説明

部分磁気層を有するセキュリティエレメント

【課題】本発明は、コード化された上方のアイテムを保存するための少なくとも一つの部分磁気層を有するセキュリティエレメント、具体的には、通帳(Bank Note)、クレジットカード、身分証またはチケットのような重要な証書のためのセキュリティスレッド、及びその製造プロセスに関するものである。
【解決手段】放射線架橋性接着剤の接着剤層11sは第一フィルム体51に適用され、放射線架橋性接着剤の接着剤層11sはパターン形状に構造化された形状でベースフィルム51に適用され、及び/または、接着剤層がパターン形状に構造化されて硬化するようにパターン形状に放射線照射される。キャリアフィルム及び磁気層を有するトランスファーフィルム41は、接着剤層に対する磁気層の方向で接着剤層11sに適用され、キャリアフィルムは、第一フィルム体51、接着剤層11s及び磁気層を有する第二フィルム体から取り除かれる。磁気層はパターン形状に構造化された第一領域で第一フィルム体51に残り、磁気層はパターン形状に構造化された第二領域でキャリアフィルムに残り、第一フィルム体51からキャリアフィルムとともに取り除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号化された情報項目を保存する部分磁気層少なくとも一つを有するセキュリティエレメント、特に通帳(Bank Note)、クレジットカード、身分証明書、通行証書又はチケットのような重要な証書に用いられるセキュリティスレッド、及びそのセキュリティエレメントの製造工程に関する。
【背景技術】
【0002】
情報項目を保存する磁気層は、軟磁性、硬磁性又は常磁性の構成を有することができる。高レベルのデータセキュリティを得るためには、高レベルの解像度及び整合精度を有する磁気層を構造化して導入する必要がある。
【0003】
この磁気層は、特許文献1の明細書に記載されたように磁気粒子、望ましくは酸化鉄顔料、又は特許文献2の明細書に記載されたようにアモルファス金属ガラスの形態による形成されることはできる。
【0004】
特許文献3の明細書は、溶液において前処理された弾性基材に磁性金属を沈着してフィルムを形成することを提案している。この磁性金属としては、ニッケルを有する又は有しないコバルト、鉄及び/又は燐より形成される。
【0005】
しばしばこのようなフィルムは、反射光学セキュリティエレメント、例えば干渉層システム又は回折格子を製造するために、金属層より形成される。しかし、アルミ層において、酸化鉄顔料は、アルミの腐蝕原因になる。この酸化鉄顔料はプロトンドナーとして働き、腐蝕損傷に寄与し、それにこの酸化鉄顔料は3.0〜5.5範囲のpH値を有することも腐蝕損傷に部分的に寄与すると推定される。従って、この金属層は、クロム、銅、銀又は金、又はこれらの金属の少なくとも二種類の合金及び/又はバリアーにより形成される。このバリアーは、磁化できる粒子がその金属層に影響しないように、金属層と磁気層との間に配置される。
【特許文献1】ドイツ特許No69702321T2
【特許文献2】米国特許No4960651
【特許文献3】ドイツ特許No69505539T2
【特許文献4】DE4212290C1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、前記セキュリティエレメントの製造を改良すること及び構造改良されたセキュリティエレメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、部分磁気コーティングを有するセキュリティエレメントを製造する工程を提供する。この部分磁気コーティングを有するセキュリティエレメントを製造する工程は、パターン形状に構造化されるように、放射線による架橋可能な接着剤の接着剤層は、パターン形状に構造化された形態で第一フィルム体に応用され、及び/又はパターン形状で照射され、キャリアフィルムと磁気層とを有するトランスファーフィルムは、磁気層が前記接着剤層に向き方向で接着剤層に応用され、キャリアフィルムは第一フィルム体と、接着剤層と、磁気層とを含む第二フィルム体から取り除かれ、従ってこの磁気層は第一フィルム体のパターン形状に構造化された第一区域に、キャリアフィルムのパターン形状に構造化された第二区域に留まり、キャリアフィルムが第一フィルム体から取り除かれることを特徴とする。
更にこの目的を達成するために、本発明は、前記工程により製造されたセキュリティエレメント、特にセキュリティスレッドを提供する。このセキュリティエレメントは、放射線による架橋可能な接着剤を備える接着剤層を有し、この接着剤層はパターン形状に構造化された磁気層と第一フィルムタイトの間に配置され、第一フィルム体に磁気層を結びつけることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、磁気層を連続的な工程によりセキュリティエレメントに応用することはできる。トランスファーフィルムを使用するおかげで、即ち、従来の部分磁気層を応用する印刷工程に反することにより、この新製造工程によれば、従来の印刷工程で実施不可能であって、磁気層をセキュリティスレッドに導入することはできる。従って、磁気体による形成された磁気層、好ましくは、例えば所定の解像度及び印刷される磁気層の厚さを得るために、最適な印刷特性を有する磁気体の酸性分散剤による形成された磁気層を使用する必要は無くなる。更に、前記第一フィルム体を損傷又は損害する恐れがある製造工程による製造される磁気層を導入することはできる。そして、接着剤層は、また機能的カプセル化層として働き、従って二重の機能を有し、更なる相乗効果をもたらす。
【0009】
従って、本発明は、最適化された性質、例えばより薄い層でありながらも大幅に増加された磁場強度を有する磁気層を、安価及び高レベルの解像度でセキュリティスレッドに導入する可能な多数の選択方法、例えば腐蝕性質を有しない磁気層又は異なる光学性質を有する磁気層の使用を提供する。
