説明

酸化タンタルナノメッシュとその合成方法並びにその用途

【課題】 従来の層状化合物の単層剥離から得られた薄片状物質とは構造・組成が異なる、シート内にメッシュ構造を持つ厚みが1nm以下の酸化タンタルからなる“ナノメッシュ”を提供しようと言うものである。
【解決手段】 オープンチャンネルを有するホスト層が積層したタンタル酸化物から出発し、その層間にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する第1の段階、次いで嵩高いカチオンを含む溶液と接触させる第2の段階、の2段階工程によって単層剥離し、薄片状に剥離し、規則的に配列したホール(孔)によって形成されたメッシュ構造を有する二次元シート状酸化タンタルナノメッシュが分散した溶液を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高活性光触媒や強誘電体またはイオンのフィルターなどとして使用が期待される酸化タンタルナノメッシュとその製造方法に関する。詳しくは、組成式がRbTaOで表される層状酸化物(図1参照)から誘導される組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)で表される層状化合物を、ソフト化学的手法によって単層剥離して得られる酸化タンタルナノメッシュとその製造方法及びその用途に関する。
【0002】
本明細書において、ナノメッシュは、ナノレベルの結晶学的厚みを有する二次元薄片状シートに多数の貫通孔が規則的に配列し、メッシュ構造が形成された状態を、ナノメッシュあるいはナノメッシュ構造という。
【背景技術】
【0003】
従来、粘土鉱物や硫化物、酸化物、水酸化物などの様々な層状化合物を単層剥離させることによって、ナノレベルまで薄片化されたシート状物質が合成されている。特に工業的応用の観点から注目度の高い機能性酸化物の剥離例としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化タングステンなどがある。これら大部分の薄片状物質はいずれもシートに規則的な孔を有していないため、イオンなどの輸送物質はシートに沿って移動するしかないという、拡散方向を制限してしまう欠点があった。
【0004】
このような欠点を克服する材料として、シート内にイオンなどが通り抜けられるようなメッシュ構造を持つ薄片状物質であるマンガン酸化物(特許文献1参照)が最近報告されたものの、その材料特性は主に酸化還元反応や磁性に限られたものであり、いまだバリエーションに乏しいのが現状である。メッシュ構造を持つナノスケールの薄片状物質として、耐薬品性に優れているだけでなく、光触媒能や高誘電率という観点から材料化への高いポテンシャルを有する、酸化タンタルからなるナノメッシュは合成されていなかった。
【0005】
【特許文献1】特願2005−208249
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の層状化合物の単層剥離から得られた薄片状物質とは構造・組成が異なる、シート内にメッシュ構造を持つ厚みが1nm以下の酸化タンタルからなる“ナノメッシュ”を提供しようと言うものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らにおいては、鋭意研究を重ねた結果、上記の課題を解決するためホスト層にオープンチャンネルを有した層状タンタル酸化物に着目し、この酸化物から基本的結晶構造を壊すことなく単層剥離し得ることを見出した。すなわち、組成式RbTaOで表されるオープンチャンネルを有するホスト層が積層したルビジウム型層状結晶(図1参照)を出発物質としてこの物質に、塩酸などの酸性水溶液を作用させ、オープンチャンネルに起因するメッシュ構造も含め、その基本的結晶構造を崩壊させることなく固体酸性を備えた水素イオン交換体を誘導し、次いで、これに嵩高い陽イオンを含む溶液を作用させることによって、メッシュ構造を持つ薄片状酸化物を単層レベルである1nm以下の厚みまでに単層剥離し得ることを知見し、成功したものである。本発明はこれらの知見、成功に基づいてなされたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、以下(1)〜(14)に記載する構成要件を備えてなるものであ
り、これによってメッシュ構造を有する特有な性質を有する薄片状酸化物を提供することに成功したものである。
(1)二次元薄片状を呈し、多数の規則的に配列された貫通孔によって形成されたメッシュ構造を有することを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュ。
(2)前記酸化タンタルナノメッシュが、結晶学的厚み1nm以下、横サイズサブミクロンから数ミリの範囲である、(1)に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
(3)前記酸化タンタルナノメッシュが、オープンチャンネルを有するホスト層が積層したタンタル酸化物から出発して、この出発物質を単層剥離することによって得られることを特徴とする、(1)または(2)に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
