配線基板の製造方法
【課題】簡単な製造プロセスで配線を形成し、信頼性の高い配線基板を提供する。
【解決手段】本発明にかかる配線基板100の製造方法は、(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層16を基板10に設ける工程と、(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層32を設ける工程と、(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層36を設ける工程と、(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層33を設ける工程と、(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層37を設ける工程と、を含む。
【解決手段】本発明にかかる配線基板100の製造方法は、(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層16を基板10に設ける工程と、(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層32を設ける工程と、(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層36を設ける工程と、(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層33を設ける工程と、(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層37を設ける工程と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル基板に配線を形成する方法として、サブトラクティブ法やアディティブ法が知られている。サブトラクティブ法では、フレキシブル基板の全面に金属層を形成し、金属層上にフォトレジストをパターニングして形成し、フォトレジストをバリヤとして金属層をエッチングする。アディティブ法では、フレキシブル基板上にフォトレジストをパターニングして形成し、フォトレジストからの開口部にめっき処理によって金属層を析出させる。
【0003】
これらの方法によれば、フォトレジストを最終的に除去する点、さらにサブトラクティブ法では金属層の一部を除去する点において、資源及び材料の消費が課題となっていた。また、フォトレジストの形成及び除去工程が必要となるので、製造工程数が多いことが課題となっていた。さらに、配線の寸法精度がフォトレジストの解像度に依存するため、より高精度の配線を形成するには限界があった。
【特許文献1】特開平10−65315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な製造プロセスで配線を形成し、信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる配線基板の製造方法は、
(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層を基板に設ける工程と、
(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層を設ける工程と、
(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層を設ける工程と、
(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層を設ける工程と、
(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層を設ける工程と、
を含む。
【0006】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第2の領域に設けることができる。
【0007】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設けることができる。
【0008】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(c)と(d)との間に、
(f)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第3の触媒層を設ける工程と、
(g)前記第3の触媒層上に金属を析出させることによって第3の金属層を設ける工程と、
をさらに含み、
前記工程(f)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、前記工程(b)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低いことができる。
【0009】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第3の領域と、前記第3の領域より大きい第2の領域に設けることができる。
【0010】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(f)では、
前記第1の領域および前記第3の領域に前記第3の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域、前記第3の領域、および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設けることができる。
【0011】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の界面活性剤のイオン価の符号は、前記第2の界面活性剤のイオン価の符号と異なることができる。
【0012】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)は、
前記界面活性剤層を基板全面に設ける工程と、
前記界面活性剤層の所定の領域に真空紫外放射を照射することによって、前記界面活性剤層を分解する工程と、
を含むことができる。
【0013】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の界面活性剤は、カチオン系界面活性剤であり、
前記第2の界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であり、
前記触媒は、パラジウムを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
1.第1の実施の形態
1.1.配線基板の製造方法
図1〜図11は、第1の実施の形態にかかる配線基板100(図11参照)の製造方法を示す図である。本実施の形態では、無電解めっきを適用して配線基板を製造する。
【0016】
(1)まず、基板10を用意する。基板10は、図1に示すように絶縁基板であってもよい。基板10は、有機系基板(例えばプラスチック材、樹脂基板)であってもよいし、無機系基板(例えば石英ガラス、シリコンウエハ、酸化物層)であってもよい。プラスチック材としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。あるいは、基板10は、光透過性基板(例えば透明基板)であってもよい。基板10は、単層のみならず、ベース基板上に少なくとも1層の絶縁層が形成されている多層のものも含む。本実施の形態では、基板10上に金属層を形成する。
【0017】
次に、基板10を洗浄する。基板10の洗浄は、ドライ洗浄でもよいし、図1に示すようにウエット洗浄でもよい。ウエット洗浄は、例えば、基板10をオゾン水12(オゾン濃度10ppm〜20ppm)に室温状態で5分〜30分程度浸漬することで行うことができる。またドライ洗浄は、真空紫外線ランプ(波長172nm、出力10mW、試料間距離1mm)を用いて、窒素雰囲気下において、30秒〜900秒間、真空紫外線を照射して行うことができる。基板10を洗浄することによって、基板10の表面に付着している油脂などの汚れを除去することができる。また、基板10の表面を撥水性から親水性に変化させることができる。また、基板10の液中表面電位が負電位であれば、基板10の洗浄により均一な負電位面を形成することができる。
【0018】
(2)次に、図2に示すように、基板10を界面活性剤溶液14に浸漬する。界面活性剤溶液14は、第1の界面活性剤を含む。第1の界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含む。基板10の表面の液中表面電位が負電位の場合には、第1の界面活性剤として、カチオン系界面活性剤を適用することが好ましい。カチオン系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べて基板10に吸着しやすいからである。一方、基板10の表面の液中表面電位が正電位の場合には、界面活性剤溶液14に含まれる界面活性剤として、アニオン系界面活性剤を適用することが好ましい。
【0019】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミノシラン系成分を含む水溶性界面活性剤(テクニックジャパン(株)製FPDコンディショナー)や、アルキルアンモニウム系の界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルアンモニウムブロマイド等)などを用いることができる。アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(ソディウムドデシルサルフェート、リチウムドデシルサルフェート、N−ラウロイルサルコシン)などを用いることができる。浸漬時間は、例えば、1分〜10分程度とすることができる。
【0020】
次に、界面活性剤溶液から基板10を取り出し、超純水で洗浄する。その後、基板10を、例えば、室温下で自然乾燥、または、圧縮空気を吹き付けて水滴を除去した後、90℃〜120℃のオーブン内に10分〜1時間程度放置して乾燥させる。以上の工程により、図3に示すように、第1の界面活性剤層16を基板10に設けることができる。このとき、第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を適用した場合には、基板10の液中表面電位は吸着前よりも正電位側にシフトしている。
【0021】
(3)次に、第1の界面活性剤層16をパターニングすることにより、所定の領域の第1の界面活性剤層16を除去する。本実施の形態では、図4に示すように、所定の領域の第1の界面活性剤層16を光分解することにより、パターニングする。ここで所定の領域とは、基板10上において後述する第1の領域42および第2の領域40以外の領域をいう(図5参照)。
【0022】
