説明

配線の接続部誤外し防止用器具及びその取り付け方法

【課題】 配電盤等の一の箇所に複数の配線同士を接続する接続部が集約されている場合でも目的外となる配線を誤って接続部から取り外してしまうのを回避可能とした配線の接続部誤外し防止用器具を提供する。
【解決手段】 光ファイバケーブル9の心線10と光ファイバコード13とが接続された状態となっている接続部7に対し、表示部材19を2つの構成部材22、23が開いた状態で載せ、配線装着用部材20について、絡み付き部31を心線10に絡み付け、絡み付き部32を光ファイバコード13に絡み付けると共に、被挟持部33を表示部材19の構成部材22、23間に配置した後、構成部材22、23を閉じてこれらの構成部材22、23で配線装着用部材20の被挟持部33を挟むことで、接続部7に各種情報が表示された表示部材19を載せた状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば光ファイバケーブルの心線等の複数の配線、各装置等に向かう光ファイバコード等の複数の配線、及びこれらの配線同士を接続するための接続部が収納された配線盤で用いられる配線の接続部を誤って外すのを防止する器具及び、この器具の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の心線が内装された構造の光ファイバケーブルと各装置との配電盤での接続は、例えば特許文献1等に示されるように、筐体に対しその高さ方向に複数段において積層された光ファイバ収納トレイにおいて、その底面上に複数のアダプタを横一列に配置させ、各アダプタの一方側コネクタに光ファイバケーブルを構成する心線のうちの1つの端末を接続し、このアダプタの他方側コネクタに各装置等に向かう光ファイバコードの端末を接続することで行う場合があった。
【特許文献1】特開2006−227041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1で示される光ファイバケーブルの心線と各装置等に向かう光ファイバコードとの配電盤での接続状態では、光ファイバ収納トレイ内に配された光ファイバケーブルの各心線には何らの表示もされていないので、各心線が利用中か利用中でないかを判別することは容易でなく、更には利用中の心線にあってはその利用目的の重要度を判断することはより困難なものとなっていた。
【0004】
このため、光ファイバケーブルのうち特定の心線のみを取り外す場合には、光ファイバ収納トレイ内への心線の収納位置や心線番号を参照して取り外しの目的となる心線を探して取り外していたが、人間による作業であるため誤って取り外しの目的外の心線を取り外す危険性があった。
【0005】
そこで、本発明は、配電盤等の一の箇所に複数の配線同士を接続する接続部が集約されている場合でも目的外となる配線を誤って接続部から取り外してしまうのを回避可能とした配線の接続部誤外し防止用器具及びその取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具は、配線を接続部から外すか否かを判断するのに必要な情報を表示する表示部材と前記配線に装着するための配線装着用部材とから少なくとも構成され、前記表示部材は、2つのプレート状の構成部材とこれらの構成部材を開閉可能に連結する開閉機構とを有することにより、前記構成部材を相互に閉じることで前記配線装着用部材をこれらの構成部材間に挟持することが可能な構造となっており、前記配線装着用部材は、1つの線状若しくは板状に形成されていると共にその両端近傍部位には前記配線に絡み付くことが可能な2つの絡み付き部が形成されていることを特徴としている(請求項1)。ここで、接続部で接続される配線の一方は、例えば、多数の心線が内装された構造の光ファイバケーブルのうちの1の心線である。また、接続部で接続される配線の他方は、例えば、各装置等に接続される光ファイバコードである。そして、接続部は、例えば、光ファイバ中間配電盤の筐体に対しその高さ方向に複数段において積層された光ファイバ収納トレイにおいて、その底面上に横一列に配置された複数の接続部のうちの1つである。表示部材の開閉機構は、例えば蝶番(ヒンジ)等である。
【0007】
これにより、2つの配線が接続された状態の接続部に対し配線を接続部から外すか否かを判断するのに必要な情報を表示する表示部材を有する接続部誤外し防止用器具が配線取り外し作業の際において確実に装着された状態にあるので、かかる接続部の配線を取り外そうとする者は表示部に表示された情報によりそれが目的の配線か否かを判断することが可能となる。
【0008】
