説明

配線ダクト付きテーブル

【課題】配線ダクトを、左右の脚体同士を連結する横連結杆に、着脱可能に、簡単かつ確実に取付ける。
【解決手段】左右の脚体2同士を、六角形断面の横連結杆3、4により連結して形成された支持フレーム1により、天板6を支持し、横連結杆4に、前後方向を向くブラケット16を、その前端部に設けたコ字状の取付嵌合部を、斜め上方より着脱可能に嵌合することにより取付け、このブラケット16の前後方向を向く水平部に、配線ダクト12を載設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の配線やその付属部品等を収容可能な配線ダクトを備える配線ダクト付きテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の配線ダクトを備える従来のテーブルは、公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−125850号公報
【特許文献2】特開2004−136008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているものは、テーブルの後部に取り付けた取付板に設けられた上向突条に、配線ダクトの下向きフックを係合させることにより、取り付けるようにしているので、配線ダクトに上向きの力が加わると、取付板から外れることがある。また、配線ダクトの背面板が、取付板の前面に直接取付けられているため、配線ダクトの位置が固定されてしまい、配線作業が面倒となる。
【0005】
特許文献2に記載された配線ダクト付きテーブルにおいては、天板の中央部下面の直下において、左右の脚体間に配線ダクトが固定的に取付けられているため、配線作業を天板の上方や前後から容易に行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、配線ダクトを、左右の脚体同士を連結する横連結杆に、着脱可能に簡単かつ確実に、しかも、配線作業を容易に行いうるように取付けた配線ダクト付きテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 左右の脚体同士を、少なくとも互いに平行をなす2面が側面視において斜め上下方向に傾斜する非円形断面の横連結杆により連結して形成された支持フレームにより、天板を支持し、前記横連結杆に、前後方向を向くブラケットを、その一端部に設けた該ブラケットの他端部に向かって開口する取付嵌合部を、斜め上方より前記互いに平行をなす2面と密接するように着脱可能に嵌合することにより取付け、このブラケットの前後方向を向く水平部に、配線ダクトを載設する。
【0008】
(2)上記(1)項において、横連結杆を、上下両面が水平面をなす六角形の断面形状をなすのものとし、ブラケットの取付嵌合部を、配線ダクトの方向に開口し、かつ内面が前記横連結杆の3辺の傾斜辺に密接して嵌合可能な側面視斜め下向コ字状とする。
【0009】
(3)上記(1)または(2)項において、取付嵌合部にめねじ孔を形成し、このめねじ孔にねじ込んだ固定ねじの先端により、横連結杆の外面を押圧するようにする。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、ブラケットの前端部に設けた取付嵌合部を横連結杆に取付けることにより、ブラケットを後向きに延出させ、配線ダクトを横連結杆よりも後方に位置するように設ける。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、配線ダクトが載設されたブラケットの一端部に形成された取付嵌合部を非円形をなす横連結杆に密接させて嵌合させることにより、テーブルに、配線ダクトを、横連結杆の前後いずれかの方向に延出させて簡単に取り付けることができ、かつ配線ダクトへの配線作業も容易となる。
また、横連結杆は、互いに平行をなす2面が斜め上下方向に傾斜する非円形断面をなし、この横連結杆に、ブラケットの取付嵌合部を斜め上方より嵌合しているので、ブラケットが横連結杆から外れたり、横連結杆回りに回動したりすることがなく、確実に取り付けることができる。
