説明

酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法

【課題】内部に空洞を有するタンパク質を利用して酸化亜鉛のナノ粒子の元となる酸化亜鉛−タンパク質複合体を得ること。
【解決手段】本発明に係る酸化亜鉛−タンパク質複合体は、フェリチンに代表されるような内部に空洞を有するタンパク質、亜鉛イオン、およびアンモニアを含有する緩衝液を添加する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にも例示されるように、フェリチンに代表される内部に空洞を有するタンパク質の当該空洞に金属、金属塩、または金属化合物を充填させ、さらにこのようなタンパク質を複数個、二次元的に整列させた後に当該タンパク質を焼失させることにより、量子ドットに代表されるドット体を有する半導体装置の製造方法が知られている。
【特許文献1】特開2003−86715号公報
【特許文献2】国際公開第2006/132050号パンフレット
【特許文献3】特開2006−269660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、タンパク質の空洞に酸化亜鉛を充填させること、すなわち、酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造を試みた。
【0004】
特許文献2に示されているように酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造には過酸化水素水を用いることが必須とされている。
【0005】
本発明者の知るかぎり、過酸化水素水を用いないで、酸化亜鉛−タンパク質複合体の作製方法の公知文献は無い。
【0006】
本発明者は鋭意検討した結果、過酸化水素水を用いなくても、酸化亜鉛−タンパク質複合体を得られるという知見を見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、酸化亜鉛−タンパク質複合体を、効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明に係る酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法は、内部に空
洞を有するタンパク質、亜鉛イオン、およびアンモニア、を含有する緩衝液の濃度が、数1から数10までの関係式を満たすように添加する工程を有する。
【0009】
タンパク質濃度を(Wmg/mL)、亜鉛イオン濃度を(XmM)、アンモニア濃度を(ZmM)、pHの値(Y)とおいた時、数1から数9までの関係式を満たす。
【0010】
(数1)3≦X≦10
(数2)Y2≦Y≦Y1
(数3)Y1=0.0286X+9.9143
(数4)Y2=0.0429X+9.3714
(数5)Z2≦Z≦Z1
(数6)Z1=28.571X+40.952
(数7)Z2=7.1429X+66.905
(数8)0.2≦(X/10)≦0.4の時はW=(X/10)
(数9)0.4≦(X/10)の時はW=0.4
亜鉛イオン添加工程の前に、緩衝液にタンパク質を添加する亜鉛イオン添加工程を有することが好ましい。
【0011】
タンパク質添加工程の前に、緩衝液にアンモニアを添加する亜鉛イオン添加工程を有することが好ましい。
【0012】
緩衝液はCAPSO緩衝液であることが好ましい。
【0013】
アンモニアは亜鉛イオンに配位していることが好ましい。
【0014】
内部に空洞を有するタンパク質はフェリチンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、均一な大きさを有する酸化亜鉛のナノ粒子を効率よく得るための、酸化亜鉛を内包するフェリチンを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、フェリチン、亜鉛イオン、およびアンモニアを緩衝液に添加する工程を有する本発明を詳細に説明する。
【0017】
本明細書においては、「酸化亜鉛−タンパク質複合体」を単に「複合体」と呼ぶことがある。
【0018】
また、濃度についてはmM(ミリモーラ、すなわち、mmol/L、ミリモル/リットル)を用いるが、これは得られた緩衝液、とりわけ亜鉛イオンを供給した後の緩衝液における試薬の濃度を意味する。
【0019】
すなわち、「アンモニアの濃度が100mMである」と記載した場合、これは亜鉛イオンを供給した後の緩衝液に含まれるアンモニアの濃度が100mMという意味である。
【0020】
緩衝液に供給されるアンモニア水におけるアンモニア濃度が100mMという意味ではない。また、別途、記載しない限り、亜鉛イオンを供給する前における緩衝液に含まれるアンモニアの濃度が100mMという意味でもない。
【0021】
pHについても同様であり、別途、記載しない限り、亜鉛イオンを供給した後の緩衝液のpHを意味する。
【0022】
(内部に空洞を有するタンパク質について)
内部に空洞を有するタンパク質としては、フェリチンを挙げることができる。
【0023】
天然のフェリチンはウマの脾臓から公知の方法で得ることができる。
【0024】
本明細書で用いられる用語「フェリチン」とは、天然の(すなわち、野生の)フェリチンの他、遺伝子組み替え技術により一部の塩基が他の塩基に置換された遺伝子組み替えフェリチンを含む。このような遺伝子組み替えフェリチンは、特開2003−33191号公報に例示される。
【0025】
さらに、内部の空洞に金属、金属塩、または金属化合物が充填されていないフェリチンを、充填されたフェリチンと区別するために「アポフェリチン」と呼ぶことがあるが、明瞭にこれらを区別しない限り、用語「フェリチン」にはアポフェリチンを含む。
【0026】
以下、図1を用いて、アポフェリチンについて説明する。
【0027】
図1(a)は、アポフェリチンの構造を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
【0028】
図1(a)に示すように、アポフェリチン10は、1本のポリペプチド鎖から形成されるモノマーサブユニット20が非共有結合により24個集合した分子量約46万の球状たんぱく質である。