そして、この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具において、前記配線装着用部材の絡み付き部は、前記配線の外径方向寸法と略同じ内径寸法の内部領域を有する螺旋形状としたものとなっている(請求項2)。これにより、配線装着用部材を配線に簡易且つ確実に絡み付けることが可能となり、配線装着用部材の配線への装着作業の平易化を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具において、前記表示部材の2つの構成部材は、閉じた際に相互に対峙する面について、複数の窪み又はスリット孔が前記配線装着用部材の軸方向に沿った方向と交差する方向となるように形成されていると共に、前記配線装着用部材の前記絡み付き部以外の部位の側方外面には、前記表示部材の構成部材に形成された窪み又はスリット孔と係合可能な突部がその軸方向に沿って複数に形成されたものとなっている(請求項3)。これにより、表示部材の両構成部材に形成された窪み又はスリット孔と配線装着用部材の絡み付き部以外の部位の側方外面に形成された突部とが係合するので、表示部材と配線装着用部材とが配線の軸方向に沿って相互にずれたり外れたりすることがない。
【0010】
更に、前記表示部材の2つの構成部材は、前記開閉機構を有する側とは反対側において、前記構成部材の一方に雄状部が形成され、前記構成部材の他方に雌状部が形成されて、これらの雄状部と雌状部とが前記構成部材同士を閉じた際に係合可能となっている(請求項4)。これにより、構成部材同士が閉じた状態から何らかの作用により不用意に開いたりすることがない。
【0011】
これに伴い、請求項1から請求項4のいずれかに記載の接続部誤外し防止用器具を2つの配線が接続された状態となっている接続部に取り付ける方法であって、前記2つの配線が接続された状態となっている接続部に対し、前記表示部材を2つの構成部材が開いた状態で載せる過程と、前記配線装着用部材について、前記絡み付き部の一方を前記配線のうちの一方に絡み付け、前記絡み付き部の他方を前記配線のうちの他方に絡み付けると共に、前記絡み付き部以外の部位を前記表示部材の構成部材間に配置する過程と、前記表示部材の構成部材を閉じてこれらの構成部材で前記配線装着用部材のうち絡み付き部以外の部位を挟む過程とを有する方法を採ることが可能となる。尚、表示部材の構成部材同士について配線装着用部材を挟んだ状態で閉じた際に、請求項3に記載の接続部誤外し防止用器具では、表示部材のうちの両構成部材の窪み又はスリット孔と配線装着用部材の絡み付き部以外の部位に形成された突部とが自然に係合し、請求項4に記載の接続部誤外し防止用器具では、表示部材のうちの一方の構成部材の雄状部と他方の構成部材の雌状部とが自然に係合する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本願の発明によれば、2つの配線が接続された状態の接続部に対し配線を接続部から外すか否かを判断するのに必要な情報を表示する表示部材を有する接続部誤外し防止用器具を、配線取り外し作業の際において確実に装着された状態におくことができるため、かかる接続部の配線を取り外そうとする者は表示部に表示された情報によりそれが目的の配線か否かを判断することが可能となるので、目的外の配線を誤って接続部から外すことが抑止される。
【0013】
特に請求項2に記載の発明によれば、配線装着用部材の螺旋形状の絡み付け部を配線に絡み付けることで、配線装着用部材を配線に簡易且つ確実に接続させることが可能となり、配線装着用部材と配線との接続作業の平易化を図ることができる。
【0014】
特に請求項3に記載の発明によれば、表示部材の一方の構成部材に形成された窪み又はスリット孔と配線装着用部材の絡み付き部以外の部位の側方外面に形成された突部とが係合するので、表示部材と配線装着用部材とが不用意に配線の軸方向に沿って相互にずれたり外れたりすることを防止することが可能である。
【0015】
特に請求項4に記載の発明によれば、構成部材同士が何らかの作用により不用意に開いたりすることがないので、接続部誤外し防止用器具が接続部の上面から脱落することを防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず、図1及び図2において、この発明に係る接続部誤外し防止用器具18を利用可能な光ファイバの中間配電盤(IDF:Intermediate Distribution Frame)1の配置構成の一例について説明する。
【0018】
中間配電盤1は、この実施例では、図1に示されるように、箱体2に対しその高さ方向に沿って複数段において光ファイバ収納トレイ3を積層する形で収納して成るもので、各光ファイバ収納トレイ3は、この実施例では、図1及び図2に示されるように、底板4とその周縁から当該底板4をほぼ囲むように立設した立板5(5aから5d)とから構成されていると共に、立板5のうち対峙する立板5a、5cにそれぞれ切欠き部6が形成された構成となっている。