【0010】
好ましくは、本発明は、アルミにより金属化された回折的区域に整合するように、磁気検出可能な区域に異なるサイズ、例えば0.3mm〜10mm範囲の線厚さを付与することに用いられる。磁気層とアルミとの間に腐蝕を起こらない磁気層材料に関して、本発明はその点においてそれらの磁気層材料を使用することができる。
【0011】
所定の磁気性質を勿論有し、部分磁気層区域を検出され得る薄い線厚さを有する部分磁気層区域の製造は、更なる利点は与えられる。例えば、0.3mmの範囲にあるこの様な検出可能な薄い線厚さは、所要体積のラッカーはシミが付く傾向のある相当深い印刷形状のみで応用されるため、通常の印刷工程(凹版印刷法、フレキソ印刷法、鋳造法)による得ることが不可能である。その点において、好ましくはその磁気層は以下に記載されたような構造を有する。
【0012】
この磁気層は、磁気粒子から作れる。即ち、例えばトランスファーフィルムに噴射された粒子によって、例えば磁気粒子の表面積に対する密度を増加することはできる。
【0013】
この様な構造を有する磁気層は、同じ層厚さを有する場合において、磁気分散剤を含む同等の層により約100倍の高い磁場強度を有する。
【0014】
この磁気層は、述べられた全ての元素は合金の構成部分ではなければ、鉄、コバルト、ニケッル、モリブデン及び他の元素からの合金形態を用いて噴射され及び製造される。
【0015】
この磁気層は磁気ガラスの形態で提供することはできる。この様な合金は、例えば欧州特許0953937A1に記載されている。好ましくは、この磁気層は磁気ガラス又はアモルファス金属ガラスにより作られる。
【0016】
その目的に応じて、アモルファス金属ガラス、すなわちアモルファス、すなわちコバルト及び/又は鉄及び/又はクロム及び/又はニケッル及び/又はシリコン及び/又はホウ素は、噴射すること又は他の適宜な工程によりキャリアフィルムに応用される。この場合において、特定の成分の選択及び/又は混合比率によって磁気層の性質を調節することはできる。
【0017】
更に、この金属層は、有機接着剤基質における磁気顔料(酸化鉄、ドープした酸化鉄)の分散剤を含有することができる。
【0018】
本発明に係る工程による応用された磁気層は、磁気読取ヘッドにおける著しくより高い出力信号を誘起する。通常、その信号は、従来技術によって印刷された磁気層より一桁〜二桁高い。本発明に係る工程によってセキュリティスレッドに導入されたそれらの層の特有な光学性質及び磁気層の高品質は、更なる利点として強調される。
【0019】
更に、磁気粒子はナノ粒子でも良い。
【0020】
また、本発明の利点としては、その磁気層は半製品として安価に製造することができる。それによってセキュリティエレメント毎に比例する製造費用は大幅に減少される。本発明に係るトランスファーフィルムの製造手順は、一回のみに最適化され、磁気層を構造化するために他の段階、例えば複雑及び高価なエッチング過程が必要としない。
【0021】
本発明に係るトランスファーフィルムの各々部分は同じであるので、その第一フィルム体にトランスファーフィルムを配置するために、特別な対策、例えば配列マーク又はその様なものを行う必要は無い。
【0022】
接着剤が放射架橋接着剤、好ましくは、UV架橋接着剤の形態にあるということは、セキュリティエレメントが本発明に係る製造工程において熱応力を受けないということを意味する。この結果、金属ガラスの形態の磁気層を形成する際に望ましくない結晶が形成されない。即ち、金属ガラスは、本発明に係る工程によって構造的に変更されない。
【0023】
接着剤は、電気的に絶縁であるように形成することができる。これは、金属コーティングにおける局部的なエレメント形成による腐食損傷を防止し、そのエレメント形成は、特に、磁気層が酸化鉄顔料から形成され金属コーティングがアルミから形成されているときに見られる。磁気層の酸化鉄顔料は、プロトンドナーとして作用しおよび/または磁気層は、3.0および5.5の範囲のpH値を有する。接着剤を電気的に絶縁にすることができることは、鉄の下に電気化学的ポテンシャル列で配列されたアルミまたは他の金属の金属コーティングの腐食が防止されることを意味する。従って、局部的なエレメントが磁気粒子と金属層との間に形成されず、即ち、磁気粒子と金属層の酸化の減少が防止される。磁気層の耐久性は、この方法では悪影響を受けない。しかしながら、接着剤が導電性であるように形成することもでき、例えば、有機導電体の形態にすることができ、この方法で、磁気粒子と金属層との間に電気的ショート回路によって局部的なエレメントを不作動にさせることができる。
【0024】
接着剤層を第一フィルム体に安価なプリント工程によって設けることができ、そのプリント工程は、インタグリオ印刷、オフセット印刷およびフレキソ印刷の如き大寸法に用いることができる。ここで、同じ時間のコストで磁気層を直接適用するよりよりも高い解像度を達成することができることが利点である。接着剤のフロー特性が、磁気粒子が混合された印刷インキを用いるとき不可能であるセキュリティエレメントの品質を低下することなく最適化することができる。
【0025】
従って、構造化された磁気層を本発明に係る工程によって第一フィルム体にきわめて高いレベルの解像度で形成することができる。
【0026】
本発明に係る工程によって形成された部分的な磁気層は、軟磁性、硬磁性または常磁性の形態にすることができる。この場合、特に、選択された読取り工程にとって重要な磁気層の保持力を調整することができる。
【0027】
本発明に係る工程を大規模なロール・ロール工程に関連して用いることができることは、更に利点である。この場合に、本発明に係る工程の前および/または後に、更なる工程を設けることができる。例えば、本発明に係る工程の前に金属層を第一フィルム体に設けることができる。
【0028】
