説明

配管継手装置

【課題】冷媒通過音の発生を防止することができる配管継手装置を実現する。
【解決手段】挿入筒部22、23とバルジ部18、19とを有する配管14、15と、Oリング16、17と、バルジ部18、19が挿嵌される第1の内周部122a、122b、Oリング16、17が挿嵌される第2の内周部123a、123bおよび挿入筒部22、23が挿嵌される第3の内周部124a、124bを有し、反先端方向側が冷媒流路10、11に接合されるソケット12とを備える配管継手装置において、ソケット12には、第3の内周部124a、124bの反先端方向側に、第3の内周部124a、124bよりも大径の第4の内周部127a、127bが形成されており、挿入筒部22、23の先端が、第3の嵌合凹部124a、124bの後端側から第4の内周部127a、127bに突出しないように形成されている。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入筒部およびバルジ部を有する配管とその配管を挿嵌するソケットとを備え、Oリングを介して液密する配管継手装置に関するものであり、例えば車両空調用冷凍サイクルの冷媒配管継手に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の配管継手装置として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。すなわち、この配管継手装置は、複数の流体流路と、その流体流路に接合されたソケットと、そのソケットに当接して配置された連結プレートと、この連結プレートによって連結され、挿入筒部およびバルジ部を有する複数の配管と、その配管の挿入筒部に外嵌されるOリングとから構成されている。
【0003】
図7は、特許文献1における配管継手装置の構成を示す部分断面図である。より具体的には、配管210には、図7に示すように、円筒状の挿入筒部211と径方向外方に環状に突出されたバルジ部212とが形成されている。
【0004】
そして、ソケット220には、連結プレート240とバルジ部212とが挿嵌される第1の嵌合凹部221、Oリング230が挿嵌される第2の嵌合凹部222、挿入筒部211が挿嵌される第3の嵌合凹部223、および第3の嵌合凹部223よりも大径の内周部224が形成されている。なお、第3の嵌合凹部223は、挿入筒部211が挿嵌されたときに、ガタのないように内周面が形成されている。
【0005】
また、第1の嵌合凹部221の一端には、複数の配管210が連結プレート240を介してソケット220に固定する連結部225が形成されている。なお、この連結部225は、連結プレート240の縁を包み込むようにかしめによって形成されている。これにより、挿入筒部211が第3の嵌合凹部223に挿嵌されたときに、挿入筒部211に外嵌されたOリング230を傷つけることなく配管210をソケット220に組み付けることができる。
【特許文献1】特開2007−247891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような構成によれば、挿入筒部211の先端が、第3の嵌合凹部223の後端側よりも、内周部224側に突き出すように形成されている。そのため、挿入筒部211の外周と内周部224の内周との間に隙間部250が形成されている。
【0007】
つまり、図7中に示す矢印Aの方向に内部の流体が流通したときには、流体の流れが淀み易い袋状の隙間部250が形成されることになる。従って、矢印Aの方向に流れる流体が冷媒の場合には、冷媒がソケット220を通過するときに、高周波の冷媒通過音が発生するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、冷媒通過音の発生を防止することができる配管継手装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、先端が円筒状に形成された挿入筒部(22)およびその挿入筒部(22)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18)を有する配管(14)と、挿入筒部(22)に外嵌されるOリング(16)と、バルジ部(18)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a)、Oリング(16)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a)および挿入筒部(22)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a)を有し、反先端方向側が流体流路(10)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
ソケット(12)には、第3の嵌合凹部(124a)の反先端方向側に、第3の嵌合凹部(124a)よりも大径の内周部(127a)が形成されており、挿入筒部(22)の先端が、第3の嵌合凹部(124a)の後端側から内周部(127a)に突出しないように形成されていることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、挿入筒部(22)の先端が内周部(127a)側に突き出すことがないため、第3の嵌合凹部(124a)よりも大径の内周部(127a)内に流体の流れが淀み易い袋状の隙間部が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、配管(14)においては、バルジ部(18)の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部(22)の先端が形成され、ソケット(12)においては、第1の嵌合凹部(122a)の後端側端面から反先端方向にL2寸法離れた位置において、第3の嵌合凹部(124a)の後端が形成され、L1寸法とL2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、またはL1寸法の方が前記L2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されていることを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、より具体的には、L1寸法とL2寸法との関係をL1≦L2に設定することにより、挿入筒部(22)の先端が内周部(127a)側に突き出すことがない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、配管(14)には、流体流路(10)側からソケット(12)側に向けて流体が流れるように設定されていることを特徴としている。