説明

配送用容器の横長封印シール、封印方法、及び該横長封印シールを使用する認証システム

【課題】配送用容器の発送者や内容物を識別することが可能で、しかも、配送用容器に貼り付けることで、配送用容器の配送時における状態異常を監視し、配送用容器の健全かつ安全な引き渡しを確認することのできる封印シール、封印方法、及び該封印シールを使用する認証システムを提供する。
【解決手段】配送用容器の開封部に貼付される横長封印シールであって、当該封印シール1の基材表面には、複数個の2次元バーコード3が印刷されており、その印刷された2次元バーコード3には、配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報4と、当該封印シールに印刷されている2次元バーコードの印刷個数、当該配送用容器に貼付される封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報と、複数個の2次元バーコードをそれぞれ区別するための個別情報5とが含まれていることを特徴とする封印シール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用、宅配用、廃棄物処理用の容器など、あらゆる配送用容器に貼り付けられる封印シール、封印方法、及び該封印シールを使用する認証システムに関する。より詳細には、配送用容器に貼り付けることで、配送用容器の配送時における状態異常を監視し、配送用容器の健全かつ安全な引き渡しを確認するための封印シール、封印方法、及び該封印シールを使用する認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配送物を配送業者に依頼する場合、配送物が未開梱のまま受領者に配送されることが求められている。しかし、時には包装容器が破られ開封されるような不測の事態が発生することも起こり得る。特に、食品、医薬品等の直接人体に影響を与える商品の包装容器は、安全・衛生の見地から流通過程において、故意に開封され内容物に改変が加えられることを絶対的に防止することが必要である。また、産業廃棄物等を収納したコンテナ容器は、輸送途中で開封されることなく、最終処分地まで確実に輸送され、処分されることが必要である。また、重要書類等を収納した容器は、輸送途中で絶対に開封されてはならぬものである。
【0003】
梱包状態にある物品が運送の途中で不正に開封された場合でも、到着後に開封されたことを確認できるように、ICタグラベルを梱包体の開封部に貼り付けることも考えられているが、ICタグラベルを剥がす時点でICタグが破壊されてしまうため、開封されなかったことの認証には使用できない。
【0004】
また、開封されたことを非接触ICタグからの通信状態により判断することができる非接触ICタグラベルも提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ICタグを包装容器の開封部に貼付した場合でも、他のラベルへの貼り替えが行われた場合や、一旦全体を剥離させてから再度貼り直しされた場合は、不正行為が行われたことがわからないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−362613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、配送用容器の発送者や内容物を識別することが可能で、しかも、配送用容器に貼り付けることで、配送用容器の配送時における状態異常を監視し、配送用容器の健全かつ安全な引き渡しを確認することのできる封印シール、封印方法、及び該封印シールを使用する認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討した結果、封印シールの所定の位置に複数個の2次元バーコードを付すと共に、各2次元バーコードを配送物それぞれに固有のものとすることにより、封印シールが剥がされた場合でも、残っている2次元バーコードを読み取ることで受領者が配送物を確認することができ、しかも、封印シールの剥がしの有無を目視等で確認することにより、認証可能となることに着目した。
そこで、発送者や内容物などの識別情報に加え、封印シールに印刷された2次元バーコードに数や配送用容器に貼付された封印シールの枚数の数量情報、ならびに個々の2次元バーコードを区別するための個別情報を含む2次元バーコードを印刷して封印シールを構成することにより、前記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)配送用容器の開封部に貼付される横長封印シールであって、当該封印シールの基材表面には、複数個の2次元バーコードが印刷されており、その印刷された2次元バーコードには、配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報と、当該封印シールに印刷されている2次元バーコードの印刷個数、当該配送用容器に貼付される封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報と、複数個の2次元バーコードをそれぞれ区別するための個別情報とが含まれていることを特徴とする横長封印シール。
