説明

部品搭載用部材、その良否判別方法及び生産装置

【課題】生産設備の認識センサの交換などの投資を掛けずに、アイランドを高密度に形成することのできる部品搭載用部材と、製品管理方法を提供する。
【解決手段】部品搭載用部材100は、短辺方向の同一列上の各アイランド11〜16に対応する良否識別マーク41〜52が、複数の短辺方向の列の延長上片側又は両側の領域に分散されて配置されており、短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する良否識別マークの各位置は、部品搭載用部材を長辺方向に1ピッチずつ移動させた場合に重ならないように配置されている構造を有しているので、同一列上の各アイランドに対置する良否識別マーク同士の配置間隔を大きくとることができる。これにより、認識センサ3のサイズからくる高密度化に対する制約を受けにくくなり、生産装置の認識センサの交換など、投資を掛けることなく部品搭載用部材にアイランドを高密度に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に部品搭載用部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気機器は、小型化及び低価格化が進んでいる。特に、半導体装置は単価が安価である為、材料そのものを高密度で使用できる様な設計等による、材料費低減が求められる。また、電気機器の小型化及び材料費低減施策の設計変更を目的として上記の様に、同一部材上に高密度に形成されるよう設計された部品搭載部分を、個々に良否判別管理することが必要である。これを満足する為には、生産装置の改造を伴う為、投資を抑える様な部材設計や、管理方法が求められる。図7は従来の長尺基板部材(部品搭載用部材)の例を示す平面図である。図8は従来のテープ形状部材(部品搭載用部材)の例を示す図である。図11〜図15に従来の、上記長尺基板部材に電子部品を搭載する領域、又は電気回路を設けたり特別な処理を施した領域であるアイランド1(以下、適宜「アイランド」と称する)と、アイランド1及び搭載した電子部品の良品・不良品識別用マーク2(以下、適宜「良否識別マーク」と称する)と、生産装置の透過型又は反射型の光学センサである安価な良品・不良品識別用マーク認識センサ3(以下、適宜「認識センサ」と称する)の相関図を示す。
【0003】
図9に長尺基板又はテープ形状部材を流動する、生産装置の概略ブロック図を示す。
【0004】
図10に長尺基板又はテープ形状部材を使用した生産処理のフロー図を示す。
【0005】
図7及び図8に示される部品搭載用部材は、金属又は、樹脂を原材料とする板状、又はテープ状の部材である。この部材面内に、半導体装置などの構成部材として使用されるアイランド1と、アイランド1の良品・不良品の良否判別を識別するための良否識別マーク2がエッチング、積層処理、又はパンチングによって形成される。この良否識別マーク2は、貫通穴を抜く、又は特殊な色マーカーによってマーキングする等により、光学センサで良品・不良品の認識を行っている。また、アイランド1は、それ自身が不良である場合、及び搭載した電子部品が不良である場合がある為、アイランド1の良否判別が必要となる。生産装置の例として部品搭載装置を示す概略ブロック図を図9に示す。記憶部6、制御部7、及び演算部8等からなる制御装置10と、認識センサ3、位置決め部4、搬送部5、及び加工・処理部9とによって構成される。また、これが検査装置の場合は、検査部及びマーキング部が加工・処理部9に相当する。この生産装置は、この長尺基板部材、又はテープ形状部材を図11〜図14に示す(移動前)から(移動後)へと長辺方向に順送し、所定のアイランド上に電子部品や半導体チップを搭載する際、及び電子部品搭載後に個々のアイランド単位で切断する際に、アイランドのピッチ毎に停止、及び位置決めを行なう。その際に、認識センサ3で良否識別マーク2をセンシングし、所定ピッチのアイランド毎の良否を判別する為に、良否識別マーク2をアイランド1の同一列上に同数設ける構造が一般的である。良否識別マーク2は、生産装置の認識センサ3によって識別され、良品と判別された良否識別マーク2と対置したアイランド1が生産のため次工程へ送られる。
【0006】
以下、図10に示したフローチャートを参照しながら、長尺基板部材又は、テープ形状部材を生産処理する手順例を説明する。
【0007】
生産処理工程ではまず、長尺基板部材(又は、テープ形状部材)を生産装置へセットする(ステップS1)。アイランドを加工・処理部9に搬送する(ステップS2)。加工・処理部9にある対象アイランドの、同一列上に配置された良否識別マーク2を認識センサ3で検出する(ステップS3)。対象アイランドの良否を判別する(ステップS4)。判別の結果、対象アイランドが不良品の場合、対象アイランドへの加工を行わない(ステップS5)。対象アイランドが良品の場合、対象アイランドを加工・処理する(ステップS6)。対象アイランドの列の判別・加工・処理が完了したかを判別する(ステップS7)。未判別アイランドがある場合、ステップS4〜S7を繰り返す。対象アイランドの列に未判別アイランドがない場合は、長尺基板部材の全てのアイランドが判別・加工・処理されたかを判別する(ステップS8)。長尺基板部材内に未判別アイランドがある場合は、長尺基板部材をアイランドの1ピッチ分順送し(ステップS9)、ステップS2〜S9を繰り返す。長尺基板部材内に未判別アイランドがない場合は、長尺基板部材を検査装置へ搬送する(ステップS10)。
【0008】
検査工程ではまず、アイランドを検査部に搬送する(ステップS11)。検査部にある対象アイランドを検査する(ステップS12)。対象アイランドの良否を判別する(ステップS13)。対象アイランドが不良品の場合、良否識別マーク2へマーキングする(ステップS14)。対象アイランドが良品の場合は、良否識別マーク2への処理を行わない。対象アイランドの列の検査・マーキング処理が完了したか判別する(ステップS15)。未検査アイランドがある場合、ステップS12〜S15を繰り返す。対象アイランドの列に未検査アイランドがない場合は、長尺基板部材の全てのアイランド1が検査されたか判別する(ステップS16)。長尺基板部材内に未検査アイランドがある場合は、長尺基板部材をアイランドの1ピッチ分順送し(ステップS17)、ステップS11〜S17を繰り返す。長尺基板部材内に未検査アイランドがない場合は、長尺基板部材を次工程へ搬送する(ステップS18)。以上が主な処理フローである。
【0009】
以下に、従来のアイランドと良否識別マークの配置、及び管理方法について、図11〜図14を用いて詳細に説明する。図11及び図12に同一列のアイランドと同数の良否識別マークが、同列のアイランドの延長上片側に配置された例を示す。
【0010】
図11は生産装置で部品搭載用部材を1ピッチ順送する前後の例を示す図である。(移動前)に示すように、アイランド1と良否識別マーク2が同じ長尺基板部材200上に配置されている。個々のアイランド1は長尺基板部材200に短辺方向の1列につき2つずつ並んで配置されている。同一列上のアイランド11、12に対置する良否識別マーク41、42が同一列上長辺方向に沿って順番に配置されている。上記構造が長辺方向に沿って複数形成されている。同一列のアイランド11、12に対置する良否識別マーク41、42は、認識センサ3の個々の認識センサ71、72によってそれぞれセンシングされ、アイランド11、12の良否が判別される。アイランド11に対置するのが良否識別マーク41であり、認識センサ71でセンシングされ、管理される。同様にアイランド12に対置するのが良否識別マーク42であり、認識センサ72でセンシングされ、管理される。