この発明によれば、挿入筒部(22)の先端が内周部(127a)側に突き出すことがないため、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、先端が円筒状に形成された挿入筒部(22、23)およびその挿入筒部(22、23)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18、19)を有する二つの配管(14、15)と、挿入筒部(22、23)にそれぞれ外嵌されるOリング(16、17)と、バルジ部(18、19)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a、122b)、Oリング(16、17)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a、123b)および挿入筒部(22、23)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a、124b)を有し、反先端方向側が二つの流体流路(10、11)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
ソケット(12)には、第3の嵌合凹部(124a、124b)の反先端方向側に、第3の嵌合凹部(124a、124b)よりも大径の内周部(127a、127b)が形成されており、それぞれの挿入筒部(22、23)の先端が、第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端側から内周部(127a、127b)に突出しないように形成されていることを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、いずれの配管(14、15)において、挿入筒部(22)の先端が内周部(127a、127b)側に突き出すことがないため、第3の嵌合凹部(124a、124b)よりも大径の内周部(127a、127b)内に流体の流れが淀み易い袋状の隙間部が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、先端が円筒状に形成された挿入筒部(22、23)およびその挿入筒部(22、23)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18、19)を有する二つの配管(14、15)と、挿入筒部(22、23)にそれぞれ外嵌されるOリング(16、17)と、バルジ部(18、19)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a、122b)、Oリング(16、17)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a、123b)および挿入筒部(22、23)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a、124b)を有し、反先端方向側が二つの流体流路(10、11)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
ソケット(12)には、第3の嵌合凹部(124a、124b)の反先端方向側に、第3の嵌合凹部(124a、124b)よりも大径の内周部(127a、127b)が形成されており、二つの配管(14、15)のどちらか一方の挿入筒部(22、23)の先端が、第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端側から内周部(127a、127b)に突出しないように形成されていることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、通常の二つの配管(14、15)においては、流体の流れ方向が異なっている。そのため、一方の配管(14、15)の挿入筒部(22)の先端が内周部(124)側に突き出さなければ、内周部(127a、127b)内に流体の流れが淀み易い袋状の隙間部が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、挿入筒部(22、23)の先端が第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端を突き出すように形成された一方の配管(14、15)には、ソケット(12)側から流体流路(10、11)側に向けて流体が流れるように設定されていることを特徴としている。この発明によれば、一方の配管(14、15)の挿入筒部(22)の先端が内周部(127a、127b)側に突き出していても、流体の流れ方向を規定することにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、二つの配管(14、15)においては、バルジ部(18、19)の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部(22、23)の先端が形成され、ソケット(12)においては、第1の嵌合凹部(122a、122b)の後端側端面から反先端方向にL2寸法離れた位置において、第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端が形成され、L1寸法とL2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、またはL1寸法の方がL2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されていることを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、より具体的には、L1寸法とL2寸法との関係をL1≦L2に設定することにより、挿入筒部(22)の先端が内周部(127a、127b)側に突き出すことがない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、二つの流体流路(10、11)は、入口側冷媒流路(10)と出口側冷媒流路(11)とを有する冷媒を用いる熱交換器であることを特徴としている。