説明

酸素含有量を最小限に抑える装置

充填すべき容器における酸素含有量を最小限に抑える装置であって、前記容器は、供給装置(20)によって排除媒体を設けることができ、前記排除媒体が容器の閉鎖前に容器から酸素を排除し、その場合に供給装置(20)は、排除媒体をそれぞれの容器内へ供給可能な、少なくとも1つの媒体供給通路を有し、かつ少なくとも部分的に、それぞれの容器を充填可能な、充填装置(26)の構成要素であって、その場合に充填装置(26)が、充填通路(28)を備えた充填マンドレル(17)を有し、その充填通路から分離されてそれぞれの媒体供給通路(22)が延びており、かつその場合に充填マンドレル(17)がさらに、少なくとも1つの他の媒体移送通路を有している、前記酸素含有量を最小限に抑える装置は、充填通路(28)の自由な横断面が、充填マンドレル(17)の、横断面のより大きい環状通路領域内で案内されており、かつ環状通路領域の内部で充填通路(28)が、それぞれの媒体供給通路を、それぞれの媒体移送通路から媒体密に分離していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプルのような、充填すべき容器における酸素含有量を最小限に抑える装置に関するものであって、その容器は、好ましくはブロー成形、充填、および、閉鎖工程によって形成され、供給装置によって排除媒体を設けることができ、その排除媒体が容器を閉鎖する前に容器から酸素を排除し、その場合に供給装置は、排除媒体をそれぞれの容器内へ供給可能な、少なくとも1つの媒体供給通路を有し、かつ少なくとも部分的に、それぞれの容器を充填可能な、充填装置の構成要素であって、その場合に充填装置が、充填通路を備えた充填マンドレルを有し、その充填通路から分離されてそれぞれの媒体供給通路が延びており、かつその場合に充填マンドレルがさらに、少なくとも1つの他の媒体移送通路を有している。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によって、可動の型壁を備えた少なくとも1つの型であって、その型内へ可塑化されたプラスチック材料のホースが押し出し可能であり、その型部分が閉鎖可能であって、それによってそれに設けられた溶接エッジがホースの先頭の端部を溶接して容器底を形成する、前記型と、型に接して容器を成形するために、ホースに作用してそれを拡幅する圧力勾配を発生させる装置と、型の上方でホースを分離することによって充填開口部を形成するために、引き戻された基本位置と作業位置との間で移動可能な、可動の分離部材と、充填開口部を通して容器を充填するために充填位置へ型を移動させるための摺動装置とを有し、その場合に、分離部材の作業位置において充填位置へ通じる型の移動路の上方に位置し、かつ充填開口部を覆うような配置と寸法で、無菌のバリアが設けられており、その場合に無菌のバリアとして、分離部材として用いられる刃と共に移動可能な、菌を殺す温度に加熱されるプレートが設けられている、アンプルのような容器を形成して充填する装置が知られている。さらに、この欧州特許によって、この装置を使用してこのような容器を形成するための方法が知られている。
【0003】
たとえば、滅菌梱包のための国際標準が満たされなければならない、特殊な薬品の形式の、極めてセンシティブな製品が形成される場合に、型は、それが充填位置へ移動されている場合に、無菌空気が容器の開放した充填開口部を介して流れて、菌の侵入に対する有効な保護を形成する、いわゆる詰替え無菌室(ASR)の下方に位置し、充填工程の終了後まで型の可動のヘッドジョウが閉鎖されて、それによって組み合わされた真空−溶接工程によって容器の所望のヘッド閉鎖が形成される。無菌のバリアに基づいて、型が詰替え無菌室(ASR)に達する前に、ホースの分断後に異物が開放した充填開口部内へ落ちることが防止され、さらに、無菌のバリアは、この方法部分の間、充填開口部への菌の望ましくない接近も、防止する。
【0004】
しかし、アンプルのような容器製品内へ詰め替えられる、高価値の薬品を含む酸素に敏感な製品が、さらにそれぞれの容器内の残留酸素含有量と接触し、それが特に、詰め替えられた製品における、特に酸化の形式の損傷プロセスをもたらすことが、明らかにされており、それが特に、可能な保管長さの著しい減少を伴う。従って今日では、敏感な製品においては、詰め替えられた製品から自由に保たれる、容器の頭部空間内の、0.5%より少なく、好ましくは0.2%より少ない、残留酸素割合が、要求される。この要請に、上述した無菌のバリア装置も、たとえば特許文献2または特許文献3によって示されるような、その他の既知の製造方法および装置も、十分に対応し得ない。