【0011】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図11の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド13、14であり、先に述べた管理方法と同様に、アイランド13は、良否識別マーク43を認識センサ71でセンシングを行うことにより良否を判別され、アイランド14は、良否識別マーク44を認識センサ72でセンシングを行うことにより良否を判別される。
【0012】
図12は図11の例のアイランド1と異なり、同一列上に4つずつのアイランド11〜14が並ぶ例である。同様にアイランド11〜14に対置して、同一列上に良否識別マーク41〜44が長辺方向に沿って順番に配置されている。上記構造が長辺方向に沿って複数形成されている。同一列のアイランド11〜14に対置する良否識別マーク41〜44は、認識センサ3の個々の認識センサ71〜74によってそれぞれセンシングされ、アイランド11〜14の良否が判別される。
【0013】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図14の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド15〜18であり、先に述べた管理方法と同様に、アイランド15は、良否識別マーク45を認識センサ71でセンシングを行い、アイランド16は、良否識別マーク46を認識センサ72でセンシングを行い、アイランド17は、良否識別マーク47を認識センサ73でセンシングを行い、アイランド18は、良否識別マーク48を認識センサ74でセンシングを行うことにより良否を判別される。
【0014】
また、図13、図14に、同一列上のアイランドと同数の良否識別用マークが、同列のアイランドの延長上両側に配列された例を示す。
【0015】
図13は生産装置で部品搭載用部材を1ピッチ順送する前後の例を示す図である。(移動前)に示すように、アイランド1と良否識別マーク2が同じ長尺基板部材220上に配置されている。個々のアイランド1は長尺基板部材220に短辺方向の1列につき2つずつ並んで配置されている。同一列上のアイランド11、12に対置する良否識別マーク41、44が同一列上の両側に分配して配置されている。上記構造が長辺方向に沿って複数形成されている。同一列のアイランド11、12に対置する良否識別マーク41、44は、認識センサ3の個々の認識センサ71、72によってそれぞれセンシングされ、アイランド11、12の良否が判別される。アイランド11に対置するのが良否識別マーク41であり、認識センサ71でセンシングされ、管理される。同様にアイランド12に対置するのが良否識別マーク44であり、認識センサ72でセンシングされ、管理される。
【0016】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図13の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド13、14であり、先に述べた管理方法と同様に、アイランド13は、良否識別マーク42を認識センサ71でセンシングを行うことにより良否を判別され、アイランド14は、良否識別マーク45を認識センサ72でセンシングを行うことにより良否を判別される。
【0017】
図14は図13の例のアイランド1と異なり、同一列上に4つずつのアイランド11〜14が並ぶ例である。同様にアイランド11〜14に対置して、同一列上に良否識別マーク41、42、及び良否識別マーク47、48が同一列上の両側に分配して配置されている。上記構造が長辺方向に沿って複数形成されている。同一列のアイランド11〜14に対置する良否識別マーク41、42、47、48は、認識センサ3の個々の認識センサ71〜74によってそれぞれセンシングされ、アイランド11〜14の良否が判別される。
【0018】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図14の(移動後)に示す。。この時の対象アイランドはアイランド15〜18であり、先に述べた管理方法と同様に、アイランド15は、良否識別マーク43を認識センサ71でセンシングを行い、アイランド16は、良否識別マーク44を認識センサ72でセンシングを行い、アイランド17は、良否識別マーク49を認識センサ73でセンシングを行い、アイランド18は、良否識別マーク50を認識センサ74でセンシングを行うことにより良否を判別される。
【0019】
このように、従来技術では、アイランド1に対置する同一列のアイランドと同数の良否識別マークが、同列のアイランドの延長上片側、又は両側に分配して順番通りに配置され管理される。
【0020】
また、上記の光学式の安価な認識センサの代わりに、CCDカメラを用いて撮像し、画像処理を行うことによって良否識別マークの認識を行うこともできる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−160570号公報(2001年6月12日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、上記従来の構成では、以下の問題を生じる。
【0022】
近年、電気機器は低価格化が進んでおり、製品に使用する材料や加工費のコスト低減が必須である。先に述べた従来の部品搭載用部材の場合、生産装置の管理及び目視管理を明瞭に行うことができる。また、サイズの大きいアイランドであれば、アイランドの配置間隔を狭めることで、長尺基板部材(図7)又はテープ形状部材(図8)に、効率よくアイランドを形成することが可能である。しかしながら、半導体装置の小型化によるアイランドのサイズ縮小化、又はコスト低減施策を目的として、長尺基板部材又はテープ形状部材面内のアイランド数の増加のために狭ピッチでアイランドを形成した場合、又は、生産装置の認識センサのサイズが大きい場合においては、良否識別マークの配置間隔と認識センサの配置間隔とに対する設計上の制約により、小型化したアイランドを狭ピッチに配置することが困難となる。その為、図12のようにアイランド間の余白領域が多くなり、高密度配置の妨げとなる。また、個々のアイランドの良品・不良品を管理する為に、良否識別マークの狭ピッチ化に合わせて生産装置の認識センサを狭ピッチで配置しようとした場合、図15に示すように、認識センサ3のボディが接触し、良否識別マーク2の配置間隔と同じピッチで認識センサ3を配置することができない。したがってアイランド11、15の良否判別は、良否識別マーク41、49を認識センサ71、75でそれぞれ同時にセンシングすることで可能であるが、アイランド12に対置した良否識別マーク42、アイランド13に対置した良否識別マーク43、アイランド14に対置した良否識別マーク44を、認識センサ72〜74でそれぞれセンシングすることができない。同様にアイランド16に対置した良否識別マーク50、アイランド17に対置した良否識別マーク51を認識センサ76、77でそれぞれ同時にセンシングすることができなくなり、同時に良否判別ができない。よって、アイランド及び良否識別マークを高密度に配置することができなくなる。また、特許文献1に記載されているように、1台で複数の良否識別マークを読み取ることができる専用カメラ及び画像処理にて良否判別することも可能であるが、この場合はこれらの機器が高額であり、大きな投資が必要となる。
【0023】
上記の理由により、長尺基板部材(図7)又はテープ形状部材(図8)の短辺方向のアイランドの数が増えて高密度化する程、従来のアイランド及び良否識別マークの配置、及び管理方法では、良否判別ができなくなる。よって従来技術では部品搭載用部材のアイランドを高密度化できない。
【0024】
また、図11、図12に示すように、アイランド1の同一列上の片側に良否識別マーク2を配置した場合が、最も設計上の制約を受け、図13、図14に示すように、アイランド1の同一列上の両側に良否識別マーク2を配置した場合においても、図11、図12の例と比較すると設計上の制約を受け難いものの、さらなる高密度化に対しては同様に制約を受ける。