所定の領域に照射する光20としては、例えば真空紫外線(VUV;vacuum ultraviolet)を用いることができる。光20の波長を、例えば170nm〜260nmとすることにより、原子間結合(例えば、C−C、C=C、C−H、C−F、C−Cl、C−O、C−N、C=O、O=O、O−H、H−F、H−Cl、N−Hなど)を切断することができる。これにより、第1の界面活性剤層16を光分解させることができる。また、この波長帯域の光20を用いることにより、イエロールームなどの設備が不要となり、例えば白色灯下で本実施形態に係る一連の工程を行うことができる。
【0023】
光20の照射は、具体的には、例えば、光源18として真空紫外線ランプ(波長172nm、出力10mW、試料間距離1mm)を用いて、窒素雰囲気下において、5分〜30分間行うことができる。光源18は、例えばXeガスが封入されたエキシマランプであってもよい。なお、光20の波長は、第1の界面活性剤層16を光分解することができるものであれば、特に限定されない。
【0024】
光20は、マスク22(例えばフォトマスク)を介して基板10に照射される。詳しくは、光源18と基板10の間にマスク22を配置し、光20をマスク22の遮光部24(例えばクロムなどの金属パターン部)以外の領域に透過させる。本実施の形態において遮光部は、上述した所定の領域以外の領域、即ち第1の領域42および第2の領域40に形成される。言い換えれば、遮光部は、金属層のパターン形状と反転形状をなしている。マスク22は、基板10に接して配置されていてもよい。また、窒素雰囲気中で光照射処理を行えば、光20が減衰しにくいので好ましい。こうして、図5に示すように、第1の領域42および第2の領域40に所定のパターン形状を有する第1の界面活性剤層28を形成することができる。第1の領域42および第2の領域40は、配線が形成される領域であり、第2の領域40は、第1の領域42より大きい。具体的には、第2の領域40の面積や線幅は、第1の領域42より大きい。言い換えれば、第1の領域42は、第2の領域40より微細パターン形状を有する。
【0025】
なお、基板10の側面および裏面は、上述した光20が照射されず、パターニングされない。よって、図5に示すように、基板10の側面および裏面には、第1の界面活性剤層26が形成されている。
【0026】
(4)次に、図6に示すように、触媒溶液30に基板10を浸漬する。触媒溶液30は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含む。触媒成分としては、たとえばパラジウムを用いることができる。第2の界面活性剤としては、そのイオン価が、上述した第1の界面活性剤のイオン価と異なる符号を有することが好ましい。具体的には、第1の界面活性剤層16に含まれる第1の界面活性剤がカチオン系界面活性剤である場合には、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤はアニオン系界面活性剤であることが好ましい。一方、第1の界面活性剤層16に含まれる第1の界面活性剤がアニオン系界面活性剤である場合には、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤はカチオン系界面活性剤であることが好ましい。アニオン系界面活性剤としては、たとえばドデシル硫酸ナトリウム等のアルキルサルフェート系界面活性剤を用いることができる。
【0027】
たとえば、以下の手順により触媒溶液30を作製することができる。
(4a)純度99.99%のパラジウムペレットを塩酸と過酸化水素水と水との混合溶液に溶解させ、パラジウム濃度が0.1〜0.5g/lの塩化パラジウム溶液とする。
(4b)上述した塩化パラジウム溶液をさらに水と過酸化水素水で希釈することによりパラジウム濃度を0.01〜0.05g/lとする。
(4c)水酸化ナトリウム水溶液等を用いて、塩化パラジウム溶液のpHを4.5〜6.8に調整する。
(4d)ドデシル硫酸ナトリウムを塩化パラジウム溶液に添加し、ドデシル硫酸ナトリウムの濃度を0.1〜2.5g/lとする。
【0028】
このように作製された触媒溶液30に基板10を浸漬すると、図7に示すように、第2の界面活性剤層34、35および第1の触媒層32が形成される。第2の界面活性剤層35は、基板10上面の第2の領域40における第1の界面活性剤層28上に形成される。第1の触媒層32は、基板10の裏面および側面に形成される。
【0029】
触媒溶液30に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。水洗は、純水によって行われることができる。この水洗によって、触媒の残渣が後述する無電解めっき液に混入するのを防止することができる。
【0030】
第2の界面活性剤層34、35および第1の触媒層32が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、28が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含み、第2の界面活性剤層34、35が第2の界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0031】
まず、第2の界面活性剤層34は、図7に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層28の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0032】
次に、第2の界面活性剤層35は、図7に示すように、第2の領域40における第1の界面活性剤層28の上面に形成される。第2の領域40の面積は、第1の領域42の面積より大きいため、第1の領域42に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域40における第1の界面活性剤層28は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域42に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域40における第1の界面活性剤層28の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層35が形成される。
【0033】
このように、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤の濃度を適度に調整することにより、第1の領域42に第2の界面活性剤層35を形成することなく、第2の領域40のみに第2の界面活性剤層35を形成することができる。
【0034】
第1の触媒層32は、図7に示すように、第1の領域42における第1の界面活性剤層28上に形成される。即ち、第1の触媒層32は、第1の界面活性剤層28が形成され、かつ、第2の界面活性剤層35が形成されていない領域に形成される。
【0035】
基板10における第2の界面活性剤層34、35が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、28が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、35が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液30に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層28に引き寄せられやすいため、第1の触媒層32は、第1の領域42における第1の界面活性剤層28上に形成される。
【0036】
(5)次に、図8に示すように、第1の触媒層32上に第1の金属層36を析出させる。具体的には、基板10を無電解めっき液に浸漬させることによって、第1の触媒層32上に第1の金属層36を析出させることができる。第1の金属層36としてニッケル層を析出させる場合を説明すると、無電解めっき液としては、硫酸ニッケル6水和物が主体であり、次亜燐酸ナトリウムが還元剤として含まれたものを用いることができる。例えば、基板10をこのような無電解めっき液(温度70〜80℃)に1分〜10分程度浸漬することによって、0.1μm〜1.0μmの厚みを有するニッケル層を形成することができる。あるいは、無電解めっき液として、塩化ニッケル6水和物が主体であり、次亜燐酸ナトリウムが還元剤として含まれたものを用いることもできる。例えば、基板10をこのような無電解めっき液(温度60〜75℃)に0.5分〜10分程度浸漬することによって、0.1μm〜1.0μmの厚みを有するニッケル層を形成することができる。なお、第1の金属層36の材料は触媒によってめっき反応が起こる材料であれば特に限定されず、例えば白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などからも形成することができる。こうして、基板10上に第1の金属層36を形成することができる。このようにして、所望の厚みの30〜70%程度の第1の金属層36を形成することができる。第1の金属層36は、第1の触媒層32上に形成される。即ち、第1の金属層36は、第1の領域42にのみ形成されることができる。
【0037】
(6)次に、図9に示すように、触媒溶液31に基板10を浸漬する。触媒溶液31は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分を含む。触媒成分としては、たとえばパラジウムを用いることができる。
【0038】
たとえば、以下の手順により触媒溶液31を作製することができる。
(6a)純度99.99%のパラジウムペレットを塩酸と過酸化水素水と水との混合溶液に溶解させ、パラジウム濃度が0.1〜0.5g/lの塩化パラジウム溶液とする。
(6b)上述した塩化パラジウム溶液をさらに水と過酸化水素水で希釈することによりパラジウム濃度を0.01〜0.05g/lとする。
(6c)水酸化ナトリウム水溶液等を用いて、塩化パラジウム溶液のpHを4.5〜6.8に調整する。
【0039】
このように作製された触媒溶液31に基板10を浸漬すると、図10に示すように、第2の触媒層33が形成される。第2の触媒層33は、第2の領域40に形成される。また第2の触媒層33は、第1の領域42に形成されてもよい。
【0040】
触媒溶液31に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。水洗は、純水によって行われることができる。この水洗によって、触媒の残渣が後述する無電界めっき液に混入するのを防止することができる。
【0041】
第2の触媒層33が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、28が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0042】
