説明

部品供給装置

【課題】供給する部品を選択できるようにする。
【解決手段】組立装置は、容器5、5、・・・に置かれた部品をヘッド23のチャックで吸着して組立パレットに搬送し、組み付ける。容器5には、部品を置いておく部品蓄積エリア2と、ヘッド23が搬送する部品を定置する部品定置エリア3が設けられており、部品定置エリア3には、複数の凹部28が設けられている。組立装置は、容器5を振動させて部品蓄積エリア2の部品を凹部28に嵌合させて部品を凹部28に定置し、これら定置された複数の部品をヘッド23に提示する。組立装置は、ヘッド23に設けられたカメラ25で、これら複数の部品を撮影し、予め記憶してある部品画像データと比較して各部品を点数づけする。そして、組立装置は、これら複数の部品のうち、点数が良品と不良品を区分する基準となる閾値以上となったものの中から、最高点の部品を選択して搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置に関し、例えば、組立作業用の部品を供給するものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動組立装置によって基板に部品を装着していくような場合、部品をストックされたエリアから取り出して所定位置に搬送する必要がある。
この際、部品をチャッキングして取り出すが、このような技術として、次の特許文献1の「部品吸着方法及び装置」がある。
これは、撮像によってトレイ上の所定位置にある部品の位置を検出し、検出した部品を吸着して供給するものである。
ところが、従来の部品供給装置は、供給された先頭の1つを取るしかないため、それが不良品であった場合、組立装置が停止するなどの支障がでる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−7768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、供給する部品を選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、部品を複数提示する部品提示手段と、前記提示された各部品を評価する評価手段と、前記評価手段で評価が所定の閾値以上である部品を選択する部品選択手段と、前記選択した部品を供給する部品供給手段と、を具備したことを特徴とする部品供給装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記提示された各部品を撮影する撮影手段を具備し、前記評価手段は、前記撮影された部品の画像を所定の基準と比較することにより当該部品を評価することを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記部品提示手段が提示する部品を蓄積する部品蓄積手段と、前記部品提示手段で提示されて前記部品選択手段で選択されなかった部品を前記部品蓄積手段に返却する返却手段と、を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の部品供給装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の部品を提示して部品の優劣を比較することにより、供給する部品を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】組立装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図2】組立装置で使用されるコンピュータの構成を示したブロック図である。
【図3】データベースやテーブルの論理的な構成を説明するための図である。
【図4】給材装置を上から見たところを示した模式図である。
【図5】容器の振動機構を説明するための図である。
【図6】組立装置が部品を選択する手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
組立装置10(図1)は、容器5、5、・・・に置かれた部品をヘッド23のチャック24で吸着して組立パレット26に搬送し、組み付ける。
容器5(図4)には、部品を置いておく部品蓄積エリア2と、ヘッド23が搬送する部品を定置する部品定置エリア3が設けられており、部品定置エリア3には、複数の凹部28が設けられている。
【0009】
組立装置10は、容器5を振動させて部品蓄積エリア2の部品を凹部28に嵌合させて部品を凹部28に定置し、これら定置された複数の部品をヘッド23に提示する。
組立装置10は、ヘッド23に設けられたカメラ25で、これら複数の部品を撮影し、予め記憶してある部品画像データと比較して各部品を点数づけする。
そして、組立装置10は、これら複数の部品のうち、点数が良品と不良品を区分する基準となる閾値以上となったものの中から、最高点の部品を選択して搬送する。
【0010】
(2)実施形態の詳細