【0025】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、生産設備の認識センサの交換などの投資を掛けずに、アイランドを高密度に形成することのできる部品搭載用部材と、製品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するための本発明に係る部品搭載用部材(以下、適宜「本発明における部品搭載用部材」と称する)は、長辺方向に並ぶ複数のアイランドが複数行配置されると共に、上記アイランドの良否を判別するための良否識別マークが少なくとも短辺方向の上記アイランドと同数配置される長尺基板部材、又はテープ形状部材からなり、上記良否識別マークが、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応して複数の上記短辺方向の列の延長上片側の領域に分散されて配置されており、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークの各位置同士は、上記部品搭載用部材を長辺方向にアイランドの列のピッチの整数倍移動させた場合に、移動前と移動後で重ならないように設定されていることを特徴としている。
【0027】
または、本発明における部品搭載用部材は、長辺方向に並ぶ複数のアイランドが複数行配置されると共に、上記アイランドの良否を判別するための良否識別マークが少なくとも短辺方向の上記アイランドと同数配置される長尺基板部材、又はテープ形状部材からなり、上記良否識別マークが、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応して複数の上記短辺方向の列の延長上両側の領域に分散されて配置されており、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークの各位置同士は、上記部品搭載用部材を長辺方向にアイランドの列のピッチの整数倍移動させた場合に、移動前と移動後で重ならないように設定されていることを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、同一列上の各アイランドに対置する良否識別マーク同士の配置間隔を大きくとることができるので、認識センサのサイズからくる高密度化に対する制約を受けにくくなり、部品搭載用部材にアイランドを高密度に形成することができる。
【0029】
本発明に係る部品搭載用部材では、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークは、上記アイランドの上記短辺方向の列の延長上片側の領域と、上記アイランドに隣接する上記短辺方向の列の延長上片側の領域とに分散されて配置されている構造を有することが好ましい。
【0030】
または、本発明に係る部品搭載用部材では、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークは、上記アイランドの上記短辺方向の列の延長上両側の領域と、上記アイランドに隣接する上記短辺方向の列の延長上両側の領域に分散されて配置されている構造を有することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、部品搭載用部材の端部で発生する余分となる領域(アイランドを形成しても、対応する良否識別マークを形成できない領域)をより少なくできる。
【0032】
本発明に係る上記短辺方向の同一列上の各アイランドの良否判別方法は、上記短辺方向の上記アイランドと同数の認識センサによって、各アイランドに対応する上記良否識別マークを読み取ることによって判別することが好ましい。
【0033】
上記方法によると、安価な認識センサを用いて同一列上の各アイランドに対する各良否識別マークを同時に認識し、良否を判別することができるので、大きな設備投資をかけずに部品搭載用部材に高密度に形成されたアイランドの良否を判別することができる。
【0034】
本発明に係る生産装置は、上記短辺方向の同一列上の各アイランドの良否判別は、上記短辺方向の上記アイランドと同数の認識センサによって、各アイランドに対応する上記良否識別マークを読み取ることによって判別することが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、安価な認識センサを用いて同一列上の各アイランドに対する各良否識別マークを同時に認識し、良否を判別することができるので、大きな設備投資をかけずに部品搭載用部材に高密度にアイランドを形成することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る部品搭載用部材は、以上のように上記良否識別マークが、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応して複数の上記短辺方向の列の延長上片側の領域に分散されて配置されており、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークの各位置同士は、上記部品搭載用部材を長辺方向にアイランドの列のピッチの整数倍移動させた場合に、移動前と移動後で重ならないように設定されている。したがって、同一列上の各アイランドに対置する良否識別マーク同士の配置間隔を大きくとることができるので、認識センサのサイズからくる高密度化に対する制約を受けにくくなり、生産装置の認識センサの交換など、投資を掛けることなく部品搭載用部材にアイランドを高密度に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明における部品搭載用部材及び管理方法の実施の形態について、図1〜6を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明における部品搭載用部材及び管理方法の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の請求の範囲内で任意に変更可能である。
【0038】
なお、以下の各実施の形態においては、図11〜図15に示す従来技術における構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0039】
[実施の形態1]
本発明における部品搭載用部材及び管理方法の実施の形態の一つを図1に示す。移動前)と同一のものには同じ参照符号を付す。
【0040】
本実施の形態では、(移動前)に示すように、アイランド1とその良否を識別するための良否識別マーク2とが同じテープ形状部材(部品搭載用部材)100上に配置されている。良否識別マーク2にはアイランド1の良品・不良品を示す識別マークが色マーカーによってマーキングされている。個々のアイランド11〜16はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき3つずつ並んで配置されている。良否識別マーク41〜52はテープ形状部材100の短辺方向の片側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク41は、アイランド11の列の1列前(図中右側)のアイランド1の列上に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク45は、アイランド12と同一列上に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク49は、アイランド13の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1の列上に配置されている。これらの良否識別マーク41、45、49に対してそれぞれ認識センサ71、72、73でセンシングを行い、アイランド11、12、13の良否が判別される。
