説明

配信装置、ストリーム配信方法、コンピュータプログラム、およびストリーム配信システム

【課題】視聴用ストリームをイベント通知用ストリームに円滑に置き換えて再生端末装置へ配信し、再生端末装置での誤作動を防止することができる配信装置、ストリーム配信方法、コンピュータプログラム、およびストリーム配信システムを提供する。
【解決手段】配信装置10が備える制御部11は、ストリーム収録手段12、ストリーム配信制御手段13、配信フォーマット判別手段14、イベントストリーム取得手段16などを構成する。配信装置10は、ストリーム収録手段12、ストリーム配信制御手段13、配信フォーマット判別手段14、イベント(イベント情報)を検出したときイベント通知用ストリームを取得するイベントストリーム取得手段16とを備える。ストリーム配信制御手段13は、配信中の視聴用ストリームのメタ情報および取得したイベント通知用ストリームのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生端末装置へ視聴用ストリームを配信する配信装置、このような配信装置でのストリーム配信方法、このような配信装置での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、および、このような配信装置を備えるストリーム配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIP(Internet Protcol)の進展、ネットワークの進展により、インターネット上にあるコンテンツを配信する配信サーバから、ネットワークに対応したネットワーク対応TV(テレビジョン受像機)など家庭内の映像コンテンツ再生機器に対し映像コンテンツ、音声コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスが広がりつつある。
【0003】
また、家庭内においても、ホームサーバやHDDレコーダに保存したメディアコンテンツなどを、家庭内IPネットワークを介してコンテンツ再生機器(再生端末装置)で視聴するホームネットワーク技術が普及している。
【0004】
ところで、地上波テレビ放送や衛星テレビ放送では、地震や津波などの災害発生時に、緊急災害情報を放送ストリームに重畳することによって受信側の再生端末装置で表示させる仕組みが存在する。したがって、緊急情報をネットワーク内に配信する技術が知られている。
【0005】
従来例1として、例えば特許文献1に記載された技術が知られている。つまり、配信装置から再生端末装置に対してコンテンツのストリーム配信中に、配信装置10で検出されたイベントを再生端末装置側に通知する、デジタルテレビ放送の録画コンテンツの配信中に緊急放送が流れてきた場合、配信中コンテンツに多重化する、などを内容とする技術である。
【0006】
しかしながら、従来例1の技術では、収録済みコンテンツへの緊急情報の多重化においてコンテンツのメタ情報(サイズ、時間長)を考慮していないことから、多重化によって発生するメタ情報の齟齬により再生端末装置で誤作動を引き起こす可能性がある。
【0007】
従来例2として、例えば特許文献2に記載された技術が知られている。つまり、サーバと再生端末装置の間のパケット中継装置において、サーバが送信する告知放送データを再生端末装置が受信可能な配信フォーマットに変換して転送することを内容とする技術である。
【0008】
しかしながら、コンテンツの長さ、時間長等のメタ情報がコンテンツと併せて公開される場合、イベント通知用ストリームの多重化もしくは変換によって、メタ情報での齟齬が発生し、再生端末装置で誤作動を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−289279号公報
【特許文献2】特開2005−229296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来技術によれば、配信装置から再生端末装置に対してコンテンツ(視聴用ストリーム)のストリーム配信中に、配信装置で検出されたイベント(イベント通知用ストリーム)を再生端末装置側へ通知する。このとき、コンテンツの長さ、時間長等のメタ情報がコンテンツと併せて公開される場合、イベント通知用ストリームを多重化もしくは変換することによって、メタ情報での齟齬が発生し、再生端末装置でイベント通知用ストリームの再生が実行されないなどの誤作動を引き起こす恐れがあった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームを取得し、メタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信を制御することによって、視聴用ストリームをイベント通知用ストリームに円滑に置き換えて再生端末装置へ配信することが可能で、新しい機能を追加せずに、再生端末装置での誤作動を防止することができる配信装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、本発明に係る配信装置を適用して同様の作用効果が得られるストリーム配信方法を提供することを他の目的とする。
【0013】
また、本発明は、本発明に係る配信装置に適用して同様の作用効果が得られるコンピュータプログラムを提供することを他の目的とする。
【0014】
また、本発明は、本発明に係る配信装置を適用して同様の作用効果が得られるストリーム配信システムを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る配信装置は、配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置であって、前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームを収録するストリーム収録手段と、前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信を制御するストリーム配信制御手段と、前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを判別する配信フォーマット判別手段と、前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームを取得するイベントストリーム取得手段とを備え、前記ストリーム配信制御手段は、配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を制御する構成とされていることを特徴とする。
【0016】
したがって、本発明に係る配信装置は、配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットに適合したイベント通知用ストリームを取得し、メタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信を制御することから、視聴用ストリームをイベント通知用ストリームに円滑に置き換えて再生端末装置へ配信することが可能となり、新しい機能を追加せずに、再生端末装置での誤作動を防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る配信装置では、前記ストリーム配信制御手段は、前記視聴用ストリームの配信を途中で停止したときの前記視聴用ストリームのメタ情報を取得することを特徴とする。
【0018】
したがって、本発明に係る配信装置は、正確に視聴用ストリームのメタ情報を取得することができるので、高精度に視聴用ストリームをイベント通知用ストリームに置き換えることができる。
【0019】
また、本発明に係る配信装置では、前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベント通知用ストリームのメタ情報は、ストリームの長さであることを特徴とする。
【0020】
したがって、本発明に係る配信装置は、視聴用ストリームの長さとイベント通知用ストリームの長さ(イベントストリーム長)を比較してストリームの配信を適切に制御することができる。
【0021】
また、本発明に係る配信装置では、前記ストリーム配信制御手段は、前記ストリーム収録手段に収録された前記イベント通知用ストリームを読み出すことを特徴とする。
【0022】
したがって、本発明に係る配信装置は、ストリーム配信制御手段がストリーム収録手段から読み出したイベント通知用ストリームを再生端末装置へ円滑に配信することができる。
【0023】
また、本発明に係る配信装置では、前記イベント通知用ストリームは、前記再生端末装置とは別に配置され構内通信網を介して相互に通信されるイベントストリーム生成外部装置で生成されたものであることを特徴とする。
【0024】
したがって、本発明に係る配信装置は、構内通信網を介して通信されるイベントストリーム生成外部装置で生成されたイベント通知用ストリームを再生端末装置へ配信することから、例えば、家庭内で指定された家庭固有のイベント(イベント情報)をイベントストリーム生成外部装置40でイベント通知用ストリームSTeに変換して円滑に再生することができる。
【0025】
また、本発明に係る配信装置では、前記イベント通知用ストリームは、内部に配置されたイベントストリーム生成内蔵手段で生成されたものであることを特徴とする。
【0026】
したがって、本発明に係る配信装置は、イベントストリーム生成内蔵手段で生成されたイベント通知用ストリームを再生端末装置へ配信することから、例えば、内部で生成された配信装置の動作に関するイベント通知用ストリームを円滑に機能させることができる。
【0027】
また、本発明に係る配信装置では、前記イベントストリーム生成外部装置、または前記イベントストリーム生成内部手段が生成する前記イベント通知用ストリームは、内部動作に関するイベント情報をストリーム化したものであることを特徴とする。
【0028】
したがって、本発明に係る配信装置は、配信装置の内部動作に関するイベント(イベント情報)に対応して形成されたイベント通知用ストリームを再生端末装置へ配信することから、例えば、再生端末装置を効果的に機能させることができる。
【0029】
また、本発明に係る配信装置では、前記ストリーム配信制御手段は、前記イベント通知用ストリームの長さであるイベントストリーム長と、前記視聴用ストリームの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームの長さである未配信ストリーム長とを比較し、前記イベントストリーム長さが前記未配信ストリーム長より短い場合は、前記イベント通知用ストリームを配信することを特徴とする。
【0030】
