説明

酸素測定センサ状態決定法

【課題】組織サンプルによる電磁気放射の吸収を示す検出器信号を生成するように作動できるセンサを提供する。
【解決手段】組織サンプルによる電磁気放射の吸収を示す検出器信号を生成するように作動できるセンサがこの組織サンプルに接続されているかどうかを決定するための方法であって、検出器信号に対応する複数の距離値を生成する工程、及びセンサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するために、距離値と神経ネットを使用する工程、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈酸素測定システムに関し、特に、酸素測定センサが患者に正しく接触しているかどうかを決定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脈酸素測定器(又はパルスオキシメータ(pulse oximeter))は、血中ヘモグロビンの酸素飽和度(これに限定されない)などの様々な血流特性の計測及び表示を行う。酸素測定器は、指や耳のような血液灌流組織を通じて光を伝え、組織の光吸収を光電的に感知する。組織を通過した光としては、血液中の血液構成成分量を表す量だけ血液に吸収される一つ又はそれ以上の波長のものが選択される。光吸収量は、血液構成成分濃度を計算するために使用される。
【0003】
様々な酸素測定器センサが、患者と酸素測定器との間のインターフェースを与える多数の製造業者から入手できる。酸素測定器センサは、典型的に、組織に対して交互に光を送るそれぞれ異なった波長の二つのLEDと、組織を通過した後の光を受けるための検出器とを含む。センサから受けた検出器信号の処理では、センサの状態に関する高精度の情報を酸素測定器が有していることが重要である。つまり、酸素測定器は、センサが患者上で可動状態にあるかどうかを確実に決定できなければならない。酸素測定器がセンサの状態に関して不正確な情報を受けた場合、患者の健康状態に関して誤ったアラームを発したり、より重大なこととして、緊急時にあっても緊急状態を発しないことがあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第08/660510号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
旧世代の酸素測定器は、センサ・オフ(SENSOR OFF)状態の検出を試行するが、この検出スキームの信頼性について、よく証明されていない。ある酸素測定システムでは、脈拍が全く検出されなかったか又は酸素測定計算に受け入れられない脈拍を検出している間のタイムアウト(time out)期間に必要な手段を講じておくことによって問題を処理する。タイムアウトした場合、センサが患者に接触していないものと仮定し、酸素計測システムは飽和度及び脈拍の表示を中止する。しかし、最近の酸素計測アルゴリズムは、より高性能であり、脈拍(又はパルス)タイムアウトの通知に代えて、血液構成成分濃度の決定中に、例えば、動きアーチファクト(motion artifact)により損なわれたデータなどの前回の使用不可のデータを使用することができるか又は選択的に無視することができる。その結果、センサが患者に接触しているかどうかを決定するための脈拍タイムアウトアルゴリズムが、もはや適当なものとならなくなった。
【0006】
また、以前の具体例の脈拍の適格性は、その場限りで不統一な論理を用いて作られた決定樹形図(又はデシジョン・ツリー(decision tree))によるものであった。筆算により典型的に選択されるこのようなアルゴリズムのスレッショルド又は係数は、結果的に、入力空間にある対象領域の部分最適分離となる。さらに、このような決定樹形図は、典型的に、非線形関係を表していない。
【0007】
したがって、脈酸素測定器センサが患者に確実に接触しているかどうかを決定するための信頼性のある方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法及び装置は、脈酸素測定器センサが患者に有効に接触しているかどうかを正確に決定でき、例えば、オキシヘモグロビンのような血液構成成分濃度の決定を可能にする。本発明は、人工の神経ネットを使用し、センサ・オン(SENSOR ON)状態とセンサ・オフ(SENSOR OFF)状態で示す二つの状態の間を区別する。この神経ネットは、脈酸素測定器センサの検出器から受けた信号の特性を表す複数の入力距離(又は入力メトリック(metric))を受ける。これら入力距離としては、絶対光レベル、現在の酸素飽和値、脈拍数、酸素飽和度と脈拍の変化、動きアーチファクト、光二色性の切痕、不整脈、及び呼吸アーチファクトに対して比較的敏感でないものが指定され、選択されてきた。神経ネットは、様々な患者状態及びセンサ・オフ状態を有する大きなデータベースを使用してトレーニングされる。神経ネットのトレーニングは、データ縮小処理工程を含み、これにより、データの関係が、小さい数のスカラー距離のように識別され、表される。本発明の神経ネットにより受けられる入力距離の各々には、センサ・オフ状態及びセンサ・オン状態に非常に特異的な異なった挙動(又は行動)を孤立させるという条件が設けられる。神経ネットへの入力距離は、許容可能の応答時間を確保するのに十分に短く、ノイズや誤った挙動を無視するのに十分な長さの時間内でデータを表す。