(2)前記封印シールの基材表面に、前記個別情報が2次元バーコードとは別に表示されている前記(1)に記載の横長封印シール。
(3)前記個別情報が、アルファベットと数字の組合せにより、複数個の2次元バーコードのそれぞれを区別するものである前記(1)又は(2)に記載の横長封印シール。
(4)前記横長封印シールの基材が、紙、合成紙、フィルムのいずれかである前記(1)〜(3)いずれかに記載の横長封印シール。
(5)前記(1)〜(4)いずれかに記載の横長封印シールを、接着剤を用いて、内容物の入った配送用容器の開封部を跨ぐようにして、かつ、横長封印シールに印刷された複数個の2次元バーコードが、開封部を跨いで配送用容器の異なるそれぞれの面に少なくとも1個配置されるように貼付することを特徴とする封印方法。
(6)配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報と、封印シールへの2次元バーコードの所定の印刷個数、配送用容器に貼付される所定の封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報と、2次元バーコードのそれぞれを区別する個別情報と、を含む2次元バーコードを、前記所定の印刷個数に応じた数だけ封印シールの基材表面に印刷する、横長封印シール作成手段と、
前記横長封印シールを、接着剤を用いて、内容物の入った配送用容器の開封部を跨ぐようにして、かつ、横長封印シールに印刷された複数個の2次元バーコードが、開封部を跨いで配送用容器の異なるそれぞれの面に少なくとも1個配置されるように貼付する手段と、
配送用容器に貼付された横長封印シールの状態を確認する手段と、
貼付された横長封印シールに印刷された2次元バーコードを読み取る手段と、
を備えていることを特徴とする認証システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの封印シールに、配送用容器の発送者及び内容物を識別する識別情報の入った2次元バーコードを複数個、配送用容器ごとに印刷するため、梱包体の個別管理が可能で、配送用容器が識別不能な状況に陥らない封印シールを安価で提供できる。前記の2次元バーコードは、発送者の登録カードとサーバ内のデータベースを合成することで簡易に作製できるので、それを容器ごとに都度印刷するだけで、封印シールを簡単に作製できる。
また、封印シールに印刷された2次元バーコードの印刷個数と、配送用容器に貼付された封印シールの枚数を表す数量情報を、2次元バーコードに入力しておくことで、見掛けでは封印シールが剥がされたことが判然としない場合でも、2次元バーコードの数量情報を読み取り、配送用容器に残った2次元バーコードの数と照合することで、封印シールの剥がしの有無を確認することが可能となる。また、2次元バーコードには、それぞれの2次元バーコードを区別できる個別情報を入力してあるため、複製が容易ではなく、書き換えもできないため、安全である。
【0010】
封印シールを横長に構成し、配送用容器の開封部を跨ぐように2面に貼付することにより、配送物が開封された場合でも、破損していない2次元バーコードから、発送者の住所、氏名又は名称、配送用容器の内容物、重量等の固有情報を読み取ることができる。しかも、破損した2次元バーコードがあることを目視で確認できるため、配送物が開封され不正行為が行われたことを確認できる。反対に、封印シールの剥がし跡が無く、貼付されているシールに印刷された2次元バーコードを全て読み取れる場合は、開封されていないことを確認できる。
【0011】
配送物が中継事業所を経て配送されるような場合でも、各中継事業所において2次元バーコードを読み取ることにより、途中で配送用容器が開封されていないことや、開封され内容物の入れ替え等の不正行為が行われていないことを確認でき、不正行為が行われていた場合には、封印シールに印刷された2次元バーコードの一部がどの時点で読み取れなくなったかを追跡することにより、不正があった場所等を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による横長封印シールの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明による横長封印シールの貼付例を示す図である。
【図3】登録カードの例を示す説明図である。
