことがある。これは、繊維成形体201をシート202で覆い、潤滑剤203を塗布しても、シート202と潤滑剤203の両層は薄く且つ柔軟であるため、肛門の内壁筋に接触したときにうまく滑らなくて挿入できないためと思われる。また、奥の直腸まで押し込むためには、作業者の指を肛門に入れて成形体を奥まで押し込む必要があり、いくら手袋をしているといっても、作業者からは嫌がられる作業である。
【0012】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、死後の直腸内物質が遺漏することを防ぐとともに、この作業に従事する従業者あるいは看護人の作業の簡素化を図り、従業者、看護人や周囲への体内物質遺漏による感染を防止できる衛生的な体腔閉塞装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、封止部材と、該封止部材を遺体の肛門から直腸内に挿入する挿入部材とを備えた遺体の直腸閉塞装置であって、上記封止部材は、直腸内で膨張するように構成され、上記挿入部材は、遺体の肛門へ挿入される挿入先端部を有し且つ内部に上記封止部材が収容された円筒部材と、上記円筒部材内を該円筒の軸方向に摺動可能に且つ該円筒部材内であって上記封止部材の一方の端部に配設される押部材と、上記押部材の上記封止部材に面した側とは反対側に設けられ、該押部材を上記円筒部材の軸方向に移動させるロッド部材とを有し、上記円筒部材の軸方向中間部の外周面側には、該円筒部材の直腸への挿入距離を所定距離に規制するストッパが、肛門の外方から肛門に当たるように該円筒部材の径方向外方へ向けて突出するように設けられていることを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、直腸内で膨張する封止部材が充填された円筒部材を有する挿入部材を使用して、遺体の直腸を閉塞する直腸閉塞方法であって、上記封止部材が充填された上記円筒部材を遺体の肛門から直腸内へ挿入していき、上記円筒部材の軸方向中間部の外周面側に該円筒部材の径方向外方へ向けて突出するように設けられたストッパが、遺体の肛門に肛門の外方から接触するか近接する位置にきたときに、該円筒部材の挿入方向反対側が肛門から外方へ突出した状態で該円筒部材の挿入を止め、その後、上記円筒部材の肛門から突出した部分を持って、該円筒部材内の上記封止部材を該円筒部材の挿入方向先端部から直腸内に押し出し、しかる後、上記円筒部材を肛門から抜くことを特徴とする。
【0015】
上記繊維体は、体液を吸収して直径が5倍以上に膨張するものであり、5〜200cc/gの水膨潤度を有することが好ましい。
【0016】
上記ロッド部材の上記円板状押部材とは反対側の端部に、該ロッド部材を押すための鍔部を有することが好ましい。
【0017】
上記鍔部は、上記円板状押部材と同じ形状であることが好ましい。
【0018】
上記円板状押部材は、上記膨張封止部材に当接する円板部と、上記円筒部材内面に接して摺動するリング部とを有し、上記リング部は、上記円板部の外周縁から上記円筒部材の後端方向に延びており、上記円板部と上記リング部との接続部部は面取りされていることが好ましい。
【0019】
上記円板状押部材は、上記膨張封止部材に当接する面とは反対側の面に嵌合突起部を一体に有し、上記ロッド部材は、上記円筒部材の内径よりも小さい外径の円筒を有し、該円筒の先端の内面に上記嵌合突起部を嵌合させていることが好ましい。
【0020】
ある好適な実施形態において、上記円筒部材の外周面に、体腔への挿入目標距離を示す目印が形成されている。
【0021】
ある好適な実施形態において、上記円筒部材の肉厚は、上記挿入先端近傍よりも後端近傍の方が厚く形成されており、上記円筒部材の上記挿入先端近傍と上記後端近傍の内径は同一に形成され、該挿入先端近傍の外径が該後端近傍の外径より小さく形成されている。
【0022】
上記円筒部材の挿入先端には開口部が形成されており、上記開口部の直径は、上記円筒部材の内径に対して、0.7〜0.3倍であることが好ましい。