【0019】
そして、光ファイバ収納トレイ3の底部4の上面には、立板5のうち立板5a、5cに沿って、複数の接続部7が並設されている。1の光ファイバ収納トレイ3における接続部7の数は、図2においては7個となっているが、これに限定されず、例えば20個ほどあっても良い。各接続部7は立板5a、5cと対峙する両側において、その一方側には後述する光ファイバケーブル9の心線10の端末11が差し込まれ、他方側には後述する光ファイバコード13の端末16が差し込まれるようになっている。
【0020】
このうち、光ファイバケーブル9は、接続部7の数に対応した複数(この実施例では7本)の心線10を内包するもので、例えば図1に示されるように電柱8から中間配電盤1に向けて引き込まれる配線となっていると共に、中間配電盤1内では図2に示されるように、光ファイバ収納トレイ3の一方の切欠き部6から当該光ファイバ収納トレイ3の接続部7よりも手前側で複数の心線10に分岐し、各心線10の先端には接続部7と接続するための端末11が設けられている。
【0021】
これに対し、光ファイバコード13は、その一方側が図1に示されるように各種装置14の入力部15に接続されると共に、その他方側が光ファイバ収納トレイ3の他方の切欠き部6から当該光ファイバ収納トレイ3内に引き回され、その先端には接続部7と接続するための端末16が設けられている。
【0022】
次に、図3から図7において、この発明に係る接続部誤外し防止用器具18の実施例のうちの一例について説明する。
【0023】
この接続部誤外し防止用器具18は、特に図3において示される表示部材19と特に図4において示される配線装着用部材20とを有して構成されている。
【0024】
表示部材19は、図3及び図4から図7に示されるように、肉厚が相対的に薄いプレート状の構成部材22、23と、この構成部材22、23の一辺においてこれらの構成部材22、23の双方と連結されて、構成部材22、23を開閉可能とする開閉機構たる蝶番(ヒンジ)24とを有して構成されている。
【0025】
そして、表示部材19の構成部材22、23には、この実施例では、蝶番24を有する辺とは反対側の辺からこの構成部材22、23の面に連なるように延出部25、26が延出しており、この実施例では構成部材23の延出部26に貫通孔27が形成されていると共に、構成部材22の延出部25にはこの貫通孔27に挿通可能な外径寸法の軸部及びこの軸部の先端に形成されて貫通孔27よりも大きな外径寸法を有しつつ径方向に沿って伸縮する、可撓性を有する頭部から成る係合部28が形成されている。
【0026】
これにより、構成部材22を構成部材23側に揺動させて構成部材22と構成部材23とを閉じた場合には、係合部28が延出部26の貫通孔27に係合されることとなる。
【0027】
また、表示部材19の構成部材22、23は、相互に対峙する面において、この実施例では、蝶番24を有する辺側から延出部25、26を有する側に向けて並列的に延びる複数(この実施例では9本)の窪み29が形成されており、後述する配線装着用部材20の係合突起34と係合可能となっている。尚、構成部材22、23は、図示しないが、この有底の窪み29の代わりに、構成部材22、23の厚み方向に貫通して成る、配線装着用部材20の係合突起34と係合可能なスリット孔を有するものとしても良い。
【0028】
配線装着用部材20は、図4及び図6に示されるように、1つの線状部材から構成されており、光ファイバケーブル9の心線10に絡み付くための絡み付き部31と、光ファイバコード13に絡み付くための絡み付き部32と、この絡み付き部31と絡み付き部32との間に介在されるもので、表示部材19の構成部材22、23間に挟まれる被挟持部33とを有して構成されている。
【0029】
このうち、絡み付き部31、32は、それぞれ同心円の螺旋形状をなしているもので、この螺旋形状についてその軸方向から見た場合に光ファイバケーブル9の心線10又は光ファイバコード13の外径寸法と略同じ大きさの内部領域が光ファイバケーブル9の心線10又は光ファイバコード13の軸方向に沿って延びるかたちで有したものとなっている。
【0030】
被挟持部33は、直線状のもので、構成部材22と構成部材23とで挟まれた際に構成部材22に対峙する側と構成部材23に対峙する側とに、これら構成部材22、23の窪み29と係合突起34が形成されている。これにより、表示部材18の構成部材22、23に形成された窪み29と配線装着用部材20の被挟持部33に形成された係合突起34とが係合された際には、表示部材18と配線装着用部材20とが被挟持部33の軸方向に沿って位置ずれすることがなくなる。
【0031】