この発明によれば、冷媒を用いる凝縮器もしくは蒸発器等の熱交換器の配管継手装置に好適である。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の配管継手装置を車両空調用冷凍サイクルの熱交換器であるエバポレータ(蒸発器)に適用したものであり、図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態におけるエバポレータ1の概略構成を示す部分断面図である。図2は、図1における左側面図である。図3は、エバポレータ1に配設される配管継手装置の全体構成を示す模式図である。図4は、入口配管14および出口配管15がソケット12に固定された状態を示す断面図である。
【0024】
エバポレータ1は、図1に示すように、チューブ3とフィン4とを交互に配置して積層したコア部2、このコア部2の上下端に配置される上タンク6、下タンク7、およびコア部2の両端でフィン4を支持するサイドプレート8とから構成されている。
【0025】
上タンク6の入口部61には、入口側冷媒流路10が接合され、出口部62には、出口側冷媒流路11が接合されている。これら冷媒流路10、11の末端にはソケット12が接合されている。
【0026】
エバポレータ1は、コア部2、上タンク6および下タンク7が前後方向(図2参照)に2列配列されている。そして、前後方向に向かって、図示しない送風機により空気を送ることにより、複数のチューブ3内を流通する冷媒(流体)との熱交換が行われて、冷風を車室内に送風する。
【0027】
以下の説明において、前後方向とは、送風機によって送風される空気流れの風上側から風下側への方向をいう。従って、図1中においては、紙面表側が前側、紙面裏側が後側となり、左右方向はそれに直交する方向となる。
【0028】
上タンク6には、後列の左端に冷媒の入口部61が配置され、前列の左端に冷媒の出口部62が配置されている。上タンク6は、入口部61に連接する上側左後タンク6A、この上側左後タンク6Aと左右方向で隣接する上側右後タンク6B、出口部62に連接する上側左前タンク6C、およびこの上側左前タンク6Cと左右方向で隣接する上側右前タンク6Dから構成されている。
【0029】
下タンク7は、後列側に配置された下側後タンク7Aと、前列側に配置された下側前タンク部7Bとから構成されている。それぞれの下側タンク7A、7Bは、上タンク6と各チューブ3で連結されている。
【0030】
チューブ3は、偏平矩形筒状に形成され、内部にインナーフィンを形成して複数の流体流路が形成されている。各チューブ3の両端が上タンク6と下タンク7に接合されて循環流路として構成されている。
【0031】
また、上記のように、上タンク6及び下タンク7が前後2列で配置されていることから、複数のチューブ3は、前後左右列の全4群に分割されることとなり、冷媒は、入口部61から上側左後タンク6A内に流入され、各チューブ3を介して、下側後タンク7A→上側右後タンク6B→上側右前タンク6D→下側前タンク部7B→上側左前タンク6Cの順に流れ、上側左前タンク6Cから出口部62を通ってエバポレータ1の外に流出する。
【0032】
ここで、チューブ3、上タンク6及び下タンク7は、別体で形成されたものを組み付けて、それぞれをろう付けすることによって一体的に構成されている。つまり、上タンク6には、チューブ3の一端が差し込まれる矩形孔(チューブ孔)63が流路方向に沿って複数並設して形成され、その矩形孔63から突き出したチューブ3の突出部3aと上タンク6の下壁64とがろう付けによって固着される。
【0033】
サイドプレート8の上端は、上タンク6の内方に向かってL字状に形成され、上タンク6の端部より内方の位置において、上タンク6内に突出する突出部8aが、サイドプレート8に形成されている。そして、サイドプレート8の突出部8aと上タンク6の下壁64とがろう付けによって固着される。
【0034】
なお、下タンク7においても、チューブ3の突出部3a、およびサイドプレート8の突出部8aは、上記と同じように、下タンク7の上壁65とろう付けによって固着されている。
【0035】
入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11は、流路の一端が、図2に示すように、上タンク6の上側左後タンク6A、上側左前タンク6Cのそれぞれに接続され、チューブ3と平行に下方に向かって延設するとともに、コア部2の中間位置から前方に屈曲している。
【0036】
入口側冷媒流路10の末端が、ソケット12に形成された第4の円周部127aの外周に接合され、出口側冷媒流路11の末端が、ソケット12に形成された第4の円周部127bの外周に接合されている。ソケット12は、エバポレータ1を構成する各部材と同じように、ろう付けにより一体的に形成されている。
【0037】
図3に示すように、二つの配管、即ち入口配管14および出口配管15は、ソケット12を介して、エバポレータ1の入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11に固定される。そのため、本実施形態では、入口配管14および出口配管15を、ソケット12の一端をかしめることによって固定するように構成している。
【0038】
以下、入口配管14および出口配管15をソケット12に固定する配管継手装置について、図3及び図4に基づいて説明する。入口配管14および出口配管15は、図3に示すように、一端が連結プレート13によって連結され、他端がジョイント20によって連結されている。このジョイント20は、外部の冷媒配管を着脱容易に接続する接続ジョントであって、入口配管14および出口配管15がろう付けにより接合されている。