【0005】
このことは、最終的に、アンプルのような、充填すべき容器において酸素含有量を最小限に抑えるために、供給装置を用いて供給されて、容器の閉鎖前に容器から酸素を追い出す排除媒体を使用する装置にも当てはまる。すなわち、特許文献4は、充填された容器の自由な容器開口部の上方へ移動される供給装置を用いて、排除媒体として不活性ガスが容器開口部の方向へ吹き出されて、それによって容器開口部からの排除により酸素含有量を減少させる、装置解決を示している。
【0006】
特許文献5によって、容器としてのアンプルを充填して閉鎖する方法が知られており、その方法において、容器内へ投入すべき製品を供給するための充填通路を備えた充填マンドレルが、媒体供給通路によって同心の配置で包囲されており、その媒体供給通路は外側へ向かって、供給装置の壁部分によって包囲されて、不活性ガスの形式の排除媒体を供給するために用いられ、それによって容器の内部の酸素含有量が最小限に抑えられる。
【0007】
特許文献6によって、同心配置の種々の媒体給送通路を備えた供給装置を有し、その場合に一番内側の通路が、充填マンドレルの充填通路を形成する、ビン製品のような充填すべき容器において、酸素含有量を最小限に抑える、この種概念の装置が知られている。充填通路を包囲する、不活性ガスの形式の排除媒体のための媒体供給通路がまた、媒体搬出通路によって包囲されており、その媒体排出通路がそれぞれの容器から酸素の他に排除媒体を搬出するために用いられる(3−パイプ−解決)。酸素含有量を最小限に抑える、この既知の装置の特に好ましい実施形態においては、充填された製品を有する容器の内部へ排除媒体を脈動して投入するために、さらに他の媒体供給通路が、第1の媒体供給通路と一番外側に位置する媒体搬出通路の間に同心の配置で配置されている(4−パイプ−解決)。この既知の解決の代替的な形態において、それぞれの容器についてスペース状況がそれを許す限りにおいて、装置の内部に上述した媒体通路を互いに分離して線形に並べて配置して設けることも、提案される。その限りにおいて、各解決変形例において媒体供給の領域内で大きく構成される、最小限に抑える装置は、排除される酸素の大きい体積ももたらすので、この既知の解決も、それぞれの容器の自由な頭部領域内に0.2から0.5%の残留酸素含有量という、必要な設定をもたらすのには、適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許明細書EP1343693B1
【特許文献2】米国特許公報US−A−5961039
【特許文献3】日本特許公開公報JP−A−4147824
【特許文献4】日本特許公開公報JP2004−042961AA
【特許文献5】独国特許公開公報DE1566547A
【特許文献6】米国特許公報US6112780A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、この従来技術に基づいて、本発明の課題は、既知の装置を、それが製造工程の間酸素含有量を、それぞれの容器の自由な頭部領域内の0.2から0.5%の残留酸素含有量という、必要な設定に抑えることを可能にするように、さらに改良することである。この課題は、その全体において特許請求項1の特徴を有する装置によって、解決される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特許請求項1の特徴部分に従って、充填通路の自由な横断面が、充填マンドレルの、より大きい横断面の環状通路領域内で案内されており、かつ環状通路領域の内部で充填通路がそれぞれの媒体供給通路をそれぞれの媒体移送通路から媒体密に分離していることによって、充填すべき容器における酸素含有量を最小限に抑えるための、極めて小さく構成される装置が形成されるので、その後もはや排除できない空気によって満たされる可能性のある「デッドルーム」は、わずかしか生じず、それによってそうでない場合に存在する酸素の0.2から0.5%の低い残留酸素含有量が得られる。好ましくはアルゴンのような貴ガス、あるいは窒素ガスのような不活性ガスからなる、排除媒体は、供給装置によってそれぞれの容器内へ次のように、すなわち容器を閉鎖する前に残留酸素を容器からほぼ完全に排除するように、注ぎ込むことができるので、極めて酸素に敏感な、容器内にストックされている製品に負担となる、上述した酸化プロセスが回避され、それが製品全体の長い貯蔵可能性を支援する。