【0029】
そして、その直径は約12nmであり、通常のたんぱく質に比べて、高い熱安定性と高いpH安定性を有している。
【0030】
さらに、アポフェリチン10の中心には、図1(b)に示すように直径約7nmの空洞状の保持部40を有し、外部とチャンネル30を介してつながっている。
【0031】
以下では、アポフェリチン10の保持部40に、ナノ粒子が形成されるメカニズムについて、生体内で行われている鉄原子を例に説明する。
【0032】
アポフェリチン10の外部と内部とを結ぶチャンネル30の表面には、pH5以上の条件下でマイナス電荷を持つアミノ酸が露出している。
【0033】
そして、プラス電荷を持っている2価の鉄イオンは、マイナス電荷を持つアミノ酸との静電相互作用によりチャンネル30に取り込まれる。
【0034】
さらに、アポフェリチン10の保持部40の内表面には、チャンネル30の内表面と同じく、pH5以上でマイナス電荷を持つアミノ酸残基であるグルタミン酸残基が多く露出している。
【0035】
そのため、チャンネル30から取り込まれた2価の鉄イオンは、一部のサブユニット内にあるferroxidasecenter(鉄酸化活性中心)と呼ばれる場所で酸化され、内部の保持部40へと導かれる。そして、静電相互作用により鉄イオンは濃縮されて、フェリハイドライト(5Fe2O3・9H2O)結晶の核形成が起こる。
【0036】
その後、順次取り込まれる鉄イオンは、フェリハイドライト結晶の核に付着して酸化鉄からなる核が成長し、直径7nmの酸化鉄からなるナノ粒子が保持部40内に形成される。
【0037】
現在までに、このアポフェリチンを用いて、人工的に以下に示すような鉄以外の金属や金属化合物を担持させたナノ粒子−アポフェリチン複合体が作製されている。
【0038】
例えば、マンガン、ウラン、ベリリウム、アルミニウムおよび亜鉛などである。
【0039】
なお、上記では、鉄イオンのアポフェリチンへの取り込みメカニズムについて述べたが、これまでに導入が報告されている他の金属イオンについても、鉄イオンとほぼ同じメカニズムで進むと考えられる。
【0040】
そして、これらの金属あるいは金属化合物からなるナノ粒子の直径も、アポフェリチンの保持部40の直径とほぼ等しく、約7nmである。
【0041】
空洞を有するタンパク質であれば、単一のサブユニットから構成されているタンパク質であっても、複数のサブユニットから構成されているタンパク質であってもアポフェリチンの代わりに用いることができる。
【0042】
タンパク質は、その空洞の形状が球状に限定されることはなく、ロッド状、リング状などの保持部を有するものであってもよい。一例として、Dpsタンパク質およびウイルスタンパク質を挙げることができる。
【0043】
例えば、Dpsタンパク質(直径9nmであり、内部に直径4nmの保持部を有する球殻状たんぱく質)を用いた場合、直径が4nmの酸化亜鉛のナノ粒子を作製することができる。
【0044】
ウイルスタンパク質としては、例えば、CPMV、CCMV、HSV、Rotavirus、Reovirus、LA−1、Polyoma、CaMV、HPV、RossRiver、SpV−4、φX174、FHV、HRV−14、Polioなどが挙げられる。
【0045】
その中でも、取り扱いの容易性や形状を考慮すれば、CPMV、CCMVのウイルスタンパク質を用いることが好ましい。
【0046】
以上述べたように、本実施の形態によれば、用いるたんぱく質の空洞状の保持部の形状、大きさに応じた酸化亜鉛のナノ粒子を形成することができる。
【0047】
ここでいう「ナノ粒子」とは、50nm以下で、かつ粒子として安定に存在する大きさ以上の粒子をいう。一例を挙げれば、直径1nm〜50nmの粒子がナノ粒子に相当する。
【0048】
(亜鉛イオンについて)
緩衝液は亜鉛イオンを含有する。
【0049】
亜鉛イオンの由来は特に限定されず、一般に金属塩として緩衝液に供給される。
【0050】
収率の観点からは、後述する実施例2および図3からも明らかなように、アンモニアを緩衝液に供給しておくことが好ましい。
【0051】
亜鉛イオンの濃度は3mM以上10mM以下であることが好ましい。
【0052】
亜鉛イオンの濃度が3mM未満ではあまりにも亜鉛イオン濃度が薄すぎるために複合体の形成が困難となる傾向がある。
【0053】
後述する実施例2および図3からも明らかなように、亜鉛イオンの濃度が6.5mMであることが最も好ましく、これよりも濃度が高くなると収率が低下し得る。
【0054】
亜鉛イオンの濃度が10mMを超えることは、非効率的である。
【0055】
特に、硝酸亜鉛を用いる場合、この傾向および効率性が顕著に現れる。
【0056】
硝酸亜鉛の代わりに、酢酸亜鉛もしくは硫酸亜鉛を緩衝液に供給しても良い。
【0057】
緩衝液に亜鉛イオンを供給した後、18時間以上放置する。
【0058】
その後、遠心分離などにより、緩衝液から複合体を得ることができる。
【0059】
(アンモニアについて)
緩衝液はアンモニアを含有する。
【0060】
本発明においては、アンモニアは亜鉛イオンに配位子として配位していると考えられる。
【0061】
アンモニアは、アンモニア水として緩衝液に供給される。
【0062】
後述する実施例2および図3からも明らかなように、亜鉛イオン濃度を(XmM)とした時、アンモニアの濃度(ZmM)は
(数1)3≦X≦10
(数5)Z2≦Z≦Z1
(数6)Z1=28.571X+40.952
(数7)Z2=7.1429X+66.905
であることが好ましい。
【0063】
(緩衝液について)
緩衝液としては特に限定されないが、CAPSO緩衝液を用いることが好ましい。
【0064】
後述する実施例3および図4からも明らかなように、亜鉛イオン濃度を(XmM)とした時、緩衝液のpH(Y)は
(数1)3≦X≦10
(数2)Y2≦Y≦Y1
(数3)Y1=0.0286X+9.9143
(数4)Y2=0.0429X+9.3714
であることが好ましい。
【0065】
緩衝液の種類は実施例6および表3からも明らかなように、MES緩衝液およびHEPES緩衝液でかまわない。
【0066】
以下、本発明を実施例(実験データ)と共にさらにより詳細に説明する。