【0039】
入口配管14は、例えば、約1/2インチの外径の流入(入口)側の冷媒配管であって、冷凍サイクル装置の図示しない膨張弁の流出側に接続され、その膨張弁で減圧された冷媒がエバポレータ1に向かって流れる。
【0040】
出口配管15は、例えば、約5/8インチの外径の流出(出口)側の冷媒配管であって、エバポレータ1で蒸発された冷媒が冷凍サイクル装置の図示しない圧縮機の吸入側に流出するように接続される。これら入口配管14および出口配管15は、アルミニウム材から形成されている。
【0041】
入口配管14および出口配管15は、先端側が円筒状に形成された挿入筒部22、23と、その挿入筒部22、23の基幹部(根元)に径外方向へ突出する円環状のバルジ部(ビード部)18、19が形成されている。挿入筒部22、23には、犠牲腐食材である座金24、25とOリング16、17とがそれぞれ外嵌されている。座金24、25は、ワッシャー状に形成されて、バルジ部18、19とOリング16、17との間に配置されている。
【0042】
座金24、25は、Oリング16、17の外周縁と、ソケット12に形成される第2の内周部123a、123b(後述する)の内周面とが当接されるシール面の防食性能を向上するための犠牲腐食材である。言い換えると、座金24、25は、Oリング16、17の外周縁の近傍に配設され、かつ前記シール面よりも座金24、25の方が腐食し易いような材料で形成されている。Oリング16、17は、シール部材である。
【0043】
連結プレート13は、バルジ部18、19の内側、即ちバルジ部18、19のOリング16、17が装着される側の反対側の面に当接するように配設されている。この連結プレート13は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金製の板材を用いて、外形形状が略楕円状に形成され、その板厚方向に貫通する貫通孔13a、13bが形成されている。
【0044】
貫通孔13a、13bは、連結プレート13の長辺方向の一端側と他端側に形成されている。貫通孔13a、13bは、二つの配管14、15の位置決めを行うとともに、二つの配管14、15を連結する。貫通孔13a、13bは、それぞれの配管14、15の配管径よりも僅かに大径で形成されている。配管14、15を貫通孔13a、13bに挿入して、配管14、15を拡管させることにより、連結プレート13と二つの配管14、15とが固定される。
【0045】
ソケット12は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金製の板材を用いて、絞り加工などのプレス成形によって形成されている。ソケット12には、図3に示すように、入口配管14および出口配管15の先端側を挿入する入口側挿入孔12aおよび出口側挿入孔12bと連結部121とが形成されている。
【0046】
連結部121は、ソケット12の先端側に形成され、連結プレート13の外形に対応する略楕円状に形成された凹部であって、その底面に入口配管14および出口配管15のバルジ部18、19の一端面が当接するように形成されている。この連結部121は、連結プレート13の外周縁を包み込むようにかしめることにより、入口配管14および出口配管15をソケット12に固定させる。
【0047】
具体的には、入口配管14および出口配管15を、ソケット12の入口側挿入孔12aおよび出口側挿入孔12bに挿入した後に、連結部121の外周に形成された鍔面をかしめて連結プレート13の縁に固定させている。
【0048】
入口側挿入孔12aおよび出口側挿入孔12bは、連結部121の底面に所定の取付ピッチを隔てて形成されており、それぞれ同心円状に設けられた第1、第2、第3の内周部(嵌合凹部)122a、122b、123a、123b、124a、124bと、これら軸方向に隣り合うこれら各内周部122a〜124bの端縁同士を連続させる第1、第2の連続部125a、125b、126a、126bとが形成されている。
【0049】
第1の内周部122a、122bおよび第1連続部125a、125bは、これらの内周面とバルジ部18、19の外形が当接するように形成されている。つまり、第1の内周部122a、122bおよび第1連続部125a、125bは、バルジ部18、19の外形を挿嵌するように形成されている。
【0050】
また、第2の内周部123a、123bは、第1の内周部122a、122bよりも僅かに小径に形成されている。この第2の内周部123a、123bは、この内周面と座金24、25およびOリング16、17の外周面とが当接しシール面を構成するように形成されている。つまり、第2の内周部123a、123bは、座金24、25およびOリング16、17の外形を挿嵌するように形成されている。
【0051】
そして、第3の内周部124a、124bは、第2の内周部123a、123bよりも更に小径に形成されている。第3の内周部124a、124bは、最も小径の内周部である。より具体的には、第3の内周部124a、124bは、入口配管14および出口配管15の挿入筒部22、23を隙間なく挿通自在となるように形成されている。つまり、第3の内周部124a、124bは、挿入筒部22、23の外形を挿嵌するように形成されている。
【0052】
更に、第3の内周部124a、124bの一端側(図3においては、下端側)には、第4の内周部127a、127bが形成されている。この第4の内周部127a、127bは、入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11の一端が接合される円周部である。この第4の内周部127a、127bの外周が、入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11の一端に形成された挿入溝(図示せず)に嵌合するように形成されている。この第4の内周部127a、127bは、接合部の剛性を向上させるとともに、相手側(挿入溝)への接合性を高めるために、第3の内周部124a、124bよりも大径に形成されている。
【0053】
なお、図3及び図4中に示す符号128は、連結部121の根元側に貯まった水を外部に排出するための水抜き孔であって、連結部121の根元側の外周に複数個形成されている。より具体的には、第1の内周部122a、122bと第1連続部125a、125bとの繋ぎめに、水抜き孔128が形成されている。