さらに、ブラケットは、その取付嵌合部が横連結杆に嵌合されて取付けられているため、配線ダクトを、ブラケットと共に左右方向に容易に位置調節することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、横連結杆のねじり剛性が大となるので、ブラケットを片持ち状態で取付けても、十分な強度を有するとともに、ブラケットの取付嵌合部は、横連結杆の3辺の傾斜辺に密接して嵌合しているため、ブラケットはがたつくことなく、安定して横連結杆に取り付けることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、ブラケット及びそれに載設された配線ダクトの横側方への移動が確実に防止されるとともに、少し緩めるだけで、横連結杆に沿ってブラケットを側方に移動できるので、配線ダクトの左右方向の位置調節も容易となる。
【0014】
請求項4記載の発明によると、配線ダクトを横連結杆より後方に配置することにより、使用者の足等の邪魔にならない位置に配線ダクトを配置することができるとともに、配線ダクトの上方を開放しうるので、配線作業も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の配線ダクト付きテーブルの一実施形態を示す斜視図、図2は、要部の分解斜視図、図3は、要部の縦断側面図である。
【0016】
支持フレーム(1)は、側面視倒立T字状をなす左右1対の脚体(2)(2)と、両脚体(2)の上端同士を連結する前後1対の互いに平行をなす横連結杆(3)(4)と、この両横連結杆(3)(4)の両側端部に、前方(以下、図1の斜め右上方を前として説明する)を向くように取り付けられた左右1対の天板支持体(5)とを備えている。左右の天板支持体(5)上には、天板(6)が、その大部分が、前部の横連結杆(3)の前方に位置するように取り付けられている。
【0017】
(7)は、天板(6)の後方において、前後の横連結杆(3)(4)の中間部により支持された補助天板である。
脚体(2)は、前後方向を向くベース脚(2a)と、その中央よりも若干後部側において起立する、平面視概ね楕円形断面の脚柱(2b)とからなり、脚柱(2b)の上端には、前後の横連結杆(3)(4)を支持して固定する支持部材(8)が固着されている。
支持部材(8)は、上面に前後の横連結杆(3)(4)の下半部が嵌合される支持板(8a)と、この支持板(8a)と同形かつ上下対称形をなし、横連結杆(3)(4)の上半部が嵌合される挟持板(8b)とからなっている。後部の横連結杆(4)の両端面は、エンドキャップ(9)により閉塞されている。
前側の横連結杆(3)の両側端部は、支持部材(8)の外側方に突出させてあり、その突出部には、パソコン本体(P)やファイル(F)等を収納可能な正面視上向コ字状の物品載置台(10)が取付けられている。
【0018】
図3に示すように、前後の横連結杆(3)(4)(後部のみ図示する)は、水平をなして対向する上辺(4a)と下辺(4b)及びこの上下の辺(4a)(4b)の両側において互いに平行をなして対向する傾斜辺(4c)を有するほぼ六角形断面のアルミニウム合金等の管材よりなり、かつ内部の上辺(4a)と下辺(4b)の対向面間には、左右方向を向いて互いに平行をなす垂直平板状の補強リブ(11)(11)が連設されている。
【0019】
後部の横連結杆(4)には、以下のようにして配線ダクト(12)が取り付けられている。
配線ダクト(12)は、底板(13)の前後の端縁に、それぞれ斜め前上方を向く前面板(14)と垂直に起立する後面板(15)を有し、前面板(14)の上端には、後向きの水平片(14a)が、また後面板(15)の上端には、前向きの水平片(15a)が、それぞれ形成されている。
【0020】
配線ダクト取付用のブラケット(16)は、若干厚肉で曲げ剛性の大きい金属板よりなり、前後方向を向く水平片部(17)と、その前端から斜め上方に延びる斜片部(18)と、斜片部(18)の上端に連設された取付嵌合部(19)とを有している。取付嵌合部(19)は、斜め後下方、すなわち、配線ダクト(12)の内部に向かって開口する側面視コ字状をなし、そのコ字状をなす嵌合凹部(20)は、横連結杆(4)に、がたなく密接して嵌合されるようになっている。
【0021】
図2及び図3に示すように、配線ダクト(12)は、その底板(13)を、ブラケット(16)の水平片部(17)に設けられた通孔(21)から、配線ダクト(12)の底板(13)のめねじ孔(22)に止めねじ(23)をねじ込むことにより、水平に固定されている。
配線ダクト(12)を固定したのち、ブラケット(16)の取付嵌合部(19)を、後部の横連結杆(4)に嵌合させると、その上部の前後の傾斜辺(4c)(4c)と、前下部の傾斜辺(4c)との3辺に、コ字状の嵌合凹部(20)の内面が密接し、ブラケット(16)とそれに固定された配線ダクト(12)とが、後向き片持ち状態で横連結杆(4)により支持される。
【0022】