したがって、本発明に係る配信装置は、イベント通知用ストリームの長さ(イベントストリーム長)が未配信の視聴用ストリームの長さ(未配信ストリーム長)より短い場合、未配信ストリーム長に対応する期間、イベント通知用ストリームを配信することが可能となる。
【0031】
また、本発明に係る配信装置では、前記ストリーム配信制御手段は、前記イベント通知用ストリームの長さであるイベントストリーム長と、前記視聴用ストリームの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームの長さである未配信ストリーム長とを比較し、前記イベントストリーム長さが前記未配信ストリーム長より長い場合は、前記未配信ストリーム長に対応する期間、前記イベント通知用ストリームを配信することを特徴とする。
【0032】
したがって、本発明に係る配信装置は、イベント通知用ストリームの長さ(イベントストリーム長)が未配信の視聴用ストリームの長さ(未配信ストリーム長)より長い場合、未配信ストリーム長に対応する期間、イベント通知用ストリームに加工を施して配信することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係る配信装置では、前記イベント通知用ストリームは、ネットワークを介して配信装置に提供されたイベントとしての非常情報に対応して形成されたものであることを特徴とする。
【0034】
したがって、本発明に係る配信装置は、非常情報(例えば、地震情報、気象情報、緊急情報、警報、注意報など)に対応するイベント通知用ストリームを再生端末装置へ配信することから、視聴用ストリームの再生状況に対応させて再生端末装置へのイベント通知を効果的に行うことができる。
【0035】
また、本発明に係る配信装置では、前記視聴用ストリームは、音声ストリームまたは映像ストリームであることを特徴とする。
【0036】
したがって、本発明に係る配信装置は、再生端末装置に対して音声、映像を配信することができる。
【0037】
また、本発明に係る配信装置では、前記再生端末装置から前記視聴用ストリームについての配信の要求があったときに限り、前記イベント通知用ストリームの配信を実行することを特徴とする。
【0038】
したがって、本発明に係る配信装置は、配信サーバに対する再生端末装置からのコンテンツ配信要求がダウンロード要求では無く視聴用ストリームについての配信要求のときに対応させてイベント通知用ストリームの配信を機能させることから、不要な動作を抑制することができ、ユーザの使用感を向上させることができる。
【0039】
また、本発明に係るストリーム配信方法は、視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置でのストリーム配信方法であって、前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームをストリーム収録手段に収録させるステップと、前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段に制御させるステップと、前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段に判別させるステップと、前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段に取得させるステップとを備え、配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を前記ストリーム配信制御手段に制御させるステップを備えることを特徴とする。
【0040】
したがって、本発明に係るストリーム配信方法は、本発明に係る配信装置と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームをストリーム収録手段として収録させるステップと、コンピュータに、前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段として制御させるステップと、コンピュータに、前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段として判別させるステップと、コンピュータに、前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段として取得させるステップとを備え、コンピュータに、配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を前記ストリーム配信制御手段として制御させるステップを備えることを特徴とする。
【0042】
したがって、本発明に係るコンピュータプログラムは、本発明に係る配信装置、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
また、本発明に係るストリーム配信システムは、配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置と、前記再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置とを備えるストリーム配信システムであって、前記配信装置は、本発明に係る配信装置であることを特徴とする。
【0044】
したがって、本発明に係るストリーム配信システムは、本発明に係る配信装置、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
また、本発明に係るストリーム配信システムでは、前記配信装置および前記再生端末装置に対して構内通信網を介して通信され、前記イベント通知用ストリームを生成するイベントストリーム生成外部装置を備えることを特徴とする。
【0046】
したがって、本発明に係るストリーム配信システムは、本発明に係る配信装置、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る配信装置は、配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ視聴用ストリームを配信する配信装置であって、再生端末装置へ配信する視聴用ストリームを収録するストリーム収録手段と、再生端末装置に対する視聴用ストリームの配信を制御するストリーム配信制御手段と、再生端末装置へ配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットを判別する配信フォーマット判別手段と、配信フォーマット判別手段によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームを取得するイベントストリーム取得手段とを備え、ストリーム配信制御手段は、配信中の視聴用ストリームのメタ情報およびイベントストリーム取得手段が取得したイベント通知用ストリームのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信を制御する構成とされている。
【0048】
したがって、本発明に係る配信装置によれば、配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットに適合したイベント通知用ストリームを取得し、メタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信を制御することから、視聴用ストリームをイベント通知用ストリームに円滑に置き換えて再生端末装置へ配信することが可能となり、新しい機能を追加せずに、再生端末装置での誤作動を防止することができる。
【0049】
本発明に係るストリーム配信方法は、視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ視聴用ストリームを配信する配信装置でのストリーム配信方法であって、再生端末装置へ配信する視聴用ストリームをストリーム収録手段に収録させるステップと、再生端末装置に対する視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段に制御させるステップと、再生端末装置へ配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段に判別させるステップと、配信フォーマット判別手段によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段に取得させるステップとを備え、配信中の視聴用ストリームのメタ情報およびイベントストリーム取得手段が取得したイベント通知用ストリームのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信をストリーム配信制御手段に制御させるステップを備える。
【0050】
したがって、本発明に係るストリーム配信方法によれば、本発明に係る配信装置と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
本発明に係るコンピュータプログラムは、視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ視聴用ストリームを配信する配信装置での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、再生端末装置へ配信する視聴用ストリームをストリーム収録手段として収録させるステップと、コンピュータに、再生端末装置に対する視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段として制御させるステップと、コンピュータに、再生端末装置へ配信中の視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段として判別させるステップと、コンピュータに、配信フォーマット判別手段によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段として取得させるステップとを備え、コンピュータに、配信中の視聴用ストリームのメタ情報およびイベントストリーム取得手段が取得したイベント通知用ストリームのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームの配信をストリーム配信制御手段として制御させるステップを備える。
【0052】
したがって、本発明に係るコンピュータプログラムによれば、本発明に係る配信装置、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
本発明に係るストリーム配信システムは、配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置と、再生端末装置へ視聴用ストリームを配信する配信装置とを備えるストリーム配信システムであって、配信装置は、本発明に係る配信装置である。
