説明

避難用フロート

【課題】津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、避難者を確実に保護し、浮体の速やかな浮上を実現し、且つ普及させ多数設置できる避難用フロートを提供する。
【解決手段】津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、避難用フロート1が、浮体2と、浮体2の海側であって地表面3から浮体2の上面に向けて形成した海側スロープ4を有しており、海側スロープ4が海水を通過させる貫通孔11を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
津波対策として、通常時は陸上部に設置されており、津波到達時には浮くように構成した避難用フロートがある(例えば特許文献1参照)。図8に、この避難用フロートの一例を示す。図8Aに通常時の避難用フロート1Xを示し、図8Bに津波到達時の避難用フロート1Xを示す。この避難用フロート1Xは、地中深くに打ち込んだ複数の係留杭13Xと、係留杭13Xに沿って鉛直方向に移動可能なフロート2Xを有している。津波警報等が発せられた場合、避難者50は階段51を利用してフロート2X上に避難する。フロート2Xは、津波が到達すると浮力により地表面3を離れ浮き上がるように構成されている。
【0003】
この構成により以下の作用効果を得ることができる。第1に、フロート2Xが津波到達時に浮く構成を有しているため、例えば地表面3から5mに達するような津波が発生した場合であっても、フロート2Xが5m浮き上がり、避難者50を保護することができる(図8B参照)。第2に、フロート2Xが地表面3上に設置されており、地表面3に近い位置にあるため、避難が容易となる(図8A参照)。つまり、このフロート2Xに備え付けた階段51さえ上れば、建築物の2、3階に達するような津波であっても、被害を免れることができる。
【0004】
しかしながら、上記の避難用フロート1Xはいくつかの問題点を有している。第1に、津波到達時にフロート2Xが破壊されてしまい、避難者50を十分に保護できないという問題を有している。これは、地表面3に設置されたフロート2Xが、その側面で津波の水平方向の力を受けてしまうためである。また、津波により運ばれた漂流物(漁船、自動車、家屋等)がフロート2Xに衝突し、フロート2Xを破壊してしまう可能性が高い。
【0005】
第2に、避難者50がフロート2X上に避難したとしても、津波に巻込まれる可能性があるという問題を有している。これは、津波発生時に、フロート2Xが十分に浮上する前に、フロート2Xの上方を津波が通過する可能性があるためである。ここで、例えば、洋上で津波に遭遇した漁船等は、潮位の変化に伴い鉛直方向に移動できるため被害が少ない。しかし、地表面3に設置されているフロート2Xに津波が到達した場合、フロート2Xは、浮上する間もなく津波をかぶる可能性がある。そのため、実際の避難場所としては不十分となる。
【0006】
第3に、避難用フロート1Xを設置する場所を確保することが困難であるという問題を有している。これは、通常時の土地利用を考えた場合、避難用フロート1Xの設置よりも、優先順位の高いものが多くあるためである。
【0007】
以上より、従来の避難用フロート1Xは、津波発生時に避難者50を十分に守れない可能性と、普及の困難性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−112089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、避難者を確実に保護し、浮体の速やかな浮上を実現し、且つ普及させ多数設置できる避難用フロートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係る避難用フロートは、津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、前記避難用フロートが、浮体と、前記浮体の海側であって地表面から前記浮体の上面に向けて形成した海側スロープを有しており、前記海側スロープが海水を通過させる貫通孔を有していることを特徴とする。
【0011】
この構成により、浮体が津波や漂流物により破壊されてしまう事故を防止することができる。これは、貫通孔を有する海側スロープが、波の力を弱め且つ漂流物の通過を防止するためである。また、避難用フロートを設置する場所を容易に確保することができる。これは、海側スロープの設置により、車両等が浮体上を走行できるためである。
【0012】
上記の避難用フロートにおいて、前記避難用フロートが、周囲の地表面よりも低い位置に形成した槽と、前記槽内に配置した前記浮体と、前記避難用フロートの海側の地表面から前記槽に向かって海水を導く水路を有していることを特徴とする。
【0013】
この構成により、浮体に十分な浮力が発生する時期が早くなるため、避難者をより安全に保護することができる。また、浮体上面の高さが低くなるため、避難用フロートを道路や駐車場等へ容易に設置することができる。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明に係る避難用フロートは、津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、前記避難用フロートが、周囲の地表面よりも低い位置に形成した槽と、前記槽内に配置した前記浮体と、前記避難用フロートの海側であって周囲の地表面よりも低い位置に形成した取水部と、前記槽と前記取水部を連結する水路を有していることを特徴とする。この構成により、津波発生の早い段階で浮力を得ることができるため、避難者をより安全に保護することができる。また、避難用フロートを設置する場所を容易に確保することができる。
