説明

酸素燃焼蒸気発生装置

蒸気発生装置の稼動方法において、輸送反応器が設けられる。前記輸送反応器を特定のシステム負荷以上に維持するのに十分な量を有する実質的純酸素供給流のみが、前記輸送反応器へ導入される。この特定の負荷とは、輸送反応器を稼動するための最小流速で、実質的純酸素供給流のみが輸送反応器へ提供される場合のシステム負荷である。燃料は、この実質的純酸素供給流の存在下で燃焼されて、固体材料を含有する燃焼排ガスを生成する。固体材料は、燃焼排ガスから分離されて熱交換器へ移される。この熱交換器は、移動床熱交換器又は流動床熱交換器のうちの一方となりえる。固体材料は、輸送反応器へ導入されて燃焼処理に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに記載の明細書は、概して、蒸気発生装置に関し、より具体的には、実質的純酸素が輸送反応器に供給される蒸気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気発生装置、特に、石炭燃焼タイプの蒸気発生装置は、有害な排出物を生じ得る。最近の取り組みでは酸素燃焼に焦点が当てられ、この酸素燃焼において、空気燃焼で生じる窒素を除去することにより、より効率的に隔離することが出来る本質的純二酸化炭素生成ガスを生じる。多くの酸素燃焼蒸気発生装置では、その蒸気発生装置内で必要とされる流量を維持するために大幅にガス再循環が利用され、それにより熱交換処理をサポートしている。高速でのガス再循環は、かなりのコスト負担と複雑性をもたらし、補助電源の必要性が増してしまう。
【0003】
粉砕石炭の蒸気発生装置は、熱交換を制御するように炉の面積に依存している。これらのシステムにおいても、炉と対流表面速度を維持するために、実質的なガス再循環を本質的に必要としている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施態様では、蒸気発生装置の稼動方法において、輸送反応器を使用し、実質的純酸素供給流は外的な供給ガスのみであり、この外的な供給ガスは、この反応器内の流速を、最小閾値流速を越える望ましい流速に上昇させるのに十分な量で、燃焼処理中に導入される。従って、追加される実質的純酸素の量は、この輸送反応器内で望まれる流量に依存して変化する。ここで使用されている用語「実質的純酸素」とは、95から100%酸素含有のガスを意味すると解釈されるべきである。稼動中に、輸送反応器が実質的に全負荷で稼動している場合、燃料と実質的純酸素が燃焼されて、灰とその一部を形成する他の高温固形物を有する燃焼排ガスを生成する。燃焼後、燃焼排ガスは、最終生成物部分と再循環生成物部分とに分離される。再循環生成物部分は、移動床又は流動床タイプの熱交換器を通過する。高温の燃焼排ガスからの熱は、これらに制限されないが、水、水蒸気又は蒸気のような熱交換器の一部を構成する作動流体へと伝達される。その後、再循環生成物部分は、輸送反応器へ送られて燃焼処理に寄与する。
【0005】
ある実施の形態では、分離器はサイクロンであり、輸送反応器は、約30フィート/秒と約50フィート/秒との間の流量で稼動する。この実施の形態では、熱交換器は、分離器の出口と流体的に連通している移動床熱交換器(MBHE)である。この移動床熱交換器は、再循環生成物部分の一部を、MBHEの一部分を形成している円筒状熱交換器に迂回させるバイパスを有しており、高温の燃焼生成物を熱交換器に迂回させて輸送反応器に戻すことによって、より高度な温度制御が輸送反応器において行われる。また、輸送反応器は、入口を有し、補充空気や補充不活性ガスはその入口を通過して輸送反応器へ導入される。補充空気や補充不活性ガスは、反応器内の流速が最小閾値レベル未満の時に導入される。補充空気や補充不活性ガスを追加することにより、輸送反応器内の流速を、実質的純酸素が導入され得る程度、少なくとも閾値速度まで上昇させる。
【0006】
また、蒸気発生装置について述べるが、この蒸気発生装置は、出口と入口が規定された輸送反応器を有する。分離器が設けられ、この分離器は、輸送反応器の出口と流体的に連通された入口を有しており、この入口で、生成された燃焼排ガスを受け取って、分離器によって規定される第1の出口を通過する最終生成物部分と分離器によって規定される第2の出口を通過する再循環生成物部分とに分離する。MBHE又は流動床熱交換器は、分離器の第2の出口の下流部に位置し、この出口と流体的に連通する入口を有する。また、熱交換器は、輸送反応器の入口と流体的に連通する出口を有する。輸送反応器は、それを介して補充空気や補充不活性ガスが提供される入口を有し、実質的に全負荷未満の状態下において輸送反応器のスループットを維持できる。一旦実質的に全負荷状態が達成された場合、補充空気や補充不活性ガスの追加は継続されず、この時点で、実質的純酸素のみが輸送反応器へ供給され得る。実質的に全負荷状態で稼動している場合、実質的純酸素は、外部から輸送反応器へ供給される唯一のガスとなる。
【0007】