【0009】
よって、本発明は、センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するための方法及び装置を提供する。センサは、組織サンプルに関連したパラメータを示す検出器信号を生成するように作動できる。検出器信号に対応する複数の距離値が生成される。フィルターが距離値に使用され、センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定する。フィルターは、距離値の間の依存性に基づいてデータ縮小を行うように作動できる。特定的な実施例に従うと、センサは、組織サンプルによる電磁気放射の吸収を示す検出器信号を生成するように作動できる。検出器信号に対応する複数の距離値が生成される。距離値と神経ネットが使用され、センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定する。
【0010】
本発明の特徴及び利点は、本明細書の他の部分及び添付図面を参照することによってさらに理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、酸素測定システムのブロック図である。
【図2】図2は、図1の酸素測定システムにおける処理工程の流れ図である。
【図3】図3は、本発明の特定の実施例の演算処理工程の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明で使用する酸素測定システム100のブロック図である。酸素測定センサ102が、患者の指104のような血液灌流組織サンプルに取り付けられる。赤色(Red)及び赤外線(IR)LED106、108が、Red光及びIR光を指104に向けて交互に送る。検出器110が、指104を通じて伝えられたRed光及びIR光を受ける。センサ102は、酸素測定器112に接続されている。酸素測定器112が、検出器110からの信号を受け、この信号を処理する。酸素測定器112は、LED106、108への駆動信号も与える。検出器信号は、初期信号処理回路114で受けられ、検出器110で受けた交互に送られたRed光及びIR光を変調し、周囲の光を削除する。初期信号処理回路114は、デジタル化前に、固定及び可変ハードウェア利得ステージを含む。処理されたアナログ信号は、アナログ・デジタルコンバータ回路116でデジタル信号へ変換され、脈拍数と動脈血中ヘモグロビン酸素飽和度の予測値を計算する中央演算処理ユニット(CPU)118へ送られる。CPU118は、以下で説明するように、センサ102が指103に接続しているかどうかも決定する。酸素飽和度及び脈拍数の計算値は、表示器120へ送られる。CPU118は、LED106、108へ駆動信号を与えるLED駆動回路122も制御する。本発明に使用する酸素測定器の一例が、係属中の米国仮出願第60/000,195号(1995年6月14日出願)に基づく米国特許出願第08/660,510号(1996年6月7日出願)「Method and Apparatus for estimating Physiological Parameters using Model-based Adapting Filtering」(特許文献1)に記載される。これら出願の明細書は、参考文献として組み入れる。なお、これら出願の発明は、本願の出願人に譲渡されている。
【0013】
図2は、酸素測定システム100の演算処理工程の流れ図である。データ取得202は、例えば、図1に示すセンサ102のような入手可能の様々なセンサを使用して達成され得る。取得データは、適当なサンプルレートでデジタル化され(工程204)、デジタル化したRed波形及びIR波形の自然対数がとられる(工程206)。次に、この結果得られたデータは、0.5Hzのハイパスカットオフ(high pass cutoff)と10〜20Hzのローパスロールオフ(law pass roll off)とを有する無限インパルス応答フィルター(IIR)でバンドパスフィルター化される(工程208)。次に、データは、正規化される(工程210)。正規化は、大きいパルス振幅をダウンウェイト化(down-weight)し、各パルスがほぼ同一の平均振幅を有するようになる。その結果、大きい動きアーチファクトの量を示すサンプルがダウンウェイト化され、外郭をデエンファシス化(de-emphasizing)する。
【0014】
次に、フィルター化され正規化されたデータは、脈拍数及び酸素飽和度の計算に使用される(工程212、214)。これらの処理工程により得られた値に対して、両方とも、これらの信頼度を決定し、これらをどのように表示し、これらを表示するかどうかということを決定するために、計算値に関して入手可能の距離を使用する後処理(工程216、218)が行われる。次に、それぞれの値は、表示される(工程220、222)。デジタル化、フィルター化さらに正規化されたデータは、複数の距離を使用して酸素測定プローブが患者に正確に取り付けられているかどうかを決定する信号状態サブシステム224にも与えられる。信号状態サブシステム224の出力は、酸素飽和度及び脈拍数の両方のアルゴリズム(つまり、工程216、218)のための後処理へ与えられ、これらアルゴリズムにより得られた現在の値を表示するかどうかということ、及びこの値をどのように表示するかということについての適当な決定がなされる。脈拍数及び酸素飽和度アルゴリズムにおける信号状態サブシステム224の演算処理工程及びその効果については、図3を参照して、以下で詳しく説明する。
