説明

部品供給管支持装置

【課題】配管姿勢を自由に設定するとともに、部品検知用のセンサーの位置決め等を行うことのできる部品供給管支持装置を提供する。
【解決手段】部品供給管22が供給ヘッド16に接続され、供給ヘッド16内に保持された部品5を供給ロッド1で供給するとともに、供給ヘッド16に結合した変形可能な支持部材17を部品供給管22に沿わせて配置し、この支持部材17の端部に保持部24を結合して部品供給管22の端部を保持する形式のものであり、部品供給管22内の待機部品個数を検知するセンサー31が部品供給管22に取付けられ、このセンサー31の取付位置は支持部材17に沿って位置調整ができる位置決め構造部33によって設定するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性のある合成樹脂製部品供給管の配管姿勢を設定するとともに、部品検知用のセンサーの位置決め等を行うことに関している。
【背景技術】
【0002】
所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管が供給ヘッドの金属製のガイド管に接続され、供給ヘッド内に保持された部品を進退動作をする供給ロッドで目的箇所へ供給することは、特開平4−73492号公報に記載されている。また、長尺で変形可能な支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に金属製の保持部を結合して部品供給管の端部を保持することは、特開2000−126942号公報に記載されている。さらに、ドリル工具に取付けたガイドロッドに沿って照明ライトを移動させることも、特開平5−309576号公報に記載されている。上述の各文献に関連する私の出願が、特開2004−114282号公報によって公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−73492号公報
【特許文献2】特開2000−126942号公報
【特許文献3】特開平5−309576号公報
【特許文献4】特開2004−114282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献によれば、合成樹脂製の部品供給管を支持部材に沿わせて配置し、支持部材の形状に合わせて部品供給管の配管姿勢を設定することができる。
【0005】
ところが、部品検知用のセンサーの位置決めを行うことについては、記載されていない。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、配管姿勢を自由に設定するとともに、部品検知用のセンサーの位置決め等を行うことのできる部品供給管支持装置の提供を目的とする。
【問題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管が供給ヘッドの金属製のガイド管に接続され、部品は空気噴射によって部品供給管に移送されてくるものであり、供給ヘッド内に保持された部品を進退動作をする供給ロッドで目的箇所へ供給するとともに、供給ヘッドの一部に結合した長尺で変形可能な金属製の支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に金属製の保持部を結合して部品供給管の端部を保持する形式のものにおいて、前記部品供給管内の待機部品個数を検知するセンサーが部品供給管に取付けられ、このセンサーの取付位置は前記支持部材に沿って位置調整ができる位置決め構造部によって設定するように構成したことを特徴とする部品供給管支持装置である。
【発明の効果】
【0008】
部品供給管内に待機している部品個数は、供給ロッドの進退動作周期が短いときには待機個数を増やして部品不足が生じないようにしている。また、前記周期が長いときには待機個数を少なく設定して無駄な部品送給動作を回避し、少しでも経済的な装置稼動としている。このような要請に応えるために、前記センサーの取付位置を調整するのであるが、この調整ができるだけ簡単にしかも調整された位置が容易に狂わないようにしておく必要がある。
【0009】
上述の構成により、供給ヘッドの一部に金属製の支持部材が結合され、その端部に金属製の保持部が結合された一連の構造系において、位置決め構造部が支持部材に沿って位置調整ができて、それによりセンサーの位置が決定づけられるので、待機個数に適したセンサーの位置を適正に設定することができて、前記要請を満足させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記位置決め構造部は、支持部材に沿って移動することができるとともに支持部材に対して固定状態にすることができる移動部材と、この移動部材に結合されていて前記センサーに係合してセンサーと移動部材との相対位置を所定の位置関係に設定する係合部材とによって構成されている請求項1記載の部品供給管支持装置である。
【0011】