【0054】
本実施形態のソケット12は、前述したように、第4の内周部127a、127bの外周が入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11の一端に接合されることで、エバポレータ1と、ろう付け接合により一体的に製造することができる。
【0055】
そのため、ソケット12が軸方向に対し、垂直方向に配置されるエバポレータ1では、入口配管14および出口配管15で発生した凝縮水が、かしめ箇所の隙間を介して連結プレート13の下方の内側、即ちソケット12の下方内部および連結部121の根元側に浸入することがある。
【0056】
従って、連結部121の根元側(第1の内周部122a、122bと第2の内周部123a、123bとの間の部分)に水抜き孔128が形成されていることにより、連結部121の根元側に浸入した凝縮水を外部に排出することができる。つまり、Oリング16、17のシール面に通ずる隙間に凝縮水が溜まることはない。
【0057】
また、この種のエバポレータ1においては、冷凍サイクル装置の負荷条件において、エバポレータ1に発生した凝縮水が凍結するときがある。このような場合には、連結プレート13の内部に浸入した凝縮水が凍結するときがある。ところが、浸入した凝縮水の体積が、凍結する際に膨張するが、水抜き孔128により連結部121の内部の圧力が外部に抜けることでソケット12の凍結割れを防止できる。
【0058】
ところで、本実施形態の配管継手装置では、入口配管14および出口配管15に形成される挿入筒部22、23の先端が、第3の内周部124a、124bの後端側(図4における下方側)から、突き出さないように構成されている。つまり、両者の配管14、15の挿入筒部22、23の先端が、第4の内周部127a、127b側に突出しないように構成されている。
【0059】
具体的には、図4に示すように、入口配管14および出口配管15をソケット12内に挿嵌して、連結部121を固定した後に、挿入筒部22、23のそれぞれの先端が、第4の内周部127a、127b側に突出しないように構成されている。より具体的には、入口配管14において、バルジ部18の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部22の先端が形成されている。
【0060】
そして、ソケット12において、第1の内周部122aの後端側端面(バルジ部18の先端側端面が当接する面)から反先端方向(図4における下方向)にL2寸法離れた位置において、第3の内周部124aの後端(図4における下方側端部)が形成されている。同様に、出口配管15において、バルジ部19の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部23の先端が形成されている。そして、ソケット12において、第1の内周部122bの後端側端面から反先端方向にL2寸法離れた位置において、第3の内周部124bの後端(図4における下方側端部)が形成されている。
【0061】
そして、L1寸法とL2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、またはL1寸法の方がL2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されている。つまり、両者の配管14、15の挿入筒部22、23の長さとなるL1寸法は、L1≦L2となるように設定されている。これにより、いずれの配管14、15の挿入筒部22、23の先端も、第4の内周部127a、127b側に突出することがない。
【0062】
ここで、請求項では、第1、第2および第3の内周部122a、122b、123a、123b、124a、124bを、第1、第2および第3の嵌合凹部と称し、第4の内周部127a、127bを、内周部と称している。
【0063】
次に、以上の構成による配管継手装置の組み付け方法について簡単に説明する。ソケット12は、前述したように、エバポレータ1に接合される入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11を含めて各部材と一体的に組み付けられている(図1および図2参照)。即ち入口側冷媒流路10および出口側冷媒流路11の末端に、ソケット12の第4の内周部127a、127bの外周を嵌め合わせ、エバポレータ1の各部材とともに仮組み付けされた状態で炉中ろう付けによって、エバポレータ1、およびソケット12が一体的に接合される。
【0064】
次に、ソケット12、入口側冷媒流路10、および出口側冷媒流路11がろう付けで接合されたエバポレータ1が、炉中ろう付け工程から入口配管14および出口配管15を組み付ける配管組み付け場所に搬送される。配管組付け場所では、まず、貫通孔13a、13bが形成された連結プレート13と、先端側に円筒状の挿入筒部22、23を形成して、後端側にジョイント20を接合によって連結させた状態の入口配管14および出口配管15とを用意する。
【0065】
次に、挿入筒部22、23を、連結プレート13の貫通孔13a、13bにそれぞれ挿入し、入口配管14および出口配管15の内周を拡管させて所定の位置に連結プレート13を固定する(図3参照)。この工程により、入口配管14と出口配管15とが連結される。
【0066】
次に、連結プレート13が配設された入口配管14および出口配管15の先端側、即ち挿入筒部22、23の基幹部(根元)に、バルジ加工によってバルジ部18、19を形成する。この工程により、連結プレート13の一端面がバルジ部18、19に当接される。この工程において、バルジ部18、19は、挿入筒部22、23の長さがL1寸法となる位置に形成される。
【0067】
そして、バルジ部18、19の先端側に、座金24、25とOリング16、17とをそれぞれ外嵌する。これにより、挿入筒部22、23の外周に座金24、25とOリング16、17とが装着される。次に、挿入筒部22、23に座金24、25およびOリング16、17を装着した状態の入口配管14および出口配管15を、ソケット12の入口側挿入孔12aおよび出口側挿入孔12bに挿入する(図3に示す矢印方向)。