まず、工程(4)で形成された第2の界面活性剤層34、35は、工程(5)、(6)において、界面活性剤の含まれていない溶液に基板10が浸漬されることによって、除去されることができる。これにより、第2の領域40における第1の界面活性剤層28が露出するため、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているパラジウムを引き寄せることができる。したがって、第2の触媒層33は、第2の領域40に形成される。
【0043】
(7)次に、図11に示すように、第1の領域42および第2の領域40に第2の金属層37を析出させる。具体的には、基板10を無電解めっき液に浸漬させることによって、第1の触媒層32および第2の触媒層33上に第2の金属層37を析出させることができる。第2の金属層37の析出方法、材質および無電解めっき液の成分としては、第1の金属層36と同様のものを用いることができる。
【0044】
第2の金属層37を析出させた後、超純水によるリンス洗浄を行い、自然乾燥および圧縮空気を吹きかけることによって水滴を除去してもよい。
【0045】
以上の工程により、配線基板100を形成することができる。本実施の形態にかかる配線基板100の形成方法によれば、第2の領域40に第2の金属層37を形成する前に、第1の領域42に第1の金属層36を予め形成しておくことができる。よって、線幅の大きい第2の領域40では、第1の領域42に比べて速く第2の金属層37を析出させることができることから、第1の金属層36および第2の金属層37の析出時間等を調節することにより、第1の領域42の配線(金属層)の厚さを、第2の領域40の配線とほぼ同じ厚さに形成することができる。これにより、配線パターンの線幅が小さいことによるめっきムラを防止し、配線基板の信頼性を向上させることができる。
【0046】
また、図11に示すように、第1の領域42の配線の厚さを、第2の領域40の配線より厚く形成することができる。これにより、第1の領域42の微細パターンにおける電気抵抗を低減することができ、簡単な製造プロセスで信頼性の高い配線基板を製造することができる。
【0047】
1.2.配線基板および電子デバイス
図12は、第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法によって製造される配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す。電子デバイス1000は、配線基板100と、集積回路チップ90と、他の基板92とを含む。
【0048】
配線基板100に形成された配線パターンは、電子部品同士を電気的に接続するためのものであってもよい。配線基板100は、上述した製造方法によって製造される。図9に示す例では、配線基板100には、集積回路チップ90が電気的に接続され、配線基板100の一方の端部は、他の基板92(例えば表示パネル)に電気的に接続されている。電子デバイス1000は、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、EL(Electro luminescence)ディスプレイ装置などの表示装置であってもよい。
【0049】
2.第2の実施の形態
次に第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法について説明する。第2の実施の形態にかかる配線基板200の製造方法は、金属層の析出工程が3段階で行われている点で、金属層の析出工程が2段階で行われている第1の実施の形態にかかる配線基板100の製造方法と異なる。
【0050】
図13〜図22は、第2の実施の形態にかかる配線基板200(図22参照)の製造方法を示す図である。以下、第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法と同様な点については説明を省略する。
【0051】
(1)まず、基板10を用意し、洗浄する。その後、基板10を界面活性剤溶液14に浸漬して、第1の界面活性剤層16を形成してパターニングすることにより、図13に示すように、第1の界面活性剤層26および第1の界面活性剤層56を形成する。
【0052】
第1の界面活性剤層56は、第1の領域54、第2の領域50、および第3の領域52に形成される。第3の領域52は、第1の領域54より大きく、第2の領域50は、第3の領域52より大きい。具体的には、第3の領域52の面積や線幅は、第1の領域54より大きく、第2の領域50の面積や線幅は、第3の領域52より大きい。言い換えれば、第1の領域54は、第3の領域52および第2の領域50より微細パターン形状を有し、第3の領域52は、第2の領域50より微細パターンを有する。
【0053】
(2)次に、図14に示すように、触媒溶液60に基板10を浸漬する。触媒溶液60は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含み、上述した触媒溶液30と同様のものを用いることができる。
【0054】
触媒溶液60に基板10を浸漬すると、図15に示すように、第2の界面活性剤層34、58および第1の触媒層62が形成される。第2の界面活性剤層58は、基板10上面の第2の領域50および第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。第2の界面活性剤層34は、基板10の裏面および側面に形成される。触媒溶液60に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0055】
第2の界面活性剤層34、58および第1の触媒層62が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、56が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含み、第2の界面活性剤層34、58が第2の界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0056】
まず、第2の界面活性剤層34は、図15に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層56の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0057】
次に、第2の界面活性剤層58は、図15に示すように、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第2の領域50の面積、線幅は、第1の領域54および第3の領域52の面積、線幅より大きいため、第1の領域54および第3の領域52に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54および第3の領域52に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0058】
次に、第2の界面活性剤層58は、図15に示すように、第3の領域52における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第3の領域52の面積、線幅は、第1の領域54の面積、線幅より大きいため、第1の領域54に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第3の領域52における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54に比べて引き寄せやすい。よって、第3の領域52における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0059】
このように、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度を適度に調整することにより、第1の領域54に第2の界面活性剤層58を形成することなく、第2の領域50および第3の領域52のみに第2の界面活性剤層58を形成することができる。
【0060】
第1の触媒層62は、図15に示すように、第1の領域54における第1の界面活性剤層56上に形成される。即ち、第1の触媒層62は、第1の界面活性剤層56が形成され、かつ、第2の界面活性剤層58が形成されていない領域に形成される。
【0061】
基板10における第2の界面活性剤層34、58が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、56が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、58が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液60に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層56に引き寄せられやすいため、第1の触媒層62は、第1の領域54における第1の界面活性剤層56上に形成される。
【0062】
(3)次に、図16に示すように、第1の触媒層62上に第1の金属層64を析出させる。即ち第1の金属層64は、第1の領域54にのみ形成されることができる。
【0063】
(4)次に、図17に示すように、触媒溶液61に基板10を浸漬する。触媒溶液61は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含み、上述した触媒溶液60と同様の成分を含むことができる。触媒溶液61に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度と異なる。たとえば触媒溶液61に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低くすることができる。
【0064】
触媒溶液60に基板10を浸漬すると、図18に示すように、第2の界面活性剤層34、58および第3の触媒層66が形成される。第2の界面活性剤層34および第2の界面活性剤層58は、上述しためっき工程(3)においていったん除去されることができるが、本工程において再度形成される。このとき第2の界面活性剤層58は、基板10上面の第2の領域50における第1の界面活性剤層56上に形成される。第2の界面活性剤層34は、基板10の裏面および側面に形成される。触媒溶液60に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0065】
第2の界面活性剤層34、58および第3の触媒層66が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。
【0066】
まず、第2の界面活性剤層34は、図18に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層56の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0067】