前記移動部材を支持部材に沿って移動させてから支持部材に対して固定することにより、前記係合部材がセンサーに係合してセンサーの取付位置が正確に設定できる。あるいは、センサーと移動部材とを一緒に移動させてセンサーを部品供給管に固定してから、移動部材を支持部材に固定することも可能である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記移動部材は全部または一部が管状とされている管部材とされ、支持部材がこの管部材を貫通して管部材の位置調整が可能とされており、管部材にねじ込んだ固定ボルトで管部材と支持部材との一体化を図る構成とされ、管部材にセンサーに係合する係合部材が結合されている請求項2記載の部品供給管支持装置である。
【0013】
前記管部材を支持部材に沿って移動させて位置調整を行い、それから固定ボルトで支持部材に一体化する。それによって係合部材の所定位置が設定されるので、この位置にセンサーを取り付けることにより、供給ロッドの進退動作状態に適合した待機部品の個数が設定できる。このようにセンサーの位置決めが簡単でしかも正確に行える。また、管部材であるから支持部材に沿って所定の位置に移動させることが容易であり、しかも管部材に結合される係合部材はその形状を、例えば、2つの突起の間にセンサーを配置したり、あるいは枠状の係合部材でセンサーを包囲したりすることができて、センサーの形態に適応した係合部材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】装置の全体図と部分図である。
【図2】結合部と調整構造部の断面図である。
【図3】ストッパユニットの断面図である。
【図4】図1(B)の(4)−(4)断面図である。
【図5】動作システムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに、本発明の部品供給管支持装置を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0016】
実施例1は、供給ヘッド,支持部材,保持部の一連の構造系に、ストッパユニットと位置決め構造部を併存させたものである。
【0017】
本発明装置の全体的配置を説明する。
【0018】
図1(C)に示すように、部品供給源であるパーツフィーダ41の送出管44に合成樹脂製の供給ホース42が接続されている。供給ホース42の延長端が部品のストッパユニット43に接続されている。送出管44に取付けた空気噴射管45からの噴射空気によって部品がストッパユニット43に移送されるようになっている。なお、供給ホース42はウレタン樹脂で製作されている。
【0019】
本実施例で扱われる部品は、図1(A)の実線図示や図3(C)の2点鎖線図示のようなプロジェクションナット5である。このプロジェクションナット5は、ナット本体が四角い形状でその中央にねじ孔が形成され、四角い部分の片側の4隅に溶着用突起が設けられた一般的なものである。以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
【0020】
前記パーツフィーダ41は、円形の振動式ボウルの移送通路から送出管44に送出する形式であるが、他の形式として回転板に取り付けた磁石で所定個数の部品を吸着してそれを送出通路から送出するもの、あるいは、回転円板で搬送通路に部品を移動させこの部品が移送通路から送出されるもの等いろいろなものが採用できる。
【0021】
この実施例では、固定電極40に載置された鋼板部品46にナット5を溶接するもので、固定電極40と対をなして可動電極39が配置されている。パーツフィーダ41からのナット5が部品供給管支持装置101へ空気噴射によって送られ、部品供給装置100の供給ロッド1によって鋼板部品46上に供給されると、可動電極39が進出してナット5が鋼板部品46に電気抵抗溶接で溶接される。
【0022】
次に、部品供給装置100と部品供給管支持装置101の説明をする。
【0023】
進退動作をする供給ロッド1が金属製のガイド筒2内を貫通し、ガイド筒2の先端部に金属製のガイド管3が溶接等により一体化され、この結合箇所に仮止室4が形成されている。供給ロッド1は、プロジェクションナット5のねじ孔に挿入されるガイドロッド7とガイドロッド7よりも大径の摺動ロッド8とガイドロッド7と摺動ロッド8との境界部に配置された押出し面9によって構成されている。また、ガイド管3は、その断面が矩形とされた管部材を円弧型にしたもので、図示のように比較的短い長さとされ、端部には断面が矩形とされた金属製の接手管10が溶接され、ガイド管3と接手管10とは部品供給通路23の形態で連通している。
【0024】
前記供給ロッド1,ガイド筒2,ガイド管3,接手管10は金属製であり、その材料は、例えば、ステンレス鋼である。そして、部品供給装置100は、ガイド筒2に固定した支持ロッド47が静止部材48に結合されることによって、取付けがなされている。
【0025】