(4)前記単層剥離する手段が、前記出発物質に対してその層間にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する第1の段階、次いで嵩高いカチオンを含む溶液と接触させる第2の段階、の2段階工程からなることを特徴とする、(3)に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
(5)前記出発物質として、組成式RbTaOで表される層状酸化物が用いられることを特徴とする、(3)または(4)に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
(6)前記出発物質が組成式RbTaOで表される層状酸化物である場合、前記出発物質にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する前記第1の段階によって、組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)で示される固体酸性を有する化合物が誘導され、次いで第2の段階が行われることを特徴とする、(4)または(5)に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【0009】
(7)オープンチャンネルを有するホスト層が積層したタンタル酸化物から出発し、これを単層剥離することによって酸化タンタルナノメッシュを得ることを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
(8)前記単層剥離する手段が、前記出発物質に対してその層間にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する第1の段階、次いで嵩高いカチオンを含む溶液と接触させる第2の段階、の2段階工程によって行われることを特徴とする、(7)に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
(9)前記出発物質が、組成式RbTaOで表される層状酸化物である、(7)に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
(10)前記出発物質が組成式RbTaOで表される層状酸化物である場合、前記出発物質にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する前記第1の段階によって、組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)で示される固体酸性を有する化合物が誘導され、次いで第2の段階が行われることを特徴とする、(8)または(9)に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
【0010】
(11)前記(1)ないし(6)の何れか1項に記載する酸化タンタルナノメッシュを、累積して成膜化する成膜材料として使用することを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
(12)前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜がイオン透過性を有することを特徴とする、(11)に記載する酸化タンタルからなる成膜材料。
(13)前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜が光触媒として使用し得ることを特徴とする、(11)に記載する酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
(14)前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜が誘電材料並びに強誘電材料として使用し得ることを特徴とする、(11)に記載する酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、オープンチャンネルが規則的に配列したメッシュ構造を有するホスト層が累
積した構造を持つ層状タンタル酸化物を単層剥離することによって、成膜性・塗布性に富んだメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物を得るのに成功したものであり、その特異な形態を活かし各種薄膜材料やコーティング材など様々な分野へ利用されることが期待される。特に、本発明のメッシュ構造の薄片状酸化物はイオンがシートをパスしえる、イオン透過性ホールを有し、しかも、化学的安定性・耐薬品性に優れていることから、リチウムイオン二次電池などの電極材料のコーティング材として使用され、優れた特性が発揮される格別の作用効果が奏せられる。
【0012】