【0067】
(実施例1)
この実施例1では、酸化亜鉛−タンパク質複合体の作製の一例を示す。
【0068】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニアをCAPSO緩衝液に添加した。
【0069】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 325μL
1000mM アンモニア水 150μL
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水 321.6μL
pHは、その値が9.8になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0070】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のpHは9.8であった。
【0071】
硝酸亜鉛を添加した後のCAPSOの濃度は50mMであり、硝酸亜鉛を添加した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mLであり、硝酸亜鉛を添加した後の硝酸亜鉛の濃度は6.5mMであり、硝酸亜鉛を添加した後のアンモニアの濃度は150mMであった。硝酸亜鉛を添加した後のpHは9.8であった。緩衝液の総量は1mLであった。なお、後述する実施例2〜6においても、緩衝液の総量は1mLであった。
【0072】
その後、CAPSO緩衝液を18時間放置した。
【0073】
次いで、遠心分離機を用いて、3000rpmで20分、遠心分離して沈殿物を除去した。
【0074】
図2は、実施例1の透過型電子顕微鏡写真である。
【0075】
矢印に示されるフェリチンに酸化亜鉛が含まれている。
【0076】
なお、この写真の取り方はすでに知られているが、ここでは念のため、以下、説明する。
【0077】
タンパク質だけのアポフェリチンを、直接電子顕微鏡で観察すると、何も見えない。そこで、金グルコースと呼ばれる染色剤でアポフェリチンを染色する。すると、アポフェリチンの周りが金グルコースで占められることにより、アポフェリチン部分は白い丸、アポフェリチンのまわりは黒くなり、アポフェリチンを確認することができる。なお、金グルコースはアポフェリチンの中には入らない。
【0078】
酸化亜鉛のコアが入っているフェリチンでは、白い丸の真ん中に黒い酸化亜鉛のコアが見える。すなわち、ドーナツ状に見えているのが、フェリチンであり、白いドーナツ部がフェリチンのタンパク質部分、ドーナツの内側が酸化亜鉛のコアである。
【0079】
このようにして、コアの入ったドーナツ状のフェリチンの数とコアの入っていない白丸のアポフェリチンの数を数えて、写真に写っているアポフェリチン+フェリチンの数の内、何パーセントがフェリチンであるか、確認した。
【0080】
写真を確認した結果、80%以上のフェリチンに酸化亜鉛のコアが確認された。
【0081】
すなわち、特許文献2を初めとする従来例からは考えられない過酸化水素水が無い溶液で効率よく酸化亜鉛−タンパク質複合体を形成できることが確認された。
【0082】
(実施例2)
この実施例2では、アンモニア濃度および亜鉛イオン濃度について実施したデータを示す。
【0083】
本実施例では、以下に示すように、溶液の亜鉛イオン濃度を一定にしておいて、アンモニアの濃度を調整することにより、実施したデータを示す。
【0084】
本実施例では3種類の亜鉛イオン濃度で、アンモニア濃度について実施したデータを示す。
【0085】
第1の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が3mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0086】
溶液中のpHが9.8近傍となるように水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0087】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニウム(アンモニア水)、およびCAPSO緩衝液に添加した。
【0088】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 150μL
1000mM アンモニア水
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水
アンモニア濃度は、その値がそれぞれの溶液で75mMの時は75μL、90mMの時は90μL、120mMの時は120μL、150mMの時は150μLになるように、アンモニア水を加えることにより調整した。
【0089】
ミリQ水は、各アンモニア濃度の溶液で、総量が1mLになる量を入れた。
【0090】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.8近傍になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0091】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のアンモニア濃度は、それぞれの溶液で、75mM、90mM、120mM、150mMであった。
【0092】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は3mMであった。硝酸亜鉛を混合した後のpHは9.8近傍であった。
【0093】
第2の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が6.5mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0094】
溶液中のpHが9.8近傍となるように水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0095】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニウム(アンモニア水)、およびCAPSO緩衝液に添加した。