【0023】
本発明の遺体の処置装置は、上記の体腔閉塞装置に加えて、さらに、遺体の咽喉部に注入される高吸水性樹脂を含有するゼリー体が充填されたシリンジと、上記シリンジの注入先端に接続する挿入管と、上記挿入管をカバーするカバー部材と、高吸水性樹脂を含有するゼリー体を付着させた口中用の綿体と、上記体腔閉塞装置とシリンジと挿入管とカバー部材と綿体とを収納する容器とを備え上記挿入管は、鼻孔から咽喉部に挿入される可撓性合成樹脂製の挿入管本体と、上記挿入管本体の後端部に設けられ、上記シリンジに接続可能な接続部と、上記挿入管本体の先端部に設けられた挿入管開口部とを備えていることを特徴とする。
【0024】
上記容器内には、更に、遺体取扱い用の手袋を備えていることが好ましい。
【0025】
上記容器内に、更に、手拭用の紙製シートを備えていることが好ましい。
【0026】
上記容器内に、更に、耳栓及び鼻栓用の封止部材を備えていることが好ましい。
【0027】
上記容器内に、更に潤滑剤入り容器を含むことが好ましい。
【0028】
上記容器内に、更に、使用済み上記体腔閉塞装置、上記シリンジ、上記挿入管および上記カバー部材を収納する収納用袋体を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の直腸閉塞装置は、挿入部材を有しているので、封止部材を容易に遺体の体腔内に完全に埋没するよう挿入することができる。また、いったん挿入したら封止部材が速やかに直腸内で膨張し、体腔内壁に密着し、封止部材が体腔内に留め置かれるとともに、体液が体腔から流れ出てくることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る体腔閉塞装置を示す。
【図2】図1の円筒部材の正面図であって、可撓性羽根部材を示す図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】図1の円筒部材の後端部の部分拡大断面図を示す。
【図5】膨張封止部材の多孔質繊維体の部分拡大断面図を示す。
【図6】第1実施形態に係わる体腔閉塞装置を遺体の肛門に使用する状態を示す。
【図7】膨張封止部材の直腸内への装填後の状態を説明する図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る円筒部材を示す。
【図9】本発明の第3実施形態に係る円筒部材を示す。
【図10】本発明の第4実施形態に係る円筒部材を示す。
【図11】本発明の遺体の体腔閉塞装置を一緒に使用する遺体の処置装置の例を示す。
【図12】本発明の遺体の処置装置で追加使用する備品を示す。
【図13】本発明の遺体の処置装置で追加使用する別の備品を示す。
【図14】本発明で遺体の処置装置で追加使用する更に別の備品を示す。
【図15】本発明で遺体の処置装置で追加使用する耳栓及び鼻栓を示す。
【図16】潤滑剤を示す。
【図17】従来技術を示す。
【図18】別の従来技術を示す。
【図19】図18の従来例の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1ないし図5は第1実施形態に係わる図面である。図1は、本発明の体腔閉塞装置であって、一部を断面図で他部を外観図で示したものである。体腔閉塞装置1は、挿入部材と、その中に装填されている膨張封止部材2とを備えている。挿入部材は、プラスチック製の円筒部材3を有する。円筒部材3の内部には、円柱形の膨張封止部材2が摺動可能に入れられている。円筒部材3の体腔への挿入先端には、複数の可撓性羽根部材4が一体に設けられている。
【0033】
この可撓性羽根部材4は、複数の分割片で形成され且つ円筒部材3の円筒中心軸に向けて湾曲して形成されており、円筒部材3を肛門に挿入し易いように滑らかな先細形状を形成している。この先細形状は略半球状であって、曲面で形成された挿入先端が体腔への挿入を容易にしている。本実施形態では、可撓性羽根部材4は12片である。可撓性羽根部材4の数が多い方が、膨張封止部材2が可撓性羽根部材4を容易に押し開いて体腔内に挿入されていくので、好ましい。可撓性羽根部材4の枚数は、6枚以上が好ましく、12枚以上がより好ましい。