ガイド筒2の端部にはガイド管3の延長方向にガイド板11が形成され、仮止室4の1内壁を構成しており、内部には磁石(永久磁石)12が埋設してある。ガイド筒2にはエアシリンダ15が結合され、エアシリンダ15のピストンロッドが供給ロッド1に接続されていることにより、供給ロッド1の進退動作が行なわれる。
【0026】
上述のようにして、主として供給ロッド1、ガイド筒2、ガイド管3、仮止室4、ガイド板11等から供給ヘッド16が構成されている。そして、供給ロッド1が進出するとガイドロッド7がねじ孔に挿入され押出し面9でプロジェクションナット5を押し出して行き、目的箇所である固定電極40の電極ピン(図示していない)にナット5を供給する。
【0027】
図1(A),図2に示すように、接手管10には、長尺な支持部材17を供給ヘッド16に結合する結合部18が溶接等により一体的に設けられている。結合部18は、細長いブロック型の本体19に支持部材17が摺動自在に貫通する支持孔20があけられ、この支持孔20内の支持部材17を固定する固定ボルト21が本体19にねじ込まれ、図2に示すように、固定ボルト21の先端で支持部材17を強く押さえて支持部材17と本体19とを一体化するようになっている。
【0028】
図2に示すように、部品供給管22の先端が接手管10に挿入されていて、部品供給管22からガイド管3にいたる部品供給通路23が構成されている。部品供給管22は合成樹脂材料、例えば、ウレタン樹脂を用いてつくられ、所要の配管姿勢を形成できる柔軟性を有し、その断面は矩形である。そこを通過するプロジェクションナット5の寸法は、縦横がそれぞれ約10mm、高さが約5mmの四角い形状である。支持部材17の断面形状は円形であり、その直径は約5mmである。そして、支持部材17は作業者が手で所要の形状に湾曲させたりすることができるように、例えば、軟鉄の棒材でつくられている。
【0029】
図1(A),(B)および図3に示すように、支持部材17は、部品供給管22に沿わせて配置され、その先端部には部品供給管22を保持する保持部24が設けられている。この保持部24は、支持部材17の端部が溶接されたステンレス鋼などの金属製の基板25にハット型断面の固定金具26を固定ボルト27で結合したもので、部品供給管22は固定金具26の内部を貫通した状態で基板25に保持されている。換言すると、支持部材17の先端部が、保持部24を介して部品供給管22に固定されているのである。
【0030】
また、結合部18においても同様な構造で部品供給管22の固定がなされている。図2に示すように、接手管10に溶接された基板28にハット型断面の固定金具29を固定ボルト30で結合して、部品供給管22は固定金具29の内部を貫通した状態で基板28に固定されている。
【0031】
つぎに、ストッパユニット43について説明する。
【0032】
図1(B)は同図(A)のB矢視図である。空気噴射管45からの噴射空気によって供給ホース42内を移送されてきたナット5は、高速で仮止室4内に激突する。そのためにガイド板11の内面に傷がついたり供給ロッド1を傷めたりする。このような問題を解消するために、ストッパユニット43が配置されている。
【0033】
前記保持部24にストッパユニット43が一体的に設けられ、このストッパユニット43は、一端が前記部品供給管22に接続され他端がパーツフィーダ41から延びている合成樹脂製の供給ホース42に接続されている金属製のユニット管50と、このユニット管50内に進入して高速で前記供給ホース42内を移送されてきたナット5を停止させる進退式のストッパ部材51とから構成されている
【0034】
前記ユニット管50はステンレス鋼製であり、その断面形状は部品供給管22や供給ホース42と同様に、矩形である。保持部24の基板25とユニット管50が溶接部49において結合されている。前記ストッパ部材51はユニット管50内に進入してナット5を受け止めることができる形状であればよく、ここでは丸棒状の部材で構成されている。ストッパ部材51を進退させるためにエアシリンダ52が筒状のディスタンスピース53を介してユニット管50に固定されている。ここに示したストッパ部材51は、エアシリンダ52のピストンロッドによって構成されている。エアシリンダ52に接続されている空気ホース54,55によって、ストッパ部材51の進退作動のための空気が吸排されるようになっている。
【0035】
ユニット管50と供給ホース42との接続部は、部品供給管22とユニット管50との保持部24と同様な構造である。したがって、保持部24を構成する部材と同じ符号を図3(A)に記載してある。
【0036】
ナット5がパーツフィーダ41の送出管44から空気搬送されてくるときには、ナット5の前方の空気を排出してナット5の移送を促進する必要がある。そのために、通常、供給ホース42に複数個の排気口56が設けられている。しかし、ストッパ部材51がユニット管50内に進入しているときには、ストッパ部材51がユニット管50の空気流通面積を減少させているので、前記排気口56を通過したナット5とストッパ部材51との間の空気の排気性が悪くなる。そのために排気口56を通過したナット5の移送速度が低下して、滑らかなナット移送に支障が生じる。そこで、ナット移送方向で見てストッパ部材51のわずか後方に長孔状の排気口57が設けてある。この排気口57は、図1(B)にも図示されている。このような排気口57を設けることにより、ストッパ部材51がユニット管50の流路面積を大幅に減少させても、ナット移送は減速することなく円滑になされるという効果がある。