【0015】
図3は、図2の信号状態サブシステム224の演算処理工程の流れ図である。デジタル化、フィルター化さらに正規化されたデータは、処理工程302で受けられ、この工程302では、Red波形及びIR波形のAC及びDC成分が計算されバッファされる。Red波形及びIR波形のAC及びDC成分は、距離計算304への入力として使用され、個々の距離が、正方向送り(又はフィードフォワード)神経ネット306で使用した7個の“フィルター化”距離に従って計算され、クリップされ、さらに平均化され、酸素測定センサが患者に正確に接続されているかどうかを決定し、その確率を表す値を生成する。
【0016】
人工神経ネットワーク(ANN)(例えば、神経ネット306)は、自然又は生物学的神経ネットワークで示される原理でモデル化されるデータ処理アーキテクチャである。人工神経ネットワークは、大きいデータセットに適用される非線形関数を表したり処理したりするのによく用いられる。人工神経ネットワークエンジンは、ソフトウェア、ハードウェア(並列処理アーキテクチャを使用)又はこれらを組み合わせたものに組み入れることができる。人工神経ネットワークは、データの傾向(又はトレンド(trend))やパターンの検出に適している。
【0017】
人工神経ネットワークは、特定のトポロジー又はコンフィギュレーションで配列したノードの相互接続ネットワークのように記号(符号)体系的に表される。ノード間のリンクは、ノード間の依存性を表し、依存性の強さを表す各リンクに関連した重みを有する。人工神経ネットワークは、典型的に、入力層、処理層(又は間接層)及び出力層を有する。ノード間のリンクは、処理されるべきデータ集合にネットワークを晒すことを含んだネットワークをトレーニングすることによる特定タスクのために調節される。ネットワークからの出力は、所望の結果と比較され、対応する調節が、所望の出力と実際の出力との間の食い違いを低減するようになされる。神経ネット306への入力として本発明で使用する7個の距離は、数秒前からのRedデータ及びIRデータの挙動の幾つかの様子を量化する。7個の距離の各々の特徴について、以下でより詳しく説明する。
【0018】
フィードバック層308が、神経ネット306から受けた確率値と比較するためのスレッショルドを与え、状態機械310に対するセンサ・オン(SENSOR ON)又はセンサ・オフ(SENSOR OFF)の指示のいずれかを与える。フィードバック層には、ヒステリシスが組み入れられている。神経ネット306とフィードバック層308の両方の係数は、これら層への入力と所望の出力との間の関係を見出し最適化することに応答可能のオフラインのトレーニングアルゴリズムによって決定される。トレーニングアルゴリズムについては以下でより詳しく説明する。
【0019】
状態機械310は、脈拍数及び酸素飽和度アルゴリズムのための後処理サブシステム216、218への5つの信号状態指示のうちの一つを微分し、これにより、これらサブシステムに適当な処置を推薦する。後処理サブシステムにとって可能な処置は、酸素飽和度及び脈拍数を更新すること、現在の酸素飽和度及び脈拍数を保持すること、又は酸素飽和度及び脈拍数の出力を消去することである。特定的な実施例に従うと、酸素測定器は、信号状態出力に基づいた適当な音声又は視覚的指示を表示する。可能な信号状態指示は:
脈拍有り(PULSE PRESENT): 酸素計測センサが、最も良く患者に接続されており、脈拍を得ていると思われる。
中断(DISCONNECT): 有効なセンサが酸素測定器に接続されていない。
脈拍喪失(PULSE LOST): 脈拍が酸素測定器により前回得られてから継続的に喪失しているが、センサは、酸素測定器に接続されており、患者から外れていないと思われる。用語“脈拍喪失(PULSE LOST)”は、酸素計測センサによる脈拍が完全に喪失したか又は脈拍振幅が劇的に小さくなったことを意味する。
センサ・オフ(SENSOR OFF): センサが、患者上にないか又は許容できない干渉量をみている。センサは、酸素測定器に接続されている。この状態は、通常、信号状態が、7秒の連続した時間の間、センサ・メイビ・オフ(SENSOR MAYBE OFF)であったときに開始(又はエンター(enter))される。この状態は、脈拍喪失(PULSE LOST)の状態の開始に続けて開始されない。
センサ・メイビ・オフ(SENSOR MAYBE OFF): センサ・オフ(SENSOR OFF)の状態を開始する前の7秒の待ち時間。神経ネットが、これ及び引き続くセンサ・オフ(SENSOR OFF)の状態が開始され存在されるときを決定するために使用される。この状態は、脈拍喪失(PULSE LOST)の状態の開始に引き続いて開始されない。
信号状態サブシステムは、酸素飽和度及び脈拍数の計算に二つの形のフィードバックを与える:
1) 信号状態が脈拍有り(PULSE PRESENT)又はセンサ・メイビ・オフ(SENSOR MAYBE OFF)でない間に生じるサンプルが、酸素飽和度又は脈拍数を計算するために使用されない。
2) 適当なサブシステムが、(a)センサが酸素測定器に再接続されるとき、又は(b)信号状態がセンサ・オフ(SENSOR OFF)又は脈拍喪失(PULSE LOST)から脈拍有り(SENSOR PRESENT)へ移るときに、再初期化される。
