配管接合用標線記入治具及び配管の接合方法
【課題】 接続管に受口長さ標線や差込長さ標線を配管のサイズ毎に簡単に記入できる配管接合用標線記入治具を提供するとともに、この配管接合用標線記入治具を使用した配管の接合方法を提供する。
【解決手段】 配管接合用標線記入治具11は、長方形状の基板11の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面13となる係止部14を突設し、第1基準面13からの距離が受口の長さに対応した位置に受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dを設けるとともに、基板11の端面を第2基準面19とし、この第2基準面19からの距離が受口の長さの1/3の長さに対応した位置に差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eを設け、第1基準面に対して直角な方向に軸線記入用スリット16を設けている。
【解決手段】 配管接合用標線記入治具11は、長方形状の基板11の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面13となる係止部14を突設し、第1基準面13からの距離が受口の長さに対応した位置に受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dを設けるとともに、基板11の端面を第2基準面19とし、この第2基準面19からの距離が受口の長さの1/3の長さに対応した位置に差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eを設け、第1基準面に対して直角な方向に軸線記入用スリット16を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管接合用標線記入治具に関し、詳しくは、塩化ビニル樹脂製管継手の受口に塩化ビニル樹脂製接続管を挿入して接着接合(TS接合)する際に使用する配管接合用標線記入治具及び該配管接合用標線記入治具を使用して管継手と接続管とを確実に接合するための配管の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道用(給水用)配管において、塩化ビニル樹脂製管継手の受口に塩化ビニル樹脂製接続管の端部を挿入して接着接合(TS接合)する際には、受口及び接続管にそれぞれ寸法の許容差があるため、接続管の端面から受口の長さに等しい位置の外周面に受口長さ標線を記入するとともに、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で受口の端面の位置(ゼロポイント)を接続管の外周面に記入し、この受口の端面位置から所定寸法の位置に接着代(差込長さ)を示す標線を記入した後、前記受口長さ標線と受口の端面位置を示す標線との関係から接合の可否を判定し、合格の場合には受口内周面と接続管の端面から接着代を示す標線までの間の外周面に接着剤を塗布し、受口内に接続管を挿入して両者を接合するようにしている。
【0003】
また、TS接合を行う接続管の外周面に、該接続管のサイズに対応した挿入量の基準となる標線を簡単に記入することができる治具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−349469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の各標線の記入は、受口長さが配管のサイズによって異なり、受口端面から接着代までの寸法もサイズによって異なるため、受口長さ等の数値をサイズ毎に確認しなければならず、さらに、スケールを使用して所定位置に標線を記入するのも面倒で手間が掛かる作業である。
【0005】
また、挿入量の基準となる標線を記入するものでは、受口には関係なく接続管単独で標線を記入するため、受口と接続管の寸法差によっては十分な接合力が得られなくなるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、接続管の外周面に受口長さを示す標線や差込長さを示す標線を配管のサイズ毎に簡単に記入(マーキング)することができる配管接合用標線記入治具を提供するとともに、この配管接合用標線記入治具を使用して十分な接合強度で管継手と接続管とを確実に接合することができる配管の接合方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の配管接合用標線記入治具は、管継手の受口内に挿入する接続管の外周面に挿入量の基準となる標線を記入する際に用いる配管接合用標線記入治具であって、長方形状の基板の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面となる係止部を突設し、前記第1基準面からの距離が前記受口の長さに対応した基板位置に受口長さ標線記入用スリットを前記第1基準面と平行に設けるとともに、前記基板の長手方向のいずれか一方の端面を第2基準面として該基準面からの距離が前記受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置に差込長さ標線記入用スリットを前記第2基準面と平行に設けたことを特徴とし、さらに、前記係止部の近傍と前記受口長さ標線記入用切欠部との間に前記第1基準面に対して直角な方向の軸線記入用スリットを設けたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の配管接合用標線記入治具は、前記受口長さ標線記入用スリットが、サイズが異なる複数の受口の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各受口長さ標線記入用スリットの近傍に、各受口長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットもサイズが異なる複数の受口の長さの1/3の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各差込長さ標線記入用スリットの近傍に、各差込長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0009】