【0068】
次に、ソケット12の連結部121を連結プレート13の外周縁を包み込むように全周に渡ってかしめる。この工程により、入口配管14および出口配管15がソケット12に固定される。ここで、連結プレート13の外周縁を包み込むような巻きかしめを行っているが、連結プレート13の上面を押さえるように連結部121を斜め内側に倒すようにかしめても良い(図4参照)。
【0069】
このような組付け方法により、連結プレート13およびジョイント20で連結された入口配管14と出口配管15とをソケット12に固定することができる。従って、組付工数の低減が図れることで生産性が向上する。また、連結プレート13の外周縁を連結部121により全周にわたってかしめることにより、連結プレート13をソケット12に強固に固定できる。
【0070】
以上のように構成されたエバポレータ1は、冷凍サイクルにおいて、図示しない膨張弁により減圧された気液2相の冷媒が入口配管14から流入される。そして、エバポレータ1において、空気と熱交換されて蒸発した冷媒が出口配管15から流出される。ところで、二つの配管14、15が配設されるエバポレータ1では、ソケット12の第4の内周部127a、127bにおいて、冷媒の流れ方向が異なっている。
【0071】
つまり、入口配管14が接続される第4の内周部127aでは、ソケット12側から入口側冷媒流路10側に向けて冷媒が流れている。出口配管15が接続される第4の内周部127bでは、出口側冷媒流路11側からソケット12側に向けて冷媒が流れている。
【0072】
仮に、出口配管15の挿入筒部23の長さとなるL1寸法が、L2寸法よりも大きい隔たり寸法のときは、挿入筒部23の先端が、第4の内周部127b側に突き出すことになる。この場合には、挿入筒部23の外周と第4の内周部127bとの間に隙間が形成される。
【0073】
エバポレータ1を通過した冷媒がソケット12側から出口配管15側に向けて流れたときには、冷媒の流れが淀む袋状の隙間が形成されることになる。この隙間は、冷媒がソケット12を通過するときに、冷媒通過音を発生する恐れがある。従って、本実施形態では、前述したように、両方の配管14、15において、それぞれの挿入筒部22、23の先端が、第4の内周部127a、127b側に突出することがないため、第3の内周部124a、124bよりも大径の第4の内周部127a、127b内に冷媒の流れが淀み易い袋状の隙間が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、板材を用いてソケット12をプレス成形により形成したが、ダイカスト加工で一体形成しても良い。勿論、ソケット12の形状を切削加工により形成することも可能であるが切削加工によると加工コストが上昇する欠点が生ずる。
【0075】
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、入口および出口配管14、15に形成される挿入筒部22、23の長さL1寸法を、L1≦L2となるように設定したが、出口配管15の挿入筒部23の長さL1寸法のみを、L1≦L2となるように設定しても良い。図5は、本実施形態における入口配管14および出口配管15がソケット12に固定された状態を示す断面図である。
【0076】
本実施形態の配管継手装置では、出口配管15に形成される挿入筒部23の先端が、第3の内周部124bの後端側から第4の内周部127b側に突出しないように構成されている。具体的には、図5に示すように、出口配管15において、バルジ部19の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部23の先端が形成されている。そして、ソケット12において、第1の内周部122bの後端側端面(図5における下方側端部)から反先端方向(図5における下方向)にL2寸法離れた位置において、第3の内周部124bの後端(図5における下方側端部)が形成されている。
【0077】
そして、L1寸法とL2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、またはL1寸法の方がL2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されている。なお、入口配管14においては、バルジ部18の先端側端面から先端方向に、第4の内周部127a側に突き出すように、挿入筒部22の先端が形成されている。
【0078】
この場合には、挿入筒部22の外周と第4の内周部127aとの間に隙間が形成される。しかし、冷媒の流れ方向がソケット12側から入口側冷媒流路10側に向けて流れているため、冷媒の流れが淀む袋状の隙間を形成することはない。
【0079】
従って、冷媒の流れ方向が出口側冷媒流路11側からソケット12側に向けて流れる位置に配置された出口配管15の挿入筒部23の先端を、第3の内周部124b内に収めるように形成することにより、第3の内周部124bよりも大径の第4の内周部127b内に冷媒の流れが淀み易い袋状の隙間が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0080】
(第3実施形態)
以上の実施形態では、二つの配管14、15と二つの流体流路10、11とを固定するソケット12を備える配管継手装置に本発明を適用させたが、一つの配管14と一つの流体流路10とを固定するソケット12を備える配管継手装置に本発明を適用させても良い。図6は、本実施形態における一つの配管14がソケット12に固定された状態を示す断面図である。
【0081】
本実施形態の配管14は、図6に示すように、先端側が円筒状に形成された挿入筒部22と、その挿入筒部22の基幹部(根元)に径外方向へ突出する円環状のバルジ部(ビード部)18が形成されている。挿入筒部22には、Oリング16が外嵌されている。そして、本実施形態の配管14は、入口配管の用途のときに、ソケット12側から流体流路10側に流れ、出口配管の用途のときに、流体流路10側からソケット12側に流れる。
【0082】
