説明

部屋上部部材の設置構造

【課題】壁やドアがビス打ちできない材料より成る場合であっても、戸あたりやカーテンレールなどの部屋上部部材を設置することができる部屋上部部材の設置構造を提供する。
【解決手段】取付部材10は、長い長方形の金属板を途中で湾曲させ、それぞれ長方形状の第1片11と第2片12とを形成したものである。取付部材10は、第1片11の上部を梁状部30の側面31に重ね合わせ、第2片12の上端を梁状部30の底面32に当接させた状態で、ビス挿通孔13を通してビス40を打つことにより該梁状部30に固着される。第1片11の下部には戸あたり50がビス41によって取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸あたりやカーテンパイプなどの部屋上部部材を部屋の上部に取り付けた部屋上部部材の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ドアが開いたときに壁等にドアが直接に当ることを防止するために、壁やドアに戸あたりを設けることが行われている。従来の戸あたりの一例(特開平10−5106号の従来技術)を図5に示す。
【0003】
この戸あたり1は、フック兼用のものであり、それぞれ水平な上片2及び下片3と、これらを結ぶ縦片4とを有した金具よりなり、上片2の先端にゴム製緩衝材5が装着されている。縦片4がビス6によってドア7に取り付けられている。下片3には衣類や携帯品などが掛けられる。
【特許文献1】特開平10−5106号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5に示す戸あたりは、ドアや壁がガラス板などビス打ち不可能な材料より成る場合には取り付けることができない。
【0005】
本発明は、壁やドアがビス打ちできない材料より成る場合であっても戸あたりやカーテンパイプなどの部屋上部部材を設置することができる部屋上部部材の設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の部屋上部部材の設置構造は、部屋の上部に取付部材が取り付けられ、該取付部材に部屋上部部材が設けられている部屋上部部材の設置構造において、該取付部材は、上端が該部屋の上部に固定され、下方へ垂下する第1片と、該第1片の下端に連なり、上方に立ち上がる第2片とを有していることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の部屋上部部材の設置構造は、請求項1において、前記部屋の上部に梁又はフレームが設けられ、前記第1片の上部が該梁又はフレームの側面に固着され前記第2片の上端が該梁又はフレームの底面に当接していることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の部屋上部部材の設置構造において、請求項2において、該第1片に前記部屋上部部材として戸あたり又はカーテンパイプが取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の部屋上部部材の設置構造にあっては、取付部材の第1片の上端が部屋の上部に固定され、この取付部材に部屋上部部材が設けられている。この取付部材は、該第1片を部屋の梁などに取り付けることができるため、部屋の壁がガラス等、ビス打ち不可能な材料より成る場合であっても該取付部材を介して部屋上部部材を設置することができる。
【0010】
この取付部材は、第1片と第2片とを有しており、剛性が高い。なお、第1片にある部材取付部分が第2片によって覆われているので壁がガラスのように透ける素材を用いた場合でもビス等の部材固着具が目視されず、見映えがよい。
【0011】
請求項2の部屋上部部材の設置構造にあっては、第2片の上端が梁又はフレームの底面に当接しているので、第1片が第2片側に倒れ込むように動こうとしたときに、第2片がこの動きを阻止する。このため、例えばドアが第1片に当たったときに取付部材が変形することが防止される。
【0012】
請求項3の通り、本発明は戸あたり又はカーテンパイプの設置に好適であるが、これに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る部屋上部部材の設置構造に用いられる取付部材の斜視図、図2(a)は図1の取付部材の正面図、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図、図3は戸あたりを設置した部屋上部の縦断面図である。
【0014】
この取付部材10は、長い長方形の金属板を途中で湾曲させ、それぞれ長方形状の第1片11と第2片12とを形成したものである。第1片11は第2片12よりも長く、第1片11及び第2片12を上下方向としたときに該第1片11の上端が第2片12の上端よりも上方に延出する。
【0015】
この第1片11の上部にビス挿通孔13が設けられ、下部にビス挿通孔14が設けられている。
【0016】
図3に示す通り、部屋20は、方形棒状のアルミフレーム21にガラス22を嵌め込んで壁を構成し、該アルミフレーム21に天井パネル23を支持金具24によって支持させたものである。
【0017】
アルミフレーム21は、部屋20の上部の隅角部に側面31及び底面32を露呈させる梁状部30を有している。
【0018】
取付部材10は、第1片11の上部を梁状部30の側面31に重ね合わせ、第2片12の上端を梁状部30の底面32に当接させた状態で、ビス挿通孔13を通してビス40を打つことにより該梁状部30に固着される。第1片11の下部には戸あたり50がビス41によって取り付けられる。このビス41は、ビス挿通孔14を通して第1片11に螺じ込まれている。
【0019】
戸あたり50は、板状ベース51と、該板状ベース51から起立する棒状部52と、該棒状部52の先端に装着したゴム製緩衝材53とを有する。この板状ベース51が第1片11に重ね合わされ、ビス41によって該第1片11に固定される。
【0020】
このように構成された戸あたり50の設置構造にあっては、壁がガラス22によって構成されていても、該戸あたり50をアルミフレーム21に取り付けて設置することができる。また、取付部材10は第1片11と第2片12とを有しており、剛性が高い。この実施の形態では、第2片12の上端が梁状部30の底面32に当接しているので、ドアが戸あたり50に当ったときの衝撃が第2片12によっても対抗されるようになり、第1片11が図3の右方向に変形することが防止される。
【0021】
上記実施の形態の取付部材10では、第1片11の上端は平板状であるが、図4の取付部材10Aのように、第1片11の上端から、直角に、第2片12から離れる方向に水平片11aを延出させてもよい。この水平片11aにビス挿通孔11bが設けられている。この取付部材10Aのその他の構成は取付部材10と同一である。
【0022】
この取付部材10Aであれば、水平片11aを天井パネルに当て、ビスをビス挿通孔11bからアルミフレームや天井パネルに打つことにより、取付部材10Aをアルミフレームや天井パネルに固定することができる。
【0023】
図示は省略するが、第2片12の上端にも同様の水平片を設けてもよい。
【0024】
上記実施の形態では戸あたり50を取付部材10に取り付けているが、カーテンパイプ等を取り付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る部屋上部部材の設置構造に用いられる取付部材の斜視図である。
【図2】図2(a)は図1の取付部材の正面図、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【図3】戸あたりを設置した部屋上部の縦断面図である。
【図4】別の実施の形態に用いられる取付部材の斜視図である。
【図5】従来の戸あたりを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
10,10A 取付部材
11 第1片
12 第2片
23 天井パネル
30 梁状部
40,41 ビス
50 戸あたり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の上部に取付部材が取り付けられ、該取付部材に部屋上部部材が設けられている部屋上部部材の設置構造において、
該取付部材は、上端が該部屋の上部に固定され、下方へ垂下する第1片と、該第1片の下端に連なり、上方に立ち上がる第2片とを有していることを特徴とする部屋上部部材の設置構造。
【請求項2】
請求項1において、前記部屋の上部に梁又はフレームが設けられ、
前記第1片の上部が該梁又はフレームの側面に固着され
前記第2片の上端が該梁又はフレームの底面に当接していることを特徴とする部屋上部部材の設置構造。
【請求項3】
請求項2において、該第1片に前記部屋上部部材として戸あたり又はカーテンパイプが取り付けられていることを特徴とする部屋上部部材の設置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−312843(P2006−312843A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136172(P2005−136172)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】