本発明に係るセキュリティエレメントは、読取りの高レベルの信頼性、異なる読み取り工程への良好な適用性、長寿命、および低い製造価格によって特徴付けられている。
【0029】
機械読取りコードがセキュリティエレメントの磁気層における磁気コードとして記憶されるよう設けることができる。この場合に、例えば、磁気読取りヘッドが磁気層を通過したとき、信号が磁気読み取りヘッドに発生され、この信号をセキュリティコードの形態の情報の項目の一つにすることができる。この点について、本発明に係るセキュリティエレメントを適用することが読取り原理に限定されないことが特に有利である。むしろ、セキュリティエレメントの磁気層の性質を磁気読取り原理に適用することができ、この結果、本発明に係る工程によって形成されたセキュリティエレメントの適用性は読み取りユニットの一つの型式に限定されない。
【0030】
本発明の更なる有利な構造は請求項に述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、添付の図面に係る実施例について後に示す例によって説明される。
【実施例】
【0032】
本発明の第一の好適な実施例によれば、放射線架橋性接着剤から成る接着剤層は印刷プロセスによってパターン形状に構造化されて第一フィルム体に適用され、トランスファーフィルムはパターン形状に構造化された接着剤層へ適用され、接着剤層は放射線照射によって硬化され、それから磁気層が放射線架橋性接着剤でパターン形状にコーティングされた第一領域では第一フィルム体に残り、残る第二領域ではキャリアフィルムとともに取り除かれるように、キャリアフィルムは第一フィルム体、接着剤層、及び磁気層から成る第二フィルム体から取り除かれる。
【0033】
印刷シリンダの外周はセキュリティエレメントの長さに一致するようなものが有利である。しかしながら、印刷シリンダの外周はセキュリティエレメントの長さのn倍に一致するということもまた可能であり、ここで、nとは1より大きい整数を表す。
【0034】
しかしながら、接着剤層が第一フィルム体に一様な層の形状で適用されることもまた可能であり、この場合、印刷プロセスに代わるものとしてのプロセス、例えば接着剤液をスプレーしその後に乾燥する、といったプロセスを提供することが可能である。放射線架橋性接着剤からなる接着剤層はそれからトランスファーフィルムの適用の後にパターン形状に放射線照射され、それによってパターン形状に構造化された領域で接着剤層が硬化する。
【0035】
この場合、パターン形状の接着剤の露光のためのマスクには、放射線源とフィルム体との間に配置されたマスクを備えることが可能である。放射線源は、トランスファーフィルムの側からあるいは第一フィルム体の側からフィルム体を露光するように配置される。
【0036】
マスクは循環マスクの形状であることが有利である。これにより連続した生産手順、例えばロール・ロールプロセスが可能とされる。この場合、マスクの周速は、セキュリティエレメントとマスクとの間の相対的な速度がゼロに等しくなるようにされ得る。これにより、マスクは、フィルム体がその外周に少なくとも部分的に広がるマスクローラの形状となり得る。しかしながら、マスクはフィルム体の輸送速度で循環する無端状のマスクベルトの形状であることもまた可能であり、ここでは、フィルム体とマスクベルトとは少なくとも露光部分において直接近接関係に配置される。これによりマスクとフィルム体との間の視差が回避される。放射線源、例えばUVランプはコリメータの形状、つまり並行出射光路を有する放射線源の形状であることが有利である。
【0037】
マスクローラまたはマスクベルトの周囲は用意されたセキュリティエレメントの長さに一致することが有利である。しかしながら、マスクローラまたはマスクベルトの周囲は用意されたセキュリティエレメントの長さのn倍に一致することもまた可能であり、ここでnは1より大きい整数を示す。
【0038】
その後キャリアフィルムは、前述したように第一フィルム体、接着剤層及び磁気層を有する第二フィルム体から取り除かれる。
【0039】
この点において、接着剤層がパターン形状に構造化された領域で硬化するように、トランスファーフィルムの適用の前にパターン形状に接着剤層が露光されることが可能である。それからキャリアフィルムはベースフィルム及び磁気層から形成されるフィルム体から取り除かれる。接着剤が硬化していない領域では、磁気層は接着剤層によって固定され、ベースフィルムに残る。接着剤層が硬化された残りの領域では、磁気層はトランスファーフィルムに残り、キャリアフィルムとともに取り除かれる。
【0040】
パターン形状に構造化された領域で接着剤層が硬化するように、トランスファーフィルムの適用後に接着剤層がパターン形状に露光されることもまた可能である。それからキャリアフィルムはベースフィルム及び磁気層から形成されるフィルム体から取り除かれる。接着剤層がパターン形状に構造化されて硬化した領域では、磁気層は接着剤層によって固定されベース体に残る。接着剤層が硬化されていない残りの領域では、磁気層はトランスファーフィルムに残り、キャリアフィルムとともに取り除かれる。この状況では、非硬化状態では磁気層とキャリアフィルムとの間の接着力よりも磁気層との接着力の方がより小さいような放射線架橋性接着剤を用いることが必要である。
【0041】
すべての接着剤領域を硬化するために、キャリアフィルムが取り除かれた後に再びフィルム体が放射線照射されることも可能である。
【0042】
上述のプロセスにおいて接着剤層の適正な露光を保証するために、磁気層を半透明材料、例えば上述した磁性ガラス層といったものから形成し、放射線透過性キャリアフィルムを用いることが有利である。それにより、接着剤層がトランスファーフィルム側からトランスファーフィルムを通して放射線照射されることが可能となる。その代わりに、第一フィルム体が放射線透過性のもので構成され、接着剤層が第一フィルム体の側からフィルム体を通して露光されることも可能である。
【0043】