ソケット12は、配管14の先端側を挿入する入口側挿入孔12aと連結部121とが形成されている。連結部121は、ソケット12の先端側に形成され、バルジ部18の外形に対応する略円形状に形成された凹部であって、その底面にバルジ部18の一端面が当接するように形成されている。
【0083】
この連結部121は、バルジ部18の外周縁を包み込むようにかしめることにより、配管14をソケット12に固定させることができる。また、入口側挿入孔12aは、連結部121の底面に、それぞれ同心円状に設けられた第1、第2、第3の内周部(嵌合凹部)122a、123a、124aが形成されている。
【0084】
第1の内周部122aは、その内周面とバルジ部18の外形が当接するように形成されている。つまり、第1の内周部122aは、バルジ部18の外形を挿嵌するように形成されている。第2の内周部123aは、第1の内周部122aよりも僅かに小径に形成されている。この第2の内周部123aは、この内周面とOリング16の外周面とが当接して、シール面を構成するように形成されている。つまり、第2の内周部123aは、Oリング16の外形を挿嵌するように形成されている。
【0085】
第3の内周部124aは、第2の内周部123aよりも更に小径に形成されている。第3の内周部124aは、最も小径の内周部である。より具体的には、第3の内周部124aは、配管14の挿入筒部22を隙間なく挿通自在となるように形成されている。そして、第3の内周部124aは、挿入筒部22の外形を挿嵌するように形成されている。
【0086】
また、第3の内周部124aの反先端方向(図6における下方向)には、第4の内周部127aが形成されている。第4の内周部127aの外周が、流体流路10の一端に形成された挿入溝(図示せず)に嵌合するように形成されている。
【0087】
本実施形態の配管14は、以上の実施形態と同じように、挿入筒部22の先端が、第3の内周部124aの後端側から第4の内周部127a側に突出しないように構成されている。より具体的には、配管14において、バルジ部18の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、挿入筒部22の先端が形成されている。そして、ソケット12において、第1の内周部122aの後端側端面(図6における下方側端部)から反先端方向(図6における下方向)にL2寸法離れた位置において、第3の内周部124aの後端(図6における下方側端部)が形成されている。
【0088】
そして、L1寸法とL2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、またはL1寸法の方がL2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されている。つまり、挿入筒部22の長さとなるL1寸法は、L1≦L2となるように設定されている。これにより、配管14の挿入筒部22の先端が、第4の内周部127a側に突き出すことがない。
【0089】
従って、流体流路10を通過した冷媒がソケット12側から配管14側に向けて流れたときには、挿入筒部22の先端が、第4の内周部127a側に突き出すことがないため、第3の内周部124aよりも大径の第4の内周部127a内に冷媒の流れが淀み易い袋状の隙間が存在しない。これにより、冷媒通過音の発生を防止することができる。
【0090】
(他の実施形態)
以上の第1および第2実施形態では、ソケット12を約1/2インチの外径を備える入口配管14と約5/8インチの外径を備える出口配管15とを固定するように形成したが、この数値の外径に限るものではない。
【0091】
また、以上の実施形態では、本発明を車両空調用冷凍サイクルのエバポレータ1に適用させたが、エバポレータ1に限るものではなくそれに類する他の熱交換器にも適用できるものである。また、熱交換器に限らず、一つもしくは二つの流体流路10、11と、一つまたは二つの配管14、15とを連結する配管継手装置に本発明を適用させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1実施形態におけるエバポレータの概略構成を示す部分断面図である。
【図2】図1における左側面図である。
【図3】第1実施形態におけるエバポレータに配設される配管継手装置の全体構成を示す模式図である。
【図4】第1実施形態における入口配管および出口配管がソケットに固定された状態を示す断面図である。
【図5】第2実施形態における入口配管および出口配管がソケットに固定された状態を示す断面図である。
【図6】第3実施形態における入口配管および出口配管がソケットに固定された状態を示す断面図である。
【図7】特許文献1における配管継手装置の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0093】
10…入口側冷媒流路、冷媒流路、流体流路
11…出口側冷媒流路、冷媒流路、流体流路
12…ソケット
14…入口配管、配管
15…出口配管、配管
16、17…Oリング
18、19…バルジ部
22、23…挿入筒部
122a、122b…第1の内周部(第1の嵌合凹部)
123a、123b…第2の内周部(第2の嵌合凹部)
124a、124b…第2の内周部(第3の嵌合凹部)
127a、127b…第4の内周部(内周部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が円筒状に形成された挿入筒部(22)およびその挿入筒部(22)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18)を有する配管(14)と、
前記挿入筒部(22)に外嵌されるOリング(16)と、
前記バルジ部(18)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a)、前記Oリング(16)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a)および前記挿入筒部(22)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a)を有し、反先端方向側が流体流路(10)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