ある実施の形態では、実質的純酸素供給流は、輸送反応器に入る前に、分離器の第1の出口の下流に位置する酸素予熱器を通過する。酸素予熱器は、最終生成物部分及び実質的純酸素供給流と流体的に連通しているため、燃焼排ガスの最終生成物部分から実質的純酸素供給流へ熱が伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
上記及びその他の特徴を、以下の図面と詳細な説明によって例示する。
【0009】
ここで、類似の要素には同様の番号を付与し、例示の実施の形態である図面を参照する。
【0010】
【図1】移動床熱交換器を使用する蒸気発生装置の概略図である。
【0011】
【図2】流動床熱交換器を使用する蒸気発生装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示されるように、参照番号10によって概略的に指定される輸送反応器は、燃焼器として稼動し、入口12と出口14とを規定している。限定されないが、石炭のような固形燃料64がこの輸送反応器へ供給される。輸送反応器10が特定のシステム負荷又はそれ以上で稼動している場合、実質的に全ての輸送ガスが、導管16と48によって供給される。この特定のシステム負荷の定義として、全て又は実質的に全ての輸送ガスが、輸送反応器10が稼動する最小流速で導管16と48によって供給される場合の条件で定義されている。この最小流速は、輸送反応器と固形燃料の寸法などの、輸送反応器と固形燃料の構造とパラメータによって定義される。一部又は実質的に全ての輸送ガスは、燃焼器へ供給される前に、酸素予熱器18(以下で詳細に説明される)で加熱され得る。燃焼器出口14は、導管24を介して分離器22の入口20へ連結される。図示の実施の形態に示されるように、分離器22は、燃焼排ガスの最終生成物部分を放出するための上側出口26と、燃焼器10内残留中に消費されなかった加熱された固体並びに燃焼処理中に発生する灰を含む燃焼排ガスの再循環生成物部分を放出するための下側出口28を有するサイクロンである。サイクロン22の下側出口28は、「移動床熱交換器(MBHE)」として以下で詳細に説明され、図示の実施の形態に示されている、熱交換器30の入口29と流体的に連通されている。MBHEが図示されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図2に示され且つ以下で詳細に説明されるが限定されない「流動床熱交換器(FBHE)」のような、本発明が関連する関連分野の当業者にとって公知である他のタイプの熱交換器を代わりに使用することができる。
【0013】
導管16と18を介して流れる輸送ガスは、実質的純酸素供給流であり、この実質的純酸素供給流は、酸素源46によって供給される実質的純酸素と、熱交換器30、固形燃料源及び/又は酸素予熱器18から入り込むと思われるその他の残留ガスから構成される。実質的純酸素供給流は、略90から100%酸素より構成されている。提案されているように、空気のような流動化ガスを、ここで述べられる実施の形態の一部を形成している熱交換器へ追加することは、実質的純酸素供給流の酸素純度に影響を与える。熱交換器用の流動化ガスとして空気を記載したが、本発明はこれに限定されず、燃焼排ガスと実質的純酸素のような、しかしこれらには限定されないその他のガスもまた使用され得る。
【0014】
図1を更に参照すると、補充ガスライン31は、輸送反応器10への入口27へ連結されている。稼動中において、もし輸送反応器10が最小流速未満で望ましいシステム負荷となるように稼動しているならば、輸送反応器内の流速を少なくとも最小流速へ上昇させるために、補充空気や不活性ガス、例えば、限定されないが燃焼排ガスのようなガスを、ガスライン31を介して輸送反応器へ導入することができる。この時、実質的純酸素供給流を、輸送反応器へ導入することができる。輸送反応器へ導入される実質的純酸素供給流量は、輸送反応器内の望ましいシステム負荷によって管理されるであろう。
【0015】
MBHE30の出口32は、導管16に流体的に連通されており、それによって、上述の再循環生成物部分は、MBHEを通過した後、実質的純酸素供給流及び導管内に供給される燃料と混合され、燃焼器入口12を介して燃焼器10内に搬送される。
【0016】
燃焼排ガスの最終生成物部分は、上側出口26を介してサイクロン22から排出され、バックパスダクト(backpass duct:後部煙道ダクト)35によって規定される後バックパスボリューム(backpass volume:後部煙道ボリューム)33内に流入する。熱交換器34は、バックパスダクト35と連通しており、熱交換器の一部を形成するチューブ及び/又はコイルを介して供給される蒸気、水又は水蒸気のような作動流体が使用されている。燃焼排ガスの高温最終生成物部分は、伝導及び対流して熱交換器34を通過し、作動流体を望ましい温度に加熱する。
【0017】
燃焼排ガスの最終生成物部分がバックパスボリューム33内を通過後、この最終生成物部分は、以下でより詳細に説明されるように、酸素予熱器18内に流入して、実質的純酸素を燃焼器10へ導入する前に予熱する。