【0096】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 325μL
1000mM アンモニア水
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水
アンモニア濃度は、その値がそれぞれの溶液で100mMの時は100μL、150mMの時は150μL、250mMの時は250μLになるように、アンモニア水を加えることにより調整した。
【0097】
ミリQ水は、各アンモニア濃度の溶液で、総量が1mLになる量を入れた。
【0098】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.8近傍になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0099】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のアンモニア濃度は、それぞれの溶液で、100mM、150mM、250mMであった。
【0100】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は6.5mMであった。硝酸亜鉛を混合した後のpHは9.8近傍であった。
【0101】
第3の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が10mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0102】
溶液中のpHが9.8近傍となるように水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0103】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニウム(アンモニア水)、およびCAPSO緩衝液に添加した。
【0104】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 500μL
1000mM アンモニア水
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水
アンモニア濃度は、その値がそれぞれの溶液で130mMの時は130μL、140mMの時は140μL、320mMの時は320μL、340mMの時は340μLになるように、アンモニア水を加えることにより調整した。
【0105】
ミリQ水は、各アンモニア濃度の溶液で、総量が1mLになる量を入れた。
【0106】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.8近傍になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0107】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のアンモニア濃度は、それぞれの溶液で、130mM、140mM、320mM、340mMであった。
【0108】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は10mMであった。硝酸亜鉛を混合した後のpHは9.8近傍であった。
【0109】
そして、得られた溶液を、室温中に18時間放置し、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を検討した。
【0110】
このとき、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態の評価は、実施例1と同様、透過電子顕微鏡(TEM:TransmissionElectron Microscope)の観察により行った。
【0111】
以下に、上記3つの亜鉛イオン濃度で得られた溶液を室温中で18時間放置した後の酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態をまとめて図3に示す。なお、図3は、溶液のアンモニア濃度の値と亜鉛イオンの濃度に対する酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を相対的に示している。
【0112】
図3は、硝酸亜鉛濃度とアンモニア濃度の変化に対する酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を求めた結果である。
【0113】
図中の記号は、タンパク質の全量に対する酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成比率を示し、「◎」は80%以上、「○」は10%以上80%未満、「△」は10%未満、「×」は0%またはほとんど形成されていないことを表している。このことは、図4でも同じである。
【0114】
図3に記載されている直線Z1はZ1=28.571X+40.952、直線Z2はZ2=7.1429X+66.905を示しており、数値(mM)はアンモニア濃度を示している。
【0115】
図3に示されるように、緩衝液に含まれる硝酸亜鉛濃度が、3mM以上、10mM以下の時に、亜鉛イオン濃度を(XmM)とし、アンモニアの濃度(ZmM)とすると
(数1)3≦X≦10
(数5)Z2≦Z≦Z1
(数6)Z1=28.571X+40.952
(数7)Z2=7.1429X+66.905
で記載される範囲において、酸化亜鉛−タンパク質複合体が形成できることが理解される。
【0116】
(実施例3)
この実施例3では、pHおよび亜鉛イオン濃度について実施したデータを示す。
【0117】
本実施例では、以下に示すように、溶液の亜鉛イオン濃度を一定にしておいて、pHを水酸化ナトリウムで調整することにより実施した。
【0118】
本実施例では3種類の亜鉛イオン濃度で、pHについて実施したデータを示す。
【0119】
第1の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が3mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0120】