【0034】
また、円筒部材3の挿入先端には、開口部5が形成されている。開口部5の直径R2は、円筒部材3の内径R1に対して、0.7〜0.3倍に設定されている。開口部5が大きすぎると、円筒部材3を挿入する際の先細形状の案内部(挿入先端)が不足し、挿入されにくくなる。一方開口部が小さすぎると、内部の円柱状成形体(膨張封止部材)を押し出す際に可撓性羽根部材4を大きく外に広げる必要があり、押し出す際の抵抗が大きくなりすぎる。そのために、上記の範囲に設定することが好ましい。特に、0.62〜0.46倍に設定することが好ましい。
【0035】
膨張封止部材2の後端(円筒部材3の挿入先端側に位置する端部とは反対側の端部)位置には、プラスチック製の円板状押部材7が円筒部材3内を軸方向に摺動可能に配設されている。円板状押部材7は、膨張封止部材2に当接している円板部17と、この円板部17の外周から円筒部材3の後端方向に延びているリング部8とから形成されている。円板部17とリング部8とは一体に形成されている。また、円板部17とリング部8とは略垂直に構成されており、リング部8の外側表面は、円筒部材3の内面にほぼ全面が接触して摺動する。円板部17とリング部8との接続部分は、面取りがされている。本実施形態では、この接続部分が曲面となるように面取りされており、即ち、円筒部材3の中心軸を含む断面において円板部17からリング部18へと滑らかな曲線で繋がっており、円筒部材3の内部に入れ込む際に入れ込みやすく形成されている。
【0036】
円筒部材3の後端には、円板状押部材3が後端部3aから抜け出ることを規制する突出部6が円筒部材3の中心軸に向けて一体に形成されている。この突出部6は、円筒部材3内面に設けられた周方向に連続した凸部であり、図4に示すように、円筒部材3の中心軸を含む断面において曲線により形成されている。その後端部は円筒部材3の内壁レベルより外壁側に少し入った状態で形成され、前端は内壁レベルと同じ内径R1となるように終わっている。即ち、円板状押部材7を入れ込む際に、入れ込みやすいように、円筒部材3の後端は内径R1より少し大きめの径(径差:r)で形成されている。この突出部6の高さは、円筒部材3の内面(内径R1の部分)から0.05〜0.5mm突出して形成されている。突出量が小さすぎると飛び出し防止機能が不十分となり、突出量が大きいと挿入しにくくなるので、上記範囲にすることが好ましい。更には、0.1〜0.25mmとすることが好ましい。
【0037】
突出部6は、この実施形態のようなものに限られるものではなく、装填後不用意に抜け出ることを防げるもの、即ち、抜け出ることの抵抗となる抵抗部であれば、この形状・大きさに限られるものではない。例えば、ネジのような突起部を形成し、リング部を回転して装填するようにしても良い。また、突起部を複数箇所形成し、これに対応する凹部をリング部に形成し、突起部と凹部とが一致したところで装填して、装填後に少し回しておくことで一致位置を外し、不用意に抜け出ないようにしても良い。
【0038】
円板状押部材7を円筒部材3の軸方向に摺動させるプラスチック製のロッド部材10が、円板部17の膨張封止部材2と接している面とは反対側の面(外側面)の中心部に設けられている。円板部17の外側面中心部には、十字状の嵌合突起部9が円板状押部材7と一体に形成されている。ロッド部材10は中空且つ長尺の円筒からなっている。この円筒の内面10aに嵌合突起部9が嵌合されるようになっている。なお、この円筒の外径は円筒部材3の内径よりも小さい。ロッド部材10が嵌合突起部9に嵌合されているとともに、更に両者は溶着等の方法で一体に結合されている。円板状押部材7とロッド部材10とを別々に作ることで、それぞれ別々に適切な材質とすることができ、材料や生産コストを低減することができる。また、円板状押部材7には、複数個の穴部7aが、膨張封止部材2を押し込む際の空気抜きとして設けられている。
【0039】