【0015】
上記の避難用フロートにおいて、前記浮体が、連結金物で互いに連結したコンテナであることを特徴とする。この構成により、工期の大幅な短縮及び工費の大幅な抑制を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る避難用フロートによれば、浮体の速やかな浮上を実現し、避難者を確実に保護し、且つ普及させ多数設置できる避難用フロートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの側面を示した概略図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの概略図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの概略図である。
【図4】本発明に係る異なる実施の形態の避難用フロートの側面を示した概略図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの概略図である。
【図6】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの概略図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の避難用フロートの浮体を示した概略図である。
【図8】従来の避難用フロートの側面を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態の避難用フロートについて、図面を参照しながら説明する。図1に本発明の実施の形態の避難用フロート1の側面を示す。図1A(上段)に通常時の避難用フロート1を示し、図1B(下段)に津波発生時の避難用フロート1を示す。この避難用フロート1は、浮体2と、地表面3から浮体2の上面に延びる傾斜した海側スロープ4と、浮体2の下部に設置した脚12を有している。また、浮体2の陸側にスロープ5を設置してもよい。
【0019】
この海側スロープ4は、津波Wの海水を通過させる貫通孔11を有している。また、海側スロープ4は、津波Wにより流されてくる漂流物等の通過を防止できるように構成している。具体的には、パンチングメタル、グレーチング(鉄格子)等を使用することができる。
【0020】
この浮体2は、鋼板やコンクリート等、従来浮桟橋を構成する材質と同様に構成することができる。また、浮体2の大きさは、例えば、平面視における縦の長さが30000mm〜60000mm程度、横の長さが60000mm〜90000mm程度、高さ(厚み)が2000mm〜5000mm程度を想定している。また、平面視において海側スロープ4の海方向への長さが20000mm〜50000mm程度を想定している。更に、脚12は、500〜800mm程度の高さを想定している。
【0021】
なお、白抜き矢印は津波Wの方向を示しており、矢印は海水の流れのイメージを示している。また、図1において、右方を海側、左方を陸側としている。
【0022】
次に、避難用フロート1の動作について説明する。まず、津波発生の警報等が発せられた後、避難者は徒歩又は車両40等でスロープ4、5を上り、浮体2上に移動する。津波Wが到達すると、海水は海側スロープ4の貫通孔11を通過して浮体2下方に流れていく(図1A参照)。水位の上昇(水面6)とともに、浮体2は浮力を得て浮き上がる(図1B参照)。ここで、脚12は、浮体2側に固定することを想定しているが、脚12を地表面3側に固定する構成とすることもできる。
【0023】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、津波Wによる浮体2の破壊を防止することができ、避難者を安全に保護することができる。これは、貫通孔11を有する海側スロープ4が、津波Wの水平方向の衝撃を和らげる消波ブロックと同様の効果をもたらすためである。また、この海側スロープ4は、浮体2に瓦礫、自動車、家屋等の漂流物が衝突する事故を防止することができるためである。
【0024】
第2に、浮体2は津波Wの到達とともに、速やかに浮上して避難者を安全に保護することができる。これは、浮体2下面に設置した脚12により、海水が浮体2下方に移動しやすくなっているためである。
【0025】
第3に、避難用フロート1を設置する場所を容易に確保することができる。これは、避難用フロート1が、上面を車両40等が走行することのできる浮体2を有しているためである。つまり、避難用フロート1上を車両40が移動できるため、避難用フロート1は、道路の途中に設置したり、商業施設の駐車場として設置したりすることができる。また、橋梁の一部や高架の一部として、避難用フロート1を設置することもできる。
【0026】
なお、この浮体2は、直方体のポンツーン形式とすることが望ましい。この構成により、製造が容易となり、工期短縮が可能となる。また、浮体2は、一体として建造してもよいが、望ましくは、複数のブロックを建造し、避難用フロート1の設置場所で組立てるブロック建造とする。この構成により、工期短縮及び工作費削減を実現することができる。