磁気層は直接キャリアフィルムに適用されてもよい。しかしながら、剥離層が磁気層とキャリアフィルムとの間に配置されることもまた可能である。剥離層は例えばトルエン99.5パーセント及びエステルワックス0.5パーセント(滴点90℃)で作られ、望ましくは0.01から0.2μmの間の厚さでキャリアフィルムに適用され得る。
【0044】
本発明に係るセキュリティエレメントは、特に簡単な構造のものであることによって特徴づけられる。セキュリティエレメントの部分磁気層が接着剤によって置かれているので、位置決め精度及び磁気層の部分の幾何学的構成は印刷プロセスあるいは露光プロセスの精度によってのみ、本質的に決定される。印刷プロセス及び露光プロセスの両者とも、連続ロール・ロール製造手続きとして提供され得る。
【0045】
セキュリティエレメントの他の有利な実施例においては、磁気コードはセキュリティエレメントの縦軸に複数回配置され得る。そのように、磁気読取ヘッドによって届けられた信号は、用意されたセキュリティエレメントの長軸の範囲に複数回提供された磁気コードには重複している。これにより、エラーは簡単に除去されることが可能となる。
【0046】
図1は、部分磁気層をともなったセキュリティエレメントを有するフィルムを製造するロール・ロール製造手順の一部を図式的に示す。
【0047】
図1は、印刷ステイション10、露光ステイション20、三つのローラ31、32、及び33、及び偏向ローラ34を示す。フィルム体51は印刷ステイションへ送られる。印刷ステイション10によって処理されるフィルム体51は、フィルム52の形状で偏向ローラ34を経由して、供給ローラ(図1には示さない)から展開されたトランスファーフィルム41をフィルム52へ適用する一対のローラ31、32へ送られる。これによりフィルム53が提供される。露光ステイション20によって処理されたフィルム53は、フィルム54の形状で、キャリアフィルムがフィルム54から剥離されるローラ33へ送られ、フィルム55が残余フィルムとして残される。
【0048】
もっとも単純な場合には、フィルム体51はキャリアフィルムとなる。そのようなキャリアフィルムは、6から200μmの間の厚さのプラスチックフィルム、例えば19から38μmの間の厚さのポリエステルフィルムから成るものが望ましい。しかしながら通常は、そのようなキャリアフィルムに加えて、フィルム体51は、先行する処理操作において適用されるさらなる層をもまた有する。そのような種類の層は、例えばラッカー層や金属層である。その点において、それらの層がすでにフィルム体51において構造化された形状で存在することも可能である。フィルム51は、望ましくは整合するように印刷ステイション10に送られ、印刷機構におけるフレキソフォームは、所定の場所にのみ印刷することによって接着剤を適用する。キャリアフィルムが例えば部分的に成形された金属層を有する場合(例えばバーコード)、金属化された領域に対して整合するように印刷することによって、接着剤が適用される。
【0049】
この目的のため、印刷ステイション10は、読取ヘッドによってマーキングをキャリアフィルムに記録し、接着剤の印刷が整合するように印刷シリンダ14のモータを制御する挿入装置を有する。
【0050】
印刷ステイション10はUV架橋性接着剤11のインクタンクを有する。該接着剤11は、複数の転送ローラ12、13によって印刷シリンダ14へ適用される。
【0051】
印刷シリンダ14はここで、印刷シリンダ14と支持圧ローラ15との間を通るフィルム体51を印刷し、UV架橋性接着剤11から成る接着剤層11sによってパターン形状に構造化される。
【0052】
印刷ステイション10は、オフセット印刷あるいはフレキソ印刷ステイションであることが望ましい。しかしながら印刷ステイション10は凹版印刷ステイションであることも可能である。
【0053】
接着剤層11sは、0.5から10μmの間の厚さであることが望ましい。
【0054】
次の接着剤が、UV架橋性接着剤11として用いられるのが望ましい:
AKZO NOBEL INKSからFoilbond UHV 0002、及び、Zeller + Gmelin GmbHからUVAFLEX UV Adhesive VL000ZA。
【0055】
接着剤は、1から5g/mの間の適用重量でフィルム体51に適用されるのが望ましい。
【0056】
印刷操作によって、パターン形状に構造化された接着剤層11sがフィルム体51へ適用された接着剤コーティングフィルム52を提供する(図5参照)。
【0057】
その点において、使用される接着剤それぞれの性質に依存して、接着剤コーティングフィルム52が例えば100から120℃の間の温度で接着剤層11sが乾燥される乾燥通路を通ることもまた可能である。
【0058】
図6はトランスファーフィルム41の構造を示す。トランスファーフィルム41は、キャリアフィルム42、剥離層43、及び磁気層44を有する。
【0059】
キャリアフィルム42は4から75μmの間の厚さのプラスチックフィルムである。キャリアフィルム42は、ポリエステル、ポリエチレン、アクリレートあるいは発泡複合材料から成るフィルムであることが望ましい。キャリアフィルムの厚さは12μmであることが望ましい。
【0060】
剥離層43はワックス型のものから成ることが望ましい。剥離層43は例えばトルエン99.5パーセント及びエステルワックス0.5パーセント(適点90℃)で作られてもよい。
【0061】
キャリアフィルム41及び磁気層44の材料が、磁気層44とキャリアフィルム43との間の接着力が磁気層44の信頼ある素早い剥離を妨げないように選択された場合、剥離層43なしで済ませることも可能である。剥離層43は、キャリアフィルム42に0.01から0.2μmの間の厚さで適用されることが望ましい。
【0062】
磁気層44は、剥離層、磁性顔料の分散剤、及び磁性分散剤とUV架橋性接着剤との間の結合を提供する結合剤層から成るトランスファー層の形状にあることが望ましい。分散剤として用いられる磁性顔料は、低または高保磁力のものでよい。周知のプロセス、例えば印刷プロセスは磁性分散剤を剥離層に適用するための役割を果たすことができる。