【0054】
したがって、本発明に係るストリーム配信システムによれば、本発明に係る配信装置、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係るストリーム配信システムの概略ブロック、配信装置の機能ブロック、再生端末装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係るストリーム配信システムの概略ブロック、配信装置の機能ブロック、再生端末装置の機能ブロック、イベントストリーム生成外部装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る配信装置および再生端末装置での処理フローの基本を示すフロー図である。
【図4A】再生端末装置でのコンテンツ一覧の表示状態を示す模式図である。
【図4B】再生端末装置での視聴用ストリームの表示状態を示す模式図である。
【図4C】再生端末装置でのイベント通知用ストリームの表示状態を示す模式図である。
【図5】視聴用ストリームのメタ情報およびイベント通知用ストリームのメタ情報の相関関係を示す模式図であり、(A)はストリームの長さを示す基準としての横軸、(B)は視聴用ストリームの全体の長さ、(C)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリーム、(D)は未配信ストリーム長の部分を(C)のイベント通知用ストリームで置き換えられた実施例1、(E)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリーム、(F)は未配信ストリーム長の部分を(E)のイベント通知用ストリームで置き換えられた実施例2をそれぞれ示す模式図である。
【図6】視聴用ストリームのメタ情報およびイベント通知用ストリームのメタ情報の相関関係を示す模式図であり、(A)はストリームの長さを示す基準としての横軸、(B)は視聴用ストリームの全体の長さ、(C)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリーム、(D)は未送信ストリーム長の部分を(C)のイベント通知用ストリームで置き換えられた実施例3、(E)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリーム、(F)は未送信ストリーム長の部分を(E)のイベント通知用ストリームで置き換えられた実施例4、(G)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリーム、(H)は未送信ストリーム長の部分を(E)のイベント通知用ストリームで置き換えられた実施例5をそれぞれ示す模式図である。
【図7A】コンテンツ情報の情報(視聴用ストリームのメタ情報)の例を示す説明図表である。
【図7B】コンテンツ一覧を示し、少なくとも1つの視聴用ストリームを一覧形式で説明する情報の例を示す説明図表である。
【図7C】コンテンツ情報の1つであるURLの具体例を示す説明図表である。
【図7D】コンテンツ情報から得られたメタ情報の例を示す説明図表である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0057】
<実施の形態1>
図1を参照して、本実施の形態に係るストリーム配信システム、配信装置について説明する。
【0058】
図1は、本発明の実施の形態1に係るストリーム配信システム1の概略ブロック、配信装置10の機能ブロック、再生端末装置30の機能ブロックを示すブロック図である。
【0059】
本実施の形態に係るストリーム配信システム1は、配信サーバ2から配信された視聴用ストリームSTv(図4B、図5、図6参照)を再生する再生端末装置30と、再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する配信装置10とを備える。
【0060】
配信サーバ2は、ネットワークNWを介して、種々のコンテンツ(図4A、図4B参照)を再生端末装置30へ有償、あるいは無償で提供するサーバである。配信サーバ2は、再生端末装置30から要求された視聴用ストリームSTvをネットワークNW、配信装置10を介して再生端末装置30へ供給する。
【0061】
なお、配信サーバ2としては、上述した種々のコンテンツを提供する一般的なコンテンツ提供サーバ(コンテンツ配信サーバ)の他、本実施の形態で提示するイベント(イベント情報)をストリーム化したイベント通知用ストリームSTeを提供するイベント通知用ストリーム配信装置なども含まれる。
【0062】
また、イベント通知用ストリームSTeとは、配信装置10(イベント検出部15)が検出したイベント(イベント情報)を再生端末装置30でユーザが再生して認識できるように構成(生成。ストリーム化)されたストリームである。イベント通知用ストリームSTeは、配信サーバ2の他、イベントストリーム生成内蔵手段20(本実施の形態での変形例)、イベントストリーム生成外部装置40(実施の形態2。図2参照)などからも提供(配信/ストリーム配信)される。
【0063】
本実施の形態に係る配信装置10は、配信サーバ2から配信された視聴用ストリームSTvを再生する再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する。配信装置10は、例えば、ハードディスクレコーダ(HDDレコーダ)で構成することができ、大量のデータ(コンテンツ)を蓄積、保存し、再生端末装置30へ配信することができる。データの保存は、一時的保存でもよく、また永続的保存とすることも可能である。
【0064】
また、再生端末装置30は、例えば、配信装置10との通信が可能なテレビジョン受像機を適用することができる。配信装置10と再生端末装置30とは、例えば、家庭内では構内通信網LANを介して通信される構成とされ、データの送信、受信を相互に実行する。
【0065】
配信装置10は、制御部11を備え、制御部11は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成され、記憶部18に予めインストールされたコンピュータプログラムによって配信装置10を機能させる。
【0066】
制御部11は、後で説明するストリーム収録手段12、ストリーム配信制御手段13、配信フォーマット判別手段14、イベントストリーム取得手段16などの機能実現手段を構成する。これらの機能実現手段は、予め配信装置10(記憶部18)にインストールされたコンピュータプログラムによって実現される。
【0067】
つまり、配信装置10は、再生端末装置30へ配信する視聴用ストリームSTvを収録するストリーム収録手段12と、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信を制御するストリーム配信制御手段13と、再生端末装置30へ配信中の視聴用ストリームSTvの配信フォーマットを判別する配信フォーマット判別手段14と、配信フォーマット判別手段14によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームSTe(図4C、図5、図6参照)を取得するイベントストリーム取得手段16とを備える。
【0068】
ストリーム収録手段12は、視聴用ストリームSTvを収録する。つまり、コンテンツ記録部として機能する。ストリーム収録手段12(コンテンツ記録部)は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気ディスク、記憶媒体としてフラッシュメモリを採用したSSD(Solid State Drive)などを適用することができる。必要に応じて、記憶部18を適用することも可能である。本実施の形態では、それぞれの機能を明確に示すため、ストリーム収録手段12、記憶部18を個別に記載する。
【0069】
ストリーム配信制御手段13は、配信中の視聴用ストリームSTvのメタ情報(図5、図6参照)およびイベントストリーム取得手段16が取得したイベント通知用ストリームSTeのメタ情報(図5、図6参照)に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信を制御する構成とされている。
【0070】
したがって、本実施の形態に係る配信装置10は、配信中の視聴用ストリームSTvの配信フォーマットに適合したイベント通知用ストリームSTeを取得し、メタ情報に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信を制御することから、視聴用ストリームSTvをイベント通知用ストリームSTeに円滑に置き換えて再生端末装置30へ配信することが可能となり、新しい機能を追加せずに、再生端末装置30での誤作動を防止することができる。
【0071】
配信装置10は、イベント(イベント情報)を検出するイベント検出部15を備える。イベント検出部15は、例えば、放送波等で緊急警報放送等の緊急情報/警報情報(地震関連情報、気象関連情報、注意報など)が提供されていることを検出するチューナで構成されている。ただし、チューナに限定されるものではない。
【0072】
イベント検出部15によってイベント(イベント情報)が検出されると、イベントストリーム取得手段16は、再生端末装置30に配信しているフォーマットに適合しているイベント通知用ストリームSTeを取得する。イベント通知用ストリームSTeが、例えば、ストリーム収録手段12に収録されている場合は、ストリーム収録手段12から読み出し、配信サーバ2に収録されている場合は、配信サーバ2に配信を要求することで実行される。検出したイベント(イベント情報)に対応するイベント通知用ストリームSTeは、イベントストリーム取得手段16からの取得が可能であれば良く、どこに収録されているかは問題ではない。
【0073】
イベント通知用ストリームSTeを取得するイベントストリーム取得手段16は、取得したイベント通知用ストリームSTeを例えばストリーム収録手段12に記憶(収録)させる。この場合には、イベント検出部15がイベントを検出したとき、ストリーム配信制御手段13は、イベント通知用ストリームSTeの有無をストリーム収録手段12に問い合わせ、記憶されているイベント通知用ストリームSTeをストリーム収録手段12から読み出して配信することができる。
【0074】
つまり、ストリーム配信制御手段13は、例えばストリーム収録手段12に収録されたイベント通知用ストリームSTeを読み出す。したがって、配信装置10は、ストリーム配信制御手段13がストリーム収録手段12から読み出したイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ円滑に配信することができる。