【0041】
尚、テープ形状部材100の材質に制限はなく、樹脂で形成しても良いし金属で形成しても良い。形状もテープ形状に限らず、板状の基板でも良い。また、良否識別マーク2のマーキングは貫通穴を設けることで形成しても良いし、レーザマーキング等を用いてもよいし方法に制限はない。また、アイランド1に搭載する部品は電子部品に限らず任意の部品を用いることができる。
【0042】
また、生産装置でアイランドの1ピッチ分順送した場合を図1の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド14〜16である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド14に対置する良否識別マーク44は、アイランド14〜16の列の1列前のアイランド1の列上に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド15に対置する良否識別マーク48は、アイランド14〜16の同一列上に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。同様にアイランド16に対置する良否識別マーク52は、アイランド14〜16の列の1列後ろのアイランド1の列上に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。
【0043】
この際、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、3行で配置された1行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの列の1列前の列上の順送方向先頭(右側)に配置されている。3行で配置された2行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より2行目:図中真中)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの列の同一列上の真中に配置されている。3行で配置された3行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より3行目:図中下側)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの1列後ろの列上の順送方向後尾(図中左側)に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0044】
尚、認識センサは前述の光学センサの代わりに、貫通穴を機械的に検知する機械式センサを用いることもできる。
【0045】
[実施の形態2]
本発明における他の実施の形態の一つを図2に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1に示す構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0046】
本実施の形態では実施の形態1と同様に、個々のアイランド11〜22はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき3つずつ並んで配置され、良否識別マーク41〜55はテープ形状部材100の短辺方向の片側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク44は、アイランド11の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(14、15、16)の列上に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク48は、アイランド12の2列後ろ(図中左側)のアイランド1(17、18、19)の列上に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク52は、アイランド13の列の3列後ろ(図中左側)のアイランド1(20、21、22)の列上に配置されている。これらの良否識別マーク44、48、52に対してそれぞれ認識センサ71、72、73でセンシングを行い、アイランド11、12、13の良否が判別される。
【0047】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合も図示はしないが実施の形態1と同様である。この時の対象アイランドはアイランド14〜16である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド14に対置する良否識別マーク47は、アイランド14〜16の列の1列後ろのアイランド1(17〜19)の列上に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド15に対置する良否識別マーク51は、アイランド14〜16の列の2列後ろのアイランド1(20〜22)の列上に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。同様にアイランド16に対置する良否識別マーク55は、アイランド14〜16の列の3列後ろのアイランド1(23〜25)の列上に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。
【0048】
この場合も同様に、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、3行で配置された1行目(図中上側)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの列の1列後ろの列上の順送方向先頭(右側)に配置されている。3行で配置された2行目(図中真中)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの列の2列後ろの列上の真中に配置されている。3行で配置された3行目(図中下側)に位置するアイランド1に対置する良否識別マーク2は、対象アイランドの3列後ろの列上の順送方向後尾(図中左側)に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0049】
尚、この考えであれば、対象アイランドに対応する良否識別マークは任意の列に形成しても、アイランドの管理は可能であるが、実用上、隣接する1ピッチ分迄のアイランドの列の延長上に配置した良否識別マークで管理することが望ましい。これは、部品搭載用部材の端部において、良否識別マークを配置する、対象アイランド以外のアイランドの列数分のアイランドの一部が良否判別できなくなる為である。つまり、対象アイランドの前ピッチ方向に1ピッチ分の隣接するアイランドの列の延長上に良否識別マークを配置した場合は、部材先頭のアイランドの列の一部が使用できなくなり、対象アイランドの前後各1ピッチ分の隣接するアイランドの列の延長上に良否識別マークを配置した場合は、部品搭載用部材両端のアイランドの列の一部が使用できなくなる為である。前述した様に隣接する1ピッチ分迄のアイランドの列の延長上に配置した良否識別マークで管理すると、部品搭載用部材の端部に発生する良否識別マーク専用の領域が1ピッチ分に抑えられ、高密度効果を考慮すれば、さらに効果的である。尚、アイランドの形成密度が高くなれば、部品搭載用部材の長辺方向はアイランドのピッチに比べて十分長いので、上記のように端部に余分な領域ができたとしても高密度化の効果があり、従来技術に対して十分にコストダウンの効果がある。
【0050】
[実施の形態3]