本発明の単層剥離したタンタル酸化物は、その剥離前の層状タンタル酸化物が高い誘電率を有し、強誘電体としても知られているところから、単層剥離して得られた薄片状タンタルナノメッシュも、同様の性質を有し、極めて有用な使用態様を含んでおり、大いに使用され、産業の発展に寄与することが期待される。すなわち、近年、携帯電話やパソコンといった電子デバイスの小型化が急速に進められている中、それらデバイスの根底をなす強誘電体材料の薄膜化は重要な研究課題であり、その提供が求められている。とりわけ、固体電解コンデンサーの分野では、小型・大容量で寿命の長いタンタル酸化物が実用化され広く普及している。本発明の層状タンタル酸化物の剥離から得られた酸化タンタルナノメッシュは、その厚みが1nm以下という特徴を備えており、前述のレイヤーバイレイヤー法などによって材料成形性に富んでいることから、まったく新しい薄膜誘電材料が産み出されることが期待される。本発明のメッシュ構造を有する、薄片状タンタル酸化物が提供されたことにより、前記した用途以外にも、同成分を必要とする材料設計において活発に用いられ、利用されることが期待され、その意義は極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、まず出発物質としてホスト層にオープンチャンネルが規則的に配列した構造を有する層状タンタル酸化物が用いられる。このような物質としては組成式RbTaOで表される層状酸化物が挙げられる。このような層状酸化物以外にも、本発明の意図する目的に適う層状タンタル化合物があれば使用することができる。この実施例では上記組成の層状酸化物を用い、塩酸などの酸性水溶液で処理して水素イオン含有物質Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)に変換し、次いで、嵩高いゲストとして機能する四級アンモニウムイオンに代表される嵩高いゲストを含む水溶液中で混合・振盪させることによって層状タンタル酸化物を単層レベルの厚みに剥離させ、メッシュ構造を持つ特異な薄片状粒子の分散溶液を得る。
【0014】
剥離反応を進行させるためには、酸処理によって層間に水素イオンまたはオキソニウムイオンを導入し、固体酸性を持たせる必要がある。酸処理には塩酸、硫酸、硝酸、炭酸などを用いることができる。
【0015】
水洗の程度や酸の濃度によってイオン交換後の生成物である組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)中のRbイオンの量を変化させることができるが、Rbイオンの量が多いと剥離反応が進行しにくくなるため、なるべくイオン交換反応を進行させる必要がある。このとき完全にルビジウムを抽出することは困難であり、ルビジウムを組成式中x=0.9より少なくするためには、高濃度の塩酸を繰り返し用いる必要があり経済的に好ましくない。最終的にコストや日数を考慮すれば、濃度1規定以上の塩酸を(溶液)/(固体)=100 cm/gの固溶比で組成式中xが0.9程度になるまで酸処理を行うことが望ましい。
【0016】
水素イオン交換体と剥離促進剤を水溶液中で混合・振盪させることによって、層状化合物の層と層の剥離反応を進行させると、薄片化したメッシュ構造の薄片状粒子が分散した溶液を得ることができる。このとき、水素イオン交換体中の水素イオンと剥離促進剤のモル比を調節することによって、単層剥離した酸化タンタルナノメッシュを主成分として得
ることができる。
【0017】
剥離促進剤としては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、n−プロピルアミン、n−エチルアミン、エタノールアミンを用いることができるが、特にテトラブチルアンモニウムイオン(以下、TBA)が有効である。
【0018】
本発明のメッシュ構造の層状タンタル酸化物のホスト構造は、金属−酸素八面体が稜共有または頂点共有により連鎖して、規則的なホールを有するTaO八面体の二次元骨格(ホスト)構造を形成している(図1(b)参照:単斜晶a=0.9587(4)nm、b=0.8508(4)nm、c=0.8133(3)nm、β=94.37(2)°)。この層状化合物に剥離促進剤を加えることによって、ホスト層一枚一枚にまでバラバラになったサブナノレベルの薄片状物質が水溶液中で分散したコロイド溶液が得られる。
【0019】
得られる酸化タンタルナノメッシュの横サイズは、剥離させる元の層状タンタル酸化物の結晶のサイズに依存する。一般的には、サブミクロンから数ミクロン程度の横サイズを持っている。また、剥離促進剤と混合・振盪する際に、振盪の強弱・日数によって酸化タンタルナノメッシュの横サイズを変えることができる。
【0020】
水素イオン交換体中の水素イオンに対して、剥離促進剤TBAの比が1となるように加えることによって、乳白色の溶液が得られる。この溶液をさらに遠心分離することによって、未反応物を取り除くことが可能である。得られた溶液は、図2に示すように元の層状化合物同様バンドギャップに基づく光吸収特性を持っている。このピークトップ(200nm付近)をプロットした挿入図を見ると、Lambert−Beer則に従っていることから、層状化合物が単層までバラバラになった状態で分散するコロイド溶液であることがわかる。また、その吸収ピークの立ち上がりは、吸収した光のエネルギーの二乗でプロットすると直線となり、バンドギャップ約5.3eVの直接遷移に基づいていることを示している。
【0021】
水素イオン交換体に剥離促進剤を加えることによって得られたコロイド溶液をTEM観察用グリッド上に滴下し、乾燥後観察すると、グリッド上の大部分で図3(a)に示すように非常にコントラストの薄いシート状物質を観測することができる。この薄いコントラストは、コロイド中に見出されたシートが、母結晶の単層剥離によってナノレベルまで細分化されたものであることに起因している。図3(b)に示したコロイド中のシート状物質の電子回折パターンは、前駆体である層状タンタル酸化物バルク体のホスト層の二次元周期構造で帰属される。この結果は、コロイド中のシート状物質が図1に示した出発物質のホスト層と同一のメッシュ構造からなる二次元骨格を形成している根拠となる。