溶液中のアンモニア濃度が100mMとなるようにアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0121】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニアをCAPSO緩衝液に添加した。
【0122】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 150μL
1000mM アンモニア水 100μL
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水 546.6μL
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.4、9.5、10.0、10.6になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0123】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のpHは、それぞれの溶液で9.4、9.5、10.0、10.6であった。
【0124】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後のアンモニア濃度は100mM、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は3mMであった。pHの調整は主として水酸化ナトリウムを緩衝液に添加することによって行った。
【0125】
第2の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が6.5mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0126】
この領域では、実施例1と同様にして溶液を作製した。
【0127】
溶液中のアンモニア濃度が150mMとなるようにアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0128】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.2、9.8、10.6になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0129】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のpHは、それぞれの溶液で9.2、9.8、10.6であった。
【0130】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後のアンモニア濃度は150mM、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は6.5mMであった。pHの調整は主として水酸化ナトリウムを緩衝液に添加することによって行った。
【0131】
第3の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が10mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0132】
溶液中のアンモニア濃度が250mMとなるようにアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0133】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニアをCAPSO緩衝液に添加した。
【0134】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン 3.36μL
20mM 硝酸亜鉛 500μL
1000mM アンモニア水 250μL
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水 46.6μL
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.6、9.8、10.2、10.6になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0135】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後のpHは、それぞれの溶液で9.6、9.8、10.2、10.6であった。
【0136】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアポフェリチンの濃度は0.2mg/mL、硝酸亜鉛を混合した後のアンモニア濃度は250mM、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は10mMであった。pHの調整は主として水酸化ナトリウムを緩衝液に添加することによって行った。
【0137】
そして、得られた溶液を、室温中に18時間放置し、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を検討した。
【0138】
このとき、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態の評価は、実施例1と同様、透過電子顕微鏡(TEM:TransmissionElectron Microscope)の観察により行った。
【0139】
以下に、上記3つの亜鉛イオン濃度で得られた溶液を室温中で18時間放置した後の酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態をまとめて図4に示す。なお、図4は、溶液のpHの値と亜鉛イオンの濃度に対する酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を相対的に示している。
【0140】
図4に記載されている直線Y1はY1=0.0286X+9.9143、直線Y2はY2=0.0429X+9.3714を示している。
【0141】