なお、上記嵌合突起部9の形状は十字状に限られるものではなく、三又形状や他の形状でも良い。穴部7aの形状・大きさや数も本実施形態に限定されるものではない。
【0040】
ロッド部材10の後端部には鍔部11が一体に設けられている。この鍔部11は、円板状押部材7と同じ形状で構成され、円板状押部材7のリング部8と鍔部11のリング部とが互いに向かい合うように円筒に固定されている。従って、鍔部11でも円板状押部材7のどちらを円筒部材3に入れ込んでも良いように形成されている。円板状押部材7と鍔部11とが異なる形状のものであると、体腔閉塞装置を製造する際に、組み付け間違いが生じる虞があるが、同じ形状とすることにより組み付け間違いは生じず、組み付け作業性が向上する。この鍔部11は、膨張封止部材2を体腔内に挿入する際の力を加える部分として機能するとともに、膨張封止部材2の挿入後、体腔から円筒部材3とともにロッド部材10を引き抜く時に、引っ掛ける或いは持つ部分として機能する。
【0041】
ここで、円板状押部材7および鍔部11におけるリング部8の後端部(円板部17との接続部分の反対側)は、外側表面に対してほぼ垂直な端面であって、外側表面との角部分が略直角なため、鍔部11が突出部6を乗り越えて円筒部材3内に入りにくくなっている。つまり、リング部8後端の外側角部が略直角であるので、この部分が突出部6に引っかかり、鍔部11が円筒部材3内に入り込むことを阻止される。従って、膨張封止部材2を挿入する際にロッド部材10を押し込みすぎても、鍔部11が円筒部材3内に入り込むことが防止される。
【0042】
ロッド部材10の長さL1は、円筒部材3の長さL2よりも長く設定され、ロッド部材10を押し込んだ際にも、一部が円筒部材3から飛び出て残る長さに設定されている。この残った部分を又は鍔部11を持って引き抜くことができるようになっている。
【0043】
膨張封止部材(高吸水性繊維成形体)2としては、アクリル繊維で形成された芯となる内層12aと、この内層を囲撓するように配設された内層12aよりも高吸水性で吸水後膨潤するように加工処理された外層12bとを有する二重構造の水膨潤性繊維(繊維体)12を束ねて円柱形状とした成形体であって、高吸水性繊維12が吸水して直径が5倍以上に膨張するもの(商品名ランシールーF、東洋紡績製)を使用した。この膨張封止部材2は、直腸用も膣腔用も同じものとし、直径20mm、長さ80mmのものを使用した。膨張封止部材2の大きさは、肛門Hの体腔(直腸G)内に挿入するの際して、直径が小さいほど挿入し易いが、挿入後に膨潤して直腸壁に密着する大きさに拡大するまでに時間がかかる問題を有する。逆に大きすぎると肛門Hに挿入しにくい。したがって、直径が10〜25mmとすることが好ましい。また、長さが短いほど挿入し易いが、短すぎると膨潤する際の容積が不足し封止機能に劣るので、長さが40〜110mmとすることが好ましい。特に、長さが60〜90mmとすることが好ましい。
【0044】
この膨張封止部材2は、構成要素の高吸水性繊維12において、吸水後も内層12aの芯材が繊維としての形状を維持しているので、膨張後も略円筒形の形状を保持し、体腔内に確実に留め置かれる。また、吸水して径方向に急速に大きく膨張すると、体腔の通路内壁に速やかに密着し、密閉性(シール性)を発揮するので、好ましい。そのために、高吸水性繊維12は吸水して径が2.5倍以上になるものが良い。特に径が5倍以上になるものが更に良く、径が10倍以上になるものがもっと好ましい。このように径が膨注するということは、それだけ吸水能力が高いことであり、径が大きく膨張するものが好ましい。特に、内層12aがアクリロニトリル系重合体からなる繊維であって、5〜200cc/gの水膨潤度を有するものが好ましい。特に外層12bがカルボキシル基を含むと、アンモニアの吸着性を有するので、臭気などを吸収してくれ好ましい。カルボキシル基の含量は0.5〜4.0mmol/gが好ましい。なお、高吸水性繊維12の外層12bは、アクリル繊維をアルカリ金属水酸化物水性溶液によって処理し、外繊維の外層部分のみを親水架橋化したものである。このように処理をすると、アルカリ金属塩型のカルボキシル基がアクリル繊維に導入される。
