説明

部品情報閲覧プログラム、部品情報閲覧装置、部品情報閲覧システム及び部品閲覧用情報

【課題】装置に含まれる部品のまとまりごとのユニットの構成がツリー上に表現された部品情報の閲覧において、ユーザによる操作性を向上すること。
【解決手段】装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧装置であって、表示するべきユニットのユニットIDを記憶すると共に、下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットの下位ユニットのユニットIDを取得するユニット特定部14と、ユーザの操作に応じて特定された部品の部品IDを記憶する部品特定部13と、特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を抽出して表示する画像情報出力部16とを含み、部品特定部13は、特定された部品が含まれるユニットを認識し、画像情報出力部16は、認識されたユニットにおいて特定された部品が強調表示された画像を抽出して表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品情報閲覧プログラム、部品情報閲覧装置、部品情報閲覧システム及び部品閲覧用情報に関し、特に、各部品の情報が階層的に構成された情報の閲覧に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器は、多数の部品によって構成されている。このような機器を対象とする保守作業において作業者は、実機に対する点検を通じて交換すべき部品を確認した上で、その部品を手配する。
【0003】
このような部品手配の技術として、CAD(Computer Aided Design)システムを応用することが提案されている。この場合、CADデータの編集の必要がないため、3次元CADそのもののデータではなく、形態を参照する用途に限られた圧縮されたデータを、専用の3次元ビューワで閲覧することも行われている。
【0004】
しかしながら、ノートPC(Personal Computer)等のモバイル端末においては、圧縮されたデータとはいえ、3次元データの描画に要する処理に対して、CPU(Central Processing Unit)や、GPU(Graphics Processing Unit)の情報処理能力が不足し、閲覧の応答性が悪くなる。
【0005】
このような課題に対して、CADデータがもつ各部品の形状・位置情報、さらに部品構成情報をもとにして、適切な視線情報を決定することで、部品そのものや組付けの状態を的確に把握可能な部品単体図や組付け図に変換することにより、部品情報の閲覧時には3次元データの処理が不要となるようにする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、CADデータのような3次元モデルデータ及びパーツ構成情報を参照して生成された部品情報の閲覧において部品の検索を可能とし、選択された部品を強調表示することや選択された部品以外の部分を半透明表示することにより、装置に組み込まれた状態における部品の確認を容易化することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
3次元CADにおいては、部品の組み合わせで機械全体を表現することになるが、一般的には、全体よりも小さい単位の組み合わせ、即ち部品のデータを作り、装置全体はそれら部品のデータを組み合わせることで表現される。複数の部品が組み合わされて、装置内においてある機能を有するユニットが構成されることを考えると、装置を構成する部品の組み合わせはツリー構造で表現することができる。しかしながら、装置を構成する部品の数が膨大になると、このようなツリー構造を利用した部品情報の閲覧では、ユーザは多量の枝から部品を探すことになり、利便性が損なわれる。
【0008】
また、選択された部品を強調表示することや選択された部品以外の部分を半透明表示しても、装置が大型化し、装置に含まれる部品の量が膨大になると、対象の部品が目立たなくなってしまう。更に、装置全体の大きさに対して対象の部品が小さい場合は、解像度や表示スペース等の関係で確認すべき対象の形状が不明りょうとなってしまうこともあり得る。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、装置に含まれる部品のまとまりごとのユニットの構成がツリー上に表現された部品情報の閲覧において、ユーザによる操作性を向上すると共に細部の部品まで詳細に確認可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧装置として情報処理装置を機能させる部品閲覧プログラムであって、表示するべきユニットの識別情報を記憶するステップと、ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶するステップと、前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示するステップと、前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得するステップと、前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれるユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識するステップと、前記認識されたユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させるステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0011】
また、現在表示中のユニットに含まれる部品夫々を表示するための画像を、前記ユニット詳細情報を参照することにより前記画像情報から抽出して一覧表示すると共に、前記ユーザの操作に応じて特定された部品を前記一覧表示において強調表示するステップを前記情報処理装置に更に実行させることが好ましい。
【0012】
また、前記一覧表示において強調表示された部品の画像中に、前記複数のユニットのうち現在表示されているユニットの下位のユニットを表示する旨の命令を入力するための指示部を表示するステップを前記情報処理装置に更に実行させることが好ましい。
【0013】
また、前記ユニット構成情報、ユニット詳細情報及び画像情報のうち少なくとも一つをネットワークを介して取得するステップを前記情報処理装置に更に実行させることが好ましい。
【0014】
また、前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像において前記特定された部品が表示されている範囲を指定する範囲指定情報を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより取得するステップと、前記取得された範囲指定情報によって指定される範囲を拡大表示するステップとを前記情報処理装置に更に実行させることが好ましい。
【0015】