サンプルごとに、信号状態サブシステムは、Red及びIRのアナログ・デジタル変換(ADC)され、正規化され、微分フィルター化された値から計算した幾つかの距離を、これら値の有効性を指示するシステム利得及びフラッグに関連して分析することにより、信号状態を決定する。センサ有効フラッグは、センサが酸素測定器に接続されているかどうかを指示する。(利得及びLED設定のために修正したデジタル化IR波形で表されるような)IR光レベルでの同時変化に伴わないIR割合変調における大きく急激な降下は、脈拍が喪失し、センサが依然患者上にあることを示す。神経ネットは、以下で定義される入力距離を受け、センサが患者から外れているかどうかを決定する。
【0020】
上述したように、信号状態サブシステムは、神経ネットを使用して、センサが患者から外れているかどうかを決定する。神経ネットへの入力は、以下で定義される距離であり、数秒間にわたるIR及びRedのADC値の挙動の幾つかの様子を量化する。神経ネットは、Levenberg−Marquardtのバックプロパゲーション(backpropagation)法を使用してトレーニングされる。トレーニングアルゴリズムは、神経ネットの入力とその所望の出力との間の関係を見出し最適化する役目がある。トレーニングが行われた神経ネットは、内積及び幾らかの超越的関数のアレイのように設けられる。再トレーニングは、変化しないコードを残して神経ネットの係数の更新を必要とするだけである。神経ネットが、患者状態及びセンサ・オフ(SENSOR OFF)の状態の広い範囲を含む大きいデータベース上でトレーニングされ、最適化され、さらに評価される。このデータベースの大きいサブセットが、“テスト・データベース”として指定され、センサ・オン(SENSOR ON)又はセンサ・オフ(SENSOR OFF)が筆算で決定された。神経ネット及びその入力距離は、トレーニングされ、指定され、さらに評価されて、信号状態サブシステムの感度、特異性及び責任性が最大化される。
【0021】
人は、IR波形及びRed波形の筆算による調査によりセンサが外れているかどうかを正確に決定できる。例えば、(利得及びLED変化のために修正した)デジタル化波形の大きく急激な変化は、センサがオフになったか又は直前に適用されたかを示す。IR及びRedバンドパス化及び正規化波形の極めて弱い交差相関は、やや弱い相関が動きによって生じても、センサがオフであることを示す。DCレベルで緩やかな線形ドリフトがあるとき又はないとき、バンドパス化波形での非常に小さい変調は、センサが患者から外れていることを示す。AC接続波形での“パルス”のサイズ、形状及び周期の一貫性は、それらが人の脈拍によるものであることをさらに示す。人は、通常の人の生理学的応用の結果として変化し得る要因を考慮する。これは、(利得及びLED設定のために修正したデジタル化波形のレベルで示されるような)絶対光レベル、血圧の変化に起因する光レベルの緩やかな変化、動きと同様、酸素飽和度、脈拍数又は脈拍振幅の変化、二色性切痕、不整脈、及び呼吸アーチファクトを含む。
【0022】
センサがオフであるかどうかを決定するために、IR波形及びRed波形が筆算で詳しく調べられるとき、人の目はデータ縮小を自動的に行う。この目的のため、本発明の神経ネットの設計及びトレーニングは、データ縮小も必要とする。このような情況において、データ縮小の演算工程は、正確なセンサ・オフ指示の生成を期待できるようなデータの関係を、組み合わせて、識別すること、及び小さい数のスカラー距離で表すことを含む。特定的な実施例に従うと、神経ネットは、各々、センサ・オフ状態又はセンサ・オン状態に高度に特異の異なった挙動を孤立するように条件付けられている7個の入力距離を受ける。これら距離は、神経ネットのための所望の応答時間に対応する比較的短時間の間に生じるデータを表す。距離が、この応答時間に関して、短すぎる時間のウィンドウにわたってデータを表す場合、神経ネットの出力はノイズ及びエラーを発生し得る。これとは別に、距離が、長すぎるウィンドウからのデータを表す場合、神経ネットの応答はゆっくりすぎる。いくつかの入力距離は、初期利得及びLED駆動の変化のために修正されるデジタル化IR値の変化に基づいたものであり、神経ネットの挙動上のこのような変化の影響を最小限にする。
【0023】
距離1は、平均赤外線(IR)AC振幅である。非平均赤外線(IR)AC振幅は、適当な時間間隔にわたる最大及び最小のデジタル化IRレベルの差である。この距離は、光吸収の急激な変化に鋭敏である。IRチャンネルは、大きい酸素飽和度変化による影響が、IR光レベルがRed光レベルよりも小さいことから、使用される。センサがオフになると、光レベルが激しく変化するので、この最大・最小差がdBスケールで表される。次に、この距離は、適当な時間定数で、単一極IIRフィルターを使用して平均化される。この平均化は、不整脈中に生じる不規則な脈拍振幅に対する距離の感度、及び利得及びLEDの調節中に計算されるゼロ変調に対する距離の感度を低下させる。この平均が増加すると、相加平均が使用される。平均距離が減少すると、調和平均が使用される。センサがオフになるか又は再適用されると、この距離は非常に大きくなり、一旦センサが適用されると、高速収束時間が調和平均によって得られる。特定的な実施例に従うと、平均化赤外線(IR)AC変調は、最大値に明確に限定される。これは、神経ネットがトレーニングを受けなければならない距離の範囲を限定し、センサの再適用後の収束時間を低下させる。