図4に示されるように、緩衝液に含まれる硝酸亜鉛濃度が、3mM以上、10mM以下の時に、亜鉛イオン濃度を(XmM)とし、pHを(Y)とすると
(数1)3≦X≦10
(数2)Y2≦Y≦Y1
(数3)Y1=0.0286X+9.9143
(数4)Y2=0.0429X+9.3714
で記載される範囲において、酸化亜鉛−タンパク質複合体が形成できることが理解される。
【0142】
(実施例4)
この実施例4では、タンパク質濃度について実施したデータを示す。
【0143】
本実施例では、以下に示すように、溶液の亜鉛イオン濃度を一定にしておいて、タンパク質濃度を調整することにより実施した。
【0144】
本実施例では2種類の亜鉛イオン濃度で、タンパク質濃度について実施したデータを示す。
【0145】
第1の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が3mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0146】
溶液中のアンモニア濃度が100mMとなるようにアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0147】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニアをCAPSO緩衝液に添加した。
【0148】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン
20mM 硝酸亜鉛 150μL
1000mM アンモニア水 100μL
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水
59.54mg/mLの市販アポフェリチンは、硝酸亜鉛を混合した後の市販アポフェリチン濃度が0.1mg/mLの時は1.68μL、0.2mg/mLの時は、3.36μL、0.3mg/mLの時は5.04μL、0.4mg/mLの時は6.72μL、20mg/mLの時は335.91μL入れた。
【0149】
ミリQ水は、各市販アポフェリチン濃度で、総量が1mLになる量を入れた。
【0150】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.5になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0151】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後の市販アポフェリチン濃度は、それぞれの溶液で、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、20mg/mLであった。
【0152】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアンモニア濃度は100mM、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は3mMであった。pHの調整は主として水酸化ナトリウムを緩衝液に添加することによって行った。
【0153】
そして、得られた溶液を、室温中に18時間放置し、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を検討した。
【0154】
このとき、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態の評価は、実施例1と同様、透過電子顕微鏡(TEM:TransmissionElectron Microscope)の観察により行った。
【0155】
第2の亜鉛イオン濃度は溶液中の亜鉛イオン濃度が6.5mMとなるように硝酸亜鉛を反応溶液に混合した。
【0156】
溶液中のアンモニア濃度が150mMとなるようにアンモニア水を反応溶液に混合した。
【0157】
以下に示される市販アポフェリチン、硝酸亜鉛、およびアンモニアをCAPSO緩衝液に添加した。
【0158】
59.54mg/mL 市販アポフェリチン
20mM 硝酸亜鉛 325μL
1000mM アンモニア水 150μL
250mM CAPSO 200μL
ミリQ水
59.54mg/mLの市販アポフェリチンは、硝酸亜鉛を混合した後の市販アポフェリチン濃度が0.1mg/mLの時は1.68μL、0.2mg/mLの時は、3.36μL、0.3mg/mLの時は5.04μL、0.4mg/mLの時は6.72μL、20mg/mLの時は335.91μL入れた。
【0159】
ミリQ水は、各市販アポフェリチン濃度で、総量が1mLになる量を入れた。
【0160】
pHは、その値がそれぞれの溶液で9.8になるように、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水を加えることにより調整した。
【0161】
ここで混合した溶液の、硝酸亜鉛を含む溶液の攪拌後の市販アポフェリチン濃度は、それぞれの溶液で、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、20mg/mLであった。
【0162】
なお、硝酸亜鉛を混合した後のCAPSOの濃度は50mM、硝酸亜鉛を混合した後のアンモニア濃度は150mM、硝酸亜鉛を混合した後の硝酸亜鉛は6.5mMであった。pHの調整は主として水酸化ナトリウムを緩衝液に添加することによって行った。
【0163】
そして、得られた溶液を、室温中に18時間放置し、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を検討した。
【0164】
このとき、酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態の評価は、実施例1と同様、透過電子顕微鏡(TEM:TransmissionElectron Microscope)の観察により行った。
【0165】
以下に、上記2つの亜鉛イオン亜鉛で得られた溶液を室温中で18時間放置した後の酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態をまとめて表1に示す。なお、表1は、亜鉛イオン濃度の値とタンパク質の濃度に対する酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を相対的に示している。