さらに、前記受口長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向とは逆方向の基板面に設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向と同方向の基板面に設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、前記配管接合用標線記入治具を使用した本発明の配管の接合方法は、前記第1基準面を接続管の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置した状態で配管のサイズに対応した前記受口長さ標線記入用スリットを通して受口長さ標線を接続管の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリットを通して軸線を接続管の外周面に記入する操作と、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で、前記第2基準面を受口の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置し、配管のサイズに対応した前記差込長さ標線記入用スリットを通して差込長さ標線を接続管の外周面でかつ前記操作で記入した軸線上又はその近傍に記入する操作とを行い、接続管の外周面に記入した受口長さ標線と差込長さ標線の位置を比較して差込長さ標線が受口長さ標線よりも接続管の端面から遠い位置にあるときには管継手又は接続管を交換し、差込長さ標線が受口長さ標線より接続管の端面に近い位置にあるときには、受口の内周面及び接続管の外周面における端面から差込長さ標線までの間に接着剤を塗布し、受口端面が前記差込長さ標線を超える位置まで接続管の端部を受口に挿入して管継手と接続管とを接合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配管接合用標線記入治具によれば、配管のサイズに対応した受口長さ標線及び差込長さ標線を簡単かつ確実に接続管の外周面に記入することができる。そして、前記配管接合用標線記入治具を使用して標線を記入することにより、受口と接続管との接合の可否の判定を行うことができ、差込長さ標線を基準として接着剤の塗布範囲も確実に確認できるとともに、受口への接続管の差し込み量も容易に確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2は本発明の配管接合用標線記入治具の第1形態例を示すもので、図1は表側から見た斜視図、図2は裏側から見た斜視図である。
【0013】
まず、図1に示すように、配管接合用標線記入治具11は、合成樹脂製あるいは金属製の薄板からなる長方形状の基板12の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面13となる係止部14を基板11と直角方向に突設するとともに、基板12の所定位置に、接合する配管の各サイズにそれぞれ対応した受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dと、軸線記入用スリット16と、差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eを設けたものである。
【0014】
前記受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dは、前記第1基準面13からの距離が各サイズの受口長さに対応した基板位置にそれぞれ前記第1基準面13と平行に設けられるものであって、前記第1基準面13に対して直角な方向に設けられる軸線記入用スリット16に交わる形状となっている。また、前記軸線記入用スリット16は、本形態例では、前記係止部14の近傍と、該係止部14から最も離れた位置にある受口長さ標線記入用スリット15dとの間にわたって設けられている。
【0015】
各受口長さ標線記入用スリットにおける第1基準面13からの距離は、第1基準面13に近いスリットから順に、受口長さ標線記入用スリット15aはサイズが50A及び75Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15bはサイズが100Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15cはサイズが125Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15dはサイズが150Aの受口の長さに、それぞれ対応している。
【0016】
基板11における係止部14の突出方向と逆方向の基板面である表面11aには、各受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dの近傍に、各スリットに対応するサイズを表すサイズ表示18aと受口長さ標線を記入する際に使用する面であることを示す面表示18bとがそれぞれ設けられている。
【0017】
前記差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eは、基板11の長手方向の一方の端面である係止部14側の端面を第2基準面19とし、該第2基準面19からの距離が各サイズの受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置にそれぞれ前記第2基準面19と平行に設けられている。
【0018】
各差込長さ標線記入用スリットにおける第2基準面19からの距離は、第2基準面19に近いスリットから順に、差込長さ標線記入用スリット17aはサイズが50Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17bはサイズが75Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17cはサイズが100Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17dはサイズが125Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17eはサイズが150Aの受口の長さの1/3に、それぞれ対応している。
【0019】
そして、図2に示すように、基板11における係止部14の突出方向と同方向の基板面である裏面11bには、各差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eの近傍に、各スリットに対応するサイズを表すサイズ表示20aと差込長さ標線を記入する際に使用する面であることを示す面表示20bとがそれぞれ設けられている。