そして、この実施例では、絡み付き部31、32の軸方向に沿って延びる基準線を採り、表示部材18の構成部材22と構成部材23とで挟まれた被挟持部33の軸方向に沿って延びる基準線を採った場合に、配線装着用部材20の径方向においてずれを生じているので、絡み付き部31、32と被挟持部33とをそれぞれの機能を果たしつつ1条の線状に構成させるために、図4及び図6に示されるように、絡み付き部31、32と被挟持部33とを斜線状部35で連接させている。
【0032】
以上のような表示部材19と配線装着用部材20とから成る接続部誤外し防止用器具18の構成に基づき、かかる接続部誤外し防止用器具18を接続部7に装着する過程の一例について図5から図7を用いて説明する。
【0033】
まず、図5に示されるように、表示部材18について、構成部材22、23が少なくとも配線装着用部材20の被挟部33の径寸法よりも開いた状態にし、かかる表示部材18を接続部7の上面に載せる。
【0034】
次に、図6に示されるように、配線装着用部材20の被挟持部33について、構成部材22、23の延出部25、26側から構成部材22、23間に入れて、構成部材23の構成部材22と対峙する面に載せる。そして、被挟持部33をその軸方向にずらして被挟持部33の係合突部34と構成部材23の窪み29とが係合するようにする。これにより、配線装着用部材20の被挟持部33を構成部材22に対し適切な位置に配置するという位置決めも図られる。
【0035】
さらに、図7に示されるように、構成部材22の延出部25を有する側が構成部材23の延出部26を有する側に近接するように、構成部材22について蝶番24を利用して揺動させる。これにより、構成部材22の延出部25に形成された係合部28が構成部材23の延出部26に形成された貫通孔27に挿通されて確実且つ堅固に固定されるので、構成部材22と構成部材23とが外部からの力等により不用意に開くのを抑止することができると同時に、被挟持部33の係合突部34と構成部材22の窪み29とについても係合されるので、配線装着用部材20に対する不用意な引っ張り等により被挟持部33が表示部材19の適切な位置からずれたり抜けたりするのを抑止することもできる。
【0036】
しかるに、このように、接続部誤外し防止用器具18を接続部7に装着することで、表示部材19が接続部7の上面に位置しているので、表示部材19の構成部材22に対し、語句や記号、数字等で光ファイバケーブル9の心線10を接続部7から外すか否かを判断するのに必要な情報を表示することにより、目的外の接続部7から光ファイバケーブル9の心線10を誤って外すことが回避される。
【0037】
もっとも、この発明に係る接続部誤外し防止用器具18の構成は、上記したものに限定されず、例えば図8に示されるような構成であっても良い。すなわち、接続部誤外し防止用器具18の構成部品である配線装着用部材20は、図8に示されるように、1つの部材から構成されており、絡み付き部31と、絡み付き部32と、被挟持部33とを有して構成されている点では、先の実施例と同様であるが、少なくとも被挟持部33は線状ではなく所定の横幅を持たせるために薄い板状に形成されたものとなっている。そして、絡み付き部31と絡み付き部32とについても、被挟持部33と同様の薄い板状としつつこれを捩じって同心円の螺旋形状にしたものとしても良い。
【0038】
これにより、被挟持部33の表示部材19の構成部材22、23への接地面積が拡大され、被挟持部33が線の軸を中心に回転して表示部材19の構成部材22、23間から不用意に脱落する事態を回避することが可能となる。
【0039】
尚、接続部誤外し防止用器具18の他の構成及び接続部誤外し防止用器具18を接続部7に装着する過程は先の実施例と同様であるので、先の実施例と同一の符号を付し、これらの構成及び過程の説明を省略した。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、電柱から光ファイバケーブルが中間配電盤まで引き込まれた後、中間配電盤の収納トレイ近傍で各心線に分岐して収納トレイ内で接続部に接続され、且つ接続部に心線とは反対側で接続された光ファイバコードが収納トレイから装置にまで延びて接続されている状態を示す概略図である。
【図2】図2は、中間配電盤に積層して収納された複数の収納トレイのうちの1の収納トレイを示して、この収納トレイでの心線及び光ファイバコードと接続部との接続状況を示す説明図である。
【図3】図3は、この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具を構成する表示部材の構成を示す説明図であり、図3(A)はこの表示部材の平面図、図3(B)はこの表示部材の側面図、図3(C)はこの表示部材の正面図である。
【図4】図4は、この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具を構成する配線装着用部材の側面図である。
