説明

部品計数装置

【課題】本発明は、部品計数装置に関する。
【解決手段】本発明による部品計数装置は、複数の部品を個別部品に分離する分離部と、前記分離部で分離された部品が移動する管路と、前記管路上に位置して前記管路を通過する部品を計数する計数部と、前記管路の端部に位置する真空吸入部と、を含み、微小電子部品の数量を正確かつ迅速に計数することができる。また、迅速かつ正確な部品計数により、工程間に生じる電子部品の損失を追跡することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計数装置に関し、より詳細には、多数(複数)の微小部品を正確かつ迅速に計数することができる部品計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電子部品は、小型かつ軽量であり、大量生産されるということを特徴とする。特に、チップ(Chip)抵抗またはMLCC(Multi−Layer Ceramic Capacitor)などの電子部品は、例えば、そのサイズが横0.4mm、縦0.2mmに過ぎない程度で非常に小さい。これは髪の毛の太さに近いサイズであって、肉眼ではその形状が区分できないほどのサイズである。また、その重量は90μg程度の超軽量であるため、静電気力により互いにくっ付くこともある。
【0003】
このような微小電子部品の数量を個々それぞれ計数するには非常に多い時間がかかるため、個々または一部をサンプルとしてとってその重量を測定した後、測定された重量と全体部品の重量とを比較することにより、数量を計算する重量法が用いられている。
【0004】
しかし、上記のような重量法は、数量でなく重量を利用して大体の数量を計算する方式であるため、正確な数量を把握することが不可能であるという致命的な短所を有する。そのため、工程間の部品損失管理が難しいという問題点がある。
【0005】
また、電子部品がますます精密/小型化するにつれて、重量法でも測定が難しくなっており、今後の精密/小型化する部品の数量測定により工程間の損失原因を分析して管理するためには、個々の数量を正確に測定することができる部品計数装置の開発が急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−264432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために導き出されたものであり、微小部品の数量を迅速かつ正確に測定することができる部品計数装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を果たすための本発明の部品計数装置は、多数の部品を個別部品に分離する分離部と、前記分離部で分離された部品が移動する管路と、前記管路上に位置して前記管路を通過する部品を計数する計数部と、前記管路の端部に位置する真空吸入部と、を含むことができる。
【0009】
また、前記部品計数装置は、前記分離部を振動させる第1振動部をさらに含むことができ、前記分離部は、個別部品が一列に整列されて前記管路に移動する通路であるライン状溝が形成されることができる。
【0010】
さらに、前記ライン状溝及び前記管路は、多数個であってもよい。
【0011】
一方、前記分離部には、互いに隣接したライン状溝の間に位置し、部品を前記ライン状溝に誘導する誘導部が形成されることができる。
【0012】
また、前記分離部は、アノダイジング(anodizing)加工されることができ、表面の微細孔をカバーするシーリング(sealing)加工されることができる。
【0013】
そして、前記部品計数装置は、多数の部品が保存され、前記分離部に部品を供給する供給部をさらに含むことができ、前記供給部を振動させる第2振動部をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記部品計数装置は、前記供給部の重量を検知する重量検知センサをさらに含むことができる。
【0015】
そして、前記供給部は、多数個の孔が形成されたブラケットを含み、部品が前記孔を通過して前記分離部に落下することができる。
【0016】
さらに、前記計数部は、光センサを利用して部品を計数することができる。
【0017】
一方、前記部品計数装置は、前記管路の端部に連結され、計数が完了された部品が保存される部品保存部をさらに含むことができ、前記真空吸入部は、前記部品保存部を介して前記管路に連結されることができる。
【0018】
また、前記部品計数装置は、前記管路を振動させる第3振動部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による部品計数装置によると、微小電子部品の数量を正確かつ迅速に計数することができる。
【0020】
また、正確かつ迅速な部品計数により、工程間に生じる電子部品の損失を追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による部品計数装置の側面図である。
【図2】図1に図示された供給部及び分離部を示す斜視図である。
【図3】図2に図示された供給部及び分離部の部分を拡大した部分拡大図である。
【図4】図1に図示された計数部の部分を拡大した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を説明する。しかし、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
【0023】
本発明を説明するにあたり、本発明に係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は本発明においての機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。従って、その定義は本明細書の全体における内容を基に下すべきであろう。
【0024】
本発明の技術的思想は特許請求の範囲によって決まり、以下の実施例は本発明の技術的思想を本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に効率的に説明するための一つの手段に過ぎない。
【0025】
図1は、本発明による部品計数装置の側面図であり、図2は、図1に図示された供給部及び分離部を示す斜視図であり、図3は、図2に図示された供給部及び分離部の部分を拡大した部分拡大図であり、図4は、図1に図示された計数部の部分を拡大した部分拡大図である。
