説明

酵素固定化担体及びその使用方法

【課題】固定化酵素の失活を抑制し、繰り返し反応に使用可能とし得る酵素固定化担体及びその使用方法を提供する。
【解決手段】末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を含む水硬樹脂組成物にインベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを混合して水硬成型してなることを特徴とする酵素固定化担体、及びこの酵素固定化担体を、糖、糖アルコール及び/又は還元剤の存在下で繰返し反応に用いることを特徴とする酵素固定化担体の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定化酵素の失活を抑制し、繰り返し反応に使用可能とし得る酵素固定化担体及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素は温和な条件で触媒反応を行うことができるため、近年、臨床検査、生化学、食品工業等の分野で酵素の利用が盛んに行われている。その使用は酵素をそのまま用いて溶液中で基質と反応させたり、酵素を担体に固定化して基質に反応させるなどして行なわれている。特に固定化酵素として用いると生成物の分離精製が簡便であるという利点があった。
【0003】
しかしながら酵素は使用時間とともにその活性を喪失してゆくものであり、固定化酵素にしても酵素そのものを新しく供給する必要があった。そこで連続使用可能な酵素の固定化方法や、固定化酵素を繰返し使用する試みが種々提案されている。例えば特許文献1では担体に吸着した酵素に対してトランスグルタミナーゼを作用させて酵素を担体に被覆させる酵素の固定化方法が提案されており、また特許文献2では酵素を基質に作用させるにあたりN-置換モラノリン誘導体、又はこれらのグルコースオリゴマーの存在下に反応させることで酵素を安定化させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−46855号公報
【特許文献2】特開平5−123181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記方法でも酵素の種類によっては、繰返し使用時に固定化酵素が失活してしまう場合があった。
【0006】
本発明の目的は、固定化酵素の失活を抑制し、繰り返し反応に使用可能とし得る酵素固定化担体及びその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を含む水硬樹脂組成物にインベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを混合して水硬成型してなることを特徴とする酵素固定化担体、及びこの酵素固定化担体を、糖、糖アルコール及び/又は還元剤の存在下で繰返し反応に用いることを特徴とする酵素固定化担体の使用方法、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一般に不安定で失活しやすいといわれている酵素を、1ヶ月以上経過した後でも活性を保持することが可能である。すなわち固定化しない酵素では一度反応を行うとそのまま捨ててしまうことになるが、本発明では担体を繰り返し用いることができるため経済的である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の酵素固定化担体は、末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を含む水硬樹脂組成物にインベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを混合して水硬成型してなる。
【0010】
上記末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアネートとポリオールをイソシアネート基が水酸基より過剰となるように配合して反応させて得られる反応物であり、ポリオールとしてエチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)を質量比で(EO)/(PO)=50/50〜90/10、好ましくは50/50〜80/20の割合で共重合させてなる共重合体を70質量%以上、好ましくは80質量%以上含むポリオールを用いることが含水性の点から好適である。
【0011】
ポリイソシアネートとしては、従来からポリウレタン樹脂の製造に使用されている1分子中に平均2個以上、好ましくは2〜4個のイソシアネート基を含有する数平均分子量100〜2,000程度の化合物を好適に使用できる。その具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート類等の有機ジイソシアネート類、又はこれら有機ジイソシアネート類と多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水等との付加物、あるいは上記有機ジイソシアネート類同志の環化重合体、更には上記有機ジイソシアネート類のイソシアヌレート、ビウレット体等が挙げられる。