【0018】
上述のように、サイクロン22の下側出口28は、MBHE30と流体的に連通されている。このMBHE30は、内側領域40を規定しており、この領域内には、燃焼排ガスの再循環生成物部分が下側サイクロン出口28から排出した後に流入する。このMBHE30は、一連の円筒形熱交換器42を通って下流へ移動する固体の質量流を採用した向流直接接触熱交換器である。限定されないが、例えば、蒸気のような作動流体を望ましい処理温度へ加熱するために、燃焼生成物からの熱が、円筒形熱交換器へ伝達される。円筒形熱交換器42において、伝熱面積を増加するためにフィンを使用することができる。MBHE30の伝熱メカニズムは、ガスのみの対流を使用して達成される伝熱率よりも高い伝熱率を有する伝導と対流によって特徴付けられる。MBHE30を向流直接接触熱交換器として記述したが、MBHE30はこれに限定されず、この熱交換器は、並行流タイプのものからも構成されることができる。
【0019】
図示の実施の形態に示されるMBHE30は、燃焼排ガスの再循環生成物部分の幾らかを円筒形熱交換器42に迂回させるためのバイパス44を備える。これにより、高温燃焼生成物の一部を熱交換器に迂回させ燃焼器へ戻すことで、より高度な温度制御が燃焼器10において行われる。
【0020】
輸送反応器10の特定のシステム負荷以上での稼働中において、実質的純酸素供給流は、輸送反応器へ導入される全て又は実質的に全てのガスとなり得る。このように実質的純酸素を使用することにより、その低ガス重量とより高い燃焼速度に起因して、空気燃焼「循環流動床(CFB)」と比較して80%を超えるほどの燃焼器及び/又は炉面積の劇的な減少を可能にする場合がある。更に、ガス再循環が使用されず、代わりに、導管16へ実質的純酸素を供給する(以下で説明される)酸素源46の放出圧力が主ドラフト源として動作する。
【0021】
実質的純酸素は、酸素導入要素部48を介して酸素源46から輸送反応器10へ供給される。酸素源46から供給される実質的純酸素は、酸素導入要素部48の上流で酸素予熱器18によって予熱される。酸素予熱器18は、酸素源46によって規定される出口52に連通する低温側入口50を有する。酸素予熱器18は、加熱された実質的純酸素を酸素導入要素部48へ導入するために、酸素導入要素部48と流体的に連通される酸素出口54を有する。バックパスボリューム33から供給される燃焼排ガスの最終生成物部分は、酸素予熱器の高温側入口58と連通する導管56を通過する。
【0022】
酸素源46によって供給される実質的純酸素は、周囲空気流から酸素を分離する空気分離ユニットによって生成され得る。従って、酸素源46は、低温プラントで構成されてもよい。そして、酸素源46は、酸素輸送膜を備える装置として構成されても良い。
【0023】
図1に示されるように、限定されないが、微粒子や二酸化硫黄のような燃焼処理副生物を捕獲するための機構62が、酸素予熱器18の下流に位置し、図示の実施の形態では、導管56と連通している。
【0024】
図示の実施の形態に示される燃焼器10は、輸送反応器であり、燃焼ガスと固体(灰と未消費燃料)の流量は、好ましくは、約30フィート/秒と約50フィート/秒との間である。しかしながら、本発明が関連する関連技術者にとって公知である任意の効果的な流量が使用され得るので、本発明は、これに限定されない。
【0025】
輸送反応器10は、従来の反応器よりも高い温度で稼動する。典型的には、輸送反応器は、使用される燃料の灰溶融温度直下の温度で稼動される。この温度は、一般的には、約2000°Fであるが、燃焼器へ供給される燃料によって多少変化してもよい。これらの高温稼動温度に起因して、NOは、典型的には破壊され、燃焼処理の副生物とはならない。しかしながら、NOが、燃焼処理中に生成される。従って、選択的触媒反応体(SCR)60が、熱交換器34の下流のバイパスダクト33に配置されて、燃焼排ガスの最終生成物部分からNOを除去する。燃焼排ガス中に存在する二酸化硫黄(SO)と微粒子捕獲用に、捕獲機構62が、酸素予熱器18の下流に配置されている。図示の実施の形態では、この捕獲機構は、導管56と連通している。
【0026】
更に図1を参照すると、必要に応じて、誘引通風(ID)ファン65が設けられてもよい。
【0027】
図2を参照すると、ここで示される実施の形態は、図1に示されている実施の形態と同様である。従って、同様の要素には、先頭に1が付随した同様の番号が付与されている。図2の実施の形態が図1に示される実施の形態と異なっている点は、図2のシステムでは、MBHE30の代わりに、流動床熱交換器(FBHE)130と絞り弁131を使用している点である。図示の実施の形態に示されるFBHE130は、バイパス144を使用している。バイパス144は、導管116と反対側で流体的に連通する導管145と流体的に連通する第1の出口164と、絞り弁131と流体的に連通する第2の出口166とを有する。また、絞り弁136は、導管116とも流体的に連通しており、それによって、稼動中、絞り弁が、高温燃焼生成物の幾らかを燃焼器110へ還流するように動作して、燃焼器110内の温度を制御する。