【0063】
しかしながら磁気層44は、アモルファス金属ガラス、つまり、望ましくはアモルファス構造のコバルト及び/または鉄及び/またはクロム及び/またはニッケル及び/またはシリコン及び/またはホウ素の合金から成る層の形状であってもよい。スパッタリングはそのような層をキャリアフィルム42や剥離層にそれぞれ適用するためのコーティングプロセスとして特に適している。
【0064】
磁気層44は、その組成に依存して、軟磁性、硬磁性、あるいは常磁性の性質を有することができるので、磁気読取ユニットの異なる読み取りプロセスに対応することができる。
【0065】
図1に示された露光ステイション20は、UVランプ21と、UVランプ21によってフィルム53へ放射されたUV光の焦点を合わせる反射体22とを有する。この場合、UVランプの出力は、露光ステイションを通る際に、接着剤層11kの信頼ある硬化を保証するのに十分なエネルギー量で接着剤層11sが照射されるように選択される。この状況において図1に示されるように、フィルム53はフィルム体51の側から照射される。それは、フィルム体51がUV透過性の場合に可能となる。磁気層44が透明あるいは半透明の層の形状、例えば上述したような磁性ガラスの形状である場合、フィルム53はまたキャリアフィルムの側から照射されてもよい。しかしながら、そのためにはキャリアフィルム42及び剥離層43がUV透過性材料から成ることがさらに必要であることに注意すべきである。
【0066】
パターン形状に構造化された接着剤層11sの硬化によって、接着剤層11sが設けられた位置で磁気層44がフィルム体51に付着される。その後にキャリアフィルム42がフィルム54の残余するフィルム体から取り除かれた場合、接着剤層11sが印刷によって適用されそれからトランスファーフィルム41からそれらの位置で離された領域において、磁気層42がフィルム体51に付着する。その他の位置では磁気層44と剥離層43との間の接着が優位なので、ここでは磁気層44はトランスファーフィルム41に残る。
【0067】
ここで、図7はフィルム55、つまりキャリアフィルム42の除去後に生じたフィルム体を示す。図7は、フィルム体51、接着剤層11s、及び磁気層44を示す。図7に示されるように、ここでフィルム55は、パターン形状に構造化されフィルム体51にパターン形状に構造化された接着剤層11sに従って配置された磁気層44を有する。
【0068】
なお、フィルム55は、部分的に適用された磁気層44に加えて安全対策を実現する層をさらに有することが可能である。その点において、フィルム44はフィルム55において磁気層44の磁性領域上に観察方向に配置された部分的に金属化された領域に回折体を有することが望ましい。この場合、磁気によって検出可能な領域は、望ましくはアルミで部分的に金属化されたフィルム44の回折領域と整合するように配置されることが望ましい。さらに、そのような回折部分金属化領域に加えてあるいはその代わりに、例えば薄膜要素あるいは薄膜顔料、またはUVあるいはIR蛍光要素から成る色変化要素をフィルム44に設け、それらを該磁気によって検出可能な領域と整合するように配置することが可能である。
【0069】
次に、本発明のさらなる実施例は、図2を参照して説明される。
【0070】
図2は、印刷ステイション10、露光ステイション80、露光ステイション20、偏向ローラ34、一対のローラ31、32及び剥離ローラ33を示す。
【0071】
印刷ステイション100は、図1に示された印刷ステイション10と同様に構成され、印刷シリンダ14が、接着剤11を供給されたフィルム体61へ印刷することによって関連する前面積にわたって適用する印刷シリンダ14vに置き換えられている点で違いを有する。この場合、プレポリマーUV架橋性接着剤が用いられることが望ましい。
【0072】
この点において、接着剤層がフィルム体61へ印刷プロセスでなく他のコーティングプロセス、例えばペインティング、注入、あるいは噴霧によって適用されることもまた可能である。さらに、ここに記述されたプロセスは、図1に示されたプロセスと組み合わされるように、接着剤層のフィルム体61への印刷がパターン形状に構造化されて達成されることもまた可能である。
【0073】
フィルム体61及び印刷によってそこに適用されUV架橋性接着剤から成る接着剤層11vは、フィルム体51及び図4に示された接着剤層11sと同様であり、ここでは接着剤層11vが望ましくは印刷によってフィルム体61に関連する前面積にわたって適用される点で違いを有する。接着剤層11vのフィルム体61への適用の後に生じたフィルム62は、露光ステイション80へ送られる。
【0074】
露光ステイション80は、フィルム62の動くスピードと同調させたマスクベルトによってロールからロールへ露光を可能にするマスク露光装置81mである。マスク露光装置81mは、複数の偏向ローラ82、マスクベルト83m、UVランプ84、及び反射体85を有する。マスクベルト83mは、UV透過性及び不透明あるいは反射性の領域を有する。したがって、マスクベルト83mは、UVランプ84に対してフィルム62を覆い、UV光でパターン形状にフィルム62の連続照射を可能にする無端状UVマスクを形成する。すでに上述したように、マスクベルト83mのスピードはフィルム62のスピードと同調され、それぞれにおいてフィルム62への付加的な光学マーキングが正確に整合するように露光するということが提供される。この場合、UVランプ84の出力はマスク露光装置を通る際に接着剤層を硬化するのに十分なUVエネルギー量がフィルム62へ適用されるように選択される。
【0075】
フィルムはマスク露光装置81mによって平行にされたUV光で照射されることが望ましい。
【0076】