本実施の形態では、作業対象(ワーク)に対して作業する作業装置の一例として、ワークに部品を組み込んで製品を組み立てる組立装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る組立装置10の機能的な構成を説明するための図である。
組立装置10は、制御部11、操作部12、入出力部13、ロボット駆動部14、画像処理部15、及びロボット部20などから構成されている。
そして、ロボット部20は、ベース21、アーム22、ヘッド23、チャック24、カメラ25などから構成されている。
【0011】
ベース21は、アーム22を支持し、アーム22をアーム22の長手方向と垂直な方向(左右方向、x方向とする)に移動させることができる。
アーム22は、ヘッド23を支持し、ヘッド23をアーム22の長手方向(奥行き方向、y軸とする)に移動させることができる。
ヘッド23は、チャック24を支持し、チャック24をx軸とy軸に垂直な方向(上下方向、z軸とする)に移動することができる。
【0012】
カメラ25は、光軸がz軸方向となるようにヘッド23の先端に取り付けられており、レンズによって被写体の像をCCD(Charge−Coupled Device)素子上に結像し、これを電気信号に変換して画像処理部15に送信する。
カメラ25は、例えば、給材装置27に置かれた部品を撮影したり、組立パレット26の上に置かれたワークを撮影したりする。
【0013】
チャック24は、バキュームで吸着して部品をチャッキングすると共に、中心軸の周り(θ方向)に回転することができる。
なお、部品を機械的に挟持してチャッキングするように構成してもよい。
以上のように、アーム22は、x方向に移動し、ヘッド23は、y方向に移動し、チャック24は、z方向、及びθ方向に移動するため、チャック24は、xyzθ方向に移動することができる。
また、これらの移動は、制御部11により数値制御されている。
【0014】
給材装置27は、部品を種類ごとに保持する容器(トレイ)5を複数並べて構成されたパーツフィーダであり、ロボット部20の可動範囲内でカメラ25が部品を撮影できる位置に設置されている。
後述するように、容器5には、複数の凹部28が形成されており、これら凹部28に部品が嵌合するようになっている。組立装置10は、これら凹部28に嵌合した部品を評価し、評価が所定の閾値以上のもので、最も評価が高いものを選択して取り出す。
部品としては、例えば、ワークがプリント基板である場合には、抵抗体やICチップなどの電子素子であり、ワークが機械装置である場合には、歯車やねじなどの機械部品となる。
また、部品の供給方式としては、容器の他にリニアフィーダやテープなどがある。
【0015】
組立パレット26は、ロボット部20により組み立てられる対象となるワークを位置決めして定置する。
組立パレット26は、例えば、レールやベルトコンベヤによってロボット部20の組立エリアに搬送されてくる。なお、組立パレット26は、作業者の手作業によって置かれるように構成することもできる。
【0016】
ロボット駆動部14は、ロボット部20を駆動するロボット駆動アンプであって、制御部11の指示に従って、チャック24をxyzθ方向に移動するアクチュエータ(モータなど)やチャック24のチャッキング機構(例えば、吸着をオンオフするソレノイドバルブ)を個別に駆動する。
これによって、ロボット部20は、給材装置27から部品を取り出して、組立パレット26上のワークに組み込み(組み付け)、製品を組み立てることができる。
【0017】
画像処理部15は、カメラ25から送られてきた信号を用いて画像データをリアルタイムで生成し、制御部11に送信する。
例えば、カメラ25で容器5に設置された部品を撮影すると、画像処理部15は、当該部品の画像を画像データとして得ることができ、これを基準となる部品画像データと比較できるようになる。
【0018】
操作部12は、例えば、操作パネルを備えており、組立装置10を運転するのに必要なスイッチ、表示器類が取り付けられている。
操作部12は、作業者から、電源投入、組立装置10の初期化、組立プログラムの選択・設定、運転開始・停止、組立装置10を調整するためのアクチュエータの操作、組立対象となるワーク種の切替指示などを受け付けることができる。
【0019】
入出力部13は、入力部と出力部を備えている。
入力部は、ロボット部20の各所に取り付けられた各種センサと接続されたインターフェースを備えており、入出力部13は、これらセンサから送られてきた信号を制御部11に伝達する。
出力部は、音声や表示などによりアラームを発するアラーム装置などと接続されており、各種の情報を出力する。
【0020】
制御部11は、各種の情報処理や組立装置10の各部の制御を行う。
制御部11は、例えば、操作部12から組立プログラムの設定などの操作を受け付け、組立プログラムに従って、カメラ25を用いた部品認識、部品の評価と選択、及びチャック24を用いたワークの組立作業などを行う。
【0021】
組立プログラムは、複数の組立ステップから構成されており、各組立ステップでは取り付ける部品が決められている。