他方、本発明の他の態様は、装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧装置であって、表示するべきユニットの識別情報を記憶する表示ユニット識別情報記憶部と、ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶する特定部品識別情報記憶部と、前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示する特定部品強調表示処理部と、前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得する下位ユニット識別情報取得部と、前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれる特定部品包含ユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識する特定部品包含ユニット認識部とを含み、前記特定部品強調表示処理部は、更に、前記認識された特定部品包含ユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の更に他の態様は、装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧システムであって、前記ユニット構成情報、前記ユニット詳細情報及び前記画像情報をネットワークを介して提供する情報提供装置と、前記提供される情報に基づいて前記装置を構成する部品の情報を閲覧させる部品閲覧装置とを含み、前記部品閲覧装置は、表示するべきユニットの識別情報を記憶する表示ユニット識別情報記憶部と、ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶する特定部品識別情報記憶部と、前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示する特定部品強調表示処理部と、前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得する下位ユニット識別情報取得部と、前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれる特定部品包含ユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識する特定部品包含ユニット認識部とを含み、前記特定部品強調表示処理部は、更に、前記認識された特定部品包含ユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の更に他の態様は、装置を構成する部品の情報を部品閲覧装置に閲覧させるための部品閲覧用情報であって、装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報と、前記複数のユニット夫々を識別するユニット識別情報、前記夫々のユニットの形態を表示するための画像情報を識別するユニット画像識別情報、前記夫々のユニットに含まれる部品を識別する部品識別情報、前記部品識別情報によって識別される部品を表示するための画像情報を識別する部品画像識別情報及び前記ユニットにおいて前記部品が強調表示された状態を表示するための画像情報を識別する強調表示画像識別情報が関連付けられたユニット詳細情報と、前記ユニット画像識別情報、前記部品画像識別情報及び前記強調表示画像識別情報によって識別される画像情報とを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置に含まれる部品のまとまりごとのユニットの構成がツリー上に表現された部品情報の閲覧において、ユーザによる操作性を向上すると共に細部の部品まで詳細に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る閲覧プログラムの機能構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るユニット構成情報の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るユニット詳細情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電子カタログのGUIの例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電子カタログのGUIの例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る電子カタログのGUIの例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る閲覧プログラムの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るカタログ情報生成の概念を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態に係る機器構成情報の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る機器設計情報の例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るカタログ情報の生成動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の他の実施形態に係る部品閲覧システムの運用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、3次元モデルデータであるCAD(Computer Aided Design)データに基づいて生成されたカタログ情報の閲覧・検索が可能な部品情閲覧プログラム及び部品閲覧装置について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る部品閲覧装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る部品閲覧装置1は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る部品閲覧装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
【0022】
CPU10は演算手段であり、部品閲覧装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0023】
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが部品閲覧装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが部品閲覧装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0024】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたOS(Operation System)や部品閲覧プログラム等がRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る部品閲覧装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0025】