【0020】
上述の各スリットの幅は適当に設定することができるが、接続管の外周面に標線を記入する際に使用する油性フェルトペン等の筆記具にて標線を所定位置に確実に見やすく記入できる幅に設定すればよい。また、受口長さ標線記入用スリット及び差込長さ標線記入用スリットの長さも適当に設定できるが、両者を区別するために異なる長さに設定しておくことが好ましい。
【0021】
次に、図3乃至図11を参照して本発明の配管の接合方法を説明する。図3乃至図11は、前記第1形態例に示した配管接合用標線記入治具を使用して管継手と接続管とを接合する手順を示すもので、図3は受口長さ標線及び接続管の軸線に対応した直線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図、図4は接続管の外周面に記入された受口長さ標線及び軸線の状態を示す斜視図、図5は接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態を示す斜視図、図6は差込長さ標線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図、図7は接続管の外周面に記入された受口長さ標線、軸線及び差込長さ標線の状態を示す斜視図、図8は接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が標準的な状態のときを示す平面図、図9は同じく接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が不的確(接合不可)な状態のときを示す平面図、図10は接着剤を塗布した状態を示す一部断面平面図、図11は受口に接続管を挿入している状態を示す一部断面平面図である。
【0022】
まず、図3及び図4に示すように、前記第1基準面13を接続管21の接合側の端面21aに当接させた状態で前記基板11を接続管21の外周面に設置する。このとき、係止部14の突出方向が管内周側を向くことから、基板11の裏面11bが接続管21の外周面に当接し、表面11aの各表示18a,18bが手前を向いた状態となる。この状態で、油性フェルトペン等の筆記具22を使用し、配管のサイズに対応した受口長さ標線記入用スリット、例えばサイズが50Aの場合には受口長さ標線記入用スリット15aを通して受口長さ標線23を接続管21の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリット16を通して軸線24を接続管21の外周面に記入する。
【0023】
次に、図5,図6及び図7に示すように、接続管21の端部を管継手25の受口内に軽く差し込んで止まる位置まで挿入した状態、すなわち、ゼロポイントの状態で、基板11の一端の前記第2基準面19を管継手25の受口端面25aに当接させて基板11を接続管21の外周面に設置する。このとき、係止部14を管内周側に向けると基板11の係止部側が管外周面から浮いてしまうので、基板11の表面11aを接続管21の外周面に当接させ、裏面11bの各表示20a,20bが手前を向いた状態とする。この状態で、配管のサイズに対応した差込長さ標線記入用スリット、すなわち、サイズが50Aの場合には差込長さ標線記入用スリット17aを通して筆記具22により接続管21の外周面でかつ前記操作で記入した軸線24上又はその近傍に差込長さ標線26を記入する。
【0024】
これにより、受口端面25aから受口の長さの1/3に相当する位置に差込長さ標線26が記入されたことになる。なお、接続管21の端部を管継手25の受口内に差し込む際に、硬くて僅かしか差し込めない場合には、接続管21の寸法が大きくて受口の寸法が小さく、両者の寸法が接合に適していない状態であるから、この時点で接続管21又は管継手25を交換する。
【0025】
次に、記入した受口長さ標線23の位置と差込長さ標線26の位置とを比較する。図8に示すように、差込長さ標線26の位置が受口長さ標線23よりも接続管21の挿入端側に位置している場合には接合可能な状態であるが、図9に示すように、差込長さ標線26の位置が受口長さ標線23よりも接続管21の端面から遠い位置にあるときには、接続管21の寸法が小さくて受口の寸法が大きく、両者の寸法が接合に適していない状態であるから、接続管21又は管継手25を交換する。このとき、受口長さ標線23及び差込長さ標線26を軸線24上又はその近傍に記入することにより、両者の位置の比較を容易に行うことができる。
【0026】
接合可能を確認したら、図10に示すように、管継手25の受口25bの内周面及び接続管21の外周面における端面から差込長さ標線26までの間に接着剤27をそれぞれ塗布し、図11に示すように、受口端面25aが前記差込長さ標線26を超える位置まで接続管21の端部を受口25に挿入して管継手25と接続管21とを接合する。これにより、管継手25と接続管21とを確実に接合できたことになる。
【0027】
図12は本発明の配管接合用標線記入治具の第2形態例を示す平面図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例で示した配管接合用標線記入治具における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
本形態例に示す配管接合用標線記入治具31は、前記第1形態例と同様に、基板12の一端に突設した係止部14の基板側の面を第1基準面13として受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dを設けるとともに軸線記入用スリット16を設け、差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eは、係止部14の反対側の端面を第2基準面19として所定の位置に設けている。また、各表示18a、18b,20a、20bは、基板11の表面11a側にそれぞれ設けられている。
【0029】
また、前記受口長さ標線記入用スリットや軸線記入用スリットは基板11の一側方に変位して配置され、差込長さ標線記入用スリットは基板11の他側方に変位して配置されるとともに、係止部14は、基板11の幅方向の半分程度の寸法で、受口長さ標線記入用スリットや軸線記入用スリットを設けた一側方に片寄せて設けられている。
【0030】