【0028】
FBHE130は、流動化ガス供給ライン168と気体的に連通されている。供給ライン168を使用することにより、これらに限定されないが、空気、燃焼排ガス又は実質的純酸素のような流動化ガスを、FBHEの一部分を形成している流動床170に導入する。
【0029】
ここで記述される実施の形態では、実質的純酸素を輸送反応器10へ供給することを用いている。蒸気発生装置をこのように構成する利点としては、蒸気発生装置の複雑性を軽減することである。低ガス重量とより高い燃焼速度により、従来の空気燃焼CFB蒸気発生装置で要求される燃焼炉面積よりも、顕著に減少することができる。
【0030】
ここで記述される実施の形態では、燃焼処理と伝熱処理を分離することにより、熱交換器中でのより効果的な伝熱を可能にする。
【0031】
本発明は、種々の例示される実施の形態を参照して記述されている。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が成され且つその要素は均等物で代替可能であることは、当業者に理解されるであろう。更に、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料を、本発明で示唆されるものに適応するように、多くの改良を成すことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために熟考された最良の態様として開示された特定の実施の形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に入る全ての実施の形態を含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生装置の稼動方法であって、
輸送反応器を提供する工程と、
前記輸送反応器を特定のシステム負荷以上に維持するのに十分な量を有する実質的純酸素供給流のみを前記輸送反応器へ導入し、前記特定のシステム負荷とは、前記輸送反応器を稼動するための最小流速で実質的純酸素供給流のみが輸送反応器へ供給される場合のシステム負荷である工程と、
燃料を前記実質的純酸素供給流の存在下で燃焼して燃焼排ガスを生成し、その燃焼排ガスは固体材料を含有する工程と、
前記固体材料を燃焼排ガスから分離する工程と、
固体材料を熱交換器へ通過させる工程と、
固体材料を前記輸送反応器へ導入して燃焼処理に寄与させる工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記実質的純酸素供給流は、90から100%酸素より構成されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記燃焼排ガスの分離後、前記方法は、更に、分離された燃焼排ガス部分を、燃焼排ガスからの熱を前記実質的純酸素供給流へ伝達する酸素予熱器に通過させる工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、更に、
前記輸送反応器に入口を設ける工程と、
前記輸送反応器が最小閾値流速未満の流速で稼動している場合に、前記輸送反応器内の前記流速を前記最小閾値流速へ上昇させるのに十分な量を有する補充空気及び補充不活性ガスの少なくとも一方を、前記入口に供給し、前記輸送反応器に流入させる工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記熱交換器は、流動床熱交換器であり、
前記方法は、更に、
前記流動床熱交換器に入口を設ける工程と、
前記入口を介して流動化ガスを前記流動床熱交換器の前記入口へ導入する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記流動化ガスは、少なくとも、燃焼排ガス、空気及び実質的純酸素の内の1つであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記熱交換器は、移動床熱交換器及び流動床熱交換器のどちらか一方であり、これらの熱交換器は、前記固体材料の少なくとも一部を通過させるバイパスを有し、
前記方法は、更に、前記バイパスを動作することによって前記輸送反応器内の温度を制御する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記分離器はサイクロンであり、
前記方法は、更に、前記分離後且つ前記分離された燃焼排ガス生成物部分を前記酸素予熱器に通過させる前に、前記燃焼排ガスの前記分離された燃焼排ガス部分を、連通する少なくとも1つの熱交換器を有するバックパスボリュームへ導入して、前記分離された燃焼排ガス部分からの熱を前記1つの熱交換器内を流れる作動流体へ伝達する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記輸送反応器は、約30フィート/秒から約50フィート/秒の間の流量で稼動することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法において、