【0011】
本発明に基づく装置の好ましい実施形態において、媒体移送通路は、それぞれの容器から酸素の他に排除媒体を搬出するため、あるいはそれぞれの容器内へ排除媒体を供給するために用いられる。従って前者の場合において、それぞれの媒体供給通路を介して排除媒体が供給され、容器から酸素と共に排除媒体を搬出するために、媒体移送通路が媒体搬出通路として形成されている。後者の場合には、媒体移送通路は、他の媒体供給通路として形成されているので、組込み空間から小さく抑えられる供給状況にもかかわらず、最大程度の供給すべき排除媒体が得られ、それによって酸素含有量が極めて効率的に最小限に抑えられる。それぞれの媒体供給通路を介しても、それぞれの媒体移送通路を介しても、排除媒体が供給される場合には、排除媒体は、排除すべき空気酸素と共に、供給装置の外部においても、容器から直接周囲へ排除することができる。
【0012】
充填マンドレルの環状通路領域の内部に互いに対して媒体密に分離して配置されている、充填通路、媒体供給通路および媒体移送通路が、同じ供給および/または排出方向を有する場合にも、必要とする組込み空間を最小限に抑えるのに役立つ。それによってもたらされる、通路の平行配置は、個々の媒体の流れ的に好ましい移送も許す。
【0013】
本発明に基づく装置の特に好ましい実施形態において、充填マンドレルの環状通路領域は、横断面で見て円形に形成されており、充填通路を画成する、充填マンドレルの壁が、横断面において横方向に減少された長円を形成し、その長円は縦方向において円環状の環状通路領域の内壁に当接し、それによってその限りにおいて形成される、媒体供給通路と媒体移送通路の三日月形状の自由な横断面が、互いに分離される。それによって特に場所をとらないやり方で、すべての媒体通路が供給装置の中央にまとめられる。
【0014】
上述した排除結果は、好ましくは媒体供給通路として形成された、他の媒体通路が、充填マンドレルの壁に対して同心の配置で、この壁を包囲して設けられており、その場合に他の媒体通路が外側へ向かって供給装置の他の壁によって包囲されている場合に、さらに改良される。さらにそれに加えて、あるいはその代りに、他の供給装置を用いて少なくとも部分的にそれぞれ充填すべき容器の周囲領域に遮断媒体を設けることができる。このようにしてそれぞれの容器開口部の周囲領域内の酸素含有量も減少され、それが、酸素含有量を最小限に抑える結果の改良に寄与する。
【0015】
本発明に基づく装置の他の好ましい形態が、その他の下位請求項の対象である。
【0016】
以下、図面に示す2つの実施例を用いて、本発明に基づく装置を詳細に説明する。その場合に、図は、原理的であって、寸法通りの表示ではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】可塑化されたプラスチック材料からホースを形成するための、開放したブロー成形型と上方に位置する押出しヘッドを図式的に簡略化して示している。
【図2】充填位置へ移動させて、充填すべき容器を形成した後の、図1の一部閉鎖されたブロー成形型を示している。
【図3】本発明に基づく装置の重要な部分の縦断面図および図1と2に示す成形装置の部分の断面表示である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図1に示す解決に対して簡略化された、本発明に基づく装置の実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1と2は、既知の(登録商標)bottelpack−システムの枠内で、ブロー成形方法でプラスチック容器を形成するために利用されるような、装置の一部を示しており、その場合に押出し装置1を用いて、溶融されたプラスチック材料からなるホース3が、図1に開放した状態で示される、型6の2つの型半体5の間へ押し出される。ホース3を開放された型6内へ押し出した後に、ホース3は、押出し装置1のノズル出口と型6の上側との間で切断される。図1において、分離線が破線で表示されて、符号8で示されている。
【0019】
図2は、型6を一部閉鎖された状態で示しており、その場合にホース3から形成すべき容器12の主要部分のための形を与える部分、すなわち型半体5は、ホース3を底側の溶接継目9において閉鎖するために、底側の溶接エッジ7がホース3の下方の端部において溶接工程を実施するように、合わせられている。
【0020】