この配管接合用標線記入治具31を使用して受口長さ標線23及び軸線24を接続管21の外周面に記入するときには、前記同様に、表面11aを手前側にして接続管の接続側端面に第1基準面13を当接させた状態で行う。また、差込長さ標線26を記入するときには、表面11aを手前側にしたまま、配管接合用標線記入治具31を逆方向に向け、第2基準面19を受口端面に当接させた状態で行う。
【0031】
このとき、係止部14を基板幅方向の一側方に、差込長さ標線記入用スリットを基板幅方向の他側方に設けているので、差込長さ標線26を記入する際に係止部14の突出端が接続管外周面に当たらない位置に配管接合用標線記入治具31を設置することができるので、基板11の係止部14側が接続管外周面から浮き上がることがなく、基板11の裏面全体を接続管外周面に当接させた状態で差込長さ標線を記入できる。
【0032】
図13は本発明の配管接合用標線記入治具の第3形態例を示す平面図である。本形態例は配管のサイズ毎に配管接合用標線記入治具を形成したものであって、本形態例では配管のサイズが50Aに対応した配管接合用標線記入治具を示している。
【0033】
すなわち、本形態例に示す配管接合用標線記入治具41は、係止部14の第1基準面13から63mmの位置に受口長さ標線記入用スリット15aを設けるとともに、係止部14の外面である第2基準面19から21mmの位置に差込長さ標線記入用スリット17aを設けている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の配管接合用標線記入治具の第1形態例を示す表側から見た斜視図である。
【図2】同じく裏側から見た斜視図である。
【図3】受口長さ標線及び軸線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図である。
【図4】接続管の外周面に記入された受口長さ標線及び軸線の状態を示す斜視図である。
【図5】接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態を示す斜視図である。
【図6】差込長さ標線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図である。
【図7】接続管の外周面に記入された受口長さ標線、軸線及び差込長さ標線の状態を示す斜視図である。
【図8】接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が標準的な状態のときを示す平面図である。
【図9】同じく接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が不的確な状態のときを示す平面図である。
【図10】接着剤を塗布した状態を示す一部断面平面図である。
【図11】受口に接続管を挿入している状態を示す一部断面平面図である。
【図12】本発明の配管接合用標線記入治具の第2形態例を示す平面図である。
【図13】本発明の配管接合用標線記入治具の第3形態例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
11,31,41…配管接合用標線記入治具、11a…表面、11b…裏面、12…基板、13…第1基準面、14…係止部、15a,15b,15c,15d…受口長さ標線記入用スリット、16…軸線記入用スリット、17a,17b,17c,17d,17e…差込長さ標線記入用スリット、18a…サイズ表示、18b…面表示、19…第2基準面、20a…サイズ表示、20b…面表示、21…接続管、21a…端面、22…筆記具、23…受口長さ標線、24…軸線、25…管継手、25a…受口端面、25b…受口、26…差込長さ標線、27…接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管接合用標線記入治具に関し、詳しくは、塩化ビニル樹脂製管継手の受口に塩化ビニル樹脂製接続管を挿入して接着接合(TS接合)する際に使用する配管接合用標線記入治具及び該配管接合用標線記入治具を使用して管継手と接続管とを確実に接合するための配管の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道用(給水用)配管において、塩化ビニル樹脂製管継手の受口に塩化ビニル樹脂製接続管の端部を挿入して接着接合(TS接合)する際には、受口及び接続管にそれぞれ寸法の許容差があるため、接続管の端面から受口の長さに等しい位置の外周面に受口長さ標線を記入するとともに、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で受口の端面の位置(ゼロポイント)を接続管の外周面に記入し、この受口の端面位置から所定寸法の位置に接着代(差込長さ)を示す標線を記入した後、前記受口長さ標線と受口の端面位置を示す標線との関係から接合の可否を判定し、合格の場合には受口内周面と接続管の端面から接着代を示す標線までの間の外周面に接着剤を塗布し、受口内に接続管を挿入して両者を接合するようにしている。
【0003】
また、TS接合を行う接続管の外周面に、該接続管のサイズに対応した挿入量の基準となる標線を簡単に記入することができる治具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−349469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の各標線の記入は、受口長さが配管のサイズによって異なり、受口端面から接着代までの寸法もサイズによって異なるため、受口長さ等の数値をサイズ毎に確認しなければならず、さらに、スケールを使用して所定位置に標線を記入するのも面倒で手間が掛かる作業である。
【0005】