前記熱交換器は、流動床熱交換器であり、
前記方法は、
前記バイパス及び前記熱交換器と流体的に連通する絞り弁を設ける工程と、
前記絞り弁を動作して前記固体材料が前記輸送反応器へ導入される流量を制御して、前記輸送反応器内の温度を制御する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
燃料の燃焼により、前記輸送反応器は、前記燃料によって規定される灰溶融温度に近接する温度で稼動されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記実質的純酸素供給流は、95から100%酸素より構成されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記熱交換器は、移動床熱交換器の1つであることを特徴とする方法。
【請求項14】
蒸気発生装置の稼動方法であって、
輸送反応器を提供する工程と、
前記輸送反応器内の最小閾値流速以上の望ましい流速を維持するのに十分な量を有する実質的純酸素供給流のみを前記輸送反応器に導入する工程と、
前記実質的純酸素供給流の存在下で燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成し、前記燃焼排ガスは、少なくともその一部は高温の灰である固体材料である工程と、
前記輸送反応器で規定される出口と流体的に連通する入口を有するサイクロンを設けて、前記燃焼排ガスを前記サイクロンへ導入する工程と、
前記サイクロンを動作して、前記燃焼排ガスを最終生成物部分と再循環生成物部分とに分離する工程と、
前記サイクロンの出口と流体的に連通する移動床熱交換器内に、前記高温の灰の少なくとも一部を含む前記再循環生成物部分を通過させる工程と、
前記燃焼排ガスからの熱が前記酸素供給流へ伝達される酸素予熱器内に、前記最終生成物部分を通過させる工程と、
前記再循環生成物部分を前記燃焼器へ導入して燃焼処理に寄与させる工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記実質的純酸素供給流は、90から100%酸素より構成されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記方法は、更に、
前記輸送反応器に入口を設ける工程と、
前記輸送反応器が最小閾値流速未満で稼動している場合に、前記輸送反応器内の前記流速を前記最小閾値流速へ上昇させるのに十分な量を有する補充空気及び補充不活性ガスの少なくとも一方を前記入口に導入し、前記輸送反応器に供給する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、
前記方法は、
前記燃焼排ガス分離後且つ前記最終生成物部分を前記酸素予熱器に通過させる前に、前記燃焼排ガスの前記最終生成物部分が、少なくとも1つの熱交換器と連通するバックパスボリュームへ導入され、前記最終生成物部分からの熱が前記少なくとも1つの熱交換器内を流れる作動流体へ伝達される工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法において、
前記輸送反応器が実質的に全負荷で稼動している場合には、実質的純酸素供給流の輸送反応器への導入では、前記実質的純酸素供給流が前記蒸気発生装置のための主ドラフト源として機能するような十分な流量と圧力で、前記実質的純酸素供給流が、前記輸送反応器へ導入されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項12に記載の方法において、
前記輸送反応器は、約30フィート/秒から約50フィート/秒の間の流量で稼動することを特徴とする方法。
【請求項20】
蒸気発生装置であって、
前記輸送反応器内で最小閾値流速以上の望ましい流速を維持するのに十分な量を有する実質的純酸素供給流のみの存在下で燃料を燃焼して、固体材料を含有する燃焼排ガスを生成する当該輸送反応器と、
実質的純酸素を供給する酸素源と、
前記固体材料を前記燃焼排ガスから分離する分離器と、
前記輸送反応器へ導入されて燃焼処理に寄与する前記固体材料を受ける熱交換器と、を備えることを特徴とする蒸気発生装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−527597(P2012−527597A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511890(P2012−511890)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/034439
【国際公開番号】WO2010/135109
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】