【0024】
距離1の非常に高いか又は非常に低い値は、センサが患者から外れていることを示していると考えられる。センサがオフになるか又は再適用されると、この距離は非常に高くなる。IIRの応答時間は、適当な時間間隔内の“通常”に見える値にこの距離を安定させるのに十分に短くなければならない。この距離を計算するための時間間隔は、低い脈拍数に適するものでなければならない。すなわち、脈拍振幅の実質的な部分を包含するのに十分に長くなければならない。いずれの事象においても、距離1の予測は、神経ネットによって正しく分類される不整脈中のものよりも、低い脈拍数に起因した変化がない。
【0025】
距離2は、赤外線(IR)AC振幅の相対可変性である。つまり、可変距離が、上述した非平均化赤外線(IR)AC振幅のために計算される。連続的な計算時間間隔同士の間の非平均赤外線(IR)AC振幅(単位はすでにdBである)における差が、適当な時間定数をもつ単一極IIRフィルターで平均化され、次に、その二乗根がとられる。この平均値が増加すると、相加平均が使用される。この平均値が減少すると、調和平均が使用される。センサがオフになるか又は際適用されるとき、この距離は、非常に大きく、一旦センサが適用されると、高速収束時間が調和平均により得られる。特定的な実施例に従うと、この平均二乗差は、最大値に明確に限定する。これは、神経ネットがトレーニングされなければならないこの距離の範囲を限定し、センサの再適用後の収束時間を低減する。最後に、限定された平均二乗差は、平均化赤外線(IR)AC振幅(つまり、距離1)で割られる。距離2が距離1に依存するので、これら距離の両方では、これらのIIRフィルターに同一の応答時間が使用される。距離2は、過去数秒にわたるパルスサイズの一貫性を表す。この距離の高い値は、不整脈又はセンサ・オフ状態を示し得る。低い値は、センサが患者上にある確率が高いことを示す。
【0026】
距離3は、赤外線(IR)及び赤色(Red)AC接続波形の相関の度合いに基づいたものである。この“非相関”距離は、バンドパスフィルター化され、正規化され、さらに白色化されたIR波形及びRed波形から計算される。ここで、白色化フィルターは、第一の差分フィルターである。第一の差分フィルターは、動きアーチファクトが脈拍数よりも低い周波数で典型的に発生するので、比較的低い周波数をダウンウェイトするために使用される。これは、特に、動きアーチファクトが最も共通的である幼児の場合である。
【0027】
“非相関”距離の方程式は、下記(式1)のとおりである。
【数1】


ここで、tはサンプルであり、Mは適当な数値計算時間間隔を定義するために設定される。距離3は、ゼロで割る場合、すなわちRがゼロ、又は二乗根の下側の式がゼロである場合、ゼロである。その範囲は、ゼロから1である。
【0028】
次に、距離は、適当な時間定数をもつ単一極IIRフィルターで平均化される。これは、大きい過渡的な動きアーチファクトがその値を突然変化させるからである。この付加的な平均化により、神経ネットが、この過渡的なものに起因するセンサ・オフを擬似的に通知することから遠ざけられる。センサ・オフの可能性は、この距離によって単調増加する。
【0029】
距離4は、赤外線(IR)DC光レベルの可変性である。幾らかの適当な時間間隔にわたる平均有効IR光レベルが計算される。このDC予測は、光吸収の低い周波数変化に鋭敏である。IR光レベルは、大きい酸素飽和度による影響が、Red光レベルのものよりも小さいので、IRチャンネルが使用される。次に、可変性距離が、この赤外線(IR)DC項のために計算される。連続的な計算時間間隔同士の間の赤外線(IR)DC値(dB)における差は、二乗され、この二乗差は、適当な時間定数をもつ単一極IIRフィルターで平均化される。この平均が増加すると、相加平均が使用される。この平均が減少すると、調和平均が使用される。センサがオフになるか又は再適用されるとき、この距離は非常に大きく、一旦センサが適用されると、高速収束時間が調和平均により得られる。DC差項の単位は、センサがオフになると光レベルが非常に激しく変化するので、dBである。
【0030】
可変距離は、この平均化二乗差の二乗根である。特定的な実施例に従うと、平均化二乗差は、最大値に明確に限定される。これは、神経ネットがトレーニングされなければならないこの距離の範囲を限定し、センサの再適用後の収束時間を低減する。
【0031】
距離4は、したがって、過去数秒にわたるDC光レベルの可変性を表す。この距離の高い値は、継続中のセンサの動きを有するセンサ・オフ状態を示すか、又はセンサが再適用されたばかりで、距離が依然収束していることのいずれかを示すものである。この距離の計算時間間隔は、低い脈拍数に適するものでなければならない。すなわち、脈拍の実質的な部分を包含するのに十分長くなくてはならない。脈拍振幅に起因する距離4の小さい変化が、神経ネットにより修正的に分類される呼吸アーチファクトに起因するものよりも長くてはいけない。
【0032】