【図4】本発明による横長封印シールを使用する配送システムの一実施形態の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明による横長封印シールの作成手順を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明による横長封印シールを貼付した配送物の開封確認手順を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明の横長封印シールについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による横長封印シールの平面図、図2は本発明による横長封印シールの貼付例を示す図である。
以下、本発明による「横長封印シール」を「封印シール」と省略する。
【0014】
また、本発明において、「配送用容器」とは、段ボール箱、プラスチック製や紙製又は木製の箱、コンテナ等、原材料、製品、廃棄物、日用品等の内容物を収納する、全ての配送用の容器を言う。
【0015】
図1のように、本発明による封印シール1は、横長の紙、合成紙またはフィルムからなる基材2の表面に、配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報4を含む複数個の2次元バーコード3がプリンターインキにより印刷され、さらに、複数個の2次元バーコード3の印刷面には、配送用容器の発送者及び内容物を識別する識別情報4、封印シールに印刷された当該2次元バーコード3の所定の印刷個数(図1では2個)、配送用容器に貼付された封印シールの枚数(図1では2枚)及び2次元バーコードの総個数(図1では4個)を表す数量情報、ならびに複数個の2次元バーコードのそれぞれを区別する個別情報5が印刷されている。
封印シール1を横長に構成することで、配送用容器の開封部を跨ぐように貼付することができ、また縦長の封印シールに比べてプリンター印刷が容易である。
【0016】
封印シール基材2の材質は、特に限定されない。紙は、破損し易い欠点はあるが安価である。紙としては、上質タック(一般的な白色のタック紙)、サーマル(感熱紙のタック紙)、POS(印字適正の高いタック紙)、OAマルチタック(インクジェットプリント可能なタック紙)、ポストシールアート等が挙げられる。合成紙やフィルムは、割高であるが破損しにくく、カッター以外での切断はないので、認証システムには好適である。合成紙やフィルムとしては、ユポ(PP素材など)、塩ビ白(塩ビ素材)、PET白(ポリエチレンテレフタレート素材)、これらの材質とOPP(延伸ポリプロピレン)とのラミネート紙、ユポサーマル(白色・フィルム素材の感熱紙)等が挙げられ、これらは白色のタック紙であり、耐久性・耐水性が高い。
【0017】
封印シール基材2の実施態様として、図示の各封印シール基材2をストレッチシール仕様とすることもできる。この場合、封印シール基材2に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)又はエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムをベースとした材料を使用すれば自己復元性があり、ストレッチ封印シールとして好適に使用できる。
【0018】
複数個の2次元バーコード3は、配送用容器の発送者及び内容物を識別する識別情報4を有している。この識別情報4には、発送者の会社名、事業所名、容積、重量等の付加情報も含まれている。該付加情報は、配送物の種類及び配送方法に応じて、使用者が任意に設定すれば良く、封印シール1に印刷しても、印刷しなくても良いが、2次元バーコード3には付加情報が含まれている。
【0019】
封印シール1を作製する場合、識別情報4を都度入力しても良いが、2次元バーコード3として印刷する、配送物の発送者を識別する識別情報4を、発送者ごとに、氏名、住所又は居所等を保有する事前登録カードを作製しておけば、予め設定された識別情報4をサーバよりダウンロードすることで、手軽に識別情報4を書き換えることが可能である。図3は、登録カードの例(a)、(b)又は(c)を示すものである。
【0020】
また、複数個の2次元バーコード3は、封印シールに印刷される当該2次元バーコード3の印刷個数、配送用容器に貼付された封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報を有している。この数量情報は、配送用容器毎に任意に設定することが可能であり、例えば、同じ内容物が入った配送用容器を複数個、同一場所に送る場合に、それぞれの配送用容器に対して、封印シールに印刷する2次元バーコードの数を変えることによって、あるいは貼付する封印シールの枚数を変えることによって、配送用容器毎に独自の情報を付与することができるので、配送用容器を個別に管理することが容易になる。
【0021】