【図5】図5は、配線の接続部誤外し防止用器具の接続部への装着過程の第1の過程を示すものであり、表示部材を2つの構成部材が開いた状態で接続部に載せた状態を示す説明図である。
【図6】図6は、配線の接続部誤外し防止用器具の接続部への装着過程の第2の過程を示すものであり、配線装着用部材を光ファイバケーブルの心線と光ファイバコードとに絡み付けつつ表示部材の構成部材間に配置した状態を示す説明図である。
【図7】図7は、配線の接続部誤外し防止用器具の接続部への装着過程の第3の過程を示すものであり、表示部材の構成部材の一方を構成部材の他方に近接させて両者を閉じることで、配線装着用部材を挟んだ状態を示す説明図である。
【図8】図8は、この発明に係る配線の接続部誤外し防止用器具のうちの配線装着用部材の他の実施例を示す説明図であり、図8(a)は配線装着用部材の構成図、図8(b)は表示部材の構成部材の一方を構成部材の他方に近接させて両者を閉じることで、配線装着用部材を挟んだ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 中間配電盤
3 光ファイバ収納トレイ
4 底部(底面)
7 接続部
9 光ファイバケーブル(配線)
10 心線(配線)
13 光ファイバコード(配線)
14 各種装置
15 入力部
19 表示部材
20 配線装着用部材
22 構成部材
23 構成部材
24 蝶番(開閉機構)
27 貫通孔
28 係合部
29 窪み
31 絡み付き部
32 絡み付き部
33 被挟持部
34 係合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を接続部から外すか否かを判断するのに必要な情報を表示する表示部材と前記配線に装着するための配線装着用部材とから少なくとも構成され、
前記表示部材は、2つのプレート状の構成部材とこれらの構成部材を開閉可能に連結する開閉機構とを有することにより、前記構成部材を相互に閉じることで前記配線装着用部材をこれらの構成部材間に挟持することが可能な構造となっており、
前記配線装着用部材は、1つの線状若しくは板状に形成されていると共にその両端近傍部位には前記配線に絡み付くことが可能な2つの絡み付き部が形成されていることを特徴とする配線の接続部誤外し防止用器具。
【請求項2】
前記配線装着用部材の絡み付き部は、前記配線の外径方向寸法と略同じ内径寸法の内部領域を有する螺旋形状としたことを特徴とする請求項1に記載の配線の接続部誤外し防止用器具。
【請求項3】
前記表示部材の2つの構成部材は、閉じた際に相互に対峙する面について、複数の窪み又はスリット孔が前記配線装着用部材の軸方向に沿った方向と交差する方向となるように形成されていると共に、前記配線装着用部材の前記絡み付き部以外の部位の側方外面には、前記表示部材の構成部材に形成された窪み又はスリット孔と係合可能な突部がその軸方向に沿って複数に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接続部誤外し防止用器具。
【請求項4】
前記表示部材の2つの構成部材は、前記開閉機構を有する側とは反対側において、前記構成部材の一方に雄状部が形成され、前記構成部材の他方に雌状部が形成されて、これらの雄状部と雌状部とが前記構成部材同士を閉じた際に係合可能となっていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の接続部誤外し防止用器具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の接続部誤外し防止用器具を2つの配線が接続された状態となっている接続部に取り付ける方法であって、
前記2つの配線が接続された状態となっている接続部に対し、前記表示部材を2つの構成部材が開いた状態で載せる過程と、
前記配線装着用部材について、前記絡み付き部の一方を前記配線のうちの一方に絡み付け、前記絡み付き部の他方を前記配線のうちの他方に絡み付けると共に、前記絡み付き部以外の部位を前記表示部材の構成部材間に配置する過程と、
前記表示部材の構成部材を閉じてこれらの構成部材で前記配線装着用部材のうち絡み付き部以外の部位を挟む過程とを有することを特徴とする配線の接続部誤外し防止用具取り付け方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−54647(P2010−54647A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217601(P2008−217601)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】