マスク露光装置を有する露光ステイション80の代わりに、図3の実施例に示されるように、フィルム62が導かれるドラム83tの形状でマスクを有するドラム露光装置81tを用いることもまた可能である。
【0077】
パターン形状のUV光照射によって、接着剤層はパターン形状に構造化されて硬化し、接着剤層の硬化及び非硬化領域を有するフィルム63が一対のローラ31、32へ送られる。ここで、トランスファーフィルムは一対のローラ31、32によってフィルム63に適用される。この場合、トランスファーフィルムは図5に示されるトランスファーフィルム41と同様のものである。したがって、フィルム体61、部分的に硬化された接着剤層11b、磁気層44、剥離層43及びキャリアフィルム42から成るフィルム64が必要とされる。接着剤層11bが硬化されなかった領域では接着剤層11pはまだ粘着性を有するので、ここでは互いにわたって配置される接着剤層11p及び磁気層44の間に接着力は有効である。他方の接着剤層11pが硬化された領域では、これは異なる。
【0078】
図1に示される露光ステイション20と同様に構成されたさらなる露光ステイションでは、磁気層44とフィルム体61との間の安定した結合を保証するために、まだ硬化されていなかった領域において、接着剤層はここで完全に硬化される。しかしながら、露光ステイション20なしで済ませることもまた可能である。
【0079】
したがって、キャリアフィルム42が残余するフィルム体から取り除かれるとき、磁気層44は、接着剤層が硬化されなかったあるいは露光ステイション20で硬化された領域においてフィルム体61に付着し、それによりキャリアフィルム42から離される。他の領域では、剥離層43と磁気層44との間の接着力によって、磁気層44はそれらの領域では剥離されず、キャリアフィルム42に残るということになる。したがって、キャリアフィルムが取り除かれた後に、全面積接着剤層によってフィルム体61に結合され部分的にパターン化された磁気層44を有するフィルム65を結果として生じる。
【0080】
図8は、フィルム65、つまりキャリアフィルムの除去後に結果として生じるフィルム体を示す。図8は、フィルム体61、露光ステイション80で硬化された領域がハッチングによって同定される接着剤層11p、及び磁気層44を示す。図8に示すように、フィルム65はここでパターン形状に構造化された接着剤層11pに対応してパターン形状に構造化されフィルム体61に配置された磁気層44を有する。
【0081】
図4に示されるさらなる実施例は、磁気層44に対するあるいはフィルム体61に対する接着力が、磁気層44とキャリアフィルム42との間の接着力よりも小さくなるようなUV架橋性接着剤を用いることを必要とする。当然、図2または図3に示されるものと同じ接着剤を用い、キャリアフィルム42、フィルム体61または剥離層43の材料の選択によって接着力を適切に分配することもまた可能である。
【0082】
図2に示される実施例において接着剤層に被覆されたフィルム体61は印刷ステイション100に送られ、その結果図2に示されるフィルム62を生じる。このときトランスファーフィルム41は一対のローラ31、32によってフィルム62に適用される。この場合、トランスファーフィルム41は図6に示されるように構成される。したがってフィルム体61、全面積の非硬化接着剤層、磁気層44、剥離層43及びキャリアフィルム42から成るフィルム66が必要とされる。
【0083】
フィルム66はここで、再び図2に示されたマスク露光装置と同様に構成されたマスク露光装置81mによって露光される。したがってマスク露光装置81mによる露光の後に、フィルム体61、パターン形状に構造化されて硬化された接着剤層、磁気層44、剥離層43、及びキャリアフィルム42から成るフィルム67を結果として生じる。
【0084】
それからキャリアフィルム42がフィルム67の残余するフィルム体から取り除かれるとき、磁気層は接着剤層が硬化され磁気層44がフィルム体61に付着するようにされた領域でフィルム体61に残される。他の領域では、磁気層44のキャリアフィルム42からの剥離を妨げる接着力は磁気層44とフィルム体61との間の接着力より大きいので、磁気層44はそれらの領域においてキャリアフィルム42から剥離される。したがって、それによりパターン形状に構造化されパターン形状に対応して構造化された硬化接着剤によってフィルム体61に結合された磁気層44とを有するフィルム68が提供される。
【0085】
用意されたセキュリティスレッドは、例えば通帳(Bank Note)、クレジットカード、身分証明書または通行証、あるいはチケットを提供するような磁気層で被覆されたベースフィルムを区分することによって製造され得るということは有利となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第一の実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図2】本発明の第二の実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図3】本発明の第三の実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図4】本発明の第四の実施例による、プロセス実現の機能表示。
【図5】図1に示されたプロセスの、接着剤に覆われたベースフィルムの層構造。
【図6】図1、図2または図3に示されたプロセスの、トランスファーフィルムの層構造。
【図7】図1のプロセスによって生じたフィルムの層構造。
【図8】図2または図3のプロセスによって生じたフィルムの層構造。
【符号の説明】
【0087】
11p、11s、11v 接着剤層
51、61 第一フィルム体
41 トランスファーフィルム
42 キャリアフィルム
44 磁気層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線架橋性接着剤の接着剤層(11p、11s、11v)は第一フィルム体(51、61)に適用され、