そして、2次元バーコードに入力された数量情報を読み取り、配送用容器に残る封印シール枚数や2次元バーコードの総個数と照合することにより、配送の途中で封印シールが剥がされたか否かを判定することが可能となる。
【0022】
さらに、複数個の2次元バーコード3は、それぞれの2次元バーコードを区別するための個別情報5を有している。個別情報5の表示方法は特に限定されず、例えば、アルファベットと数字を組合せて表示することができる。図1の場合、1つの封印シールに2個の2次元バーコードが印刷され、封印シールは2枚使用するので、総個数4個の2次元バーコードの個別情報5として、A−1、A−2、B−1、B−2と表示する例を示している。
【0023】
あるいは、別の一例として、1枚に2個の2次元バーコード3を印刷した封印シール1を3枚作製した場合は、それぞれの個別情報5は、C−1−1、C−1−2、C−2−1、C−2−2、C−3−1、C−3−2と表示しても良い。
【0024】
個別情報5により、封印シールに印刷された各2次元バーコードは、それぞれに固有の情報を含むこととなり、封印シールの偽造や複製が困難となるため、配送途中での不正な開封を防止することができる。
【0025】
個別情報5はそれぞれの2次元バーコードに入力されていればよいが、目視によるチェックの運用に応じて、封印シールに印刷することもできる。例えば、図1において、個別情報5を封印シールの基材表面に印刷した場合、配送用容器をチェックした際に、個別情報5としてB−1、B−2が印刷された封印シールのみが貼付され、A−1、A−2の個別情報が印刷された封印シールが無いといった場合には、バーコードリーダーを用いなくても、封印シールが剥がされたことが判るため、目視による素早い確認が容易となる。
【0026】
2次元バーコード3は、任意の大きさであって良いが、大きさによって入力できる情報量が異なることを考慮すると、最小で略17mm×17mmの大きさの2次元バーコードが使用される。図1に示すように、2次元バーコード3は封印シール1の基材2に複数個印刷することが必要である。図1のように左右対称パターン31,32に限らず、左右非対称のパターンであっても勿論構わない。封印シール1に、単一の2次元バーコードしか印刷されていない場合は、2次元バーコードが剥離されてしまうと、不正行為の存在を知ることはできても、2次元バーコード3に入っている識別情報4を読み取ることができなくなるからである。
本発明のように、複数個の2次元バーコードが印刷された封印シール1を、開封部7を跨ぐようにして、異なる2面に貼付すれば、封印シール1の剥離行為や切断行為によって配送用容器6が開封されても、残った2次元バーコード3から識別情報4を読み取ることができる。更に、複数の封印シール1を貼付することで、より安全性を確保できる。
【0027】
封印シール1を、内容物の入った配送用容器6に貼付し、封印する場合は、図2に示すように、内容物の入った配送用容器6の開封部7を跨ぐように、かつ、横長封印シール1に印刷された複数個の2次元バーコード3が、開封部7を跨いで、配送用容器6の開封面61と、それに隣接する面62とに配置されるように、最低1枚を貼付する。1枚の封印シールに3個以上の2次元バーコードが印刷されている場合は、一部の2次元バーコードが開封部に架かっていても良い。図2は、3枚貼付した一例であり、貼付枚数に制限はない。なお、横長封印シール1を開封部7に沿って貼付するのは、横長封印シール1がカッターで切断された場合に、2次元バーコード3を読み取ることができなくなるので好ましくない。
【0028】
封印シール1を貼付する際に用いる接着剤としては、普通糊、強粘着糊、超強粘着糊、冷凍用糊等が用いられる。これらの接着剤の素材は特に限定されないが、天然ゴムや合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤が挙げられる。従って、封印シール1の基材2として、背面に接着剤が塗工され、その塗工面が離型紙等で保護されたものを用いると、封印シール1を貼付することが容易となる。
【0029】
封印シール1のサイズは、限定されるものではないが、幅が20mm〜50mm程度、長さが60mm〜200mm程度のものであると、配送用容器6に貼付し易く、封印シール1の配送用容器6への接着性も高くなる。
【0030】
本発明の封印シール及び封印方法により、配送用容器の健全かつ安全な引き渡しを確認するには、発送者と受領者(中継事業所等における受領者も含まれる。)は、同一ソフトを搭載したパソコン、及び、プリンター、リーダー又はスキャナーを使用することが必要である。前記プリンター、印刷インキ、リーダー又はスキャナーは、市販品を使用すれば良い。
【0031】