【0075】
なお、イベント通知用ストリームSTeは、配信装置10の内部のストリーム収録手段12に収録される場合に限らず、上述したとおり、例えば、イベントストリーム生成外部装置40(図2参照)などで生成(形成)される形態でも良い。イベントストリーム生成外部装置40などで生成される場合には、配信装置10(イベントストリーム取得手段16)からイベントストリーム生成外部装置40などに対してイベント通知用ストリームSTeの配信を要求することによってイベントストリーム取得手段16が取得し、ストリーム配信制御手段13が再生端末装置30へ配信する形態とすることも可能である。
【0076】
また、記憶部18は、配信装置10を機能させるために必要なコンピュータプログラム、配信装置10に関連したデータなどを記憶している。永続的な記憶には、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが適用され、一時的な記憶には、例えばDRAM(Dynanmic Random Access Memory)などの半導体メモリが適用される。
【0077】
通信部19は、有線あるいは無線での通信を実行する。有線通信の手段としては、例えばイーサネット(登録商標)があり、無線通信の手段としては、例えば802.11a/b/g/nといった無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信がある。
【0078】
再生端末装置30は、制御部31を備え、制御部31は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成され、記憶部34に予めインストールされたコンピュータプログラムによって再生端末装置30を機能させる。
【0079】
通信部32は、通信部19と同様に構成される。操作入力部33は、例えばリモコン(リモートコントローラ)に対応する受信機によって構成される。記憶部34は、記憶部18と同様に構成され、再生端末装置30として必要なコンピュータプログラム、データが記憶される。再生部35は、映像表示部35dおよび音声出力部35sを備える。映像表示部35dは、例えば液晶ディスプレイであり、音声出力部35sは、例えばスピーカである。なお、再生端末装置30は、映像表示部35dを持たないで音声出力部35sを有する音声再生装置であっても良い。
【0080】
配信装置10では、再生端末装置30から視聴用ストリームSTvについての配信の要求があったときに限り、イベント通知用ストリームSTeの配信を実行する構成とすることができる。
【0081】
したがって、配信装置10は、配信サーバ2に対する再生端末装置30からのコンテンツ配信要求がダウンロード要求では無く視聴用ストリームSTvについての配信要求のときに対応させてイベント通知用ストリームSTeの配信を機能させることから、不要な動作を抑制することができ、ユーザの使用感を向上させることができる。
【0082】
また、配信装置10は、必要に応じて(本実施の形態に係る配信装置10の変形例として)イベントストリーム生成内蔵手段20をさらに備えることができる。イベントストリーム生成内蔵手段20は、配信装置10の内部に配置され、イベント通知用ストリームSTrを生成することができる。
【0083】
したがって、配信装置10では、イベント通知用ストリームSTeは、内部に配置されたイベントストリーム生成内蔵手段20で生成されたものである場合がある。配信装置10は、イベントストリーム生成内蔵手段20で生成されたイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信することから、例えば、内部で生成された配信装置10の動作に関するイベント通知用ストリームSTeを円滑に機能させることができる。
【0084】
具体的には、イベントストリーム生成内部手段20が生成するイベント通知用ストリームSTeは、配信装置10の内部動作に関するイベント(イベント情報)をイベントストリーム生成内蔵手段20によってストリーム化したものである。したがって、配信装置10は、配信装置10の内部の動作に関する情報(イベント(イベント情報))に対応して生成されたイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信することから、例えば、再生端末装置30を効果的に機能させることができる。
【0085】
なお、配信装置10の内部動作に関するイベント(イベント情報)とは、録画予約開始、機器電源オフ、着呼に基づく着呼連絡(着呼報知)、着信に基づく着信連絡(着信報知)などである。つまり、内部動作に関するイベント情報に対応するイベント通知用ストリームSTeは、例えばイベントストリーム生成内蔵手段20によって提供される構成とすることができる。
【0086】
さらに補足すれば、イベントストリーム生成内部手段20は、配信装置10に対応させて予め指定(入力)されたメタ情報でイベント通知用ストリームSTeを生成する手段である。このときのメタ情報とは、配信フォーマット、ストリームの長さ(例えば、コンテンツサイズ、時間長など)である。
【0087】
上述したとおり、本実施の形態に係るストリーム配信システム1は、本実施の形態に係る配信装置10を備えることから、配信装置10の作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係るストリーム配信システム1、配信装置10では、イベント通知用ストリームSTeは、ネットワークNWを介して配信装置10に提供されたイベント(イベント情報)としての非常情報に対応して形成されたものである。したがって、配信装置10は、非常情報(例えば、地震情報、気象情報、緊急情報、警報、注意報など)に対応するイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信することから、再生端末装置30へのイベント通知を効果的に行うことができる。
【0089】
<実施の形態2>
図2を参照して、本実施の形態に係るストリーム配信システム、配信装置について説明する。本実施の形態に係るストリーム配信システム、配信装置は、実施の形態1に係るストリーム配信システム1、配信装置10と基本的な構成を共通とするので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。なお、本実施の形態に係るストリーム配信システム1は、配信装置10、再生端末装置30に加えてイベントストリーム生成外部装置40を備えるものである。
【0090】
図2は、本発明の実施の形態2に係るストリーム配信システム1の概略ブロック、配信装置10の機能ブロック、再生端末装置30の機能ブロック、イベントストリーム生成外部装置40の機能ブロックを示すブロック図である。
【0091】
本実施の形態に係るストリーム配信システム1は、配信サーバ2から配信された視聴用ストリームSTv(図4B、図5、図6参照)を再生する再生端末装置30と、再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する配信装置10とを備え、配信装置10および再生端末装置30に対して構内通信網LANを介して相互に通信され、イベント通知用ストリームSTeを生成するイベントストリーム生成装置40を備える。
【0092】
つまり、本実施の形態に係るストリーム配信システム1では、イベント通知用ストリームSTeは、再生端末装置30とは別に外部に配置され構内通信網LANを介して相互に通信されるイベントストリーム生成外部装置40で生成(形成)されたものを含むことがある。
【0093】
したがって、配信装置10は、構内通信網LANを介して通信されるイベントストリーム生成外部装置40で生成されたイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信することから、例えば、家庭内で指定された家庭固有のイベント(イベント情報)をイベントストリーム生成外部装置40でイベント通知用ストリームSTeに変換して円滑に再生することができる。
【0094】
イベントストリーム生成外部装置40は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)で構成することができる。イベントストリーム生成外部装置40はPCであることから、制御部41、通信部42、操作入力部43、記憶部44、表示部45などを備える。制御部41は、制御部11、制御部31と同様CPUで構成され、記憶部44に適宜のコンピュータプログラムをインストールされている。通信部42は、通信部19、通信部32と同様に構成される。操作入力部43は、例えばキーボード/マウス/ポインタなどであり、表示部45は、モニターである。記憶部44は、記憶部18、記憶部34と同様に構成される。
【0095】
イベントストリーム生成外部装置40でイベント通知用ストリームSTeを生成するときは、配信装置10から、配信フォーマット、ストリームの長さ(ストリームのサイズ、ストリームの時間長)などメタ情報が指定(入力)される。また、イベントストリーム生成外部装置40でイベント通知用ストリームSTeを生成するときは、単位パケット長を適用することができる。また、その後の処理においても、単位パケット長を基本として処理させることができる。
【0096】
なお、イベントストリーム生成外部装置40が生成するイベント通知用ストリームSTeは、イベントストリーム生成内蔵手段20が生成するイベント通知用ストリームSTeと同様な内容とすることも可能である。つまり、イベントストリーム生成外部装置40が生成するイベント通知用ストリームSTeは、配信装置10の内部動作に関するイベント(イベント情報)をストリーム化したものとすることができる。配信装置10の内部動作に関する情報には、上述したとおり、録画予約開始、機器電源オフ、着呼に基づく着呼連絡(着呼報知)、着信に基づく着信連絡(着信報知)などを含ませることができる。
【0097】
したがって、配信装置10は、配信装置10の内部動作に関するイベント(イベント情報)をイベントストリーム生成外部装置40でストリーム化したイベント通知用ストリームSTeを取得し、再生端末装置30へ配信することから、再生端末装置30、イベントストリーム生成外部装置40を効果的に機能させることができる。
【0098】
配信装置10にイベントストリーム生成内蔵手段20が既に構成されているとき、イベントストリーム生成外部装置40を機能させるか、イベントストリーム生成内蔵手段20を機能させるかは適宜選択することができる。また、両方を機能させることも可能である。
【0099】