次に、本実施形態に係る部品閲覧装置1において、部品閲覧プログラムによって実現される機能について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る部品閲覧プログラム11が情報処理装置上で動作することにより実現される機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る部品閲覧プログラム11は、操作情報取得部12、部品特定部13、ユニット特定部14、部品情報参照部15、画像情報出力部16、構成情報参照部17及びカタログ情報記憶部18を含む。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る部品閲覧プログラム11は、CADデータに基づいて生成されたカタログ情報を記憶しているカタログ情報記憶部18と、そのカタログ情報を効率的に閲覧するために構成された各モジュールとで構成されている。
【0027】
操作情報取得部12は、ユーザによる操作部70を介した操作の情報を取得し、部品特定部13及びユニット特定部14に命令を出力する。部品特定部13は、操作情報取得部12から入力された命令に従い、カタログ情報記憶部18に記憶されている部品の情報から部品の識別情報を取得して記憶する。即ち部品特定部13は、特定部品識別情報記憶部として機能する。ユニット特定部14は、操作情報取得部12から入力された命令に従い表示するべきユニットの識別情報を記憶し、必要に応じて画像情報出力部16若しくは部品特定部13に通知する。即ち、ユニット特定部14は、ユニット識別情報記憶部として機能する。
【0028】
部品情報参照部15は、部品特定部13の制御に従ってカタログ情報記憶部18を参照し、部品の情報を抽出して部品特定部13に渡す。画像情報出力部16は、部品特定部13またはユニット特定部14の制御に従い、カタログ情報記憶部18から部品やユニットの画像を取得して部品閲覧プログラムのGUI(Graphical User Interface)を表示するための表示情報を生成して出力する。構成情報参照部17は、ユニット特定部14の制御に従ってカタログ情報記憶部18を参照し、装置を構成するユニットの情報を抽出してユニット特定部14に通知する。
【0029】
次に、カタログ情報記憶部18に記憶されている本実施形態のカタログ情報について説明する。本実施形態に係るカタログ情報は、ユニット構成情報、ユニット詳細情報及び画像情報の3種類の情報を含む。図3は、ユニット構成情報の例を示す図である。図3に示すように、本実施形態に係るユニット構成情報は、装置を構成するユニット間の組み合わせ関係をツリー構造で記述する情報である。
【0030】
例えば、装置全体は、“MAIN UNIT 1”、“MAIN UNIT 2”、“MAIN UNIT 3”・・・といったユニットの組み合わせによって構成されている。そして、“MAIN UNIT 1”は、“SUB UNIT 1”、“SUB UNIT 2”、“SUB UNIT 3”・・・といったユニットの組み合わせによって構成されている。更に、“SUB UNIT 1”は、“SUB2 UNIT 1”、“SUB2 UNIT 2”、“SUB2 UNIT 3”・・・といったユニットの組み合わせによって構成されている。
【0031】
尚、図3においては図示の簡略化のために省略されているが、“MAIN UNIT 2”、“MAIN UNIT 3”や、“SUB UNIT 2”、“SUB UNIT 3”等、他のユニットの下位にも、装置の構成に応じて更にユニットが存在する。図3に示す各ブロック、即ちユニットは、複数の部品の集合によって構成されているものであり、アセンブリとも呼ばれる。
【0032】
図4は、本実施形態に係るユニット詳細情報の例を示す図である。ユニット詳細情報は、図3に示す各ブロック、即ちユニット毎に記憶されており、夫々のユニットについての詳細な情報が記述された情報である。図4に示すように、本実施形態に係るユニット詳細情報は、そのユニットの識別情報である“ユニットID”、そのユニットの名称である“ユニット名”、そのユニットを検索する際の“キーワード”、そのユニットに含まれる部品の種類の数を示す“包含部品種類数”、部品閲覧プログラムのGUI上においてそのユニットが選択された際にGUI上に表示される画像の識別情報である“ユニット画像ID”に加えて、そのユニットが包含する部品の情報である部品情報を、包含する部品の種類の数だけ含む。
【0033】
部品情報は、図4に示すように、その部品の識別情報である“部品ID”、その部品の名称である“部品名”、そのユニットにおいてその部品が含まれている数を示す“個数”、その部品単体の画像の識別情報である“部品画像ID”、そのユニットにおいてその部品が強調された画像の識別情報である“強調表示画像ID”、上述した“強調表示画像ID”によって識別される画像においてその部品が表示されている範囲を示す“座標”の情報を含む。即ち、“座標”の情報は、強調表示画像において表兆表示されている画像が表示されている範囲を指定する範囲指定情報である。尚、上記“ユニット画像ID”、“部品画像ID”及び“強調表示画像ID”によって識別される画像の情報は、カタログ情報記憶部18内の画像情報を識別するための情報である。
【0034】
次に、本実施形態に係る部品閲覧プログラムのGUIの表示態様について説明する。図5は、本実施形態に係る部品閲覧プログラムのGUI(Graphical User Interface)を示す図である。図5に示すように、本実施形態に係るGUIは、部品ツリー表示部101、部品情報表示部102、ユニット画像表示部103、パーツ一覧表示部104、部品検索部105及び発注操作部106を含む。
【0035】
本実施形態に係る閲覧プログラムのGUIにおいては、少なくともユニットが選択され、更にユーザの操作に応じて部品が選択される。選択されているユニットのユニットIDはユニット特定部14によって記憶され、選択されている部品の部品IDは、部品特定部13によって記憶される。そして、少なくとも選択されたユニットが表示されると共に、部品が選択されている場合はその部品が強調表示される。図5は、装置全体が選択されている状態におけるGUIの例である。
【0036】
部品ツリー表示部101は、図3において説明したユニット構成情報及びユニット詳細情報に従い、対象の機器に含まれるユニット及び部品の構成をツリー状に表示する。また、本実施形態に係る部品ツリー表示部101においては、ユニットのみが選択されている場合はユニット名が反転表示され、部品が選択されている場合は、部品名が反転表示される。部品情報表示部102は、選択中の部品若しくはユニットについての属性情報を表示する。尚、ユニットが選択されている場合は図5に示す“ユニット名”のみが表示され、部品が選択されている場合、“部品ID”、“部品名”に加えて、その部品が含まれているユニットの“ユニット名”が表示される
【0037】
ユニット画像表示部103は、選択されているユニットの画像を表示すると共に、部品が選択されている場合は、その部品が強調された画像を表示する。パーツ一覧表示部104は、選択されたているユニットを構成している全部品の画像を一覧表示する。更に、本実施形態に係るパーツ一覧表示部104においては、選択されている部品が強調表示される。