また、挿入量の基準となる標線を記入するものでは、受口には関係なく接続管単独で標線を記入するため、受口と接続管の寸法差によっては十分な接合力が得られなくなるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、接続管の外周面に受口長さを示す標線や差込長さを示す標線を配管のサイズ毎に簡単に記入(マーキング)することができる配管接合用標線記入治具を提供するとともに、この配管接合用標線記入治具を使用して十分な接合強度で管継手と接続管とを確実に接合することができる配管の接合方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の配管接合用標線記入治具は、管継手の受口内に挿入する接続管の外周面に挿入量の基準となる標線を記入する際に用いる配管接合用標線記入治具であって、長方形状の基板の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面となる係止部を突設し、前記第1基準面からの距離が前記受口の長さに対応した基板位置に受口長さ標線記入用スリットを前記第1基準面と平行に設けるとともに、前記基板の長手方向のいずれか一方の端面を第2基準面として該基準面からの距離が前記受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置に差込長さ標線記入用スリットを前記第2基準面と平行に設けたことを特徴とし、さらに、前記係止部の近傍と前記受口長さ標線記入用切欠部との間に前記第1基準面に対して直角な方向の軸線記入用スリットを設けたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の配管接合用標線記入治具は、前記受口長さ標線記入用スリットが、サイズが異なる複数の受口の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各受口長さ標線記入用スリットの近傍に、各受口長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットもサイズが異なる複数の受口の長さの1/3の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各差込長さ標線記入用スリットの近傍に、各差込長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0009】
さらに、前記受口長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向とは逆方向の基板面に設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向と同方向の基板面に設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、前記配管接合用標線記入治具を使用した本発明の配管の接合方法は、前記第1基準面を接続管の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置した状態で配管のサイズに対応した前記受口長さ標線記入用スリットを通して受口長さ標線を接続管の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリットを通して軸線を接続管の外周面に記入する操作と、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で、前記第2基準面を受口の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置し、配管のサイズに対応した前記差込長さ標線記入用スリットを通して差込長さ標線を接続管の外周面でかつ前記操作で記入した軸線上又はその近傍に記入する操作とを行い、接続管の外周面に記入した受口長さ標線と差込長さ標線の位置を比較して差込長さ標線が受口長さ標線よりも接続管の端面から遠い位置にあるときには管継手又は接続管を交換し、差込長さ標線が受口長さ標線より接続管の端面に近い位置にあるときには、受口の内周面及び接続管の外周面における端面から差込長さ標線までの間に接着剤を塗布し、受口端面が前記差込長さ標線を超える位置まで接続管の端部を受口に挿入して管継手と接続管とを接合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配管接合用標線記入治具によれば、配管のサイズに対応した受口長さ標線及び差込長さ標線を簡単かつ確実に接続管の外周面に記入することができる。そして、前記配管接合用標線記入治具を使用して標線を記入することにより、受口と接続管との接合の可否の判定を行うことができ、差込長さ標線を基準として接着剤の塗布範囲も確実に確認できるとともに、受口への接続管の差し込み量も容易に確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1及び図2は本発明の配管接合用標線記入治具の第1形態例を示すもので、図1は表側から見た斜視図、図2は裏側から見た斜視図である。
【0013】
まず、図1に示すように、配管接合用標線記入治具11は、合成樹脂製あるいは金属製の薄板からなる長方形状の基板12の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面13となる係止部14を基板11と直角方向に突設するとともに、基板12の所定位置に、接合する配管の各サイズにそれぞれ対応した受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dと、軸線記入用スリット16と、差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eを設けたものである。
【0014】
前記受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dは、前記第1基準面13からの距離が各サイズの受口長さに対応した基板位置にそれぞれ前記第1基準面13と平行に設けられるものであって、前記第1基準面13に対して直角な方向に設けられる軸線記入用スリット16に交わる形状となっている。また、前記軸線記入用スリット16は、本形態例では、前記係止部14の近傍と、該係止部14から最も離れた位置にある受口長さ標線記入用スリット15dとの間にわたって設けられている。
【0015】
各受口長さ標線記入用スリットにおける第1基準面13からの距離は、第1基準面13に近いスリットから順に、受口長さ標線記入用スリット15aはサイズが50A及び75Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15bはサイズが100Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15cはサイズが125Aの受口の長さに、受口長さ標線記入用スリット15dはサイズが150Aの受口の長さに、それぞれ対応している。
【0016】