取付嵌合部(19)の下面には、めねじ孔(24)が形成され、このめねじ孔(24)に下方よりねじ込んだ固定ねじ(25)の先端により、横連結杆(4)の傾斜辺(4c)を押圧することにより、ブラケット(16)の側方への移動が確実に防止される。
また、固定ねじ(25)を少し緩めるだけで、ブラケット(16)を横連結杆(4)に沿って側方に移動できるので、配線ダクト(12)の左右方向の位置調節も容易となる。
【0023】
上記実施形態では、テーブルの天板(6)を大きく前方に突出させ、かつブラケット(16)を横連結杆(4)から後方に向けて取り付けることにより、配線ダクト(12)を、テーブルの後方に突出させて配置した例であり、これにより、使用者の足等の邪魔にならない位置に配線ダクト(12)を配置することができるとともに、配線ダクト(12)の上方が大きく開放されているので、配線作業が容易となる。
また、横連結杆(4)は、六角形断面をなし、かつ内部に補強リブ(11)を有していて、ねじり剛性が大であり、ブラケット(16)も肉厚を大として曲げ剛性を大としているため、配線ダクト(12)を片持ち状態で支持しても、特に問題の生じる恐れはない。
【0024】
配線ダクト(12)は、それが固定されたブラケット(16)の取付嵌合部(19)を、単に六角形断面をなす横連結杆(4)に嵌合して係止するだけで取り付けることができるので、配線ダクト(12)の取付作業が極めて容易であり、かつ簡単に取外すこともできるので、配線ダクト(12)をオプションとして容易に取付けたり、取外したりすることができる。
【0025】
横連結杆(4)を、上述のように、上下両面が水平面をなす六角形断面とすることにより、ブラケット(16)の取付嵌合部(19)を前後反対向きで横連結杆(4)に取付けることもでき、天板(6)の大きさや取付形態などに応じて、配線ダクト(12)を天板(6)の下方に向かって前向きに配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の配線ダクト付きテーブルの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく、要部の分解斜視図である。
【図3】同じく、要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0027】
(1)支持フレーム
(2)脚体
(2a)ベース脚
(2b)脚柱
(3)横連結杆
(4)横連結杆
(4a)上辺
(4b)下辺
(4c)傾斜辺
(5)天板支持体
(6)天板
(7)補助天板
(8)支持部材
(8a)支持板
(8b)挟持板
(9)エンドキャップ
(10)物品載置台
(11)補強リブ
(12)配線ダクト
(13)底板
(14)前面板
(15)後面板
(14a)(15a)水平片
(16)ブラケット
(17)水平片部
(18)斜片部
(19)取付嵌合部
(20)嵌合凹部
(21)通孔
(22)めねじ孔
(23)止めねじ
(24)めねじ孔
(25)固定ねじ
(F)ファイル
(P)パソコン本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の脚体同士を、少なくとも互いに平行をなす2面が側面視において斜め上下方向に傾斜する非円形断面の横連結杆により連結して形成された支持フレームにより、天板を支持し、前記横連結杆に、前後方向を向くブラケットを、その一端部に設けた該ブラケットの他端部に向かって開口する取付嵌合部を、斜め上方より前記互いに平行をなす2面と密接するように着脱可能に嵌合することにより取付け、このブラケットの前後方向を向く水平部に、配線ダクトを載設したことを特徴とする配線ダクト付きテーブル。
【請求項2】
横連結杆を、上下両面が水平面をなす六角形の断面形状をなすのものとし、ブラケットの取付嵌合部を、配線ダクトの方向に開口し、かつ内面が前記横連結杆の3辺の傾斜辺に密接して嵌合可能な側面視斜め下向コ字状とした請求項1記載の配線ダクト付きテーブル。
【請求項3】
取付嵌合部にめねじ孔を形成し、このめねじ孔にねじ込んだ固定ねじの先端により、横連結杆の外面を押圧するようにした請求項1または2記載の配線ダクト付きテーブル。
【請求項4】
ブラケットの前端部に設けた取付嵌合部を横連結杆に取付けることにより、ブラケットを後向きに延出させ、配線ダクトを横連結杆よりも後方に位置するように設けた請求項1〜3のいずれかに記載の配線ダクト付きテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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