本発明における他の実施の形態の一つを図3に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1に示す構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0051】
本実施の形態では実施の形態1と同様に、個々のアイランド11〜16はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき3つずつ並んで配置され、良否識別マーク41〜49はテープ形状部材100の短辺方向の片側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク41は、アイランド11の同一列上に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク45は、アイランド12の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(14〜16)の列上に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク43は、アイランド13と同一列上に配置されている。これらの良否識別マーク41、43、45に対してそれぞれ認識センサ71、72、73でセンシングを行い、アイランド11、12、13の良否が判別される。
【0052】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図3の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド14〜16である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド14に対置する良否識別マーク44は、アイランド14〜16の同一列上に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド15に対置する良否識別マーク48は、アイランド14〜16の列の1列後ろのアイランド1(17〜19)の列上に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。同様にアイランド16に対置する良否識別マーク46は、アイランド14〜16の同一列上に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。
【0053】
この場合も同様に、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2(41〜49)が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、3行で配置された1行目(図中上側)に位置するアイランド1(11、14、…)に対置する良否識別マーク2(41、44、…)は、対象アイランドの列の同一列上の順送方向先頭(図中右側)に配置されている。3行で配置された2行目(図中真中)に位置するアイランド1(12、15、…)に対置する良否識別マーク2(45、48、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の真中に配置されている。3行で配置された3行目(図中下側)に位置するアイランド1(13、16、…)に対置する良否識別マーク2(43、46、…)は、対象アイランドの列の同一列上の順送方向後尾(図中左側)に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0054】
尚、本実施の形態では各アイランド1に対応する良否識別マーク2の配置は、アイランドの位置する行と、対応する良否識別マークが各アイランド列上の進行方向から何番目に位置するかとが対応するよう設定されている。これは作業者が目視で良否識別マーク2を確認した場合に、対応するアイランド1を認識しやすくするためである。もちろん各アイランドと良否識別マークの対応関係は上記の配置に限らず自由に設定できる。
【0055】
[実施の形態4]
本発明における他の実施の形態の一つを図4に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1に示す構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0056】
本実施の形態では、個々のアイランド11〜18はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき4つずつ並んで配置され、良否識別マーク41〜52はテープ形状部材100の短辺方向の片側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク41は、アイランド11の同一列上に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク46は、アイランド12の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(15〜18)の列上に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク43は、アイランド13と同一列上に配置され、アイランド14に対置する良否識別マーク48は、アイランド14の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(15〜18)の列上に配置されている。これらの良否識別マーク41、43、46、48に対してそれぞれ認識センサ71、72、73、74でセンシングを行い、アイランド11、12、13、14の良否が判別される。
【0057】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図4の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド15〜18である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド15に対置する良否識別マーク45は、アイランド15〜18の同一列上に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド16に対置する良否識別マーク50は、アイランド15〜18の列の1列後ろのアイランド1(19〜22)の列上に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。同様にアイランド17に対置する良否識別マーク47は、アイランド15〜18の同一列上に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。同様にアイランド18に対置する良否識別マーク52は、アイランド15〜18の列の1列後ろのアイランド1(19〜22)の列上に配置され、認識センサ74でセンシングされ管理される。
【0058】