図2は、さらに、型6を充填位置で示しており、型は、図1に示す、押出し装置1に整合された位置から充填位置へ側方に摺動されている。この充填位置において、その前に形成されて、図示されないブロー突起を用いて開放した充填開口部15を通してブロー空気を吹き込まれている容器12は、充填開口部15を介して、たとえば液状の薬品の形式の充填物を充填される。図2は、この目的のために充填開口部15内へ導入された充填マンドレル17の端部を示している。充填マンドレル17とその前に導入されたブロー突起の代わりに、容器の成形と充填は、組み合わされたブロー型−充填マンドレルを用いて行うこともできる。容器12は、ブロー突起を介して投入される圧縮空気の代わりに、型へ印加される真空によっても、成形することができる。2つの方法を互いに組み合わせることもできる。
【0021】
図2に示す充填位置において、型は、いわゆる詰替え無菌室(ASR)の下方に位置し、その詰替え無菌室は、図2には簡単にするために図示されておらず、先行する分離工程によって図1に示唆する分離線8においてホース3に形成された充填開口部15の無菌のシールドとして作用する。容器12の充填後に、充填マンドレル17が上方へ取り去られ、型6のまだ開放している、移動可能な上方の溶接ジョウ13が、容器に形を与え、かつ/または同時に溶接によって容器を閉鎖するために、合体される。図1と2に示す溶接ジョウ13によって、容器ネックにねじキャップのための外ねじを形成することも可能であって、そのねじキャップは、溶接による閉鎖に加えて、たとえば内部に突刺し針を有するねじキャップの形式で、設けることができる。さらに、複数の容器を型工具の並べて配置したキャビティ内で成形し、充填し、かつ閉鎖することができる(図示せず)。
【0022】
図1と2に示す成形工具5、13は、図3と5を見る視線方向に従って示されている。本発明に基づく装置は、好ましくはブロー成形−、充填−および閉鎖方法に従って完全に形成された、図示のような、充填すべき容器12において、酸素含有量を最小限に抑えるために用いられる。そのような酸素含有量は、特に、図2の表示に示す中空室19内で、投入された製品の最大充填高さと容器の頭部上側における容器終端との間にある。
【0023】
ここでこのように残っている残留酸素を中空室19から排除するために、全体を符号20で示す供給装置が設けられており、その供給装置が排除媒体を中空室19内へ供給し、その排除媒体が容器12の閉鎖前に酸素を容器から排除する。その場合に排除媒体として、好ましくは、窒素ガスのような不活性ガスが使用される。供給装置20は、窒素ガスのための媒体供給通路22を有しており、その限りにおいてその窒素ガスが、それぞれの容器12の中空室19内へ供給可能である。このような媒体供給通路22が、IV−IV線に沿った供給装置20の横断面を示す、図4に示されている。
【0024】
さらに図3に示すように、媒体供給通路22は、最小限に抑える装置の上方の終端部分において、拡幅された環状通路24へ移行するように案内されており、その環状通路を介して外部から適当な移送通路(図示せず)を介して排除媒体としての窒素ガスを供給することができる。図3と4からさらに明らかなように、その限りにおいて供給装置20は、充填装置26の構成要素であって、その充填装置を用いてそれぞれの容器12に、ストックされている製品を充填することができる。容器12を充填するために、充填装置26がすでに説明した充填マンドレル17を使用し、その充填マンドレルは中央に配置された充填通路28を有しており、その場合に充填マンドレルはその、図3を見る視線方向において上方の自由端部において、そのために一般的な収容装置30内に保持されており、その収容装置の中央通路32を介して容器12内へ製品の供給が行われる。このような収容および供給装置は、一般的であるので、ここではそれについてこれ以上詳しく説明しない。
【0025】
さらに、上述した充填マンドレル17は、搬出通路としての媒体移送通路34を有しており、その搬出通路は、図4に横断面で示されており、それぞれの容器12の残っている中空室19から酸素の他に排除媒体を搬出するために用いられる。このような媒体搬出通路34は、図3を見る視線方向で上の自由端部において、他の環状通路36内で終わっており、その環状通路は、第1の環状通路24の下方に配置されており、かつ装置全体の搬出導管(図示せず)に接続されており、その搬出導管から排除媒体としての窒素を残留酸素と共に容器12から搬出することができる。
【0026】