【0038】
ユーザは、クライアント端末1に備えられているマウス等のポインティングデバイスを用いることにより、上記部品ツリー表示部101、パーツ一覧表示部104若しくはユニット画像表示部103をクリックして選択することにより、部品を選択する。
【0039】
部品検索部105は、ユーザがカタログ内の部品を検索するためのGUIである。本実施形態に係る部品検索部105は、文字情報を入力するための入力欄及び検索の実行を指示する検索ボタンを含む。ユーザが部品検索部105に設けられている入力欄に、目的の部品の部品名や、上述した“キーワード”等を入力して検索ボタンをクリックすることにより、部品カタログよって提供される検索機能が、内部の情報を検索してGUIに検索結果を表示する。
【0040】
部品検索部105において入力された情報は、操作情報取得部12を介して部品特定部13に入力される。そして、部品情報参照部15が、入力された情報に従って上述したユニット詳細情報を検索することにより、部品情報の検索が実現される。この際、部品特定部13には、選択中のユニットのユニットIDがユニット特定部14から通知される。部品情報参照部15は、そのユニットIDにおける部品情報を検索対象とする。
【0041】
発注操作部106は、ユーザが、カタログにおいて選択した部品の発注に関する操作を行うためのGUIである。本実施形態に係る発注操作部106は、選択中の部品の発注数量を入力するための入力欄、選択中の部品を発注部品に追加することを指示する“発注部品に追加”ボタン及び発注部品に追加した部品を表示することを指示する“追加済み部品表示”ボタンを含む。
【0042】
ユーザが発注操作部106に設けられている入力欄に部品の発注数を入力して“発注部品に追加”ボタンをクリックすることにより、選択中の部品が入力された数量分発注部品として一時的に記憶される。その後、ユーザが発注操作部106に設けられている“追加済み部品表示”ボタンをクリックすることにより、発注部品として一時的に記憶された部品の一覧(以降、発注部品一覧とする)及び発注の確定を行うためのGUIが表示される。
【0043】
次に、図5に示す状態から特定の部品が指定された場合のGUIについて、図6を参照して説明する。図6は、装置全体の下位の“外装”ユニットの更に下位の“電装”に含まれる“ファンA”という部品が選択された状態を示す図である。尚、このような部品の選択については、上述したように、部品ツリー表示部101においてツリーを展開して選択する態様や、パーツ一覧表示部104に表示された部品をクリックして選択する態様、部品検索部105における検索によって選択する態様、そして、ユニット画像表示部103をクリックして選択する態様がある。
【0044】
ユーザがマウスを操作してユニット画像表示部103上でクリックを行うと、操作情報取得部12は、ユーザがクリックした位置の座標、即ち、ユニット画像表示部103に表示されている画像上での座標を取得する。そして、部品特定部は13が、上記取得された座標に基づき、部品情報参照部15に部品情報中の“座標”を検索させる。尚、この際検索対象となるのは、現在選択されているユニットのユニット詳細情報における部品情報のみである。
【0045】
このようにして“ファンA”が選択され、部品特定部13が“ファンA”を特定すると、部品特定部13は、画像情報出力部16に対して、“ファンA”の“部品ID”を通知し、ユニット画像表示部103の表示を切り替えるように命令を送信する。これにより、画像情報出力部16が、上記“ファンA”の“部品ID”及びユニット特定部14によって記憶されている装置全体の“ユニットID”に基づいてカタログ情報記憶部18に記憶されているユニット詳細情報を参照し、“全体”のユニット詳細情報における“ファンA”の“部品画像ID”及び“強調表示画像ID”に基づいて画像情報を取得すると共に、部品名等の情報を取得する。そして、画像情報出力部16は、取得した情報に基づいてGUIの画面を更新する。このような処理の結果、図6に示すように、ユニット画像表示部103に表示される画像が、ファンAのみが実線で表示され、他の部品及びユニットが破線で示された画像に切り替わると共に、部品情報表示部102の表示が切り替わる。
【0046】
本実施形態に係るユニット画像表示部103においては、図6に示すように、選択されている部品が含まれるユニット全体が破線で表示され、選択されている部品が実線で表示されることにより、選択された部品の識別及びユニット内での位置の識別が容易化されている。尚、多色表示が可能なGUIの場合は、実線及び破線の使い分けではなく、異なる色を用いることにより部品の識別を行っても良い。若しくは、部品の塗り分け等により、選択された部品が強調表示されるようにしても良い。
【0047】
また、図6に示すように、ユニット画像表示部103の一部に選択部品拡大表示部107が設けられる。選択部品拡大表示部107においては、選択されている部品が拡大表示される。この拡大表示は、画像情報出力部16が、部品特定部13から通知された“部品ID”に基づいて部品情報中の“座標”を参照し、強調表示画像においてその“座標”によって特定される範囲を拡大表示することにより実現される。このような処理により、選択された部品をより詳細にユーザに把握させることができる。
【0048】
そして、パーツ一覧表示部104においても、選択されているファンAが強調表示される。更に、本実施形態に係る部品閲覧プログラムのGUIにおいては、パーツ一覧表示部104において強調表示された部品の枠内に、上位移動指示部104a及び下位移動指示部104bが表示される。この上位移動指示部104a及び下位移動指示部104bによって実現される機能が、本実施形態に係る要旨の1つである。
【0049】
上位移動指示部104a及び下位移動指示部104bは、選択中のユニットを上位若しくは下位のユニットに切り替えることを命令するためのユーザインタフェースである。即ち、上位移動指示部104aがクリックされると、現在選択中のユニットよりも一段階上位のユニットが選択される。また、下位移動指示部104bがクリックされると、現在選択中のユニットよりも一段階下位のユニットが選択される。
【0050】
ここで、上位のユニットに移動する場合、図3に示すように一つのユニットに対する上位のユニットは一つなので、選択中のユニットをその一つの上位ユニットに切り替えれば良い。他方、一つのユニットに対する下位のユニットは、図3に示すように一つとは限らない。従って、下位移動指示部104bがクリックされることにより下位のユニットに移動する場合、複数の下位ユニットから移動するユニットを選択する必要がある。本実施形態においては、下位移動指示部104bがクリックされた場合、選択中のユニットの下位ユニットのうち、選択中の部品が含まれているユニットに移動する。
【0051】
図6に示すように、ユニットとして装置全体が選択された状態において部品を選択した場合、装置全体の大きさに対して部品が小さいと、部品の形態等を把握することが困難である。そのため、選択中の部品を選択したまま、選択中のユニットを下位に切り替えていくことが好ましいが、部品ツリー表示部101をクリックすることによりユニットを選択すると、ユニットの選択なのか部品の選択なのかを判断するステップが必要となり、ユーザに対して多くの操作を要求することになる。