基板11における係止部14の突出方向と逆方向の基板面である表面11aには、各受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dの近傍に、各スリットに対応するサイズを表すサイズ表示18aと受口長さ標線を記入する際に使用する面であることを示す面表示18bとがそれぞれ設けられている。
【0017】
前記差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eは、基板11の長手方向の一方の端面である係止部14側の端面を第2基準面19とし、該第2基準面19からの距離が各サイズの受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置にそれぞれ前記第2基準面19と平行に設けられている。
【0018】
各差込長さ標線記入用スリットにおける第2基準面19からの距離は、第2基準面19に近いスリットから順に、差込長さ標線記入用スリット17aはサイズが50Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17bはサイズが75Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17cはサイズが100Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17dはサイズが125Aの受口の長さの1/3に、差込長さ標線記入用スリット17eはサイズが150Aの受口の長さの1/3に、それぞれ対応している。
【0019】
そして、図2に示すように、基板11における係止部14の突出方向と同方向の基板面である裏面11bには、各差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eの近傍に、各スリットに対応するサイズを表すサイズ表示20aと差込長さ標線を記入する際に使用する面であることを示す面表示20bとがそれぞれ設けられている。
【0020】
上述の各スリットの幅は適当に設定することができるが、接続管の外周面に標線を記入する際に使用する油性フェルトペン等の筆記具にて標線を所定位置に確実に見やすく記入できる幅に設定すればよい。また、受口長さ標線記入用スリット及び差込長さ標線記入用スリットの長さも適当に設定できるが、両者を区別するために異なる長さに設定しておくことが好ましい。
【0021】
次に、図3乃至図11を参照して本発明の配管の接合方法を説明する。図3乃至図11は、前記第1形態例に示した配管接合用標線記入治具を使用して管継手と接続管とを接合する手順を示すもので、図3は受口長さ標線及び接続管の軸線に対応した直線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図、図4は接続管の外周面に記入された受口長さ標線及び軸線の状態を示す斜視図、図5は接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態を示す斜視図、図6は差込長さ標線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図、図7は接続管の外周面に記入された受口長さ標線、軸線及び差込長さ標線の状態を示す斜視図、図8は接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が標準的な状態のときを示す平面図、図9は同じく接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が不的確(接合不可)な状態のときを示す平面図、図10は接着剤を塗布した状態を示す一部断面平面図、図11は受口に接続管を挿入している状態を示す一部断面平面図である。
【0022】
まず、図3及び図4に示すように、前記第1基準面13を接続管21の接合側の端面21aに当接させた状態で前記基板11を接続管21の外周面に設置する。このとき、係止部14の突出方向が管内周側を向くことから、基板11の裏面11bが接続管21の外周面に当接し、表面11aの各表示18a,18bが手前を向いた状態となる。この状態で、油性フェルトペン等の筆記具22を使用し、配管のサイズに対応した受口長さ標線記入用スリット、例えばサイズが50Aの場合には受口長さ標線記入用スリット15aを通して受口長さ標線23を接続管21の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリット16を通して軸線24を接続管21の外周面に記入する。
【0023】
次に、図5,図6及び図7に示すように、接続管21の端部を管継手25の受口内に軽く差し込んで止まる位置まで挿入した状態、すなわち、ゼロポイントの状態で、基板11の一端の前記第2基準面19を管継手25の受口端面25aに当接させて基板11を接続管21の外周面に設置する。このとき、係止部14を管内周側に向けると基板11の係止部側が管外周面から浮いてしまうので、基板11の表面11aを接続管21の外周面に当接させ、裏面11bの各表示20a,20bが手前を向いた状態とする。この状態で、配管のサイズに対応した差込長さ標線記入用スリット、すなわち、サイズが50Aの場合には差込長さ標線記入用スリット17aを通して筆記具22により接続管21の外周面でかつ前記操作で記入した軸線24上又はその近傍に差込長さ標線26を記入する。
【0024】
これにより、受口端面25aから受口の長さの1/3に相当する位置に差込長さ標線26が記入されたことになる。なお、接続管21の端部を管継手25の受口内に差し込む際に、硬くて僅かしか差し込めない場合には、接続管21の寸法が大きくて受口の寸法が小さく、両者の寸法が接合に適していない状態であるから、この時点で接続管21又は管継手25を交換する。
【0025】
次に、記入した受口長さ標線23の位置と差込長さ標線26の位置とを比較する。図8に示すように、差込長さ標線26の位置が受口長さ標線23よりも接続管21の挿入端側に位置している場合には接合可能な状態であるが、図9に示すように、差込長さ標線26の位置が受口長さ標線23よりも接続管21の端面から遠い位置にあるときには、接続管21の寸法が小さくて受口の寸法が大きく、両者の寸法が接合に適していない状態であるから、接続管21又は管継手25を交換する。このとき、受口長さ標線23及び差込長さ標線26を軸線24上又はその近傍に記入することにより、両者の位置の比較を容易に行うことができる。
【0026】