次に、第2の界面活性剤層58は、図18に示すように、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第2の領域50の面積、線幅は、第1の領域54および第3の領域52の面積、線幅より大きいため、第1の領域54および第3の領域52に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54および第3の領域52に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0068】
上述した工程(2)では、この後に第3の領域52に第2の界面活性剤層58が形成されているが、本工程では、触媒溶液61の界面活性剤の濃度を適切に調節することによって、第3の領域52に第2の界面活性剤層58を形成しないことができる。
【0069】
第3の触媒層66は、図18に示すように、第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。即ち、第3の触媒層66は、第1の界面活性剤層56が形成され、かつ、第2の界面活性剤層58が形成されていない領域に形成される。
【0070】
基板10における第2の界面活性剤層34、58が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、56が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、58が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液61に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層56に引き寄せられやすいため、第3の触媒層66は、第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。
【0071】
なお、第3の触媒層66は、第1の領域54における第1の金属層64上に形成されていてもよい。
【0072】
(5)次に、図19に示すように、第3の触媒層66上に第3の金属層68を析出させる。これにより、第3の金属層68は、第3の領域52および第1の領域54に形成される。
【0073】
(6)次に、図20に示すように、触媒溶液70に基板10を浸漬する。触媒溶液70は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分を含む。触媒溶液70に含まれる触媒成分としては、上述した触媒溶液31と同様のものを用いることができる。
【0074】
触媒溶液70に基板10を浸漬すると、図21に示すように、第2の触媒層67が形成される。第2の触媒層67は、第2の領域50に形成される。また第2の触媒層67は、第3の領域52および第1の領域54に形成されてもよい。
【0075】
第2の実施の形態において、触媒溶液70は、界面活性剤が含まれていないが、これにかえて、触媒溶液70は、たとえば触媒溶液61に含まれている第2の界面活性剤を含んでもよい。これにより、基板10の裏面および側面に第2の界面活性剤層34を形成することができ、基板10の裏面および側面に触媒層が形成されるのを防ぐことができる。なお、触媒溶液70に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0076】
第2の触媒層67が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。まず、工程(4)で形成された第2の界面活性剤層34、58は、工程(5)、(6)において、界面活性剤の含まれていない溶液に基板10が浸漬されることによって、除去されることができる。これにより、第2の領域50における第1の界面活性剤層56が露出するため、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているパラジウムを引き寄せることができる。したがって、第2の触媒層67は、第2の領域50に形成される。
【0077】
(7)次に、図22に示すように、第1の領域54、第3の領域52、および第2の領域50に第2の金属層69を析出させる。
【0078】
第2の金属層69を析出させた後、超純水によるリンス洗浄を行い、自然乾燥および圧縮空気を吹きかけることによって水滴を除去してもよい。
【0079】
以上の工程により、配線基板200を形成することができる。本実施の形態にかかる配線基板200の製造方法によれば、上述した第1の実施の形態にかかる配線基板100の製造方法に比べて、より精度よく金属層の厚さを制御することができる。
【0080】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図2】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図3】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図4】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図5】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図6】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図7】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図8】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図9】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図10】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図11】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図12】第1の実施の形態にかかる配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す図。
【図13】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図14】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図15】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図16】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図17】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図18】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図19】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図20】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図21】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図22】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【符号の説明】
【0082】
10 基板、12 オゾン水、14 界面活性剤溶液、16、26、28、56 第1の界面活性剤層、18 光源、20 光、22 マスク、24 遮光部、30、31、60、61、70 触媒溶液、32、62 第1の触媒層、33、67、第2の触媒層、66 第3の触媒層、34、58 第2の界面活性剤層、36、64 第1の金属層、37、69 第2の金属層、68 第3の金属層、40、50 第2の領域、42 54 第1の領域、 52 第3の領域、90 集積回路チップ、92 他の基板、100、200 配線基板、1000 電子デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル基板に配線を形成する方法として、サブトラクティブ法やアディティブ法が知られている。サブトラクティブ法では、フレキシブル基板の全面に金属層を形成し、金属層上にフォトレジストをパターニングして形成し、フォトレジストをバリヤとして金属層をエッチングする。アディティブ法では、フレキシブル基板上にフォトレジストをパターニングして形成し、フォトレジストからの開口部にめっき処理によって金属層を析出させる。
【0003】
これらの方法によれば、フォトレジストを最終的に除去する点、さらにサブトラクティブ法では金属層の一部を除去する点において、資源及び材料の消費が課題となっていた。また、フォトレジストの形成及び除去工程が必要となるので、製造工程数が多いことが課題となっていた。さらに、配線の寸法精度がフォトレジストの解像度に依存するため、より高精度の配線を形成するには限界があった。
【特許文献1】特開平10−65315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な製造プロセスで配線を形成し、信頼性の高い配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる配線基板の製造方法は、
(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層を基板に設ける工程と、
(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層を設ける工程と、
(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層を設ける工程と、
(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層を設ける工程と、
(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層を設ける工程と、
を含む。
【0006】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第2の領域に設けることができる。
【0007】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設けることができる。
【0008】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(c)と(d)との間に、
(f)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第3の触媒層を設ける工程と、
(g)前記第3の触媒層上に金属を析出させることによって第3の金属層を設ける工程と、
をさらに含み、