【0037】
つぎに、センサーについて説明する。
【0038】
ガイド管3や部品供給管22内に待機しているナット個数は、供給ロッド1の進退動作周期が短いときには待機個数を増やしてナット不足が生じないようにしている。また、前記周期が長いときには待機個数を少なく設定して無駄なナット送給動作を回避し、少しでも経済的な装置稼動としている。このような要請に応えるために、取付位置を調整できるセンサーが部品供給管に配置されている。
【0039】
部品供給管22内のプロジェクションナット5を検知するセンサー31が部品供給管22の外側面に固定してある。このセンサー31にはいろいろなものが採用できるが、ここでは直方体の形をした近接スイッチであり、固定バンド32で部品供給管22に一体化してある。この固定バンド32を緩めると、センサー31の位置を部品供給管22の長手方向に移動できるようになっている。
【0040】
上述の待機個数を変更するときには、センサー31の取付位置を変えるのであるが、求められたセンサー31の取付位置がずれたりしないようにするために、支持部材17に位置決め構造部33が設けてある。つまり、この位置決め構造部33を支持部材17に沿って移動させて位置決め構造部33を支持部材17に一体化させ、その後、この位置決め構造部33の箇所にセンサー31を固定するのである。あるいは、位置決め構造部33とセンサー31を一緒に移動させて位置決め構造部33を支持部材17に一体化してからセンサー31を部品供給管22に固定してもよい。
【0041】
図1、図2は、支持部材17が結合部18にしっかりと結合されて、部品供給管22とストッパユニット43を支持している状態である。このときには、支持部材17の先端部が保持部24を介して部品供給管22に結合されているので、支持部材17の剛性により部品供給管22の配管姿勢が所定どおりに維持されている。部品供給管22の配管姿勢を変更するときには、結合部18の固定ボルト21を緩めて支持部材17を湾曲させて部品供給管22の湾曲形状を所定通りにしてから、再び固定ボルト21を締める。支持部材17を部品供給管22とともに湾曲させると、支持部材17が支持孔20に対してずれるので、固定ボルト21を緩めたり締めたりするのである。よって、上記の支持部材のずれを保持部24側で吸収することもできる。あるいは、保持部24と支持孔20の両方で支持部材17のずれを吸収するようにしてもよい。
【0042】
正しい配管姿勢によって円滑に移動してくるナット5の待機個数を、供給ロッド1によるナット5の供給消費の速さにあわせて最適の待機個数とすることができ、ナット不足等のない部品供給が実現する。ナット不足を回避するために、ナット5の待機列の長さが短くなると、それをセンサー31で検出してパーツフィーダ(図示していない)にナット補充動作の指令信号が発せられるようになっている。
【0043】
長尺な支持部材17が部品供給管22に沿わせて配置され、この支持部材17の端部に部品供給管22の保持部24とストッパユニット43が設けられているので、支持部材17を細身の長尺な部材にしておくことにより、作業者が支持部材17を適当に変形させて、部品供給管22の配管姿勢を自由に選定することができるのである。例えば、プロジェクション溶接機にナットを供給するような場合には、部品供給管22の周辺に種々な部材が存在しているので、それらを首尾よく避けながら配管姿勢を設定することが重要である。このような場合において、本発明であれば何等不自由をすることなく配管姿勢が選定できる。さらに、支持部材17の端部に保持部24が配置されているので、部品供給管22は離隔した2つの箇所、すなわち、上記保持部24と供給ヘッド16への結合箇所で支持されるので、支持安定性を高めるのに有効である。
【0044】
しかも、ストッパユニット43が構造的に保持部24に連続した形態で配置されているので、供給ヘッド16,支持部材17,保持部24,ストッパユニット43の各構造物が一連の細長い構造系として成立する。したがって、部品供給通路23に沿った構造が形成されてストッパユニット43を含めてスリムなまとまりの部品供給管支持装置101がえられる。
【0045】
結合部18に配置した本体19、支持孔20、固定ボルト21等からなる調整構造部35によって、支持部材17の長さが調整されるので、部品供給管22の配管姿勢に適した保持部24の位置が選定できる。したがって、部品供給管22の配管姿勢は、最適の支持部材17の変形形状でなされることとなり、部品供給管22は安定した支持がえられる。
【0046】