【0022】
サブナノレベルまで細分化されたメッシュ構造の薄片状酸化タンタルは、10000rpmの遠心分離によって、コロイド溶液から糊状のゾルとして回収することができる。このゾルのXRDパターンには、低角度領域にハローが観測される(図4参照)。このハローは、単層剥離によって層法線方向に回折周期を失い、ホスト層一枚にまでバラバラになったことを裏付けるものである。
【0023】
サブナノレベルまで細分化された薄片状酸化タンタルコロイド溶液から自己組織化吸着法によって、薄片状酸化タンタルをSi基板上に吸着させた。この薄膜試料の放射光面内回折パターンは、図5に示すように出発物質のホスト層と同様の二次元長方形格子ですべて指数付けすることができる。これは、電子回折の結果同様、薄片状酸化タンタルが図1に示した出発物質RbTaOのホスト層と同一のメッシュ構造からなる二次元骨格を形成していることを示す有力な根拠である。この回折パターンから、薄片状酸化タンタルの
二次元格子を求めると、a=0.9567(1)nm、b=0.8490(2)nmとなる。
【0024】
元の層状化合物の単層剥離から得られたサブナノレベルまで細分化されたメッシュ構造の薄片状物質の結晶学的厚みは、ホスト一層分に酸素のファンデルワールス半径を考慮すればおよそ0.95nmである。実際に原子間力顕微鏡AFMの観察(図6)を行うと約1nmとして観測される。一方、その横サイズは、剥離に用いる元の層状化合物の大きさに依存しており一般的には、サブミクロンから数ミクロン程度の横サイズを持っている。図6(a)のAFM像は100〜400nm程度の横サイズのナノメッシュのものである。
【0025】
以上の分散溶液として得たメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物粒子は、液相のpHや電解質濃度を制御したり、加熱または凍結乾燥することによってメッシュ構造の薄片状粒子を再凝集させることが可能であり、低温で高比表面積をもった微粒子を作製することができる。このとき、アルカリイオンや有機分子を共存させることによって様々なカチオン種を挟み込んだ層状化合物に再構築することができる。また、ポリカチオンなどの有機高分子や、複合水酸化物の剥離から得られた無機高分子などとの静電的自己組織化反応を利用することによって、コンポジット材料を誘導したり、様々な基板上(例えば、Si、SiO、ITO、Al、Ni等)にレイヤーバイレイヤーで成膜することが可能である。例えば、SiO基板上に有機カチオンと共にレイヤーバイレイヤーで交互積層させると、図7に示すように薄片状タンタル酸化物を吸着させる回数に比例して光吸収ピークも増加することから、任意の光吸収特性または膜厚を有した超薄膜を合成することが可能である。これにより、極薄の積層コンデンサー等への応用も考えられる。
【0026】
本発明のメッシュ構造を持つ薄片状タンタル酸化物は、5.3eVのバンドギャップによる光触媒反応を示すため、同物質を用いた複合材料に紫外線照射または加熱することによって有機成分を分解・除去するなどの改質を行うことができる。さらに、図8に示すように光誘起親水性も発現するため、同機能性を利用した薄膜材料への応用展開も可能である。
【0027】
タンタル酸化物は、耐薬品性・耐熱性に優れており化学的安定性がとりわけ高い物質である。本発明によるメッシュ構造を有する薄片状タンタル酸化物は、リチウムイオンがシートを透過するパスとなりうるホールを有していることから、リチウムイオン二次電池などの電極材料のコーティング材として優れた特性を発揮することが期待される。
【0028】
出発物質である層状タンタル酸化物RbTaOは強誘電特性を示すことが知られており、これを単層剥離することによって得られた酸化タンタルナノメッシュもまた、高い誘電率と強誘電特性の発現が期待できる。現在、携帯電話やパソコンといった電子デバイスの小型化が進む中、それに伴う強誘電体の薄膜化は重要な研究課題となっている。しかし、BaTiOなどのこれまでバルク材料として実用化されている系では、薄くなることによって極端に性能が悪化することから、これらに変わる新しい材料の探索が活発に行われている。本発明による層状タンタル酸化物の剥離から得られた酸化タンタルナノメッシュは、厚み1nm以下という特徴を備えており、前述のレイヤーバイレイヤー法など材料成形性に富んでいることから、この分野への応用も大いに期待される。
【0029】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。但し、これらの実施例は、あくまでも本発明を容易に理解するための一助として開示するためのものであって、本発明をこれによって限定する趣旨ではない。
【0030】
実施例1;
TaとRbCOを1:1.02の比で混合し、700℃で1時間仮焼成後再び粉砕・混合し、900℃で20時間本焼成を行った。焼成物の粉末X線回折パターン(図9)からRbTaOが単相で得られていることを確認した。