前記工程(f)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、前記工程(b)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低いことができる。
【0009】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第3の領域と、前記第3の領域より大きい第2の領域に設けることができる。
【0010】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(f)では、
前記第1の領域および前記第3の領域に前記第3の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域、前記第3の領域、および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設けることができる。
【0011】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の界面活性剤のイオン価の符号は、前記第2の界面活性剤のイオン価の符号と異なることができる。
【0012】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記工程(a)は、
前記界面活性剤層を基板全面に設ける工程と、
前記界面活性剤層の所定の領域に真空紫外放射を照射することによって、前記界面活性剤層を分解する工程と、
を含むことができる。
【0013】
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の界面活性剤は、カチオン系界面活性剤であり、
前記第2の界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であり、
前記触媒は、パラジウムを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
1.第1の実施の形態
1.1.配線基板の製造方法
図1〜図11は、第1の実施の形態にかかる配線基板100(図11参照)の製造方法を示す図である。本実施の形態では、無電解めっきを適用して配線基板を製造する。
【0016】
(1)まず、基板10を用意する。基板10は、図1に示すように絶縁基板であってもよい。基板10は、有機系基板(例えばプラスチック材、樹脂基板)であってもよいし、無機系基板(例えば石英ガラス、シリコンウエハ、酸化物層)であってもよい。プラスチック材としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。あるいは、基板10は、光透過性基板(例えば透明基板)であってもよい。基板10は、単層のみならず、ベース基板上に少なくとも1層の絶縁層が形成されている多層のものも含む。本実施の形態では、基板10上に金属層を形成する。
【0017】
次に、基板10を洗浄する。基板10の洗浄は、ドライ洗浄でもよいし、図1に示すようにウエット洗浄でもよい。ウエット洗浄は、例えば、基板10をオゾン水12(オゾン濃度10ppm〜20ppm)に室温状態で5分〜30分程度浸漬することで行うことができる。またドライ洗浄は、真空紫外線ランプ(波長172nm、出力10mW、試料間距離1mm)を用いて、窒素雰囲気下において、30秒〜900秒間、真空紫外線を照射して行うことができる。基板10を洗浄することによって、基板10の表面に付着している油脂などの汚れを除去することができる。また、基板10の表面を撥水性から親水性に変化させることができる。また、基板10の液中表面電位が負電位であれば、基板10の洗浄により均一な負電位面を形成することができる。
【0018】
(2)次に、図2に示すように、基板10を界面活性剤溶液14に浸漬する。界面活性剤溶液14は、第1の界面活性剤を含む。第1の界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含む。基板10の表面の液中表面電位が負電位の場合には、第1の界面活性剤として、カチオン系界面活性剤を適用することが好ましい。カチオン系界面活性剤は、他の界面活性剤に比べて基板10に吸着しやすいからである。一方、基板10の表面の液中表面電位が正電位の場合には、界面活性剤溶液14に含まれる界面活性剤として、アニオン系界面活性剤を適用することが好ましい。
【0019】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミノシラン系成分を含む水溶性界面活性剤(テクニックジャパン(株)製FPDコンディショナー)や、アルキルアンモニウム系の界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルアンモニウムブロマイド等)などを用いることができる。アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(ソディウムドデシルサルフェート、リチウムドデシルサルフェート、N−ラウロイルサルコシン)などを用いることができる。浸漬時間は、例えば、1分〜10分程度とすることができる。
【0020】
次に、界面活性剤溶液から基板10を取り出し、超純水で洗浄する。その後、基板10を、例えば、室温下で自然乾燥、または、圧縮空気を吹き付けて水滴を除去した後、90℃〜120℃のオーブン内に10分〜1時間程度放置して乾燥させる。以上の工程により、図3に示すように、第1の界面活性剤層16を基板10に設けることができる。このとき、第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を適用した場合には、基板10の液中表面電位は吸着前よりも正電位側にシフトしている。
【0021】
(3)次に、第1の界面活性剤層16をパターニングすることにより、所定の領域の第1の界面活性剤層16を除去する。本実施の形態では、図4に示すように、所定の領域の第1の界面活性剤層16を光分解することにより、パターニングする。ここで所定の領域とは、基板10上において後述する第1の領域42および第2の領域40以外の領域をいう(図5参照)。
【0022】
所定の領域に照射する光20としては、例えば真空紫外線(VUV;vacuum ultraviolet)を用いることができる。光20の波長を、例えば170nm〜260nmとすることにより、原子間結合(例えば、C−C、C=C、C−H、C−F、C−Cl、C−O、C−N、C=O、O=O、O−H、H−F、H−Cl、N−Hなど)を切断することができる。これにより、第1の界面活性剤層16を光分解させることができる。また、この波長帯域の光20を用いることにより、イエロールームなどの設備が不要となり、例えば白色灯下で本実施形態に係る一連の工程を行うことができる。
【0023】
光20の照射は、具体的には、例えば、光源18として真空紫外線ランプ(波長172nm、出力10mW、試料間距離1mm)を用いて、窒素雰囲気下において、5分〜30分間行うことができる。光源18は、例えばXeガスが封入されたエキシマランプであってもよい。なお、光20の波長は、第1の界面活性剤層16を光分解することができるものであれば、特に限定されない。
【0024】
光20は、マスク22(例えばフォトマスク)を介して基板10に照射される。詳しくは、光源18と基板10の間にマスク22を配置し、光20をマスク22の遮光部24(例えばクロムなどの金属パターン部)以外の領域に透過させる。本実施の形態において遮光部は、上述した所定の領域以外の領域、即ち第1の領域42および第2の領域40に形成される。言い換えれば、遮光部は、金属層のパターン形状と反転形状をなしている。マスク22は、基板10に接して配置されていてもよい。また、窒素雰囲気中で光照射処理を行えば、光20が減衰しにくいので好ましい。こうして、図5に示すように、第1の領域42および第2の領域40に所定のパターン形状を有する第1の界面活性剤層28を形成することができる。第1の領域42および第2の領域40は、配線が形成される領域であり、第2の領域40は、第1の領域42より大きい。具体的には、第2の領域40の面積や線幅は、第1の領域42より大きい。言い換えれば、第1の領域42は、第2の領域40より微細パターン形状を有する。
【0025】
なお、基板10の側面および裏面は、上述した光20が照射されず、パターニングされない。よって、図5に示すように、基板10の側面および裏面には、第1の界面活性剤層26が形成されている。
【0026】
(4)次に、図6に示すように、触媒溶液30に基板10を浸漬する。触媒溶液30は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含む。触媒成分としては、たとえばパラジウムを用いることができる。第2の界面活性剤としては、そのイオン価が、上述した第1の界面活性剤のイオン価と異なる符号を有することが好ましい。具体的には、第1の界面活性剤層16に含まれる第1の界面活性剤がカチオン系界面活性剤である場合には、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤はアニオン系界面活性剤であることが好ましい。一方、第1の界面活性剤層16に含まれる第1の界面活性剤がアニオン系界面活性剤である場合には、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤はカチオン系界面活性剤であることが好ましい。アニオン系界面活性剤としては、たとえばドデシル硫酸ナトリウム等のアルキルサルフェート系界面活性剤を用いることができる。
【0027】
たとえば、以下の手順により触媒溶液30を作製することができる。
(4a)純度99.99%のパラジウムペレットを塩酸と過酸化水素水と水との混合溶液に溶解させ、パラジウム濃度が0.1〜0.5g/lの塩化パラジウム溶液とする。
(4b)上述した塩化パラジウム溶液をさらに水と過酸化水素水で希釈することによりパラジウム濃度を0.01〜0.05g/lとする。
(4c)水酸化ナトリウム水溶液等を用いて、塩化パラジウム溶液のpHを4.5〜6.8に調整する。
(4d)ドデシル硫酸ナトリウムを塩化パラジウム溶液に添加し、ドデシル硫酸ナトリウムの濃度を0.1〜2.5g/lとする。
【0028】
このように作製された触媒溶液30に基板10を浸漬すると、図7に示すように、第2の界面活性剤層34、35および第1の触媒層32が形成される。第2の界面活性剤層35は、基板10上面の第2の領域40における第1の界面活性剤層28上に形成される。第1の触媒層32は、基板10の裏面および側面に形成される。
【0029】
触媒溶液30に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。水洗は、純水によって行われることができる。この水洗によって、触媒の残渣が後述する無電解めっき液に混入するのを防止することができる。
【0030】