この場合も同様に、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2(41〜52)が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、4行で配置された1行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に位置するアイランド1(11、15、…)に対置する良否識別マーク2(41、45、…)は、対象アイランドの列の同一列上の順送方向先頭(右側)に配置されている。4行で配置された2行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より2行目:図中上側より2行目)に位置するアイランド1(12、16、…)に対置する良否識別マーク2(46、50、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の順送方向より2番目に配置されている。4行で配置された3行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より3行目:図中上側より3行目)に位置するアイランド1(13、17、…)に対置する良否識別マーク2(43、47、…)は、対象アイランドの列の同一列上の順送方向より3番目に配置されている。4行で配置された4行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より4行目:図中上側より4行目)に位置するアイランド1(14、18、…)に対置する良否識別マーク2(48、52、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の順送方向より4番目に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0059】
[実施の形態5]
本発明における他の実施の形態の一つを図5に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1に示す構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0060】
本実施の形態では、個々のアイランド11〜18はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき4つずつ並んで配置され、良否識別マーク41〜52はテープ形状部材100の短辺方向の両側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク41は、アイランド11の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク44は、アイランド12の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(15〜18)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク47は、アイランド13の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、アイランド14に対置する良否識別マーク50は、アイランド14の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1()の列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置されている。これらの良否識別マーク41、44、47、50に対してそれぞれ認識センサ71、72、73、74でセンシングを行い、アイランド11、12、13、14の良否が判別される。
【0061】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図5の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド15〜18である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド15に対置する良否識別マーク43は、アイランド15〜18の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド16に対置する良否識別マーク46は、アイランド15〜18の列の1列後ろのアイランド1(19〜22)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。同様にアイランド17に対置する良否識別マーク49は、アイランド15〜18の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。同様にアイランド18に対置する良否識別マーク52は、アイランド15〜18の列の1列後ろのアイランド1(19〜22)の列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、認識センサ74でセンシングされ管理される。
【0062】
この場合も同様に、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、4行で配置した1〜2行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より1〜2行目:図中上側より1〜2行目)に位置するアイランド1と3〜4行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より3〜4行目:図中上側より3〜4行目)に位置するアイランド1とに対置する良否識別マーク2を、それぞれ部品搭載用部材の長辺方向に沿った両端縁部に配置し、同様に生産装置の認識センサ3についても両端縁部に配置している。4行で配置された1行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に位置するアイランド1(11、15、…)に対置する良否識別マーク2(41、43、…)は、対象アイランドの列の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向先頭(図中右側)に配置されている。4行で配置された2行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より2行目:図中上側より2行目)に位置するアイランド1(12、16、…)に対置する良否識別マーク2(44、46、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向後尾(図中左側)に配置されている。4行で配置された3行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より3行目:図中上側より3行目)に位置するアイランド1(13、17、…)に対置する良否識別マーク2(47、49、…)は、対象アイランドの列の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)の順送方向先頭(図中右側)に配置されている。4行で配置された4行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より4行目:図中上側より4行目)に位置するアイランド1(14、18、…)に対置する良否識別マーク2(50、52、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)の順送方向後尾(図中左側)に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0063】
[実施の形態6]
本発明における他の実施の形態の一つを図6に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1に示す構成要素と同等の機能を有する構成要素については同一の符号を付記して、その説明を省略する。
【0064】