また、組立プログラムは、容器5に設置された複数の部品を評価し、評価の高い部品を選択するプログラムをサブルーチンなどの形で含んでいる。
【0022】
図2は、制御部11を構成するコンピュータ30の構成を示したブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)31は、各種の情報処理や組立装置10の各部を制御する中央処理装置である。
本実施の形態では、組立プログラムを実行することにより、給材装置27に置かれた部品を認識して評価・選択し、選択した部品をワークに組み込んで製品を組み立てたりする。
【0023】
ROM(Read Only Memory)32は、例えば、コンピュータ30を動作させるための各種パラメータやプログラムを記憶した読み取り専用のメモリである。
RAM(Random Access Memory)33は、例えば、CPU31が各種の情報処理を行う際のワーキングメモリを提供したり、実行する組立プログラムをロードしたりなどする読み書き可能なメモリである。
インターフェース35は、図1の操作部12、入出力部13、ロボット駆動部14、画像処理部15などに接続されており、CPU31とこれら各部が送受信する信号を中継する。
【0024】
記憶装置36は、例えば、ハードディスクなどの大容量の記憶デバイスを備えており、プログラム記憶部37とデータ記憶部38が設けられている。
プログラム記憶部37は、CPU31がロボット部20に組立作業を行わせるための組立プログラムや、その他のプログラムが記憶されている。
組立プログラムは、製品ごとに用意されており、ユーザが操作部12でこれを選択することにより、所望のプログラムを実行可能とすることができる。
【0025】
データ記憶部38には、CPU31が給材装置27に置かれた部品を認識し、評価するための部品画像を記憶した部品画像データベースや、容器5と部品を対応づけた容器部品対応テーブルなどが記憶されている。
容器5と部品の対応づけは、例えば、作業者が手動で行ったり、あるいは、画像処理にて自動的に行うことができる。
【0026】
図3(a)は、部品画像データベースの論理的な構成を説明するための図である。
部品画像データベースは、「部品番号」と「部品画像データ」の2つの項目を含んでいる。
項目「部品番号」は、各部品に付与された固有の識別情報である部品番号が記憶されている。図では、部品番号を1、2、・・・、Nなどと数字で示している。
項目「部品画像データ」は、部品番号1、2、・・・、Nを撮影した画像データである部品画像データ1、部品画像データ2、・・・、部品画像データNである。
【0027】
これら部品画像データは、制御部11が、カメラ25が撮影した画像の撮影画像データと対比して、給材装置27に置かれた部品を評価するのに用いられる。
即ち、制御部11は、給材装置27のある容器5に入れられた部品の撮影画像データと、当該部品の部品画像データを対比し、部品画像データを基準として当該部品の点数を計算する。
【0028】
点数の計算は、例えば、撮影画像データと部品画像データ相関係数を所定のアルゴリズムで計算して行うことができる。なお、アルゴリズムは、どのようなものを用いてもよい。
例えば、いくつかのチェック項目を設けておき、チェック項目ごとの点数を合計して当該部品の点数を計算するように構成することができる。
チェック項目としては、部品が歯車であれば、歯の加工精度、軸穴の加工精度、などが可能である。
【0029】
図3(b)は、容器部品対応テーブルの論理的な構成を説明するための図である。
容器部品対応テーブルは、「容器番号」と「部品番号」の2つの項目を含んでいる。
項目「容器番号」は、給材装置27に置かれた容器5に付与された容器識別情報であり、例えば、給材装置27の左側から1、2、・・・、Lなどと置かれている順序にシリアル番号が付与されている。
項目「部品番号」は、容器5に入れられている部品の部品番号であり、例えば、作業者が操作部12を操作して設定したものである。制御部11が画像処理により認識して自動設定するように構成することも可能である。
図の例では、例えば、容器番号1の容器には部品番号2の部品が入れられており、容器番号2の容器には部品番号5の部品が入れられている。
【0030】
図4は、給材装置27を上から見たところを示した模式図である。
以下では、部品番号nの部品を部品n、容器番号mの容器を容器mなどと略記することとする。
給材装置27は、矩形形状を有し、周囲に壁面が形成されたトレイ状の容器1、2、・・・、Lがx軸方向に並べられており、例えば、容器1には部品2が置かれ、容器2には部品5が置かれるといったように、容器5ごとに所定種の部品が保持されている。
【0031】
容器5の長手方向のベース21側には、ヘッド23が搬送する部品を定置する部品定置エリア3が形成されており、ベース21から遠ざかる側には部品定置エリア3に定置する部品を蓄積するための部品蓄積エリア2が設けられている。
【0032】