第2の界面活性剤層34、35および第1の触媒層32が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、28が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含み、第2の界面活性剤層34、35が第2の界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0031】
まず、第2の界面活性剤層34は、図7に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層28の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0032】
次に、第2の界面活性剤層35は、図7に示すように、第2の領域40における第1の界面活性剤層28の上面に形成される。第2の領域40の面積は、第1の領域42の面積より大きいため、第1の領域42に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域40における第1の界面活性剤層28は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域42に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域40における第1の界面活性剤層28の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層35が形成される。
【0033】
このように、触媒溶液30に含まれる第2の界面活性剤の濃度を適度に調整することにより、第1の領域42に第2の界面活性剤層35を形成することなく、第2の領域40のみに第2の界面活性剤層35を形成することができる。
【0034】
第1の触媒層32は、図7に示すように、第1の領域42における第1の界面活性剤層28上に形成される。即ち、第1の触媒層32は、第1の界面活性剤層28が形成され、かつ、第2の界面活性剤層35が形成されていない領域に形成される。
【0035】
基板10における第2の界面活性剤層34、35が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、28が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、35が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液30に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層28に引き寄せられやすいため、第1の触媒層32は、第1の領域42における第1の界面活性剤層28上に形成される。
【0036】
(5)次に、図8に示すように、第1の触媒層32上に第1の金属層36を析出させる。具体的には、基板10を無電解めっき液に浸漬させることによって、第1の触媒層32上に第1の金属層36を析出させることができる。第1の金属層36としてニッケル層を析出させる場合を説明すると、無電解めっき液としては、硫酸ニッケル6水和物が主体であり、次亜燐酸ナトリウムが還元剤として含まれたものを用いることができる。例えば、基板10をこのような無電解めっき液(温度70〜80℃)に1分〜10分程度浸漬することによって、0.1μm〜1.0μmの厚みを有するニッケル層を形成することができる。あるいは、無電解めっき液として、塩化ニッケル6水和物が主体であり、次亜燐酸ナトリウムが還元剤として含まれたものを用いることもできる。例えば、基板10をこのような無電解めっき液(温度60〜75℃)に0.5分〜10分程度浸漬することによって、0.1μm〜1.0μmの厚みを有するニッケル層を形成することができる。なお、第1の金属層36の材料は触媒によってめっき反応が起こる材料であれば特に限定されず、例えば白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などからも形成することができる。こうして、基板10上に第1の金属層36を形成することができる。このようにして、所望の厚みの30〜70%程度の第1の金属層36を形成することができる。第1の金属層36は、第1の触媒層32上に形成される。即ち、第1の金属層36は、第1の領域42にのみ形成されることができる。
【0037】
(6)次に、図9に示すように、触媒溶液31に基板10を浸漬する。触媒溶液31は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分を含む。触媒成分としては、たとえばパラジウムを用いることができる。
【0038】
たとえば、以下の手順により触媒溶液31を作製することができる。
(6a)純度99.99%のパラジウムペレットを塩酸と過酸化水素水と水との混合溶液に溶解させ、パラジウム濃度が0.1〜0.5g/lの塩化パラジウム溶液とする。
(6b)上述した塩化パラジウム溶液をさらに水と過酸化水素水で希釈することによりパラジウム濃度を0.01〜0.05g/lとする。
(6c)水酸化ナトリウム水溶液等を用いて、塩化パラジウム溶液のpHを4.5〜6.8に調整する。
【0039】
このように作製された触媒溶液31に基板10を浸漬すると、図10に示すように、第2の触媒層33が形成される。第2の触媒層33は、第2の領域40に形成される。また第2の触媒層33は、第1の領域42に形成されてもよい。
【0040】
触媒溶液31に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。水洗は、純水によって行われることができる。この水洗によって、触媒の残渣が後述する無電界めっき液に混入するのを防止することができる。
【0041】
第2の触媒層33が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、28が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0042】
まず、工程(4)で形成された第2の界面活性剤層34、35は、工程(5)、(6)において、界面活性剤の含まれていない溶液に基板10が浸漬されることによって、除去されることができる。これにより、第2の領域40における第1の界面活性剤層28が露出するため、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているパラジウムを引き寄せることができる。したがって、第2の触媒層33は、第2の領域40に形成される。
【0043】
(7)次に、図11に示すように、第1の領域42および第2の領域40に第2の金属層37を析出させる。具体的には、基板10を無電解めっき液に浸漬させることによって、第1の触媒層32および第2の触媒層33上に第2の金属層37を析出させることができる。第2の金属層37の析出方法、材質および無電解めっき液の成分としては、第1の金属層36と同様のものを用いることができる。
【0044】
第2の金属層37を析出させた後、超純水によるリンス洗浄を行い、自然乾燥および圧縮空気を吹きかけることによって水滴を除去してもよい。
【0045】
以上の工程により、配線基板100を形成することができる。本実施の形態にかかる配線基板100の形成方法によれば、第2の領域40に第2の金属層37を形成する前に、第1の領域42に第1の金属層36を予め形成しておくことができる。よって、線幅の大きい第2の領域40では、第1の領域42に比べて速く第2の金属層37を析出させることができることから、第1の金属層36および第2の金属層37の析出時間等を調節することにより、第1の領域42の配線(金属層)の厚さを、第2の領域40の配線とほぼ同じ厚さに形成することができる。これにより、配線パターンの線幅が小さいことによるめっきムラを防止し、配線基板の信頼性を向上させることができる。
【0046】
また、図11に示すように、第1の領域42の配線の厚さを、第2の領域40の配線より厚く形成することができる。これにより、第1の領域42の微細パターンにおける電気抵抗を低減することができ、簡単な製造プロセスで信頼性の高い配線基板を製造することができる。
【0047】
1.2.配線基板および電子デバイス
図12は、第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法によって製造される配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す。電子デバイス1000は、配線基板100と、集積回路チップ90と、他の基板92とを含む。
【0048】
配線基板100に形成された配線パターンは、電子部品同士を電気的に接続するためのものであってもよい。配線基板100は、上述した製造方法によって製造される。図9に示す例では、配線基板100には、集積回路チップ90が電気的に接続され、配線基板100の一方の端部は、他の基板92(例えば表示パネル)に電気的に接続されている。電子デバイス1000は、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、EL(Electro luminescence)ディスプレイ装置などの表示装置であってもよい。
【0049】
2.第2の実施の形態
次に第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法について説明する。第2の実施の形態にかかる配線基板200の製造方法は、金属層の析出工程が3段階で行われている点で、金属層の析出工程が2段階で行われている第1の実施の形態にかかる配線基板100の製造方法と異なる。
【0050】
図13〜図22は、第2の実施の形態にかかる配線基板200(図22参照)の製造方法を示す図である。以下、第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法と同様な点については説明を省略する。
【0051】
(1)まず、基板10を用意し、洗浄する。その後、基板10を界面活性剤溶液14に浸漬して、第1の界面活性剤層16を形成してパターニングすることにより、図13に示すように、第1の界面活性剤層26および第1の界面活性剤層56を形成する。
【0052】
第1の界面活性剤層56は、第1の領域54、第2の領域50、および第3の領域52に形成される。第3の領域52は、第1の領域54より大きく、第2の領域50は、第3の領域52より大きい。具体的には、第3の領域52の面積や線幅は、第1の領域54より大きく、第2の領域50の面積や線幅は、第3の領域52より大きい。言い換えれば、第1の領域54は、第3の領域52および第2の領域50より微細パターン形状を有し、第3の領域52は、第2の領域50より微細パターンを有する。
【0053】
(2)次に、図14に示すように、触媒溶液60に基板10を浸漬する。触媒溶液60は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含み、上述した触媒溶液30と同様のものを用いることができる。
【0054】