合成した粉末試料(RbTaO)と、1規定の塩酸水溶液を反応させ得られた物質の粉末X線回折パターンを図9に示す。塩酸処理によって、元の層状化合物RbTaOの層間の反射によるd=0.81nm(2θ=10.9°)の回折ピークが消失し、新たにd=0.71nm(2θ=12.1°)に回折ピークが検出された。これは、層間のRbがプロトンまたはオキソニウムイオンと交換されることによって、層間距離が小さくなったことを示唆している。さらに、2θ=28.1°、33.2°、37.5°、42.9°に元のホスト層の二次元周期構造(それぞれ22、13、40、04)に帰属することができるシャープな回折線が検出されていることから、酸処理に伴ってホスト層の構造が崩れることなく、層間のイオン交換反応が進行していることがわかった。
【0031】
次に、塩酸処理の日数を増加させると、X線回折パターンにはほとんど変化が見られないものの、RbTaO中の層間のRbの量を減らすことができる。しかし、最初の一回目の塩酸処理(固液比=1g/100cm)によって、90%程度イオン交換が進行しているものの、二回目以降はわずかしかルビジウムイオン量は減少しない。これは同じ固液比を用いた1規定以上の塩酸処理においても、ほぼ同様の結果となる。最終的に、単層剥離させるためにはRbをできるだけ減らす必要があること、及び経済的な効率を考慮すれば、1規定の塩酸を用いて2、3回イオン交換することが適切である。
【0032】
以上、最適なイオン交換条件として、RbTaOの粉末と(溶液)/(固体)=100cm/gの割合で1規定の塩酸水溶液を混合・攪拌した。これを3回繰り返し、イオン交換処理を行った後、水洗、風乾して固体残留物を回収した。化学分析によりこの固体は水素イオン置換型層状タンタル酸粉末(Rb0.110.89TaO・1.2HO)であることがわかった。
【0033】
上記の水素型層状タンタル酸粉末0.4gを、テトラブチルアンモニウム水酸化物水溶液(TBAOH)100cmに加えて室温で約10日間振盪(180rpm)した。このとき、TBAOHの濃度を固体中のイオン交換性プロトンとのモル比TBA/H=0.1〜20まで変化させたところ、TBA/H=1〜10の範囲で乳白色の溶液が得られた。これらの溶液を2000rpmの回転数で10分間遠心分離し、沈降した未剥離成分を取り除くことによって、コロイド溶液を分離した。このコロイド溶液をさらに10000rpmの回転数で30分間遠心分離することによって得た糊状のゾルに対して、相対湿度95%下でX線回折測定(図4参照)を行った。
【0034】
その結果、低角に単層剥離に基づくハローと膨潤相に基づく回折線が検出された。このハローは、メッシュ構造を持った層状タンタル酸化物が単層レベルにまで細分化されたことを示す有力な証拠である。ここで、TBA/H比が大きくなるに従って膨潤相のピーク強度が強くなり、また面間隔も小さくなっていることから、RbTaOの剥離現象がTBA/Hの比に依存していることは明らかである。ゾル成分の生成量を強熱分析から求めたところ、TBA/H=1のとき仕込み量0.4gに対してゾル成分が約0.3g(約75%単層剥離)ともっとも多く得られていることがわかった。
【0035】
TBA/H=1の条件で得られたコロイド溶液のUV吸収スペクトル(図2)を測定したところ、200nm付近に強い吸収ピークが観測された。また、その強度は図2中挿入図に示すようにLambert−Beerの法則に従っていることから、層状タンタル酸化物が、単層剥離によって水溶液中にタンタル酸化物の微粒子として分散していることが示された。さらに、このスペクトルを、吸収光子のエネルギーの二乗を縦軸にプロットすると、吸収ピークの立ち上がりが直線となることから、約5.3eVの直接遷移に基
づくバンドギャップを持っていることがわかった。
【0036】
次に、単層剥離成分を含むコロイド溶液をCuグリッド上に滴下しTEM観察を行った。単層剥離成分中には、図3(a)のTEM像に示すように非常にコントラストの薄いシート状の物質が含まれていることがわかった。この薄いコントラストは、母結晶の単層剥離によってナノレベルまで細分化されたことを示すものである。図3(b)に示したコロイド中のシート状物質の電子回折パターンは、バルク体のホスト層同様に、二次元周期構造02、22、13、40、40に帰属される回折スポットが観測された。この結果は、コロイド中のシート状物質が図1に示した出発物質のホスト層と同一のメッシュ構造からなる二次元骨格を形成している根拠となる。
【0037】
表面を洗浄化したSi基板を塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム(pH9、 2.5gdm−3、NaCl 0.05mol含有)水溶液100cmに浸し、表面をポリカチオンで被覆した。次に、TBA/H=1の条件から得たコロイド溶液を超純水(比抵抗値;18MΩcm)で1/50に希釈し、塩酸を用いてpH9に調整した後、Si基板を浸した。このとき、単層剥離したメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物は負電荷を持つため、ポリカチオンとのレイヤーバイレイヤー自己組織化反応によって基板上に優先的に吸着させることができた。
【0038】