前記ソケット(12)には、前記第3の嵌合凹部(124a)の反先端方向側に、前記第3の嵌合凹部(124a)よりも大径の内周部(127a)が形成されており、
前記挿入筒部(22)の先端が、前記第3の嵌合凹部(124a)の後端側から前記内周部(127a)に突出しないように形成されていることを特徴とする配管継手装置。
【請求項2】
前記配管(14)においては、前記バルジ部(18)の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、前記挿入筒部(22)の先端が形成され、
前記ソケット(12)においては、前記第1の嵌合凹部(122a)の後端側端面から反先端方向にL2寸法離れた位置において、前記第3の嵌合凹部(124a)の後端が形成され、
前記L1寸法と前記L2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、または前記L1寸法の方が前記L2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項3】
前記配管(14)には、前記流体流路(10)から前記ソケット(12)に向けて流体が流れるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管継手装置。
【請求項4】
先端が円筒状に形成された挿入筒部(22、23)およびその挿入筒部(22、23)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18、19)を有する二つの配管(14、15)と、
前記挿入筒部(22、23)にそれぞれ外嵌されるOリング(16、17)と、
前記バルジ部(18、19)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a、122b)、前記Oリング(16、17)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a、123b)および前記挿入筒部(22、23)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a、124b)を有し、反先端方向側が二つの流体流路(10、11)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
前記ソケット(12)には、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の反先端方向側に、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)よりも大径の内周部(127a、127b)が形成されており、
それぞれの前記挿入筒部(22、23)の先端が、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端側から前記内周部(127a、127b)に突出しないように形成されていることを特徴とする配管継手装置。
【請求項5】
先端が円筒状に形成された挿入筒部(22、23)およびその挿入筒部(22、23)の基幹部の外方に環状に突出形成されたバルジ部(18、19)を有する二つの配管(14、15)と、
前記挿入筒部(22、23)にそれぞれ外嵌されるOリング(16、17)と、
前記バルジ部(18、19)が挿嵌される第1の嵌合凹部(122a、122b)、前記Oリング(16、17)が挿嵌される第2の嵌合凹部(123a、123b)および前記挿入筒部(22、23)が挿嵌される第3の嵌合凹部(124a、124b)を有し、反先端方向側が二つの流体流路(10、11)に接合されるソケット(12)とを備える配管継手装置において、
前記ソケット(12)には、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の反先端方向側に、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)よりも大径の内周部(127a、127b)が形成されており、
前記二つの配管(14、15)のどちらか一方の前記挿入筒部(22、23)の先端が、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端側から前記内周部(127a、127b)に突出しないように形成されていることを特徴とする配管継手装置。
【請求項6】
前記挿入筒部(22、23)の先端が前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端を突き出すように形成された一方の配管(14、15)には、前記ソケット(12)側から前記流体流路(10、11)側に向けて流体が流れるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の配管継手装置。
【請求項7】
前記二つの配管(14、15)においては、前記バルジ部(18、19)の先端側端面から先端方向にL1寸法離れた位置において、前記挿入筒部(22、23)の先端が形成され、
前記ソケット(12)においては、前記第1の嵌合凹部(122a、122b)の後端側端面から反先端方向にL2寸法離れた位置において、前記第3の嵌合凹部(124a、124b)の後端が形成され、
前記L1寸法と前記L2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法か、または前記L1寸法の方が前記L2寸法よりも小さい隔たり寸法のいずかに設定されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の配管継手装置。
【請求項8】
前記二つの流体流路(10、11)は、入口側冷媒流路(10)と出口側冷媒流路(11)とを有する冷媒を用いる熱交換器であることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の配管継手装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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