触媒溶液60に基板10を浸漬すると、図15に示すように、第2の界面活性剤層34、58および第1の触媒層62が形成される。第2の界面活性剤層58は、基板10上面の第2の領域50および第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。第2の界面活性剤層34は、基板10の裏面および側面に形成される。触媒溶液60に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0055】
第2の界面活性剤層34、58および第1の触媒層62が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。ここでは、第1の界面活性剤層26、56が第1の界面活性剤としてカチオン系界面活性剤を含み、第2の界面活性剤層34、58が第2の界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を含む場合について説明する。
【0056】
まず、第2の界面活性剤層34は、図15に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層56の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0057】
次に、第2の界面活性剤層58は、図15に示すように、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第2の領域50の面積、線幅は、第1の領域54および第3の領域52の面積、線幅より大きいため、第1の領域54および第3の領域52に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54および第3の領域52に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0058】
次に、第2の界面活性剤層58は、図15に示すように、第3の領域52における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第3の領域52の面積、線幅は、第1の領域54の面積、線幅より大きいため、第1の領域54に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第3の領域52における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54に比べて引き寄せやすい。よって、第3の領域52における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0059】
このように、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度を適度に調整することにより、第1の領域54に第2の界面活性剤層58を形成することなく、第2の領域50および第3の領域52のみに第2の界面活性剤層58を形成することができる。
【0060】
第1の触媒層62は、図15に示すように、第1の領域54における第1の界面活性剤層56上に形成される。即ち、第1の触媒層62は、第1の界面活性剤層56が形成され、かつ、第2の界面活性剤層58が形成されていない領域に形成される。
【0061】
基板10における第2の界面活性剤層34、58が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、56が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、58が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液60に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層56に引き寄せられやすいため、第1の触媒層62は、第1の領域54における第1の界面活性剤層56上に形成される。
【0062】
(3)次に、図16に示すように、第1の触媒層62上に第1の金属層64を析出させる。即ち第1の金属層64は、第1の領域54にのみ形成されることができる。
【0063】
(4)次に、図17に示すように、触媒溶液61に基板10を浸漬する。触媒溶液61は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分および第2の界面活性剤を含み、上述した触媒溶液60と同様の成分を含むことができる。触媒溶液61に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度と異なる。たとえば触媒溶液61に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、触媒溶液60に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低くすることができる。
【0064】
触媒溶液60に基板10を浸漬すると、図18に示すように、第2の界面活性剤層34、58および第3の触媒層66が形成される。第2の界面活性剤層34および第2の界面活性剤層58は、上述しためっき工程(3)においていったん除去されることができるが、本工程において再度形成される。このとき第2の界面活性剤層58は、基板10上面の第2の領域50における第1の界面活性剤層56上に形成される。第2の界面活性剤層34は、基板10の裏面および側面に形成される。触媒溶液60に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0065】
第2の界面活性剤層34、58および第3の触媒層66が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。
【0066】
まず、第2の界面活性剤層34は、図18に示すように、基板10の側面および裏面の第1の界面活性剤層26上に優先的に形成される。第1の界面活性剤層26の面積は、パターニングによって形成された第1の界面活性剤層56の面積より大きいため、より広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第1の界面活性剤層26は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液30に含まれているアニオン系界面活性剤を引き寄せやすい。よって、第1の界面活性剤層26の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層34が形成される。
【0067】
次に、第2の界面活性剤層58は、図18に示すように、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上面に形成される。第2の領域50の面積、線幅は、第1の領域54および第3の領域52の面積、線幅より大きいため、第1の領域54および第3の領域52に比べてより広い領域にわたって正電位を保持している。したがって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56は、イオン価の符号が異なる界面活性剤、即ち触媒溶液60に含まれているアニオン系界面活性剤を、第1の領域54および第3の領域52に比べて引き寄せやすい。よって、第2の領域50における第1の界面活性剤層56の上に優先的にアニオン系界面活性剤が吸着し、第2の界面活性剤層58が形成される。
【0068】
上述した工程(2)では、この後に第3の領域52に第2の界面活性剤層58が形成されているが、本工程では、触媒溶液61の界面活性剤の濃度を適切に調節することによって、第3の領域52に第2の界面活性剤層58を形成しないことができる。
【0069】
第3の触媒層66は、図18に示すように、第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。即ち、第3の触媒層66は、第1の界面活性剤層56が形成され、かつ、第2の界面活性剤層58が形成されていない領域に形成される。
【0070】
基板10における第2の界面活性剤層34、58が形成されている領域は、第1の界面活性剤層26、56が形成され、かつ第2の界面活性剤層34、58が形成されていない領域に比べて、より多くの負電荷を有する。一方、触媒溶液61に含まれる触媒のパラジウムは、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているため、負に帯電している。したがって、パラジウムは、液中表面電位が正電位の第1の界面活性剤層56に引き寄せられやすいため、第3の触媒層66は、第3の領域52における第1の界面活性剤層56上に形成される。
【0071】
なお、第3の触媒層66は、第1の領域54における第1の金属層64上に形成されていてもよい。
【0072】
(5)次に、図19に示すように、第3の触媒層66上に第3の金属層68を析出させる。これにより、第3の金属層68は、第3の領域52および第1の領域54に形成される。
【0073】
(6)次に、図20に示すように、触媒溶液70に基板10を浸漬する。触媒溶液70は、無電解めっきの触媒として機能する触媒成分を含む。触媒溶液70に含まれる触媒成分としては、上述した触媒溶液31と同様のものを用いることができる。
【0074】
触媒溶液70に基板10を浸漬すると、図21に示すように、第2の触媒層67が形成される。第2の触媒層67は、第2の領域50に形成される。また第2の触媒層67は、第3の領域52および第1の領域54に形成されてもよい。
【0075】
第2の実施の形態において、触媒溶液70は、界面活性剤が含まれていないが、これにかえて、触媒溶液70は、たとえば触媒溶液61に含まれている第2の界面活性剤を含んでもよい。これにより、基板10の裏面および側面に第2の界面活性剤層34を形成することができ、基板10の裏面および側面に触媒層が形成されるのを防ぐことができる。なお、触媒溶液70に浸漬した後、基板10を水洗してもよい。
【0076】
第2の触媒層67が形成されるメカニズムについて、以下のように想定することができる。まず、工程(4)で形成された第2の界面活性剤層34、58は、工程(5)、(6)において、界面活性剤の含まれていない溶液に基板10が浸漬されることによって、除去されることができる。これにより、第2の領域50における第1の界面活性剤層56が露出するため、液中において負の電荷をもつイオンに取り囲まれているパラジウムを引き寄せることができる。したがって、第2の触媒層67は、第2の領域50に形成される。
【0077】
(7)次に、図22に示すように、第1の領域54、第3の領域52、および第2の領域50に第2の金属層69を析出させる。
【0078】
第2の金属層69を析出させた後、超純水によるリンス洗浄を行い、自然乾燥および圧縮空気を吹きかけることによって水滴を除去してもよい。
【0079】