【0166】
【表1】

【0167】
表1に示されるように、緩衝液に含まれる硝酸亜鉛濃度が、3mM以上、10mM以下の時に、亜鉛イオン濃度を(XmM)とし、タンパク質濃度を(Wmg/mL)とすると
(数1)3≦X≦10
(数8)0.2≦(X/10)≦0.4の時はW=(X/10)
(数9)0.4≦(X/10)の時はW=0.4
で記載される範囲において、酸化亜鉛−タンパク質複合体が形成できることが理解される。
【0168】
(実施例5)
この実施例5では、好ましい亜鉛化合物(亜鉛塩)に関するデータを示す。
【0169】
実施例1とほぼ同様に、亜鉛イオンを添加した後に緩衝液に含まれるアンモニアの濃度が150mM、アポフェリチンが0.2mg/mL、亜鉛イオンが6.5mM、CAPSO溶液の濃度が50mMで、pHの値を9.8近傍に調整して行った。
【0170】
その際、亜鉛イオンの供給源として、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛を用いた。
【0171】
その結果を、表2に示す。
【0172】
【表2】

【0173】
表2に示すように、いずれの亜鉛化合物においても複合体を形成できることが理解できる。
【0174】
(実施例6)
この実施例6では、好ましい緩衝剤の種類に関するデータを示す。
【0175】
実施例1とほぼ同様に、亜鉛イオンを添加した後に緩衝液に含まれるアンモニアの濃度が150mM、アポフェリチンが0.2mg/mL、亜鉛イオンが6.5mM、緩衝液の濃度が50mMで、pHの値を9.8近傍に調整して行った。
【0176】
その際、緩衝剤の供給源として、CAPSO、HEPES、MESを用いた。
【0177】
その結果を、表3に示す。
【0178】
【表3】

【0179】
表3に示すように、いずれの亜鉛化合物においても複合体を形成できることが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法によれば、均一な大きさを有する酸化亜鉛のナノ粒子を効率よく得ることができる。
【0181】
さらにこのようなタンパク質を複数個、二次元的に整列させた後に当該タンパク質を焼失させることにより、酸化亜鉛からなるドット体を有する半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】(a)アポフェリチンの構造を示す模式図 (b)図1(a)のA−A線断面図
【図2】本発明の実施の形態に係る酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成状態を示す透過電子顕微鏡写真
【図3】本発明の実施例2に係る酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成範囲を表しているグラフ
【図4】本発明の実施例3に係る酸化亜鉛−タンパク質複合体の形成範囲を表しているグラフ
【符号の説明】
【0183】
10 タンパク質(アポフェリチン)
20 モノマーサブユニット
30 チャンネル
40 保持部
50 酸化亜鉛
60 酸化亜鉛−タンパク質複合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞を有するタンパク質(Wmg/mL)、亜鉛イオン(XmM)、およびアンモニア(ZmM)を含有する緩衝液で構成される溶液で、pH(Y)を含む関係が以下の式を満たすことを特徴とする、酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
3≦X≦10、Y2≦Y≦Y1、Y1=0.0286X+9.9143、Y2=0.0429X+9.3714、Z2≦Z≦Z1、Z1=28.571X+40.952、Z2=7.1429X+66.905、0.2≦(X/10)≦0.4の時は、W=X/10、ただし0.4≦(X/10)の時はW=0.4
【請求項2】
前記緩衝液に硝酸亜鉛を添加する亜鉛イオン添加工程を有する、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項3】
前記緩衝液に酢酸亜鉛を添加する亜鉛イオン添加工程を有する、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項4】
前記緩衝液に硫酸亜鉛を添加する亜鉛イオン添加工程を有する、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項5】
前記緩衝液がCAPSO緩衝液である、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項6】
前記緩衝液がHEPES緩衝液である、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項7】
前記緩衝液がMES緩衝液である、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項8】
前記アンモニアが前記亜鉛イオンに配位している、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。
【請求項9】
前記内部に空洞を有するタンパク質はフェリチンである、請求項1に記載の酸化亜鉛−タンパク質複合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−190982(P2009−190982A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30282(P2008−30282)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、文部科学省、科学技術試験研究委託費による「ナノテクノロジーを活用した新しい原理のデバイス開発(固体基板上微細パターン化タンパク質ナノ構造作製技術開発)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】