【0027】
図2に、避難用フロート1の1例を示す。避難用フロート1は、浮体2と、複数の貫通孔11を有する海側スロープ4と、陸側のスロープ5と、浮体2を係留するための係留杭13及び係留ローラ14を有している。また、浮体2は下面に脚12を有している。
【0028】
図2に示す様に、浮体2は、浮桟橋等を係留する構成と同様に、地表面3に対してチェーン又は係留杭により係留し、津波Wにより水平方向に流されないように構成することが望ましい。特に、係留杭13により係留した場合には、浮体2の水平方向の移動がほとんど発生しないため、浮体2は海水が引いた後は元の位置に戻ることができる。つまり、津波後の復旧作業が容易、又は不要となる。なお、水位が想定以上の高さとなった場合、浮体2の係留杭13又はチェーンによる係留を解除する解除機構を設置してもよい。具体的には、例えば浮体2が、係留杭13の高さを超えて浮上した場合、係留杭13から外れるように構成することができる。また、係留のためのチェーンに一定以上の力が加わった場合、せん断ピン等で構成した解除機構が開放され、浮体2の係留が解除されるように構成することができる。
【0029】
また、脚12にジャッキアップ及びジャッキダウン機能を設置してもよい。この構成により、地盤の沈下等により浮体2に傾斜が発生するような場合であっても、浮体2の傾きを調整することができる。
【0030】
更に、海側スロープ4又は浮体2の下面や、貫通孔11の内部に、海水を整流するフィンを設置する構成としてもよい。例えば、海側から浮体2に向かい方向が長手方向となるように、海側スロープ4又は浮体2下面から垂直に吊り下げるようにフィンを設置することができる。この構成により、海水が海側スロープ4及び浮体2の下面で渦を巻き、浮体2が速やかに浮力を得られない事態を防止することができる。
【0031】
加えて、浮体2の下方側面に浮体2を囲むようにスカート16を設置してもよい(図3参照)。このスカート16は、浮体2と地表面3の間に瓦礫等を侵入させないために設置している。スカート16は、例えば金属製、樹脂製、又はゴム製の網状物を使用し、蛇腹状に形成することが望ましい。また、スカート16は、浮体2が浮上した際(図3B参照)に下端が地表面3から離れないように構成している。
【0032】
この構成により、上記のフィンと同様、浮体2下面の海流の流れを整流することができる。また、浮体2の下方へ瓦礫等が侵入することを防止できるため、復旧作業が容易となる。特に、図2に示す様にスロープ4、5を設置していない浮体2の側面に、スカート16を設置することが望ましい。なお、スロープ4、5を設置した浮体2の側面であっても、スカート16を設置することはできる。
【0033】
図4に本発明の異なる実施の形態の避難用フロート1aの側面図を示す。図4A(上段)に通常時の避難用フロート1aを示し、図4B(下段)に津波発生時の避難用フロート1aを示す。この避難用フロート1aは、周囲の地表面3よりも低い位置まで掘り下げた地表面3aで形成する槽20と、この槽20内に設置した浮体2と、海側の地表面3から槽20に向かって海水を導く傾斜した水路21を有している。
【0034】
次に、この避難用フロート1aの動作について説明する。まず、津波Wが避難用フロート1aに到達すると、海水は優先的に水路21に導かれ槽20内に移動する(図4A参照)。同時に、海側スロープ4の貫通孔11(図示しない)を通過した海水も槽20内に流れ込む。周囲の地表面3に比べると、槽20内の地表面3aからの水位がいち早く上昇し、浮体2が浮上する(図4B参照)。
【0035】
上記の構成により以下の作用効果を得ることができる。第1に、浮体2に十分な浮力が発生する時期が早くなるため、避難者をより安全に保護することができる。
【0036】
第2に、地表面3に対する浮体2上面の高さが低くなるため、スロープ4、5を短く構成することができ、またスロープ4、5の斜度を緩やかに形成することができる。そのため、避難用フロート1aを、道路や駐車場等へ容易に設置することができる。
【0037】
なお、浮体2上面は、周囲の地表面3よりも高い位置であっても、地表面3と同じ高さであってもよい。浮体2の上面を周囲の地表面3と同じ高さにすると、避難用フロート1aを設置する場所の自由度が飛躍的に向上する。
【0038】
図5に、避難用フロート1aの1例を示す。避難用フロート1aは、浮体2と、海側スロープ4と、浮体2の海側以外の位置に設置した複数のスロープ5と、地表面から槽20内(図示しない)に海水を導く水路21を有している。
【0039】
ここで、海側スロープ4のみを貫通孔11を有するスロープとし、他の方向は、コンクリート等の透水性のない部材で構成している。この構成により、海水を浮体2下面に積極的に滞留させ、浮体2が浮上する時期を早めることができる。なお、避難用フロート1aに2つ以上の海側スロープ4を設置する構成としてもよい。海水が2方向以上から流れ込む可能性がある場合には、浮体2が浮上する時期を早めることができる。
【0040】
図6に、本発明の異なる実施の形態の避難用フロート1bの概略図を示す。この避難用フロート1bは、地表面3よりも低い位置になるように形成した槽20と、槽20内に配置した浮体2と、浮体2よりも海側で且つ地表面3よりも低い位置に形成した取水部22と、この取水部22と槽20を連結する水路21bを有している。この取水部22は、上面にグレーチング等で形成した取水板23を有している。取水板23は、前述の海側スロープ4と同様に海水を通過させるが、漂流物等は通過させない構成を有していればよい。