容器5の部品定置エリア3には、部品が嵌合する凹部28が3個設けられており(図では四角形状で表してある)、制御部11は、後に説明する振動装置でこれら容器5を振動させ、部品蓄積エリア2に蓄積されている部品を部品定置エリア3に送り出し、凹部28に嵌合させる。
【0033】
部品が凹部28に嵌合した後、容器5を部品蓄積エリア2側に傾けて振動させ、凹部28に嵌合しなかった部品は、部品蓄積エリア2に送り戻される。
これにより、部品は容器5において凹部28が形成されている3個の定位置に定置される。
なお、本実施の形態では、凹部28を直線上に3個形成したが、矩形の頂点を成すように4個形成したり、あるいは、2列3行に6個形成したりなど、各種の形態が可能である。
【0034】
制御部11は、このように容器5の凹部28に定置された部品を次のようにして吸着して搬送する。
制御部11は、例えば、容器番号1の容器5から部品を取り出す場合、当該容器5の凹部28に定置されている部品をカメラ25で順次撮影すると共に点数を計算する。
【0035】
そして、制御部11は、凹部28に定置された各部品の点数を計算し、最も点数が高く、その点数が所定の閾値以上である部品をヘッド23で取り出し、アーム22を駆動して組立パレット26(図1)に供給する。
ここで、部品の点数に閾値を設けるのは、不良と良品を判断するためであり、当該閾値以上の部品は何れを用いてもよいが、ここでは、閾値以上のもののうち、最も点数が高いものを選択するように構成した。
これにより、例え、部品に不良品が混在していた場合でも、組立装置10は、これを回避して良品となる部品を供給することができる。
【0036】
次に、図5を用いて容器5の振動機構について説明する。
図5は、図1において、容器5をx軸方向に見たところを示している。
図に示したように容器5の底面中央付近に蝶番43が形成されており、容器5は、蝶番43を介して基部42に固定されている。
容器5の部品定置エリア3側の端部は、蝶番44によって、振動装置41の支持部材45の先端に固定されている。
振動装置41は、例えば、電磁力などにより支持部材45を上下動させる。
【0037】
蝶番43と蝶番44の回転軸は、共に容器5の長手方向と垂直となっている。
そのため、振動装置41が支持部材45を上下動すると、容器5は、蝶番43を中心として矢線に示したようにシーソー状に上下動する。
そこで、振動装置41を高速に駆動すると、容器5は、容器5の長手方向の直線を含む垂直な平面を振動面として振動する。
この振動により、部品蓄積エリア2に蓄積されている部品(図示せず)が部品定置エリア3の方向に移動する。
【0038】
なお、容器5を部品定置エリア3の方向に傾けて振動させると、より効果的に部品を部品定置エリア3の方向に移動させることができる。
このように、振動装置41は、部品定置手段(容器5)を、1の方向(部品蓄積エリア2と部品定置エリア3を結ぶ方向)を振動面として振動させて、蓄積部分(部品蓄積エリア2)に蓄積された部品を嵌合部分(部品定置エリア3)に移動させて嵌合させる振動手段として機能している。
【0039】
また、部品が部品定置エリア3に移動し、凹部28に部品が嵌合した後、残りの部品を部品蓄積エリア2に移動させる場合には、容器5を部品蓄積エリア2の方向に傾けて振動させると、より効果的に部品を部品蓄積エリア2の方向に移動させることができる。
このように、振動装置41は、部品が嵌合部分(部品定置エリア3)に嵌合した後、嵌合部分に嵌合していない部品を蓄積部分(部品蓄積エリア2)に移動させる移動手段としても機能している。
【0040】
図6は、組立装置10が部品を選択する手順を説明するためのフローチャートである。
以下の処理は、操作部12のCPU31が組立プログラムに従って行うものである。
制御部11は、ヘッド23を組立プログラムで指定されている容器5に移動し、当該容器5の第1の凹部28に定置されている部品をカメラ25で撮影する(ステップ5)。
なお、容器5の部品定置エリア3には、ベース21に近い側から第1の凹部28、第2の凹部28、第3の凹部28が直線上に形成されているものとする。
【0041】
制御部11は、当該容器5の容器番号を容器部品対応テーブル(図3(b))で検索し、当該容器番号に定置されている部品の部品番号を特定する。
更に、制御部11は、当該部品番号を部品画像テーブルで検索し、当該部品の部品画像データを読み出す。
そして、当該部品画像データとステップ5で撮影した撮影画像データを比較し、当該部品の点数を計算する(ステップ10)。
【0042】
次に、制御部11は、ヘッド23を第2の凹部28に移動してカメラ25で部品を撮影し(ステップ15)、当該部品の点数を計算する(ステップ20)。
更に、制御部11は、ヘッド23を第3の凹部28に移動してカメラ25で部品を撮影し(ステップ25)、当該部品の点数を計算する(ステップ30)。
【0043】
制御部11は、このようにして当該容器5に定置されている各部品の点数を計算すると、点数が所定の閾値以上となる部品があるか否かを判断する(ステップ35)。
点数が所定の閾値以上となる部品がなかった場合(ステップ35;N)、制御部11は、処理を終了する。