構内通信網LANは、例えば家庭内に構築されたものであり、有線通信、無線通信のいずれであっても良い。
【0100】
上述したとおり、本実施の形態に係るストリーム配信システム1は、本実施の形態に係る配信装置10を備えることから、配信装置10の作用効果と同様の作用効果を奏することができる。また、ストリーム配信システム1は、イベント通知用ストリームSTeを生成するイベントストリーム生成外部装置40を備えるので、本発明に係る配信装置10と同様の作用効果を奏することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係るストリーム配信システム1、配信装置10では、イベント通知用ストリームSTeは、ネットワークNWを介して配信装置10に提供されたイベント(イベント情報)としての非常情報に対応して形成されたもの(非常情報をストリーム化したもの)である。したがって、配信装置10は、非常情報(例えば、地震情報、気象情報、緊急情報、警報、注意報など)に対応するイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信することから、視聴用ストリームSTvの再生状況に対応させて再生端末装置30へのイベント通知を効果的に行うことができる。
【0102】
<実施の形態3>
図3を参照して、本実施の形態に係るストリーム配信システム、配信装置での処理フロー(配信装置でのストリーム配信方法、配信装置での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム)について説明する。
【0103】
本実施の形態に係るストリーム配信システム、配信装置(ストリーム配信方法、コンピュータプログラム)は、実施の形態1、実施の形態2に係るストリーム配信システム1、配信装置10をそのまま適用するので、符号を援用する。処理フローとしては、ストリーム配信システム1を構成する配信装置10、配信装置10からの配信を受信する再生端末装置30での処理について説明する。
【0104】
図3は、本発明の実施の形態3に係る配信装置10および再生端末装置30での処理フローの基本を示すフロー図である。
【0105】
配信装置10での処理フローであるステップS11からステップS31まで、再生端末装置30での処理フローであるステップS51からステップS65までを参照して、ストリーム配信システム1、配信装置10、再生端末装置30での処理フロー、つまり、視聴用ストリームSTvを再生する再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する配信装置10でのストリーム配信方法、再生端末装置30でのストリーム再生方法について説明する。
【0106】
ステップS11:
配信装置10は、配信サーバ2から例えば「コンテンツ一覧」(図4A参照)の配信を受ける。受信した「コンテンツ一覧」は、再生端末装置30へ配信される(ステップS11→ステップS51)。
【0107】
ステップS13:
配信装置10は、視聴用ストリームSTvに対する配信要求を受信したか否かについて判断(判定)する。受信した場合(ステップS13:YES)は、ステップS15へ移行する。受信していない場合(ステップS13:NO)は、元へ戻り、次のタイミングでの判断を実行する。
【0108】
ステップS15:
配信装置10は、配信サーバ2から受信した視聴用ストリームSTvを再生端末装置30へ配信する(ステップS15→ステップS59)。なお、併せて、再生端末装置30へ配信する視聴用ストリームSTvをストリーム収録手段12に収録させるステップと、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信をストリーム配信制御手段13に制御させるステップとが実行される。
【0109】
また、配信に際し、ストリーム配信制御手段13は、例えばストリーム収録手段12に収録された視聴用ストリームSTvを読み出す。
【0110】
ステップS17:
配信装置10は、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信が終了したか否かを判断する。配信が終了していない場合(ステップS17:NO)は、ステップS19へ移行する。配信が終了している場合(ステップS17:YES)は、ステップS21へ移行する。
【0111】
ステップS19:
配信装置10(イベント検出部15)は、イベント(イベント情報)を検出したか否かを判断する。この判断は、制御部11および適宜のコンピュータプログラムを適用してイベント検出部15に実行させることができる。
【0112】
イベント(イベント情報)を検出した場合(ステップS19:YES)は、ステップS23へ移行する。また、イベント通知用ストリームSTeを検出しなかった場合(ステップS19:NO)は、ステップS15へ戻り、視聴用ストリームSTvの配信を継続し、適宜のタイミングでステップS17、ステップS19の判断を実行する。
【0113】
ステップS21:
視聴用ストリームSTvの配信が完了していることから、処理フローは終了する。
【0114】
ステップS23:
イベント検出部15でイベント(イベント情報)を検出したことから、配信装置10(ストリーム配信制御手段13)は、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信を停止する。また、適宜のタイミングで、再生端末装置30へ配信中の視聴用ストリームSTvの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段14に判別させるステップが実行される。
【0115】
ステップS25:
配信装置10(ストリーム配信制御手段13)は、メタ情報を取得する。つまり、視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベント(イベント情報)に対応してストリーム化(形成)されたイベント通知用ストリームSTeのメタ情報を取得する。また、ストリーム配信制御手段13は、以下のステップS27、ステップS29でのイベント通知用ストリームSTeの配信を制御する。
【0116】
配信中の視聴用ストリームSTv(配信の途中で配信を停止した視聴用ストリームSTv)のメタ情報およびイベント通知用ストリームSTeのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信をストリーム配信制御手段13に制御させるステップが実行される。
【0117】
ストリーム配信制御手段13は、視聴用ストリームSTvの配信を途中で停止したときの視聴用ストリームSTvのメタ情報を取得する。配信を停止した時点でのメタ情報を取得することから、配信装置10(ストリーム配信制御手段13)は、正確に視聴用ストリームSTvのメタ情報を取得することができるので、高精度に視聴用ストリームSTvをイベント通知用ストリームSTeに置き換えることができる。
【0118】
つまり、ストリーム配信制御手段13は、ステップS15で視聴用ストリームSTvの配信を開始したときから、ステップS23で視聴用ストリームSTvの配信を停止するまでの間での視聴用ストリームSTvのメタ情報を演算(検出)する構成とされている。また、視聴用ストリームSTv全体のメタ情報をストリーム収録手段12から取得する。
【0119】
なお、メタ情報およびメタ情報に基づく配信の制御の具体例については、図5、図6で説明するが、例えばストリームの長さ(具体的には、ストリームのサイズ、ストリームの時間長など)をメタ情報とすることができる。
【0120】
ステップS27:
配信装置10(イベントストリーム取得手段16)は、イベント通知用ストリームSTeを取得する。つまり、配信フォーマット判別手段14によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームSTeをイベントストリーム取得手段16に取得させるステップが適宜のタイミングで実行される。なお、併せて、イベント通知用ストリームSTeを例えばストリーム収録手段12へ収録することも可能である。
【0121】
ステップS29:
配信装置10(ストリーム配信制御手段13)は、イベントストリーム取得手段16が取得したイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信する。つまり、イベント通知用ストリームSTeの配信をストリーム配信制御手段13に制御させる。イベント通知用ストリームSTeの配信の形態については、図5、図6でさらに詳細を説明する。
【0122】
ステップS31:
配信装置10(ストリーム配信制御手段13)は、イベント通知用ストリームSTeの配信を終了したか否かを判断する。配信を終了した場合(ステップS31:YES)は、ステップS15へ戻る。配信を終了していない場合(ステップS31:NO)は、ステップS27へ戻り、ステップS27、ステップS29、ステップS31の処理を適宜のタイミングで繰り返す。
【0123】
ステップS51、ステップS53:
再生端末装置30は、配信装置10から配信された「コンテンツ一覧」を取得し、表示する(図4A参照)。
【0124】
ステップS55:
再生端末装置30は、操作入力部33を介して視聴用ストリームSTvに対する再生要求を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合(ステップS55:YES)は、ステップS57へ移行する。受け付けていない場合(ステップS55:NO)は、元へ戻り、次のタイミングでの判断を実行する。
【0125】
ステップS57:
再生端末装置30は、通信部32、通信部19を介して配信装置10へ、視聴用ストリームSTvに対する配信要求を送信する(ステップS57→ステップS13)。
【0126】
ステップS59:
再生端末装置30は、視聴用ストリームSTvの配信を受信し、視聴用ストリームSTvを取得(再生)する。
【0127】
あるいは、配信装置10(イベント検出部15)がイベント(イベント情報)を検出したことによって、視聴用ストリームSTvの配信が停止され視聴用ストリームSTvの再生を途中で停止した場合(ステップS23)、配信装置10(ストリーム配信制御手段13)から配信された(ステップS29→ステップS59)イベント通知用ストリームSTeを受信(再生)する。なお、以下のステップS61、ステップS63、ステップS65では、視聴用ストリームSTv、または、イベント通知用ストリームSTeのいずれか一方に対して処理が施される。
【0128】
ステップS61:
再生端末装置30は、取得(受信)した視聴用ストリームSTv/イベント通知用ストリームSTeに対してデコードを施す。配信フォーマットに適合した適宜のデコーダが予め準備されている。