【0052】
これに対して、本実施形態に係る下位移動指示部104bは、選択中の部品を明示しつつ選択中のユニットを切り替えることが可能であり、更にGUI上において追加のレイアウトスペースを必要としない。従って、装置に含まれる部品のまとまりごとのユニットの構成がツリー上に表現された部品情報の閲覧において、ユーザによる操作性を向上すると共に細部の部品まで詳細に確認することが可能となる。
【0053】
図7は、図6の状態から下位移動指示部104bが2回クリックされた場合のGUIを示す図である。図7に示すように、“全体”の下位の“外装”ユニットの更に下位である“電装”ユニットがユニットとして選択されており、ユニット画像表示部103には、“電装”ユニットにおいて“ファンA”が強調された画像が表示されている。
【0054】
図6に示す状態において、ユーザが下位移動指示部104bをクリックすると、操作情報取得部12がその旨の情報(以降、下位移動指示情報とする)を取得し、部品特定部13及びユニット特定部14に転送する。ユニット特定部14は、下位移動指示情報を取得すると、構成情報を参照して現在選択中のユニットの一段階下位に含まれるユニットのユニットIDを全て抽出するように構成情報参照部17を制御し、抽出されたユニットIDを取得する。そして、ユニット特定部14は、取得した全てのユニットID(以降、下位ユニットIDとする)を部品特定部13に通知する。
【0055】
部品特定部13は、ユニット特定部14から上記下位ユニットIDを取得すると、それらのユニットIDによって特定されるユニット詳細情報を参照して現在選択中の部品の部品IDを含むユニットを検索するように部品情報参照部15を制御する。これにより、部品特定部13は、上記下位ユニットIDによって特定されるユニットのうち、現在選択中の部品を含むユニットのユニットIDを取得する。換言すると、部品特定部13は、下位移動指示部104bに対するクリックに応じて選択を切り替えるべき対象のユニットのID(以降、切り替え先ユニットIDとする)を取得する。
【0056】
部品特定部13は、切り替え先ユニットIDを取得すると、それをユニット特定部14に通知する。これにより、ユニット特定部14は、画像情報取得部16を制御し、GUIを図7に示すような状態に更新させる。この際、画像情報取得部16は、通知されたユニットIDによって特定されるユニット詳細情報に含まれる部品情報のうち、部品特定部13が記憶している部品IDによって特定される部品の強調表示画像IDに基づいて強調表示画像を取得して表示させる。このような処理により、本実施形態に係る下位移動指示部104bがクリックされた場合の処理が完了する。
【0057】
次に、本実施形態に係る部品閲覧プログラムの動作について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る部品閲覧プログラムの動作を示すフローチャートである。図8に示すように、カタログ情報記憶部18に記憶されているカタログ情報に基づいた電子カタログの表示が開始されると(S801)、ユニット特定部14は、まず装置全体がユニットとして選択されていること、即ち、装置全体のユニットIDを部品特定部13及び画像情報出力部16に通知する。
【0058】
これにより、部品特定部13は、部品情報参照部15を介して装置全体のユニット詳細情報に含まれる部品情報の部品IDを取得する(S802)。部品特定部13は、取得した部品IDを画像情報取得部16に通知する。画像情報出力部16は、ユニット特定部14から取得したユニットIDに基づいてそのユニットのユニット画像IDを認識し、カタログ情報記憶部18からユニットの画像を取得すると共に、部品特定部13から取得した部品IDに基づいてそれらの部品の部品画像IDを認識し、カタログ情報記憶部18から部品の画像を取得する(S803)。そして、図5に示すようなGUIの画面を表示する(S804)。
【0059】
図5に示すような画面において、上述したような様々な態様により部品が指定されると(S805/YES)、部品特定部13が部品情報参照部15を介して指定された部品の部品IDを取得して記憶すると共に画像情報出力部13に入力する。そして、画像情報出力部16が、部品特定部13から入力された部品IDに基づいてその部品の強調表示画像IDを認識し、その強調表示画像を取得して図6に示すようにユニット画像表示部103の表示を更新する(S807)。即ち、画像情報出力部16が、特定部品強調表示処理部として機能する。また、指定された画像が図6に示すように強調表示されると共に、上位移動指示部104a、下位移動指示部104bが表示されるようにパーツ一覧表示部104の表示を更新する(S807)。
【0060】
図6に示すような画面において、上位移動指示部104aまたは下位移動指示部104bに対するクリック、即ち階位移動指示があったら(S808/YES)、操作情報取得部12がその情報を取得しユニット特定部14及び部品特定部13に入力する。上位移動指示部104aに対するクリックであった場合(S809/YES)、ユニット特定部14が現在選択中のユニットよりも一段階上位のユニットのユニットIDを、構成情報参照部17を介して取得し、部品特定部13に通知する(S810)。
【0061】
これにより、部品特定部13が、通知されたユニットIDによって特定されるユニットに含まれる部品の部品IDを部品情報参照部15を介して取得し(S811)、画像情報出力部16に入力する。また、S811において、部品特定部13は、及び現在選択中の部品の部品IDも画像情報出力部16に通知する。
【0062】
他方、下位移動指示部104bに対するクリックであった場合(S809/NO)、ユニット特定部14が、現在選択中のユニットの一段階下位に含まれるユニットのユニットIDを、構成情報参照部17を介して取得し、部品特定部13に通知する(S812)。即ち、ユニット特定部14が、下位ユニット識別情報取得部として機能する。
【0063】
これにより、部品特定部13が、通知されたユニットIDに対応するユニットのうち、現在選択中の部品の部品IDを含むユニットを検索し、その検索の結果抽出されたユニットのユニットIDを取得してユニット特定部14に通知すると共に、そのユニットIDによって識別されるユニット詳細情報に含まれる部品情報を取得する(S813)。即ち、部品特定部13が、特定部品包含ユニット認識部として機能する。部品特定部13は、取得した部品ID及び現在選択中の部品の部品IDを画像情報出力部16に通知する。
【0064】
S811若しくはS813の処理が完了すると、画像情報出力部16は、ユニット特定部14に記憶されているユニットIDによって識別されるユニット詳細情報を参照する。そして、部品特定部13から通知された選択中の部品が強調表示された画像の強調表示画像IDを認識してその画像情報を取得する(S814)。また、画像情報出力部16は、部品特定部13から通知された部品IDに基づいてそれらの部品の画像を取得する(S814)
【0065】