得られた薄膜試料のAFM観察の結果を図6(a)に示す。図6(a)中には、横サイズが100nmから400nm程度のシート状物質を多数観察することができる。図6(b)に示したシート状物質の断面プロファイルから、およそ1nm程度であることがわかり、大きな二次元異方性を持つ薄片状物質であることが示された。この観察結果は図3(a)のTEM観察の結果と一致している。
【0039】
次に、この薄膜試料の放射光面内回折測定(図5参照)を行ったところ、1/d=2nm−1から9nm−1の間に14本のピークが観測された。これらのピークは出発物質のホスト層と同様の二次元長方形格子ですべて指数付けすることができた。これら二次元周期に基づく回折ピークは電子回折の結果と一致しており、厚み1nm程度の薄片状酸化タンタルが出発物質のホスト層のメッシュ構造を保持していることを示している。この帰属した指数を用いた最小二乗法による解析の結果、薄片状酸化タンタルの二次元格子は、a=0.9567(1)nm、b=0.8490(2)nmとなった。
【0040】
以上、AFMで観察された薄片状酸化タンタルは、電子回折および放射光面内回折測定の結果から、母相のオープンチャンネルを持つホスト層構造を保持していることが明らかとなり、さらにAFM像のシートの厚みから、得られた薄片状物質は、元の層状化合物のホスト一層分に相当することから、メッシュ構造の酸化タンタル薄片状物質つまり“酸化タンタルナノメッシュ”であることがわかった。以上、本発明による嵩高いアンモニウムイオンとの混合・振盪によって、メッシュ構造のホスト層を持った層状タンタル酸化物Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)の単層剥離現象が誘発され、極薄のシート状物質“酸化タンタルナノメッシュ”として取り出すことが可能であることが示された。
【0041】
実施例2;
ポリジアリルジメチルアンモニウム(PDDA:pH9、2.5gdm−3、NaCl
0.05mol含有、20分浸漬)水溶液100cmにSi基板を浸し、表面をポリカチオンで被覆した。次に、実施例1のTBA/H=1の条件から得た薄片状酸化タンタルコロイド溶液を超純水(比抵抗値;18MΩcm)で希釈し、塩酸でpHを調整後、Si基板を浸し酸化タンタルナノメッシュを吸着させた。希釈率とpHの条件を変え積層したそれぞれの薄膜試料のAFM観察の結果から、図10に示すような高い被覆率(約
80%)を有する酸化タンタルナノメッシュ単層膜を合成する条件として、薄片状酸化タンタルコロイド溶液の濃度0.03g/l以上、pH10以上で20分間の浸漬が最適であることがわかった。
【0042】
次に、希釈した薄片状酸化タンタルコロイド溶液(0.03gdm−3、pH10.2)とPDDA水溶液(:pH9、2.5gdm−3、NaCl 0.5mol含有)を用いてSiO基板上に交互積層を行った。まず、基板をPDDA溶液に20分浸しポリカチオンを吸着させ、水洗後、薄片状酸化タンタルコロイド溶液に浸して単層膜を合成した。再びPDDA溶液に20分浸した後、薄片状酸化タンタルコロイド溶液に浸す工程を9回繰り返した。このとき、酸化タンタルナノメッシュを吸着させる度に紫外・可視吸収スペクトル測定でモニターした結果を図7に示す。
【0043】
基板上に吸着させた酸化タンタルナノメッシュにおいても、図2のコロイド溶液の紫外・可視吸収スペクトルと同様に200nm付近にピークトップが見られた。このピークトップと積層回数のプロットから、積層回数に比例して吸光度が増加していることが明らかとなった。これは、酸化タンタルナノメッシュと有機カチオンとの間で静電的自己組織化反応によるレイヤーバイレイヤーの交互積層が起きていることを示している。また、酸化タンタルナノメッシュを計10回積層させた試料のX線回折パターン(図11)には、積層した上下のナノメッシュ間の距離に相当するd=1.59nmの回折ピークおよびその2次線が観測されており、酸化タンタルナノメッシュが累積した有機/無機ハイブリッド超格子を持つ多層膜であることが示された。
【0044】
以上、本発明の酸化タンタルナノメッシュは、その負電荷を利用したポリカチオンとのレイヤーバイレイヤー自己組織化反応によって、単層膜から超格子構造を持つ多層膜まで任意に設計することが可能であることが示された。
【0045】
実施例3;
実施例2の酸化タンタルナノメッシュ単層膜を暗所に5週間保持し、超純水(比抵抗値;18MΩcm)を表面に滴下後、その接触角を測定したところ、19.8±2.2度となった。この試料にHgXeランプを用いて紫外線(257nm以下積分強度110mW)を照射した。その結果、図8に示すように照射時間が増加するに伴って接触角が減少する傾向が見られた。このとき、300分以上紫外線を照射すると、接触角が5〜7度程度まで減少しており、酸化タンタルナノメッシュが光誘起超親水性を発現することが示された。
【0046】
以上の実施例では、出発物質としてRbTaOを用いた例を示したが、RbTaOと類似したメッシュ構造を有する層状化合物であれば、RbTaO以外の化合物も使用することができると考えられ、これを除外する理由はない。しかし、同組成比を持つアルカリ層状タンタル酸化物としてATaO(A=Li、Na、K)が知られているが、これらはいずれもホスト層にメッシュ構造を持った層状化合物は報告されていない。一方、CsTaOについては単斜晶系のユニットセルを持つことが報告されているが、構造の詳細は明らかになっていない。出発物質として使用し得る物質は、現段階ではRbTaOがもっとも好ましいものとして挙げられる。