詳しく図示されない真空装置を介して、このような搬出がさらに支援され、しかしその場合に調節すべき負圧は、容器12内へ投入された製品が容器から不用意に吸い出されないように、選択される。窒素ガスのような、排除媒体の供給すべき量も、中空室19の内部の酸素の自由な体積に加えて容器12の自由な頭部横断面に合わせられる。
【0027】
その他、充填通路28および媒体供給通路22と媒体搬出通路34は、互いに対して平行に、しかし互いに分離されて、細長い充填マンドレル17の内部に延びている。このような媒体分離は、特に、充填通路28の自由な横断面が、横断面においてより大きい環状通路領域38内で案内されていることを示す、図4の横断面表示から明らかにされ、その場合にすでに説明したように、充填通路28がそれぞれの媒体供給通路22をそれぞれの媒体搬出通路34からガス密に分離している。そのために、環状通路領域38は、横断面で見て円形に形成されており、充填通路28を画成する壁39が、横断面において横方向に減少された長円を形成し、その長円が縦方向において、円環状の環状通路領域38の内壁41に当接し、それによって通路22と34の三日月形の自由な横断面が互いに分離される。このようにして充填マンドレル17の狭い組立て空間上でそれぞれ所望の媒体移送が達成され、その場合に排除媒体が媒体供給通路22から流出した後に、反転矢印方向40において、排除媒体が残留酸素と共に再び媒体搬出通路34内へ流入する。このようにして、上方の溶接ジョウ13を介しての容器の本来の閉鎖前に、中空室19内の残留酸素含有量が、極めてわずかな量まで減少する。
【0028】
さらに、図3に示すように、収容装置30の他の供給装置の供給室42を介して、付加的に、好ましくは窒素ガスの形状の遮断媒体が供給され、その遮断媒体は、図3を見る視線方向に見て、収容装置30の下側においてリング状の遮断通路44を介して下方へ向かって外部へ流出し、その限りにおいて窒素ガスによって形成される遮断カーテンを形成し、その遮断カーテンが、周囲酸素が容器12の自由な充填開口部の方向に自由に接近することを、補助的に防止する。この措置に基づいて、容器12の中空室19内の残留酸素含有量が、場合によってはさらに減少される。窒素ガスの流れ方向が、矢印で示されている。
【0029】
図5に示す他の実施形態は、供給装置20と充填装置26に関する原則的な構造から、図3に示す構造に相当する。しかし今回は、2つの通路24と36を介して、好ましくは圧力下にある窒素ガスの形式の、排除媒体が供給されて、2つの対向する媒体通路22と34を介して容器12の内部へ同時に吹き込まれ、それは、中央に配置された充填通路28を介しての充填工程の間も行うことができる。その場合に余分な窒素ガスは、流出矢印が示すように、周囲へ吹き出されて、その場合に残留酸素も一緒に案内されるので、その限りにおいてこの変更された実施形態によっても、容器12内の酸素含有量を最小限に抑えることが可能である。連続的な窒素供給によって、空気は容器12の頭部領域内で、図示のように、外側へ排除される。具体的な充填工程を保証することができるようにするために、好ましくは、充填マンドレル17の自由端部とそれに伴って充填通路28が、媒体通路22と34の自由な流入および流出端部に対して軸方向に突出している。従ってこのような実施形態においては、媒体移送通路34は、他の媒体供給通路として用いられる。
【0030】
図5に示す実施形態に基づく他の媒体通路45は、周側に充填マンドレル17の壁47を有し、外側に向かっては供給装置20の他の壁49によって包囲されている。さらに、媒体通路45は、通路36を介して排除媒体を供給される。さらに、図5から明らかなように、媒体通路45の自由端部は、充填マンドレル17の自由端部に対して引っ込んでおり、それによって容器開口部のために、不活性ガスのような遮断媒体による有効な遮断カーテンが得られる。好ましくは、充填マンドレル17がすでに取り外しに入っている場合に、容器12のためのまだ開放している成形ホース内へ遮断ガスが吹き込まれる。成形工具のヘッドジョウ13が、そしてその限りにおいて容器開口部が閉鎖されるまで、外側の媒体通路45を通して、不活性ガスが持続的に流れる。周囲空気に対して均一に遮断カーテンを形成するために、図5の表示に基づく、充填マンドレル17を包囲する媒体通路45が、図3に示す上述した装置と次のように、すなわち、媒体通路45が、その他の媒体通路22、28、34を有する充填マンドレル17を包囲するように、組み合わされ、それは特に、上述した充填マンドレル17がすでに取り外しに入っている場合に、効果的である。
【0031】