以上の工程により、配線基板200を形成することができる。本実施の形態にかかる配線基板200の製造方法によれば、上述した第1の実施の形態にかかる配線基板100の製造方法に比べて、より精度よく金属層の厚さを制御することができる。
【0080】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図2】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図3】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図4】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図5】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図6】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図7】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図8】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図9】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図10】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図11】第1の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図12】第1の実施の形態にかかる配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す図。
【図13】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図14】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図15】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図16】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図17】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図18】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図19】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図20】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図21】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【図22】第2の実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。
【符号の説明】
【0082】
10 基板、12 オゾン水、14 界面活性剤溶液、16、26、28、56 第1の界面活性剤層、18 光源、20 光、22 マスク、24 遮光部、30、31、60、61、70 触媒溶液、32、62 第1の触媒層、33、67、第2の触媒層、66 第3の触媒層、34、58 第2の界面活性剤層、36、64 第1の金属層、37、69 第2の金属層、68 第3の金属層、40、50 第2の領域、42 54 第1の領域、 52 第3の領域、90 集積回路チップ、92 他の基板、100、200 配線基板、1000 電子デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層を基板に設ける工程と、
(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層を設ける工程と、
(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層を設ける工程と、
(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層を設ける工程と、
(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層を設ける工程と、
を含む、配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第2の領域に設け、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設ける、配線基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記工程(c)と(d)との間に、
(f)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第3の触媒層を設ける工程と、
(g)前記第3の触媒層上に金属を析出させることによって第3の金属層を設ける工程と、
をさらに含む、配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記工程(f)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、前記工程(b)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低い、配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第3の領域と、前記第3の領域より大きい第2の領域に設ける、配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(f)では、
前記第1の領域および前記第3の領域に前記第3の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域、前記第3の領域、および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設ける、配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、
前記第1の界面活性剤のイオン価の符号は、前記第2の界面活性剤のイオン価の符号と異なる、配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、
前記工程(a)は、
前記界面活性剤層を基板全面に設ける工程と、
前記界面活性剤層の所定の領域に真空紫外放射を照射することによって、前記界面活性剤層を分解する工程と、
を含む、配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかにおいて、
前記第1の界面活性剤は、カチオン系界面活性剤であり、
前記第2の界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であり、
前記触媒は、パラジウムを含む、配線基板の製造方法。
【請求項1】
(a)第1の界面活性剤を含む界面活性剤層を基板に設ける工程と、
(b)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第1の触媒層を設ける工程と、
(c)前記第1の触媒層上に金属を析出させることによって第1の金属層を設ける工程と、
(d)触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第2の触媒層を設ける工程と、
(e)前記第2の触媒層上に金属を析出させることによって第2の金属層を設ける工程と、
を含む、配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第2の領域に設け、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設ける、配線基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記工程(c)と(d)との間に、
(f)第2の界面活性剤および触媒を含む溶液に前記基板を浸漬することによって第3の触媒層を設ける工程と、
(g)前記第3の触媒層上に金属を析出させることによって第3の金属層を設ける工程と、
をさらに含む、配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記工程(f)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度は、前記工程(b)において前記溶液に含まれる第2の界面活性剤の濃度より低い、配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項3において、
前記工程(a)では、
前記界面活性剤層を基板上の第1の領域と、当該第1の領域より大きい第3の領域と、前記第3の領域より大きい第2の領域に設ける、配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記工程(b)では、
前記第1の領域に前記第1の触媒層を設け、
前記工程(f)では、
前記第1の領域および前記第3の領域に前記第3の触媒層を設け、
前記工程(d)では、
前記第1の領域、前記第3の領域、および前記第2の領域に前記第2の触媒層を設ける、配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、
前記第1の界面活性剤のイオン価の符号は、前記第2の界面活性剤のイオン価の符号と異なる、配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、
前記工程(a)は、
前記界面活性剤層を基板全面に設ける工程と、
前記界面活性剤層の所定の領域に真空紫外放射を照射することによって、前記界面活性剤層を分解する工程と、
を含む、配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかにおいて、
前記第1の界面活性剤は、カチオン系界面活性剤であり、
前記第2の界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であり、
前記触媒は、パラジウムを含む、配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−103393(P2007−103393A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287184(P2005−287184)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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