【0026】
図1〜図4を参照すると、本発明による部品計数装置100は、分離部120と、管路140と、計数部150と、真空吸入部160と、を含む。
【0027】
前記分離部120は、計数する多数の部品を個々の個別部品に分離する機能を行う。この分離部120は、一側が高く、他側が低く傾斜しており、計数する部品が分離部の傾斜に沿って移動しながら個々の部品に分離される。
【0028】
また、前記分離部120で個別部品に分離された部品は、前記分離部120の他側に形成された管路連結孔125を通過して管路140に移動する。前記管路140は、垂直方向に立設され、管路に移動された部品は、管路140の内部を通過して落下するとともに管路の端部に移動する。
【0029】
一方、前記管路140には管路を通過する部品を計数する計数部150が位置する。計数部150は、光センサなどを用いて、管路を通過する部品を計数する機能を行う。
【0030】
そして、前記管路140の端部には真空吸入部160が位置する。この真空吸入部160は、モータ165を利用した真空ポンプであってもよい。この真空ポンプは、管路140内部の空気を吸着する機能を行い、これにより管路140内部の部品を引き寄せる。
【0031】
従って、管路140に投入された部品は、自由落下速度よりはるかに速い速度で管路140の内部を移動して計数部150を通過し、その結果、計数速度を著しく向上させる効果を得ることができる。
【0032】
また、真空吸入部160を利用して部品を引き寄せることにより、部品が静電気などによって管路140の内壁に付着して管路140を塞いだり部品が計数部150まで到逹することができない現象を防止することができる。従って、全ての部品が計数部150を通過することができ、計数正確度が著しく向上する。
【0033】
このように本発明による部品計数装置100は、真空吸入部160を利用して部品を引き寄せることにより、速い速度で正確に部品を計数することができるという長所がある。
【0034】
一方、本発明による部品計数装置100は、前記分離部120を振動させる第1振動部130a、130bをさらに含むことができる。第1振動部130a、130bは、高周波振動子を利用して前記分離部120を高周波に振動させ、この振動により分離部120に位置した計数対象部品が移動する。また、この高周波振動が部品に伝達されることにより、互いに付着していた部品の分離効果をさらに向上させることができる。
【0035】
ここで、前記第1振動部130a、130bは、分離部120の下部に2個が設けられていると説明したが、分離部120の大きさなどに応じて2個以上の第1振動部130a、130bが設けられることができることは言うまでもない。
【0036】
また、前記分離部120には、長さ方向にライン状溝123がさらに形成されることができる。部品が分離しながら、このライン状溝123に沿って前記管路140の方に移動することになる。部品は、このライン状溝123に沿って移動しながら一列に整列し、整列した部品が順に前記管路140に投入される。
【0037】
前記ライン状溝123は、多数個であることが好ましく、前記管路140もライン状溝123に対応して多数個が設けられることができる。前記多数個のライン状溝123及び管路140に沿って部品が並列形態に移動するため、一回に多数の部品を処理することができる。
【0038】
さらに、前記分離部120には、互いに隣接したライン状溝123の間に位置し、部品を前記ライン状溝123に誘導する誘導部がさらに形成されることができる。この誘導部は、ライン状溝123でなく他の部分に位置した部品が、前記ライン状溝123に移動できるように上部に尖って突出した形状であってもよい。
【0039】
また、前記分離部120は、アノダイジング(anodizing)加工されることができる。アノダイジングは、アルミニウムの表面後処理方式であり、電気−化学反応によりアルミニウムの表面に酸化物を塗装する工程を意味する。アルミニウムは、物理的、化学的性質が弱く、変質/腐食されやすいため、これを防止するためにアノダイジング処理を施すものである。
【0040】
さらに、前記分離部120には、表面の微細孔をカバーするシーリング(sealing)加工が施されることができる。分離部120をアノダイジング加工した後、残りの微細孔にシーリング処理を施すことにより、分離部120に残り部品や異物などが付着されることを防止することができる。
【0041】
一方、本発明による部品計数装置100は、供給部110をさらに含むことができる。供給部110には、分離前の状態である多数の部品が保存され、前記分離部120に、計数する部品を供給する機能を行う。
【0042】
ここで、前記供給部110は、前記分離部120の上部に位置し、じょうご状のホッパーであることが好ましい。前記供給部110は、第2振動部115によって振動しながら供給部110に保存された部品を落下させることにより、分離部120に計数する部品を供給する。
【0043】
また、本発明による部品計数装置100は、前記供給部110の重量を検知する重量検知センサ117をさらに含むことができる。供給部110に保存された部品が前記分離部120に供給されることで供給部110の重量が変化するが、この際、共振周波数も変化するため、分離部120に供給される部品の数が変化するという問題点がある。
【0044】
本発明では重量検知センサ117により供給部110の重量変化をリアルタイムで測定しながら第2振動部115の振動周波数を調節することにより、供給部110の共振周波数を一定に維持することができる。従って、供給部110に保存された部品の数に関係なく、一定に(部品の数を変化させずに)部品を分離部120に供給することができる。
【0045】
さらに、前記供給部110は、多数個の孔が形成されたブラケット119をさらに含むことができる。前記ブラケット119は、供給部110の下端に位置し、部品はブラケット119に形成された孔を通過して分離部120に落下する。前記孔は多数個が分散して位置するため、部品も孔の位置に応じて分散して分離部120に落下する。これにより、部品が均一に分散供給されることができる。
【0046】
また、前記分離部120には、供給部110から部品が落下する部分に三角形の形状に突出した拡散部127が形成されることができる。供給部110から落下した部品は、この拡散部127の傾斜面によりさらに均一に分散される。
【0047】
