説明

酸化チタン等光触媒能を有する成分含有、及び、経根、葉面吸収を目的としたチタンイオンを含む植物栄養剤、葉面散布剤、農薬等組成物。

【課題】 現在、残留農薬、農薬の使いすぎ等の問題が大きくなっている。また、農薬散布後の、受粉用の昆虫に対して問題が多く、残効性の影響で動きが悪くなる等の課題がある。また、植物体への、硝酸体窒素の蓄積等の問題がある。
【解決手段】 酸化チタン等光触媒能を有する組成分を配合することにより、農薬等の早期分解、菌等に対する抑止力として働き、残留農薬の軽減、使いすぎ等に効果がある。また、チタンイオンを含有させることにより、硝酸体窒素の軽減、葉緑体の増加、甘み成分、栄養成分等の増加に効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に必要な栄養素、または、殺菌殺虫剤としての成分を含み、かつ酸化チタン等光触媒能を有する成分を含有させることにより、植物体の栄養補給の成分と共に残留農薬や細菌、害虫を光触媒効果で低減させるものである。また、最近の研究結果から、植物の硝酸体窒素の低減や、葉緑体の増加、甘み成分の向上にチタンイオンが関与しているとの研究結果がある。
【背景技術】
【0002】
植物栽培全般特に農業関係で、栄養剤的な形での葉面散布。殺菌剤、殺虫剤の散布は通常行われている。また、肥料等の成分としてTiは、不純物として入っていることはあっても故意に、植物体にとって有効な成分として認められていない成分である。
【0003】
特に夏場の植物体の熱さでの収穫量の減には、微量成分等の葉面散布の効果があると言われている。また、農薬散布も病気、害虫に対して行われていることである。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、農薬散布による残留農薬問題、残留農薬によって受粉用の昆虫への影響等が以前から問題になっている。また、植物体中への、硝酸体窒素の蓄積等による弊害(エグミ、苦味)も起こってきている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの問題を解決するために、植物栄養剤、葉面散布剤、農薬等の成分と共に酸化チタンを含有させて、光触媒効果により植物体表面の細菌、ウィルス、虫等病気食害を引き起こす物を、分解無効力化するようにしたものである。また、植物体中への、硝酸体窒素の蓄積等による弊害の防止、葉緑体の増加の目的で、チタンイオンを含有させ、経根、葉面吸収により植物体へ供給する。
【0006】
光触媒成分を含有させることにより、農薬成分と含有させることにより農薬成分の残留を短くすることができる。
なぜなら、細菌等も農薬も有機物で構成されており、光触媒で、有機物を分解して殺菌、殺虫、残留農薬低減が可能となる。このように、病原、食害源を減らすことができ、かつ残留農薬等も低減することができる。
【0007】
また、チタンイオンを含有させることにより、硝酸体窒素の低減、葉緑体の増加が期待され、ひいては、甘み成分、栄養成分等の増加を図ることができる。
【発明を実施するための最良の方法】
【0008】
以下本発明について説明する。
【0009】
植物体に経根または、葉面、茎から吸収させる目的で水溶性の成分(植物体の生育、収量、食味、発色等に有効となる成分。たとえば、アミノ酸、カルシウム等のような成分(肥料成分。)を1成分以上、または、殺菌、殺虫成分を有する成分を含有するもの。植物体に対し有効となる水溶性成分と殺菌、殺虫成分を有する成分が2種類以上含んでいても良い。
【0010】
これらのものを第1成分とし故意に含有させ、第2成分として、酸化チタン粒子を分散懸濁させたもの。または、光触媒能のような効果を発揮する成分。これらを1種類以上含んでいる物。
【0011】
酸化チタン粒子または、光触媒能のような効果を発揮する成分は、0.01μmから20μm好ましくは、0.05μmから5μm程度の1次粒子径を持つアナターゼ型の結晶を有したもの。光触媒能を有する成分は効果が最大限に発揮できるようにしたもの。または、使用希釈時に水にこの大きさで分散するもの、効果が最大限に発揮するようにしたものでも構わない。
【0012】
第3成分として、第2成分である酸化チタン等光触媒能を有する成分が、保存状態や使用時期までの間、凝集して粒子径が大きくならないようにする凝集防止剤として、有機アルカリ、無機アルカリ、有機酸、無機酸、分散剤等を添加して、pHを0から5または、7から13好ましくは、2から4または、9から10にする。また、分散助剤として、界面活性剤等を添加することもできる。
【0013】
凝集粒子が発生すると、散布装置の目詰まり、表面積低下による光触媒効果の低下、葉面等植物体への酸化チタン汚れに因る、気孔詰まり、日光遮断による光合成阻害等が、懸念される。
【0014】
上記組成物と硫酸チタン、塩化チタン、硫酸チタニル等、チタン化合物をTi成分として1ppb以上散布時に含有させたもの。または、上記の酸化チタンのみの効果を期待して酸化チタンのみ、チタンイオンの効果を期待してチタンイオンのみ含有していてもかまわない。両方の効果を期待して、両方含有していてもかまわない。
【実施例】
【0015】
酸化チタン500g(アナターゼ型パウダー粒子径約10μの物)を、純水950gに投入し、それをボールミルを使用することにより5%酸化チタン含有、粉砕中心粒子径1.5μmの酸化チタン水分散液を得た。
そのとき、塩酸を2.5g添加してpH3.5にしてボールミル処理を行った。
【0016】
上記、酸化チタン水分散液1リットル採り、4リットルのpH3程度の微量成分入り葉面散布剤(市販品(株)マーク製植物活力L)に攪拌しながら混合した。
【0017】
これに、硫酸チタンを、3ppmになるように適量混合攪拌した。
【発明の効果】
【0018】
これを、1000倍希釈して展着剤(商品名アプローチ)を使用しビオラに散布した(週1回程度)。凝集による汚れ、チタンイオン等による葉焼け等は見られなかった。
【0019】
また、通常の栽培をしている物と比較して、2ヵ月後約1.5倍から2倍の株の大きさになった。
【0020】
また、これを、うどんこ病が少し見られるバラに散布したところ2日から3日程度で、うどんこ病特有の白い菌糸等が消えて赤褐色になった。これは、酸化チタンがうどんこ病を攻撃したものである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
現在の農業(植物栽培)に、葉面散布剤、農薬等は必須の物となっている。これらと酸化チタン等光触媒能を有する成分を、併用すれば、減農薬化に効果を表すことができる。また、同時に散布することができれば、省力化にもつながる物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタン等光触媒能を有する成分を含有し、かつ植物栄養剤、葉面散布剤、農薬成分を含む、光触媒配合組成物。
【請求項2】
植物に、経根,葉面から吸収させる目的で組成分として、チタンイオンを含む植物栄養剤、葉面散布剤等組成物。
【請求項3】
成分中に、酸化チタンを凝集させない成分として、有機アルカリ、無機アルカリ、有機酸、無機酸、界面活性剤、分散剤等を含み、使用希釈時の酸化チタン等光触媒能を有する成分の凝集、沈殿、失活を防止するものを含有するもの。

【公開番号】特開2008−150351(P2008−150351A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357268(P2006−357268)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(591183418)株式会社マーク (9)
【Fターム(参考)】