S814の処理により夫々画像情報を取得すると、取得した画像情報に基づいてユニット画像表示部103、パーツ一覧表示部104、選択部品拡大表示部107の表示を更新すると共に、選択中のユニット及び部品のIDに基づいてツリー表示部101及び部品情報表示部102の表示を更新し(S815)、処理を終了する。このような処理により、本実施形態に係る部品閲覧プログラムの動作が完了する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る部品閲覧プログラムにおいて、ユーザは、パーツ一覧表示部104に表示される上位移動指示部104a、下位移動指示部104bをクリックするのみで、選択中の部品を中心とした表示の切り替えを容易に行うことができる。これにより、装置に含まれる部品のまとまりごとのユニットの構成がツリー上に表現された部品情報の閲覧において、ユーザによる操作性を向上すると共に細部の部品まで詳細に確認可能とすることができる。
【0067】
次に、本実施形態に係るカタログ情報の生成について説明する。図9は、本実施形態に係るカタログ情報生成の概念を示す図である。図9に示すように、本実施形態に係るカタログ情報の生成に際しては、“機器設計情報”、“部品画像情報”、“機器構成情報”が用意される。まず、夫々の情報について説明する。
【0068】
図10は、“機器構成情報”の情報形式の例を示す図である。図10に示すように、本実施形態に係る機器構成情報は、テーブル状に構成され、且つ階層化されたテキスト情報であり、例えばCSV(Comma−Separated Values)形式の情報等が用いられる。図10に示すように、本実施形態に係る“機器構成情報”は、対象の機器における部品の構成が記述された情報であり“部品番号”、“階層情報”、“個数”、“部品名称”及び“発注先”の情報を含む。
【0069】
“部品番号”は、機器を構成する部品を識別する識別情報である。本実施形態に係る“部品番号”は、部品管理システムを提供しているサービス提供者によって付与される部品番号ではなく、その部品を供給しているメーカが部品を識別若しくは管理する際に用いている情報である。“階層情報”は、“機器構成情報”において階層化されている各部品の情報の階層を示す。例えば、階層“0”は、“機器構成情報”が対象としている機器そのものを示す。即ち、図10に示す情報は、“製品Z001”という機器についての“機器構成情報”である。階層が“1”、“2”等、“0”以外の1桁の場合、対象機器を大きく分割した時の夫々のユニット、即ちメインユニットを示す。即ち、図10において、“製品Z001”は、“外装”及び“電装”のユニットを含む。換言すると、階層の値が1桁の場合、機器を大きく分割した部品のグループを示す。
【0070】
以下、部品が細分化されていく毎に、階層の値が2桁、3桁と桁数が大きくなる。上記階層“1”のユニットに含まれる場合、階層の値は“1*”となる。更に、図10に示すように階層が“11”である“ケース”に含まれる部品は、階層の値が“11*”となる。図10の例において、最も細分化された部品は、“ファンA”及び“ネジ”である。
【0071】
“個数”は、上述した部品のグループにおいて、その部品が含まれている数量を示す。例えば、“ファンA”は、“ケース”において1個含まれており、“ネジ”は、“ケース”において4個含まれている。“部品名称”は、夫々の部品の名称を示す。尚、上述した部品の階層によっては、“部品名称”はユニットや、部品のグループや、対象機器そのものの名称を示す。“発注先”は、夫々の部品を発注する際の発注情報の送り先を示す。本実施形態においては、“メーカA”のように部品を提供しているメーカ名で特定されているが、情報の送付先を示すネットワークアドレスやメールアドレス並びに実際の住所等で特定しても良い。このように、機器構成情報は、対象の機器を構成する部品の部品番号によって対象の機器の構成が記述された情報である。
【0072】
“機器設計情報”は、対象の機器の立体的な構成を描画するための図面情報であり、一般的にはCAD(Computer Aided Design)の情報が用いられる。図11(a)は、本実施形態に係る“機器設計情報”に含まれる情報の例を示す図である。“機器設計情報”において機器を構成する各部品を描画するための情報は、三次元空間における線分の集合が用いられている。即ち、本実施形態に係る“機器設計情報”は、三次元空間における線分の集合によって構成されている。従って、図11(a)に示す“線分A”、“線分B”等の情報は、三次元座標によって特定される線分である。
【0073】
また、図11(a)に示すように、“機器設計情報”を構成する各線分の情報は、夫々が描画する対象の部品毎にグループ化されており、更に、夫々のグループ、即ち描画される部品毎の属性の情報として、上記“機器構成情報”に含まれる“部品番号”が設定されている。更に、部品毎にグループ化された各線分の情報には、図4において説明した“階層”の情報に対応するように、夫々の部品がどのユニットに属するかを示す“部品グループ”が設定されている。以降、この部品毎にグループ化された線分の集合を、部品描画線分情報とする。
【0074】
図11(a)に示すような“機器設計情報”に基づいて部品が立体的に描画された状態を図11(b)に示す。図11(b)は、立体的な描画の例として、1つの部品描画線分情報に含まれる線分を立体的に描画した状態を示す。
【0075】
“部品画像情報”は、上述した“機器設計情報”が無い場合に用意される部品の画像情報であり、デジタルカメラ等によって撮影された部品の写真の情報や、オペレータによって描画された部品のイラストの情報等が用いられる。この“部品画像情報”にも、上述した部品描画線分情報と同様に、上記“機器構成情報”に含まれる“部品番号”が属性情報として設定されている。
【0076】
これら3つの情報に基づき、カタログ生成装置2がカタログ情報を生成する。尚、カタログ生成装置2も、図1において説明したような一般的な情報処理装置と同様のハードウェア構成を有する。即ち、カタログ生成装置2に設けられたRAM20にロードされたプログラムに従って処理を行うCPU10が、カタログ情報生成部として機能する。図9に示すように、カタログ生成装置2は、“機器設計情報”に基づいて部品の画像を生成すると共に、そのように生成された画像若しくは“部品画像情報”と“機器構成情報”とに基づいてカタログの情報を生成する。
【0077】
図12を参照して、カタログ生成装置2によるカタログ生成動作について説明する。図12に示すように、まずカタログ生成装置2は、機器構成情報から部品の属性情報を取得し、図3、図4において説明したようなユニット詳細情報及びユニット構成情報の情報形式に変換する(S1201)。この属性情報とは、図10において説明した各項目の情報である。即ち、S1201においては、図3、図4に示すユニット構成情報及びユニット詳細情報が生成される。具体的には、図10に示す“部品番号”及び“階層”の情報に基づいてユニット構成情報が生成されると共に、“部品番号”や“部品名称”等の情報に基づいてユニット詳細情報が生成される。
【0078】