金属製のガイド管3に接手管10を介して部品供給管22が接合されているとともに、接手管10に結合部18が取付けられているので、部品供給管22とガイド管3の接合が確実になされ、しかも、金属製のガイド管3の側に固定された結合部18により、支持部材17が安定した状態で確実に固定される。
【0047】
位置決め構造部の具体的な構造を説明する。
【0048】
図1(A)(B)および図4に示すように、位置決め構造部33は、支持部材17に沿って移動することができるとともに支持部材17に対して固定状態にすることができる移動部材34と、この移動部材34に結合されていて前記センサー31に係合してセンサー31と移動部材34との相対位置を所定の位置関係に設定する係合部材36とによって構成されている。
【0049】
前記移動部材34は全部または一部が管状とされている管部材38とされ、支持部材17がこの管部材38を貫通して管部材38の位置調整が可能とされており、管部材38にねじ込んだ固定ボルト37で管部材38と支持部材17との一体化を図る構成とされ、管部材38にセンサー31に係合する係合部材36が結合されている。管部材38は、全長にわたって管状とするか一部だけが管状とされているもので、図示のものは全長にわたって管状とされている。
【0050】
前記係合部材36は、支持部材17と一体化された管部材38とセンサー31との相対位置を正常に維持する機能を果たすものである。そのための構造としてはいろいろなものが採用できる。例えば、管部材38から突出させた2つの突起部材の間にセンサー31を配置して、センサー31が部品供給管22に沿ってずれないようにする。あるいは、図1(B)に示すように、細長い線材をコ字型に屈曲して管部材38に溶接などで結合して、四角い枠状に形成する。
【0051】
管部材38を支持部材17に沿って移動させてナットの所要待機個数の箇所で停止させ、それから固定ボルト37を締め込んで管部材38を支持部材17に一体化する。その後、前記四角い枠状の係合部材36内にセンサー31をはめ込んで部品供給管22に密着させて固定バンド32で固定する。あるいは、管部材38および係合部材36とセンサー31を一緒に移動させて固定ボルト37の締め込みや固定バンド32の締め付けを行ってもよい。
【0052】
つぎに、ナット移送やストッパユニットの動作システムを説明する。
【0053】
図5は、動作システムの全体図である。各種の信号が入力されて動作信号を動作制御弁などに出力する制御装置59が設けてあり、センサー31からの信号が入力されるようになっている。この制御装置59は、一般的に使用されているものであり、例えば、簡単なシーケンサー回路やコンピュータ装置を用いることによって容易に動作させることができる。
【0054】
前記制御装置59からの動作信号が空気切換弁60に入力されて、そこからの動作空気が空気噴射管45やエアシリンダ52に供給される。制御装置からの動作信号は、空気噴射管45からの空気噴射と、ストッパ部材51がユニット管50内に進入するエアシリンダ52の進出動作とが同時に行われるように、設定されている。すなわち、ストッパ部材51がユニット管50内に進入する動作と、ナット5を高速で供給ホース42内を移送する空気噴射とが同期している。
【0055】
したがって、センサー31がナット待機個数の不足を検知したら、その信号が制御装置59に入力されて、補充ナットが空気噴射で移送されてくるのである。この補充ナットは移送されているときには、制御装置59からの動作信号でパーツフィーダ41は送出振動をしている。そして、ナット待機個数が充足されると、充足信号が制御装置59に入力されて、空気噴射が停止されるとともに、パーツフィーダ41の送出振動が停止される。
【0056】
上述の動作において、高速で移送されてきたナット5は、ユニット管50内で待機しているストッパ部材51によって受け止められて、衝撃が緩和される。その後、ストッパ部材51が後退すると、ナット5は自重でガイド管3の方へ移動し低速で仮止室4内に到達する。
【0057】
上述の実施例においては各種のエアシリンダが採用されているが、これに換えて進退出力をする電動モータを採用してもよい。
【0058】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0059】
上述のように、供給ヘッド16の一部に金属製の支持部材17が結合され、その端部に金属製の保持部24が結合され、さらに、この保持部24にストッパユニット43が一体的に設けられているので、供給ヘッド16,支持部材17,保持部24,ストッパユニット43の各構造物が一連の細長い構造系として成立する。したがって、部品供給通路23に沿った構造が形成されてストッパユニット43を含めてスリムなまとまりの部品供給管支持装置101がえられる。
【0060】