距離5は、赤外線(IR)DC光レベルのバイアス又は傾きである。特定的な実施例に従うと、この範囲は明確に限定され、これにより、神経ネットがトレーニングされなければならない範囲を制限し、センサの再適用後の収束時間を低減する。他の特定的な実施例に従うと、距離の絶対値がとられ、これにより、神経ネットがトレーニングされなければならない範囲がさらに限定される。DCの傾きの符号は、それ自身によるか又は神経ネットの他の入力距離に関連してセンサがオフの状態にある可能性に対して相関するとは考えられない。距離5の非常に高い値は、センサがオフになったばかりであるか又は再適用されたばかりであることを示し得る。やや高い値は、センサが患者上にあり、大きいベースラインシフトが幾らかの生理学的理由により生じていることを示し得る。この後者の場合、距離1も確率的に増加し、距離1及び距離5を組み合せた挙動は、センサが依然患者上にあることを示す。
【0033】
距離6は、脈拍形状を表す。(例えば、IR波形により表されるような)典型的な人の脈拍の特徴的な非対称性により、デジタル化波形の微分係数が、負の斜交を有する。特定的な実施例に従うと、この微分値は、小さい数のサンプルにわたって平均化され、センサが患者上にあるかどうかを示さない高い周波数ノイズを低減する。非拍動性信号は、典型的に、平均斜交がゼロの対称性である。斜交性の方程式は、下記(式2)のとおりである。
【数2】


ここで、nはサンプル数であり、σはxの標準的な微分である。σによる正規化は、この距離をスケールに独立なものにする。第一の差分フィルターが、比較的低い推移端数をダウンウェイトするために使用される。これは、動きアーチファクトが、典型的に、脈拍数よりも低い周波数で起こるからである。σの方程式は、下記(式3)のとおりである。
【数3】


ここで、nは、適当な計算時間間隔にわたって生じた有効IR微分サンプル数であり、加算は、これらサンプルにわたって計算される。nが3以下である場合、又は二乗根下の式の符号が正でない場合、斜交はゼロに設定される。特定的な実施例に従うと、nが、脈拍の有効な部分を表せないほど小さすぎる場合にも、斜交はゼロに設定される。特定的な実施例に従うと、斜交の範囲は、明確に限定され、次に、適当な時間定数をもつ単一極IIRフィルターで平均化される。平均化時間間隔は、距離6が、脈拍の非積分数にわたって計算されることに起因して過度にバイアスされないことを保証しなければならない。
【0034】
距離7は、調和性が、バンドパスフィルター化され、正規化され、さらに白色化された後に、IR波形から計算される。ここで、白色化フィルターは、第一の差分フィルターである。距離は、20から250拍/分(BPM)の範囲にわたるこのIR波形の最大自己相関を探索する。自己相関(A)は、下記(式4)のように定義される。
【数4】

ここで、tはサンプルであり、nはサンプルでの遅延を表し、Mは、適当な計算時間間隔を定義するように設定される。Aは、M−サンプルサーキュラーバッファに貯蔵されたサンプルを使用して計算される。ここで、Dだけが、全てのnの値に対して一旦計算される必要がある。特定的な実施例に従うと、全てのnに対するAの計算集中的な計算をなすことに代えて、アルゴリズムが、脈拍数の幾つかの大まかな近似をなし、最も高いAを取り上げ、次にニュートン探索法を使用してAを最大化する。
【0035】
距離7は、このアルゴリズムにより計算された最大のA(ただし、ゼロ以下でない)に設定される。低い脈拍数において、Mが脈拍間隔の積分積算でないとき、最大自己相関は、約1.0以下であるが、依然、センサ・オフとして分類されることから調和信号を遠ざけるに十分なほど高い。
【0036】
実際には、連続的で割込みのないIR及びRedデータストリームがみられないので、幾つかの例外には、データストリームの割込みに起因した備えがある。例えば、センサが接続されていない間、距離1〜7は、明確にゼロに設定され、これにより、神経ネットをトレーニングしているとき、センサの非接続を表すデータが、容易に識別でき無視できる。様々な他の例外では、所望される性能レベルに従った他の条件を考慮する必要があり得ることが理解できる。
【0037】
本発明の神経ネットは、10ノードの間接層と単一ノードの出力層とをもつフィードバックネットワークのようにトレーニングされる。全てのノードは全て接続されており、関連するバイアス入力を有する。間接層は、したがって、(7+1)*10=80個の同調係数を有し、出力層は、(10+1)*1=11個の同調係数を有する。層のj番目の神経単位は、n個の入力(x1・・n)、n個の重み(w1,j・・n,j)、バイアス(b)、変換関数F( )、及び出力(y)を有する。
【数5】


層の全てのノードは、同一の入力を受ける。ただし、これらは、異なった重みとバイアスを有する。間接層への入力は、上述した7個の入力距離である。出力層への入力は、間接層にある10個の間接ノードの出力である。神経ネットのトレーニングの目的は、神経ネットの入力距離で与えられたセンサ・オフの確率(0と1との間)を高精度に出力することである。これを行うために、神経ネットの間接ノードにより、神経ネットに、その入力空間(この入力空間に、センサ・オンのデータがあるものと考えられる)の“境界”をマッピングさせることができる。間接ノードは、神経ネットの性能が再トレーニング期間中に直ぐに収束させることができるほど十分に低いものの、神経ネットの7次元入力空間をマッピングするための適当な数のノードを与えるほぼ最適なものであると考えられる。神経ネットの入力距離の値の制約条件は、神経ネットによりマッピングされなければならない入力空間を限定する。これにより、入力空間が明確に制約を受けていない場合よりも、有限数の間接ノードが十分にこの制約を受けた入力空間をマッピングすることができる。
【0038】