次に、カタログ生成装置2は、S1201において取得した情報のうち部品番号に基づいて機器設計情報に含まれる部品描画線分情報の属性情報を検索し、対応する部品番号があるか否か判断する(S1202)。対応する部品番号がある場合(S1202/YES)、カタログ生成装置2は、対応する部品番号が属性情報として設定された部品描画情報に基づき、二次元の画像情報を生成する(S1203)。即ち、カタログ生成装置2において、RAM20に読み出されたプログラムに従って処理を行うCPU10が、画像情報生成部として機能する。
【0079】
尚、S1203において、カタログ生成装置2は、その部品の画像情報に加えて、その部品を含むユニット全体においてその部品が強調表示された画像をも生成する。例えば、図10に示す“ファンA”の場合、“ファンA”単体の画像に加えて、“ケース”において強調表示された画像と、“外装”において強調表示された画像とが生成される。
【0080】
S1203において二次元の画像情報を生成すると、カタログ生成装置2は、生成した画像情報を、S1201において変換した属性情報と関連付ける(S1204)。具体的に、S1204においては、S1203にて生成された画像情報夫々に対して、図4に示す“ユニット画像ID”、“部品画像ID”、“強調表示画像ID”のいずれかが夫々の画像の種類に応じて割り振られると共に、S1201において生成されたユニット詳細情報の夫々の項目に、上記割り振られたIDが書き込まれる。
【0081】
他方、S1202の判断の結果、対応する部品番号が無かった場合(S1202/NO)、カタログ生成装置2は、同様に“部品画像情報”の属性情報を検索し、対応する部品番号があるか否か判断する(S1205)。対応する部品番号がある場合(S1205/YES)、カタログ生成装置2は、その画像情報をS1201において変換した属性情報と関連付ける(S1204)。
【0082】
他方、S1205の判断の結果、対応する部品番号が無かった場合(S1205/NO)、S1201において取得した部品の画像情報(上述した“ユニット画像ID”、“部品画像ID”、“強調表示画像ID”のいずれか)は“無し”として情報を登録する(S1206)。S1204若しくはS1206の処理が終了すると、カタログ生成装置2は、再度機器構成情報を参照し、まだ取得していない部品の情報があるか否か判断する(S1207)。
【0083】
S1207の判断の結果、他の部品の情報がなければ(S1207/YES)、カタログ生成装置2はそのまま処理を終了する。他方、他の部品の情報があれば(S1207/NO)、カタログ生成装置2は、S1201からの処理を繰り返す。このような処理により、カタログ生成装置2によるカタログ情報の生成処理が完了する。このような処理により、本実施形態に係るカタログ情報記憶部18に記憶されるカタログ情報が生成される。
【0084】
その他の実施形態.
実施の形態1においては、図2に示すように、部品閲覧プログラムがカタログ情報記憶部18をも含んでいる場合を例として説明した。しかしながら、情報記憶部18がネットワークを介して提供された部品閲覧システムとして運用することも可能である。そのようなシステムの例を図13に示す。
【0085】
図13は、カタログ情報がネットワークを介して提供される部品閲覧システムの運用形態を示す図である。図13に示すように、部品閲覧装置1はネットワークを介してカタログ情報提供サーバ3に接続されている。そして、図2において説明したカタログ情報記憶部18に替えて、カタログ情報保持部19を含む。
【0086】
部品閲覧装置1は、ネットワークを介して情報をやり取りするためのインタフェースであるネットワークI/F51を含む。カタログ情報保持部19は、ネットワークI/F51を介してネットワーク経由でカタログ情報提供サーバ3からカタログ情報を取得して保持する。即ち、カタログ情報提供サーバ3が、情報提供装置として機能する。このような構成によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能である。
【0087】
また、実施の形態1の態様によれば、カタログ情報が更新される場合、夫々の部品閲覧装置1において夫々カタログ情報記憶部18の更新が必要となる。これに対して、図13の態様の場合、カタログ情報提供サーバ3に記憶されているカタログ情報を更新することにより、部品閲覧装置1は最新のカタログ情報を参照することが可能となり、ユーザによる情報更新の手間を低減することが可能となる。また、部品閲覧装置1に全てのカタログ情報を格納する必要がない分、部品閲覧装置1に要求される記憶媒体の記憶容量を低減することができる。
【0088】
また、上記実施形態においては、部品ツリー表示部101において、ユニット及び部品の構成をツリー状に表示する態様を例として説明したが、ユニットをファイル管理システムにおけるディレクトリのように扱い、ユニットのみをツリー表示するようにしても良い。この場合、101は部品ツリー表示部ではなくユニットツリー表示部として機能する。
【0089】
また、上記実施形態においては、図6に示すように、選択中のユニットが反転表示される態様について説明した。この他、上位移動指示部104a若しくは下位移動指示部104bが操作されることにより、対象のユニットが切り替えられた場合は、切り替え前のユニット及び切り替え後のユニットを双方強調表示するようにしても良い。この場合、白黒反転表示の他、他の色を背景として強調表示することにより、切り替え前のユニットと切り替え後のユニットとを明示することができる。
【0090】
また、上記実施形態においては、選択部品拡大表示部107において、選択されている部品が拡大表示される態様を例として説明した。この他、図7のようにユニット画像表示部103の表示がユニット単位に切り替わった場合においては、装置全体において対象のユニットが強調表示された画像若しくは対象の部品が強調表示された画像が表示されるようにしても良い。これにより、選択中のユニットが装置全体においてどのような向きで、どのような位置に配置されているかも確認することができる。この場合、107は、選択部品拡大表示部ではなく、装置全体表示部として機能する。
【0091】
また、上記実施形態においては、パーツ一覧表示部104において、選択されているユニットを構成している全部品の画像を一覧表示する態様を例として説明した。この他、部品検索部105やユニット画像表示部103を介して入力された情報に基づく部品の検索結果を表示しても良い。この場合、パーツ一覧表示部104は、検索結果表示部として機能する。尚、部品検索部105を介した検索については上述した通りであるが、ユニット画像表示部103を介した検索は、例えば、ユーザがユニット画像表示部103状においてマウスをドラッグアンドドロップ等して範囲を指定することにより、入力された範囲の座標に対応する部品が部品情報参照部15によって抽出される。
【符号の説明】
【0092】
1 部品閲覧装置、
2 カタログ生成装置、
3 カタログ情報提供サーバ、
10 CPU、
11 部品閲覧プログラム、
12 操作情報取得部、
13 部品特定部、
14 ユニット特定部、
15 部品情報参照部、
16 画像情報出力部、
17 構成情報参照部、
18 カタログ情報記憶部、
19 カタログ情報保持部、
20 RAM、
30 ROM、
40 HDD、
50 I/F、
51 ネットワークI/F、
60 LCD、
70 操作部、
80 バス、
101 部品ツリー表示部、
102 部品情報表示部、
103 ユニット画像表示部、
104 パーツ一覧表示部、