一方、前記計数部150は、光センサを利用して部品を計数することができる。光センサは非接触方式により部品を計数することができるため、部品の移動に影響を与えず、物理的な駆動部がないため、反応速度が速く、多くの部品を迅速に計数することができる。
【0048】
また、本発明による部品計数装置100は、前記管路140の端部に連結され、計数が完了された部品が保存される部品保存部170をさらに含むことができる。この部品保存部170は、計数が完了され、管路140の端部を通過して排出された部品が保存されるため、計数が完了された部品の取り扱いを容易にする。
【0049】
さらに、前記真空吸入部160は、部品保存部170を介して前記管路140に連結されることができる。真空吸入部160が前記管路140に直接連結される場合、管路140を通過した部品が真空吸入部160に吸い込まれる可能性があるため、計数が完了された部品の回収が難しくなる。そのため、真空吸入部160が部品保存部170を介して管路140に連結されるようにすることで、管路140から排出された部品が真空吸入部160に吸い込まれることを防止することができる。
【0050】
真空吸入部160に部品が吸い込まれることを防止するための他の方法として、真空吸入部160にエアフィルターを装着することができる。万が一の場合、部品が真空吸入部160に吸い込まれてもエアフィルターで濾過されるため、部品の損失や真空吸入部160の故障を防止することができる。
【0051】
一方、本発明による部品計数装置100は、管路140を振動させる第3振動部130cをさらに含むことができる。前記第3振動部130cは、前記管路連結孔125部分に設けられ、管路140を振動させる。管路140が振動することにより、静電気などによって管路140の内壁に部品が付着する現象を防止することができる。即ち、前記第3振動部130cが、部品が円滑に管路140を通過できるようにすることで、計数速度及び計数正確性を向上させることができる。
【0052】
さらに、本発明による部品計数装置100は、第1振動部130a、130bと、第2振動部115と、計数部150と、真空吸入部160と、を制御する制御部190及び計数された部品の数量または計数時間などの様々な情報が出力されるディスプレイ195をさらに含むことができる。また、本発明による部品計数装置100は、移動及び設置が容易になるように、下部に移動用ホイールが設けられた本体部180をさらに含むことができる。
【0053】
以上、代表的な実施例を参照して本発明に対して詳細に説明したが、本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、上述の実施例に対して本発明の範囲を外れない限度内で多様な変形が可能であることを理解するであろう。
【0054】
従って、本発明の権利範囲は上述の実施例に限定されてはならず、後述する特許請求範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0055】
100 部品計数装置
110 供給部
115 第2振動部
117 重量検知センサ
119 ブラケット
120 分離部
123 ライン状溝
125 管路連結孔
127 拡散部
130a、130b 第1振動部
130c 第3振動部
140 管路
150 計数部
160 真空吸入部
165 モータ
170 部品保存部
180 本体
190 制御部
195 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を個別部品に分離する分離部と、
前記分離部で分離された部品が移動する管路と、
前記管路上に位置して前記管路を通過する部品を計数する計数部と、
前記管路の端部に位置する真空吸入部と、
を含む部品計数装置。
【請求項2】
前記部品計数装置は、
前記分離部を振動させる第1振動部をさらに含む請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項3】
前記分離部には、
個別部品が一列に整列されて前記管路に移動する通路であるライン状溝が形成される請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項4】
前記ライン状溝及び前記管路は、複数個である請求項3に記載の部品計数装置。
【請求項5】
前記分離部には、
互いに隣接したライン状溝の間に位置し、部品を前記ライン状溝に誘導する誘導部が形成される請求項3に記載の部品計数装置。
【請求項6】
前記分離部は、
アノダイジング加工される請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項7】
前記分離部は、
表面の微細孔をカバーするシーリング加工される請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項8】
前記部品計数装置は、
複数の部品が保存され、前記分離部に部品を供給する供給部をさらに含む請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項9】
前記部品計数装置は、
前記供給部を振動させる第2振動部をさらに含む請求項8に記載の部品計数装置。
【請求項10】
前記部品計数装置は、
前記供給部の重量を検知する重量検知センサをさらに含む請求項8に記載の部品計数装置。
【請求項11】
前記供給部は、
複数個の孔が形成されたブラケットを含み、
部品が前記孔を通過して前記分離部に落下する請求項8に記載の部品計数装置。
【請求項12】
前記計数部は、
光センサを利用して部品を計数する請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項13】
前記部品計数装置は、
前記管路の端部に連結され、計数が完了された部品が保存される部品保存部をさらに含む請求項1に記載の部品計数装置。
【請求項14】
前記真空吸入部は、
前記部品保存部を介して前記管路に連結される請求項13に記載の部品計数装置。
【請求項15】
前記部品計数装置は、
前記管路を振動させる第3振動部をさらに含む請求項1に記載の部品計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−80472(P2013−80472A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216068(P2012−216068)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】