【0129】
ステップS63:
再生端末装置30は、視聴用ストリームSTv/イベント通知用ストリームSTeの再生を実行する(再生の状態については、図4B、図4C参照)。
【0130】
ステップS65:
再生端末装置30は、再生長さ(再生対象のストリーム長さ)が満了したか否かを判断する。満了した場合(ステップS65:YES)は、処理を終了する。満了していない場合(ステップS65:NO)は、ステップS61へ戻り、ステップS61、ステップS63、ステップS65の処理を適宜のタイミングで繰り返す。
【0131】
上述したとおり、本実施の形態に係るストリーム配信方法は、視聴用ストリームSTvを再生する再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する配信装置10でのストリーム配信方法であって、再生端末装置30へ配信する視聴用ストリームSTvをストリーム収録手段12に収録させるステップと、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信をストリーム配信制御手段13に制御させるステップと、再生端末装置30へ配信中の視聴用ストリームSTvの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段14に判別させるステップと、配信フォーマット判別手段14によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームSTeをイベントストリーム取得手段16に取得させるステップとを備え、配信中の視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベントストリーム取得手段16が取得したイベント通知用ストリームSTeのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信をストリーム配信制御手段13に制御させるステップを備える。
【0132】
したがって、本発明に係るストリーム配信方法は、本発明に係る配信装置10と同様の作用効果を奏することができる。
【0133】
実施の形態1、実施の形態2で説明したとおり、配信装置10、再生端末装置30、イベントストリーム生成外部装置40は、いずれも適宜のコンピュータプログラムによって機能している。本実施の形態に係るストリーム配信方法についても予め配信装置10、再生端末装置30、イベントストリーム生成外部装置40にインストールされたコンピュータプログラムを適用して実行することができる。次に、コンピュータプログラムについて説明する。なお、各ステップは、上述したストリーム配信方法とそのまま対応するので、詳細な説明は省略する。
【0134】
本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、視聴用ストリームSTvを再生する再生端末装置30へ視聴用ストリームSTvを配信する配信装置10での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、再生端末装置30へ配信する視聴用ストリームSTvをストリーム収録手段12として収録させるステップと、コンピュータに、再生端末装置30に対する視聴用ストリームSTvの配信をストリーム配信制御手段13として制御させるステップと、コンピュータに、再生端末装置30へ配信中の視聴用ストリームSTvの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段14として判別させるステップと、コンピュータに、配信フォーマット判別手段14によって判別された配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームSTeをイベントストリーム取得手段16に取得させるステップとを備え、コンピュータに、配信中の視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベントストリーム取得手段16が取得したイベント通知用ストリームSTeのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信をストリーム配信制御手段13として制御させるステップを備える。
【0135】
したがって、本発明に係るコンピュータプログラムは、本発明に係る配信装置10、本発明に係るストリーム配信方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0136】
<実施の形態4>
図4Aないし図4Cを参照して、実施の形態1ないし実施の形態3に係るストリーム配信システム1、配信装置10に適合された再生端末装置での視聴用ストリームおよびイベント通知用ストリームの表示態様を実施の形態4として説明する。
【0137】
図4Aは、再生端末装置30でのコンテンツ一覧の表示状態を示す模式図である。
【0138】
再生端末装置30は、配信装置10から配信された「コンテンツ一覧」を映像表示部35dにおいて表示することが可能である。
【0139】
「コンテンツ一覧」は、XML(eXtensible Markup Language)、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述され、配信サーバ2から配信装置10へ供給され、配信装置10から再生端末装置30へ提供される。つまり、再生端末装置30は、配信装置10から「コンテンツ一覧」を取得する。
【0140】
「コンテンツ一覧」画面(図4A)は、再生端末装置30を起動させた直後、または、再生端末装置30の操作入力部33を介して「メニューキー」を押下したときに表示される構成とされ、再生端末装置30に予めインストールされた表示形態とすることができる。
【0141】
映像表示部35dには、コンテンツとして、「スポーツ2010」「ニュース10」「ドラマ・・」などが表示され、例えば、「ニュース10」が選択された状態を示す。メニュー(コンテンツ)が選択されると、選択されたコンテンツに対する視聴用ストリームSTvの配信が開始される(図4B)。
【0142】
図4Bは、再生端末装置30での視聴用ストリームSTvの表示状態を示す模式図である。
【0143】
再生端末装置30の操作入力部33によって選択された視聴用ストリームSTvの配信が開始され映像表示部35dに表示される。また、音声出力部35sから対応する音声が出力される。
【0144】
つまり、視聴用ストリームSTvは、音声ストリームまたは映像ストリームである。したがって、配信装置10は、再生端末装置30に対して音声、映像を配信することができる。
【0145】
以降、選択された視聴用ストリームSTvに対応するコンテンツが再生される。
【0146】
図4Cは、再生端末装置30でのイベント通知用ストリームSTeの表示状態を示す模式図である。
【0147】
視聴用ストリームSTvの再生中にイベント検出部15によってイベント(イベント情報)が検出されると視聴用ストリームSTvの配信が途中で停止される。併せて、イベントストリーム取得手段16がイベント通知用ストリームSTeを取得し、ストリーム配信制御手段13が取得されたイベント通知用ストリームSTeを再生端末装置30へ配信する。
【0148】
したがって、再生端末装置30(映像表示部35d、音声出力部35s)で再生されていた視聴用ストリームSTvは、イベント通知用ストリームSTe(例えば、「警報が発令されました/ご注意ください」)に置き換えられる。つまり、再生端末装置30は、配信装置10からイベント通知用ストリームSTeの配信を受信し、視聴用ストリームSTvの代わりにイベント通知用ストリームSTeを再生する。
【0149】
<実施の形態5>
図5、図6を参照して、実施の形態1ないし実施の形態4に係るストリーム配信システム1、配信装置10、配信装置10でのストリーム配信方法、およびコンピュータプログラムにおけるメタ情報に基づく配信の制御内容(制御方法、制御プログラム)を実施の形態5として説明する。
【0150】
つまり、ストリーム配信制御手段13が、配信中の視聴用ストリームSTvのメタ情報および取得したイベント通知用ストリームSTeのメタ情報に基づいてイベント通知用ストリームSTeの配信を制御する構成とされていることを具体的に説明する。
【0151】
メタ情報は、一般的には情報の情報と定義されている。本願では、ストリーム(視聴用コンテンツに対する視聴用ストリームSTv、イベントに対するコンテンツとしてのイベント通知用ストリームSTe)の長さとして把握している。つまり、視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベント通知用ストリームSTeのメタ情報は、ストリームの長さである。したがって、配信装置10(ストリーム配信システム1)は、視聴用ストリームSTvの長さとイベント通知用ストリームSTeの長さを比較してストリームの配信を適切に制御することができる。
【0152】
なお、ストリームの長さは、具体的には、ストリーム(視聴用ストリームSTv、イベント通知用ストリームSTe)の時間長、あるいはサイズとして把握することも可能である。
【0153】
イベント通知用ストリームSTeの長さが視聴用ストリームSTvの配信されていない部分(残り)の長さより短い場合を図5で、イベント通知用ストリームSTeの長さが視聴用ストリームSTvの配信されていない部分(残り)の長さより長い場合を図6で説明する。
【0154】
図5は、視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベント通知用ストリームSTeのメタ情報の相関関係を示す模式図であり、(A)はストリームの長さを示す基準としての横軸、(B)は視聴用ストリームSTvの全体の長さTs、(C)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリームSTe、(D)は未配信ストリーム長Tsrの部分を(C)のイベント通知用ストリームSTeで置き換えられた実施例1、(E)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリームSTe、(F)は未配信ストリーム長Tsrの部分を(E)のイベント通知用ストリームSTeで置き換えられた実施例2をそれぞれ示す模式図である。
【0155】
なお、図5(C)(D)が実施例1に対応し、図5(E)(F)が実施例2に対応する。上述したとおり、実施例1、実施例2は、イベント通知用ストリームSTeのストリームの長さ(イベントストリーム長Te)が、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない視聴用ストリームSTvの長さである未配信ストリーム長Tsrより短いときの一態様である。