【0045】
第1実施形態において、膨張封止部材2を円筒部材3に装填する作業について説明する。円筒部材3の後端部3aの開口部から円柱状の膨張封止部材2を装填する。その際、後端部3aに突出部6が形成されているが、突出部の高さは僅かであり、膨張封止部材2を装填する際の妨げにはならない。たとえ、後端部3aの開口部の径が膨張封止部材2の外径よりも僅かに小さい場合でも、膨張封止部材2は多孔質繊維体であり、弾力性を有するので、ちいさな力で装填を行うことができ、装填時の妨げになることは無い。
【0046】
その後、両端に円板状押部材7が一体に接合されたロッド部材10を装填する。円板状押部材7の外径即ちリング部8の外径に対して、突起部6で囲まれた開口部の内径が少し小さくなっているが、その差は僅かであり、小さな力で、円板状押部材7およびリング部8を押したら、円筒部材3の中に押し込むことができ、作業性が良い。特に、円板状押部材7とリング部8との接続部は曲面で接続されているので、軽い力で突起部6を乗越えて奥に挿入することができる。挿入後、円板状押部材7が膨張封止部材2の後端面に接触する位置で挿入を中止し、装填を完了する。
【0047】
このように、膨張封止部材2は円筒部材3の広い開口である後端部3aの開口部から装填されるので、外周が変形することなく、なんら抵抗無く装填できる。その上、軽い力で、円筒部材3の中に円板状押部材7およびリング部8を装填できるので、装填作業が極めて容易であり、生産性に優れる。また、搬送中や保管中に不用意に円板状押部材7およびリング部8が抜けることが突起部6によって規制されているので、円板状押部材7が抜け落ちることはない。
【0048】
図6及び図7により、上記のようにして用意した体腔閉塞装置1を使用して、膨張封止部材2を肛門Hから直腸Gに挿入する状態を説明する。
【0049】
可撓性羽根部材4及び円筒部材3の外周に潤滑剤を塗布し、挿入先端である可撓性羽根部材4から肛門Hに挿入する。約半分ぐらい円筒部材3を挿入したところで、挿入を中止する。その後、円筒部材3の後半部分を手に持って、ロッド部材10を前方に押し込んで、円筒部材3内の膨張封止部材2を直腸G内に押し出す。膨張封止部材2を前方に押し出すことで、可撓性羽根部材4は自然に外側に開き、膨張封止部材2は次第に円筒部材3から出されていく。
【0050】
円筒部材3から膨張封止部材2を出した後、円筒部材3の後半部分を持って、ロッド部材10の鍔部11を持って、肛門Hから引き抜く。
【0051】
一方、直腸G内に押し込まれた膨張封止部材2は、直腸G内の体液を速やかに吸収して、高吸収性繊維が径方向に急速に膨張する。その結果、図7に示すように、高吸収性繊維が直腸Gの内壁に密着し、更に内壁を拡大するように膨張し、直腸Gの通路を密閉する。
【0052】
この第1実施形態では、ロッド部材10を押して、直腸G内に膨張封止部材2を押し出す際に、ロッド部材10をどの程度押し込んだら膨張封止部材2が円筒部材3から飛び出るかは、挿入前に作業者には理解できるので、敢えてロッド部材10には目印、ストッパなどを設けてないが、必要であれば、設けるようにしても良い。
【0053】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る円筒部材43の形状を示す図である。第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0054】
本実施形態では、円筒部材43の外周に目印15を設け、円筒部材43を肛門Hに挿入する際の挿入完了位置を示している。つまり、この目印15は体腔への挿入目標距離を示すものである。この目印15は、目立つカラー色を塗布したものである。代わりにテープを貼り付けても良い。又は、この部分だけ、又はこの部分より後をシボ模様、凹凸模様、縞模様などのように前半部分と異なる模様をして、区別できるようにしても良い。この場合には、円筒部材43の後半部分を掴んで引き抜く時に滑りにくい(握り易い)好都合でもある。本実施形態では、必要以上に円筒部材43を体腔内に挿入しすぎることを防ぐことができ、また、挿入不足となることを防ぐこともできる。また、この目印15は、円筒部材43の目印15より前方側に潤滑剤を塗布すれば良い目安ともなりうる。