【0012】
上記ポリオールに含まれるEO/POの共重合体は、通常、ランダム共重合体であり、該ランダム共重合は直鎖状であっても、分岐鎖状であっても良い。また、該共重合体としては、1分子中に平均2個以上、好ましくは2〜4個のアルコール性水酸基を有し、数平均分子量500〜50,000程度、水酸基当量250〜25,000程度の親水性のものを、好適に使用できる。
【0013】
上記ポリオールは、常温で低粘度の液体であり、取り扱い易く、又親水性の度合いの調整が容易であるので好ましい。該ポリオールとしては、具体的には、例えば、上記特定割合のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体、この共重合体の製造時又は製造後に下記低分子ポリオールを付加させたもの、この共重合体に該低分子ポリオールを混合したもの、この共重合体にポリアルキレングリコールを混合したもの等を使用することができる。
【0014】
上記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
【0015】
上記低分子量ポリオールである3価以上のポリオールを、適宜付加させることにより、最終的に得られるゲルの架橋密度を高くして、強度をより高くすることができる。但し、多量に付加し過ぎると、架橋密度が高くなりすぎて、体積膨張率が低下する恐れがあるため、3価以上のポリオールの使用量は、全ポリオール中10質量%以下であることが望ましい。
【0016】
末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂は、上記ポリオール中の水酸基に対して上記ポリイソシアネート中のイソシアネート基が過剰になるように配合し、通常、10℃以上、好ましくは20〜200℃で、数分〜数時間程度反応させて合成される。得られた末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂は、通常、透明な固体又は高粘度液状の樹脂である。ポリイソシアネートとポリオールとの配合割合は、通常、ポリオール中の水酸基1モルに対してポリイソシアネート中のイソシアネート基が約1.01〜2モル程度、好ましくは約1.1〜2モルの範囲になる割合が適当である。
【0017】
得られる末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、通常、1,000〜100,000、好ましくは2,000〜8,000の範囲であるのが良い。本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。
【0018】
本発明では、上記末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂固形分100質量部に対して、インベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを0.05〜15質量部、好ましくは0.08〜9質量部混合し、水硬成型する。この範囲を外れて少ないと活性が不十分となり、多いと上記ゲルの硬化が不十分となるので好ましくない。末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂及びインベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼと水との混合は、5〜80℃、特に5〜60℃の温度範囲で混合攪拌するのが適当である。
【0019】
また上記混合時に水を混合して混合物がゲル化する前に適当な形状、例えば、シート状、球状、立方体、長方体、円筒状などに成型加工するのが望ましい。
【0020】
上記の通り得られる本発明の酵素固定化担体は、基質溶液に投入され酵素反応に供される。その際、本発明の使用方法では酵素固定化担体を、糖、糖アルコール及び/又は還元剤の存在下で繰返し反応に用いるものである。
【0021】
糖、糖アルコールとしては、特に制限なく単糖、二糖、オリゴ糖、環状オリゴ糖及び糖アルコールから適宜選択され、例えばキシロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、シュクロース、ラクトース、トレハロース、マンノース、マルトース、2−デオキシ−D−グルコース、メリビオース、リビトース、イノシトール、ズルシトール、グルシトール、グルコノ−1,5−ラクトン、G2−β−サイクロデキストリン、シュークロースモノカプレート、シュークロースモノコレート、グリセロール、ソルビトール等が挙げられ、これらのうち特にマンノース、マルトース、グリセロールから選ばれる少なくとも1種であることが固定化酵素の失活抑制、安定化の点から好適である。
【0022】
上記糖、糖アルコールの添加濃度は、基質溶液中に5w/v%〜飽和濃度、好ましくは10〜20w/v%となるよう調製するのが適当である。
【0023】