神経ネットのトレーニングの目的が、0と1の間の確率を出力することなので、出力ノード及び全ての間接ノードは、対数関数的シグモイド(sigmoid)(又はlogsig( ))変換関数を使用し、無限記号入力範囲を0〜1の出力範囲に圧縮する。logsig( )変換関数の式は下記(式6)のとおりである。
【数6】


この式中の指数関数のオーバー又はアンダーフローを防止するため、xが適当な限定値に制約されなければならない。
【0039】
神経ネットの自動的なトレーニングアルゴリズムがフィードフォワードネットワークをトレーニングするが、本発明の特定的な実施例に従うと、信号状態サブシステムに備えられる神経ネットがフィードバック層を付加し、その出力安定性を維持し、センサ・オン又はセンサ・オフの分類エラーを最小化する(例えば、図3のフィードバック層308)。特に、神経ネットの単一出力ノード(y)の式は、下記(式7)のとおりである。
【数7】


ここで、フィードバック係数A、B、C、Dは、フィードフォワードネットワークのトレーニング後に筆算で同調される。フィードフォワードネットワークは、A=1、B=0及びC=0の設定と同等である。Aの値は、ネットワークのフィードフォワードの部分が現在の出力にどれだけ影響を与えたかを決定する。Bの値は、ヒステリシスがネットワークにどれだけ適用されたのかに影響を与える。C係数は、y(及びしたがってz)が常に正であることに対する補償を行うために追加のバイアスのように働く。Cの値は、神経ネットにより生成されたセンサ・オフの誤通知と偽通知の間のバランスを決定する。Dの値は、zの応答時間を決定し、したがって、フィードバック・ステージの応答時間に影響を与える。A、B、C及びDの値は、経験的に決定される。
【0040】
センサ・オフ又はセンサ・オンを通知するための決定点として0.5の神経ネット出力が与えられ、その係数が、約0.5の神経ネット出力を生成するxの値がフィードバックの有無にかかわらず同一であるように設定される。フィードバックが無いときは、x=0のとき、logsig( )出力神経単位が0.5を出力する。x=0の定数値において0.5の神経ネット出力を生成するBとCとの間の関係は、下記(式8)のとおりである。
【数8】


上記の式は、すべての所与のデータベース及び係数の集合において、B及びCの最適な比を近似するだけである。
【0041】
本発明がその特定的な実施例を参照して示され説明されたが、開示した実施例の形態を変更したものが本発明の精神又は範囲を逸脱せずになされ得ることは、当業者には理解できることである。例えば、本発明は、特定的な酸素測定システムを参照して説明された。しかし、本発明が様々な酸素測定システムに組み入れられ得ることは理解できる。このため、ここに説明される技術は、センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するために、様々な設定に適用し得る。また、本発明は、神経ネットに関して説明された。ここで、しかし、他のタイプのアルゴリズムが、所与の集合の入力距離に基づいた適当な決定をするために必要なデータ縮小を行うのに適している。つまり、神経ネットのトレーニング手順は、多次元の対象領域を最大限に分離する線形又は非線形境界を直接的又は非直接的に決定するための反復可能な方法、又は任意の多重入力関数を近似するための反復可能な方法の例である。本発明に用いられ得る他の種類のアルゴリズム又はフィルターとしては、これらに限定されないが、(1)一般のアルゴリズム、又は例えば、(a)多変量回帰技術、(b)最近接技術(nearest-neighbor technique)(距離関数が、ユークリッド距離又はマハロノビス(Mahalonobis)距離を含む)及び(c)ベイズの検出(Bayesian detection)(これは、予め統計学的に特徴付けられた領域を必要とする)を含む(2)線形判別技術が含まれる。同様に、本発明は、組織サンプルを発光させるために、赤色(Red)及び赤外線(IR)周波数を参照して説明された。当然に、本発明は、これら周波数領域に限定されず、放射周波数のいずれの組合せも用いることができる。最後に、ここで説明した距離(例えば、脈拍形状距離)のいずれもが、本発明の範囲を逸脱せずに様々な方法で計算し得ることは理解できる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織サンプルによる電磁気放射の吸収を示す検出器信号を生成するように作動できるセンサがこの組織サンプルに接続されているかどうかを決定するための方法であって、
検出器信号に対応する複数の距離値を生成する工程、及び
センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するために、距離値と神経ネットを使用する工程、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、
複数の距離値を生成する工程が、
検出器信号上でアナログ信号処理を行う工程、
検出器信号をデジタル信号へ変換する工程、
検出器信号のAC及びDC成分に対応するデジタル信号のAC及びDC成分を生成する工程、及び
デジタル信号のAC及びDC成分を使用して複数の距離値を生成する工程、
を含む。
【請求項3】
請求項2の方法であって、
デジタル信号の自然対数をとる工程、
をさらに含む方法。
【請求項4】
請求項2の方法であって、
デジタル信号をバンドパスフィルター化する工程、
をさらに含む方法。
【請求項5】