【0055】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る円筒部材53の形状を示す図である。第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0056】
本実施形態では、円筒部材53の後半部分(後端に近い側)の肉厚t1を前半部分(前端に近い側)の肉厚t2より大きめにし、円筒部材53の後半部分の外径D1を前半部分の外径D2より少し大きめにしている。これにより、円筒部材53の前半部分を肛門Hに挿入し、大径D1で少し抵抗が大きくなったら挿入を中止することで、目で見なくても挿入時の感触で挿入を実感できるメリットを有する。本実施形態では、必要以上に円筒部材53を体腔内に挿入しすぎることを防ぐことができ、また、挿入不足となることを防ぐこともできる。
【0057】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る円筒部材63の形状を示す図である。第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0058】
本実施形態では、円筒部材63の中間位置に挿入距離を規制するストッパとしての突出鍔部材16を設けたものである。この突出鍔部材16は、挿入時に抵抗感が増大することが感じられる目印程度でよく、多く突出して設ける必要はない。また、肛門に装填した際に、両足の間になる位置でなく、前後になる位置にだけ突出鍔部材16を設けるようにしても良い。本実施形態では、必要以上に円筒部材63を体腔内に挿入しすぎることを防ぐことができ、また、挿入不足となることを防ぐこともできる。
【0059】
なお、第2から第4の実施形態は単独でも組み合わせて用いても良い。
【0060】
(その他の実施形態)
図11は上記体腔閉塞装置1とともに、咽喉部や口中などの遺体の体腔を密閉する備品とを一緒にした遺体の処置装置20を示す。
【0061】
この例では、遺体処置装置20は、鼻穴から挿入して咽喉部を封止するシリンジ21と、シリンジ21の先端に取り付けられて鼻穴に挿入される挿入管23を有する。シリンジ21内には、高吸収性樹脂粉末が分散混合されたゼリー体22が充填されている。挿入管23は、挿入管本体24と、後端にはシリンジ21の注入先端に接続される接続部25と、先端には挿入管開口部26とを備える。27は挿入管23をカバーするカバー部材を示す。
【0062】
高吸水性樹脂粉末はゼリー体22の中に5,000個以上/ml分散しており、溶剤100重量部に対して増粘材が0.02〜0.15重量部含まれ、粘度が8,000〜40,000CPであることが好ましい。特に、高吸水性粉体がゼリー体22の中に17,000個/ml〜29,000個/ml分散し、さらには、高吸水性微粉体が20〜150メッシュの粉体からなり、ゼリーの中に18,000個/ml〜25,000個/ml分散しているのが好ましい。
【0063】
シリンジ21内のゼリー体22は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、メタノール、エタノール、グリセリンの少なくとも21種を含み、ゼリー体22には、アルコール系主成分100重量部に対し、アクリル酸重合体が0.01〜1.0重量部、中和剤が0.03〜0.7重量部含まれ、ゼリー体22の粘度が8,000〜40,000CPであり、ゼリー体22のPHが6〜8であることが好ましい。
なお、ゼリー体22を充填したシリンジ21、ゼリー体22及び挿入管23の構成は、特開2002−275001に開示されたものが採用できるものであり、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0064】