【0156】
視聴用ストリームSTvの全体の長さTsは、開始時Tss、終了時Tseで規定される(図5(A)(B))。
【0157】
イベント(イベント情報)が検出されると、視聴用ストリームSTvの配信が停止される(図3のステップS19、ステップS23参照)。視聴用ストリームSTvの配信が途中で停止された場合、メタ情報が取得される(図3のステップS25参照)。
【0158】
つまり、視聴用ストリームSTvのメタ情報として、ストリーム全体の長さTs、配信済み部分のストリームの長さTs1、イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teが取得(認識)される。また、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームSTvの長さである未配信ストリーム長Tsrが取得(認識)される(図5(C)(D)、図5(E)(F))。
【0159】
配信済み部分のストリームの長さTs1は、図3のステップS15からステップS23までの間の例えば時間をカウントさせておくことで取得することができる。ストリームの長さTs1の取得は、例えばストリーム配信制御手段13によって実行することができる。ストリーム全体の長さTsは、視聴用ストリームSTvのメタ情報から得られる。イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teは、イベント通知用ストリームSTeのメタ情報から得られる。また、未配信ストリーム長Tsrは、ストリーム全体の長さTsと配信済み部分のストリームの長さTs1との差で求められる。これらの演算は、制御部11(ストリーム配信制御手段13)で実行させることができる。
【0160】
イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teが未配信ストリーム長Tsrより短いことから、視聴用ストリームSTvを停止した後、イベント通知用ストリームSTeを1回(図5(D)。実施例1)、あるいは複数回(図5(F)。実施例2)配信する(置き換える)ことが可能となる。イベント通知用ストリームSTeの配信が終了したとき、視聴用ストリームSTvの残り部分の長さTs2に対応させて残りの視聴用ストリームSTvを配信(配信を再開)すること(図5(D))、あるいは、イベント通知用ストリームSTeを複数回繰り返して配信すること(図5(F))など、配信を適宜に制御することができる。
【0161】
つまり、視聴用ストリームSTvの未配信ストリーム長Tsrに対応する期間、イベント通知用ストリームSTeを繰り返して配信することができ、あるいは、イベント通知用ストリームSTeを例えば1回配信した後、未配信の視聴用ストリームSTvの残り部分をストリームの長さTs2に対応させて継続して配信することができる。
【0162】
上述したとおり、本実施の形態に係る配信装置10では、ストリーム配信制御手段13は、イベント通知用ストリームSTeの長さであるイベントストリーム長Teと、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームSTvの長さである未配信ストリーム長Tsrとを比較し、イベントストリーム長Teが未配信ストリーム長Tsrより短い場合は、イベント通知用ストリームSTeを配信する。
【0163】
したがって、配信装置10は、イベント通知用ストリームSTeの長さ(イベントストリーム長Te)が未配信の視聴用ストリームSTvの長さ(未配信ストリーム長Tsr)より短い場合、未配信ストリーム長Tsrに対応する期間、イベント通知用ストリームSTeを配信することが可能となる。
【0164】
図6は、視聴用ストリームSTvのメタ情報およびイベント通知用ストリームSTeのメタ情報の相関関係を示す模式図であり、(A)はストリームの長さを示す基準としての横軸、(B)は視聴用ストリームSTvの全体の長さTs、(C)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリームSTe、(D)は未送信ストリーム長Tsrの部分を(C)のイベント通知用ストリームSTeで置き換えられた実施例3、(E)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリームSTe、(F)は未送信ストリーム長Tsrの部分を(E)のイベント通知用ストリームSTeで置き換えられた実施例4、(G)は置き換えて配信されるイベント通知用ストリームSTe、(H)は未送信ストリーム長Tsrの部分を(E)のイベント通知用ストリームSTeで置き換えられた実施例5をそれぞれ示す模式図である。
【0165】
なお、図6(C)(D)が実施例3に対応し、図6(E)(F)が実施例4に対応し、図6(G)(H)が実施例5に対応する。上述したとおり、実施例3、実施例4、実施例5は、イベント通知用ストリームSTeのストリームの長さ(イベントストリーム長Te)が、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない視聴用ストリームSTvの長さである未送信ストリーム長Tsrより長いときの一態様である。
【0166】
基本的な構成、制御方法は、図5の場合と同様であるので適宜説明を簡略化する。
【0167】
実施例3は、イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teの一部Te1(開始時から未送信ストリーム長Tsrに相当する部分までの長さ。置き換え長さTe1)を切り出し、視聴用ストリームSTvの未送信ストリーム長Tsrの部分をイベント通知用ストリームSTeで置き換えるものである。
【0168】
実施例4は、イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teの一部Te2(途中から未送信ストリーム長Tsrに相当する部分までの長さ。置き換え長さTe2)を切り出し、視聴用ストリームSTvの未送信ストリーム長Tsrの部分をイベント通知用ストリームSTeで置き換えるものである。
【0169】
実施例5は、イベント通知用ストリームSTeの全体のイベントストリーム長Teを圧縮し、視聴用ストリームSTvの未送信ストリーム長Tsrの部分をイベント通知用ストリームSTeで置き換えるものである。
【0170】
上述したとおり、イベント通知用ストリームSTeの一部を切り出すときの切り出し態様は任意に設定することが可能であり、開始時から途中まで、途中から途中までの任意の期間、途中から終了時までなどとすることが可能である。また、イベント通知用ストリームSTeの全体を圧縮することも可能である。例えば、イベント通知用ストリームSTeの内容に応じて予め適宜の設定をしておくことも可能である。
【0171】
つまり、本実施の形態に係る配信装置10では、ストリーム配信制御手段13は、イベント通知用ストリームSTeの長さであるイベントストリーム長Teと、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームSTvの長さである未配信ストリーム長Tsrとを比較し、イベントストリーム長Teが未配信ストリーム長Tsrより長い場合は、未配信ストリーム長Tsrに対応する期間、イベント通知用ストリームSTeを配信する。
【0172】
したがって、本発明に係る配信装置10は、イベント通知用ストリームSTeの長さ(イベントストリーム長Te)が未配信の視聴用ストリームSTvの長さ(未配信ストリーム長)より長い場合、未配信ストリーム長に対応する期間、イベント通知用ストリームSTeに適宜の処理を施して配信することが可能となる。
【0173】
<実施の形態6>
図7Aないし図7Dを参照して、実施の形態1ないし実施の形態5で配信の対象とされる視聴用ストリームSTvのメタ情報について、実施の形態6として説明する。
【0174】
図7Aは、コンテンツ情報の情報(視聴用ストリームSTvのメタ情報)の例を示す説明図表である。
【0175】
コンテンツ情報(視聴用ストリームSTv)を説明した情報(メタ情報)をデータの種別を示す「ラベル」(項目)と具体的な「データ」とを対照させて示している。「ラベル」に対応させて「データ」が示される。コンテンツ情報は、配信装置10で保持するコンテンツの内容を説明した情報(メタ情報)である。
【0176】
具体的な例として、「コンテンツID」のデータは、例えば「video_1411_398701」であり、「タイトル」のデータは、例えば「ニュース10」であり、「コンテンツ時間長」のデータは、例えば「00:54:00:000」(54分00秒)であり、「コンテンツサイズ」のデータは、例えば「9,720,000,000」であり、「URL」(Uniform Resource Locator:インターネット上でアクセスするための情報)のデータは、例えば「http://video_1411_398701.mpg」である。
【0177】
なお、「コンテンツID」は、配信装置10がコンテンツに付与する配信装置10の中での固有のIDである。「タイトル」は、コンテンツのタイトルをあらわす。例えば、録画番組であれば番組名である。「コンテンツ時間長」は、コンテンツの再生時間長を表す。「コンテンツサイズ」は、コンテンツのバイト長を表す。「URL」は、コンテンツの位置情報を表す。
【0178】
コンテンツ時間長、あるいはコンテンツサイズをストリームの長さに対応させることが可能である。
【0179】
なお、全てのラベルに対応させて情報を特定する必要はない。ラベルの種類は、必要に応じて適宜設定することができる。
【0180】
図7Bは、コンテンツ一覧を示し、少なくとも1つの視聴用ストリームSTvを一覧形式で説明する情報の例を示す説明図表である。
【0181】
「コンテンツ一覧」は、少なくとも1つの視聴用ストリームSTvを一覧形式で示す。「ラベル」を「情報1」から「情報5」までとし、各情報に対応する「データ」を対照させて表示している。
【0182】
例えば、情報1のデータは「コンテンツ情報1」であり、情報2のデータは「コンテンツ情報2」であり、情報3のデータは「コンテンツ情報3」であり、情報4のデータは「コンテンツ情報4」であり、情報5のデータは「コンテンツ情報5」である。
【0183】
「コンテンツ一覧」は、図3で説明したとおり、配信装置10から再生端末装置30へ配信される。
【0184】
図7Cは、コンテンツ情報の1つであるURLの具体例を示す説明図表である。
【0185】
例えば、コンテンツ情報のラベル「URL」として、上述したとおり、「http://video_1411_398701.mpg」を特定(指定)することができる。
【0186】