105 部品検索部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2007−293437号公報
【特許文献2】特開2007−109221号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧装置として情報処理装置を機能させる部品閲覧プログラムであって、
表示するべきユニットの識別情報を記憶するステップと、
ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶するステップと、
前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示するステップと、
前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得するステップと、
前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれるユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識するステップと、
前記認識されたユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させるステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする部品情報閲覧プログラム。
【請求項2】
現在表示中のユニットに含まれる部品夫々を表示するための画像を、前記ユニット詳細情報を参照することにより前記画像情報から抽出して一覧表示すると共に、前記ユーザの操作に応じて特定された部品を前記一覧表示において強調表示するステップを前記情報処理装置に更に実行させることを特徴とする請求項1に記載の部品情報閲覧プログラム。
【請求項3】
前記一覧表示において強調表示された部品の画像中に、前記複数のユニットのうち現在表示されているユニットの下位のユニットを表示する旨の命令を入力するための指示部を表示するステップを前記情報処理装置に更に実行させることを特徴とする請求項2に記載の部品情報閲覧プログラム。
【請求項4】
前記ユニット構成情報、ユニット詳細情報及び画像情報のうち少なくとも一つをネットワークを介して取得するステップを前記情報処理装置に更に実行させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の部品情報閲覧プログラム。
【請求項5】
前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像において前記特定された部品が表示されている範囲を指定する範囲指定情報を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより取得するステップと、
前記取得された範囲指定情報によって指定される範囲を拡大表示するステップとを前記情報処理装置に更に実行させることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の部品情報閲覧プログラム。
【請求項6】
装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧装置であって、
表示するべきユニットの識別情報を記憶する表示ユニット識別情報記憶部と、
ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶する特定部品識別情報記憶部と、
前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示する特定部品強調表示処理部と、
前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得する下位ユニット識別情報取得部と、
前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれる特定部品包含ユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識する特定部品包含ユニット認識部とを含み、
前記特定部品強調表示処理部は、更に、前記認識された特定部品包含ユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させることを特徴とする部品情報閲覧装置。
【請求項7】
装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報、前記複数のユニット夫々に含まれる部品の情報であるユニット詳細情報及び前記複数のユニット夫々の形態を表示するための画像情報に基づき、前記装置を構成する部品の情報を閲覧するための部品閲覧システムであって、
前記ユニット構成情報、前記ユニット詳細情報及び前記画像情報をネットワークを介して提供する情報提供装置と、
前記提供される情報に基づいて前記装置を構成する部品の情報を閲覧させる部品閲覧装置とを含み、
前記部品閲覧装置は、
表示するべきユニットの識別情報を記憶する表示ユニット識別情報記憶部と、
ユーザの操作に応じて特定された部品の識別情報を記憶する特定部品識別情報記憶部と、
前記特定された部品が現在表示中のユニットにおいて強調表示された画像を、前記記憶された識別情報に基づいて前記ユニット詳細情報を参照することにより、前記画像情報から抽出して表示する特定部品強調表示処理部と、
前記記憶された識別情報によって識別されるユニットの下位のユニットを表示する旨の命令に基づき、現在表示されているユニットを構成する複数の下位ユニットの識別情報を、前記ユニット構成情報を参照して取得する下位ユニット識別情報取得部と、
前記取得された複数の下位ユニットの識別情報に基づき、前記複数の下位ユニットのうち前記特定された部品が含まれる特定部品包含ユニットを前記ユニット詳細情報に基づいて認識する特定部品包含ユニット認識部とを含み、
前記特定部品強調表示処理部は、更に、前記認識された特定部品包含ユニットにおいて前記特定された部品が強調表示された画像を前記画像情報から抽出して表示させることを特徴とする部品情報閲覧システム。
【請求項8】
装置を構成する部品の情報を部品閲覧装置に閲覧させるための部品閲覧用情報であって、
装置に含まれる複数のユニットの前記装置における構成をツリー形式で示すユニット構成情報と、
前記複数のユニット夫々を識別するユニット識別情報、前記夫々のユニットの形態を表示するための画像情報を識別するユニット画像識別情報、前記夫々のユニットに含まれる部品を識別する部品識別情報、前記部品識別情報によって識別される部品を表示するための画像情報を識別する部品画像識別情報及び前記ユニットにおいて前記部品が強調表示された状態を表示するための画像情報を識別する強調表示画像識別情報が関連付けられたユニット詳細情報と、
前記ユニット画像識別情報、前記部品画像識別情報及び前記強調表示画像識別情報によって識別される画像情報とを含む部品閲覧用情報。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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