前記放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(11p、11s、11v)はパターン形状に構造化された形状で前記第一フィルム体(51、61)に適用され、及びまたは前記接着剤層(11p、11s、11v)がパターン形状に構造化されて硬化するようにパターン形状に放射線照射され、
キャリアフィルム(42)及び磁気層(44)を有するトランスファーフィルム(41)が前記接着剤層(11p、11s、11v)に対する前記磁気層(51、61)の方向で前記接着剤層(11p、11s、11v)に適用され、
前記磁気層(44)がパターン形状に構造化された第一領域で前記第一フィルム体(51、61)に残り、前記磁気層(44)がパターン形状に構造化された第二領域で前記キャリアフィルム(42)に残り前記第一フィルム体(51、61)から前記キャリアフィルムとともに取り除かれるように、前記キャリアフィルム(42)は、前記第一フィルム体(51、61)、前記接着剤層(11p、11s、11v)及び前記磁気層(44)を有する前記第二フィルム体から取り除かれることを特徴とする、
部分磁気コーティングを有する通帳(Bank Note)、クレジットカード、身分証明書または通行証、あるいはチケットのような重要な証書のためのセキュリティエレメントの生産プロセス。
【請求項2】
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(11p、11s、11v)は印刷プロセスによってパターン形状に構造化されて前記第一フィルム体(51、61)に適用され、
前記トランスファーフィルム(41)はパターン形状に構造化された前記接着剤層(11p、11s、11v)に適用され、
前記接着剤層(11p、11s、11v)は放射線によって硬化され、
前記磁気層(44)が前記放射線架橋性接着剤(11p、11s、11v)でパターン形状にコーティングされた前記第一領域で前記第一フィルム体(51、61)に残り、前記他の第二領域で前記キャリアフィルム(42)とともに取り除かれるように、前記キャリアフィルム(42)は、前記第一フィルム体(51、61)、前記接着剤層(11p、11s、11v)、及び前記磁気層(44)を有する前記第二フィルム体から取り除かれることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(11p、11s、11v)は前記トランスファーフィルム(41)の適用後にパターン形状に露光され、それにより前記接着剤層(11p、11s、11v)はパターン形状に構造化された領域で硬化し、
前記磁気層(44)がパターン形状に構造化され前記接着剤層(11p、11s、11v)が硬化された前記第一領域で前記第一フィルム体(51、61)に残り、前記接着剤層(11p、11s、11v)が硬化されていない前記第二領域で前記キャリアフィルム(42)とともに取り除かれるように、前記キャリアフィルム(42)は前記第一フィルム体(51、61)、前記接着剤層(11p、11s、11v)、及び前記磁気層(44)を有する前記第二フィルム体から取り除かれ、
前記放射線架橋性接着剤は非硬化条件下では前記磁気層(44)と前記キャリアフィルム(42)との間の接着力よりも前記磁気層(44)に対してより低い接着力を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(11p、11s、11v)は前記トランスファーフィルム(42)の適用前に前記接着剤層(11p、11s、11v)がパターン形状に構造化された領域で硬化するように放射線照射され、
前記トランスファーフィルム(42)は、パターン形状に構造化されて硬化された前記接着剤層(11p、11s、11v)に適用され、
前記磁気層(44)がパターン形状に構造化され前記接着剤層(11p、11s、11v)が硬化されない前記第一領域で前記第一フィルム体(51、61)に残り、パターン形状に構造化され前記接着剤層(11p、11s、11v)が硬化された前記第二領域で前記キャリアフィルム(42)とともに取り除かれるように、前記キャリアフィルム(42)は前記第一フィルム体(51、61)、前記接着剤層(11p、11s、11v)、及び前記磁気層(44)を有する前記第二フィルム体から取り除かれることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記接着剤層(11p、11s、11v)がその後、前記接着剤層(11p、11s、11v)のまだ硬化されていない領域の硬化のための第二露光段階において放射線照射されることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
マスク露光装置、具体的にはドラム露光装置(81t)あるいはマスクベルト(83b)を有するマスク露光装置(81m)が前記露光操作のために用いられることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記磁気層(44)は、磁性ナノ粒子、望ましくは酸化鉄の層である
ことを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記ナノ粒子の層は、溶液からキャリアフィルム(42)への沈着物として適用されることを特徴とする請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記磁気層は前記キャリアフィルム(42)へスパッタリングによって適用されることを特徴とする請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