請求項2の方法であって、
デジタル信号を正規化する工程、
をさらに含む方法。
【請求項6】
請求項2の方法であって、
検出器信号が、
第一の周波数の電磁気放射に対応する第一の部分、及び
第二の周波数の電磁気放射に対応する第二の部分、
を含み、
距離値の選択されたものが、検出器信号の第一の部分に対応するデジタル信号のAC及びDC成分を使用して生成される、
ところの方法。
【請求項7】
請求項1の方法であって、
検出器信号が、
赤外線放射に対応する赤外線の部分、及び
赤色放射に対応する赤色の部分、
を含み、
複数の距離値を生成する工程が、
検出器信号の赤外線の部分に対応する赤外線AC及びDC成分、及び検出器信号の赤色の部分に対応する赤色AC及びDC成分を生成する工程、
を含む、
ところの方法。
【請求項8】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、赤外線AC成分信号の平均振幅を含む、
ところの方法。
【請求項9】
請求項8の方法であって、
平均振幅が、無限インパルス応答フィルターを使用して決定される、
ところの方法。
【請求項10】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、赤外線AC成分信号の振幅の可変性を含む、
ところの方法。
【請求項11】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、検出器信号の赤外線及び赤色の部分の相関の度合いを含む、
ところの方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、
検出器信号の赤外線及び赤色の部分の相関の度合いが、検出器信号のデジタル化及びアナログ化された部分を参照して決定される、
ところの方法。
【請求項13】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、赤外線DC成分信号の振幅の可変性を含む、
ところの方法。
【請求項14】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、赤外線DC成分信号の傾きを含む、
ところの方法。
【請求項15】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、検出器信号の赤外線の部分に関連したパルス形と相互的なパルス形の距離を含む、
ところの方法。
【請求項16】
請求項7の方法であって、
複数の距離が、検出器信号のデジタル化及びアナログ化された部分に対応する最大自己相関値を含む、
ところの方法。
【請求項17】
請求項1の方法であって、
前回記録したセンサデータのデータベースを使用して、センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するために、神経ネットをトレーニングする工程、
をさらに含む方法。
【請求項18】
請求項18の方法であって、
神経ネットが、複数の処理ノードを含み、各処理ノードが、それに関連した少なくとも一つの係数を有し、
神経ネットをトレーニングする工程が、これら係数の各々の値を決定する肯定を含む、
ところの方法。
【請求項19】
請求項18の方法であって、
神経ネットをトレーニングする工程が、複数の距離値によって定義される入力空間をマッピングする工程、を含む、
ところの方法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、
複数の距離値が、入力空間のマッピング中に、明確に抑制される、
ところの方法。
【請求項21】
組織サンプルによる電磁気放射の吸収を示す検出器信号を生成するように作動できるセンサがこの組織サンプルに接続されているかどうかを決定するためのプログラムインストラクションを収容する少なくとも一つのコンピュータリーダブル媒体であって、
検出器信号に対応する複数の距離値を生成するためのコンピュータリーダブルコード、及び
センサが組織サンプルに接続されているかどうかを決定するために、距離値と神経ネットを使用するためのコンピュータリーダブルコード、
を含む媒体。
【請求項22】
組織サンプルに関連したパラメータを示す検出器信号を生成するように作動できるセンサがこの組織サンプルに接続されているかどうかを決定する方法であって、
検出器信号に対応する複数の距離値を生成する工程、及び
センサが組織サンプルに接続しているかどうかを決定するために、距離値でフィルターを使用する工程であって、フィルターが距離値の間の依存関係に基づいたデータ縮小を行うように作動できる、ところの工程、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−234059(P2010−234059A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110678(P2010−110678)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願2000−520684(P2000−520684)の分割
【原出願日】平成10年10月29日(1998.10.29)
【出願人】(591191572)ネルコー ピューリタン ベネット エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】