リーダー又はスキャナーは、配送用容器6の大きさや形状、2次元バーコード3の大きさ、リーダー又はスキャナーの出力等によって変化するが、リーダー又はスキャナーから数センチから数十センチ以内にある複数の2次元バーコードを同時に読み取りすることもできる型を使用することで、読み取り作業負担を軽減することができる。リーダー又はスキャナーで2次元バーコードを1個ずつ読み取りすることもできる。2次元バーコード3は、配送用容器6の表面に表れているので、リーダーの読み取り動作がし易く確実性が高い。
【0032】
次に、図4〜図6を参照して、本発明による封印シールを使用する認証システムの一実施形態について説明する。
【0033】
図4に示すように、発送者と受領者は、同一の2次元バーコード生成ソフトウエアを搭載したパソコンを備えている。発送者は、パソコンに接続されたプリンターを備えている。受領者は、パソコンに接続されたリーダーを備えている。
【0034】
まず、発送者は、図5に示すように、登録カードから発送者の識別情報4を読み、該識別情報を入力する(step1)。次いで、発送用容器6の内容物の種類、重量、出荷日時等、内容物に関する識別情報4及び付加情報を入力し(step2)、2次元バーコード生成ソフトウエアを用いて、識別情報4及び数量情報、並びに個別情報5を含む複数の2次元バーコード3を作成する(step3)。次いで、step3で作成した2次元バーコード3と各2次元バーコード3の個別情報(例えば、アルファベットと数字で構成された各2次元バーコードに固有の記号)5を、プリンターを用いて、シール基材2に印刷し、封印シール1を作成する(step4)。
【0035】
次に、発送者は、作成した封印シール1を、配送物10の発送用容器6の所定の位置に貼付する(step5)。
【0036】
配送物10が受領者に届けられると、受領者は、配送用容器6に貼付されていた封印シール1の状態を見て、剥がし跡の無いこと、シールに破損がないことを確認した後、シールの枚数と印刷されている2次元バーコードの総個数を数える。封印シールの剥がし跡やシールに破損が有る場合は、開封された可能性が高いことになる(step6)。
【0037】
次いで、受領者は、配送用容器6に貼付された封印シール1の2次元バーコード3を、リーダーで読み取る(step7)。全ての2次元バーコードを読み取れない場合は、読み取り可能な2次元バーコードだけを読み取る。その結果、リーダーで全ての2次元バーコード3を読み取ることができて、かつ、2次元バーコードの総数、シールの枚数が全て満たされている場合に、発送用容器6が開封されていないことを確認できる。もし、いずれかの2次元バーコードが読み取ることができない場合は、発送用容器6が開封された恐れがある。
【0038】
但し、封印シール1が、発送用容器6の角に貼られていたり汚れ等で読み取れない場合でも、どれかの2次元バーコードから読み取った数量情報のシールの枚数及び2次元バーコードの総個数が、上記の目視で数えた数量と一致することが確認できれば、発送用容器6は開封されていないものとみなすことができる。
また、封印シールの剥がし跡が無い場合は、2次元バーコード3を読めない封印シール1がある場合でも、各シール毎に印刷されている2次元バーコードの最低限1/2を読むことができれば、開封されていないとみなすことができる。
【0039】
上記のstep1〜step7は、中継事業所・委託会社を経由することなく、発送者から受領者へ配送される場合を説明したものであるが、中継事業所・委託会社を経由して配送される場合も、各中継事業所・委託会社において、step6〜step7を実施することにより、発送用容器6が開封されていないことを確認できる。
【0040】
本発明の認証システムでは、受領者は、封印シール1に印刷された2次元バーコード3のうち、読み取り可能なものだけを読み取るだけで良い。発送用容器6に貼付した2次元バーコードの個数は、数量情報として表示されているので、受領者は読み取り不能な2次元バーコードの数を知ることができるからである。中継事業所・委託会社等が存在する場合には、各中継事業所・委託会社等における2次元バーコードの読み取りデータを照合することにより、どこで異常事態が生じたかを知ることができる。
【0041】
とりわけ、廃棄物の処理運搬のように、廃棄物が充填された容器が、排出者(即ち、発送者)、運搬を委託された収集運搬業者(受領者)、中間処分業者(受領者)、最終処分業者(受領者)へ順次運搬されていく場合は、排出者から収集運搬業者によって中間処分業者へ運搬される途中、及び/又は、中間処分業者から最終処分業者へ運搬される途中に異常事態が生じた場合でも、異常事態の有無や原因などを追跡調査することができる。
【実施例】
【0042】
図1、図2、図3を参照して本発明の実施例(封印シールの作成例及び封印例)を説明する。
【0043】
(実施例1)