【0047】
また、ナノメッシュを構成する貫通孔の平均直径、単位面積あたりの孔の分布率等は、開示されたナノメッシュの電子回折、面内X線回折から、結晶構造が既知のRbTaOのホスト層を保持していることは明らかであり、そのため、ナノメッシュは、この元の層状化合物のホスト層の結晶構造データから、その孔のサイズ等は以下のように計算によって特定することができる。すなわち、元のホスト層ではオープンチャンネルの構造から孔は、(i)正方形と(ii)ひし形の孔の計2種類を有している。酸素間の距離から求めたそれ
ぞれの面積は(i)0.076nm、(ii)0.069nmと計算される。イオンが通り
抜けることを考慮して酸素のイオン半径(0.14nm)を除けば、孔としてのフリースペースの面積は、それぞれ(i)0.0121nmと(ii)0.0078nmとなる。一
つのユニットセル中には(i)が2個、(ii)が4個、計6個の孔があり、ユニットセルの大
きさは計算で0.815nmと与えられるから、結局、
1.単位面積あたりの孔の数:6/0.815=7.(3個/nm
2.単位面積あたりの孔の面積の割合:(0.076×2+0.069×4)/0.815×100=52.5(%)
3.酸素のイオン半径を考慮した場合の単位面積あたりの孔のフリースペースの割合:(0.0121×2+0.0078×4)/0.815×100=6.8 (%)、で本ナノメッシュの構造的特徴が与えられる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、オープンチャンネルが規則的に配列したメッシュ構造を有するホスト層が累積した構造を持つ層状タンタル酸化物を単層剥離することによって、成膜性・塗布性に富んだメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物を得るのに成功したものであり、その特異な形態を活かし各種薄膜材料やコーティング材など様々な分野へ利用されることが期待される。特に、本発明のメッシュ構造の薄片状酸化物はイオンがシートを透過するパスとなりうるホールを有しており、化学的安定性・耐薬品性に優れていることから、リチウムイオン二次電池などの電極材料のコーティング材として優れた特性を発揮することが予想される。
【0049】
さらには、元の層状タンタル酸化物が高い誘電率を持つ上に強誘電体として知られており、本発明によって得られた薄片状タンタルナノメッシュもまた同様の特性を示すことが期待される。近年、携帯電話やパソコンといった電子デバイスの小型化が急速に進められている中、それらデバイスの根底をなす強誘電体材料の薄膜化は重要な研究課題となっている。中でも固体電解コンデンサーには、小型・大容量で寿命の長いタンタル酸化物が実用化され広く普及している。本発明による層状タンタル酸化物の剥離から得られた酸化タンタルナノメッシュは、厚み1nm以下という特徴を備えており、前述のレイヤーバイレイヤー法などによって材料成形性に富んでいることから、まったく新しい薄膜誘電材料が産み出されることが期待される。
【0050】
すなわち、本発明によってメッシュ構造を持つ薄片状タンタル酸化物が提供され、前記した用途を始めとして、同成分を必要とする材料設計において活発に用いられ、利用されるものと期待されることから、その意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】メッシュ構造の層状タンタル酸化物の結晶構造の(a)b軸投影図と(b)ルビジウムイオンを除いてホスト層法線方向から見た図。
【図2】実施例1の単層剥離から得られたコロイド溶液の紫外・可視吸収スペクトルを示す図と各濃度におけるピークトップの吸光度をプロットした図。
【図3】実施例1の(a)単層剥離した薄片状タンタル酸化物をCuグリッドに吸着させて観察したTEM像を示す図と(b)その電子回折パターンを示す図。
【図4】TBA/H=1、5、10で混合・振盪したコロイド溶液から遠心分離によって得たゾル成分の相対湿度95%下における粉末X線回折パターンを示す図。
【図5】実施例1の単層剥離から得られたメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物単層膜の放射光面内回折パターンを示す図。
【図6】実施例1の(a)単層剥離から得られたメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物のAFM像と(b)その断面プロファイルを示す図。
【図7】実施例1の単層剥離から得られたメッシュ構造の薄片状タンタル酸化物と有機カチオンをレイヤーバイレイヤーによって交互積層したときの紫外・可視吸収スペクトルを示す図と積層回数毎におけるピークトップの吸光度をプロットした挿入図。
【図8】実施例3の酸化タンタルナノメッシュ単層膜にHgXeランプで紫外線(257nm以下積分強度550mW)を照射したときの水の接触角の変化を示す図。
【図9】RbTaOとそれを1規定の塩酸水溶液で1、2、3日間処理したサンプルの粉末X線回折パターンを示す図。
【図10】実施例2の酸化タンタルナノメッシュ単層膜のAFM像を示す図。