【0041】
また、浮体2は、建築物41、貯蔵庫42及び駐車場43等の上部構造物を有している。更に、浮体2は、浮体2と地表面3の間の溝をカバーし、車両等の通行を容易に行うためのフラップ15を有している。
【0042】
次に、避難用フロート1bの動作について説明する。まず、津波が取水部22に到達すると、取水部22内に海水が流れ込む。この海水は、水路21bで移動速度を上げながら槽20に到達する。浮体2は、槽20内に充填された海水により浮力を得て浮上を開始する。
【0043】
上記の構成により以下の作用効果を得ることができる。第1に、浮体2は津波発生の早い段階で浮力を得ることができるため、避難者をより安全に保護することができる。これは、地表面3を移動する津波よりも、水路21bを移動する海水の方が、速度が速くなるためである。そのため、取水部22は、海に近い場所に形成することが望ましい。
【0044】
第2に、避難用フロート1bを設置する場所を容易に確保することができる。これは、避難用フロート1bの建築物41を通常時に利用することができるためである。具体的には、例えばこの建築物41を、市役所、図書館、及び児童館等の公共機関とすることができる。貯蔵庫42は、プレハブ等で形成し、非常食や毛布等の物品を貯蔵することが望ましい。
【0045】
なお、水路21bは、下水路等を利用すると新たに必要となる工事等を抑制しながら、
避難用フロート1bを設置することができる。また、槽20に予め海水や粘度の高い流体(飽和塩化ナトリウム溶液等)を充填しておくように構成してもよい。この構成により、浮体2は津波発生時の更に早い時期に浮力を得ることができる。加えて、粘度の高い流体を充填する構成により、地震の影響等で槽20にヒビ等が発生した場合であっても、流体の槽20外への流出を防止し、浮体2を安定的に浮上させることができる。
【0046】
図7に、本発明の異なる実施の形態の浮体2cの概略図を示す。図7Aに建造途中の浮体2cを示し、図7Bに建造が完了した浮体2cを示す。この浮体2cは、予め水密加工を施したコンテナ30と、コンテナ30を連結する連結金物31(例えばツイストロック、又はスタッキングコーンと呼ばれる連結金物)と、連結板32を有している。このコンテナ30は、海上輸送用コンテナであり、例えば20ftコンテナや40ftコンテナと呼ばれるものである。
【0047】
次に、浮体2cの建造方法について説明する。まず、コンテナ30の開閉扉を閉じ、水密加工を施す。このコンテナ30を鉛直方向に積重ねながら、互いにツイストロック31で固定していく。ここで、ツイストロック31とは、コンテナ30に形成された貫通孔に挿入し固定する金物であり、コンテナ30を鉛直方向に互いに連結するものである。また、水平方向に並ぶコンテナ30の間に連結板32を設置し、ツイストロック31で固定していく。この連結板32は、鋼板等で形成することができ、水平方向に並んだコンテナ30同士を連結するために使用している。その後、陸上で運搬が可能な大きさに連結したブロックを、避難用フロート1の設置場所に運搬する。この設置場所では、複数のブロックをツイストロック31及び連結板32で連結する。以上の工程で、コンテナ30で構成した浮体2cを建造する(図7B参照)。
【0048】
この構成により、コンテナ30という規格品を使用して浮体2cを建造できるため、工期の大幅な短縮及び工費の大幅な抑制を実現することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 避難用フロート
2 浮体
3 地表面
4 海側スロープ
11 貫通孔
12 脚
20 槽
21、21b 水路
22 取水部
30 コンテナ
31 連結金物(ツイストロック)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
津波発生時に浮上する浮体を有する避難用フロートにおいて、
前記避難用フロートが、周囲の地表面よりも低い位置に形成した槽と、前記槽内に配置した前記浮体と、前記避難用フロートの海側であって周囲の地表面よりも低い位置に形成した取水部と、前記槽と前記取水部を連結する水路を有していることを特徴とする避難用フロート。
【請求項2】
前記取水部が、海水を通過させるが漂流物を通過させない取水板を有していることを特徴とする請求項1に記載の避難用フロート。
【請求項3】
前記水路が、下水路により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の避難用フロート。
【請求項4】
前記槽が、予め海水又は飽和塩化ナトリウムを充填された構成を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に岸の避難用フロート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−47093(P2013−47093A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−192945(P2012−192945)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【分割の表示】特願2011−176694(P2011−176694)の分割
【原出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】