本実施の形態では、個々のアイランド11〜24はテープ形状部材100に短辺方向の1列につき7つずつ並んで配置され、良否識別マーク41〜61はテープ形状部材100の短辺方向の両側に配置されている。同一列上の個々のアイランド11に対置する良否識別マーク41は、アイランド11の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド12に対置する良否識別マーク46は、アイランド12の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(18〜24)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド13に対置する良否識別マーク43は、アイランド13の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド14に対置する良否識別マーク48は、アイランド14の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(18〜24)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、アイランド15に対置する良否識別マーク53は、アイランド15の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、アイランド16に対置する良否識別マーク57は、アイランド16の列の1列後ろ(図中左側)のアイランド1(18〜24)の列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、アイランド17に対置する良否識別マーク55は、アイランド17の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置されている。これらの良否識別マーク41、43、46、48、53、55、57に対してそれぞれ認識センサ71、72、73、74、75、76、77でセンシングを行い、アイランド11、12、13、14、15、16、17の良否が判別される。
【0065】
また、生産装置で1ピッチ順送した場合を図6の(移動後)に示す。この時の対象アイランドはアイランド18〜24である。先に述べた管理方法と同様に、アイランド18に対置する良否識別マーク45は、アイランド18〜24の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ71でセンシングされ管理される。同様にアイランド19に対置する良否識別マーク50は、アイランド18〜24の列の1列後ろのアイランド1(25〜31)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ73でセンシングされ管理される。同様にアイランド20に対置する良否識別マーク47は、アイランド18〜24の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ72でセンシングされ管理される。同様にアイランド21に対置する良否識別マーク52は、アイランド18〜24の列の1列後ろのアイランド1(25〜31)の列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に配置され、認識センサ74でセンシングされ管理される。同様にアイランド22に対置する良否識別マーク56は、アイランド18〜24の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、認識センサ75でセンシングされ管理される。同様にアイランド23に対置する良否識別マーク60は、アイランド18〜24の列の1列後ろのアイランド1(25〜31)の列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、認識センサ77でセンシングされ管理される。同様にアイランド24に対置する良否識別マーク58は、アイランド18〜24の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)に配置され、認識センサ76でセンシングされ管理される。
【0066】
この場合も同様に、生産装置でテープ形状部材100を搬送する前後で、良否識別マーク2が重複してセンシングされないように配置しなければならない。本実施の形態の場合では、7行で配置した1〜4行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より1〜4行目:図中上側より1〜4行目)に位置するアイランド1と5〜7行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より5〜7行目:図中上側より5〜7行目)に位置するアイランド1とに対置する良否識別マーク2を、それぞれ部品搭載用部材の長辺方向に沿った両端縁部に配置し、同様に生産装置の認識センサ3についても両端縁部に配置している。7行で配置された1行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)に位置するアイランド1(11、18、…)に対置する良否識別マーク2(41、45、…)は、対象アイランドの列の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向先頭(図中右側)に配置されている。7行で配置された2行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より2行目:図中上側より2行目)に位置するアイランド1(12、19、…)に対置する良否識別マーク2(46、50、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向より2番目に配置されている。7行で配置された3行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より3行目:図中上側より3行目)に位置するアイランド1(13、20、…)に対置する良否識別マーク2(43、47、…)は、対象アイランドの列の同一列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向より3番目に配置されている。7行で配置された4行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より4行目:図中上側より4行目)に位置するアイランド1(14、21、…)に対置する良否識別マーク2(48、52、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の左側(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側:図中上側)の順送方向より4番目に配置されている。7行で配置された5行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より5行目:図中上側より5行目)に位置するアイランド1(15、22、…)に対置する良否識別マーク2(53、56、…)は、対象アイランドの列の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)の順送方向先頭(図中右側)に配置されている。7行で配置された6行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より6行目:図中上側より6行目)に位置するアイランド1(16、23、…)に対置する良否識別マーク2(57、60、…)は、対象アイランドの1列後ろの列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)の順送方向より2番目に配置されている。7行で配置された7行目(テープ形状部材100の順送方向に向かって左側より7行目:図中上側より7行目)に位置するアイランド1(17、24、…)に対置する良否識別マーク2(55、58、…)は、対象アイランドの列の同一列上の右側(テープ形状部材100の順送方向に向かって右側:図中下側)の順送方向より3番目に配置されている。よって生産装置でテープ形状部材100を搬送した際には、認識センサ3によるセンシングが重複しないように管理ができる。
【0067】