【図11】実施例2の酸化タンタルナノメッシュを有機カチオンと10回交互積層した試料のX線回折パターンを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元薄片状を呈し、多数の規則的に配列された貫通孔によって形成されたメッシュ構造を有することを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項2】
前記酸化タンタルナノメッシュが、結晶学的厚み1nm以下、横サイズサブミクロンから数ミリの範囲である、請求項1に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項3】
前記酸化タンタルナノメッシュが、オープンチャンネルを有するホスト層が積層したタンタル酸化物から出発して、この出発物質を単層剥離することによって得られることを特徴とする、請求項1または2に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項4】
前記単層剥離する手段が、前記出発物質に対してその層間にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する第1の段階、次いで嵩高いカチオンを含む溶液と接触させる第2の段階、の2段階工程からなることを特徴とする、請求項3に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項5】
前記出発物質として、組成式RbTaOで表される層状酸化物が用いられることを特徴とする、請求項3または4に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項6】
前記出発物質が組成式RbTaOで表される層状酸化物である場合、前記出発物質にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する前記第1の段階によって、組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)で示される固体酸性を有する化合物が誘導され、次いで第2の段階が行われることを特徴とする、請求項4または5に記載する酸化タンタルナノメッシュ。
【請求項7】
オープンチャンネルを有するホスト層が積層したタンタル酸化物から出発し、これを単層剥離することによって酸化タンタルナノメッシュを得ることを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
【請求項8】
前記単層剥離する手段が、前記出発物質に対してその層間にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する第1の段階、次いで嵩高いカチオンを含む溶液と接触させる第2の段階、の2段階工程によって行われることを特徴とする、請求7に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
【請求項9】
前記出発物質が、組成式RbTaOで表される層状酸化物である、請求項7に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
【請求項10】
前記出発物質が組成式RbTaOで表される層状酸化物である場合、前記出発物質にプロトンまたはオキソニウムイオンを導入する前記第1の段階によって、組成式Rb1−xTaO・nHO(0≦x≦1、0≦n≦2)で示される固体酸性を有する化合物が誘導され、次いで第2の段階が行われることを特徴とする、請求項8または9に記載する酸化タンタルナノメッシュの製造方法。
【請求項11】
前記請求項ないし6の何れか1項に記載する酸化タンタルナノメッシュを、累積して成膜化する成膜材料として使用することを特徴とする、酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
【請求項12】
前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜がイオン透過性を有することを特徴とする、請求項11に記載する酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
【請求項13】
前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜が光触媒として使用し得ることを特徴とする、請求項11に記載する酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。
【請求項14】
前記成膜材料を使用して成膜化し、成膜化して得られた膜が誘電材料並びに強誘電材料として使用し得ることを特徴とする、請求項11に記載する酸化タンタルナノメッシュからなる成膜材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−284277(P2007−284277A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111947(P2006−111947)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人科学技術振興機構 光機能自己組織化ナノ構造材料の創製委託研究 産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】