そして、ストッパユニット43は、一端が前記部品供給管22に接続され他端がパーツフィーダ41から延びている供給ホース42に接続されている金属製のユニット管50と、このユニット管50内に進入して高速で前記供給ホース42内を移送されてきたナット5を停止させる進退式のストッパ部材51とから構成されているので、ユニット管50が部品供給管22と供給ホース42との接手部材として機能するとともに、ストッパ部材51の取付けの基部材の機能を果たすことになる。したがって、前記一連の構造系の端部においてストッパユニット43が少ないスペースの状態で多機能的に配置され、これにより高速移動のナット5による供給ヘッド16や供給ロッド1の損傷を防止することができる。
【0061】
前記部品供給管22内のナット待機部品個数を検知するセンサー31が部品供給管22に取付けられ、このセンサー31の取付位置は前記支持部材17に沿って位置調整ができる位置決め構造部33によって設定するように構成した。
【0062】
部品供給管22内に待機しているナット個数は、供給ロッド1の進退動作周期が短いときには待機個数を増やしてナット不足が生じないようにしている。また、前記周期が長いときには待機個数を少なく設定して無駄なナット送給動作を回避し、少しでも経済的な装置稼動としている。このような要請に応えるために、前記センサー31の取付位置を調整するのであるが、この調整ができるだけ簡単にしかも調整された位置が容易に狂わないようにしておく必要がある。
【0063】
上述の構成により、位置決め構造部33が支持部材17に沿って位置調整ができて、それによりセンサー31の位置が決定づけられるので、待機個数に適したセンサー31の位置を適正に設定することができて、前記要請を満足させることができる。
【0064】
前記位置決め構造部33は、支持部材17に沿って移動することができるとともに支持部材17に対して固定状態にすることができる移動部材34と、この移動部材34つまり管部材38に結合されていて前記センサー31に係合してセンサー31と移動部材34との相対位置を所定の位置関係に設定する係合部材36とによって構成されている。
【0065】
前記移動部材34を支持部材17に沿って移動させてから支持部材17に対して固定することにより、前記係合部材36がセンサー31に係合してセンサー31の取付位置が正確に設定できる。すなわち、管部材38と係合部材36によって枠状部材が形成されているので、その内側に位置しているセンサー31が位置ずれをしようとしても、枠状部材によって位置ずれが防止されるのである。あるいは、センサー31と移動部材34とを一緒に移動させてセンサー31を部品供給管22に固定してから、移動部材34を支持部材17に固定することも可能である。
【0066】
前記ストッパ部材51がユニット管50内に進入する動作と、ナット5を高速で供給ホース42内を移送する噴射空気の噴射とが同期している。
【0067】
上述の構成により、空気搬送されるナット5は供給ホース42を移動してくるので、ストッパ部材51がユニット管50内に進入した後からナット5がストッパ部材51に到達する。したがって、ナット5が到達するときには必ずストッパ部材51がユニット管42内に進入して待機状態になっていることとなり、ストップ動作が確実に達成される。
【実施例2】
【0068】
前述の実施例1は、供給ヘッド,支持部材,保持部の一連の構造系にストッパユニット43と位置決め構造部33が包含されているものであるが、実施例2は、供給ヘッド,支持部材,保持部の一連の構造系において、すなわちストッパユニット43を含まない構造系において、位置決め構造部33を存在させたものである。
【0069】
したがって、実施例2の具体的な構造は、実施例1の構造からストッパユニット43を除いた形態で成立している。つまり、保持部24にユニット管50が接続されるのではなく、供給ホース42が接続される構造である。このような構造の図示はしていないが、容易に実施することができるものである。それ以外の構成は先の実施例1と同じである。
【0070】
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
【0071】
部品供給管22内に待機しているナット個数は、供給ロッド1の進退動作周期が短いときには待機個数を増やしてナット不足が生じないようにしている。また、前記周期が長いときには待機個数を少なく設定して無駄なナット送給動作を回避し、少しでも経済的な装置稼動としている。このような要請に応えるために、前記センサー31の取付位置を調整するのであるが、この調整ができるだけ簡単にしかも調整された位置が容易に狂わないようにしておく必要がある。
【0072】
上述の構成により、供給ヘッド16の一部に金属製の支持部材17が結合され、その端部に金属製の保持部24が結合された一連の構造系において、位置決め構造部33が支持部材17に沿って位置調整ができて、それによりセンサー31の位置が決定づけられるので、待機個数に適したセンサー31の位置を適正に設定することができて、前記要請を満足させることができる。
【0073】
前記位置決め構造部33は、支持部材17に沿って移動することができるとともに支持部材17に対して固定状態にすることができる移動部材34と、この移動部材34つまり管部材38に結合されていて前記センサー31に係合してセンサー31と移動部材34との相対位置を所定の位置関係に設定する係合部材36とによって構成されている。