予め所定の2次元バーコード生成ソフトウエアが搭載されたパソコンに、発送者の氏名、住所又は居所、内容物の種類等を入力した。パソコンに接続したプリンターを使用して、市販のOA用紙をベースとした、厚み90μm、幅30mm、長さ120mmの横長シール基材2の表面に、大きさ20mm×20mmの2次元バーコード3を、各シール基材端部から20mmの位置に2個印刷すると同時に、印刷した2次元バーコード3の下部に、バーコードの個別情報5を印刷し、横長封印シール1を作成した(図1)。
【0044】
配送用容器の大きさは特に規定をするものではないが、一例として、タテ、ヨコ、高さが、400mm×400mm×400mmの配送用容器6の開封部7の3箇所を、市販の布製ガムテープで封印した後、このガムテープの上から、市販の接着剤を用いて、或いは、予め接着剤が付いているシールを使って、上記の横長封印シール1を、2次元バーコード3が開封部7を跨ぐように、かつ2次元バーコード31,32が、異なる面61,62に位置するように、貼付した(図2)。
【0045】
上記、実施例1において、2次元バーコードに対して、市販のリーダーを用いて、情報の読み取り試験を行ったところ、いずれも支障なく読み取りできることが確認された。
また、いずれの封印シールも、配送用容器6に対して良好な貼着状態を維持しており、荷扱い等により剥離、破損するようなことはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の封印シール及び封印方法は、輸送用、宅配用、廃棄物処理用の容器など、あらゆる配送用容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 横長封印シール
2 シール基材
3 2次元バーコード
4 識別情報
5 個別情報
6 配送用容器
7 開封部
10 配送物
20 登録カード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送用容器の開封部に貼付される横長封印シールであって、当該封印シールの基材表面には、複数個の2次元バーコードが印刷されており、
その印刷された2次元バーコードには、配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報と、
当該封印シールに印刷されている2次元バーコードの印刷個数、当該配送用容器に貼付される封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報と、
複数個の2次元バーコードをそれぞれ区別するための個別情報とが含まれていることを特徴とする横長封印シール。
【請求項2】
前記封印シールの基材表面に、前記個別情報が2次元バーコードとは別に表示されている請求項1に記載の横長封印シール。
【請求項3】
前記個別情報が、アルファベットと数字の組合せにより、複数個の2次元バーコードのそれぞれを区別するものである請求項1又は2に記載の横長封印シール。
【請求項4】
前記横長封印シールの基材が、紙、合成紙、フィルムのいずれかである請求項1〜3いずれかに記載の横長封印シール。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の横長封印シールを、接着剤を用いて、内容物の入った配送用容器の開封部を跨ぐようにして、かつ、横長封印シールに印刷された複数個の2次元バーコードが、開封部を跨いで配送用容器の異なるそれぞれの面に少なくとも1個配置されるように貼付することを特徴とする封印方法。
【請求項6】
配送用容器の発送者及び内容物に関する識別情報と、封印シールへの2次元バーコードの所定の印刷個数、配送用容器に貼付される所定の封印シールの枚数及び2次元バーコードの総個数を表す数量情報と、2次元バーコードのそれぞれを区別する個別情報と、を含む2次元バーコードを、前記所定の印刷個数に応じた数だけ封印シールの基材表面に印刷する、横長封印シール作成手段と、
前記横長封印シールを、接着剤を用いて、内容物の入った配送用容器の開封部を跨ぐようにして、かつ、横長封印シールに印刷された複数個の2次元バーコードが、開封部を跨いで配送用容器の異なるそれぞれの面に少なくとも1個配置されるように貼付する手段と、
配送用容器に貼付された横長封印シールの状態を確認する手段と、
貼付された横長封印シールに印刷された2次元バーコードを読み取る手段と、
を備えていることを特徴とする認証システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−108423(P2012−108423A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258844(P2010−258844)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(510307141)株式会社ヒットキュー (2)
【Fターム(参考)】