接合可能を確認したら、図10に示すように、管継手25の受口25bの内周面及び接続管21の外周面における端面から差込長さ標線26までの間に接着剤27をそれぞれ塗布し、図11に示すように、受口端面25aが前記差込長さ標線26を超える位置まで接続管21の端部を受口25に挿入して管継手25と接続管21とを接合する。これにより、管継手25と接続管21とを確実に接合できたことになる。
【0027】
図12は本発明の配管接合用標線記入治具の第2形態例を示す平面図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例で示した配管接合用標線記入治具における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
本形態例に示す配管接合用標線記入治具31は、前記第1形態例と同様に、基板12の一端に突設した係止部14の基板側の面を第1基準面13として受口長さ標線記入用スリット15a,15b,15c,15dを設けるとともに軸線記入用スリット16を設け、差込長さ標線記入用スリット17a,17b,17c,17d,17eは、係止部14の反対側の端面を第2基準面19として所定の位置に設けている。また、各表示18a、18b,20a、20bは、基板11の表面11a側にそれぞれ設けられている。
【0029】
また、前記受口長さ標線記入用スリットや軸線記入用スリットは基板11の一側方に変位して配置され、差込長さ標線記入用スリットは基板11の他側方に変位して配置されるとともに、係止部14は、基板11の幅方向の半分程度の寸法で、受口長さ標線記入用スリットや軸線記入用スリットを設けた一側方に片寄せて設けられている。
【0030】
この配管接合用標線記入治具31を使用して受口長さ標線23及び軸線24を接続管21の外周面に記入するときには、前記同様に、表面11aを手前側にして接続管の接続側端面に第1基準面13を当接させた状態で行う。また、差込長さ標線26を記入するときには、表面11aを手前側にしたまま、配管接合用標線記入治具31を逆方向に向け、第2基準面19を受口端面に当接させた状態で行う。
【0031】
このとき、係止部14を基板幅方向の一側方に、差込長さ標線記入用スリットを基板幅方向の他側方に設けているので、差込長さ標線26を記入する際に係止部14の突出端が接続管外周面に当たらない位置に配管接合用標線記入治具31を設置することができるので、基板11の係止部14側が接続管外周面から浮き上がることがなく、基板11の裏面全体を接続管外周面に当接させた状態で差込長さ標線を記入できる。
【0032】
図13は本発明の配管接合用標線記入治具の第3形態例を示す平面図である。本形態例は配管のサイズ毎に配管接合用標線記入治具を形成したものであって、本形態例では配管のサイズが50Aに対応した配管接合用標線記入治具を示している。
【0033】
すなわち、本形態例に示す配管接合用標線記入治具41は、係止部14の第1基準面13から63mmの位置に受口長さ標線記入用スリット15aを設けるとともに、係止部14の外面である第2基準面19から21mmの位置に差込長さ標線記入用スリット17aを設けている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の配管接合用標線記入治具の第1形態例を示す表側から見た斜視図である。
【図2】同じく裏側から見た斜視図である。
【図3】受口長さ標線及び軸線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図である。
【図4】接続管の外周面に記入された受口長さ標線及び軸線の状態を示す斜視図である。
【図5】接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態を示す斜視図である。
【図6】差込長さ標線を接続管の外周面に記入している状態を示す斜視図である。
【図7】接続管の外周面に記入された受口長さ標線、軸線及び差込長さ標線の状態を示す斜視図である。
【図8】接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が標準的な状態のときを示す平面図である。
【図9】同じく接続管の端部を前記受口内に軽く挿入したときの受口長さ標線と差込長さ標線との位置関係が不的確な状態のときを示す平面図である。
【図10】接着剤を塗布した状態を示す一部断面平面図である。
【図11】受口に接続管を挿入している状態を示す一部断面平面図である。
【図12】本発明の配管接合用標線記入治具の第2形態例を示す平面図である。
【図13】本発明の配管接合用標線記入治具の第3形態例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
11,31,41…配管接合用標線記入治具、11a…表面、11b…裏面、12…基板、13…第1基準面、14…係止部、15a,15b,15c,15d…受口長さ標線記入用スリット、16…軸線記入用スリット、17a,17b,17c,17d,17e…差込長さ標線記入用スリット、18a…サイズ表示、18b…面表示、19…第2基準面、20a…サイズ表示、20b…面表示、21…接続管、21a…端面、22…筆記具、23…受口長さ標線、24…軸線、25…管継手、25a…受口端面、25b…受口、26…差込長さ標線、27…接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継手の受口内に挿入する接続管の外周面に挿入量の基準となる標線を記入する際に用いる配管接合用標線記入治具であって、長方形状の基板の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面となる係止部を突設し、前記第1基準面からの距離が前記受口の長さに対応した基板位置に受口長さ標線記入用スリットを前記第1基準面と平行に設けるとともに、前記基板の長手方向のいずれか一方の端面を第2基準面として該基準面からの距離が前記受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置に差込長さ標線記入用スリットを前記第2基準面と平行に設けたことを特徴とする配管接合用標線記入治具。
【請求項2】
前記係止部の近傍と前記受口長さ標線記入用切欠部との間に、前記第1基準面に対して直角な方向の軸線記入用スリットを設けたことを特徴とする請求項1記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項3】