【0074】
前記移動部材34を支持部材17に沿って移動させてから支持部材17に対して固定することにより、前記係合部材36がセンサー31に係合してセンサー31の取付位置が正確に設定できる。すなわち、管部材38と係合部材36によって枠状部材が形成されているので、その内側に位置しているセンサー31が位置ずれをしようとしても、枠状部材によって位置ずれが防止されるのである。あるいは、センサー31と移動部材34とを一緒に移動させてセンサー31を部品供給管22に固定してから、移動部材34を支持部材17に固定することも可能である。
【0075】
前記移動部材34は全部または一部が管状とされている管部材38とされ、支持部材17がこの管部材38を貫通して管部材38の位置調整が可能とされており、管部材38にねじ込んだ固定ボルト37で管部材38と支持部材17との一体化を図る構成とされ、管部材38にセンサー31に係合する係合部材36が結合されている。
【0076】
前記管部材38を支持部材17に沿って移動させて位置調整を行い、それから固定ボルト37で支持部材17に一体化する。それによって係合部材36の所定位置が設定されるので、この位置にセンサー31を取り付けることにより、供給ロッド1の進退動作状態に適合した待機ナットの個数が設定できる。このようにセンサー31の位置決めが簡単でしかも正確に行える。また、管部材38であるから支持部材17に沿って所定の位置に移動させることが容易であり、しかも管部材38に結合される係合部材36はその形状を、例えば、2つの突起の間にセンサー31を配置したり、あるいは枠状の係合部材36でセンサー31を包囲したりすることができて、センサー31の形態に適応した係合部材36とすることができる。それ以外の作用効果は、先の実施例と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
上述のように、本発明によれば、配管姿勢を自由に設定するとともに、部品検知用のセンサーの位置決め等を行うことのできる部品供給管支持装置なので、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 供給ロッド
5 プロジェクションナット
10 接手管
15 エアシリンダ
16 供給ヘッド
17 支持部材
18 結合部
19 本体
20 支持孔
22 部品供給管
23 部品供給通路
24 保持部
31 センサー
33 位置決め構造部
34 移動部材
35 調整構造部
36 係合部材
38 管部材
41 パーツフィーダ
42 供給ホース
43 ストッパユニット
50 ユニット管
51 ストッパ部材
100 部品供給装置
101 部品供給管支持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要の配管姿勢に形成できる柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管が供給ヘッドの金属製のガイド管に接続され、部品は空気噴射によって部品供給管に移送されてくるものであり、供給ヘッド内に保持された部品を進退動作をする供給ロッドで目的箇所へ供給するとともに、供給ヘッドの一部に結合した長尺で変形可能な金属製の支持部材を部品供給管に沿わせて配置し、この支持部材の端部に金属製の保持部を結合して部品供給管の端部を保持する形式のものにおいて、前記部品供給管内の待機部品個数を検知するセンサーが部品供給管に取付けられ、このセンサーの取付位置は前記支持部材に沿って位置調整ができる位置決め構造部によって設定するように構成したことを特徴とする部品供給管支持装置。
【請求項2】
前記位置決め構造部は、支持部材に沿って移動することができるとともに支持部材に対して固定状態にすることができる移動部材と、この移動部材に結合されていて前記センサーに係合してセンサーと移動部材との相対位置を所定の位置関係に設定する係合部材とによって構成されている請求項1記載の部品供給管支持装置。
【請求項3】
前記移動部材は全部または一部が管状とされている管部材とされ、支持部材がこの管部材を貫通して管部材の位置調整が可能とされており、管部材にねじ込んだ固定ボルトで管部材と支持部材との一体化を図る構成とされ、管部材にセンサーに係合する係合部材が結合されている請求項2記載の部品供給管支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−76092(P2010−76092A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266793(P2009−266793)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【分割の表示】特願2006−332572(P2006−332572)の分割
【原出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】