上記還元剤としては、例えばグルタチオン、ジチオススレイトール、メルカプトエタノール等が挙げられ、これらのうち特にジチオスレイトール及び/又は2−メルカプトエタノールが固定化酵素の失活抑制、安定化の点から好適である。
【0024】
上記還元剤の添加濃度は、基質溶液中に0.01〜10mM、好ましくは0.1〜1.0mMとなるよう調製するのが適当である。
【0025】
一回の酵素反応は、通常、アミノアシラーゼの場合、pH5.0〜10.0、好ましくは8.0〜8.5、反応温度は10〜60℃、好ましくは20〜40℃の範囲で、インベルターゼの場合、pH2.0〜8.0、好ましくは2.5〜5.5、反応温度は10〜80℃、好ましくは50〜70℃の範囲で、1〜24時間程度、攪拌下又は静置下で行ない、基質溶液中の基質濃度は特に制限されないが5〜20w/v%程度が適当である。
【0026】
本発明方法では、繰返し反応に用いる際に、次反応の前に酵素固定化担体を洗浄することが固定化酵素の失活抑制の点から好適である。また基質との反応時及び/又は洗浄時に、系中に金属イオンを存在させることが固定化酵素の失活抑制の点から好適である。
【0027】
金属イオンとしては、例えば、亜鉛イオン、マンガンイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、鉄(II)イオン、銅(II)イオンなどが挙げられ、これらのうち特に固定化酵素の失活抑制の点から亜鉛イオンが好適である。その添加濃度は、基質溶液中又は洗浄液中に0.01〜10mM、好ましくは0.05〜0.1mとなるよう調製するのが適当である。
【実施例】
【0028】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】
実施例1
(酵素固定化担体の作製)
エチレングリコール−プロピレングリコールランダム共重合体とジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得られる、イソシアネート基を有するプレポリマー(第一工業製薬社製「H−6X61−1」、粘度:23000mPa・s/25℃、遊離NCO:2.9%)15部に蒸留水85部とD−アミノアシラーゼ(天野エンザイム社製)0.1部を添加し、均一になるまで攪拌してから、5cm×5cmサイズの型枠に流し込み室温で硬化させることによって酵素固定化担体(I)を作製した。
【0030】
(酵素固定化率の評価)
得られた担体約0.1gを切り出し、25mlの蒸留水中で30℃で24時間振盪させた後の溶液を採取し、PIERCE社製のBCA Protein Assay Reagentを用いて、上記操作により漏出した酵素を定量した。酵素固定化率F(%)を、以下の式によって算出した。
【0031】
F=100×(A−B)/A
A:担体に配合した酵素量(g)
B:漏出した酵素量(g)
【0032】
(酵素反応)
上記のように作製したD−アミノアシラーゼ100Uを含む酵素固定化担体0.1gを、0.5MのN−アセチル−DL−フェニルアラニン(以下基質)を含む基質溶液25ml(安定化剤としてマルトース20%及びジチオスレイトール0.1mMを含む)に添加した後、pH8.5、温度30℃の条件下で振盪撹拌することによって1回目の酵素反応を行った。ここでUはD−アミノアシラーゼの比活性の値であり、1Uは1分間に1μmolの基質を触媒することのできる酵素量を意味する。
【0033】
反応24時間後に担体を取り出して洗浄液(0.1mMのZnClを含む蒸留水)に接触させ、4℃で一晩静置することで担体の洗浄を行った。
【0034】
洗浄後の担体を再び基質溶液に接触させ、2回目の酵素反応を行った。以下同様にしてそれぞれ10回の酵素反応と担体洗浄を行った。
【0035】
各回の反応において反応時間24時間での反応液を採取して高速液体クロマドグラフィを用いて基質(N−アセチル−D−フェニルアラニン)の減少量から反応率を算出し、反応率の値からその回の反応で生成した反応物(D−フェニルアラニン)量を計算した。
【0036】
(生産性の評価)
以下の式により、酵素1U当たりのD−フェニルアラニン生成量P(g/U)を計算し、固定化酵素の生産性の指標として評価した。
【0037】
P=Q/E
Q:酵素反応10回でのD−フェニルアラニンの合計生成量(g)
E:用いた固定化担体に配合した酵素の活性単位(U)
【0038】
実施例2
安定化剤としてジチオスレイトールを用いず、マルトース20%のみを添加した以外は実施例1と同様に酵素反応を行い、固定化酵素の生産性を評価した。
【0039】
実施例3
安定化剤を用いないこと以外は実施例1と同様に酵素反応を行い、固定化酵素の生産性を評価した。
【0040】
実施例4
洗浄工程において蒸留水を用いた以外は実施例1と同様に酵素反応を行い、固定化酵素の生産性を評価した。
【0041】
実施例5
基質としてN−アセチル−DL−フェニルアラニンの代わりにN−アセチル−DL―メチオニンを用いた以外は実施例1と同様に酵素反応を行い、酵素固定化率及び固定化酵素の生産性を評価した。
【0042】
実施例6