前記受口長さ標線記入用スリットは、サイズが異なる複数の受口の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各受口長さ標線記入用スリットの近傍に、各受口長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットは、サイズが異なる複数の受口の長さの1/3の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各差込長さ標線記入用スリットの近傍に、各差込長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項4】
前記受口長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向とは逆方向の基板面に設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向と同方向の基板面に設けられていることを特徴とする請求項3記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項5】
請求項4記載の配管接合用標線記入治具を使用して配管を接合する方法であって、前記第1基準面を接続管の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置した状態で配管のサイズに対応した前記受口長さ標線記入用スリットを通して受口長さ標線を接続管の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリットを通して軸線を接続管の外周面に記入する操作と、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で、前記第2基準面を受口の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置し、配管のサイズに対応した前記差込長さ標線記入用スリットを通して差込長さ標線を接続管の外周面でかつ前記操作で記入した軸線上又はその近傍に記入する操作とを行い、接続管の外周面に記入した受口長さ標線と差込長さ標線の位置を比較して差込長さ標線が受口長さ標線よりも接続管の端面から遠い位置にあるときには管継手又は接続管を交換し、差込長さ標線が受口長さ標線より接続管の端面に近い位置にあるときには、受口の内周面及び接続管の外周面における端面から差込長さ標線までの間に接着剤を塗布し、受口端面が前記差込長さ標線を超える位置まで接続管の端部を受口に挿入して管継手と接続管とを接合することを特徴とする配管の接合方法。
【請求項1】
管継手の受口内に挿入する接続管の外周面に挿入量の基準となる標線を記入する際に用いる配管接合用標線記入治具であって、長方形状の基板の長手方向の一端に基板側の面が第1基準面となる係止部を突設し、前記第1基準面からの距離が前記受口の長さに対応した基板位置に受口長さ標線記入用スリットを前記第1基準面と平行に設けるとともに、前記基板の長手方向のいずれか一方の端面を第2基準面として該基準面からの距離が前記受口の長さの1/3の長さに対応した基板位置に差込長さ標線記入用スリットを前記第2基準面と平行に設けたことを特徴とする配管接合用標線記入治具。
【請求項2】
前記係止部の近傍と前記受口長さ標線記入用切欠部との間に、前記第1基準面に対して直角な方向の軸線記入用スリットを設けたことを特徴とする請求項1記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項3】
前記受口長さ標線記入用スリットは、サイズが異なる複数の受口の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各受口長さ標線記入用スリットの近傍に、各受口長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットは、サイズが異なる複数の受口の長さの1/3の長さのそれぞれに対応した位置の複数箇所に設けられるとともに、各差込長さ標線記入用スリットの近傍に、各差込長さ標線記入用スリットが対応するサイズを表すサイズ表示がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項4】
前記受口長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向とは逆方向の基板面に設けられ、前記差込長さ標線記入用スリットの近傍に設けられるサイズ表示は前記係止部の突出方向と同方向の基板面に設けられていることを特徴とする請求項3記載の配管接合用標線記入治具。
【請求項5】
請求項4記載の配管接合用標線記入治具を使用して配管を接合する方法であって、前記第1基準面を接続管の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置した状態で配管のサイズに対応した前記受口長さ標線記入用スリットを通して受口長さ標線を接続管の外周面に記入するとともに、前記軸線記入用スリットを通して軸線を接続管の外周面に記入する操作と、接続管の端部を前記受口内に軽く挿入した状態で、前記第2基準面を受口の端面に当接させて前記基板を接続管の外周面に設置し、配管のサイズに対応した前記差込長さ標線記入用スリットを通して差込長さ標線を接続管の外周面でかつ前記操作で記入した軸線上又はその近傍に記入する操作とを行い、接続管の外周面に記入した受口長さ標線と差込長さ標線の位置を比較して差込長さ標線が受口長さ標線よりも接続管の端面から遠い位置にあるときには管継手又は接続管を交換し、差込長さ標線が受口長さ標線より接続管の端面に近い位置にあるときには、受口の内周面及び接続管の外周面における端面から差込長さ標線までの間に接着剤を塗布し、受口端面が前記差込長さ標線を超える位置まで接続管の端部を受口に挿入して管継手と接続管とを接合することを特徴とする配管の接合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−189089(P2006−189089A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−1183(P2005−1183)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
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