図7Dは、コンテンツ情報から得られたメタ情報の例を示す説明図表である。
【0187】
視聴用ストリームSTvの配信が途中で停止された場合に取得されるメタ情報(図3のステップS25参照)の例を示す。
【0188】
つまり、視聴用ストリームSTvのメタ情報として、ストリーム全体の長さTs、配信済み部分のストリームの長さTs1、イベント通知用ストリームSTeのイベントストリーム長Teが取得される(図5参照)。また、視聴用ストリームSTvの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームSTvの長さである未配信ストリーム長Tsrが取得される。
【0189】
「配信済みコンテンツサイズ」は、例えば「6,720,000,000」(バイト長)であり、図5、図6で示した視聴用ストリームSTvの配信済み部分に対応するストリームの長さTs1に相当する。「コンテンツサイズ」は、例えば「8,720,000,000」(バイト長)であり、図5、図6で示した視聴用ストリームSTvのストリーム全体の長さTsに相当する。また、「未配信コンテンツサイズ」は、例えば「2,000,000,000」(バイト長)であり、図5、図6で示した未配信ストリーム長Tsrに相当する。
【0190】
なお、図5、図6で説明したとおり、「未配信コンテンツサイズ」は、「コンテンツサイズ」から「配信済みコンテンツサイズ」を引いた値となっている。
【符号の説明】
【0191】
1 ストリーム配信システム
2 配信サーバ
10 配信装置
11 制御部
12 ストリーム収録手段
13 ストリーム配信制御手段
14 配信フォーマット判別手段
15 イベント検出部
16 イベントストリーム取得手段
18 記憶部
19 通信部
20 イベントストリーム生成内蔵手段
30 再生端末装置
31 制御部
32 通信部
33 操作入力部
34 記憶部
35 再生部
35d 映像表示部
35s 音声出力部
40 イベントストリーム生成外部装置
41 制御部
42 通信部
43 操作入力部
44 記憶部
45 表示部
LAN 構内通信網
NW ネットワーク
STe イベント通知用ストリーム
STv 視聴用ストリーム
Te イベントストリーム長
Te1、Te2 置き換え長さ
Ts 視聴用ストリームの全体の長さ
Ts1 配信済み部分のストリームの長さ
Tsr 未送信ストリーム長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置であって、
前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームを収録するストリーム収録手段と、
前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信を制御するストリーム配信制御手段と、
前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを判別する配信フォーマット判別手段と、
前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームを取得するイベントストリーム取得手段とを備え、
前記ストリーム配信制御手段は、配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を制御する構成とされていること
を特徴とする配信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配信装置であって、
前記ストリーム配信制御手段は、前記視聴用ストリームの配信を途中で停止したときの前記視聴用ストリームのメタ情報を取得すること
を特徴とする配信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配信装置であって、
前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベント通知用ストリームのメタ情報は、ストリームの長さであること
を特徴とする配信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記ストリーム配信制御手段は、前記ストリーム収録手段に収録された前記イベント通知用ストリームを読み出すこと
を特徴とする配信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記イベント通知用ストリームは、前記再生端末装置とは別に配置され構内通信網を介して相互に通信されるイベントストリーム生成外部装置で生成されたものであること
を特徴とする配信装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記イベント通知用ストリームは、内部に配置されたイベントストリーム生成内蔵手段で生成されたものであること
を特徴とする配信装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の配信装置10であって、
前記イベントストリーム生成外部装置、または前記イベントストリーム生成内部手段が生成する前記イベント通知用ストリームは、内部動作に関するイベント情報をストリーム化したものであること
を特徴とする配信装置。
【請求項8】
請求項3から請求項7までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記ストリーム配信制御手段は、前記イベント通知用ストリームの長さであるイベントストリーム長と、前記視聴用ストリームの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームの長さである未配信ストリーム長とを比較し、前記イベントストリーム長さが前記未配信ストリーム長より短い場合は、前記イベント通知用ストリームを配信すること
を特徴とする配信装置。
【請求項9】
請求項3から請求項7までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記ストリーム配信制御手段は、前記イベント通知用ストリームの長さであるイベントストリーム長と、前記視聴用ストリームの内で未だ配信がされていない未配信の視聴用ストリームの長さである未配信ストリーム長とを比較し、前記イベントストリーム長さが前記未配信ストリーム長より長い場合は、前記未配信ストリーム長に対応する期間、前記イベント通知用ストリームを配信すること
を特徴とする配信装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記イベント通知用ストリームは、ネットワークを介して配信装置に提供されたイベントとしての非常情報に対応して形成されたものであること
を特徴とする配信装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記視聴用ストリームは、音声ストリームまたは映像ストリームであること
を特徴とする配信装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか一つに記載の配信装置であって、
前記再生端末装置から前記視聴用ストリームについての配信の要求があったときに限り、前記イベント通知用ストリームの配信を実行すること
を特徴とする配信装置。
【請求項13】
視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置でのストリーム配信方法であって、
前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームをストリーム収録手段に収録させるステップと、
前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段に制御させるステップと、
前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段に判別させるステップと、
前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段に取得させるステップとを備え、
配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を前記ストリーム配信制御手段に制御させるステップを備えること
を特徴とする配信装置でのストリーム配信方法。
【請求項14】
視聴用ストリームを再生する再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置での配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記再生端末装置へ配信する前記視聴用ストリームをストリーム収録手段として収録させるステップと、
コンピュータに、前記再生端末装置に対する前記視聴用ストリームの配信をストリーム配信制御手段として制御させるステップと、
コンピュータに、前記再生端末装置へ配信中の前記視聴用ストリームの配信フォーマットを配信フォーマット判別手段として判別させるステップと、
コンピュータに、前記配信フォーマット判別手段によって判別された前記配信フォーマットに適合するイベント通知用ストリームをイベントストリーム取得手段として取得させるステップとを備え、
コンピュータに、配信中の前記視聴用ストリームのメタ情報および前記イベントストリーム取得手段が取得した前記イベント通知用ストリームのメタ情報に基づいて前記イベント通知用ストリームの配信を前記ストリーム配信制御手段として制御させるステップを備えること
を特徴とする配信をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
配信サーバから配信された視聴用ストリームを再生する再生端末装置と、前記再生端末装置へ前記視聴用ストリームを配信する配信装置とを備えるストリーム配信システムであって、
前記配信装置は、請求項1から請求項12までのいずれか一つに記載の配信装置であること
を特徴とするストリーム配信システム。
【請求項16】
請求項15に記載のストリーム配信システムであって、
前記配信装置および前記再生端末装置に対して構内通信網を介して通信され、前記イベント通知用ストリームを生成するイベントストリーム生成外部装置を備えること
を特徴とするストリーム配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公開番号】特開2012−19470(P2012−19470A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157027(P2010−157027)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】