また、上述の図5、図6では、短辺方向の同一列上のアイランドと同数の良否識別用マークが、同列のアイランドの列の延長上両側に配置されている。上述した図1〜図4の配置と比べると、良否識別マーク2が部材の両端に分配される為、図1〜図4の例よりも約2倍の効果を得ることが可能となる。よって、アイランド1と良否識別マーク2を狭い間隔で配置することが可能となり、より多くのアイランド1の載り数を確保できる。
【0068】
このように、本発明における部品搭載用部材及び管理方法では、短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する良否識別マークは、複数の短辺方向の列の延長上片側又は両側の領域に分散されて配置されており、同一列上の各アイランドに対応する良否識別マークの位置が部品搭載用部材を1ピッチずつ移動させた場合に重ならない、すなわち認識センサのセンシング位置が重複しないように配置され、管理される。
【0069】
また、本発明における部品搭載用部材及び管理方法の場合、図1〜図6に示すように、認識センサ3においても間隔を大きく確保できることから、設計上の制約を受け難くなる為、部品搭載用部材の短辺方向にアイランド1の数を増やすことが可能となる。これにより、生産装置の認識センサ3を専用カメラ及び画像処理装置へ変更する必要がない為、大きな投資を掛ける事なく、コスト低減施策を施した部品搭載用部材を生産及び検査する事が可能となる。
【0070】
また、本発明における部品搭載用部材及び管理方法の場合、生産における処理フローは従来と同じである為、新たな投資を要さず運用が可能である。
【0071】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係る部品搭載用部材及び管理方法は、半導体部品搭載用部材に限らず、部材面内に複数の部品搭載領域を持ち、個別の部品搭載領域を管理する広い産業分野の部品搭載用部材で応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態1による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態2による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態3による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態4による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態5による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態6による部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図7】従来の長尺基板部材を示す概略図である。
【図8】従来のテープ形状部材を示す概略図である。
【図9】部品搭載用部材の生産装置を示す概略ブロック図である。
【図10】部品搭載用部材を使用した生産処理を示す概略フロー図である。
【図11】従来の部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図12】従来の部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図13】従来の部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図14】従来の部品搭載用部材とその管理方法を示す平面図である。
【図15】従来の部品搭載用部材において良否識別マークが認識センサでセンシングできない例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 アイランド
2 良否識別マーク
3 認識センサ
4 位置決め部
5 搬送部
6 記憶部
7 制御部
8 演算部
9 加工・処理部
10 制御装置
11〜31 アイランド
41〜61 良否識別マーク
71〜77 認識センサ
S1〜S18 ステップ
100 テープ形状部材(部品搭載用部材)
200 長尺基板部材(部品搭載用部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺方向に並ぶ複数のアイランドが複数行配置されると共に、上記アイランドの良否を判別するための良否識別マークが少なくとも短辺方向の上記アイランドと同数配置される長尺基板部材、又はテープ形状部材からなる部品搭載用部材において、
上記良否識別マークが、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応して複数の上記短辺方向の列の延長上片側の領域に分散されて配置されており、
上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークの各位置同士は、上記部品搭載用部材を長辺方向にアイランドの列のピッチの整数倍移動させた場合に、移動前と移動後で重ならないように設定されていることを特徴とする部品搭載用部材。
【請求項2】
長辺方向に並ぶ複数のアイランドが複数行配置されると共に、上記アイランドの良否を判別するための良否識別マークが少なくとも短辺方向の上記アイランドと同数配置される長尺基板部材、又はテープ形状部材からなる部品搭載用部材において、
上記良否識別マークが、上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応して複数の上記短辺方向の列の延長上両側の領域に分散されて配置されており、
上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークの各位置同士は、上記部品搭載用部材を長辺方向にアイランドの列のピッチの整数倍移動させた場合に、移動前と移動後で重ならないように設定されていることを特徴とする部品搭載用部材。
【請求項3】
上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークは、上記アイランドの上記短辺方向の列の延長上片側の領域と、上記アイランドに隣接する上記短辺方向の列の延長上片側の領域とに分散されて配置されている構造を有することを特徴とする請求項1に記載の部品搭載用部材。
【請求項4】
上記短辺方向の同一列上の各アイランドに対応する上記良否識別マークは、上記アイランドの上記短辺方向の列の延長上両側の領域と、上記アイランドに隣接する上記短辺方向の列の延長上両側の領域に分散されて配置されている構造を有することを特徴とする請求項2に記載の部品搭載用部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の部品搭載用部材の良否判別方法であって、
上記短辺方向の同一列上の各アイランドの良否判別は、上記短辺方向の上記アイランドと同数の認識センサによって、各アイランドに対応する上記良否識別マークを読み取ることによって判別することを特徴とする良否判別方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の部品搭載用部材の生産装置であって、
上記短辺方向の同一列上の各アイランドの良否判別は、上記短辺方向の上記アイランドと同数の認識センサによって、各アイランドに対応する上記良否識別マークを読み取ることによって判別することを特徴とする生産装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−283608(P2009−283608A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133033(P2008−133033)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)