本発明に基づく装置によって、容器製品内の残留酸素が、0.5%より下に、そしてさらに0.2%以下の領域へ低下する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンプルのような、充填すべき容器(12)における酸素含有量を最小限に抑える装置であって、
容器は、好ましくはブロー成形、充填および閉鎖工程によって形成され、
容器は、供給装置(20)によって容器の閉鎖前に容器から酸素を排除する排除媒体を供給することができ、
供給装置(20)は、少なくとも1つの媒体供給通路(22)を有し、媒体供給通路(22)によって排除媒体をそれぞれの容器(12)内へ供給することができ、
媒体供給通路(22)は少なくとも部分的に充填装置(26)の構成要素であって、充填装置(26)はそれぞれの容器(12)を充填可能であって、
充填装置(26)が、充填通路(28)を備えた充填マンドレル(17)を有し、充填通路から分離されてそれぞれの媒体供給通路(22)が延びており、かつ、充填マンドレル(17)がさらに、少なくとも1つの他の媒体移送通路(34)を有している、
酸素含有量を最小限に抑える装置において、
充填通路(28)の自由な横断面が、充填マンドレル(17)の、横断面のより大きい環状通路領域(38)内で案内されており、かつ、
環状通路領域(38)の内部で、充填通路(28)が、それぞれの媒体供給通路(22)を、それぞれの媒体移送通路(34)から媒体密に分離している、
ことを特徴とする、充填すべき容器における酸素含有量を最小限に抑える装置。
【請求項2】
媒体移送通路(34)が、それぞれの容器(12)から酸素の他に排除媒体を搬出し、あるいは排除媒体をそれぞれの容器(12)内へ供給するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
充填通路(28)、媒体供給通路(22)および媒体移送通路(34)が、充填マンドレル(17)の環状通路領域(38)の内部で、互いに媒体密に分離されて、同じ供給および/または排出方向を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
充填マンドレル(17)の環状通路領域(38)が、横断面で見て円形に形成されており、かつ、充填マンドレル(17)の、充填通路(28)を画成する壁(39)が、横断面において横方向に減少された長円を形成し、長円が縦方向において円環状の環状通路領域(38)の内壁(41)に当接し、それによって媒体供給通路(22)と媒体移送通路(34)の三日月形の自由な横断面が、互いに分離される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
充填通路(28)が、充填マンドレル(17)内で媒体供給通路(22)と媒体移送通路(34)を越えて突出している、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
他の媒体通路(45)が、充填マンドレル(17)の壁(41)に対して同心の配置で、かつこの壁を包囲して設けられており、媒体通路が外側へ向かって、供給装置(20)の他の壁(49)によって包囲されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
排除媒体が、アルゴンのような貴ガスまたは窒素ガスのような不活性ガスからなる、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
それぞれ充填すべき容器(12)の周囲領域に、少なくとも部分的に、他の供給装置(42)を用いて遮断媒体が供給される、ことを特徴とする請求項1または7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
遮断媒体が、アルゴンのような貴ガス、または、窒素ガスのような不活性ガスである、ことを特徴とする請求項8に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−522670(P2010−522670A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500136(P2010−500136)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002399
【国際公開番号】WO2008/119494
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(501455529)
【Fターム(参考)】