前記磁気層(44)はアモルファス金属ガラスを有することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記アモルファス金属ガラスは、鉄及び/またはコバルト及び/またはクロム及び/またはニッケル及び/またはシリコン及び/またはホウ素から形成され、望ましくはスパッタリングによって前記キャリアフィルム(42)に適用されることを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記磁気層(44)は半透明であり、前記キャリアフィルム(42)は放射線透過性であり、前記接着剤層(11p、11s、11v)は前記トランスファーフィルム(41)の側から前記トランスファーフィルム(41)を通して露光されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記第一フィルム体(51、61)は放射線透過性であり、前記接着剤層(11p、11s、11v)は前記第一フィルム体(51、61)の側から前記第一フィルム体(51、61)を通して露光されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
放射線架橋性接着剤が用いられ、非硬化条件下では前記磁気層(44)と前記キャリアフィルム(42)との間の接着力より放射線架橋性接着剤の前記磁気層に対する接着力の方がより低いことを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項15】
前記接着剤層(11p、11s、11v)は非導電性接着剤を有することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
前記接着剤層(11p、11s、11v)は凹版印刷によって前記第一フィルム体(51、61)に適用されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項17】
前記接着剤層(11p、11s、11v)はオフセット印刷あるいはフレキソ印刷によって前記第一フィルム体(51、61)に適用されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項18】
前記キャリアフィルム(42)と前記磁気層(44)との間に剥離層(43)を有する前記トランスファーフィルム(41)が用いられることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項19】
少なくとも一つの磁気層(44)を備えたセキュリティエレメントであって、
前記セキュリティエレメントは、放射線架橋性接着剤を有する接着剤層(11p、11s、11v)を有し、
前記接着剤層(11p、11s、11v)はパターン形状に構造化された磁気層(44)と前記セキュリティエレメントの第一フィルム体(51、61)との間に配置され前記パターン形状に構造化された磁気層(44)を前記第一フィルム体(51、61)に結合することを特徴とするセキュリティエレメント、具体的にはセキュリティスレッド。
【請求項20】
前記磁気層は磁性ナノ粒子、望ましくは酸化鉄から形成されることを特徴とする請求項19に記載のセキュリティエレメント。
【請求項21】
前記磁気層(44)はアモルファス金属ガラスを有することを特徴とする請求項19または20のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項22】
前記第一フィルム体(51、61)は金属層、望ましくは部分金属層を有することを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項23】
前記第一フィルム体(51、61)はアルミで金属化されることを特徴とする請求項22に記載のセキュリティエレメント。
【請求項24】
回折構造が金属層内に形成されることを特徴とする請求項21または23のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項25】
前記第一フィルム体はアルミで部分的に金属化され、前記接着剤層及び前記磁気層は部分的に金属化されたアルミ層に、部分的にアルミで金属化された領域と整合するように適用されることを特徴とする請求項23または24のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項26】
放射線架橋性接着剤の前記接着剤層(11p、11s、11v)は、パターン形状に構造化された前記磁気層(44)と同様にパターン形状に構造化されることを特徴とする請求項19乃至25のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項27】
前記接着剤層(11p、11s、11v)は、UV光下で硬化される接着剤から形成されることを特徴とする請求項19乃至26のいずれかに記載のセキュリティエレメント。
【請求項28】
前記接着剤層(11p、11s、11v)は、前記磁気層(44)と前記第一フィルム体(51、61)との間に局所的な要素形成を防ぐために非導電性層のものから形成されることを特徴とする請求項19乃至27のいずれかに記載のセキュリティエレメント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−520023(P2007−520023A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549862(P2006−549862)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000103
【国際公開番号】WO2005/072963
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506088850)レオンハード クルツ ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー (15)
【Fターム(参考)】