酵素としてアミノアシラーゼの代わりにインベルターゼ(和光純薬社製)を用いたこと、基質としてN−アセチル−DL−フェニルアラニンを含む基質溶液の代わりにスクロース溶液(pH4.7)を用いたこと、酵素反応の温度を55℃にしたこと以外は実施例1と同様に生産性を評価した。
【0043】
10回の酵素反応の後も活性の衰えが見られず、さらに回数を重ねられる見通しが得られた。
【0044】
実施例7
基質溶液にさらにジチオスレイトール0.01mM添加したこと以外は実施例6と同様に生産性を評価した。
【0045】
10回の酵素反応の後も活性の衰えが見られず、さらに回数を重ねられる見通しが得られた。
【0046】
実施例8
イソシアネート基を有するプレポリマーとして「H−6X61−1」のかわりに「H−6V24S−1」(第一工業製薬社製、粘度:20000mPa・s/25℃、遊離NCO:3.0%)を用いたこと以外は実施例6と同様に生産性を評価した。
【0047】
実施例9
イソシアネート基を有するプレポリマーとして「H−6X61−1」のかわりに「H−6G31」(第一工業製薬社製、粘度:41000mPa・s/25℃、遊離NCO:2.6%)を用いたこと以外は実施例6と同様に生産性を評価した。
【0048】
比較例1
光硬化性プレポリマー(分子量約1000のポリエチレングリコールのジアクリレート)60部に光開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製ダロキュア1173)0.24部、D−アミノアシラーゼ1部を添加し、均一になるまで攪拌してから、5cm×5cmサイズの型枠に流し込み、ポリスチレン板で表面をカバーをした後高圧水銀灯で40秒間紫外線を照射することによってプレポリマーを硬化させ、酵素固定化担体(II)を作製した。
【0049】
得られた担体について実施例1と同様に酵素固定化率及び生産性の評価を行った。
【0050】
比較例2
光硬化性プレポリマーに関西ペイント社製ENTG−3800を用いたこと以外は比較例2と同様に酵素反応を行い、固定化酵素の生産性を評価した。
【0051】
比較例3
酵素固定化担体ではなく、同じユニット数のD−アミノアシラーゼを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、生産性の評価を行った。但しD−アミノアシラーゼは回収できないため、以下の式によって酵素1U当たりのD−フェニルアラニン生成量P(g/U)を計算した。
【0052】
P=Q1/E1
Q1:酵素反応1回でのD−フェニルアラニンの合計生成量(g)
E1:用いた酵素の活性単位(U)
【0053】
比較例4
基質にN−アセチル−DL−フェニルアラニンの替わりにN−アセチル−DL―メチオニンを用いた以外は比較例3と同様に生産性を評価した。
【0054】
比較例5
酵素としてアミノアシラーゼの代わりにインベルターゼ(和光純薬社製)を用いたこと、基質としてN−アセチル−DL−フェニルアラニンを含む基質溶液の代わりにスクロース溶液(pH4.7)を用いたこと、酵素反応の温度を55℃にしたこと以外は比較例3と同様にフリー酵素の生産性を評価した。
【0055】
比較例6
酵素としてアミノアシラーゼの代わりにインベルターゼ(和光純薬社製)を用いたこと、基質としてN−アセチル−DL−フェニルアラニンを含む基質溶液の代わりにスクロース溶液(pH4.7)を用いたこと、酵素反応の温度を55℃にしたこと以外は比較例2と同様に固定化酵素の生産性を評価した。
【0056】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂を含む水硬樹脂組成物にインベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを混合して水硬成型してなることを特徴とする酵素固定化担体。
【請求項2】
末端イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂固形分100質量部に対して、インベルターゼ及び/又はアミノアシラーゼを0.05〜15質量部混合する請求項1記載の酵素固定化担体。
【請求項3】
請求項1又は2記載の酵素固定化担体を、糖、糖アルコール及び/又は還元剤の存在下で繰返し反応に用いることを特徴とする酵素固定化担体の使用方法。
【請求項4】
糖、糖アルコールが、マンノース、マルトース、グリセロールから選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
還元剤が、ジチオスレイトール及び/又は2−メルカプトエタノールである請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
繰返し反応に用いる際に、次反応の前に酵素固定化担体を洗浄する請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
反応時及び/又は洗浄時に系中に金属イオンを存在させる請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
金属イオンが、亜鉛イオンである請求項7に記載の方法。