この場合、制御部11は、当該容器5を振動させて、凹部28に定置されている部品を部品蓄積エリア2に返送し、その後、新たに部品蓄積エリア2から凹部28に部品を定置した後、ステップ5からの作業を繰り返す。
【0044】
一方、点数が所定の閾値以上となる部品があった場合(ステップ35;Y)、制御部11は、これら点数が所定の閾値以上となった部品から最も点数が高かったものを特定する(ステップ40)。
その後、制御部11は、当該最も点数の高かった部品をヘッド23で組立パレット26に搬送する。
【0045】
以上に説明した本実施の形態では、部品を撮影画像データと部品画像データとの比較により優劣を評価したが、評価方法はこれに限定するものではなく、各種の方法が可能である。
例えば、部品の重さを計測するセンサを設置し、重さによって評価したり、あるいは、電気抵抗を計測するセンサを設置し、電気抵抗値によって評価したりなどすることが可能である。
【0046】
以上のように、本実施の形態の組立装置10は、容器5に形成された複数の凹部28で複数の部品を提示し、提示された各部品を点数づけして評価するため、部品を複数提示する部品提示手段と、当該提示された各部品を評価する評価手段を備えている。
そして、組立装置10は、点数が所定の閾値以上のもののうちから最高点のものを選択し、これをチャック24で吸着して搬送するため、評価手段で評価が所定の閾値以上である部品を選択する部品選択手段と、当該選択した部品を供給する部品供給手段と、を備えている。
このため、組立装置10は、これら手段を具備した部品供給装置を備えており、複数部品を供給する部品供給材装置としての機能を備えている。
【0047】
また、組立装置10は、カメラ25で凹部28に定置された部品を撮影するため、容器5で提示された各部品を撮影する撮影手段を具備し、評価手段は、当該撮影された部品の画像を所定の基準(部品画像データ)と比較することにより当該部品を評価している。
そして、容器5には、部品蓄積エリア2と部品定置エリア3が設けられており、選択されなかった部品は部品蓄積エリア2に戻されるため、組立装置10は、部品提示手段が提示する部品を蓄積する部品蓄積手段と、当該部品提示手段で提示されて部品選択手段で選択されなかった部品を前記部品蓄積手段に返却する返却手段を備えている。
【0048】
以上に説明した組立装置10によって、次のような効果を得ることができる。
(1)部品を供給する際に、複数の部品を提示することができる。
(2)提示された複数の部品のうちから、点数が所定の閾値以上となった良品を選択して供給することができる。
(3)点数が所定の閾値以上となった部品のうち、最も点数の高い部品を供給することができる。
(4)部品定置エリア3に不良品が混入していて、これが凹部28に定置され提示されたとしても、組立装置10は、他の凹部28に定置されてる良品を選ぶことができるため、不良品が組み立てられたり、組立装置10が停止したりするのを防止することができる。
(5)部品を選択した後、これを部品蓄積エリア2に返却することにより、毎回部品の払い出しを行うことで、常に複数の部品を提示することができる。
【符号の説明】
【0049】
2 部品蓄積エリア
3 部品定置エリア
5 容器
10 組立装置
11 制御部
12 操作部
13 入出力部
14 ロボット駆動部
15 画像処理部
20 ロボット部
21 ベース
22 アーム
23 ヘッド
24 チャック
25 カメラ
26 組立パレット
27 給材装置
28 凹部
30 コンピュータ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
35 インターフェース
36 記憶装置
37 プログラム記憶部
38 データ記憶部
41 振動装置
42 基部
43 蝶番
44 蝶番
45 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を複数提示する部品提示手段と、
前記提示された各部品を評価する評価手段と、
前記評価手段で評価が所定の閾値以上である部品を選択する部品選択手段と、
前記選択した部品を供給する部品供給手段と、
を具備したことを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記提示された各部品を撮影する撮影手段を具備し、
前記評価手段は、前記撮影された部品の画像を所定の基準と比較することにより当該部品を評価することを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記部品提示手段が提示する部品を蓄積する部品蓄積手段と、
前記部品提示手段で提示されて前記部品選択手段で選択されなかった部品を前記部品蓄積手段に返却する返却手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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