28は口中に装填する綿体を示す。この綿体28を口中に装填することで、口中の唾液等の液体漏出を確実に防止できる。その上、この綿体28を両ほっぺたに位置させた場合、吸液して膨張した綿体が両ほっぺたの形を整えることにも役立つ優れた機能を有する。特に老人では入れ歯を取るとほっぺたが引っ込んでみすぼらしい形になるが、この綿体をほっぺたの内側に位置させることで、綿体が適当なふくらみを有することとなり、ほっぺたを適正な形に維持できる。上記綿体28には、単に綿体だけでなく、4×4cmの綿体に対して、ゼリー体が0.5g〜2.0g含まれるものが好ましい。4×4cmの綿体の場合には、4〜5枚重ねて用意することが好ましい。綿体28は密閉プラスチック袋体よりなる容器29に入れられている。以上の体腔閉塞装置1、シリンジ21、挿入管23、カバー部材27および綿体28は、不図示の容器中に収められており、遺体を処置する際に遺体の各体腔からの遺漏を防止するために必要なものが揃うので、特に、肛門や膣腔等の下半身の体腔、咽喉部及び口中の処置品が揃っているので、遺体の体液漏出防止用の処置が短時間で間違いなく出来る。
【0065】
図12ないし図15は、本発明の遺体の処置装置において、それらを収める容器中に追加しても良い備品を示す。
【0066】
図12は、ゴム手袋31を示し、これは、体腔閉塞装置1やシリンジ21等の遺体の処置装置の備品を取り扱う際及び遺体を取り扱う際に使用する。この手袋31を追加することで、作業者の衛生上に必要な手袋を探す手間が省け、感染等を確実に防止でき安全性を高められる。
【0067】
図13は、紙製の手拭用濡れティッシュ32であって、消毒剤として二酸化塩素が含まれている。作業者が遺体の処置をしている際や処置後の簡単な手拭き用として使用する。手拭用濡れティッシュ32はプラスチック製密閉袋体に収納されている。この手拭用濡れティッシュ32を加えることで、更に、感染等を防止でき安全性を高められる。
【0068】
図14は、収納用袋体36であって、遺体処置後の円筒部材3、シリンジ21、挿入管23、密閉プラスチック袋体よりなる容器29、カバー部材27等を収納する。この収納用袋体36は、遺体の体液等がしみ出てこないように浸出防止処理が施されており、収納用袋体36に収納することで、これらのものが散在することを防止し、汚染や感染を防止する。
【0069】
図15は、耳栓及び鼻栓用の封止部材33を示す。封止部材33は耳栓及び鼻栓用にそれぞれ2つずつ有し、計4つ有する。各封止部材33は球状の綿材33aからなり、中央に高吸収性樹脂を含むゼリー体33b、即ちシリンジ21内のゼリー体22と同じゼリー体が入れてある。33cは蓋部材を示す。封止部材33は、円筒状の密閉プラスチック袋体33dに収納されている。これを追加することで、更に確実に体液漏出を防止できる。なお、耳は体液の漏出が少なく、鼻は前述した咽喉部の体液漏出処置を行えば、漏出する体液は極めて少なくなるので、簡易タイプとして、単に綿材33bからなる封止部材としても良い。なお、封止部材33は円筒状の密閉プラスチック袋体33dに収納したが、口中用の綿体28と一緒に密閉プラスチック袋体29に一緒に収納するようにしても良い。
【0070】
図16は、潤滑剤35とその容器34とを示す。この潤滑剤35は、円筒部材3の外面や挿入管23などに塗布して、遺体の体腔への挿入をスムースにする。このように潤滑剤35を一緒に用意することで、塗布忘れを防ぐことができ、潤滑剤を探す手間を省ける。
【0071】
なお、さらに、遺体処理に必要な用品、例えば、ガーゼ、脱脂綿、消毒剤、消臭剤、おしめ等一緒にして、キットとして用意しても良い。このようにすれば、遺体処理作業がスムーズに行われる。他にも、例えば、女性用に尿道用の封止部材、消臭剤、遺体の顔当てガーゼ、遺体の顎当てバンド、遺体の合掌バンド等を付け加えても良い。
【0072】
また、咽喉部に挿入される高吸水性樹脂を含有するゼリー体としては、特開2002−275001に開示されたものが好適であり、詳細な説明は省略する。また、潤滑剤としては、グリセリン、ワセリンなどを用いる。
【0073】
耳栓及び鼻栓用の封止部材としては、綿材の中に高吸収性樹脂を含むゼリー体が0〜1.5mg含有されていることが好ましい。上記口中用の綿体には、4×4cmの綿体に対して、ゼリー体が0.5g〜2.0g含まれるものが好ましい。これらのゼリー体は、咽喉部のゼリー体と同様なものを使用することが好ましい。
【0074】
上記体腔閉塞部材の膨張封止部材には消臭剤、消毒剤の少なくとも1つが含まれるようにしても良い。同様に、咽喉部用のシリンジ中のゼリー体にも消臭剤、消毒剤の少なくとも1つが含まれるようにしても良い。手拭用の紙製シートには消毒剤が浸透されていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明に係る遺体の体腔閉塞装置は、これを用いることで遺体の体液漏れ出しを防止する作業を未熟練者でも容易に行うことができ、遺体の処置等として有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 体腔閉塞装置
2 膨張封止部材
2a 内層
2b 高吸収性外層
3 円筒部材
3a 後端部
4 可撓性羽根部材
6 突出部
7 円板状押部材
8 リング部
10 ロッド部材
11 鍔部
17 円板部
20 遺体の処置装置
21 シリンジ
22 ゼリ−体
23 挿入管
27 カバー部材
28 綿体
29 密閉プラスチック袋体よりなる容器
31 手袋
32 紙製シート
33 封止部材
34 容器
35 潤滑剤
36 収納用袋体
43 円筒部材
53 円筒部材
63 円筒部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止部材と、該封止部材を遺体の肛門から直腸内に挿入する挿入部材とを備えた遺体の直腸閉塞装置であって、
上記封止部材は、直腸内で膨張するように構成され、
上記挿入部材は、遺体の肛門へ挿入される挿入先端部を有し且つ内部に上記封止部材が収容された円筒部材と、上記円筒部材内を該円筒の軸方向に摺動可能に且つ該円筒部材内であって上記封止部材の一方の端部に配設される押部材と、上記押部材の上記封止部材に面した側とは反対側に設けられ、該押部材を上記円筒部材の軸方向に移動させるロッド部材とを有し、
上記円筒部材の軸方向中間部の外周面側には、該円筒部材の直腸への挿入距離を所定距離に規制するストッパが、肛門の外方から肛門に当たるように該円筒部材の径方向外方へ向けて突出するように設けられていることを特徴とする遺体の直腸閉塞装置。
【請求項2】
直腸内で膨張する封止部材が充填された円筒部材を有する挿入部材を使用して、遺体の直腸を閉塞する直腸閉塞方法であって、
上記封止部材が充填された上記円筒部材を遺体の肛門から直腸内へ挿入していき、
上記円筒部材の軸方向中間部の外周面側に該円筒部材の径方向外方へ向けて突出するように設けられたストッパが、遺体の肛門に肛門の外方から接触するか近接する位置にきたときに、該円筒部材の挿入方向反対側が肛門から外方へ突出した状態で該円筒部材の挿入を止め、
その後、上記円筒部材の肛門から突出した部分を持って、該円筒部材内の上記封止部材を該円筒部材の挿入方向先端部から直腸内に押し出し、
しかる後、上記円筒部材を肛門から抜くことを特徴とする遺体の直腸閉塞方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−159288(P2010−159288A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87155(P2010−87155)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【分割の表示】特願2007−31788(P2007−31788)の分割
【原出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(500329906)
【Fターム(参考)】